JP2010243197A - 流体速度計測システム - Google Patents

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Abstract

【課題】流体の速度を精度良くかつ迅速に計測することができる流体速度計測システムを提供する。
【解決手段】本発明による流体速度計測システム1は、レーザ光3を発振するレーザ光発振部2と、レーザ光3をレーザシート光5に変換して被計測流体内に照射するレーザシート光形成部4と、レーザシート光5により被計測流体内に現れた被照射体画像6を観測するボアスコープ7とを備えている。このボアスコープ7に、観測された被照射体画像を撮像して被照射体画像データに変換するPIV用カメラ8が連結されている。レーザシート光形成部4およびボアスコープ8は、被計測流体側に延びるプローブ9に少なくともその一部が収納されて保持されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、流動している流体の速度を計測する流体速度計測システムに係り、とりわけ、流体の速度を精度良くかつ迅速に計測することができる流体速度計測システムに関する。
従来より、ガスタービン、蒸気タービン、水車などに代表されるターボ型流体機械、ピストンエンジン、ギヤポンプ、スクリューポンプなどに代表される容積型流体機械、または熱交換器や配管内部を流動している流体の速度を計測する方法として、PIV(Particle Image Velocimetry)システムを用いた計測方法が知られている。具体的には、まず、固体または液体の微粒子(トレーサ粒子)を混入して流体を流動させる。次に、この流体にシート状に形成されたレーザシート光を照射して現れた画像をカメラによって撮像する。その後、この撮像された画像に基づいて、トレーサ粒子の移動を計測することにより、流動している流体の速度を求めている(非特許文献1乃至3参照)。
上述したように、内部流体の速度を算出する場合、流体内にトレーサ粒子を混入している場合が多いが(特許文献1参照)、ピストンエンジン(特許文献2参照)、火力発電用蒸気タービン最終段付近、原子力用蒸気タービン内、配管内部、またはポンプなどにおいて内部流体の速度を計測する場合、燃料若しくは蒸気が凝縮して生成された液滴、または計測対象流体が液体である場合にはこの液体に含まれる気泡が、トレーサ粒子の代用となる場合もある。
このようなPIVシステムを用いて流体の速度を計測する場合、流体機械のケーシング部(または配管)の少なくとも2箇所に、光が透過可能な窓を取り付けるための改造を行う必要がある。しかしながら、このような改造を、既に稼働しているガスタービンまたは蒸気タービンなどに行うことは困難である。
このような問題に対処するために、ケーシングに窓を一つ設けて、ケーシング内部に挿入されたプローブからレーザシート光を照射することによって現れた画像を、ケーシング外部から窓を介してカメラで撮像する方法が知られている(非特許文献4参照)。
また、レーザシート光の測定範囲の両側に対向するように対物レンズを配置して現れた画像を取り込み、ファイバースコープを介して画像撮像手段に伝送する流体の流動計測システムが開示されている(特許文献3参照)。
特開2008−175710号公報 特開2007−170934号公報 特開2007−33306号公報
M.ラッフェル、外2名著、「PIVの基礎と応用」、シュプリンガー・フェアラーク東京、2000年6月 可視化情報学会編、「PIVハンドブック」、森北出版、2002年7月 可視化情報学会編、「PIVと画像解析技術(可視化情報ライブラリー)」、朝倉書店、2004年6月 「Particle Image Velocimetry」、Springer Berlin/Heidelberg、Volume 112/2008、p.311-331
しかしながら、非特許文献4に示す方法により流体の速度を計測する場合、ケーシングに設けられた窓の内面に、蒸気が凝縮することにより生成された水滴が付着するという問題がある。この場合、レーザシート光が照射されたトレーサ粒子から発せられた光が、窓の内面に付着した水滴によって散乱または屈折する。このことにより、現れた画像を精度良く撮像することは困難である。
また、例えば、熱交換器のように、内部に複数の伝熱管が千鳥配置されている場合には、レーザシート光が照射されたトレーサ粒子から発せられた光が、伝熱管の表面で反射する。このことにより、現れた画像を、ケーシングの外部から窓を介して精度良く撮像することは困難である。
特許文献3に示すシステムにおいては、対物レンズと画像撮像手段を接続しているファイバースコープは、数千本から数万本の光ファイバを束ねて形成されている。このようなファイバースコープを用いる場合、現れた画像は、これら多数の光ファイバ毎に分解されて画像撮像手段に伝送される。このため、画像撮像手段により撮像される画像に歪みが生じ、流体の速度を精度良く計測することが困難である。
さらに、ファイバースコープの耐熱温度は、一般に70℃程度である。一方、原子力用蒸気タービン、火力発電用蒸気タービン、航空機のタービン、または自動車のエンジンなどの内部流体は温度が数百度に達する。このため、ファイバースコープの一部をこのような高温の内部流体に曝して流体の速度を計測することは困難である。
また、対物レンズと画像撮像手段を接続しているファイバースコープは柔軟性を有している。このため、レーザシート光の照射方向と対物レンズの視野方向とのなす角度を一定に維持することが難しい。この場合、予め調整しておいた画像の画素と実距離との関係がずれる。このため、蒸気タービンのケーシングに取り付けた後に改めて調整を行う必要があり、流体の速度を計測するために多くの時間が費やされる。
また、流体の速度を計測している間、流体に混入されていたトレーサ粒子が対物レンズに付着する。このことにより、レーザシート光が照射されたトレーサ粒子から発せられた光が、対物レンズに付着したトレーサ粒子によって散乱または屈折する。このため、レーザシート光が照射されることによって現れた画像を精度良く撮像することが困難である。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、流体の速度を精度良くかつ迅速に計測することができる流体速度計測システムを提供することを目的とする。
