JP2010241654A - ガラス成形体の製造方法 - Google Patents

ガラス成形体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010241654A
JP2010241654A JP2009094701A JP2009094701A JP2010241654A JP 2010241654 A JP2010241654 A JP 2010241654A JP 2009094701 A JP2009094701 A JP 2009094701A JP 2009094701 A JP2009094701 A JP 2009094701A JP 2010241654 A JP2010241654 A JP 2010241654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
lower mold
molded body
molten glass
differential value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009094701A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5233807B2 (ja
Inventor
Masaya Kinoshita
将也 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Opto Inc
Original Assignee
Konica Minolta Opto Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Opto Inc filed Critical Konica Minolta Opto Inc
Priority to JP2009094701A priority Critical patent/JP5233807B2/ja
Publication of JP2010241654A publication Critical patent/JP2010241654A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5233807B2 publication Critical patent/JP5233807B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

【課題】下型に供給した溶融ガラスを加圧成形してガラス成形体を製造する方法において、種々の製造条件が変動した場合にガラス成形体に発生する形状ばらつきを抑制することができるガラス成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】下型に、該下型よりも高温の溶融ガラスを供給し、供給された溶融ガラスを、下型と、下型に対向する上型とで加圧成形する。加圧成形の際、加圧されているガラスの厚みの変化状態に応じて加圧成形の条件を調整する。
【選択図】図4

Description

本発明は、光学素子等として用いるガラス成形体の製造方法に関し、特に、下型に供給した溶融ガラスを加圧成形するガラス成形体の製造方法に関する。
デジタルカメラ用レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、携帯電話用カメラレンズ、光通信用のカップリングレンズなど、種々の光学デバイス用の光学素子として、ガラス素材を成形金型で加圧成形して製造したガラス成形体が多く用いられている。このような光学素子として用いられるガラス成形体は、近年の光学製品の小型化、高精度化に伴って、ますます高いレベルのものが要求されるようになってきている。
このようなガラス成形体の製造方法の1つとして、予め所定質量及び形状を有するガラスプリフォームを作製し、該ガラスプリフォームを成形金型とともに加熱して加圧成形する方法(以下、「リヒートプレス法」ともいう)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の記載によれば、冷却過程でのプレス工程にて、型の温度と軸位置とに基づいて型に加えるプレス圧力(荷重)を制御することにより、ガラス素材(ガラスプリフォーム)の質量差などから起こるガラス成形体の形状ばらつきを抑制することができるとされている。しかし、リヒートプレス法においては、1回の成形を行う度に金型及びガラスプリフォームの加熱と冷却とを繰り返す必要があり、1回の成形に要する時間が非常に長くなってしまうという問題があった。
一方、ガラス成形体の別の製造方法として、下型に、該下型よりも高温の溶融ガラスを供給し、供給した溶融ガラスが冷却・固化する前に成形金型にて加圧成形する方法(以下、「ダイレクトプレス法」ともいう。)が知られている(例えば、特許文献2及び3参照)。この方法は溶融ガラスから直接ガラス成形体を製造することができ、1回の成形に要する時間を非常に短くできることから注目されている。
