JP2000212454A - 樹脂組成物およびその積層体 - Google Patents

樹脂組成物およびその積層体

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JP2000212454A
JP2000212454A JP11017766A JP1776699A JP2000212454A JP 2000212454 A JP2000212454 A JP 2000212454A JP 11017766 A JP11017766 A JP 11017766A JP 1776699 A JP1776699 A JP 1776699A JP 2000212454 A JP2000212454 A JP 2000212454A
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Japan
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ethylene
resin composition
vinyl acetate
mol
resin
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JP11017766A
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English (en)
Inventor
Kenji Nimiya
賢二 仁宮
Yasushi Kita
康司 北
Masahiko Toyozumi
政彦 豊住
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクラップリターンや長時間の連続運転にお
いても、押出機内部の樹脂圧力が上昇せず、ゲル状物
(目ヤニ)の排斥が著しく低減された、溶融成形性に優
れた樹脂組成物およびその積層体を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)、エチレン含有量2
0〜60モル%,ケン化度98モル%以上のエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)及び再酢化法により
酢酸ビニル成分のケン化度を低下させたエチレン含有量
20〜60モル%,ケン化度98モル%以下のエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C)を含有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂及び
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVO
Hと略記する)からなる樹脂組成物及びその積層体に関
し、更に詳しくは、溶融成形時のロングラン性に優れた
樹脂組成物及びその積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンを始めとするポリオレフィン系樹脂に代表される熱可
塑性樹脂とEVOHとの混合物を溶融成形して各種の成
形物が得られているが、該技術の目的は、各々単独で
は得られない物性を得ること、熱可塑性樹脂とEVO
Hとの積層構造物の製造時に発生する製品のクズや端
部、あるいは不良品の回収による再利用(スクラップリ
ターン或いはリグラインド)の2つに大別される。工業
的な規模での実施に限るならの場合の方が産業上の有
用性は顕著である。しかしながら、上記の如き熱可塑性
樹脂とEVOHからなるシートやフィルム等の積層構造
物を成形し、そのスクラップ組成物をリグラインド層と
して溶融成形によってフィルム、シート等の積層構造物
を製造しようとする場合、該組成物が成形時にゲル化を
起したり、又焼けと呼ばれる熱着色樹脂や炭化した樹脂
が押出機内に付着して長期間にわたって連続して溶融成
形が行えない、いわゆるロングラン性が劣るという問題
点がある。又、該溶融時のゲル化物や熱可塑性樹脂とE
VOHの相分離異物が成形物中にしばしば混入するた
め、例えばフィルム成形においてはフィシュアイの発生
をはじめとする成形物の欠陥の大きな原因となり、製品
の品質低下を免れない。特に、近年では、積層構造物の
加熱延伸成形性の向上を目的に、EVOH層としてエチ
レン含有量やケン化度等組成の異なる二種類以上のEV
OHを使用することが行われている(特開昭61−47
52号公報、特開昭60−173038号公報、特開昭
63−196645号公報、特開昭63−230757
号公報、特開昭63−264656号公報、特開平2−
261847号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き積層体構造物においては、その積層構造物を回収再
利用するときに、熱可塑性樹脂と二種類以上のEVOH
からなる樹脂組成物の溶融成形が行われることになるの
であるが、該溶融成形作業においては、短時間内に押出
機内部の樹脂圧力が上昇したり、ダイリップなどにゲル
状物(目ヤニ)が排斥されたりして、安定した生産が不
能となる、いわゆるロングラン成形性が不可となる現象
が顕著に認められ、そのたびごとに押出機を解体してス
クリーンパックの交換あるいはスクリューやダイを清掃
しなければならないという非常に面倒な作業を強いられ
ているのが実情で、改善が望まれるところである。そこ
で、本発明ではこのような背景下において、外観や耐熱
性に優れるとともに、度重なるスクラップリターンや長
時間の連続運転においても、押出機内部の樹脂圧力が上
昇せず、ゲル状物(目ヤニ)の排斥が著しく低減され
た、溶融成形性に優れた樹脂組成物を提供することを目
的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記目的を達成
すべく鋭意研究した結果、熱可塑性樹脂(A)、エチレ
ン含有量20〜60モル%,ケン化度98モル%以上の
EVOH(B)及び再酢化法により酢酸ビニル成分のケ
ン化度を低下させたエチレン含有量20〜60モル%,
ケン化度98モル%以下のEVOH(C)からなる樹脂
組成物が、上記目的と合致することを見出し、本発明を
完成するに至った。本発明では、更に、熱可塑性樹脂
(A)、EVOH(B)及びEVOH(C)の合計量1
00重量部に対してハイドロタルサイト系化合物および
/または高級脂肪酸塩を0.0001〜10重量部含有
してなる樹脂組成物であるとき、本発明の効果を顕著に
発揮する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明の熱可塑性樹脂(A)は、特に制限されず、ポリ
オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂等が挙げられるが、中でもポリオレ
フィン系樹脂が好ましく用いられる。又、これらは単独
で使用しても、2種併用して使用してもよい。ポリオレ
フィン系樹脂は、特に限定されないが、チーグラー型触
媒を用いて製造されたものであって触媒に起因する塩素
が1〜300ppm、好ましくは3〜150ppm含有されて
いるポリオレフィン系樹脂を用いることにより、本発明
の効果をより顕著に得ることが可能となる。
【0006】かかるポリオレフィン系樹脂としては、高
密度、中密度、低密度の各種ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン、ポリペンテン等の単独重合体、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン又はプロピレンを
主体として1−ブテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜2
0程度のα−オレフィンとの共重合体、更にエチレン又
はプロピレン等のオレフィンの含量が90モル%以上で
ある比較的ポリオレフィンに近い組成を有するオレフィ
ン−酢酸ビニル共重合体、オレフィン−(メタ)アクリル
酸エステル共重合体及び金属イオンが修飾されたアイオ
ノマー樹脂等、あるいは上記ポリオレフィン系樹脂の単
独又は共重合体を不飽和カルボン酸等でグラフト変性し
たもの等が1種又は2種以上任意に使用可能である。こ
れらのうちでは特にメルトインデックス(MI)が0.
