JP2010236067A - プレス成形性と強度のバランスに優れたチタン合金板 - Google Patents

プレス成形性と強度のバランスに優れたチタン合金板 Download PDF

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Abstract

【課題】プレス成形性と強度のバランスに優れ、熱交換器や化学プラントの素材として有用なチタン合金板を提供する。
【解決手段】本発明のチタン合金板は、O:0.06〜0.15%(「質量%」の意味、化学成分については以下同じ)およびFe:0.04〜0.5%を夫々含有する他、Cu:0.05〜0.2%を含有し、更にNiおよび/またはMoを下記(1)式の関係を満足するように含有し、残部がチタンおよび不可避的不純物からなるものである。
0<[Ni]+[Mo]≦1.3(質量%) …(1)
【選択図】図4

Description

本発明は、熱交換器や化学プラントの素材として有用なチタン合金板に関するものであり、特に所定の強度を確保しつつプレス成形性にも優れたチタンまたはチタン合金板に関するものである。
チタンまたはチタン合金板は、優れた耐食性および比強度を有することから、近年熱交換器や化学プラントの素材として使用されている。チタンまたはチタン合金板は、特に海水に対しては全く腐食しないことから、海水熱交換器に多く使用されている。
チタンまたはチタン合金板の主要な用途の一つとして、プレート式熱交換器が挙げられるが、こうした用途に適用するチタンまたはチタン合金板には、熱交換有効面積を拡大するという観点から、冷間加工にて波板状等の複雑な形状に厳しいプレス成形を行なう必要がある。
他方、熱交換器としての熱交換効率は冷却媒体の流量を増加させることで向上できるので、良好なプレス成形性を維持しつつ、高圧力化に対応できる程度に高い強度も要求されることになる。こうしたことから、強度とプレス成形性のバランスに優れたチタンまたはチタン合金板(特に、チタン合金板)の開発のニーズは、年々、高まっている。
しかしながら、強度とプレス成形性は相反する特性であり、これら両特性を満足し得るようなチタン合金板が得られていないのが実情である。
チタン合金板の強度を調整する元素として、酸素(O)および鉄(Fe)が知られている。これらの元素は、不可避不純物として元来チタンの原料のスポンジチタンに元々含まれているが、これらの元素含有量を、不可避不純物程度を超えるようにその含有量を調整することによって、チタン板(即ち、チタン合金板)の強度を向上させるものである。
OやFeで強度を調整したチタン合金板では、良好なプレス成形性が発揮されず、上記のプレート式熱交換器に適用できるような過酷なプレス成形性が要求される機器の素材としては適用されていないのが実情である。こうしたことから、上記プレート式熱交換器等の素材として用いられているものは、不純物を極力低減した最も軟質な純チタンであるのが一般的である。しかしながら、軟質な純チタンでは、強度とプレス成形性のバランスに優れたものと言い難い。
冷間加工性を向上させたチタン合金板に関するものとして、特許文献1のような技術も提案されている。この技術では、冷間加工性を良好にするという観点から、OおよびFeの含有量を夫々0.18%以下、0.30%以下にすると共に、0.3〜1.8%程度のCuを含有させることによって、優れた冷間加工性と高温強度特性を確保するものである。また、この技術では、高温強度特性を更に向上させるという観点から、Sn,Zr,Mo,Crの少なくとも1種または2種以上を含有し得ることも示されている。
この技術では、二輪自動車や四輪自動車のマフラーを成形することを想定してなされたものであり、こうした部品を成形する上での良好な冷間加工性は確保できることになる。しかしながら、プレート式熱交換器の素材として要求される様な厳しいプレス成形性の確保については、不十分である。
特開2005−298970号公報
本発明は、上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、プレス成形性と強度とのバランスに優れ、熱交換器や化学プラントの素材として有用なチタン合金板を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明のチタン合金板とは、O:0.06〜0.15%(「質量%」の意味、化学成分については以下同じ)およびFe:0.04〜0.5%を夫々含有する他、Cu:0.05〜0.2%を含有し、更にNiおよび/またはMoを下記(1)式の関係を満足するように含有し、残部がチタンおよび不可避的不純物からなるものである点に要旨を有するものである。
0<[Ni]+[Mo]≦1.3(質量%) …(1)
但し、[Ni]および[Mo]は、夫々NiおよびMoの含有量(質量%)を示す。
本発明のチタン合金板においては、板厚は0.3〜1.5mm程度であることが好ましい。
本発明のチタン合金においては、更に、Crを、下記(2)式の関係を満足するように含有させることが好ましい。
0.05≦[Cu]+[Cr]<0.4(質量%) …(2)
但し、[Cu]および[Cr]は、夫々CuおよびCrの含有量(質量%)を示す。
特に、Crを含有させる場合には、Niおよび/またはMoの合計含有量([Ni]+[Mo])が下記(3)式の関係を満足するものであることが好ましい。
0.4<[Ni]+[Mo]≦1.3(質量%) …(3)
但し、[Ni]および[Mo]は、夫々NiおよびMoの含有量(質量%)を示す。
本発明のチタン合金板は、プレート式熱交換器の素材として用いたときに特に有用である。
本発明によれば、化学成分組成を各元素のバランスを考慮した上で厳密に規定することによって、プレス成形性と強度とのバランスに優れたチタン合金板が実現でき、こうしたチタン合金板は、熱交換器や化学プラントの素材として極めて有用である。
プレス成形性を評価する方法を説明するための図である。 スコア採点箇所を説明するための試験片の拡大図である。 各チタン合金板における引張強度TSとスコアとの関係を示すグラフである。 各チタン合金板における[Ni]+[Mo]とスコア改善比率との関係を示すグラフである。 各チタン合金板における[Cu]+[Cr]とスコア改善比率との関係を示すグラフである。
本発明者らは、チタン合金板の強度とプレス成形性の両特性のバランスを改良するべく、特に各成分の添加効果について検討した。その結果、次のような知見が得られた。
チタン合金板の強度調整は、基本的にOやFeの含有量の調整によって行なわれるのであるが、これらの成分だけではその含有量が増加するにつれて、プレス成形性が低下することになる。特に、Feの含有量を増加すると、熱交換器としての要求特性である耐隙間腐食性についても劣化する傾向がある。
そこで、本発明者らは、OやFeの含有量をできるだけ、プレス成形性を低下させない程度に極力抑えた上で、その分適切量のNiとMoを含有させることによって、所定の強度を確保し、且つこれらの元素によって低下するプレス成形性を少量のCuの含有によって抑制すれば、所定の強度を確保しつつ良好なプレス成形性が達成されること見出し、本発明を完成した。
本発明のチタン合金板においては、上記の観点から化学成分組成を適切に調整することが重要である。本発明のチタン合金板における、これら各成分の範囲設定理由は次の通りである。
[O:0.06〜0.15%]
Oは、チタン合金板の強度を確保するのに有効な元素であり、こうした効果を発揮させるためには、Oの含有量は0.06%以上とする必要がある。しかしながら、Oの含有量が0.15%を超えると強度が高くなり過ぎ、プレス成形性が却って低下することになる。
[Fe:0.04〜0.5%]
Feは、チタン合金板の強度を確保するのに有効な元素であり、こうした効果を発揮させるためには、Feの含有量は0.04%以上とする必要がある。しかしながら、Feの含有量が過剰になって、0.5%を超えると強度が高くなり過ぎ、プレス成形性が却って低下するばかりか、熱交換器として要求される耐隙間腐食性が低下することになる。
[Cu:0.05〜0.2%]
Cuは、強度とプレス成形性をバランス良く向上させる上で、必須の成分である。こうした効果を発揮させるためには、Cuは0.05%以上含有させる必要がある。しかしながら、Cuの含有量が0.2%を超えるとプレス成形性が却って低下することになる。
[0<[Ni]+[Mo]≦1.3(質量%):前記(1)式の関係]
NiとMoは、チタン合金板のプレス成形性をそれほど低下させずに、強度を確保する上で有用な元素である。こうした効果は、その含有量が増加するにつれて大きくなるが、過剰に含有されると強度が高くなりすぎてプレス成形性が劣化し、強度とプレス成形性のバランスが崩れることになる。こうしたことから、NiとMoの合計含有量は1.3%以下とする必要がある。NiとMoの合計含有量は好ましくは1.1%以下である。尚、NiとMoは単独または併用して含有させることができるが、これらを併用したときの方が強度と成形性のバランスが良好なものとなるので好ましい。
本発明のチタン合金では、上記成分の他(残部)は、チタンおよび不可避的不純物からなるものである。上記「不可避的不純物」は、原料のスポンジチタンに不可避的に含まれる不純物元素のことであり、代表的には、酸素(O)、鉄(Fe)、炭素(C)、窒素(N)、水素(H)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)等があり、また製造工程においても更に製品中に取り込まれる可能性のある元素、例えば水素等も不可避不純物に含まれる。尚、本発明のチタン合金板は、これらの不純物のうち、O,Fe,Ni等(更には、必要によって含有されるCr)については、所定量を積極的に含むものであるが、その含有量は、不可避不純物として含まれる含有量も考慮した合計量である。
本発明のチタン合金板においては、必要によって、更にCrを含有することができる。即ち、CuとCrを併用することによって、プレス成形性を損なわずにチタン合金板を強化することができる。但し、CuとCrの合計含有量([Cu]+[Cr])が過剰になると、強度上昇が大きくなり過ぎて、プレス成形性が却って低下する傾向があるので、下記(2)式の関係を満足するようにCrを含有させることが好ましい。
0.05≦[Cu]+[Cr]<0.4(質量%) …(2)
但し、[Cu]および[Cr]は、夫々CuおよびCrの含有量(質量%)を示す。
Crを含有させる場合(即ち、CuとCrを併用する場合)には、NiとMoの合計含有量が0.4%よりも多くなると[即ち下記(3)式の関係を満足するとき]、Crを添加しない場合と比べて、プレス成形性を損なうことなくチタン合金板の強度を大きく増大させることができる。
0.4<[Ni]+[Mo]≦1.3(質量%) …(3)
NiとMoの合計含有量を適切な範囲[上記(3)式の関係を満足する範囲]で、Crを含有させることによって(即ち、CuとCrを併用することによって)、プレス成形性を損なうことなくチタン合金板の強度を大きく増大できる理由については、その全てについて解明し得た訳ではないが、おそらく次のように考えることができた。
即ち、Cuは、稠密六方晶であるα相(α−Ti)のすべり系を活発化させ、Crは、α相へのNi,Moの固溶を抑制することで、少量のβ相(β−Ti)の形成を促進し、それらによって焼鈍後のα相の結晶粒が微細な方向に移動し、プレス成形時の粒界近傍での応力集中が緩和されることに加え、体心立方晶のβ相の延性にも助けられ、高強度ながら良好なプレス成形性が発揮されるものと推察される。これに対し、NiおよびMoの含有量が過剰になると(即ち、合計含有量で1.3%超)、α相およびβ相の双方の固溶強化が促進されることになり、高い強度が得られるが、良好なプレス成形性が得られなくなるものと考えられる。
ところで、鉄鋼材料の分野において、良好なプレス成形性を確保する手段として、潤滑皮膜を鋼板表面に塗布する方法が知られている。こうした方法では、鋼板表面に潤滑皮膜を形成すことによって、金型への鋼板の変形を許容してプレス成形性を向上されるものである。本発明のチタン合金板では、基本的に上記のような潤滑皮膜を形成せずとも、優れたプレス成形性を発揮するものであるが、必要によって、その表面に高潤滑性の皮膜を形成するようにしてもよい。こうした潤滑皮膜を形成することによって、プレス成形性を更に高めることができる。
上記のような潤滑皮膜を被覆するときの潤滑皮膜の素材については、従来公知の素材を使用することができ、例えばポリウレタン樹脂やポリオレフィン樹脂等を主体とする有機系樹脂を好適に用いることができる。また、潤滑皮膜には、必要によりシリカ系の無機系固体潤滑剤を配合したものも使用できる。
本発明のチタン合金板は、熱交換機器や化学プラントの素材として適用され、こうした素材に適用するときのプレス成形性を良好にできるものであるが、板厚があまり厚くなるとプレス成形性が劣化する傾向がある。こうしたことから、チタン板の板厚は1.5mm以下とすることが好ましい。チタン合金板の厚さの下限については、必要とされる強度等を考慮して設定すればよいが、本発明のチタン合金板では高い強度も達成されるので、0.3mm程度以上であっても十分な機械的特性が発揮される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記表1、2に示す各種化学成分組成の100gボタン鋳塊(概寸:φ40mm×20mm)を、タングステンアーク溶解炉にて溶製し、1000℃加熱にて、断面形状が幅:40mm×厚さ:15mmのブロック状に鍛造し、前記厚さが10mmとなるように、片面当り2.5mmを切削することで酸化影響相を除去し、引続き850℃に加熱した後、厚さが3.3mmとなるまで熱間圧延して(厚さ:10mm→3.5mm)、熱延板とした。
得られたチタン合金板に対して、800℃にて10分の条件で焼鈍し、ショット・酸洗にて厚さ3mmまで脱スケールし、その後冷間圧延と800℃×3分間焼鈍を2回繰り返し、最終的にソルト+片面当り50μmの酸洗を行い、厚さ0.5mmの冷延板とした。
上記のようにして得られた冷延板を用いて、ASTMに規定されている試験片を採取し、ASTM E8に規定されている金属材料引張試験方法に基づいて圧延方向に平行な方向の降伏応力(YS)、引張強度(TS)、全伸び(El)を測定した。降伏応力(YS)、引張強度(TS)および全伸び(El)については、引張試験時の試験速度は始めから0.5%の歪みまでは0.5%/minで、それ以降は40%/minとした。
また上記各冷延板(チタン合金板)について、下記の方法によってプレス成形性を評価した。本発明で用いたプレス成形性評価方法を、図面を用いて説明する。
図1はプレス成形性を評価する方法を説明するための図である。プレート式熱交換器の熱交換部分を模擬した、大きさ100mm×100mm、ピッチ:10mm,最大高さ4mm、曲率半径R=0.4,0.6,0.8,1.0,1.4,1.8(mm)の6種の稜線を有するヘリンボーン型で場所によって山の曲率半径Rの異なるプレス金型1の左下部分にプレス試験片2(各種チタン合金板)を配置し、凹凸が逆転している上金型(図示せず)にて下死点までプレスを行なった。このときのプレス条件は、最大荷重300kN、プレス速度:1mm/秒である。
上記のようにして得られるプレス試験片2の割れ測定位置は、図2(スコア採点箇所を説明するための試験片の拡大図)に示すように、稜部とラインA,B,Cの交点の8箇所である。割れの基点となる、A、Cに関しては、目視にて判断したときに、健全なら2点、ネッキング(くびれる現象)傾向があれば1点、割れが生じていれば0点とし[下記(4)式]、Bに関しては、健全なら1点、ネッキング傾向があれば0.5点、割れが生じていれば0点とし[下記(5)式]、更に夫々の点数に曲率半径R[これらを一括して「R(ij)」と表す]の逆数を掛けて割れの状況を数値化し[下記(4)式、(5)式]、その値と全体に割れが生じていない場合に対する割合をスコア(%)として表しており[下記(6)式]、本発明におけるプレス成形性評価の指標としている。
E(ij)=1.0×(健全:2、ネッキング:1、割れ発生:0) …(4)
E(ij)=0.5×(健全:2、ネッキング:1、割れ発生:0)…(5)
スコア=[ΣE(ij)/R(ij)]/[ΣA,C2/R(ij)+Σ1/R(ij)]×100
…(6)
測定結果を、チタン合金板の引張特性(YS、TS、El)と共に、下記表3、4に示す。
上記表3の結果は、O含有量を0.06〜1.8%の範囲として、Feを0.04〜0.3%の範囲としたもの、またNiおよび/またはMoを含有させたベース材料と、そのベース材料にCuやCrを0.1%含有させたチタン合金板(表1)の引張特性とプレス成形性の評価結果を示したものである。尚、表3の試料No.においては、本発明の実施例に相当するものについては数字(1〜19)で示し、比較例に相当するものについては英字(A〜J)で示した(表4についても同じ)。またこの結果に基づき、引張強度TSとスコアの関係を図3に示す(図中には、各試料No.を添字で示す)。
比較例に相当する試料AとBのスコアは共に、100%となる。試料No.Aは試料No.BよりもFeの含有量が少ないので、本来ではBよりも良好なプレス成形性を示すはずであるが、上記した方法では100%を超える値は取り得ない。
こうした点を考慮し、強度とプレス成形性の関係から、試料No.Aの比較例を除いてき、試料No.D,F,G,H,L以外は、Cuを含まない場合であり、強度とスコアの関係は図3のラインAのように表せるものとなる。このラインAは、下記(7)式で示される累積近似式で表されることになる。尚、下記(7)式は、上記データに基づき、商品名「マイクロソフト(登録商標)・オフィス・エクセル・2003」(マイクロソフト社製)によよって求められたものである。
スコア=5.395×1013×TS-4.553 …(7)
Cuを必須成分とし、更にNi,Mo(必要によりCr)を含有させた実施例のものでは、同じ強度レベルであっても明らかにスコアが高くなっており、強度とプレス成形性のバランスが向上していることが分かる。
プレス成形性の向上効果を定量的に評価するべく、上記累積近似式[上記(7)式]に基づき、強度から予想されるスコア(計算スコア)を算出し、この計算スコアと実際のスコアの差(スコア差異)と実際のスコアとの比(スコア改善比率)を求めた。このスコア改善比率が高いほど、強度とプレス成形性のバランスが優れていることを示している。その結果(計算スコア、スコア改善比率)を、「作用の解析諸元」として上記表3に示した(表4においても同様に示した)。尚、比較例におけるこれらの値は、本来累積近似式[(7)式]と実際のスコアとのバラツキを示したものとなるが、表3、4には便宜上これらの値も同時に示した。
表3の結果に基づき、[Ni]+[Mo]とスコア改善比率の関係を図4に示す。この結果から、次のように考察できる。即ち、0<[Ni]+[Mo]≦1.3(質量%)の範囲内で、更にCuやCrを含有させることは、スコア(即ち、プレス成形性)を向上させるように作用することが分かる。また、0<[Ni]+[Mo]≦0.4の範囲内では、Crの添加効果はそれほど有効に発揮されていなのであるが、0.4<[Ni]+[Mo]≦1.3の範囲では、CuとCrの同時添加によって、スコアが改善され、[Ni]+[Mo]が1.1%近傍にスコア改善比率のピークがあることが分かる。
一方、上記表4の結果は、ベース材料は表3と同じであるが、CuとCrの含有量を変化させた場合の影響を調査したものである(引張特性とプレス成形性の評価)。上記表3の結果と、表4の結果を併せて、[Cu]+[Cr]とスコア改善比率の関係を図5に示す。尚、図5には、従来のばらつきレベルを破線で示した。
本発明の実施例のもの(試料No.1〜25)では、従来のばらつきレベルよりも高いスコア改善比率を示すものとなっており、比較例のもの(試料No.A〜S)では、従来のばらつきレベルと同等かそれよりも低い値となっていることが分かる。また、Cuを含有させることは不可決であり、その効果はCuの含有量が0.05%(試料No.23)で十分発揮されること、更にはNiおよび/またはMoを添加した方が、スコア改善比率が高くなることが分かる。但し、NiやMoの添加の有無に拘わらず、[Cu]+[Cr]が0.4%よりも多くなると、スコア改善効果が認められないことが分かる。
1 プレス金型
2 プレス試験片

Claims (5)

  1. O:0.06〜0.15%(「質量%」の意味、化学成分については以下同じ)およびFe:0.04〜0.5%を夫々含有する他、Cu:0.05〜0.2%を含有し、更にNiおよび/またはMoを下記(1)式の関係を満足するように含有し、残部がチタンおよび不可避的不純物からなるものであることを特徴とするプレス成形性と強度のバランスに優れたチタン合金板。
    0<[Ni]+[Mo]≦1.3(質量%) …(1)
    但し、[Ni]および[Mo]は、夫々NiおよびMoの含有量(質量%)を示す。
  2. 板厚が0.3〜1.5mmである請求項1に記載のチタン合金板。
  3. 更に、Crを、下記(2)式の関係を満足するように含有するものである請求項1または2に記載のチタン合金板。
    0.05≦[Cu]+[Cr]<0.4(質量%) …(2)
    但し、[Cu]および[Cr]は、夫々CuおよびCrの含有量(質量%)を示す。
  4. Niおよび/またはMoが下記(3)式の関係を満足するように含有するものである請求項3に記載のチタン合金板。
    0.4<[Ni]+[Mo]≦1.3(質量%) …(3)
    但し、[Ni]および[Mo]は、夫々NiおよびMoの含有量(質量%)を示す。
  5. プレート式熱交換器の素材として用いられるものである請求項1〜4のいずれかに記載のチタン合金板。
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