特開2001−80924号公報 特開2002−234740号公報 特開2008−074636号公報
しかしながら、特許文献2及び3に記載のようにダイレクトプレス法によってガラス成形体を製造する場合、溶融ガラスの温度や質量、成形金型の温度、成形金型の周囲の雰囲気温度などの製造条件が変動しやすく、そのために、得られるガラス成形体の形状ばらつきが大きくなりやすいという問題があった。
また、ダイレクトプレス法は、上述の通り、下型に、該下型よりも高温の溶融ガラスを供給し、供給した溶融ガラスが冷却・固化する前に加圧成形する方法であるため、加圧成形の際、ガラスの温度と成形金型の温度とが一致しているわけではない。そのため、型の温度と軸位置とに基づいて型に加えるプレス圧力(荷重)を制御するという特許文献1に記載されている方法を適用することによって、ガラス成形体の形状ばらつきを抑制することはできなかった。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、下型に供給した溶融ガラスを加圧成形してガラス成形体を製造する方法において、種々の製造条件が変動した場合にガラス成形体に発生する形状ばらつきを抑制することができるガラス成形体の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.下型に、該下型よりも高温の溶融ガラスを供給する工程と、
供給された前記溶融ガラスを、前記下型と、前記下型に対向する上型とで加圧成形する工程と、を有するガラス成形体の製造方法において、
前記加圧成形の際、加圧されているガラスの厚みの変化状態に応じて加圧成形の条件を調整することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
2.加圧されている前記ガラスの厚みの時間による一次微分値又は二次微分値に応じて、前記加圧成形の条件を調整することを特徴とする前記1に記載のガラス成形体の製造方法。
3.調整する前記加圧成形の条件は、前記下型と前記上型とで前記ガラスに付加するプレス荷重であることを特徴とする前記1又は2に記載のガラス成形体の製造方法。
4.前記加圧成形の際、前記一次微分値又は前記二次微分値が第1の目標値に到達した場合に、前記下型と前記上型とで前記ガラスに付加するプレス荷重を増大させることを特徴とする前記2に記載のガラス成形体の製造方法。
5.前記加圧成形の条件を調整した後、前記一次微分値又は前記二次微分値が第2の目標値に到達した場合に、前記加圧成形を終了することを特徴とする前記2から4の何れか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
6.前記溶融ガラスを供給する工程は、ノズルから流出した溶融ガラスを前記下型の上に溜め受け、供給される溶融ガラスが所定の体積になるように溶融ガラスを切断する工程であることを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
7.前記溶融ガラスを供給する工程は、ノズルから滴下した所定体積の溶融ガラス滴を前記下型で受ける工程であることを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
本発明においては、溶融ガラスを加圧成形する際、加圧されているガラスの厚みの変化状態に応じて加圧条件を調整するため、加圧されているガラスの状態に応じた適切な加圧条件で加圧を行うことができる。従って、下型に供給した溶融ガラスを加圧成形してガラス成形体を製造する方法において、種々の製造条件が変動した場合にガラス成形体に発生する形状ばらつきを効果的に抑制することができる。
ガラス成形体の製造方法の全体を示すフローチャートである。 加圧工程の詳細を示すフローチャートである。 ガラス成形体の製造装置の1例を示す模式図(溶融ガラスを供給する工程における状態)である。 ガラス成形体の製造装置の1例を示す模式図(加圧工程における状態)である。 ガラス成形体の製造装置の別の例を示す模式図(溶融ガラスを供給する工程における状態)である。 実施例の加圧工程S150における各種パラメータの変化の様子を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図1〜図5を参照しつつ詳細に説明するが、本発明は該実施の形態に限られるものではない。図1は、本実施形態のガラス成形体の製造方法の全体を示すフローチャート、図2は、加圧工程S150の詳細を示すフローチャートである。図3及び図4は、本実施形態で用いるガラス成形体の製造装置の1例を示す模式図であり、図3は滴下工程S130における状態を、図4は加圧工程S150における状態を、それぞれ示している。また、図5は、本実施形態で用いるガラス成形体の製造装置の別の例を示す模式図であり、滴下工程S130における状態を示している。
先ず、本実施形態で用いるガラス成形体の製造装置10の構成について、図3及び図4を用いて説明する。ガラス成形体の製造装置10は、溶融ガラス20を貯留する溶融槽21、溶融槽21の下部に接続されたノズル23、溶融ガラス22を受けるための下型11、ノズル23から流出する溶融ガラスを切断するブレード26、下型11と共に溶融ガラス22を加圧する上型12を有している。
