JP2010241862A - 樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオレフィン(A)、エチレン含有量20〜65モル%、酢酸ビニル単位のケン化度96%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)(EVOH(B))、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属塩(C)、沸点20℃以上の共役ポリエン化合物(D)、および酢酸ビニル単位の少なくとも一部がケン化されたエチレン−酢酸ビニル共重合体(E)からなり、かつポリオレフィン(A)とEVOH(B)の質量比が60:40〜99.9:0.1であり、かつポリオレフィン(A)とEVOH(B)の合計量100質量部に対してそれぞれ、前記高級脂肪酸金属塩(C)を0.0001〜10質量部の範囲で、前記共役ポリエン化合物(D)を0.000001〜1質量部の範囲で、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(E)を0.3質量部以上含有する樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
また、特許文献8で開示されているのはEVOH単独の成形物においてゲル状ブツを低減することに関する技術であり、EVOHとポリオレフィンとブレンドした樹脂組成物については何らの教示も示唆もない。
したがって、本発明の目的は、かかるミクロな領域における凝集物の生成を抑制してEVOHの分散性を改良すること、およびその凝集物に起因した流動異常による成形物表面の波模様の発生などの外観不良発生を抑制し、これによって、ポリオレフィン層とEVOH層を有する積層体などのスクラップ部をリグラインド層として有効に再利用し、外観美麗な成形物を得ることにある。
MxAly(OH)2x+3y−2z(A)z・aH2O
(MはMg、CaまたはZnを表し、AはCO3またはHPO4を表し、x、y、zは正の整数であり、aは0以上の整数である)
で示される複塩であるハイドロタルサイトを挙げることができ、そのうち特に好適なものとしては次のようなものが例示できる。
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O
Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O
Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O
Mg10Al2(OH)22(CO3)2・4H2O
Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O
Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O
Zn6Al6(OH)16CO3・4H2O
帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックスなど。
滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレートなど。
充填剤:グラスファイバー、アスベスト、バラストナイト、ケイ酸カルシウムなど。
3層 A/F/B
4層 F/B/AD/A、A/F/AD/B
5層 F/AD/B/AD/F、A/F/B/AD/A、A/F/B/F/A
6層 A/F/AD/B/AD/A
7層 A/F/AD/B/AD/F/A
EVOH中に含有される共役ポリエン化合物(D)の量は、以下のような手順で定量した。共役ポリエン化合物(D)が配合されたEVOHを粉砕し、100メッシュのふるいによって粗大粒子を除去したもの10gを、クロロホルム100mlを用いて48時間ソックスレー抽出した。この抽出液中の共役ポリエン化合物量は、それぞれの共役ポリエン化合物の標品を用いて検量線を作成し、高速液体クロマトグラフィーにて定量した。
(1)エチレン含有量が32モル%、ケン化度99.8モル%、水/フェノール=15/85(質量比)の混合液を溶媒として30℃で測定した極限粘度[η]phが0.092l/gのEVOH2000部を、18000部の水/メタノール=40/60(質量比)の混合溶媒に入れ、60℃で6時間攪拌し、完全に溶解させた。この溶液に共役ポリエン化合物(D)として2部のソルビン酸を添加し、さらに60℃で1時間攪拌してソルビン酸を完全に溶解させ、ソルビン酸を含むEVOH溶液を得た。このEVOH溶液を直径4mmのノズルより、0℃に調整した水/メタノール=5/95(質量比)の凝固浴中に連続的に押出して、ストランド状にEVOHを凝固させた。このストランドをペレタイザーに導入して、多孔質のEVOHチップを得た。
製造例1(1)において、共役ポリエン化合物(D)としてソルビン酸2部に代えてβ−ミルセン2部を使用した以外は、製造例1と同様の操作を行い、EVOH100部に対してβ−ミルセン0.05部を含有するEVOH(B2)を得た。
製造例1(1)において、EVOHの水/メタノール溶液にソルビン酸を添加しなかった以外は、製造例1と同様の操作を行い、EVOH(B3)を得た。
製造例1(1)において、EVOHの水/メタノール溶液に添加するソルビン酸の量を2部から0.4部に変更した以外は、製造例1と同様の操作を行い、EVOH100部に対してソルビン酸の含有量が0.002部であるEVOH(B4)を得た。
製造例1(1)において、EVOHの水/メタノール溶液に添加するソルビン酸の量を2部から0.65部に変更した以外は、製造例1と同様の操作を行い、EVOH100部に対してソルビン酸の含有量が0.0032部であるEVOH(B5)を得た。