1〜15g/10分(190℃での2160g荷重:以
下ポリエチレン系樹脂は同条件)のポリエチレン系樹
脂、又は0.1〜12g/10分(230℃での216
0g荷重:以下ポリプロピレン系樹脂は同条件)のポリ
プロピレン系樹脂の使用において樹脂圧力上昇の問題が
発生しやすく、又本発明の効果も優れている。
【0007】本発明に用いられるEVOH(B)として
は、エチレン含有量20〜60モル%,ケン化度98モ
ル%以上のEVOHであれば特に限定されることなく、
通常は、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化によっ
て得られ、該エチレン−酢酸ビニル共重合体は、公知の
任意の重合法、例えば懸濁重合、エマルジョン重合、溶
液重合などにより製造され、エチレン−酢酸ビニル共重
合体のケン化も公知の方法で行い得る。また、かかるE
VOH(B)は、本発明の効果を阻害しない範囲で共重
合可能なエチレン性不飽和単量体を更に共重合していて
もよく、かかる単量体としては、プロピレン、1−ブテ
ン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレ
イン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはそ
の塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエ
ステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アル
キルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはそ
の塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいは
その酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メ
タクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタク
リルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−
メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、
メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその
酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−
ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニ
ルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニト
リル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素
数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアル
キルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等の
ハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビ
ニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコ
ール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3−
アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウ
ムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸等が挙げられる。
【0008】該EVOH(B)のエチレン含有量は、上
記の如く20〜60モル%(更には25〜50モル%、
特に25〜40モル%)、ケン化度は98モル%以上
(更には98.5モル%以上、特に99モル%以上)で
あることが必要で、該エチレン含有量が20モル%未満
では高湿時のガスバリア性、溶融成形性が低下し、逆に
60モル%を越えると充分なガスバリア性が得られず、
更にケン化度が98モル%未満ではガスバリア性、熱安
定性、耐湿性等が低下して本発明の目的を達成すること
が困難となる。また、該EVOH(B)のメルトフロー
インデックス(MI)は、特に限定されないが、0.1
〜100g/10分(210℃での2160g荷重値:
以下EVOHは同条件)であることが好ましく、更には
0.5〜50g/10分で、かかるMIが0.1g/1
0分未満では粘度が高くなりすぎて溶融押出しが困難と
なることがあり、逆に100g/10分を越えると成形
物の機械的強度が不足して好ましくない。
【0009】本発明に用いられるEVOH(C)は、再
酢化により、エチレン−ビニルアルコール共重合体の酢
酸ビニル成分のケン化度を低下させたEVOHであるこ
とが必要で、かかるエチレン−ビニルアルコール共重合
体は、通常エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化によ
って得られ、該エチレン−酢酸ビニル共重合体は、公知
の任意の重合法、例えば懸濁重合、エマルジョン重合、
溶液重合などにより製造され、エチレン−酢酸ビニル共
重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
【0010】また、かかるエチレン−ビニルアルコール
共重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で共重合可
能なエチレン性不飽和単量体を更に共重合していてもよ
く、かかる単量体としては、プロピレン、1−ブテン、
イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン
酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩
あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステ
ル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキル
アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2
−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、
アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸
塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリ
ルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルア
ミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタク
リルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタク
リルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あ
るいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニル
ピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセ
トアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、
メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜
18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビ
ニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ
化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン
化ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラ
ン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジ
メチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリル
アミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリ
ド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等
が挙げられる。
【0011】該エチレン−ビニルアルコール共重合体の
エチレン含有量は、20〜60モル%(更には30〜5
5モル%、特に35〜50モル%)、ケン化度は98モ
ル%以上(更には99モル%以上、特に99.5モル%
以上)で、該エチレン含有量やケン化度が上記の範囲外
では、EVOH(B)との相溶性が不安定となって本発
明の目的を達成することが困難となる。また、該エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体のメルトフローインデッ
クス(MI)は、特に限定されないが、0.1〜100
g/10分(210℃での2160g荷重値:以下エチ
レン−ビニルアルコール共重合体は同条件)であること
が好ましく、更には0.5〜50g/10分で、かかる
MIが0.1g/10分未満では、再酢化反応が不均一
となり、逆に100g/10分を越えると再酢化時の溶
融押出しのコントロールが難しくなって好ましくない。
更に該エチレン−ビニルアルコール共重合体の含水率を
0.001〜30重量%とすることも好ましく、かかる
含水率が0.001重量%未満では、反応物中にゲルや
異物が多発することとなり、逆に含水率が30重量%を
越えると再酢化反応の進行に支障をきたす恐れがあり好
ましくない。
【0012】EVOH(C)は、上記の如きエチレン−
ビニルアルコール共重合体を再酢化することにより得ら
れるもので、かかる方法について具体的に説明する。エ
チレン−ビニルアルコール共重合体の再酢化に当たって
は特に限定されず、例えば特開平5−106112号公
報、特開平5−202240号公報、特開平6−413
69号公報、特開平6−234899号公報、特開平7
−3525号公報に記載されているように、エチレン−
ビニルアルコール共重合体に水および氷酢酸、塩酸を加
えて溶液状態で再酢化する方法や、酸の存在下溶融状態
で再酢化する方法が挙げられるが、生産効率上有利な点
で溶融状態での再酢化が好ましい。エチレン−ビニルア
ルコール共重合体を溶融状態にするに当たっては、固形
状(粉末やペレット等)の該共重合体を融点以上に加熱
して溶融させればよく、その手段としては特に限定され
ず、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロ
ール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの公知の
混練装置を使用して行うことができるが、通常は単軸又
は二軸の押出機を用いることが工業上好ましく、また、
必要に応じて、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スク
リーン装置等を設けることも好ましく、かかる押出機に
エチレン−ビニルアルコール共重合体を供給して融点以
上(好ましくは融点より20〜150℃高い温度)で溶
融状態(通常は押出機の少なくともC3以降の温度を該
共重合体の融点以上に設定する)にする。かかる溶融状
態において酸を共存させるためには、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体を押出機に供給する前に該重合体
に予めブレンドしておく方法、エチレン−ビニルアル
コール共重合体と酸を一括して押出機に供給する方法、
エチレン−ビニルアルコール共重合体を押出機に供給
して溶融させたところに酸を供給する方法、上記の
〜の少なくとも2つの方法を組み合わせる方法等を挙
げることができるが、好適には、の方法を採用するこ
とができる。かかる酸としては、無水酢酸、氷酢酸等の
酢酸や塩酸、硝酸、硫酸、プロピオン酸等を挙げること
ができ、再酢化反応の効率と安定性の点で、好適には無
水酢酸が用いられる。更には、他の酸やピリジンを併用
することも可能である。また、酢酸の共存量は、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体中の全水酸基に対して1
〜60モル%(更には2〜30モル%)が好ましく、か
かる共存量が1モル%未満では所定量の再酢化反応を進
行させることが困難となり、逆に60モル%を越えると
エチレン−ビニルアルコール共重合体が反応中に熱劣化
を起こすことがあり、更には残存酸の処理が必要となっ
て好ましくない。尚、ここで言う酢酸のモル%(Q)と
は、下記の(1)式で算出されるものである。
【0013】
【数1】 (ここで、Kは定数で無水酢酸の時は0.0196、氷
酢酸の時は0.0167、Xはエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体100重量部に対する酢酸の添加量(重量
部)、Yはエチレン−ビニルアルコール共重合体中のエ
チレン含有量(モル%)、Zはエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体中の酢酸ビニル成分のケン化度(モル%)
をそれぞれ表す。)
【0014】更に押出機での滞留時間は、1分〜1時間
(更には3〜30分)が好ましく、かかる滞留時間が1
分未満では十分に反応を進行させることが難しく、逆に
1時間を越えるとエチレン−ビニルアルコール共重合体
が熱劣化をおこす恐れがあり好ましくない。
【0015】上記の如き方法により、エチレン−ビニル
アルコール共重合体は再酢化されるのであるが、本発明
においては、かかる再酢化により低下させる酢酸ビニル
成分のケン化度は1〜30モル%(更には1〜10モル
%)の範囲とすることが好ましく、かかるケン化度が1
モル%未満では再酢化前の重合体に比べて物性的に大差
なく目的とするEVOH(C)が得難く本発明の効果が
得られないことがあり、逆に30モル%を越えると多量
の酢酸と過酷な押出条件(高温・長時間)が必要なため
得られる再酢化物が劣化する恐れがあり、またEVOH
(B)との相溶性が不良となることがあり好ましくな
