JP2010238952A - 金属セラミックス接合基板及びその製造方法 - Google Patents

金属セラミックス接合基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】銅板表面にムラが発生することを防止できる金属セラミックス接合基板の製造方法を提供する。
【解決手段】金属セラミックス接合基板の製造方法は、セラミックス基板10上にろう材12を形成する工程と、前記ろう材の上に、無酸素銅板表面のX線回折積分強度比I(220)/I(200)が0.5以下である前記無酸素銅板14を配置する工程と、前記無酸素銅板、前記ろう材及び前記セラミックス基板を加熱することにより、前記セラミックス基板10に前記無酸素銅板14を接合する工程と、を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属セラミックス接合基板及びその製造方法等に関し、より詳細には、銅板表面にムラが発生することを防止できる金属セラミックス接合基板及びその製造方法等に関し、またメッキ表面に白濁が生じる外観不良の発生を防止できる金属セラミックス接合基板等に関する。
従来の金属セラミックス接合基板の製造方法について説明する。
まず、金属成分がAgとCu、Tiからなる金属粉を秤量し、この金属粉に約10%のアクリル系のビヒクルを加え、自動乳鉢や3本ロールミルなどにより通常の方法で混錬し、ペースト状のろう材を作製する。
次に、このろう材をセラミックス基板の両面にスクリーン印刷により塗布し、その両側に銅板を配置し、真空炉中で接合する。
次いで、セラミックス基板を真空炉中から取り出し、接合された銅板表面の両面に所望の回路パターン等のレジストを形成し、このレジストをマスクとして銅板の不要部分を除去することによりセラミックス基板上に回路パターンが形成される。その後、レジストをアルカリの薬液で除去する。
次に、回路パターンの表面にNi-Pの無電解メッキを施す(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−110222号公報(段落0033〜0037)
ところで、上記従来の金属セラミックス接合基板の製造方法では、銅板表面又は銅板からなる回路パターン表面にムラが発生することがある。特に、Ni−Pメッキを施す製品の場合は、メッキ表面に白濁が生じる外観不良が発生することがある。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、銅板表面にムラが発生することを防止できる金属セラミックス接合基板及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、メッキ表面に白濁が生じる外観不良の発生を防止できる金属セラミックス接合基板を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る金属セラミックス接合基板の製造方法は、セラミックス基板上にろう材を形成する工程と、
前記ろう材の上に、無酸素銅板表面のX線回折積分強度比I(220)/I(200)が0.5以下である前記無酸素銅板を配置する工程と、
前記無酸素銅板、前記ろう材及び前記セラミックス基板を加熱することにより、前記セラミックス基板に前記無酸素銅板を接合する工程と、
を具備することを特徴とする。
上記金属セラミックス接合基板の製造方法によれば、セラミックス基板に接合する前の無酸素銅板の表面のX線回折積分強度比I(220)/I(200)を0.5以下とすることにより、無酸素銅板の表面にムラが発生するのを防止できる。
また、本発明の一態様に係る金属セラミックス接合基板の製造方法において、前記無酸素銅板を配置する工程における前記無酸素銅板の表面の平均結晶粒径は100μm以下であることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る金属セラミックス接合基板の製造方法において、前記無酸素銅板を配置する工程における前記無酸素銅板は、
鋳造により無酸素銅の鋳片を形成する工程と、
前記鋳片に熱間圧延を施して銅板を形成する工程と、
前記銅板に冷間圧延を施す冷間圧延工程と、
前記銅板に焼鈍を施す焼鈍工程と、
を具備し、