(1)エチレン含有量が32モル%、ケン化度99.8モル%、水/フェノール=15/85(質量比)の混合液を溶媒として30℃で測定した極限粘度[η]phが0.112l/gのEVOHを用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、多孔質のEVOHチップを得た。
(2)上記(1)で得られた多孔質のEVOHチップを、製造例1(2)と同様に0.1質量%酢酸水溶液とイオン交換水で順次洗浄した後、ホウ酸を含む水溶液に浸漬させることなく製造例1(2)と同様にして乾燥操作を行い、EVOH(B6)を得た。このEVOHのメルトインデックス(ASTM−D1238、190℃、2160g荷重)は1.5g/10分であった。
低密度ポリエチレン{LDPE、メルトインデックス1.5g/10分(ASTM−D1238、190℃)、以下単にLDPEと称する}40部、高級脂肪酸金属塩(C)であるステアリン酸カルシウムを2部、および酢酸ビニル単位の含有量が7.1モル%、酢酸ビニル単位のケン化度が6モル%、メルトインデックス(ASTM−D1238、190℃、2160g荷重)が2.5g/10分である部分ケン化EVA(E)60部をドライブレンドして、得られた混合物を30mmφの同方向二軸押出機(TEX−30N(商品名)、日本製鋼所製)を用いて200℃の押出温度で溶融混練した後ペレット化し、マスターバッチ(MB1)を得た。
製造例7において、ハイドロタルサイト(F)であるMg6Al2(OH)16CO3・4H2Oを2部をさらに添加してドライブレンドして、得られた混合物を製造例7と同様にペレット化して、マスターバッチ(MB2)を得た。
製造例7において、部分ケン化EVA(E)を添加しなかった以外は製造例7と同様にペレット化して、マスターバッチ(MB3)を得た。
製造例7において、ステアリン酸カルシウムを添加しなかった以外は製造例7と同様にペレット化して、マスターバッチ(MB4)を得た。
製造例7において、高級脂肪酸金属塩(C)としてステアリン酸カルシウム2部の代わりにステアリン酸マグネシウム2部を使用した以外は製造例7と同様にペレット化して、マスターバッチ(MB5)を得た。
製造例7において、部分ケン化EVA(E)の添加量を60部から14部に変更した以外は製造例7と同様にペレット化を行い、マスターバッチ(MB6)を得た。
ポリオレフィン(A)として、ポリプロピレン{メルトインデックス5.4g/10分(ASTM−D1238、230℃)、以下PPと称する}を使用した。このPP88部、EVOH(B1)10部、およびマスターバッチ(MB1)5.1部をドライブレンドして、混合物を得た。この混合物の組成は、ポリオレフィン(A)であるPPが88部とLDPEが2部、EVOH(B)が10部、高級脂肪酸金属塩(C)であるステアリン酸カルシウムが0.1部、共役ポリエン化合物(D)であるソルビン酸が0.001部である。20mmφ一軸押出機(東洋精機製ラボプラストミル)と300mm幅Tダイを用いて、この混合物の40μm厚み単層フィルムの製膜を実施した。製膜温度は、押出機を190〜230℃、ダイを220℃とした。スクリュー回転数は40rpm、吐出量は0.95kg/時であった。
上記混合物を押出機ホッパーに投入してから1時間後に、約50mのフィルムサンプルを採取した。その中央部に10cm×10cmの枠を書いて、卓上蛍光灯の前にかざし、枠内にある、直径(最大径)が約200μm以上の大きさを持つEVOH凝集物の数を計数した。この計数測定をフィルムの長さ方向に20cmごとに計100箇所について実施し、100cm2当たりの平均のEVOH凝集物数を算出したところ、0.12個であった。
実施例1において、ソルビン酸を含有するEVOH(B1)10部の代わりに、β−ミルセンを含有するEVOH(B2)10部を用いた以外は、実施例1と同様にしてドライブレンド混合物を得、かかる混合物から単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり0.14個であった。
実施例1において、マスターバッチ(MB1)を5.1部ドライブレンドする代わりに、ハイドロタルサイト(F)を含むマスターバッチ(MB2)を5.2部ドライブレンドした以外は、実施例1と同様にしてドライブレンド混合物を得、かかる混合物から単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり0.05個であった。
実施例1において、PPを90部、および共役ポリエン化合物(D)を含まないEVOH(B3)を10部ドライブレンドした。この混合物を用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり100個以上であった。
実施例1において、PPを88部、共役ポリエン化合物(D)を含まないEVOH(B3)を10部、および高級脂肪酸金属塩(C)であるステアリン酸カルシウムを含むマスターバッチ(MB3)を2.1部ドライブレンドした。この混合物を用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり6.01個であった。
実施例1において、PPを88部、共役ポリエン化合物(D)を含まないEVOH(B3)を10部、および高級脂肪酸金属塩(C)であるステアリン酸カルシウムと部分ケン化EVA(E)を含むマスターバッチ(MB1)を5.1部ドライブレンドした。この混合物を用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり0.71個であった。
実施例1において、マスターバッチ(MB1)5.1部の代わりに部分ケン化EVA(E)を含有しないマスターバッチ(MB3)5.1部を用いた以外は、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり6.12個であった。