い。かかるケン化度の調整は、押出機での滞留時間や温
度、混練の度合い、使用する酸の種類や量等によりコン
トロールすればよい。また、再酢化による副生成物を除
去するために、押出機に1個以上のベント孔を設けて減
圧下に吸引することにより品質の優れた再酢化物を得る
ことができ、また、押出機とダイの間にギヤポンプを設
けることにより、より効率的に安定して押出反応を行う
ことも可能である。
【0016】本発明の樹脂組成物におけるEVOH
(B)及びEVOH(C)の含有割合は特に限定されな
いが、EVOH(B)とEVOH(C)の含有割合(重
量比)がB/C=98/2〜50/50(更にはB/C
=95/5〜55/45、特にB/C=90/10〜6
0/40)であることが好ましく、かかる配合割合が9
8/2よりも大きいと加熱延伸成形性の向上効果に乏し
くなり、逆に50/50よりも小さいと両者の相溶性が
不安定となり本発明の目的を達成することが困難とな
る。また、本発明の効果を損なわない範囲において、E
VOH(B)或いは(C)として、構造や分子量等の異
なる2種以上のEVOHを用いることも可能である。
【0017】更に熱可塑性樹脂(A)の含有割合は、特
に限定されないが、上記のEVOH(B)及びEVOH
(C)の合計量との含有割合(重量比)がA/(B+
C)=99.5/0.5〜30/70(更には99/1
〜50/50、特に98/2〜70/30)であること
が好ましく、かかる割合が99.5/0.5を越えると
積層構造体のガスバリア性が不足することになり、逆に
30/70未満では樹脂圧力の上昇やゲル状物(目ヤ
ニ)の排斥を抑制することが困難となり、更に成形品の
外観も悪化するので好ましくない。更に本発明では、上
記(A)〜(C)の成分に加えて、ハイドロタルサイト
系化合物(D)および/または高級脂肪酸塩(E)を含
有させることが好ましく、かかるハイドロタルサイト系
化合物(D)および/または高級脂肪酸塩(E)の含有
により、本発明の溶融成形性が一段と向上するのであ
る。
【0018】かかるハイドロタルサイト系化合物(D)
としては、一般式、MxAly(OH)2 x+3y-2z(E)z・aH2
O(式中MはMg,Ca又はZn、EはCO3又はHPO4
x, y,zは正数、aは0又は正数)で示される化合物で、
具体的には、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O,Mg
5Al2(OH)14CO3・4H2O,Mg6Al2(OH)16CO 3
・4H2O,Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O,Mg10
l2(OH)22(CO3)2・4H2O,Mg6Al2(OH)16HP
4・4H2O,Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O,Zn6
Al6(OH)16CO3・4H2Oなどが挙げられる。又、以
上に限らず例えば、Mg2Al(OH)9・3H2O中のOH
の一部がCO3又はHPO4に置換された如き化学式の明
確に示されないものや更には結晶水の除去されたもの(a
=0)であっても同等の効果が期待できる。特にこれら
のうちMがMgで、EがCO3である化合物が好適に用い
られる。
【0019】更に、ハイドロタルサイト系化合物(D)
として、下記一般式で示されるハイドロタルサイト系固
溶体を用いることも可能である。 [〔(M1 2+y1(M2 2+y21-xx 3+(OH)2n- x/n
・mH2O] (式中M1 2+はMg,Ca,Sr及びBaから選ばれる金
属の少なくとも1種、M2 2+はZn,Cd,Pb,Sn
から選ばれる金属、Mx 3+は3価金属、An- x/nはn価の
アニオン、x,y1,y2,mはそれぞれ0<x≦0.
5、0.5<y1<1、y1+y2=1、0≦m<2で示
される正数) 上記の一般式において、M1 2+としてはMg,Caが好ま
しく、M2 2+としてはZn,Cdが好ましく、更にMx 3+
としてはAl,Bi,In,Sb,B,Ga,Ti等が
例示できるがAlが実用的である。また、An-として
は、CO3 2-,OH-,HCO3 -,サリチル酸イオン,ク
エン酸イオン,酒石酸イオン,NO3 -,I-、(OOC
−COO)2-、ClO4-,CH3COO-,CO3 2-
(OOCHC=CHCOO)2-,〔Fe(CN)64-
挙げられ、CO3 2-やOH-が有用である。
【0020】かかるハイドロタルサイト系固溶体の具体
的実例としては、[Mg0.75 Zn0.250.67 Al0.33
(OH)2(CO30.165・0.45H2O、[Mg0.79 Zn
0.210.7 Al0.3(OH)2(CO30.15、[Mg1/7
Ca3/7 Zn3/70.7 Al0.3(OH)2(OOCHC=
CHCOO) 0.15・0.41H2O、[Mg6/7 Cd1/7
0.7 Al0.3(OH)2(CH3COO)0.3・0.34H2O、
[Mg5/7 Pd2/70.7 Al0.30(OH)2(CO3
0.15・0.52H2O、[Mg0.74 Zn0.260.68 Al
0.32(OH)2(CO30.16、[Mg0.56 Zn0.44
0.68 Al0.32(OH)2(CO30.16・0.2H2O、[M
0.81 Zn0.190.74 Al0.26(OH)2(CO3
0.13、[Mg0.75 Zn0.250.8 Al0.20(OH)
2(CO30.10・0.16H2O、[Mg0.71 Zn0.29
0.7 Al0.30(OH)2(NO30.30、[Mg0.71 Zn
0.290.7 Al0.30(OH)2(OOCHC=CHCO
O)0.15、[Mg0.14 Ca0.57 Zn0.280.7 Al
0.30(OH)2.3・0.25H2O等が挙げられ、[Mg0.75
Zn0.250.67 Al0.33(OH)2(CO30.165・0.4
5H2O、[Mg0.79 Zn0.210.7 Al0.3(OH)
2(CO30.15、[Mg6/7 Cd1 /70.7 Al0.3(O
H)2(CH3COO)0.3・0.34H2O、[Mg5/7 Pd
2/7 0.7 Al0.30(OH)2(CO30.15・0.52H2
が好適に使用される。
【0021】また、かかる高級脂肪酸塩(E)として
は、炭素数8以上の脂肪酸塩を挙げることができ、具体
的には、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペ
ンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステア
リン酸、ノナデカン酸、オレイン酸、カプリン酸、ベヘ
ニン酸、リノール酸等の高級脂肪酸のナトリウム塩、カ
リウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシ
ウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩の他、亜鉛
金属塩等を挙げることができ、かかる中でもステアリン
酸、オレイン酸、ラウリン酸のアルカリ土類金属塩(マ
グネシウム塩、カルシウム塩)が好適に用いられる。
【0022】かかるハイドロタルサイト系化合物(D)
および/または高級脂肪酸塩(E)の配合量は、上記の
(A)〜(C)の合計量100重量部に対して0.00
01〜10重量部(更には0.001〜1重量部、特に
0.01〜1重量部)が好ましく、かかる配合量が0.
