JP2010235749A - 芳香族ポリエーテルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応溶媒を回収して再使用して行う芳香族ポリエーテルの製造方法において、反応毎に分子量が振れない芳香族ポリエーテルの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の芳香族ポリエーテルの製造方法は、二価フェノール化合物とジハロゲノジフェニル化合物とを、反応溶媒およびアルカリ金属化合物の存在下に重縮合反応させて得られる副生塩、反応溶媒および芳香族ポリエーテルを含む反応混合物から、水を用いて前記副生塩を洗浄除去し、精製溶媒を用いて前記反応溶媒を抽出除去し、次いで抽出溶液から前記精製溶媒を蒸留除去して得られる前記反応溶媒を重縮合反応に再使用する芳香族ポリエーテルの製造方法において、再使用する前記反応溶媒中のフェノール性水酸基およびハロゲン基の含有量を測定し、この含有量に基づいて、重縮合反応に仕込む二価フェノール化合物および/またはジハロゲノジフェニル化合物の量を調整することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の芳香族ポリエーテルの製造方法は、二価フェノール化合物とジハロゲノジフェニル化合物とを、反応溶媒およびアルカリ金属化合物の存在下に重縮合反応させて得られる副生塩、反応溶媒および芳香族ポリエーテルを含む反応混合物から、水を用いて前記副生塩を洗浄除去し、精製溶媒を用いて前記反応溶媒を抽出除去し、次いで抽出溶液から前記精製溶媒を蒸留除去して得られる前記反応溶媒を重縮合反応に再使用する芳香族ポリエーテルの製造方法において、再使用する前記反応溶媒中のフェノール性水酸基およびハロゲン基の含有量を測定し、この含有量に基づいて、重縮合反応に仕込む二価フェノール化合物および/またはジハロゲノジフェニル化合物の量を調整することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、芳香族ポリエーテルの製造方法に関する。詳しくは反応溶媒を回収して芳香族ポリエーテルを製造する方法の改良に関する。
芳香族ポリエーテルは、耐熱性、耐衝撃性、透明性などに優れた高分子化合物として有用である。かかる芳香族ポリエーテルは、アルカリ金属化合物および反応溶媒の共存下に、ビフェノール化合物とジハロゲン化ビフェニル化合物とを重縮合反応させて製造される。
反応後、反応混合物を水で洗浄して副生塩を除去し、反応溶媒より低沸点で、反応溶媒を溶解するが芳香族ポリエーテルを溶解しない精製溶媒を用いて反応溶媒を抽出除去し、次いで抽出溶液から精製溶媒を蒸留除去して得られる反応溶媒を重縮合反応に再使用する方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
反応後、反応混合物を水で洗浄して副生塩を除去し、反応溶媒より低沸点で、反応溶媒を溶解するが芳香族ポリエーテルを溶解しない精製溶媒を用いて反応溶媒を抽出除去し、次いで抽出溶液から精製溶媒を蒸留除去して得られる反応溶媒を重縮合反応に再使用する方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
得られる芳香族ポリエーテルの分子量は物性に影響し、同一反応条件下では略同じ分子量の芳香族ポリエーテルが得られることが必要であるが、上記方法では反応毎に分子量が振れることがあり、反応毎に分子量が振れない芳香族ポリエーテルの製造方法が望まれている。
本発明の目的は、反応溶媒を回収して再使用して行う芳香族ポリエーテルの製造方法において、反応毎に分子量が振れない芳香族ポリエーテルの製造方法を提供することにある。
本発明者は、反応溶媒を回収して再使用して行う芳香族ポリエーテルの製造方法について鋭意検討した結果、回収した反応溶媒にはオリゴマーなどが存在し、これが分子量に影響していること、オリゴマーなどに由来するフェノール性水酸基およびハロゲン基の含有量を測定し、この含有量に基づいて、重縮合反応に仕込む二価フェノール化合物および/またはジハロゲノジフェニル化合物の量を調整することによって、反応毎に分子量が振れないことを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、二価フェノール化合物とジハロゲノジフェニル化合物とを、反応溶媒およびアルカリ金属化合物の存在下に重縮合反応させて得られる副生塩、反応溶媒および芳香族ポリエーテルを含む反応混合物から、水を用いて前記副生塩を洗浄除去し、前期反応溶媒より低沸点で、反応溶媒を溶解するが芳香族ポリエーテルを溶解しない精製溶媒を用いて前記反応溶媒を抽出除去し、次いで抽出溶液から前記精製溶媒を蒸留除去して得られる前記反応溶媒を重縮合反応に再使用する芳香族ポリエーテルの製造方法において、再使用する前記反応溶媒中のフェノール性水酸基およびハロゲン基の含有量を測定し、この含有量に基づいて、重縮合反応に仕込む二価フェノール化合物および/またはジハロゲノジフェニル化合物の量を調整することを特徴とする芳香族ポリエーテルの製造方法である。