実施例1において、PPを68部、EVOH(B5)を30部、および高級脂肪酸金属塩(C)であるステアリン酸カルシウムと部分ケン化EVA(E)を含むマスターバッチ(MB1)を5.1部ドライブレンドした以外は、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり0.29個であった。
実施例1において、EVOH(B1)10部の代わりにホウ酸を含有しないEVOH(B6)10部を用いた以外は、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり0.42個であった。
実施例1において、ステアリン酸カルシウムを含むマスターバッチ(MB1)5.1部の代わりにステアリン酸マグネシウムを含むマスターバッチ(MB5)5.1部を用いた以外は、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり0.11個であった。
実施例1において、マスターバッチ(MB1)5.1部の代わりに高級脂肪酸金属塩(C)を含有しないマスターバッチ(MB4)5.1部を用いた以外は、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり1.18個であった。
実施例1において、PPを48部、EVOH(B4)を50部、およびマスターバッチ(MB1)を5.1部ドライブレンドした以外は実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり3.50個であった。
PPを88部、共役ポリエン化合物(D)を含むEVOH(B1)を10部、高級脂肪酸金属塩(C)であるステアリン酸カルシウムと部分ケン化EVA(E)を含むマスターバッチ(MB1)を5.1部ドライブレンドし、さらにステアリン酸カルシウムを19.9部加えてドライブレンドした。この混合物を用いて、実施例1と同様にして単層フィルムの製膜を実施しようとしたが、樹脂から分離した液体状のステアリン酸カルシウムがTダイのリップ部より噴出すると共に、フィルムに多数の穴が空いたため、EVOH凝集物数の計数は不可能であった。
実施例1において、マスターバッチ(MB1)5.1部の代わりに、マスターバッチ(MB6)2.8部を用いた以外は、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり0.31個であった。
実施例1において、EVOH(B1)10部の代わりに共役ポリエン化合物(D)を含まないEVOH(B3)を用いた以外は、実施例1と同様にしてドライブレンドして、得られた混合物に、共役ポリエン化合物(D)であるソルビン酸をEVOH(B3)10部に対して0.001部さらにドライブレンドした。得られた混合物を用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり0.28個であった。
実施例1において、ポリオレフィン(A)として、PP88部の代わりに、高密度ポリエチレン{メルトインデックス0.9g/10分(ASTM−D1238、190℃)、以下HDPEと称する}88部を使用した以外は、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり0.17個であった。
実施例1において、PPを88部、共役ポリエン化合物(D)を含まないEVOH(B3)を10部、およびマスターバッチ(MB1)5.1部をドライブレンドし、さらに、共役ポリエン化合物(D)であるソルビン酸を5部加え、均一にドライブレンドした。この混合物を用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり100個以上であった。
実施例9において、HDPEを90部用い、マスターバッチ(MB1)を添加しなかったこと以外は実施例9と同様にして単層フィルムを製膜して、得られたフィルムにおけるEVOH凝集物の数を計数したところ、100cm2当たり4.56個であった。
下記の4種7層共押出キャスト製膜設備を用いて、本発明の樹脂組成物層を含む共押出製膜試験を実施した。
押出機(1):一軸、スクリュー直径65mm、L/D=22、外層ポリオレフィン用
押出機(2):一軸、スクリュー直径40mm、L/D=26、本発明の樹脂組成物用
押出機(3):一軸、スクリュー直径40mm、L/D=22、接着性樹脂用
押出機(4):一軸、スクリュー直径40mm、L/D=26、EVOH用
押出機(1)にPPを、押出機(2)に実施例1と同様にPPを88部、EVOH(B1)を10部、マスターバッチ(MB1)を5.1部ドライブレンドして得られた混合物を、押出機(3)に無水マレイン酸変性ポリプロピレン系の接着性樹脂(ADMER QF−500(商品名)、三井化学製)を、押出機(4)にEVOH(B1)をそれぞれフィードして共押出製膜を行った。押出温度は、押出機(1)を200〜240℃、押出機(2)を160〜220℃、押出機(3)を160〜230℃、押出機(4)を170〜210℃、フィードブロックおよびダイは220℃に設定した。製膜した多層フィルムの構成および厚みは、PP/本発明の樹脂組成物/接着性樹脂/EVOH/接着性樹脂/本発明の樹脂組成物/PP=30/15/2.5/5/2.5/15/30μmの、トータル厚み100μmの4種7層の対象構成とした。
製膜開始から2時間後の多層フィルムをサンプリングし、外観を観察したところ、EVOHの凝集による外観不良はほとんど認められず、実用上問題のない多層フィルムが得られた。
実施例10の押出機(2)にフィードした混合物を、比較例1で使用した、PP90部EVOH(B3)10部をドライブレンドして得た混合物に変更した以外は、実施例10と同様にして多層フィルムを得た。得られた多層フィルムは、EVOHの凝集物による外観不良が激しく認められ、実用に供することは困難なレベルであった。