下型11は、図示しない駆動手段により、ノズル23の下方で溶融ガラス22を受けるための位置(供給位置P1)と、上型12と対向して溶融ガラス22を加圧成形するための位置(加圧位置P2)との間で移動可能に構成されている。
上型12は、サーボモータ15及びボールネジ14によって上下方向に移動可能に構成されている。サーボモータ15の動作は制御装置16によって制御される。制御装置16によってサーボモータ15を制御する方法としては、上型12の位置を制御するモード(位置制御モード)と、上型12に負荷される荷重を制御するモード(荷重制御モード)とがある。これら2つの制御モードを切り替え可能に構成しておくことが好ましい。なお、本実施形態において、加圧成形のために上型12を駆動する駆動手段は、サーボモータ15に限定されるものではなく、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ、ステッピングモータなどの公知の駆動手段を適宜選択して用いることができる。
また、上型12の側方には、下型11と上型12との間隔、即ち、加圧成形されているガラス22の厚みDを検出するための位置検出器17が配置されている。位置検出器17で検出された位置情報は制御装置16に送られる。
図3及び図4に示すガラス成形体の製造装置10は、上型12のみが加圧方向に移動する構成としているが、本実施形態で用いるガラス成形体の製造装置10はこのような構成に限定されるものではなく、上型12は固定しておき、下型11のみが加圧方向に移動する構成としてもよいし、下型11と上型12の両方が移動する構成としてもよい。
下型11及び上型12の材料は、耐熱合金(ステンレス等)、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、各種セラミックス(炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等)、カーボンを含む複合材料など、ガラス成形体を製造するための成形金型として公知の材料の中から適宜選択して用いることができる。下型11及び上型12を同一の材料で構成してもよいし、それぞれ別の材料で構成してもよい。
また、下型11や上型12の表面には、耐久性の向上やガラス22との融着を防止するための被覆層を設けておくことも好ましい。被覆層の材料に特に制限はなく、例えば、種々の金属(クロム、アルミニウム、チタン等)、窒化物(窒化クロム、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化硼素等)、酸化物(酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化チタン等)等を用いることができる。被覆層の成膜方法にも制限はなく、公知の成膜方法の中から適宜選択して用いればよい。例えば、真空蒸着、スパッタ、CVD等が挙げられる。
下型11及び上型12は、図示しない加熱手段によって所定温度に加熱できるように構成されている。加熱手段としては、公知の加熱手段を適宜選択して用いることができる。例えば、被加熱部材の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒーターや、被加熱部材の外側に接触させて使用するシート状のヒーター、赤外線加熱装置、高周波誘導加熱装置等を用いることができる。
次に、図1に示すフローチャートに従い、本実施形態のガラス成形体の製造方法の各工程について順を追って説明する。
先ず、下型11及び上型12をそれぞれ所定の温度に加熱する(工程S110)。所定の温度とは、ガラス成形体に良好な転写面を形成できる温度であればよい。一般的に、下型11や上型12の温度が低すぎると高精度な転写面を形成することが困難になってくる。逆に、必要以上に温度を高くしすぎることは、ガラスとの融着が発生しやすくなったり、下型11及び上型12の寿命が短くなったりするおそれがあるため好ましくない。通常は、加圧成形するガラスのガラス転移点温度をTgとしたとき、Tg−100℃からTg+100℃の範囲の温度に設定する。実際には、ガラスの種類、ガラス成形体の形状や大きさ、下型11や上型12の材料、保護膜の種類など種々の条件を考慮に入れて適正な温度を決定する。下型11と上型12の加熱温度は同じ温度であってもよいし、異なる温度であってもよい。
本実施形態においては、下型11及び上型12をそれぞれ所定温度に加熱した後、高温の溶融ガラス22を供給して加圧成形することから、下型11及び上型12の加熱温度を一定に保ったまま一連の工程を行うことができる。更に、下型11及び上型12の加熱温度を一定に保ったまま、複数のガラス成形体を繰り返し製造することもできる。従って、1つのガラス成形体を製造する毎に下型11及び上型12の昇温と冷却を繰り返す必要がないことから、極めて短時間で効率よく光学素子を製造することができる。ここで、下型11及び上型12の加熱温度を一定に保つというのは、下型11及び上型12を加熱するための温度制御における目標設定温度を一定に保つという意味である。従って、各工程実施中において、溶融ガラス22との接触等による温度変動を防止しようとするものではなく、かかる温度変動については許容される。