前記冷間圧延工程と前記焼鈍工程は複数回繰り返され、最終の焼鈍工程の前に行われる冷間圧延工程の加工率は50%以上とされ、最終の焼鈍工程によって前記無酸素銅板表面のX線回折積分強度比I(220)/I(200)が0.5以下とされることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る金属セラミックス接合基板の製造方法において、前記最終の焼鈍工程の後に、前記銅板に15%以下の加工率で仕上冷間圧延を施す工程をさらに具備することが好ましい。
本発明の一態様に係る金属セラミックス接合基板は、セラミックス基板と、
前記セラミックス基板上にろう材によって接合された無酸素銅板表面のX線回折積分強度比I(220)/I(200)が2以下である前記無酸素銅板と、
を具備することを特徴とする。
上記金属セラミックス接合基板によれば、セラミックス基板に接合した無酸素銅板の表面のX線回折積分強度比I(220)/I(200)を2以下とすることにより、無酸素銅板の表面にムラが発生するのを防止できる。
本発明の一態様に係る金属セラミックス接合基板において、前記無酸素銅板の表面の平均結晶粒径は200μm以下であることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る金属セラミックス接合基板において、前記無酸素銅板は回路パターンを形成しており、前記回路パターンの表面にはメッキが施されていることも可能である。上記金属セラミックス接合基板によれば、セラミックス基板に接合した無酸素銅板の表面のX線回折積分強度比I(220)/I(200)を2以下とすることにより、回路パターンの表面にムラが発生するのを防止できるとともに、メッキの表面に白濁が生じる外観不良の発生を防止することができる。
以上説明したように本発明によれば、銅板表面にムラが発生することを防止できる金属セラミックス接合基板及びその製造方法を提供することができる。また、本発明の他の目的によれば、メッキ表面に白濁が生じる外観不良の発生を防止できる金属セラミックス接合基板を提供することができる。
(a)〜(c)は、本発明の実施形態による金属セラミックス接合基板の製造方法を説明するための断面図である。 (a),(b)は、本発明の実施形態による金属セラミックス接合基板の製造方法を説明するための断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態による金属セラミックス接合基板の製造方法を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施形態について図1〜図3を参照しつつ説明する。
まず、図1(a)に示すように、セラミックス基板10を用意する。このセラミックス基板10は、例えばAlN基板やAl23基板、Si基板などを用いることができる。
次いで、図1(b)に示すように、セラミックス基板10の両面にペースト状のろう材12をスクリーン印刷により塗布する。このろう材12の作製方法の一例は次のとおりである。金属成分が5〜30mass%Cu−1〜5mass%Ti−残部Agになるように金属粉を秤量し、この金属粉に約10%のアクリル系のバインダと溶剤を含むビヒクルを加え、自動乳鉢や3本ロールミルなどにより混錬して、ペースト状のろう材12を作製する。
次に、図1(c)に示すように、セラミックス基板10の両面のろう材12上に無酸素銅板14を配置する。この無酸素銅板14の表面をX線回折装置で分析したときのX線回折積分強度比はI(220)/I(200)≦0.5である。この無酸素銅板14の表面の平均結晶粒径は100μm以下であることが好ましい。
ここで、無酸素銅板14の製造工程について説明する。
鋳造により無酸素銅の鋳片を形成し、この鋳片に熱間圧延を施して銅板を形成し、この銅板の表面に研削加工を施す。
次いで、銅板に冷間圧延を施し、熱処理(焼鈍)を施す。この冷間圧延と熱処理(焼鈍)の工程は、銅板を所望の厚さとするために、所定回数繰り返される。この際の最終の熱処理(焼鈍)の前に行われる冷間圧延の加工率を50%以上とし、次に例えば焼鈍炉において400〜700℃の温度で所定時間(例えば10秒〜10時間)、最終の熱処理(再結晶を伴う焼鈍)を銅板に行うことで再結晶させることにより、無酸素銅板表面のX線回折積分強度比をI(220)/I(200)≦0.5とするとともに、表面の平均結晶粒径を100μm以下に調整する。このように焼鈍温度と焼鈍時間の制御によって最終の焼鈍後にX線回折積分強度比及び平均結晶粒径を調整することができる。つまり、焼鈍時間が短すぎるとX線回折積分強度比I(220)/I(200)が0.5を超えてしまい、焼鈍時間が長すぎると平均結晶粒径が100μmを超えてしまうけれど、焼鈍時間を適切に制御することで、上記のX線回折積分強度比及び平均結晶粒径を得ることができる。また、X線回折積分強度比がI(220)/I(200)≦0.45、平均結晶粒径は50μm以下であることがより好ましい。
