JP2003084005A - 流体の流動計測システムおよびその計測方法 - Google Patents
流体の流動計測システムおよびその計測方法Info
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Abstract
確に遠隔から計測可能な流体流動計測技術を提供する。 【解決手段】流体の流動計測システムはレーザ発振装置
11と、発振装置11から発振されたレーザ光を流体の
流動場14にシート状に照射させるレーザシート形成用
走査光学系13と、レーザシート17上の2次元粒子軌
跡画像を撮像する画像撮像手段29と、レーザ発振装置
11と画像撮像手段29とをタイミングをとって同期化
駆動させるタイミングコントロール手段30と、撮像さ
れた粒子軌跡画像を画像処理する画像処理手段35とを
有する。画像処理手段35は2時刻の粒子軌跡画像の輝
度パターン分布を比較解析して個々の粒子の移動方向と
移動量を計測し、流体流動場における流動・流速分布を
測定したものである。
Description
ける流体の流動を高精度かつ精密に測定する流体の流動
計測技術に係り、特に閉空間内を流動する流体の流速お
よび流れ方向を計測する流体の流動計測システムおよび
その計測方法に関する。
度かつ精密に測定することは、原子力発電プラントや火
力発電プラント、化学プラント等におけるプラント挙動
予測の高精度化、プラント診断、プラント性能評価や機
器改良にとって極めて重要である。実機レベルのプラン
ト、特に外界と環境を異にする厳しい環境下での流体の
流動計測技術は、複雑な流れをもつ流体流動計測条件の
ために、流動計測が極めて困難な状況にある。
トの熱交換器内のように、厳しい環境下にある熱流動場
における流体の流速や流れ方向等の流体流動測定は、ア
クセス性を含め複雑な流体流量計測条件のために極めて
困難である。
化技術の研究が進み、複雑な流動場における流体の流動
を高精度かつ精密に測定可能な粒子画像流速計(Par
ticle Image Velocimetry:以
下、PIVという。)が開発されつつある。このPIV
と光ファイバを束ねたイメージガイドを併用することに
より、原子炉圧力容器内のように、外界と環境を異にす
る閉空間における流体の流動測定が期待できる。
を用いて画像を直接伝送するファイバースコープは医療
用内視鏡として開発されている。イメージガイドは、可
撓性に富み、観察手段のための画像伝送手段として重要
な役目を果している。
日では工業分野にも応用され、航空機エンジンの内部点
検、短いパイプや原子炉炉心の観察に応用されている。
さな光ファイバの開発によって、従来困難であった長距
離の画像伝送も可能となり、大規模プラント設備におけ
る遠隔地からの新たな保守点検手段として脚光を浴びて
いる。
アおよびソフトウェアの両面から、時間分解能・空間分
解能の向上、高精度の流体流動測定の確保、三次元計測
等が盛んに行われる動向にある。これらPIVの研究開
発動向の一つはPIVによって得られる流体流速データ
の「精度向上」の動きであり、他の一つは「PIVの適
用範囲拡大」の動きである。
適用されるPIVは、実験室型として開発されてきた
が、このPIV技術の開発対象を実験室から実用化へと
拡大することが要請されている。PIV技術による流体
の流動計測可能範囲を拡大する方向の技術開発、中でも
実流動化レベルへの流体流動計測の実用化への開発要請
が強くなっている。
たもので、複雑な流動場における流体の流動を精度よく
正確に計測することができる流体の流動計測システムお
よびその計測方法を提供することを目的とする。
る閉空間内の流動場の流体の流速や流れ方向を精度よく
正確に遠隔から測定できる流体の流動計測システムおよ
びその計測方法を提供するにある。
ドを利用した粒子軌跡追跡法(Particle st
reak tracking velocimetr
y)により画像処理を行って流体の流動状態を検出する
アルゴリズムの最適化を行い、流体の流動分布を精度よ
く正確に行うことができる流体の流動計測システムおよ
びその計測方法を提供するにある。
計測システムは、上述した課題を解決するために、請求
項1に記載したように、レーザ光を発振させるレーザ発
振装置と、発振されたレーザ光を流体の流動場内にシー
ト状に投入させるレーザシート形成用走査光学系と、こ
の走査光学系からのレーザシート上の2次元粒子軌跡画
像を撮像する画像撮像手段と、前記レーザ発振装置と画
像撮像手段をタイミングをとって同期化駆動させるタイ
ミングコントロール手段と、前記画像撮像手段で撮像さ
れた2時刻の粒子軌跡画像の輝度パターンを比較・解析
し、個々の粒子の移動方向および移動量を計測する画像
処理手段を備え、この画像処理手段による個々の粒子の
移動量から流体の流動・流速分布を計測するように構成
したものである。
発明の流体の流動計測システムにおいては、請求項2に
記載したように、前記画像撮像手段は、走査光学系から
のレーザシート上の2次元粒子軌跡画像を光伝送する画
像伝送手段と、光伝送された2次元粒子軌跡画像を撮像