0001重量部未満では、添加効果(樹脂圧力の上昇や
ゲル状物(目ヤニ)の排斥の抑制効果)に乏しく、逆に
10重量部を越えると、成形物の外観が悪化し、商品価
値が低下することとなる。
【0023】本発明の樹脂組成物は、上記の如き(A)
〜(C)を必須とし、更には(D)又は(E)の任意の
成分を配合してなるもので、その配合方法は特に限定さ
れず、(A)〜(E)を一括配合したり、又、任意の2
成分を配合した後、残る成分を順次配合したりする等、
いずれでもよく、適宜選択して採用される。中でも特に
熱可塑性樹脂(A)にハイドロタルサイト系化合物
(D)および/または高級脂肪酸金属塩(E)を予め配
合しておくことが成形物のゲルのような異物の発生を抑
制できる点で好ましい。
【0024】かかる混合手段としては任意の態様が挙げ
られる。例えば、熱可塑性樹脂(A)とハイドロタルサ
イト系化合物(D)および/または高級脂肪酸金属塩
(E)をヘンシェルミキサーやタンブラー等で混合する
か、押出機等で溶融混合した後、EVOH(B)を溶融
混合し、更にEVOH(C)を溶融混合する方法、更に
はEVOH(B)とEVOH(C)からなる樹脂組成物
層と熱可塑性樹脂(A)とハイドロタルサイト系化合物
(D)および/または高級脂肪酸金属塩(E)の混合物
からなる層の2層以上の積層構造物を再度溶融混合する
方法等が挙げられる。後者の方法においては、通常は上
記積層構造物の製造時に発生するクズ、端部、不良品等
の破砕品(いわゆるリグラインド)を溶融混合する方法
等が挙げられる。
【0025】また、本発明の樹脂組成物には、更に、必
要に応じて、可塑剤、滑剤、スリップ剤、ブロッキング
防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防
止剤、界面活性剤、着色剤、抗菌剤、発泡剤、充填剤な
どの添加剤や他樹脂などを配合することも可能である。
特にゲル発生防止剤として、ヒンダードフェノール系、
ヒンダードアミン系熱安定剤等を添加することもでき
る。かくして得られた樹脂組成物は、成形性に優れ、成
形物の用途に用いることができ、例えば溶融成形等によ
りペレット、フィルム、シート、容器、繊維、棒、管、
各種成形品等に成形され、又、これらの粉砕品(回収品
を再使用する時など)やペレットを用いて再び溶融成形
に供することもでき、かかる溶融成形方法としては、押
出成形法(T−ダイ押出、インフレーション押出、ブロ
ー成形、溶融紡糸、異型押出等)、射出成形法が主とし
て採用される。溶融成形温度は、150〜300℃の範
囲から選ぶことが多い。また、本発明の樹脂組成物は、
単層として用いることができるが、特に積層体とした時
に本発明の作用効果を十分に発揮することができ、具体
的には該樹脂組成物の層の少なくとも片面に熱可塑性樹
脂層等を積層して多層積層体として用いることが有用で
ある。
【0026】該積層体を製造するに当たっては、該樹脂
組成物の層の片面又は両面に他の基材を積層するのであ
るが、積層方法としては、例えば該樹脂組成物のフィル
ムやシートに熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、逆に熱
可塑性樹脂等の基材に該樹脂組成物を溶融押出する方
法、該樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂とを共押出する方
法、更には該樹脂組成物のフィルムやシートと他の基材
のフィルム、シートとを有機チタン化合物、イソシアネ
ート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合
物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法
等が挙げられる。
【0027】共押出の場合の相手側樹脂としては直鎖状
低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロ
ピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20
のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテ
ン等のオレフィンの単独又は共重合体、およびブレンド
物或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体、ブレ
ンド物を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト
変性したものなどの広義のポリオレフィン系樹脂、ポリ
エステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチ
レン、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマ
ー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、芳香族又は脂肪族ポリケトン、
ポリアルコール等が挙げられる。EVOHも共押出可能
である。上記のなかでも、共押出製膜の容易さ、フィル
ム物性(特に強度)の実用性の点から、ポリプロピレ
ン、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリスチレン、PET、PENが好ましく用
いられる。
【0028】更に、本発明の樹脂組成物から一旦フィル
ムやシート等の成形物を得、これに他の基材を押出コー
トしたり、他の基材のフィルム、シート等を接着剤を用
いてラミネートする場合、前記の熱可塑性樹脂以外に任
意の基材(紙、金属箔、一軸又は二軸延伸プラスチック
フィルム又はシート、織布、不織布、金属綿状、木質
等)が使用可能である。
【0029】積層体の層構成は、熱可塑性樹脂層/本発
明の樹脂組成物の層/接着樹脂層/EVOH層、熱可塑
性樹脂層/本発明の樹脂組成物の層/接着樹脂層/EV
OH層/接着樹脂層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層
/本発明の樹脂組成物の層/接着樹脂層/EVOH層/
接着樹脂層/本発明の樹脂組成物の層/熱可塑性樹脂層
や更には本発明の樹脂組成物の層/接着樹脂層/EVO