次いで、この銅板に15%以下、好ましくは10%以下の加工率で最終の仕上冷間圧延を施すことが好ましい。このように最終の仕上冷間圧延の加工率は小さくすることが好ましい。最終の仕上冷間圧延の加工率が大きいとI(220)が増加し、I(220)/I(200)≦0.5を満たさなくなることがあるからである。また、本発明の最終の仕上げ冷間圧延の前後で、前記平均結晶粒径に変化は認められなかった。
またこのようにして得られた無酸素銅板の表面(圧延面)のX線回折積分強度比がI(220)/I(200)≦0.45、表面(圧延面)の平均結晶粒径は50μm以下であることがより好ましい。
ただし、上記の無酸素銅板14の製造工程の途中で、酸洗、脱脂、バフ研磨等の表面処理を適宜行い、銅板の表面粗さの調整や油や汚れの除去等が実施される。
このようにして製造された無酸素銅板14を前述したようにセラミックス基板1の両面のろう材2上に配置した後、セラミックス基板1を真空炉(図示せず)に挿入し、この真空炉によって例えば780℃〜900℃(好ましくは830〜870℃)の温度で5分から1時間程度加熱することにより、セラミックス基板10の両面には無酸素銅板14が接合される。この接合後の無酸素銅板14は、その表面のX線回折積分強度比がI(220)/I(200)≦2となり、その表面の平均結晶粒径が200μm以下となる。ただし、前記真空炉によって加熱する温度が高すぎたり、加熱する時間が長すぎると、前記平均結晶粒径が200μmを超えることがあり好ましくない。また、X線回折積分強度比がI(220)/I(200)≦1であることがより好ましい。
その後、セラミックス基板10を真空炉中から取り出し、図2(a)に示すように、無酸素銅板14の両面に所望の回路パターン等の形状のUV硬化アルカリ剥離型レジストを約10〜15μmの厚さに塗布し、UVによって露光することにより所望の回路パターン等の形状のレジスト16を形成する。
次に、図2(b)に示すように、このレジスト16をマスクとして例えば塩化銅と塩酸と過酸化水素水からなるエッチング液により無酸素銅板14の不要部分を除去することにより、セラミックス基板10の両面には無酸素銅板からなる回路パターン14が形成される。
次いで、図3(a)に示すように、回路パターン間や基板縁面の不要なろう材を除去する。詳細には、例えば、チオ硫酸ナトリウム水溶液に浸漬した後、EDTA及び過酸化水素水及びアンモニア水を含む混合溶液に浸漬してろう材12を除去する。
その後、図3(b)に示すように、レジスト16をアルカリの薬液で剥離する。この際、無酸素銅板からなる回路パターン14の表面にムラが発生することを防止できる。
次に、図3(c)に示すように、回路パターン14及びろう材12の表面にNi-Pの無電解メッキ18を施す。
上記実施形態によれば、セラミックス基板10に接合する前の無酸素銅板14の表面のX線回折積分強度比をI(220)/I(200)≦0.5とすることにより、セラミックス基板10に接合した後の無酸素銅板14の表面のX線回折積分強度比をI(220)/I(200)≦2とすることができる。これにより、回路パターン14の表面にムラが発生するのを防止できるとともに、無電解メッキ18の表面に白濁が生じる外観不良の発生を防止することができる。
さらに、セラミックス基板10に接合する前の無酸素銅板14の表面の平均結晶粒径を100μm以下とすることで、セラミックス基板10に接合した後の無酸素銅板14の表面の平均結晶粒径を200μm以下とすることができ、外観不良の発生の防止に寄与すると考えられる。
以下、本発明の実施例について説明する。
表2に示す実施例1〜5のサンプルを下記の方法で作製する。
まず、無酸素銅板を用意する。この無酸素銅板の製造方法は、表1の製造条件を用いた。詳細な製造方法は次のとおりである。
溶解した銅を連続鋳造機で板厚180mm、2.5トンのインゴットを鋳造した。次いで、熱間圧延機で板厚180mmから11mmまで圧延後、水冷ゾーンにて冷却し、表裏厚さ0.5mmずつ研削した。次いで、冷間圧延機で板厚10mmから2mmまで圧延した後、バッチ式炉で450℃、6時間熱処理を施し、得られたコイルの表面について酸洗・バフ処理を施した。次いで、冷間圧延機で板厚2mmから0.8mmまで圧延した後、連続焼鈍炉で720℃、3分の条件で熱処理を施した。