本発明は、レーザ光を発振するレーザ光発振部と、前記レーザ光発振部から発振されたレーザ光をシート状に形成されたレーザシート光に変換して被計測流体内に照射するレーザシート光形成部と、前記レーザシート光形成部から照射されたレーザシート光により被計測流体内に現れた被照射体画像を観測するボアスコープと、前記ボアスコープにより観測された被照射体画像を撮像して被照射体画像データに変換する画像撮像手段と、を備え、前記ボアスコープおよび前記レーザシート光形成部は、被計測流体側に延びる収納体に少なくともその一部が収納されて保持されていることを特徴とする流体速度計測システムである。
本発明は、レーザ光を発振するレーザ光発振部と、前記レーザ光発振部から発振されたレーザ光をシート状に形成されたレーザシート光に変換して被計測流体内に照射するレーザシート光形成部と、前記レーザシート光形成部から照射されたレーザシート光により被計測流体内に現れた被照射体画像であって、第1の方向からみた第1被照射体画像を観測する第1ボアスコープと、レーザシート光に対して前記第1ボアスコープと同一の側に配置され、被計測流体内に現れた被照射体画像であって、第1の方向とは異なる第2の方向からみた第2被照射体画像を観測する第2ボアスコープと、前記第1ボアスコープにより観測された第1被照射体画像を撮像して第1被照射体画像データに変換する第1画像撮像手段と、前記第2ボアスコープにより観測された第2被照射体画像を撮像して第2被照射体画像データに変換する第2画像撮像手段と、を備え、前記第1ボアスコープ、前記第2ボアスコープ、および前記レーザシート光形成部は、被計測流体側に延びる収納体に収納されて保持されていることを特徴とする流体速度計測システムである。
本発明によれば、ボアスコープの少なくとも一部およびレーザシート光形成部の少なくとも一部が収納体に収納されて保持され、ボアスコープの視野方向とレーザシート光の照射方向とのなす角度が常に一定に維持されている。このことにより、被計測流体内に現れた被照射体画像を精度良くかつ迅速に撮像し、被計測流体中の被照射体の2次元あるいは3次元の流動状態を精度良くかつ迅速に計測することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態における流体速度計測システムの全体構成を示す概略図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態における流体速度計測システムの流体速度撮像装置を蒸気タービンのケーシングに装着した状態を示す図である。 図3(a)は、本発明の第1の実施の形態における流体速度計測システムにおいて、プローブの先端部の詳細を示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)の側面断面図である。 図4(a)は、本発明の第1の実施の形態における流体速度計測システムにおいて、レーザシート光の照射方向をプローブの長手方向に平行に照射する場合のプローブの先端部の詳細を示す側面断面図であり、図4(b)は、レーザシート光の照射方向をプローブの長手方向に対して直交させる場合のプローブの先端部の詳細を示す側面断面図であり、図4(c)は、レーザシート光の照射方向とプローブの長手方向とのなす角度をθに設定している場合のプローブの先端部の詳細を示す図である。 図5は、本発明の第2の実施の形態における流体速度計測システムの全体構成を示す図である。 図6は、本発明の第2の実施の形態における流体速度計測システムにおいて、プローブの先端部の詳細を示す側面断面図である。 図7は、本発明の第3の実施の形態における流体速度計測システムの全体構成を示す概略図である。
第1の実施の形態
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ここで、図1乃至図4は、本発明の第1の実施の形態における流体速度計測システムを示す図である。
まず、図1により流体速度計測システムの全体構成について説明する。本実施の形態においては、一例として、蒸気タービンのケーシング内を流動している蒸気の流速を計測する場合について説明する。
図1に示すように流体速度計測システム1は、レーザ光(YAGレーザ光)3を発振するレーザ光発振部2と、レーザ光発振部2から発振されたレーザ光3をシート状に形成されたレーザシート光5に変換し、このレーザシート光5を、微細な被照射体を含み流動している被計測流体(蒸気)内に照射するレーザシート光形成部4と、レーザシート光形成部4から照射されたレーザシート光5により被計測流体内に現れた被照射体画像6を観測するためのボアスコープ7とを備えている。なお、本実施の形態においては、トレーサ粒子などを混入させることなく、蒸気が凝縮することにより生成された水滴を被照射体としてレーザシート光5を照射させて、被照射体画像6が得られるようになっている。
ボアスコープ7に、ボアスコープ7により観測された被照射体画像6を撮像して被照射体画像データに変換するPIV用カメラ(画像撮像手段)8が連結されている。
ボアスコープ7およびレーザシート光形成部4は、被計測流体側に円筒状に延びるプローブ(収納体)9に収納されて保持されている。これにより、ボアスコープ7の視野方向とレーザシート光5の照射方向とのなす角度は一定に維持されている。また、プローブ9は、内部空間10を有しており、レーザ光発振部2から発振されたレーザ光3は、この内部空間10を通ってレーザシート光形成部4に導かれるようになっている。