本発明によって、反応溶媒を回収して再使用して行う芳香族ポリエーテルの製造方法において、反応毎に芳香族ポリエーテルの分子量の振れを抑えることができる。
芳香族ポリエーテルは、二価フェノール化合物とジハロゲノジフェニル化合物とを、反応溶媒およびアルカリ金属化合物の存在下に重縮合させて製造する。
二価フェノール化合物としては、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、4,4'−ビフェノールの他に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジフェニルスルホン類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどのジヒドロキシジフェニルエーテル類、それらのベンゼン環の水素の少なくとも一つが、メチル基、エチル基、プロピル基などの低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基などの低級アルコキシ基、塩素、臭素、フッ素などのハロゲンで置換されたもの、これら2種以上の混合物などが挙げられる。中でもハイドロキノン、4,4'−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン等が好ましく用いられる。
二価フェノール化合物としては、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、4,4'−ビフェノールの他に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジフェニルスルホン類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどのジヒドロキシジフェニルエーテル類、それらのベンゼン環の水素の少なくとも一つが、メチル基、エチル基、プロピル基などの低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基などの低級アルコキシ基、塩素、臭素、フッ素などのハロゲンで置換されたもの、これら2種以上の混合物などが挙げられる。中でもハイドロキノン、4,4'−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン等が好ましく用いられる。
ジハロゲノジフェニル化合物としては、スルホン基を有するジハロゲノジフェニル化合物、たとえば4,4'−ジクロルジフェニルスルホン、4,4'−ジフルオロジフェニルスルホンなどのジハロゲノジフェニルスルホン類、1,4−ビス(4−クロルフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−フルオロフェニルスルホニル)ベンゼンなどのビス(ハロゲノフェニルスルホニル)ベンゼン類、1,4−ビス(4−クロルフェニルスルホニル)ビフェニル、1,4−ビス(4−フルオロフェニルスルホニル)ビフェニルなどのビス(ハロゲノフェニルスルホニル)ビフェニル類、これらの2種以上の混合物などが挙げられる。中でも4,4'−ジクロルジフェニルスルホン、4,4'−ジフルオロジフェニルスルホンなどのジハロゲノジフェニルスルホン類等が好ましく用いられる。
反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、N−メチル−2−ピペリドンなどのピペリドン系溶媒、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの2−イミダゾリノン系溶媒、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホンなどのジフェニル化合物、γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶媒、スルホランなどのスルホラン系溶媒、これらの二種以上の混合物などが挙げられる。中でもジフェニルスルホンなどのジフェニル化合物が好ましく用いられる。