次いで、表1の製造条件を用い、冷間圧延、熱処理、仕上げ冷間圧延を施す。その後、脱脂処理を施して無酸素銅板を得た。
実施例1について詳細に説明すると、冷間圧延機で板厚0.8mmから0.285mmまで最終の熱処理の前の冷間圧延した後、連続焼鈍炉で700℃、0.75分の条件で最終の熱処理を施した。次いで、冷間圧延機で板厚0.285mmから0.255mmまで(加工率10.5%)仕上げ冷間圧延を施した後、脱脂処理を施して無酸素銅板を得た。また、実施例2〜5の冷間圧延、熱処理、仕上げ冷間圧延についての詳細な条件は表1に示すとおりである。
Figure 2010238952
次に、この無酸素銅板を板からセラミックス基板の大きさに合わせて切断する。また、無酸素銅板の表面(圧延面)のX線回折結果及びX線回折積分強度比は表2に示すとおりである。また、実施例1〜5の無酸素銅板表面の平均結晶粒径は50〜100μmの範囲であった。
次にTDパワーデバイス(株)製の厚さ0.6mm、縦50mm、横25mmのAlN基板(窒化アルミ基板)を準備する。
次に、金属成分が90Ag−8.5Cu−1.5Ti(mass%)になるように金属粉を秤量し、この金属粉の総重量に対して10%の重量の、アクリル系バインダと溶剤を含むビヒクルを加え、自動乳鉢、3本ロールミルにより混錬して、ペースト状のろう材を作製する。次いで、このペースト状のろう材をAlN基板の両面にスクリーン印刷により塗布する。次に、AlN基板の両面のろう材上に前記無酸素銅板を配置する。その後、AlN基板を真空炉に挿入し、この真空炉によって850℃の温度で30分間加熱することにより、AlN基板の両面には無酸素銅板が接合される。この後、銅板が接合されたAlN基板を真空炉中から取り出す。この接合後の無酸素銅板の表面のX線回折積分強度の結果、X線回折積分強度比及び平均結晶粒径は表2に示すとおりである。
その後、銅板が接合されたAlN基板の無酸素銅板の両面にUV硬化アルカリ剥離型レジストを約10μmの厚さに塗布し、UVによって露光することにより所望の回路パターンのレジストを形成する。次に、このレジストをマスクとして塩化第二銅と過酸化水素水の混合溶液からなるエッチング液により無酸素銅板の不要部分を除去することにより、AlN基板の両面には無酸素銅板からなる回路パターンが形成される。その後、前記銅板が接合されたAlN基板をチオ硫酸ナトリウム水溶液に浸漬した後、EDTA及び過酸化水素水とアンモニア水を含む溶液に浸漬して不要なパターン間のろう材12を除去する。その後、レジストを水酸化ナトリウム溶液で剥離する。この際、無酸素銅板からなる回路パターンの表面に外観のムラは認められなかった。
次に、回路パターン及びろう材の表面にNi-Pの無電解メッキを施す。このNi−Pメッキ後の白濁(外観のムラ)の有無を目視により確認し、その結果を表2に示す。表2に示すように、Ni−Pメッキに白濁(外観のムラ)は認められなかった。
Figure 2010238952
表2に示す比較例1〜6のサンプルの作製方法は、無酸素銅板表面のX線回折積分強度比I(220)/I(200)が0.5より大きくなるように無酸素銅板を作製した点を除き、実施例1〜5のサンプルの作製方法と同様である。
無酸素銅板の詳細な製造方法は、次のとおりである。
実施例1〜5と同様に、溶解した銅を連続鋳造機で板厚180mm、2.5トンのインゴットを鋳造した。次いで、熱間圧延機で板厚180mmから11mmまで圧延後、水冷ゾーンにて冷却し、表裏厚さ0.5mmずつ研削した。次いで、冷間圧延機で板厚10mmから2mmまで圧延した後、バッチ式炉で450℃、6時間熱処理を施し、得られたコイルの表面について酸洗・バフ処理を施した。次いで、冷間圧延機で板厚2mmから0.8mmまで圧延した後、連続焼鈍炉で720℃、3分の条件で熱処理を施した。
次いで、表1の製造条件を用い、冷間圧延、熱処理、仕上げ冷間圧延を施す。その後、脱脂処理を施して無酸素銅板を得た。
比較例1について詳細に説明すると、冷間圧延機で板厚0.8mmから0.31mmまで圧延した後、連続焼鈍炉で720℃、2分の条件で熱処理を施した。次いで、冷間圧延機で加工率17.7%の仕上げ冷間圧延を施した後、脱脂処理を施して無酸素銅板を得た。また、比較例2〜6の冷間圧延、熱処理、仕上げ冷間圧延についての詳細な条件は表1に示すとおりである。なお、比較例1〜6それぞれの無酸素銅板は、表1に示す本発明にかかわる銅板の製造条件と異なる条件があるため、その結晶粒径が100μmを超えていた。
上記無酸素銅板の作製以外の工程は、実施例1と同様に比較例1〜6のサンプルを作製した。接合後の無酸素銅板の表面のX線回折積分強度の結果、X線回折積分強度比及び平均結晶粒径は表2に示すとおりである。
また、比較例1〜6のサンプルについて、回路パターン作製後、無酸素銅板の表面に外観のムラが認められた。
さらに、比較例1〜6のサンプルについて、Ni−Pメッキ後の白濁(外観のムラ)の有無を目視により確認し、その結果を表2に示す。表2に示すように、Ni−Pメッキに白濁(外観のムラ)が認められた。
なお、平均結晶粒径の測定は、銅板の表面を研磨したのちエッチングし、その面を光学顕微鏡で観察し、JIS H0501の切断法で測定した。X線回折積分強度は、X線回折装置を用いて、Mo−Kα1およびKα2線、管電圧40kV、管電流30mAの条件で、接合前後の無酸素銅板の表面(圧延面)について{220}面の回折ピークの積分強度I(220)と、{200}面の回折ピークの積分強度I(200)を測定し、I(220)/I(200)を求めた。なお、表2中の各結晶面のX線回折ピークの積分強度の単位は、cps(カウント/秒)であり、I(220)/I(200)の単位はない(無次元)。
表2によれば、実施例1〜5のように、AlN基板に接合する前の無酸素銅板の表面のX線回折積分強度比をI(220)/I(200)≦0.5とすることにより、AlN基板に接合した後の無酸素銅板の表面のX線回折積分強度比をI(220)/I(200)≦2とすることができることが確認された。これにより、回路パターンの表面にムラが発生するのを防止できるとともに、無電解メッキの表面に白濁が生じる外観不良の発生を防止することができることが確認された。
また、本発明のX線回折積分強度比を有するとき、すなわち特定な結晶面が特定の比率で無酸素銅板の表面に存在したとき、表面の光の反射が均一になり、外観ムラ、白濁の不具合を防止する作用を有すると推測される。
尚、本発明は上述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
10 セラミックス基板
12 ろう材
14 無酸素銅板,回路パターン
16 レジスト
18 無電解メッキ

Claims (7)

  1. セラミックス基板上にろう材を形成する工程と、
    前記ろう材の上に、無酸素銅板表面のX線回折積分強度比I(220)/I(200)が0.5以下である前記無酸素銅板を配置する工程と、
    前記無酸素銅板、前記ろう材及び前記セラミックス基板を加熱することにより、前記セラミックス基板に前記無酸素銅板を接合する工程と、
    を具備することを特徴とする金属セラミックス接合基板の製造方法。
  2. 請求項1において、前記無酸素銅板を配置する工程における前記無酸素銅板の表面の平均結晶粒径は100μm以下であることを特徴とする金属セラミックス接合基板の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、前記無酸素銅板を配置する工程における前記無酸素銅板は、
    鋳造により無酸素銅の鋳片を形成する工程と、
    前記鋳片に熱間圧延を施して銅板を形成する工程と、
    前記銅板に冷間圧延を施す冷間圧延工程と、
    前記銅板に焼鈍を施す焼鈍工程と、
    を具備し、
    前記冷間圧延工程と前記焼鈍工程は複数回繰り返され、最終の焼鈍工程の前に行われる冷間圧延工程の加工率は50%以上とされ、最終の焼鈍工程によって前記無酸素銅板表面のX線回折積分強度比I(220)/I(200)が0.5以下とされることを特徴とする金属セラミックス接合基板の製造方法。
  4. 請求項3において、前記最終の焼鈍工程の後に、前記銅板に15%以下の加工率で仕上冷間圧延を施す工程をさらに具備することを特徴とする金属セラミックス接合基板の製造方法。
  5. セラミックス基板と、
    前記セラミックス基板上にろう材によって接合された無酸素銅板表面のX線回折積分強度比I(220)/I(200)が2以下である前記無酸素銅板と、
    を具備することを特徴とする金属セラミックス接合基板。
  6. 請求項5において、前記無酸素銅板の表面の平均結晶粒径は200μm以下であることを特徴とする金属セラミックス接合基板。
  7. 請求項5又は6において、前記無酸素銅板は回路パターンを形成しており、前記回路パターンの表面にはメッキが施されていることを特徴とする金属セラミックス接合基板。
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