図3(b)に示すように、レーザシート光形成部4は、レーザ光発振部2から発振されたレーザ光3の照射方向を変える照射側プリズム(照射方向変更部)11と、この照射側プリズム11を通ったレーザ光3をシート状のレーザシート光5に変換するスフェリカルレンズ12とを有している。このうち照射側プリズム11は、プローブ9に回動自在に取り付けられ、スフェリカルレンズ12は、照射側プリズム11の回動に対応するようにプローブ9に対して回動自在に取り付けられている。なお、本実施の形態においては、図3(b)に示すように、スフェリカルレンズ12を1枚のレンズとして構成しているが、このことに限られることはなく、複数のレンズ群として構成しても構わない。また、スフェリカルレンズ12を照射側プリズム11の被計測流体側に配置しているが、スフェリカルレンズ12を照射側プリズム11のレーザ光発振部2側に配置することも可能である。
ボアスコープ7は、被計測流体側に向かって直線状に延び、被計測流体内に現れた被照射体画像6をPIV用カメラ8に伝送する画像伝送路13と、画像伝送路13の先端部(被計測流体側端部)13aに設けられ、ボアスコープ7の視野方向を変更する視野側プリズム(視野方向変更部)14とを有している。このうち、視野側プリズム14は、画像伝送路13の先端部13aに回動自在に取り付けられており、画像伝送路13は、プローブ9内を通るレーザ光3の照射方向、およびプローブ9の長手方向と平行になっている。また、ボアスコープ7の視野側プリズム14の近傍に、スコープ窓15が設けられ、このスコープ窓15を介して被照射体画像6を取り込むようになっている。
図1および図3(b)に示すように、ボアスコープ7の視野方向とレーザシート光5の照射方向とのなす角度は、90°となるように一定に維持されている。すなわち、ボアスコープ7の視野方向は、レーザシート光5の照射方向に対して直交している。なお、図1および図3(a)、(b)においては、ボアスコープ7の画像伝送路13の先端部13aは、レーザシート光形成部4よりも被計測流体側(プローブ9の先端側)に配置され、ボアスコープ7の視野方向と画像伝送路13の長手方向とのなす角度は120°に設定されており、レーザシート光5の照射方向とプローブ9の長手方向は30°に設定されている。
図3(a)、(b)に示すように、プローブ9に、レーザシート光形成部4から照射されたレーザシート光5が透過する照射側窓16と、被計測流体内に現れた被照射体画像6が透過する視野側窓17とが保持されている。これら照射側窓16および視野側窓17は、石英ガラスからなっている。
なお、本実施の形態においては、レーザシート光形成部4全体がプローブ9内に収納され、照射側窓16として、照射側プリズム11またはスフェリカルレンズ12とは別の構成として石英ガラス製の窓が設けられている。しかしながらこのことに限られることはなく、照射側プリズム11およびスフェリカルレンズ12のうち先端側に設けられる光学部材が、照射側窓16を兼ねるように構成することもできる。このように照射側プリズム11およびスフェリカルレンズ12のうちの一方が照射側窓16を兼ねる場合、照射側プリズム11およびスフェリカルレンズ12により形成されたレーザシート光5が、照射側窓16の反射または屈折による影響を受けることがないという利点がある。また、本実施の形態においては、ボアスコープ7全体がプローブ9内に収納されて視野側窓17が設けられているが、このことに限られることはなく、視野側窓17を設けることなく、ボアスコープ7の先端部7aをプローブ9から先端側に突出させて、プローブ9の外側に設けるように構成することも可能である。すなわち、レーザシート光形成部4およびボアスコープ7は、少なくともその一部がプローブ9内に収納されて保持されていればよい。
プローブ9に、照射側窓16の表面および視野側窓17の表面に照射側窓16の表面および視野側窓17の表面を清掃するための空気(清掃媒体)を供給する空気供給手段(清掃媒体供給手段)18が設けられている。すなわち、空気供給手段18は、照射側窓16の表面に空気を吹き付ける照射側窓用吹付孔19と、視野側窓17の表面に空気を吹き付ける視野側窓用吹付孔20と、プローブ9の内部空間10に空気を供給する空気導入孔21とを含んでおり、この空気導入孔21に導入された空気は、プローブ9の内部空間10を通って、照射側窓用吹付孔19および視野側窓用吹付孔20に供給されるようになっている。ここで、蒸気タービンのケーシング30(図2参照)内を流動している蒸気の圧力は、一般に、大気圧より低くなっている。このため、本実施の形態のように蒸気タービンのケーシング30内を流動している蒸気の流速を計測する場合には、圧縮機などを設けることなく、空気供給手段18の空気導入孔21にケーシング30の外部の空気が吸い込まれ、この空気が照射側窓用吹付孔19および視野側窓用吹付孔20から吹き出すようになっている。なお、ケーシング30内の蒸気の圧力が大気圧より高い場合には、空気導入孔21に空気を供給するための圧縮機を連結して、空気を供給可能に構成すれば良い。
そして図1に示すように、プローブ9に、レーザ光発振部2およびPIV用カメラ8を収納して保持する筐体22が連結されている。この筐体22内に、レーザ光発振部2から発振されたレーザ光3を屈折させて案内する2つの反射ミラー23、24が設けられ、レーザ光発振部2から発振されたレーザ光3がプローブ9内に案内されるようになっている。このようにして、レーザ光発振部2と、PIV用カメラ8と、筐体22と、レーザシート光形成部4と、ボアスコープ7と、プローブ9とにより、流体速度撮像装置25が構成されている。
この流体速度撮像装置25は、図2に示すように、蒸気タービンのケーシング30に予め設けられた挿入孔31にプローブ9を挿入した状態で、トラバース装置34を介してケーシング30に取り付けられる。このトラバース装置34は、流体速度撮像装置25をプローブ9の長手方向およびこの長手方向を中心軸とする回転方向に移動可能に構成されている。このことにより、照射側窓16および視野側窓17を静翼32と動翼33との間の所望の位置に移動させることができる。
図1に示すように、PIV用カメラ8に、このPIV用カメラ8により得られた被照射体画像データに基づいて、水滴の移動を計測することにより被計測流体の速度を算出するコンピュータ26が接続されている。