次に、下型11を供給位置P1に移動し(工程S120)、下型11に溶融ガラス22を供給する(工程S130)(図3参照)。
溶融ガラス22の供給は、ノズル23から流出した溶融ガラスを下型11の上に溜め受け、供給される溶融ガラス22が所定の体積になるように、溶融ガラス22を切断することにより行う。この方法は、比較的大きな体積の溶融ガラス22を供給する場合に好ましい方法である。溶融ガラス22を切断する方法に特に制限はない。溶融ガラス22を切断する方法としては、例えば、ブレード26を用いて切断する方法や、下型11を下方に引き下げて切断する方法が挙げられる。
溶融ガラス22を供給する方法はこれに限定されるものではなく、図5に示すようにノズル23から滴下した所定体積の溶融ガラス滴25を下型11で受ける方法を用いてもよい。溶融ガラス滴25の滴下は、溶融槽21の下部に設けられたノズル23を所定温度に加熱することによって行う。ノズル23が所定温度に加熱されると、溶融ガラスが自重によってノズル23の内部に設けられた流路を通過し、表面張力によって先端部に溜まる。ノズル23の先端部に一定質量の溶融ガラスが溜まると、ノズル23の先端部から自然に分離して、一定質量の溶融ガラス滴25が下方に滴下する。滴下する溶融ガラス滴25の体積はノズル23の先端部の外径や加熱温度などの条件によって調整することができる。この方法は、下型11に供給される溶融ガラスの体積ばらつきを非常に小さくすることができるため、比較的小さな体積の溶融ガラスを供給する場合には特に好ましい方法である。
使用できるガラスの種類に特に制限はなく、公知のガラスを用途に応じて選択して用いることができる。例えば、ホウケイ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス、リン酸ガラス、ランタン系ガラス等の光学ガラスが挙げられる。
次に、下型11を加圧位置P2に移動し(工程S140)、上型12を下方に駆動して溶融ガラス22を加圧成形する(加圧工程S150)(図4参照)。加圧工程S150の詳細については、図2のフローチャートを用いて説明する。
先ず、溶融ガラス22の加圧を開始する(工程S151)。この工程で溶融ガラス22に付加するプレス荷重PWをPW1とする。PW1は、加圧工程S150の最終段階と比較して小さい方が好ましく、時間的に一定であってもよいし、時間的に変化させてもよい。サーボモータ15の制御方法は、上型12に負荷される荷重を制御するモード(荷重制御モード)とすることが好ましい。また、ガラス成形体の厚みのばらつきを低減する観点から、工程S151を行う前に、上型12の位置を制御するモード(位置制御モード)でサーボモータ15を制御し、ガラス22が所定の厚みになるまで予備的な加圧を行っておくことも好ましい。
次に、加圧されているガラス22の厚みDの時間による一次微分値Dfを求め、予め設定した第1の目標値Df1に到達したか否かを判定する(工程S152)。位置検出器17が下型11と上型12との間隔を検出してその情報を制御装置に送信し、制御装置が位置検出器17から送られた情報に基づいて一次微分値Dfを算出する。これを、一次微分値Dfが第1の目標値Df1に到達するまで繰り返し、一次微分値Dfが第1の目標値Df1に到達したと判定された場合は、次の工程S153に進む。
一次微分値Dfが第1の目標値Df1に到達したら、プレス荷重PWを増大させてPW2とする(工程S153)。下型11に供給された溶融ガラス22は、下型11や上型12との接触面からの放熱などによって、加圧工程S150の間、比較的急速に冷却され、固化していく。そのため、工程S151において、加圧されているガラス22の厚みDの変化速度は時間と共に小さくなり、ガラス22の厚みDの時間による一次微分値Dfは0に近づき、第1の目標値Df1に到達する。このように、本実施形態では、加圧されているガラス22の厚みDの時間による一次微分値Dfが第1の目標値Df1となった場合にプレス荷重PWを増大させるため、加圧されているガラス22の状態に応じた適切なタイミングでプレス荷重PWを増大させることができ、下型11に供給された溶融ガラス22の温度や質量など、種々の製造条件が変動した場合であっても、ガラス成形体に発生する形状ばらつきを効果的に抑制することができる。
図2のフローチャートでは、加圧されているガラス22の厚みDの時間による一次微分値Dfが第1の目標値Df1となった場合にプレス荷重PWを増大させる場合の例を示しているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、加圧されているガラス22の厚みDの変化状態に応じて加圧条件を調整するものであればよい。