また、アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アルコキシドなどが挙げられる。中でも炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩が好ましく、特に無水炭酸カリウム、無水炭酸ナトリウムなどの無水アルカリ金属炭酸塩が好ましく用いられる。
二価フェノール化合物の1当量に対してジハロゲノジフェニル化合物は、通常、約0.9〜1.1当量、好ましくは約0.98〜1.05当量の範囲で使用する。
アルカリ金属化合物は、二価フェノール化合物のフェノール性水酸基の1当量に対して約1当量以上、好ましくは約1.005〜1.25当量の範囲で使用する。
反応溶媒は、二価フェノール化合物とジハロゲノジフェニル化合物の合計1重量部に対して約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜3重量部を使用する。
アルカリ金属化合物は、二価フェノール化合物のフェノール性水酸基の1当量に対して約1当量以上、好ましくは約1.005〜1.25当量の範囲で使用する。
反応溶媒は、二価フェノール化合物とジハロゲノジフェニル化合物の合計1重量部に対して約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜3重量部を使用する。
重縮合の反応温度は、約140〜340℃で実施するのが好ましい。約340℃より高い温度で重縮合させると、生成物ポリマーの分解反応が進むため、高純度の芳香族ポリエーテルが得られなくなる傾向にあり、約140℃より低い温度で重縮合させると、高分子量の重合体が得られない傾向にある。
重縮合反応の時間は、二価フェノール化合物やジハロゲノジフェニル化合物の種類、反応温度などによって異なるが、通常、約1〜24時間、好ましくは約2〜12時間である。
重縮合反応の時間は、二価フェノール化合物やジハロゲノジフェニル化合物の種類、反応温度などによって異なるが、通常、約1〜24時間、好ましくは約2〜12時間である。
反応して得られる反応混合物は、重縮合反応により脱離したハロゲン化水素とアルカリ金属化合物との反応生成物である副生塩と、反応溶媒と、芳香族ポリエーテルとを含む。副生塩とは、例えば、アルカリ金属化合物として炭酸カリウムを用いた場合には、塩化カリウムである。
重縮合して得られる反応混合物を固化させた後、芳香族ポリエーテルの分離および反応溶媒の回収を行う。先ず、固化した反応混合物を微粉砕し、微粉砕した反応混合物を水洗して、副生塩を除去する。次に、副生塩を除去した反応混合物から、反応溶媒より沸点が低く、反応溶媒を溶解するが芳香族ポリエーテルを溶解しない精製溶媒を用いて反応溶媒を抽出して反応溶媒を除去し、芳香族ポリエーテルを分離する。
このような精製溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、およびこれらの混合物などが挙げられる。
精製溶媒で反応溶媒を抽出して得られる抽出溶液を蒸留し、低沸点の精製溶媒および水を留出除去し、反応溶媒を分離する。分離した精製溶媒および反応溶媒は、それぞれ再使用する。
精製溶媒を蒸留除去する際に、熱効率の低下や熱交換器の閉塞を抑制するために、水を添加し、抽出溶液中の水の濃度を約15質量%以上としてとして行うのが好ましい。なお、水を添加前の抽出溶液には、通常、約10〜13重量%の水が含まれている。
精製溶媒を蒸留除去する際に、熱効率の低下や熱交換器の閉塞を抑制するために、水を添加し、抽出溶液中の水の濃度を約15質量%以上としてとして行うのが好ましい。なお、水を添加前の抽出溶液には、通常、約10〜13重量%の水が含まれている。
分離、回収した反応溶媒には、液体クロマトグラフィーによる分析の結果、少量のオリゴマー、未反応原料の二価フェノール化合物およびジハロゲノジフェニル化合物などが存在し、これらが分子量に影響している。これらのオリゴマーなどには、フェノール性水酸基、ハロゲン基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基などを有し、種々の大きさの分子が存在し、主体は3〜4量体である。
これらオリゴマーなどのフェノール性水酸基、ハロゲン基が、仕込み比(フェノール性水酸基/ハロゲン基)を変えてしまうので、再使用する反応溶媒中のフェノール性水酸基、ハロゲン基の含有量を測定し、これらの含有量に基づいて、重縮合反応に仕込む二価フェノール化合物および/またはジハロゲノジフェニル化合物の量を調整する。なお、本発明においてフェノール性水酸基はそのアルカリ塩を含む。