PIV用カメラ8とコンピュータ26との間にカメラ電源27および同期コントローラ28が接続されている。この同期コントローラ28は、さらに、レーザ光電源29を介してレーザ光発振部2に接続されている。同期コントローラ28は、レーザ光発振部2からレーザ光3を発振するタイミングと、PIV用カメラ8によって被照射体画像6を撮像するタイミングを同期させるようになっている。このようにして、流体速度計測システム1が構成されている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、図1に示すように、流体速度撮像装置25を蒸気タービンのケーシング30に取り付ける前に、ボアスコープ7の視野方向とレーザシート光5の照射方向を調整する。この場合、まず、レーザシート光5の照射方向が、被計測流体の流れの方向とほぼ平行となるように、レーザシート光形成部4の照射側プリズム11(図3(b)参照)の傾きを調整する。ここでは、一例として、レーザシート光5の照射方向とプローブ9の長手方向とのなす角度を30°に設定する。次に、ボアスコープ7の視野方向を、レーザシート光5の照射方向に直交するようにボアスコープ7の視野側プリズム14を調整する。ここでは、ボアスコープ7の視野方向と画像伝送路13の長手方向とのなす角度を120°に設定する。
次に、図2に示すように、流体速度撮像装置25のプローブ9がケーシング30の挿入孔31に挿入され、流体速度撮像装置25がトラバース装置34を介してケーシング30に取り付けられる。その後、このトラバース装置34によって流体速度撮像装置25をプローブ9の長手方向およびこの長手方向を中心軸とする回転方向に移動させ、照射側窓16および視野側窓17を静翼32と動翼33との間の所望の位置に移動させる。
次に、図1に示すように、同期コントローラ28からの指示に基づいてレーザ光発振部28からレーザ光3が発振される。発振されたレーザ光3は、2つの反射ミラー23、24を介してプローブ9に送られ、プローブ9の内部空間10を通ってレーザシート光形成部4に導かれる。
レーザシート光形成部4に導かれたレーザ光3は、図3(b)に示すように、照射側プリズム11によりその照射方向が変えられてスフェリカルレンズ12に導かれ、シート状に形成されたレーザシート光5に変換される。
このレーザシート光5は、照射側窓16を透過して被計測流体内に照射される。このレーザシート光5が被計測流体内の水滴に照射されることにより水滴から光が発せられ、被計測流体内に2次元の被照射体画像6が現れ、ボアスコープ7によって観測される。
すなわち、被計測流体内に現れた被照射体画像6は、ボアスコープ7の視野方向に沿って視野側窓17およびスコープ窓15を透過して視野側プリズム14に取り込まれる。この視野側プリズム14によって、被照射体画像6の伝送方向が画像伝送路13の長手方向に変換され、画像伝送路13を通ってPIV用カメラ8に伝送される。
PIV用カメラ8に伝送された被照射体画像6が、図1に示すように、PIV用カメラ8によって撮像されて、被照射体画像データに変換される。この場合、同期コントローラ28からの指示に基づいて被照射体画像6が撮像される。このことにより、レーザ光発振部2からレーザ光3を発振してから所定時間経過後に、PIV用カメラ8によって被照射体画像6を撮像することができる。
PIV用カメラ8によって変換された被照射体画像データは、コンピュータ26に送信され、この被照射体画像データに基づいて、水滴の移動が計測されて、被計測流体の2次元速度が算出される。このことにより、流動している流体の2次元速度を計測することができる。
この間、図3(a)、(b)に示すように、空気供給手段18の空気導入孔21からプローブ9の内部空間10にケーシング30外部の空気が供給され、供給された空気がプローブ9の内部空間10を通って照射側窓用吹付孔19および視野側窓用吹付孔20に供給されている。この供給された空気は照射側窓用吹付孔19から照射側窓16に吹き付けられるとともに、視野側窓用吹付孔20から視野側窓17に吹き付けられる。
このように本実施の形態によれば、ボアスコープ7およびレーザシート光形成部4がプローブ9に収納されて保持され、ボアスコープ7の視野方向が、レーザシート光5の照射方向に対して直交するように維持されている。このことにより、被計測流体内に現れた被照射体画像6を精度良く撮像することができる。この場合、流体速度撮像装置25を蒸気タービンのケーシング30に取り付ける前に、ボアスコープ7の視野方向とレーザシート光5の照射方向を調整しておけば、流体速度撮像装置25のプローブ9を蒸気タービンのケーシング30内に挿入した後、ボアスコープ7の視野方向とレーザシート光5の照射方向を調整する必要がない。このことにより、被照射体画像6を迅速に撮像することができる。このため、この被照射体画像6から変換された被照射体画像データに基づいて、コンピュータ26によって水滴の移動が計測され、被計測流体の速度を精度良く算出することができる。この結果、流動している流体の速度を精度良くかつ迅速に計測することができる。
また本実施の形態によれば、直線状に延びる画像伝送路13を有するボアスコープ7により観測された被照射体画像6がPIV用カメラ8に伝送される。このことにより、被計測流体内に現れた被照射体画像6を精度良くPIV用カメラ8に伝送して、PIV用カメラ8により被照射体画像6を精度良く撮像することができる。
また本実施の形態によれば、照射側窓16および視野側窓17に空気を供給する空気供給手段18が設けられ、照射側窓16および視野側窓17に空気が吹き付けられる。このことにより、照射側窓16および視野側窓17に付着した水滴を取り除くことができ、レーザシート光が照射された水滴から発せられた光が照射側窓16および視野側窓17に付着した水滴によって散乱または屈折することを防止することができる。また、ケーシング30外部の空気がプローブ9内部に供給されることにより、プローブ9内部、特にボアスコープ7を冷却することができる。このことは、例えば蒸気タービンの起動時にケーシング30内部を流動している蒸気の温度が比較的高くなる場合に特に効果的である。
なお、上述したように、レーザシート光形成部4の一部が照射側窓16を兼ねる場合には、空気供給手段18の照射側窓用吹付孔19からレーザシート光形成部4にプローブ9の外側から空気を吹き付けるように構成すれば、同様にして付着した水滴を取り除くことが可能である。
また、ボアスコープ7の先端部7aをプローブ9の外側に配置させる場合、空気供給手段18の視野側窓用吹付孔20からボアスコープ7の先端部7aにプローブ9の外側から空気を吹き付けるように構成すれば、同様にして付着した水滴を取り除くことが可能である。
また本実施の形態によれば、被計測流体に照射されるレーザシート光5に対して一方の側から被照射体画像6が取り込まれる。このことにより、計測対象領域を流れる被計測流体の流れが、プローブ9の影響を受けて乱れることを抑制することができる。このため、被計測流体の速度を精度良く計測することができる。
なお、本実施の形態においては、被計測流体にトレーサ粒子を混入させることなく、被計測流体に含まれる水滴にレーザシート光5を照射させて、被照射体画像6を得る例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、被計測流体に固体または液体の微細なトレーサ粒子(被照射体)を混入させて、このトレーサ粒子にレーザシート光5を照射させて、被照射体画像6を得るようにしても良い。
また本実施の形態においては、図1および図3(a)、(b)に示すように、ボアスコープ7の視野方向と画像伝送路13の長手方向とのなす角度が120°に設定されているとともに、レーザシート光5の照射方向とプローブ9の長手方向とのなす角度が30°に設定されている例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、ボアスコープ7の視野方向およびレーザシート光5の照射方向をそれぞれ任意の方向に設定することができる。例えば、図4(a)に示すように、ボアスコープ7の画像伝送路13の先端部13aをレーザシート光形成部4よりも被計測流体側(プローブ9の先端側)に配置して、レーザシート光5をプローブ9の長手方向に沿って照射し、ボアスコープ7の視野方向を画像伝送路13の長手方向に対して直交するように構成してもよい。また、図4(b)に示すように、レーザシート光形成部4を、ボアスコープ7の画像伝送路13の先端部13aよりも被計測流体側に配置して、レーザシート光5の照射方向をプローブ9の長手方向に対して直交させ、ボアスコープ7の視野方向を画像伝送路13の長手方向に一致させるように構成してもよい。さらに、図4(c)に示すように、レーザシート光5の照射方向とプローブ9の長手方向とのなす角度をθに設定し、ボアスコープ7の視野方向と画像伝送路13の長手方向とのなす角度をθ−π/2で表される角度に設定させるように構成してもよい。この場合、θは照射側プリズム11の傾きを調整することにより、予め定められた範囲にわたって任意の値に設定することができる。このような構成は、計測対象領域を流れる流体の流れの方向に応じて使い分けることにより、流体の流れの方向が異なるさまざまな箇所において、レーザシート光5を流体の流れにほぼ平行となるように照射して被照射体画像6を撮像することができる。このため、さまざまな箇所における流体の速度を精度良く計測することができる。
本発明の変形例
次に、本発明による流体速度計測システムの変形例について説明する。本変形例は、照射側窓の表面および視野側窓の表面にコーティングが施されているものであり、他の構成は図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。
本変形例によれば、照射側窓16の表面および視野側窓17の表面に、親水コーティングが施されている。
このように本変形例によれば、照射側窓16の表面および視野側窓17の表面に親水コーティングが施されているため、照射側窓16の表面および視野側窓17の表面に付着した水滴は、その形状を維持することなく、薄い膜状に広がる。このことにより、レーザシート光5が照射された水滴から発せられた光が、照射側窓16および視野側窓17によって散乱または屈折することを防止することができる。このため、被計測流体内に現れた被照射体画像6を精度良く撮像することができる。
なお、本変形例においては、照射側窓16の表面および視野側窓17の表面に、親水コーティングが施されている例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、照射側窓16の表面および視野側窓17の表面に、撥水コーティングを施しても良い。この場合、照射側窓16の表面および視野側窓17の表面に水滴が付着することを防止することができる。あるいは、照射側窓16の表面および視野側窓17の表面に、反射防止コーティングを施しても良い。この場合、レーザシート光5が照射された水滴から発せられた光が、照射側窓16および視野側窓17によって反射することを防止することができる。
本発明の他の変形例
さらに、本発明による流体速度計測システムの他の変形例について説明する。本変形例においては、レーザシート光が照射されるタービン構造物の表面に黒化処理が施されているものであり、他の構成は図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。
本変形例によれば、被計測流体内に、レーザシート光5が照射される背面体、すなわちタービン構造物(静翼32、動翼33(図2参照)など)が設けられ、これらタービン構造物のうちレーザシート光5が照射される表面に黒化処理が施されている。
このように本変形例によれば、レーザシート光5が照射される静翼32、動翼33などのタービン構造物の表面に黒化処理が施されているため、被計測流体に照射されるレーザシート光5がタービン構造物に照射されて反射することを防止することができる。このため、被計測流体内に現れた被照射体画像6を精度良く撮像することができる。
第2の実施の形態
次に、図5および図6により、本発明の第2の実施の形態における流体速度計測システムについて説明する。
図5および図6に示す第2の実施の形態における流体速度計測システムは、照射側プリズムを駆動する照射側プリズム駆動部、および視野側プリズムを駆動する視野側プリズム駆動部が設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図5および図6において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図5および図6に示すように、ボアスコープ7の視野側プリズム14に、この視野側プリズム14を駆動する視野側アクチュエータ(視野方向変更駆動部)40が連結されている。また、レーザシート光形成部4の照射側プリズム11に、この照射側プリズム11を駆動する照射側アクチュエータ(照射方向変更駆動部)41が連結されている。
視野側アクチュエータ40および照射側アクチュエータ41に、ボアスコープ7の視野方向とレーザシート光5の照射方向が直交するように視野側アクチュエータ40および照射側アクチュエータ41を制御するアクチュエータ制御部(駆動部制御手段)42が接続されている。
このように本実施の形態によれば、ボアスコープ7の視野方向とレーザシート光5の視野方向が常に直交するようにアクチュエータ制御部42により制御されながら、レーザシート光5の照射方向が照射側アクチュエータ41により変更されるとともに、ボアスコープ7の視野方向が視野側アクチュエータ40によって変更される。このことにより、レーザシート光5の照射方向を流体の流れにほぼ平行となるようにレーザシート光5の照射方向を容易かつ迅速に設定することができる。またこの場合、ボアスコープ7の視野方向とレーザシート光5の視野方向が常に直交するように、レーザシート光5の照射方向およびボアスコープ7の視野方向が変更されるため、被計測流体内に現れた被照射体画像6を精度良く撮像することができる。この結果、流動している流体の速度を精度良くかつ迅速に計測することができる。
第3の実施の形態
次に、図7により、本発明の第3の実施の形態における流体速度計測システムについて説明する。
図7に示す第3の実施の形態における流体速度計測システムは、2つのボアスコープおよび2つのPIV用カメラを用いて被照射体画像を撮像する点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図7において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7に示す流体速度計測システムは、レーザシート光形成部4から照射されたレーザシート光5により被計測流体内に現れた被照射体画像6であって、第1の方向からみた第1被照射体画像を観測する第1ボアスコープ50と、レーザシート光5に対して第1ボアスコープ50と同一の側に配置され、被計測流体内に現れた被照射体画像6であって、第1の方向とは異なる第2の方向からみた第2被照射体画像を観測する第2ボアスコープ51と、を備えている。
第1ボアスコープ50に、第1ボアスコープ50により観測された第1被照射体画像を撮像して第1被照射体画像データに変換する第1PIV用カメラ(第1画像撮像手段)52が連結されている。
第2ボアスコープ51に、第2ボアスコープ51により観測された第2被照射体画像を撮像して第2被照射体画像データに変換する第2PIV用カメラ(第2画像撮像手段)53が連結されている。
第1ボアスコープ50、第2ボアスコープ51、およびレーザシート光形成部4は、被計測流体側に延びるプローブ(収納体)54に収納されて保持されている。これにより、第1ボアスコープ50の視野方向とレーザシート光5の照射方向とのなす角度が一定に維持されるとともに、第2ボアスコープ51の視野方向とレーザシート光5の照射方向とのなす角度が一定に維持されている。このプローブ54は、内部空間55を有しており、レーザ光発振部2から発振されたレーザ光3は、この内部空間55を通ってレーザシート光形成部4に導かれるようになっている。
このうち第1ボアスコープ50は、被計測流体側に向かって直線状に延び、第1被照射体画像を第1PIV用カメラ52に伝送する第1画像伝送路(図示せず)と、第1画像伝送路の先端部(被計測流体側端部)に設けられ、第1ボアスコープ50の視野方向を変更する第1視野側プリズム(図示せず)とを有している。このうち、第1視野側プリズムは、第1画像伝送路の先端部に回動自在に取り付けられている。
同様に、第2ボアスコープ51は、被計測流体側に向かって直線状に延び、第2被照射体画像を第2PIV用カメラ53に伝送する第2画像伝送路(図示せず)と、第2画像伝送路の先端部(被計測流体側端部)に設けられ、第2ボアスコープ51の視野方向を変更する第2視野側プリズム(図示せず)とを有している。このうち、第2視野側プリズムは、第2画像伝送路の先端部に回動自在に取り付けられている。
プローブ54に、レーザシート光形成部4から照射されたレーザシート光5が透過する照射側窓16が保持と、被計測流体内に現れた第1被照射体画像が透過する第1視野側窓56と、第2被照射体画像が透過する第2視野側窓57とが保持されている。これら照射側窓16、第1視野側窓56、および第2視野側窓57は、石英ガラスからなっている。
第1視野側窓56と第1ボアスコープ50の第1視野側プリズム(図示せず)との間に、第1レンズ58が設けられ、この第1レンズ58と第1視野側プリズムとは、各々の光軸が一致するように角度オフセット配置されている。同様に、第2視野側窓57と第2ボアスコープ51の第2視野側プリズム(図示せず)との間に、第2レンズ59が設けられ、この第2レンズ59と第2視野側プリズムとは、各々の光軸が一致するように角度オフセット配置されている。
図7に示すように、プローブ54に、レーザ光発振部2、第1PIV用カメラ52、および第2PIV用カメラ53を収納して保持する筐体60が連結されている。このようにして、レーザ光発振部2と、第1PIV用カメラ52と、第2PIV用カメラ53と、筐体60と、レーザシート光形成部4と、第1ボアスコープ50と、第2ボアスコープ51と、プローブ54とにより、流体速度撮像装置61が構成されている。
第1PIV用カメラ52および第2PIV用カメラ53に、第1PIV用カメラ52により得られた第1被照射体画像データ、および第2PIV用カメラ53により得られた第2被照射体画像データに基づいて、被照射体の移動を計測することにより被計測流体の速度を算出するコンピュータ(速度算出手段)62が接続されている。
第1PIV用カメラ52とコンピュータ62との間にカメラ電源63および同期コントローラ64が接続されている。この同期コントローラ64は、さらに、レーザ光電源29を介してレーザ光発振部2に接続されている。同期コントローラ64は、レーザ光発振部2からレーザ光3を発振するタイミングと、第1PIV用カメラ52および第2PIV用カメラ53によって第1被照射体画像および第2被照射体画像を撮像するタイミングを同期させている。このようにして、流体速度計測システム1が構成されている。
図7に示す流体速度計測システム1において流動している流体の速度を計測する場合、流体速度撮像装置61を蒸気タービンのケーシング30に取り付ける前に、第1ボアスコープ50の視野方向、第2ボアスコープ51の視野方向、およびレーザシート光5の照射方向を調整する。この場合、まず、レーザシート光5の照射方向が、被計測流体の流れの方向とほぼ平行となるように調整し、第1ボアスコープ50の視野方向とレーザシート光5の照射方向とのなす角度を所定の角度に設定するとともに、第2ボアスコープ51の照射方向とレーザシート光5の照射方向とのなす角度を所定の角度に設定する。
次に、流体速度撮像装置61が、トラバース装置(図示せず)を介して蒸気タービンのケーシング30に取り付けられる。
次に、図7に示すように、同期コントローラ64からの指示に基づいてレーザ光発振部2からレーザ光3が発振される。発振されたレーザ光3は、プローブ54の内部空間55を通ってレーザシート光形成部4に導かれる。
レーザシート光形成部4に導かれたレーザ光3は、照射側プリズム11により、その照射方向が変えられてスフェリカルレンズ12(図3(b)参照)に導かれ、シート状に形成されたレーザシート光5に変換される。
このレーザシート光5は、照射側窓16を透過して被計測流体内に照射される。このレーザシート光5が被計測流体内の水滴に照射されることにより、水滴から光が発せられ、被計測流体内に2次元の被照射体画像が現れ、第1ボアスコープ50および第2ボアスコープ51によって観測される。
すなわち、被計測流体内に現れた被照射体画像は、第1の方向からみる第1ボアスコープ50の視野方向に沿って第1視野側窓56を透過して第1PIV用カメラ52に伝送されるとともに、第2の方向からみる第2ボアスコープ51の視野方向に沿って第2視野側窓57を透過して第2PIV用カメラ53に伝送される。
第1PIV用カメラ52に伝送された第1被照射体画像が、第1PIV用カメラ52によって撮像されて、第1被照射体画像データに変換されるとともに、第2PIV用カメラ53に伝送された第2被照射体画像が、第2PIV用カメラ53によって撮像されて、第2被照射体画像データに変換される。この場合、同期コントローラ64からの指示に基づいて第1PIV用カメラ52により第1被照射体画像が撮像されるとともに、第2PIV用カメラ53により第2被照射体画像が撮像される。このことにより、レーザ光発振部2からレーザ光3を発振してから所定時間経過後に、第1PIV用カメラ52および第2PIV用カメラ53によって第1被照射体画像および第2被照射体画像を同時に撮像することができる。
第1PIV用カメラ52によって変換された第1被照射体画像データおよび第2PIV用カメラ53によって変換された第2被照射体画像データは、コンピュータ62に送信され、この第1被照射体画像データおよび第2被照射体画像データに基づいて、水滴の移動が計測されて、被計測流体の3次元速度が算出される。このことにより、流動している流体の3次元速度を計測することができる。
このように本実施の形態によれば、レーザシート光形成部4、第1ボアスコープ50、および第2ボアスコープ51がプローブ54に収納されて保持され、第1ボアスコープ50の視野方向とレーザシート光5の照射方向とのなす角度が一定に維持されるとともに、第2ボアスコープ51の視野方向とレーザシート光5の照射方向とのなす角度が一定に維持されている。このことにより、被計測流体内に現れ、第1の方向からみた第1被照射体画像および第1の方向とは異なる第2の方向からみた第2被照射体画像を精度良く撮像することができる。この場合、流体速度撮像装置61を蒸気タービンのケーシング30に取り付ける前に、第1ボアスコープ50の視野方向とレーザシート光5の照射方向、および第2ボアスコープ51の視野方向とレーザシート光5の照射方向を調整しておけば、流体速度撮像装置61のプローブ54を蒸気タービンのケーシング30内に挿入した後、第1ボアスコープ50の視野方向とレーザシート光5の照射方向、および第2ボアスコープ51の視野方向とレーザシート光5の照射方向を調整する必要がない。このことにより、第1被照射体画像および第2被照射体画像を迅速に撮像することができる。このため、これら第1被照射体画像および第2被照射体画像から変換された第1被照射体画像データおよび第2被照射体画像データに基づいて、コンピュータ62によって水滴の移動が計測され、被計測流体の3次元速度を精度良く算出することができる。この結果、流動している流体の3次元速度を精度良くかつ迅速に計測することができる。
なお、本実施の形態においては、第1レンズ58と第1視野側プリズムとが各々の光軸が一致するように角度オフセット配置されるとともに、第2レンズ59と第2視野側プリズムとが各々の光軸が一致するように角度オフセット配置されている例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、第1レンズ58を第1視野側プリズムの光軸からオフセットするようにレンズオフセット配置し、第2レンズ59を第2視野側プリズムの光軸からオフセットするようにレンズオフセット配置するようにしても良い。この場合においても、流動している流体の3次元速度を精度良く計測することができる。
さらに、第1レンズ58の面、第1視野側プリズムの面、レーザシート光5のシート面が、1軸で交わるようにシャインプルーフ(Scheimpflug)配置し、第2レンズ59の面、第2視野側プリズムの面、レーザシート光5のシート面が、1軸で交わるようにシャインプルーフ配置するようにしても良い。この場合においても、流動している流体の3次元速度を精度良く計測することができる。
1 流体速度計測システム
2 レーザ光発振部
3 レーザ光
4 レーザシート光形成部
5 レーザシート光
6 被照射体画像
7 ボアスコープ
7a 先端部
8 PIV用カメラ
9 プローブ
10 内部空間
11 照射側プリズム
12 スフェリカルレンズ
13 画像伝送路
13a 先端部
14 視野側プリズム
15 スコープ窓
16 照射側窓
17 視野側窓
18 空気供給手段
19 照射側窓用吹付孔
20 視野側窓用吹付孔
21 空気導入孔
22 筐体
23 反射ミラー
24 反射ミラー
25 流体速度撮像装置
26 コンピュータ
27 カメラ電源
28 同期コントローラ
29 レーザ光電源
30 ケーシング
31 挿入孔
32 静翼
33 動翼
34 トラバース装置
40 視野側アクチュエータ
41 照射側アクチュエータ
42 アクチュエータ制御部
50 第1ボアスコープ
51 第2ボアスコープ
52 第1PIV用カメラ
53 第2PIV用カメラ
54 プローブ
55 内部空間
56 第1視野側窓
57 第2視野側窓
58 第1レンズ
59 第2レンズ
60 筐体
61 流体速度撮像装置
62 コンピュータ
63 カメラ電源
64 同期コントローラ

Claims (10)

  1. レーザ光を発振するレーザ光発振部と、
    前記レーザ光発振部から発振されたレーザ光をシート状に形成されたレーザシート光に変換して被計測流体内に照射するレーザシート光形成部と、
    前記レーザシート光形成部から照射されたレーザシート光により被計測流体内に現れた被照射体画像を観測するボアスコープと、
    前記ボアスコープにより観測された被照射体画像を撮像して被照射体画像データに変換する画像撮像手段と、を備え、
    前記ボアスコープおよび前記レーザシート光形成部は、被計測流体側に延びる収納体に少なくともその一部が収納されて保持されていることを特徴とする流体速度計測システム。
  2. 前記ボアスコープの視野方向は、レーザシート光の照射方向に対して直交していることを特徴とする請求項1に記載の流体速度計測システム。
  3. 前記ボアスコープは、被計測流体側に直線状に延び、その被計測流体側端部に回動自在に設けられ、当該ボアスコープの視野方向を変更する視野方向変更部を有し、
    前記レーザシート光形成部は、前記収納体に回動自在に設けられ、レーザシート光の照射方向を変更する照射方向変更部を有していることを特徴とする請求項2に記載の流体速度計測システム。
  4. 前記ボアスコープの前記視野方向変更部に、当該視野方向変更部を駆動する視野方向変更駆動部が設けられ、
    前記レーザシート光形成部の前記照射方向変更部に、当該照射方向変更部を駆動する照射方向変更駆動部が設けられ、
    前記視野方向変更駆動部および前記照射方向変更駆動部に、前記ボアスコープの視野方向とレーザシート光の照射方向が直交するように当該視野方向変更駆動部および当該照射方向変更駆動部を制御する駆動部制御手段が接続されていることを特徴とする請求項3に記載の流体速度計測システム。
  5. 前記収納体に、前記レーザシート光形成部から照射されたレーザシート光が透過する照射側窓が保持され、
    前記収納体に、前記照射側窓の表面に清掃媒体を供給する清掃媒体供給手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の流体速度計測システム。
  6. 前記レーザシート光形成部の一部は、前記照射側窓を兼ねることを特徴とする請求項5に記載の流体速度計測システム。
  7. 前記収納体に、被計測流体内に現れた被照射体画像を透過させる視野側窓が保持され、
    前記清掃媒体供給手段は、前記視野側窓の表面にも清掃媒体を供給するよう構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の流体速度計測システム。
  8. 前記ボアスコープの先端部は前記収納体の外側に設けられ、
    前記清掃媒体供給手段は、前記ボアスコープの先端部にも清掃媒体を供給するよう構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の流体速度計測システム。
  9. 被計測流体内に、レーザシート光が照射されるとともに表面に黒化処理が施された背面体が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の流体速度計測システム。
  10. レーザ光を発振するレーザ光発振部と、
    前記レーザ光発振部から発振されたレーザ光をシート状に形成されたレーザシート光に変換して被計測流体内に照射するレーザシート光形成部と、
    前記レーザシート光形成部から照射されたレーザシート光により被計測流体内に現れた被照射体画像であって、第1の方向からみた第1被照射体画像を観測する第1ボアスコープと、
    レーザシート光に対して前記第1ボアスコープと同一の側に配置され、被計測流体内に現れた被照射体画像であって、第1の方向とは異なる第2の方向からみた第2被照射体画像を観測する第2ボアスコープと、
    前記第1ボアスコープにより観測された第1被照射体画像を撮像して第1被照射体画像データに変換する第1画像撮像手段と、
    前記第2ボアスコープにより観測された第2被照射体画像を撮像して第2被照射体画像データに変換する第2画像撮像手段と、を備え、
    前記第1ボアスコープ、前記第2ボアスコープ、および前記レーザシート光形成部は、被計測流体側に延びる収納体に収納されて保持されていることを特徴とする流体速度計測システム。
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