加圧されているガラス22の厚みDの変化状態を示すパラメータとしては、ガラス22の厚みDの時間による一次微分値Dfの他、例えば、ガラス22の厚みDの時間による二次微分値Df’や、ガラス22の厚みDの所定時間当たりの変化量などが挙げられる。ガラス22の厚みDの時間による二次微分値Df’や、ガラス22の厚みDの所定時間当たりの変化量も、時間とともに0に近づいていくため、適切な目標値を設定することで同様の効果を得ることができる。
調整する加圧条件は、プレス荷重PWに限定されるものではなく、下型11又は上型12の加圧方向の移動速度や、下型11又は上型12の温度などを調整してもよいし、これらを複数組み合わせて調整してもよい。また、プレス荷重PWを増大させる代わりに、ガラス22の厚みDの変化状態に応じてプレス荷重PWを減少させるものであってもよいが、ガラス成形体の形状精度をより向上させる観点からは、ガラス22が硬化するにつれてプレス荷重PWを増大させるように調整することが好ましい。
なお、ガラス成形体に発生する形状ばらつきを更に効果的に抑制するため、加圧されているガラス22の厚みDの変化状態に応じた加圧条件の調整(工程S152、S153)を、複数回繰り返して実施することも好ましい。
工程S153の後、加圧されているガラス22の厚みDの時間による一次微分値Dfが、予め設定した第2の目標値Df2に到達したか否かを判定し(工程S154)、一次微分値Dfが第2の目標値Df2に到達したと判定された場合は、上型12を上昇させて(工程S155)加圧工程S150を終了する。第2の目標値Df2は、工程S152における第1の目標値Df1とは別に設定されるものであり、ガラス22が十分に固化して厚みDの変化がほぼ終了したと判断できるような値とすることが好ましい。工程S154は必ずしも必須の工程では無いが、工程S154を設けることで、加圧されているガラス22の状態に応じた適切なタイミングで加圧工程S150を終了することができ、ガラス成形体に発生する形状ばらつきを効果的に抑制しながら、短時間でガラス成形体の製造を完了することができるというメリットがある。
図2のフローチャートでは、加圧されているガラス22の厚みDの時間による一次微分値Dfが第2の目標値Df2となった場合に加圧工程S150を終了する場合の例を示しているが、一次微分値Dfの代わりにガラス22の厚みDの時間による二次微分値Df’を用い、二次微分値Df’が第2の目標値Df2’となった場合に加圧工程S150を終了するものであってもよい。
ここで、図1のフローチャートに戻って、ガラス成形体の製造方法の説明を続ける。加圧工程S150の後、固化したガラス成形体を回収する(工程S160)。ガラス成形体の回収は、例えば、真空吸着を利用した公知の離型装置等を用いて行えばよい。ガラス成形体を回収した後、引き続いてガラス成形体の製造を行う場合は、下型11を再び供給位置P1に移動し(工程S120)、以降の工程を繰り返せばよい。なお、本実施形態のガラス成形体の製造方法は、ここで説明した以外の別の工程を含んでいてもよい。例えば、ガラス成形体を回収する前にガラス成形体の形状を検査する工程や、ガラス成形体を回収した後に下型11や上型12をクリーニングする工程を設けることも好ましい。
本実施形態の製造方法により製造されたガラス成形体は、デジタルカメラ等の撮像レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、光通信用のカップリングレンズ等の各種光学素子として用いることができる。また、リヒートプレス法によって光学素子を製造するためのガラスプリフォームとして用いることもできる。
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図3及び図4に示したガラス成形体の製造装置10を用いて、図1及び図2に示したフローチャートに従ってガラス成形体を製造した。
製造するガラス成形体は、外径がφ30mm、中心の厚みが8.6mmの平凸球面レンズとした。下型11及び上型12の材料は、いずれも炭化タングステンを主成分とする超硬材料を用いた。上型12の加熱温度は490℃、下型11の加熱温度は570℃とした。また、ガラス材料はTgが530℃のリン酸系ガラスを用い、白金製のノズル23から流出させた溶融ガラスをブレード26によって切断し、所定量の溶融ガラス22を下型11に供給した。
加圧工程S150は、加圧開始時のプレス荷重PW1を2400Nとし、加圧されているガラス22の厚みDの一次微分値が第1の目標値Df1に到達した場合にプレス荷重を増大し、第2の目標値Df2に到達した場合に加圧を終了する設定とした。第1の目標値Df1は−0.047mm/s、第2の目標値Df2は−0.002mm/sとした。また、増大させた後のプレス荷重PW2は3000Nとした。
このような条件でガラス成形体を製造した際の、加圧工程S150における各種パラメータの変化の様子を図6に示す。図6(a)は加圧開始からの経過時間(横軸)と、ガラスの厚みD、一次微分値Df及び二次微分値Df’(縦軸)との関係を示すグラフであり、図6(b)は加圧開始からの経過時間(横軸)と、ガラスの厚みD及びプレス荷重PW(縦軸)との関係を示すグラフである。図6に示すように、プレス荷重を2400Nでプレスを開始した後、t1後(約40秒後)に一次微分値が第1の目標値Df1に到達したため、プレス荷重を3000Nに増大させた。更に、プレス開始からt2後(約68秒後)に一次微分値が第2の目標値Df2に到達したため、加圧を終了させた。