H層、本発明の樹脂組成物の層/接着樹脂層/EVOH
層/接着樹脂層/EVOH層、本発明の樹脂組成物の層
/接着樹脂層/EVOH層/接着樹脂層/熱可塑性樹脂
層、本発明の樹脂組成物の層/接着樹脂層/EVOH層
/接着樹脂層/本発明の樹脂組成物の層/熱可塑性樹脂
層等が挙げられる。
【0030】接着樹脂層に用いられる接着樹脂として
は、公知の接着剤を用いることができ、例えば不飽和カ
ルボン酸又はその無水物で変性された密度0.86〜
0.95g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合
体が好ましく、上記のポリオレフィン系樹脂と同様の樹
脂を不飽和カルボン酸又はその無水物で共重合又はグラ
フト変性することにより得ることができ、勿論変性に
は、未変性のエチレン−α−オレフィン共重合体と不飽
和カルボン酸又はその無水物のブレンドも含まれる。不
飽和カルボン酸又はその無水物としては、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸等が挙げられ、中でも無水マレイン酸
が好適に用いられる。
【0031】このときのエチレン−α−オレフィン共重
合体に含有される不飽和カルボン酸又はその無水物量
は、0.001〜10重量%が好ましく、更に好ましく
は、0.01〜5重量%である。該含有量が少ないと接
着力が低下し、逆に多いと架橋反応を起こし、成形性が
悪くなり好ましくない。かかる接着性樹脂を隣接する層
に混ぜることも可能である。
【0032】かくして得られた積層体の形状としては任
意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、ボ
トル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示
される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷
却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、
溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加
工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができ
る。上記の如く得られたカップ、トレイ、チューブ、ボ
トル等からなる容器やフィルムからなる袋、蓋材は食
品、医薬品、工業薬品、農薬等各種の包装材料として有
用である。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。 実施例1 [EVOH(C)の製造]エチレン−ビニルアルコール
共重合体[エチレン含有量47モル%、ケン化度99.
2モル%、融点158℃、MIが30g/10分、含水
率0.3%]100部に無水酢酸8部(EVOH中の全
水酸基に対して10.9モル%)を添加して、よく混合
した後、二軸押出機(同方向二軸押出機)に供給して、
下記の条件で溶融状態(溶融温度270℃)で再酢化処
理を行った。 (押出機の溶融押出条件) スクリュー内径 30mm L/D 49 押出温度 C1:180℃ A:250℃ C2:220℃ D:250℃ C3:270℃ C4:270℃ C5:270℃ C6:270℃ C7:270℃ C8:270℃ 平均滞留時間 10分
【0034】上記の押出機の先端のダイスから溶融状態
でストランド状に押し出され、その後冷却水(5℃)中
を通過させることにより冷却固化されて、ペレタイザー
でカッティングされ、EVOH(C)[エチレン含有量
47モル%、ケン化度94.9モル%]のペレットが得
られた。上記で得られたEVOH(C)20部とEVO
H(B)[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.
6モル%、、MIが8g/10分]80部を径40mm
の単軸押出機に供給して温度230℃で溶融混合してE
VOHのブレンド物を得た後、該ブレンド物5部とポリ
プロピレン(A)(MI=0.8g/10分、密度0.9
0g/cm3、塩素含有量110ppm)90部および
無水マレイン酸変性ポリプロピレン(A)(MI=1.
0g/10分、密度0.89g/cm3、塩素含有量80
ppm)5部を同様に溶融混合して本発明の樹脂組成物
を得た。
【0035】得られた樹脂組成物を単軸押出機にて溶融
混合し、溶融成形を行い、シートを得た。成形条件は以
下の通りである。 成形条件 押 出 機 40mm径単軸押出機 スクリュー L/D=28,圧縮比3.5 スクリーンパック オープニング120μmのもの2枚使用 ダ イ コートハンガーダイ 押出温度 シリンダー供給部 180℃ シリンダー圧縮部 250℃ シリンダー先端部 250℃ ダ イ 230℃ スクリュー回転数 40rpm 得られたシートを粉砕して再び同条件でシート成形を行
う操作を10回繰り返して、1回目、5回目及び10回
目の成形時の、樹脂圧の変化、得られたシートの外観、
ゲル状物を以下の要領で評価した。
【0036】(樹脂圧の変化)5回目及び10回目の成
形時の樹脂圧を測定して、1回目の成形時の樹脂圧と比
較して、以下の通り評価した。 ○ −−− 1回目の成形時の樹脂圧+5kg/cm2
未満 △ −−− 1回目の成形時の樹脂圧+5〜10kg/
cm2 × −−− 1回目の成形時の樹脂圧+10kg/cm
2より大 (シートの外観)1回目、5回目及び10回目の成形で
得られたそれぞれのシートの外観を目視で観察して、以
下の通り評価した。 ○ −−− スジや表面の肌荒れがほとんど認められな
い。 △ −−− スジや表面の肌荒れが若干認められる。 × −−− スジや表面の肌荒れが多く認められる。 (ゲル状物(目ヤニ))1回目、5回目及び10回目の
成形時にダイリップから排斥されるゲル状物(目ヤニ)
の発生状況を目視で観察し、以下の通り評価した。 ○ −−− ゲル状物(目ヤニ)の排斥が全く認められ
ない。 △ −−− ゲル状物(目ヤニ)の排斥が若干認められ
る。 × −−− ゲル状物(目ヤニ)の排斥が多く認められ
る。 それぞれの結果を表1にまとめて示す。
【0037】実施例2 [EVOH(C)の製造]エチレン−ビニルアルコール
共重合体[エチレン含有量44モル%、ケン化度99.