する撮像手段とを備えたものであり、さらに、請求項3
に記載したように、前記画像伝送手段は、多数本の光フ
ァイバを束ねて一体化させ、両端面が平面加工された可
撓性のイメージガイドで構成され、前記撮像手段は、C
CDカメラで構成されており、前記イメージガイドは、
対物レンズにより一方のファイバ端面に結像された画像
を光ファイバで各画素に分解してCCDカメラ側の他端
面まで同一画像を伝送するように構成されたものであ
る。
本発明の流体の流動計測システムにおいては、請求項4
に記載したように、前記走査光学系と画像撮像手段は、
一体的に組み合わせて構成され、流体の流動場で1次元
あるいは2次元移動可能に構成されたものであり、ま
た、請求項5に記載したように、前記走査光学系は、直
交するレーザシートを流体の流動場に形成し、この直交
するレーザシート上の2次元粒子軌跡画像を光伝送する
画像伝送手段をそれぞれ設けたものである。
した課題を解決するために、請求項6に記載したよう
に、レーザ発振装置から発振されるレーザ光を流体の流
動場にシート状に照射してレーザシートを形成し、この
レーザシート上の粒子軌跡画像を画像撮像手段で撮像
し、撮像された2時刻の粒子軌跡画像の輝度パターンを
比較・解析する一方、撮像された時系列の粒子軌跡画像
を加算平均処理して光ファイバ配列画像の輝度パターン
分布を求め、この光ファイバ配列画像の輝度パターンを
前記粒子軌跡画像の輝度パターンから除去することによ
り個々の粒子の移動方向および移動量を求め、前記流体
流動場における流体の流動を計測する方法である。
テムおよびその計測方法の一実施形態について添付図面
を参照して説明する。
テムの構成を示す原理図である。
は、高出力のレーザ光を発振させるレーザ発振装置11
が光源として備えられる。レーザ発振装置11には小型
で高出力レーザ光を発振する半導体レーザやパルスレー
ザ等が用いられる。例えば、出力16Wの連続光で中心
発振波長808nmの半導体レーザが光源として用いら
れる。
光は、送光用ファイバ12を通ってレーザシート形成用
走査光学系13に案内される。走査光学系13はレーザ
発振装置11から発振されたレーザ光を流体の流動場1
4にシート状に投射させるようになっている。
る閉空間内に形成される。また、場合に応じて、外界に
開放された形態で流体の流動場14が形成されていても
よい。流動場14は、気体、液体のうちの少なくともい
ずれかの流体からなる。具体的には、例えば、原子炉圧
力容器のダウンカマ部、炉心シュラウド、火力発電プラ
ントの熱交換器や蒸気発生器内等の閉空間における流体
の速度場を対象とする。また、船舶、航空機あるいは自
動車等のような、水流や気流と接触する構造部位や機材
まわりにおける流体の流動場も対象とすることができ
る。なお、図1に示す原理図では、流体の流動場14と
して水の流動場の実験例を示している。容器15あるい
は配管内にノズル16より水を噴出させて流体としての
水の流動場14を形成している。
ーザ発振装置11からの発振レーザ光をシート状に照射
して流体流動場14にレーザシート17を形成してい
る。このレーザシート17により流体の流動場14を可
視化している。流動計測システム10では、流体流動場
14の奥行き方向の空間分解能を確保するために、発振
レーザ光をシート状に照射している。
ザシート17の作成のためのレーザ光照射光学系であ
る。レーザ発振装置11として例えば半導体レーザを用
いると、半導体レーザからの発振レーザ光は、送光用フ
ァイバ12から大きな広がり角を持って出射される。出
射されたレーザビームは軸対称の光となっておらず、非
点較差があり、レーザビームの形状変換は複雑となる。
ァイバ12から出射されたレーザビームからレーザシー
ト17を形成するためのレーザシート形成用光学手段と
してのレンズ群18が用いられる。このレンズ群18
は、出射レーザビームを並行レーザビームにコリメート
させる2枚のコリメートレンズ19a、19bと、コリ
メートレンズ19a、19bによって並行光となったレ
ーザビームをレーザシート17の厚み方向で約1〜2m
m程度にウエストさせる長焦点レンズ20と、レーザシ
ート17を形成するシリンドリカルレンズ21とを組み
合わせてレーザシート形成用光学手段が構成される。コ
リメートレンズ19a、19bには、例えば、平凸レン
ズが用いられる。
レーザ光により、流体の流動場14にレーザシート17
が形成され、流体の流動場14がシート状に可視化され
る。そして、レーザシート17の測定範囲17aに対向
して画像伝送手段22が設けられる。図1に示したよう
に、画像伝送手段22に近い容器15壁には、レーザシ
ート17上の画像が画像撮像手段29で撮像可能となる
ように、透過用窓ガラス23が設置されている。
の画像を伝送する画像伝送手段22と、2次元粒子軌跡
画像を撮像する撮像手段としてのCCDカメラ24とを
有する。画像伝送手段22はレーザシート17上の2次
元粒子軌跡画像を撮像手段としてのCCDカメラ24に
伝送させるようになっている。画像伝送手段22は、図
3に示すように、数千本から数万本の光ファイバ25を
束ねて一体化(溶融)させた可撓性のイメージガイド2
6が用いられる。イメージガイド26は、図3に示すよ
うに、束ねられた光ファイバ25の両端面の各位置が正
確に対応するように並設されて束ねられる。イメージガ
イド26の両端面は平面に仕上げられ、対物レンズ27
により一方のファイバ端面に結像された画像を各画素フ
ァイバとしての光ファイバ25に分解し、同一画像をC
CDカメラ24側のファイバ端面まで伝送している。フ
ァイバ端面からカメラレンズ28を経てCCDカメラに
記録される。画像撮像手段29はイメージガイドを備え
ずに、レーザシート17上の2次元粒子軌跡画像を直接
撮像できるようにしてもよい。
度)は、単一の光ファイバ25の直径と配列の仕方によ
って決まり、像の見え方は、イメージガイド26に束ね
られる光ファイバ25の総本数と並べ方によって決ま
る。光ファイバ25のコア径より小さな光量の光分布
は、光ファイバ25を伝わる間に平均化され、各コア断
面内では明るさは一様となる。したがって、イメージガ
イド26は光ファイバ25のコア径が画素(ピクセル)
としての空間分解能の最小単位となる。
ファイバ25が俵積み(六方稠密配列)構造で整然とか
つ稠密に配列されている。このイメージガイド26で光
ファイバ間隔とほぼ等しい間隔の格子状物体を観察する
と、物体の像の強度分布と無関係なモアレ干渉縞が生じ
る。
融着されているイメージガイド26では、クラッドの厚
さが薄くなると、1つの光ファイバ25のコアに入った
光が隣のコアに漏れてしまう場合が生じる。このため、
像の境界が滲み、像のコントラストが低下する。このた
め、イメージガイド26は、六方稠密配列構造を採用し
たとき、クラッドの厚さが薄過ぎないことが条件とな
る。
タイミングコントロール手段30が備えられている。タ
イミングコントロール手段30はタイミングスケジュー
ラ31とシンクロナイザ32とから構成される。タイミ
ングスケジューラ31からのタイミングでレーザ発振装
置11が発振せしめられる一方、この発振タイミングと
シンクロナイザ32で同期をとってCCDカメラ24が
駆動せしめられる。すなわち、タイミングコントロール
手段30は、レーザ発振装置11と操作手段としてのC
CDカメラ22との同期をとって駆動させるようになっ
ている。
に感度を持つ解像度VGA(640×480pixel
s)、フレームレート30Hz、8ビット(モノクロ2
56階調)のものが用いられる。CCDカメラ24は、
レーザシート17上の2次元粒子軌跡画像をレーザ発振
装置11からの発振タイミングと同期をとって撮像して
おり、CCDカメラ24で撮像されたアナログの画像信
号は画像処理手段35に送られて画像処理され、後述す
る粒子軌跡追跡法により流体の流動場14における流体
の流速分布や流れ方向が計測される。CCDカメラ24
には、例えば、逐次読出方式(プログレッシブスキャ
ン)のカメラが用いられ、配列されたCCDの奇数ライ
ン、偶数ラインの電荷蓄積時間は同時に行われる。この
CCDカメラ24は通常のカメラに較べ垂直方向の解像
度に優れている。
24からのアナログ画像信号をデジタル化するA/D変
換器としてのフレームグラバボード36と、このフレー
ムグラバボード36からデジタル画像信号がPCIバス
等の信号線37を介して送られ、デジタル画像処理する
コンピュータ38とを有する。
Dカメラ24にてアナログ撮影し、画像処理手段35に
よりデジタル処理し、デジタル録画するアナログ撮影・
デジタル録画方式を採用している。
実験室対応の例を示した。実用化に際しては、図4およ
び図5に示すように、レーザシート用走査光学系13と
画像撮像手段29は一体化される。図4では、走査光学
系13と一体化した画像撮像手段29の画像伝送手段2
2は側方視可能な可視化用プローブ40として構成され
ている。プローブ40先端に設置された光学窓(透過用
窓ガラス)41から45°直角プリズム43により光路
を曲げ画像伝送手段を構成したファイバースコープ44
にて画像伝送される。図4(A)は、この一体化した流
体の流動計測システムを図1の容器15内における流体
としての水の流動場に用いた例を示す。図5では、一体
化した走査光学系13と画像撮像手段29の画像伝送手
段22とを本体ケーシング45に格納している。
0では、照明に用いる半導体レーザの発光時間を比較的
長くとり、CCDカメラ24に粒子の流跡(軌跡)を撮
像する。そして、この撮像された時間的に微小時間異な
る2時刻の粒子軌跡画像を輝度パターンとみなして画像
処理手段35のコンピュータ38により比較・解析の画
像処理を行い、個々の粒子の移動量を推定する。この流
体の流動計測装置10においては、この手法を粒子軌跡
追跡法(Particle streak track
ing velocimetry)と呼ぶ。この粒子軌
跡追跡法は、粒子の流跡を記録することにより、必要以
上に粒子像径を大きくすることなく、かつ最小の空間分
解能となる光ファイバ単繊維に対して十分な粒子像の情
報を与えることができる。
(流体)中に浮遊し、拡散分布する個々の粒子(浮遊物
等の異物)のある時刻での流跡の画像を表しており、デ
ジタル化された輝度を持つピクセル(画素)によって構
成される。画像処理手段35による画像処理の過程で
は、各粒子軌跡画像のうち限定された矩形領域17a
(図1参照)を取り出して画像処理される。デジタル化
された粒子軌跡画像中のある1点の値を「輝度値」と定
義し、この輝度値が矩形領域17aの領域に分布してい
るものを「輝度パターン」と称する。
子の移動量を推定するアルゴリズムは、得られた粒子軌
跡画像を輝度分布の変化であると判断し、レーザシート
17上の粒子の輝度パターンがある時間内に移動する量
を個々の粒子について定量的に解析するものである。こ
の粒子の移動量の解析には相互相関法を用いる。
Dカメラ24によって撮像された粒子軌跡画像には、粒
子の輝度パターンだけでなく、イメージガイド26の光
ファイバ25の配列(俵積みの構造)の輝度パターンも
存在する。光ファイバ25の配列輝度パターンが相互相
関法による解析の際に弊害となり、粒子の輝度パターン
に対して誤対応(過誤ベクトル)を招く。
テム10においては、粒子軌跡追跡法による流体の流動
測定の最適化を図るために、相互相関計算の妨げとなる
光ファイバ25の配列除去処理(背景処理)を行う。
流体の流動計測システムおよびその計測方法では、粒子
画像流速計測(PIV)法を適用したものであり、この
PIV法では、凍結画像が用いられる。通常のPIV法
では、粒子像径がイメージガイド26の光ファイバ25
単繊維一本より小さいと、もはや失われた粒子の情報は
回復できるものではないので、算出される相関係数は俵
積みの輝度パターンに強く影響を受け、速度検出に非常
に大きな弊害となり、誤対応を招く。
バ25の単繊維一本よりも粒子像径を大きくすると、粒
子群の移動量を見積もるPIV法では、参照窓画像内に
最低でも粒子は6〜8個あることが望ましいとされるた
め、参照窓画像を比較的大きく取らなくてはならなくな
り、計算量が莫大に増加してアルゴリズムとしては現実
的ではないものとなる(探索する領域が増えるとその4
乗に比例して計算量は増加する)。
は、要求されるパラメータ(粒子像径、数密度)は非常
に制限を受ける。そこで、本発明で用いられる粒子軌跡
追跡法では、照明に用いる半導体レーザの発光時間を比
較的長くとり、粒子の流跡を記録、粒子群ではなく個々
に粒子の移動量を見積もるアルゴリズムを構築し、ソフ
トウェアに実装した。個々の粒子の流跡を記録すること
により、必要以上に粒子像径を大きくとることなく、か
つ最小の空間分解能となる光ファイバ25の単繊維に対
して十分な粒子像の情報を与えることができる。この粒
子軌跡追跡法(Particle streak tr
acking velocimetry)の手法は、レ
ーザの発光時間を容易に制御することができる半導体レ
ーザを用いることによって可能となる。
背景処理も含めて、主に以下の6段階の手順を経て粒子
の移動量の算出が行われる。
れた粒子軌跡画像を処理し、時系列に得られた粒子軌跡
画像を各ピクセル毎に輝度値の加算平均値を求め、各々
の粒子軌跡画像の輝度値から加算平均値を引くことで、
光ファイバ25のファイバ配列の輝度パターン除去を行
う。
処理アルゴリズムを以下に説明する。
き、粒子軌跡画像xは、
は、信号(光ファイバ配列の輝度パターン)に雑音(粒
子の輝度パターン)が重なった画像を測定していると考
える。加算平均を取ることによる光ファイバ配列の輝度
パターン除去処理は、SN比が小さく、信号と雑音の構
成周波数にも大差がない場合や同じ条件で何度も測定を
繰返すことが可能な場合に有効な手法である。
式2のように表される。
粒子軌跡画像の枚数をM枚とすれば、M枚の粒子軌跡画
像に対する加算平均x(k)は次のように表せる。
の実験条件(送光系・受光系)であれば、連続する粒子
軌跡画像においては同じパターンが出現するため、M回
の加算によりM倍の輝度値となり、これを平均する(M
で除する)加算平均処理を行うと、もとの輝度値のまま
である。すなわち、加算平均処理により、粒子の存在し
ない光ファイバ配列のみ映った画像を得ることができ、
光ファイバ配列の存在する粒子軌跡画像から各画素毎に
光ファイバ配列の輝度値(輝度パターン)を引けば、光
ファイバ配列の輝度パターンの除去が可能となる。
景輝度は画面全体にわたってほぼ均一になるので、相関
計算処理に対して有効だけでなく、二値化処理において
も有効な手段となる。
て、二値化および膨張化画像処理を行う。水(流体)中
に浮遊する粒子の軌跡像は、光ファイバ25のクラッド
の影響を受け、連続的なものとはならず、断続的な画像
として記録される(図6(a)参照)。この断続的粒子
画像を二値化処理しても、クラッドによって情報の失わ
れた部分は回復されない(図6(b)参照)。これらの
分断された粒子の軌跡像を同一の粒子の移動軌跡として
認識させるために、膨張化画像処理が行われる。膨張化
画像処理とは、注目の画素が存在すれば、その周囲のす
べての画素を0から255に変換するものである(8連
結の膨張処理)。本アルゴリズムでは、この膨張化処理
を2回繰返すことで分断された断続的粒子画像は、連続
性のある軌跡画像として回復される(図6(c)参
照)。
出 1枚の粒子軌跡画像には複数(多数)の粒子画像が存在
するので、それぞれを個々の粒子として認識させるラベ
リングを行う。それぞれの連結した画素には同じ番号
を、異なった連結成分には別の番号をつける。このよう
な個々の領域に番号付けを行うことをラベリングと呼
ぶ。ラベリングによって識別された粒子画像は、元画像
に戻って中心位置が算出される。中心座標は、以下の重
心法(Particle image centroi
d)によって求められる。
座標、Iをその座標の輝度値とすると、重心X0、Y0
は、
像の中心位置が検出されたので、個々の粒子の移動量を
相互相関法により求める。
Dカメラ24で撮像された第1時刻における2次元粒子
軌跡画像をデジタル処理した粒子軌跡画像を「参照画
像」と、「参照画像」のうち限定された矩形領域を「参
照窓画像」と、第1時刻とは微小時間異なる第2時刻に
おける2次元粒子軌跡画像をデジタル処理した粒子軌跡
画像を「探索画像」と、「探索画像」のうち限定された
矩形領域を「探索窓画像」とそれぞれ定義する。
「探索窓画像」と「参照窓画像」との間で次式で表され
る相関値Rをもつことが知られており、この相関値Rを
もって個々の粒子の輝度パターンの類似度を求め、比較
検討して2画像間の個々の粒子の移動量を求める手法で
ある。
は、探索窓画像および参照窓画像の輝度値の二乗平均で
除する(正規化)ことによって、−1から1までの値を
とる。相関値Rが1のときに2画像は完全に一致し、相
関値Rの値が大きいほど窓画像間の類似度が大きいこと
を意味する。
は参照窓画像と探索窓画像の各画素の輝度を表し、ξ、
ηは探索窓画像と参照窓画像の相対的な位置で表す。相
関値が最大となる位置ξ、ηが画像内での粒子の移動量
ΔX’、ΔY’に相当する。参照窓画像の大きさn×m
および参照窓画像との相対的な位置は、予測される最小
および最大速度から決定される。
求まるので、相関係数のピークの近傍3点を用いた正規
分布近似(Gaussian peak−fit)によ
り、サブピクセル移動量を見積もる。x、y方向につい
てそれぞれ独立に算出される。
(pixel)単位で求まるので、較正により実空間で
の移動量に変換される。
ン溶液を回転円盤上に設置し、擬似的な流れを撮影した
粒子軌跡画像を、図8にこの粒子軌跡画像60フレーム
分を粒子軌跡追跡法により画像処理して個々の粒子の移
動量を算出した結果を示す。
う本発明に係る流体の流動計測システムの性能の評価、
および流動計測システムの実流動場への適用性について
説明する。
かれた粒子画像を微動台(メカニカルステージ)によっ
て移動させ、その移動量を70mm×70mmの較正板
を使って測定し、実際に移動させた真の値と、本発明の
流動計測システムによりStreak法により計測した
測定値とを比較し、誤差を実測してその精度の検定を行
った。
64点の格子点を有するものを用いた。したがって、計
測範囲は70mm×70mmである。このときの撮像倍
率は、5.011mm/pixelであった。
種類を用いた。粒子像は、流体中にシーディングされた
粒子をレーザシート照明によって撮像し、これをプリン
タによってプリントアウトして平板上に接着させたもの
である。
基準位置)に設置された平板上の粒子像と微動台による
移動後の粒子像とをCCDカメラにより撮像し、これを
一つの画像対とした。画像対から移動量ベクトルの算出
は相互相関法によるものであり、実流動場の計測に用い
られる方法と同等のものである。一組の画像対から算出
されるベクトル数は約150個であった。
50μmづつ10mmまで行い、200枚の画像を取得
し、100組の画像対を得た。移動量算出は、相互相関
法および正規分布近似(Gaussian peak−
fit)により行った。
6の光ファイバ単繊維径は、イメージガイド26の周波
数解析結果からdf=3.12pixelsであるの
で、3種類の粒子像径3、6、8pixelsに対し
て、それぞれdτ/df=0.96、1.92、2.5
6倍となる。
treak法(粒子軌跡追跡法)による計測結果の偏り
誤差(Bias error)、ばらつき誤差(RMS
error)および確率密度分布(PDF)を示す。
各図において、dτ/df=0.96の曲線をa、dτ
/df=1.92の曲線をb、dτ/df=2.56の
曲線をcとし、図中の横軸は真の移動量(Actual
displacement)[pix.]を示す。図
11に示されたPDFは、真の移動量がそれぞれ0.5
pixels、2.5pixels、4.5pixel
sにおけるものである。
x方向移動量の計測値の偏り誤差を示しており、真値の
移動ピクセル数からどけだけはずれて測定したかをプロ
ットしたもので、偏り誤差は計測範囲内の全ベクトルの
平均値と真値との差を示している。
ト二乗平均をとったものであり、図11は、真の移動量
が、左の山から0.5ピクセル、2.5ピクセル、4.
5ピクセルの時、Streak法(粒子追跡法:PT
V)による測定値が、全体の誤差数を10(%)とした
時、何個(%)、真値よりずれたところで実際計測され
たか、示している。この山の幅が狭ければ狭いほど、誤
差は少ないことを表している。例えば、真中の山の2.
5ピクセル移動の時、2ピクセルと計測したのは、10
0個のうち約9個ということを意味する。
軌跡追跡法では、粒子径による計測値の相違はあまり現
れず、偏り誤差βは約β=±0.2pixelsの範囲
に収まった。
ない(透過率が比較的低い)クラッドがあるために、粒
子像の欠落が原因となり、振動効果が見られる。図9に
示された偏り誤差には、粒子像径に依る値の変化は見ら
れず、これは粒子軌跡によって光ファイバ径に対して十
分な情報が与えることができることによる。
らつき誤差も粒子像径に依らずほぼ同一の値を示してい
るが、比較的大きな値となった。これは、確率密度分布
を見ても分かるように、ヒストグラムの形状が正規分布
とはならず、真値付近で水平に近い分布となることが原
因している。これは粒子軌跡像の相関をとっているため
であり、すなわち、粒子軌跡の輝度値は比較的なだらか
であり、その画像の相関係数分布もまたなだらかなもの
となるためである。粒子軌跡追跡法では、その粒子を通
常の粒子画像に比べ大きくとっていることが、ばらつき
誤差εkを大きくする(0.3〜0.5pixel
s)。しかし、粒子像径によってPDFが大きく割れて
しまうような誤差の発生の仕方はしないことが示され、
また、偏り誤差の精度は有効であることが確認された。
験容器15内に水(流体)の流動場14を設けて本発明
の流動計測システム10により軸対称噴流の計測を行
い、実流動場計測における流体の流動計測システムの性
能を検討した。
ラ式レーザ流速計(LDV)による計測と比較して行っ
た。
0mm、高さ250mmの立方体容器であり、中央に矩
形噴流出口(ノズル)16を持たせた。作動流体には水
道水を用い、これにトレーサー粒子として3〜30μm
の球形ポリエチレン粒子を混入した。図1に示すよう
に、実験設備では作動流体を、下部の貯溜タンク50に
一旦ためた後、ポンプ51により上部のリザーバタンク
52へ供給した。リザーバタンク52に供給された作動
流体は一部を仕切量52aを介してオーバーフローさせ
ることにより、水頭圧(ヘッド)が一定に保たれる。作
動流体はリザーバタンク52から流動調節バルブ53、
整流用のハニカムおよびメッシュ(図示せず)を経て整
流化し、軸対称ノズル16から設備容器15内に噴出さ
せて水(流体)の流動場を構成した。リザーバタンク5
2内でオーバーフローした水は戻り管54を経て貯溜タ
ンク50内に戻される。
約10:1に縮流され、安定した速度分布が得られ、ほ
ぼ定常になる状態において流体(水)の流動計測実験を
行った。水(流体)の流動場の座標系はノズル16出口
の中心を原点とし、噴流方向(高さ方向)をZ、半径方
向をr、周方向をθ、それぞれの方向の速度成分をw、
u、vとした。
=165mm/秒とし、このときの出口直径(D=7m
m)に対するレイノズル数はRe=1155であった。
容器15をオーバーフローする水も、受けタンク56で
一旦受けた後、戻り水配管57を経て貯溜タンク50に
戻され、水(流体)の循環系58を構成した。
4に示すような走査光学系13と画像伝送手段22とが
一体化した図4に示すような可視化用プローブ40を用
いた。図4に示すように、可視化用プローブ40を容器
15の上方から水(流体)の流動場14に挿入し、レー
ザ光は上方から鉛直に投入され、対向するプローブ40
からファイバースコープ44により粒子軌跡画像を撮影
した。レーザシート17と対向するプローブ40の受光
面との距離は約30mmである。計測範囲は較正板の格
子点が存在する範囲である、例えば10mm×10mm
の矩形範囲であり、レーザシート17の厚さは2mmで
ある。
して、水の噴流のポテンシャルコアが消滅し、発達領域
といわれ、周囲流体との運動量交換が噴流軸中心にまで
および、比較的なだらかな速度分布の得られるZ=6D
の領域に設定した。
5で粒子軌跡追跡法(Streak法)により画像処理
を行った。
による計測もZ=6Dにおける噴流軸に垂直な断面にお
いて別個に行った。これらの計測は、流動場が定常であ
ると仮定し流量を同一条件に調整して行った。
(レイノルズ数:Re=1155)を示す。図12に
は、平均速度(LDV(mean))と変動速度(LD
V(rms))の曲線d,eを示す。また、図13に粒
子軌跡追跡法によるノズル口から高さ方向Z=6D付近
の速度ベクトルマップを示す。
(Streak法)によって速度を算出した。図14お
よび図15に、それぞれZ=6Dにおける軸方向平均速
度分布fと、その変動速度分布gを示す。横軸は半径方
向、縦軸は軸方向である。本システムによる計測とLD
V計測は、得られた速度分布である軸方向平均速度分布
hとその変動速度分布iよりこの領域を抽出し、統計処
理を行って2つの計測法による結果の比較を行った。こ
の流体の流動計測システムにおけるファイバースコープ
による軌跡画像は、個々の粒子に対応して算出されるこ
と、また、比較的低数密度のシーディングであるため、
一組の画像対から得られる速度データが少ない。このよ
うな統計量の少なさを補うため、時間方向に多量の画像
を撮る必要があり、本実験では16000枚の画像から
統計量を算出した。図14および図15に示す軸方向平
均および変動速度分布f,gは各点で統計量約1000
であった。LDVによる計測では、統計量3000から
平均・変動速度データを算出した。
iを比較すると、Streak法はLDVと傾向が一致
し、その大きさにはバイアスが見られた。このバイアス
量に関しては、噴流中心(r=0)において、LDVに
対しては、送り台(微動台)による実験で示されたもの
よりも大きい量が算出された。図14に示された軸方向
平均速度分布f,kについては信頼しうる計測値を有す
ることが確認された。
法はLDVと傾向が一致するものの、LDVの変動速度
分布iに比べStreak法の変動速度分布gは大きな
値を示した。レーザの照射時間から換算し、Strea
k法はr=−2.2mmにおいて、LDVに対して0.
63pixelsとなり、送り台検定結果による精密度
に収まっており、比較的せん断の影響を受けにくいこと
が確かめられた。噴流軸付近では、変動が大きくなって
おり、速度勾配の小さい領域での微小な変動までは捉え
られなかったものと考えられる。また、r=3.3mm
およびr=−3.3mm付近において変動が周囲に比べ
大きな値を示しているが、平均流速が低速であり、相対
的に変動が大きく計測されていると考えられる。
LDVによる噴流軸中心(r=0mm)およびせん断層
(r=2mm)における測定値の軸方向速度確率密度分
布(PDF)j,kおよびl,mをそれぞれ示す。噴流
軸中心では、両計測法とも正常に計測が行われているこ
とが分かる。また、せん断層(r=2mm)においても
ほぼ計測は正常に行われていることが分かる。
明の流動計測システムの性能と実流動場への適用性が確
認され、この流動計測システムにより流体の流動分布
(流速および流れ方向)の測定を、精度よく正確に行う
ことができる。これにより、原子炉圧力容器内のような
外界と環境を異にする厳しい閉空間内の流動場の流体
(冷却材)の流動状態を正確に測定することができる。
炉心シュラウド内の流体(冷却材)の流動状態(冷却材
の流速や流れ方向、炉心流量、よどみ状態)の計測を行
うことができる。原子炉圧力容器内や蒸気発生器内、火
力発電プラントの熱交換器内等の熱流動状態、すなわ
ち、流れが一様でない熱流動(流動分布)の測定を正確
に精度よく行うことができるので、構成部品の熱疲労や
腐食の進捗状況を正確に管理することができる。
部の伝熱管を支える支持板と熱交換器等の内壁等との間
隙に形成される流体のよどみ状態を計測することによっ
て、構成部品の熱疲労や腐食の進捗状況を管理すること
ができるので、より安全に、効率的に操業することがで
きる。また、局部的な流体の流動状態が明らかにされる
ので熱交換器などの最適化の設計が可能となる。例え
ば、図5に示された流動計測システムによれば、複雑な
間隙においても容易に計測することができる。
ステムにおいて、レーザシート形成用走査光学系13か
らシート状のレーザ光を2方向に直交するように照射し
て直行する2方向のレーザシートを形成し、直交する2
つのレーザシート上の粒子の流跡をそれぞれの画像伝送
手段を介してCCDカメラ24で撮像することにより、
粒子の動きを3次元的に測定でき、ひいては、流体の流
動状態を3次元的に測定できる。例えば、原子炉圧力容
器のダウンカマ部の冷却材流量を正確に測定するには、
ダウンカマ部に本体ケーシング45(図5参照)を半径
方向および周方向の少なくとも一方に移動自在に設置
し、本体ケーシング45を半径方向または周方向、すな
わち、X方向またはY方向に移動させつつ個々の粒子の
移動量を立体的に正確に測定し、流体の流動状態を測定
するようにすればよい。
て、図4および図5に示すように走査光学系と画像伝送
系とを一体化することにより実用機として応用すること
ができ、さらに広範囲に適用することができる。例え
ば、原子炉内のインターナルポンプまわりのよどみ状態
等を計測することによりインターナルポンプの流動較正
の高精度化を図ることができるとともに、流体のよどみ
等による構成部品の熱疲労や腐食の進捗状況を正確に管
理することができる。また、ABWRの改良に伴う炉内
構造物の大型化、シュラウドレス化等に伴う流動試験測
定に適用可能であり、さらなる情報の高精度化により設
計の合理化、またプラントの効率向上に寄与することも