加圧工程S150の終了後、真空吸着によってガラス成形体の回収を行った。その後、同様に工程S120から工程S160までを繰り返し、合計10個のガラス成形体を製造した。製造の際の条件(溜め受け開始時のガラス温度、ガラス質量、下型温度、上型温度)を表1に示す。1回目から5回目までは条件を固定させて製造を行ったが、6回目から10回目までは、これらの条件が変動した場合の効果を確認するため、表1に示すように条件を少しずつ変動させて製造を行った。そして、得られた10個のガラス成形体について、上型12によって形成された転写面(球面)の形状精度の評価を行った。転写面の形状精度の評価は、干渉計(オリンパス株式会社製KIF−202L)を用いて、設計値に対するニュートン縞の本数(波長:550nm)を求めた。評価結果を表1に併せて示す。
Figure 2010241654
(比較例)
上述の実施例と同じガラス成形体の製造装置10を用い、同様の製造条件でガラス成形体を製造した。但し、一次微分値が第1の目標値Df1に到達した場合にプレス荷重を増大させるのではなく、常にプレス開始から40秒後にプレス荷重PW1を増大させ、プレス開始から80秒後に加圧を終了する設定とした。それ以外の条件は実施例と同様とし、合計10個のガラス成形体を製造して転写面の形状制度の評価を行った。製造条件と評価結果を表2に示す。
Figure 2010241654
表1(実施例)と表2(比較例)の結果を比較すると、条件を固定させて製造した場合(1回目から5回目)も、条件を変動させて製造した場合(6回目から10回目)も、何れも実施例の方が転写面の形状精度が優れていることが分かる。従って、実施例のように、加圧されているガラスの厚みの変化状態に応じて加圧条件を調整することによって、種々の製造条件が変動した場合にも、ガラス成形体に発生する形状ばらつきを効果的に抑制できることが確認できた。
10 ガラス成形体の製造装置
11 下型
12 上型
14 ボールネジ
15 サーボモータ
16 制御装置
17 位置検出器
20 溶融ガラス
21 溶融槽
22 ガラス(溶融ガラス)
23 ノズル
25 溶融ガラス滴
26 ブレード
D ガラスの厚み
Df ガラスの厚みDの一次微分値
Df’ ガラスの厚みDの二次微分値
P1 供給位置
P2 加圧位置
PW プレス荷重

Claims (7)

  1. 下型に、該下型よりも高温の溶融ガラスを供給する工程と、
    供給された前記溶融ガラスを、前記下型と、前記下型に対向する上型とで加圧成形する工程と、を有するガラス成形体の製造方法において、
    前記加圧成形の際、加圧されているガラスの厚みの変化状態に応じて加圧成形の条件を調整することを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  2. 加圧されている前記ガラスの厚みの時間による一次微分値又は二次微分値に応じて、前記加圧成形の条件を調整することを特徴とする請求項1に記載のガラス成形体の製造方法。
  3. 調整する前記加圧成形の条件は、前記下型と前記上型とで前記ガラスに付加するプレス荷重であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス成形体の製造方法。
  4. 前記加圧成形の際、前記一次微分値又は前記二次微分値が第1の目標値に到達した場合に、前記下型と前記上型とで前記ガラスに付加するプレス荷重を増大させることを特徴とする請求項2に記載のガラス成形体の製造方法。
  5. 前記加圧成形の条件を調整した後、前記一次微分値又は前記二次微分値が第2の目標値に到達した場合に、前記加圧成形を終了することを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
  6. 前記溶融ガラスを供給する工程は、ノズルから流出した溶融ガラスを前記下型の上に溜め受け、供給される溶融ガラスが所定の体積になるように溶融ガラスを切断する工程であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
  7. 前記溶融ガラスを供給する工程は、ノズルから滴下した所定体積の溶融ガラス滴を前記下型で受ける工程であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
JP2009094701A 2009-04-09 2009-04-09 ガラス成形体の製造方法 Expired - Fee Related JP5233807B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009094701A JP5233807B2 (ja) 2009-04-09 2009-04-09 ガラス成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009094701A JP5233807B2 (ja) 2009-04-09 2009-04-09 ガラス成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010241654A true JP2010241654A (ja) 2010-10-28