6モル%、融点164℃、MIが12g/10分、含水
率0.2%]100部に無水酢酸6部(EVOH中の全
水酸基に対して7.8モル%)を添加して、よく混合し
た後、二軸押出機(同方向二軸押出機)に供給して、下
記の条件で溶融状態(溶融温度280℃)で再酢化処理
を行った。 (押出機の溶融押出条件) スクリュー内径 30mm L/D 42 押出温度 C1:200℃ A:260℃ C2:240℃ D:260℃ C3:270℃ C4:280℃ C5:280℃ C6:280℃ C7:280℃ 平均滞留時間 5分
【0038】上記の押出機の先端のダイスから溶融状態
でストランド状に押し出され、その後冷却水(5℃)中
を通過させることにより冷却固化されて、ペレタイザー
でカッティングされ、EVOH(C)[エチレン含有量
44モル%、ケン化度96.1モル%]のペレットが得
られた。上記で得られたEVOH(C)30部とEVO
H(B)[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.
6モル%、MIが8g/10分]70部を径40mmの
単軸押出機に供給して温度230℃で溶融混合してEV
OHのブレンド物を得た後、該ブレンド物15部と高密
度ポリエチレン(MI=6.0g/10分、密度0.95
2g/cm3、塩素含有量15ppm)85部を同様に
溶融混合して本発明の樹脂組成物を得た。かかる樹脂組
成物を用いて、実施例1と同様に評価を行った。評価結
果は、表1にまとめて示す。
【0039】実施例3 実施例1においてEVOH(B)としてエチレン含有量
32モル%、ケン化度99.5モル%、MIが4g/1
0分のEVOHを使用して、EVOH(B)とEVOH
(C)の含有割合を(B)15部、(C)85部とし
て、該ブレンド物10部とポリプロピレン80部及び無
水マレイン酸変性ポリプロピレン10部とを溶融混合し
た以外は同様に行って、本発明の樹脂組成物を得た。か
かる樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行っ
た。評価結果は、表1にまとめて示す。
【0040】実施例4 実施例1において、ハイドロタルサイト系化合物(D)
としてMg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2Oを、(A)
〜(C)の合計量100部に対して0.2部混合した以
外は同様に行って、本発明の樹脂組成物を得た。かかる
樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行った。
評価結果は、表1にまとめて示す。
【0041】実施例5 実施例1において、高級脂肪酸塩(E)としてステアリ
ン酸カルシウムを(A)〜(C)の合計量100部に対
して0.5部混合した以外は同様に行って、本発明の樹
脂組成物を得た。かかる樹脂組成物を用いて、実施例1
と同様に評価を行った。評価結果は、表1にまとめて示
す。
【0042】実施例6 実施例1において、ハイドロタルサイト系化合物(D)
として[Mg0.75 Zn0.250.67 Al0.33(OH)
2(CO30.165・0.45H2Oおよび高級脂肪酸塩(E)
としてステアリン酸マグネシウムを、(A)〜(C)の
合計量100部に対して(D)0.1部および(E)
0.3部混合した以外は同様に行って、本発明の樹脂組
成物を得た。かかる樹脂組成物を用いて、実施例1と同
様に評価を行った。評価結果は、表1にまとめて示す。
【0043】比較例1 実施例1において、EVOH(C)に変えて、エチレン
−酢酸ビニル共重合体をアルカリ触媒でケン化した通常
のEVOH[エチレン含有量47モル%、ケン化度9
5.0モル%]を用いた以外は同様に樹脂組成物を得
た。かかる樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に評価
を行った。評価結果は、表1にまとめて示す。
【0044】
【表1】 樹脂圧の変化 シートの外観 ゲル状物(目ヤニ) 5回目 10回目 1回目 5回目 10回目 1回目 5回目 10回目 実施例1 ○ ○ ○ ○ △ ○ ○ △ 〃 2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 3 ○ △ ○ ○ △ ○ ○ △ 〃 4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 5 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 〃 6 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 比較例1 △ × ○ △ × ○ △ ×
【0045】実施例7 熱可塑性樹脂(A)としてポリプロピレン(MI=0.
8g/10分、密度0.90g/cm3、塩素含有量11
0ppm)100重量部に対して、ハイドロタルサイト
系化合物(D)としてMg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H
2Oを0.5部と高級脂肪酸金属塩(E)としてステア
リン酸カルシウムを0.5部を単軸押出機にて溶融混合
して得られた樹脂組成物(ア)、および実施例1で使用
したEVOH(B)とEVOH(C)の溶融混合物(混
合比(B)/(C)=80/20)を用いて、樹脂組成
物(ア)層/樹脂組成物(ア)層/接着樹脂(三菱化学
社製『モディックAP P512』)層/EVOH
(B)(C)混合物層/接着樹脂(同左)層/樹脂組成
物(ア)層(厚み=100μm/400μm/100μ
m/100μm/100μm/500μm)の構成を有
する多層構造体を4種6層フィードブロックダイを用い
て下記条件で製造した。
【0046】 成形条件 押 出 機 65mm径押出機(樹脂組成物(ア)層用) 65mm径押出機(樹脂組成物(ア)又は(イ)層用) 30mm径押出機(接着樹脂層用) 30mm径押出機(EVOH(B)(C)混合物層用) 押出温度 C1 C2 C3 C4 AD FB ダイ (℃) 200 230 230 220 220 220 230 200 240 240 220 220 220 230 200 230 −−− −−− 220 220 230 200 230 −−− −−− 220 220 230 スクリュー回転数 20rpm、25rpm、10rpm、15rpm ダイ幅 650mm 押出量 24kg/hr 引取速度 0.33m/min ロール温度 80℃
【0047】上記で得られた多層構造体を1〜5mm角
程度に粉砕した樹脂組成物(イ)を上記の層として再
び同条件で多層構造体、樹脂組成物(ア)層/樹脂組成
物(イ)層/接着樹脂層/EVOH(B+C)混合物層
/接着樹脂層/樹脂組成物(ア)層(厚み=100μm
/400μm/100μm/100μm/100μm/
500μm)を製造した。これを1回目としてかかる操
作を10回繰り返し(スクラップリターン)して、1回
目、5回目及び10回目で得られた多層構造体を用い
て、下記の条件にて真空圧空成形機でカップを成形し
た。尚、1回目の多層構造体の樹脂組成物(イ)層中の
EVOH混合物含有量は約10%で、5回目及び10回
目のEVOH混合物含有量は約14%であった。また1
回目の多層構造体の樹脂組成物(イ)層中のハイドロタ
ルサイト系化合物および高級脂肪酸金属塩は約0.4
部、5回目及び10回目各約0.5部であった。
【0048】成形条件 ヒーター温度 上下450℃ 積層体表面温度 160℃ カップ形状 口部:9×9cm,底部:8×8c
m,深さ:13.5cm得られたカップの外観を下記の
要領で評価した。 (外観) 得られたカップの外観を目視観察して、以下の通り評価
した。 ◎ −−− 表面平滑性良好でスジ・異物なし ○ −−− 若干スジあり、異物なし △ −−− 全体的にスジ多い、異物なし × −−− 全体的にスジ多く、若干異物あり ×× −−− 全体的にスジ・異物多い
【0049】比較例2 実施例7において、EVOH層として実施例1で使用し
たEVOH(B)のみを用いた以外は同様に行って、同
様に評価をした。
【0050】比較例3 実施例7において、EVOH層として比較例1で使用し
たEVOH(C)とEVOH(B)の溶融混合物(混合
比(B)/(C)=80/20)を用いた以外は同様に
行って、同様に評価をした。それぞれの結果を表2に示
す。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、上記の如き
(A)〜(C)成分、好ましくは(A)〜(D)または
(A)〜(E)成分を配合し、更に(C)が特定の方法
で得られた樹脂組成物であるため、外観や耐熱性に優れ
るとともに、度重なるスクラップリターンや長時間の連
続運転においても、押出機内部の樹脂圧力が上昇せず、
ゲル状物(目ヤニ)の排斥が著しく低減された、溶融成
形性に優れた樹脂組成物であり、各種の積層体として、
食品や医薬品、農薬品、工業薬品包装用のカップ、トレ
イ、チューブ、ボトル等の容器やそのフィルムからなる
袋や蓋材等の用途に非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 29/04 C08L 29/04 S // C08F 8/14 C08F 8/14 Fターム(参考) 4F100 AC10A AC10H AH02H AH08H AK01A AK01B AK01C AK07 AK69A AK69K AL05A BA03 BA06 BA10B BA10C CA18A CA23A GB15 GB16 GB23 GB66 JB16A JB16B JB16C JJ03 JL00 YY00A 4J002 BB03W BB05W BB12W BB17W BB22Y BE03X BE03Y CF03W CG00W CH00W CK00W CL00W DE286 EG027 EG037 EG047 GF00 4J100 AA02Q AD02P CA04 DA42 JA58

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)、エチレン含有量2
    0〜60モル%,ケン化度98モル%以上のエチレン−
    酢酸ビニル共重合体ケン化物(B)及び再酢化法により
    酢酸ビニル成分のケン化度を低下させたエチレン含有量
    20〜60モル%,ケン化度98モル%以下のエチレン
    −酢酸ビニル共重合体ケン化物(C)を含有してなるこ
    とを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (B)とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(C)
    の含有割合(重量比)がB/C=98/2〜50/50
    であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂(A)、エチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体ケン化物(B)及びエチレン−酢酸ビニル
    共重合体ケン化物(C)の含有割合(重量比)がA/
    (B+C)=99.5/0.5〜30/70であること
    を特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 更に熱可塑性樹脂(A)、エチレン−酢
    酸ビニル共重合体ケン化物(B)及びエチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体ケン化物(C)の合計量100重量部に対
    してハイドロタルサイト系化合物(D)および/または
    高級脂肪酸塩(E)を0.0001〜10重量部含有し
    てなることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (C)が、エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶融
    状態で酢酸の共存下に再酢化して、酢酸ビニル成分のケ
    ン化度を1〜30モル%低下させて得られたことを特徴
    とする請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載の樹脂組成物
    の層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂を積層したことを
    特徴とする積層体。
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