可能である。
空機あるいは自動車等において、水流あるいは気流と接
触する構造部位や機材まわりにおける流体の流動場の計
測に適用することができる。この場合、外界に開放され
た形態で流動場が形成されていてもよい。
流動状態(流速や流れ方向、流量、よどみ状態)を計測
することができる。流れが一様でない流動状態の測定を
も正確に精度よく行うことができる。これにより船舶の
底部や壁面等における流れのよどみ箇所等に発生する貝
類等の付着汚染や機材の疲労等の進捗状況を正確に管理
することができる。また、船体の形状、構造、部材等に
伴う流動試験測定により、船舶設計の最適化、合理化を
図ることも可能である。
験測定により高速化、走行安全性等の最適化設計などに
寄与することができる。
よびその計測方法によれば、流体中に分布する個々の粒
子の動きを、レーザシートで可視化し、可視化されたレ
ーザシート上の粒子軌跡画像を画像撮像手段で撮像し、
撮像された2時刻(微小時間間隔)の粒子軌跡画像を画
像処理手段で比較・解析し、画像処理することで、複雑
な流動場における個々の粒子の流速や流れ方向を測定し
て流体の流速や流れ方向等の流動状態を精度よく正確に
測定することができる。
体の流動状態の測定を画像処理手段で粒子軌跡画像を処
理することにより行うことができるので、遠隔地から流
体の流動状態を測定でき、環境的に厳しい閉空間内の流
体の流動状態を正確に精度よく測定できる。
形態を示す概念図。
まれるレーザシート用走査光学系の原理を示す図。
まれる画像伝送手段の原理を示す図。
な計測システムに適用した概念図。
な計測システムに適用した概念図。
れた粒子軌跡画像の二値化処理および膨張化処理の結果
を示す図。
れた粒子軌跡画像を示す図。
算結果を示す図。
測結果の偏り誤差を示す図。
計測結果のばらつき誤差を示す図。
計測結果の確率密度分布を示す図。
を示す図。
跡追跡法で画像処理した計算結果を示す図。
測で得られたZ=6Dにおける軸方向平均速度分布を示
す図。
測で得られたZ=6Dにおける軸方向変動速度分布を示
す図。
測で得られたr=0mmにおける軸方向速度確率密度分
布を示す図。
測で得られたr=2mmにおける軸方向速度確率密度分
布を示す図。
Claims (6)
- 【請求項1】 レーザ光を発振させるレーザ発振装置
と、発振されたレーザ光を流体の流動場内にシート状に
投入させるレーザシート形成用走査光学系と、この走査
光学系からのレーザシート上の2次元粒子軌跡画像を撮
像する画像撮像手段と、前記レーザ発振装置と画像撮像
手段をタイミングをとって同期化駆動させるタイミング
コントロール手段と、前記画像撮像手段で撮像された2
時刻の粒子軌跡画像の輝度パターンを比較・解析し、個
々の粒子の移動方向および移動量を計測する画像処理手
段を備え、この画像処理手段による個々の粒子の移動量
から流体の流動・流速分布を計測するように構成したこ
とを特徴とする流体の流動計測システム。 - 【請求項2】 前記画像撮像手段は、走査光学系からの
レーザシート上の2次元粒子軌跡画像を光伝送する画像
伝送手段と、光伝送された2次元粒子軌跡画像を撮像す
る撮像手段とを備えた請求項1に記載の流体の流動計測
システム。 - 【請求項3】 前記画像伝送手段は、多数本の光ファイ
バを束ねて一体化させ、両端面が平面加工された可撓性
のイメージガイドで構成され、前記撮像手段は、CCD
カメラで構成されており、前記イメージガイドは、対物
レンズにより一方のファイバ端面に結像された画像を光
ファイバで各画素に分解してCCDカメラ側の他端面ま
で同一画像を伝送するように構成された請求項2に記載
の流体の流動計測システム。 - 【請求項4】 前記走査光学系と画像撮像手段は、一体
的に組み合わせて構成され、流体の流動場で1次元ある
いは2次元移動可能に構成された請求項1に記載の流体
の流動計測システム。 - 【請求項5】 前記走査光学系は、直交するレーザシー
トを流体の流動場内に形成し、この直交するレーザシー
ト上の2次元粒子軌跡画像を光伝送する画像伝送手段を
それぞれ設けた請求項1に記載の流体の流動計測システ
ム。 - 【請求項6】 レーザ発振装置から発振されるレーザ光
を流体の流動場にシート状に照射してレーザシートを形
成し、このレーザシート上の粒子軌跡画像を画像撮像手
段で撮像し、撮像された2時刻の粒子軌跡画像の輝度パ
ターンを比較・解析する一方、撮像された時系列の粒子
軌跡画像を加算平均処理して光ファイバ配列画像の輝度
パターンを求め、この光ファイバ配列画像の輝度パター
ンを前記粒子軌跡画像の輝度パターンから除去すること
により個々の粒子の移動方向および移動量を求め、前記
流体流動場における流体の流動を計測することを特徴と
する流体の流動計測方法。
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