具体的には、最終的に仕込んだフェノール性水酸基とハロゲン基の当量比が一定になるように、二価フェノール化合物とジハロゲノジフェニル化合物の両方の量を、または一方の量を調整する。例えば、必要な反応溶媒として回収した反応溶媒のみを使用した場合、回収した反応溶媒中のフェノール性水酸基およびハロゲン基と当量の二価フェノール化合物およびジハロゲノジフェニル化合物の量を減じて仕込む。また二価フェノール化合物、ジハロゲノジフェニル化合物の一方の量を増加または減少して仕込むこともできる。
なお、重縮合反応は、反応に必要な反応溶媒の全量を回収した反応溶媒を使用して行うことも、一部に回収した反応溶媒を使用して行うこともできる。
具体的には、最終的に仕込んだフェノール性水酸基とハロゲン基の当量比が一定になるように、二価フェノール化合物とジハロゲノジフェニル化合物の両方の量を、または一方の量を調整する。例えば、必要な反応溶媒として回収した反応溶媒のみを使用した場合、回収した反応溶媒中のフェノール性水酸基およびハロゲン基と当量の二価フェノール化合物およびジハロゲノジフェニル化合物の量を減じて仕込む。また二価フェノール化合物、ジハロゲノジフェニル化合物の一方の量を増加または減少して仕込むこともできる。
なお、重縮合反応は、反応に必要な反応溶媒の全量を回収した反応溶媒を使用して行うことも、一部に回収した反応溶媒を使用して行うこともできる。
フェノール性水酸基は、例えば、試料をジメチルホルムアミドに溶解し、p−トルエンスルホン酸を添加し、カリウムメトキシド(CH3OK)のトルエン溶液で電位差滴定して求める。
また、ハロゲン基は、試料を水で超音波洗浄を繰り返して無機ハロゲン化物を十分に除き、乾燥し、酸素フラスコ燃焼−イオンクロマト法で求める。
また、ハロゲン基は、試料を水で超音波洗浄を繰り返して無機ハロゲン化物を十分に除き、乾燥し、酸素フラスコ燃焼−イオンクロマト法で求める。
回収した反応溶媒中のフェノール性水酸基含有量とハロゲン基含有量は、ほぼ反比例の関係にある。二価フェノール化合物として4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジハロゲノジフェニル化合物として4,4'−ジクロルジフェニルスルホンを用い、仕込み量を変えて重縮合反応して回収した反応溶媒中のフェノール性水酸基含有量とハロゲン基含有量を上記の測定方法で求めた結果を図1に示す。
回収した反応溶媒中のフェノール性水酸基含有量とハロゲン基含有量は次式(1)で表すことができる。
回収した反応溶媒中のフェノール性水酸基含有量とハロゲン基含有量は次式(1)で表すことができる。
y=−0.7966x+22.351 ・・・・・(1)
[式中、yはハロゲン基含有量(μmol/g)、xはフェノール性水酸基含有量(μmol/g)を示す。]
[式中、yはハロゲン基含有量(μmol/g)、xはフェノール性水酸基含有量(μmol/g)を示す。]
ハロゲン基の定量は手間と時間がかかるので、比較的簡易なフェノール性水酸基の定量を行い、その含有量と式(1)からハロゲン基含有量を求め、二価フェノール化合物および/またはジハロゲノジフェニル化合物の量を調整し、重縮合することによって、得られる芳香族ポリエーテルの分子量を反応毎に振れないようにすることができる。
回収した反応溶媒を更に蒸留し、反応溶媒を留出させて精製して再使用すれば、上記のような仕込み量の調整は不要になるが、蒸留設備および反応溶媒が高沸点であるので多くの蒸留エネルギーを必要とし、蒸留釜残の処理の手間が大きく、高コストになること、オリゴマーなどが回収されなくなることなどから好ましくない。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
含有量などは下記のようにして求めた。
含有量などは下記のようにして求めた。
(A)フェノール性水酸基の含有量
(1)カリウムメトキシド(CH3OK)滴定液の調整
水酸化カリウム3.3gをメタノール(試薬特級)200mlで溶解した。これにトルエン(試薬特級)を加え全量を1リットルとした。
(2)PTS溶液の調整
p−トルエンスルホン酸一水和物1.9020gをN,N−ジメチルホルムアミド(試薬特級)に溶かして全量を50mlとした。
(3)測定
粉砕した試料(粒子径300〜850μm)10gを精秤し、N,N−ジメチルホルムアミド(試薬特級)100mlで溶解した。これに、PTS溶液2mlを加え、CH3OK滴定液で自動滴定装置(TS-980 平沼産業(株)製)を用いて滴定し、フェノール性水酸基の含有量を求めた。
(1)カリウムメトキシド(CH3OK)滴定液の調整
水酸化カリウム3.3gをメタノール(試薬特級)200mlで溶解した。これにトルエン(試薬特級)を加え全量を1リットルとした。
(2)PTS溶液の調整
p−トルエンスルホン酸一水和物1.9020gをN,N−ジメチルホルムアミド(試薬特級)に溶かして全量を50mlとした。
(3)測定
粉砕した試料(粒子径300〜850μm)10gを精秤し、N,N−ジメチルホルムアミド(試薬特級)100mlで溶解した。これに、PTS溶液2mlを加え、CH3OK滴定液で自動滴定装置(TS-980 平沼産業(株)製)を用いて滴定し、フェノール性水酸基の含有量を求めた。
(B)ハロゲン基の含有量
上記(A)のフェノール性水酸基の含有量と上記式(1)とから求めた。
上記(A)のフェノール性水酸基の含有量と上記式(1)とから求めた。
(C)還元粘度の測定
分子量の目安となる還元粘度を測定した。還元粘度の値が大きいほど高分子量であることを示す。
粘度の測定は、オストワルド型粘度管を使用して、25℃で行なった。
粘度測定のための重合体溶液の濃度は、N,N−ジメチルホルムアミド(試薬特級)溶液中1.0g/100mlとした。
還元粘度(RV)は、次式(2)により定義される。
分子量の目安となる還元粘度を測定した。還元粘度の値が大きいほど高分子量であることを示す。
粘度の測定は、オストワルド型粘度管を使用して、25℃で行なった。
粘度測定のための重合体溶液の濃度は、N,N−ジメチルホルムアミド(試薬特級)溶液中1.0g/100mlとした。
還元粘度(RV)は、次式(2)により定義される。
RV=[1/C]×[(t−t0)/t0]・・・・・(2)
(式中、tは重合体溶媒の流出時間(秒)、t0は純溶媒の流出時間(秒)、Cは重合体の溶液の濃度(g/100ml-溶媒)を表す。)
(式中、tは重合体溶媒の流出時間(秒)、t0は純溶媒の流出時間(秒)、Cは重合体の溶液の濃度(g/100ml-溶媒)を表す。)
参考例1
攪拌機、窒素導入管、温度計、及び先端に受器を付したコンデンサーを備えた反応容器中に、二価フェノール化合物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを100.11重量部、ジハロゲノジフェニル化合物として4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを119.23重量部、及び反応溶媒としてジフェニルスルホンを194重量部仕込んだ。
反応器内を窒素雰囲気に置換した後、さらに窒素を反応器内に流通させながら、180℃まで昇温して溶解させた。次いで、無水炭酸カリウムを57.5重量部添加した。その後、280℃まで徐々に昇温して、同温度で4.5時間反応させた。
攪拌機、窒素導入管、温度計、及び先端に受器を付したコンデンサーを備えた反応容器中に、二価フェノール化合物として4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを100.11重量部、ジハロゲノジフェニル化合物として4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを119.23重量部、及び反応溶媒としてジフェニルスルホンを194重量部仕込んだ。
反応器内を窒素雰囲気に置換した後、さらに窒素を反応器内に流通させながら、180℃まで昇温して溶解させた。次いで、無水炭酸カリウムを57.5重量部添加した。その後、280℃まで徐々に昇温して、同温度で4.5時間反応させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却して固化させ、粉末状に細かく粉砕した。得られた芳香族ポリエーテル、塩基とハロゲン化水素の中和反応により生成した副生塩、及びジフェニルスルホンを含む粉末状反応混合物を温水で洗浄して、副生塩を除去した。次に、副生塩を除去した後の反応混合物をアセトン/メタノール混合液で抽出した。抽出液を蒸留し、アセトンとメタノール及び水分を留去して回収ジフェニルスルホンを得た。
アセトン/メタノール混合液で抽出した後の残分を150℃に加熱して乾燥して芳香族ポリエーテルを得た。
得られた芳香族ポリエーテルの還元粘度は0.432dl/gであった。
アセトン/メタノール混合液で抽出した後の残分を150℃に加熱して乾燥して芳香族ポリエーテルを得た。
得られた芳香族ポリエーテルの還元粘度は0.432dl/gであった。
実施例1
回収しておいたジフェニルスルホン(フェノール性水酸基含有量:10.4μmol/g、ハロゲン基含有量:14.1μmol/g)を使用し、含有するフェノール性水酸基含有量およびハロゲン基含有量と当量の4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを減じて仕込んだ(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの減量:0.25重量部、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの減量:0.39重量部)以外は実験例1と同様にして芳香族ポリエーテルの製造を行った。得られた芳香族ポリエーテルの還元粘度は0.436dl/gであった。
回収しておいたジフェニルスルホン(フェノール性水酸基含有量:10.4μmol/g、ハロゲン基含有量:14.1μmol/g)を使用し、含有するフェノール性水酸基含有量およびハロゲン基含有量と当量の4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを減じて仕込んだ(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの減量:0.25重量部、4,4’−ジクロロジフェニルスルホンの減量:0.39重量部)以外は実験例1と同様にして芳香族ポリエーテルの製造を行った。得られた芳香族ポリエーテルの還元粘度は0.436dl/gであった。
比較例2
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを減ずることなく仕込んだ以外は実施例1と同様にして芳香族ポリエーテルの製造を行った。得られた芳香族ポリエーテルの還元粘度は0.445dl/gであった。
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよび4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを減ずることなく仕込んだ以外は実施例1と同様にして芳香族ポリエーテルの製造を行った。得られた芳香族ポリエーテルの還元粘度は0.445dl/gであった。
Claims (6)
- 二価フェノール化合物とジハロゲノジフェニル化合物とを、反応溶媒およびアルカリ金属化合物の存在下に重縮合反応させて得られる副生塩、反応溶媒および芳香族ポリエーテルを含む反応混合物から、水を用いて前記副生塩を洗浄除去し、前期反応溶媒より低沸点で、反応溶媒を溶解するが芳香族ポリエーテルを溶解しない精製溶媒を用いて前記反応溶媒を抽出除去し、次いで抽出溶液から前記精製溶媒を蒸留除去して得られる前記反応溶媒を重縮合反応に再使用する芳香族ポリエーテルの製造方法において、
再使用する前記反応溶媒中のフェノール性水酸基およびハロゲン基の含有量を測定し、この含有量に基づいて、重縮合反応に仕込む二価フェノール化合物および/またはジハロゲノジフェニル化合物の量を調整することを特徴とする芳香族ポリエーテルの製造方法。 - 二価フェノール化合物とジハロゲノジフェニル化合物との仕込み量を変えて重縮合反応して回収した反応溶媒中のフェノール性水酸基含有量とハロゲン基含有量より求めた関係式と、再使用する反応溶媒中のフェノール性水酸基含有量の測定値より、前記反応溶媒中のハロゲン基含有量を求めることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエーテルの製造方法。
- 関係式が次式(1)であることを特徴とする請求項2記載の芳香族ポリエーテルの製造方法。
y=−0.7966x+22.351 ・・・・・(1)
[式中、yはハロゲン基含有量(μmol/g)、xはフェノール性水酸基含有量(μmol/g)を示す。] - 再使用する前記反応溶媒中のフェノール性水酸基は、前記反応溶媒の試料をジメチルホルムアミドに溶解し、p−トルエンスルホン酸を添加し、カリウムメトキシドのトルエン溶液で電位差滴定して求めることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエーテルの製造方法。
- 前記二価フェノール化合物が4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、前記ジハロゲノジフェニル化合物が4,4'−ジクロルジフェニルスルホンであることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエーテルの製造方法。
- 前記アルカリ金属化合物が炭酸カリウムであることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエーテルの製造方法。
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