実施例10の押出機(2)にフィードした混合物を、比較例3で使用した、PPを88部、共役ポリエン化合物(D)を含まないEVOH(B3)を10部、および高級脂肪酸金属塩(C)であるステアリン酸カルシウムと部分ケン化EVA(E)を含むマスターバッチ(MB1)を5.1部ドライブレンドした混合物に変更した以外は、実施例10と同様にして多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの外観は、比較例10で得られた多層フィルムよりは良好であったが、依然としてEVOHの凝集物による外観不良が明瞭に認められ、実用に供することは困難なレベルであった。
実施例10の押出機(2)にフィードした混合物を、比較例4で使用した、PPを88部、EVOH(B1)を10部、および部分ケン化EVA(E)を含有しないマスターバッチ(MB3)を5.1部ドライブレンドした混合物に変更した以外は、実施例10と同様にして多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの外観は、比較例10で得られた多層フィルムよりは良好であったが、依然としてEVOHの凝集物による外観不良が明瞭に認められ、実用に供することは困難なレベルであった。
実施例10の押出機(2)にフィードした混合物を、比較例5で使用した、PPを88部、EVOH(B1)を10部、および高級脂肪酸金属塩(C)を含有しないマスターバッチ(MB4)を5.1部ドライブレンドした混合物に変更した以外は、実施例10と同様にして多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの外観は、比較例10で得られた多層フィルムよりは良好であったが、依然としてEVOHの凝集物による外観不良が明瞭に認められ、実用に供することは困難なレベルであった。
実施例10の押出機(2)にフィードした混合物を、実施例3で使用した、PPを88部、EVOH(B1)を10部、およびハイドロタルサイト(F)を含有するマスターバッチ(MB2)を5.2部ドライブレンドした混合物に変更した以外は、実施例10と同様にして多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの外観は、実施例10よりもさらに良好で、EVOHの凝集物による外観不良は全く認められなかった。
Claims (5)
- ポリオレフィン(A)、エチレン含有量20〜65モル%、酢酸ビニル単位のケン化度96%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属塩(C)、沸点20℃以上の共役ポリエン化合物(D)、および酢酸ビニル単位の少なくとも一部がケン化されたエチレン−酢酸ビニル共重合体(E)からなり、かつ前記ポリオレフィン(A)と前記エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)の質量比が60:40〜99.9:0.1であり、かつ、前記高級脂肪酸金属塩(C)を前記ポリオレフィン(A)と前記エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)の合計量100質量部に対して0.0001〜10質量部の範囲で、前記共役ポリエン化合物(D)を前記ポリオレフィン(A)と前記エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)の合計量100質量部に対して0.000001〜1質量部の範囲で、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(E)を前記ポリオレフィン(A)と前記エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)の合計量100質量部に対して0.3質量部以上含有する樹脂組成物。
- ポリオレフィン(A)、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属塩(C)および酢酸ビニル単位の少なくとも一部がケン化されたエチレン−酢酸ビニル共重合体(E)を予め溶融混練してマスターバッチを得、かかるマスターバッチとポリオレフィン(A)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)および沸点20℃以上の共役ポリエン化合物(D)とを溶融混練して得られる、請求項1に記載の樹脂組成物。
- さらに、ハイドロタルサイト(F)を、ポリオレフィン(A)とエチレン含有量20〜65モル%、酢酸ビニル単位のケン化度96%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)の合計量100質量部に対して0.0001〜10質量部の範囲で含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 酢酸ビニル単位の少なくとも一部がケン化されたエチレン−酢酸ビニル共重合体(E)が、エチレン含有量50〜98モル%、酢酸ビニル単位のケン化度0.5〜19モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる層と、エチレン含有量20〜65モル%、酢酸ビニル単位のケン化度96%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物からなる層の少なくとも2層を含む多層構造体。
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