JP5233807B2 JP5233807B2 (ja) 2013-07-10

Family

ID=43095116

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009094701A Expired - Fee Related JP5233807B2 (ja) 2009-04-09 2009-04-09 ガラス成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5233807B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06345455A (ja) * 1993-06-10 1994-12-20 Canon Inc 光学ガラス素子の製造方法および製造装置
JP2008115022A (ja) * 2006-11-01 2008-05-22 Olympus Corp 光学素子の成形方法及びその成形装置
WO2009035037A1 (ja) * 2007-09-13 2009-03-19 Konica Minolta Opto, Inc. ガラス成形体の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06345455A (ja) * 1993-06-10 1994-12-20 Canon Inc 光学ガラス素子の製造方法および製造装置
JP2008115022A (ja) * 2006-11-01 2008-05-22 Olympus Corp 光学素子の成形方法及びその成形装置
WO2009035037A1 (ja) * 2007-09-13 2009-03-19 Konica Minolta Opto, Inc. ガラス成形体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5233807B2 (ja) 2013-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5277466B2 (ja) ガラス成形体の製造方法及びガラス形成体の製造装置
JPWO2013125367A1 (ja) 鏡筒一体型レンズの製造方法
JP4368368B2 (ja) ガラス塊の製造方法、その製造装置および光学素子の製造方法
JPH01133948A (ja) 光学素子の製造方法
JP5233807B2 (ja) ガラス成形体の製造方法
JP5263163B2 (ja) ガラス成形体の製造方法
JP5381706B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP2010254519A (ja) ガラス成形体の製造装置、及びガラス成形体の製造方法
JP5333437B2 (ja) ガラスゴブの製造装置及び方法、並びにガラス成形装置及び方法
JPWO2009091027A1 (ja) ガラスゴブの製造方法、ガラス成形体の製造方法、ガラスゴブの製造装置、及び、ガラス成形体の製造装置
JP2008297159A (ja) 溶融ガラス滴下ノズル、ガラス成形体の製造方法及びガラス成形体の製造装置
JP2008074636A (ja) 光学素子の製造方法及び製造装置
JP5018503B2 (ja) 溶融ガラス滴の微小化部材、ガラスゴブの製造方法、及び、ガラス成形体の製造方法
JP2009196847A (ja) ガラス成形体の製造方法
JP5652398B2 (ja) ガラスゴブの製造方法及びガラス成形体の製造方法
JP4666679B2 (ja) モールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法
JP5263164B2 (ja) ガラス成形体の製造方法
JP2010100499A (ja) 成形型及びガラス成形体の製造方法
JP2010105871A (ja) 光学素子の製造方法及び製造装置
JP5003603B2 (ja) ガラスゴブの製造方法及びガラス成形体の製造方法
JPWO2008149671A1 (ja) 光学素子の製造方法及び光学素子
JP2015101515A (ja) ガラス成形品の製造方法および製造装置
JP2008230874A (ja) 光学素子の製造方法
JP2011057515A (ja) ガラスゴブ及びガラス成形体の製造方法
JP2009249198A (ja) 溶融ガラス滴の微小化方法、ガラスゴブの製造方法、及びガラス成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111011

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees