JP2010234907A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングコラムのチルトテレスコ調整による位置決め後の固定状態時における剛性を高め、そのガタツキを抑え、ステアリングの操作感覚を向上させることができるステアリング装置を提供する。
【解決手段】可動ブラケット1は、揺動ベース部2と、該揺動ベース部2に対して軸方向に摺動自在としたスライドベース部3と、凸ガイド条51と凹ガイド条52とからなるガイド部5とからなる。凸ガイド条51は揺動ベース2部又はスライドベース部3のいずれか一方の幅方向両側又は片側に形成され、凹ガイド条52は揺動ベース部2又はスライドベース部3のいずれか他方の幅方向両側又は片側に形成され、揺動ベース部2の幅方向にスライドベース部3の幅方向を対応させると共に凸ガイド条51が凹ガイド条52に相互に摺動自在となるように嵌合される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステアリングコラムのチルトテレスコ調整による位置決め後の固定状態時における剛性を高め、そのガタツキを抑え、ステアリングの操作感覚が向上させることができるステアリング装置に関する。
一般に、チルトテレスコ調整機構を備えたステアリング装置が存在している。この種のステアリング装置の一般的な構造は、車体側に装着される固定ブラケットと、ステアリングコラムに設けられた可動ブラケットとから構成され、前記固定ブラケットに可動ブラケットが前後と上下方向に移動且つ固定自在に装着され、固定ブラケットを介して可動ブラケットを締め付ける手段を設けたものである。このようなステアリング装置ではコラムの固定時にコラムを前後方向や傾斜方向に移動しないように強固に締め付ける必要がある。そのために固定ブラケットと可動ブラケットの間に摩擦板を設けて挟持することにより、締付け時の摩擦力を大きくした構造の例が特許文献1に開示されている。
特許3939806号
特許文献1は、アッパーコラムを所望のテレスコ位置で車体取付けブラケット(脚部)に締付けるテレスコ用摩擦板は、テレスコ移動するアッパーコラム側に配置されている。テレスコ位置の固定時、アッパーコラムを車体取付けブラケットに締め付けると、テレスコ用摩擦板の摩擦力によって、アッパーコラムを車体取付けブラケット(脚部)に強固に締め付けることができる。
しかし、前記アッパーコラムは、車体前方側のロアーコラムに対してテレスコ移動可能に嵌合している。そのためアッパーコラムのテレスコ移動を円滑に行うためには、アッパーコラムとロアーコラムとの相互の嵌合部には摺動隙間が必要となる。従って、アッパーコラムを車体取付けブラケット(脚部)に強固に締め付けても、アッパーコラムとロアーコラムとの摺動隙間によって、ステアリング装置全体としての剛性が低下する不具合があった。
ステアリング装置全体としての剛性を向上させるためには、アッパーコラム、ロアーコラム及び車体取付けブラケット等の部品の外形寸法や肉厚を大きくすればよいが、重量や部品費が増加するという問題が生じる。そこで本発明は上記課題を解決するためのもので、本発明の目的は、アッパーコラムを所望のテレスコ位置で車体取付けブラケットに締め付ける手段を備えたステアリング装置において、部品の外形寸法や肉厚を大きくせずに、装置全体の剛性を向上させたステアリングコラム位置調整装置を提供することにある。
そこで、発明者は上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、幅方向両側に固定側部を有する固定ブラケットと、前記固定ブラケットの両固定側部間に装着される可動ブラケットと、ステアリングコラムと、前記固定ブラケットと前記可動ブラケットとを連結する締付具とからなるものであって、前記可動ブラケットは、揺動ベース部と、該揺動ベース部に対して軸方向に摺動自在としたスライドベース部と、凸ガイド条と凹ガイド条とからなるガイド部とからなり、前記凸ガイド条は前記揺動ベース部又はスライドベース部のいずれか一方の幅方向両側又は片側に形成され、前記凹ガイド条は前記揺動ベース部又はスライドベース部のいずれか他方の幅方向両側又は片側に形成され、前記揺動ベース部の幅方向に前記スライドベース部の幅方向を対応させると共に前記凸ガイド条が前記凹ガイド条に相互に摺動自在となるように嵌合されてなるステアリング装置としたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1において、前記揺動ベース部は、幅方向両側に揺動側板を有し、前記スライドベース部は、幅方向両側にスライド側板を有し、前記スライドベース部の両スライド側板には前記ステアリングコラムが固着され、前記揺動ベース部の揺動側板には、軸方向に凸ガイド条が形成され、前記スライドベース部のスライド側板には軸方向に沿って凹ガイド条が形成されてなるステアリング装置としたことにより、上記課題を解決した。
請求項3の発明を、請求項1において、前記揺動ベース部は、円筒形状のロアーコラムと、幅方向両側を揺動側面とした略直方体状のブロック片とが一体形成され、前記スライドベース部は、半割り円筒部を有するアッパーコラムの幅方向両側にスライド側板が形成され、前記両揺動側面には、軸方向に沿って凹ガイド条が形成され、前記両スライド側板には軸方向に沿って凸ガイド条が形成され、前記ロアーコラム上面に前記アッパーコラムの半割り円筒部が摺動自在に重合されてなるステアリング装置としたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明では、ステアリングコラム位置調整装置において、コラムの可動ブラケットの揺動ベース部の揺動側板には凸ガイド条が形成され、スライドベース部の両スライド側板には凹ガイド条が形成されたものであり、凸ガイド条と凹ガイド条とが締付け時に嵌合され、締付具を介して揺動側板とスライド側板とが締め付けられることによって、可動ブラケットは、凸ガイド条と凹ガイド条との間の摩擦によって、可動ブラケットはチルト方向に固定される力が生じ、この力が平面間の摩擦力に加わることで、前記可動ブラケットはより一層強固に締付けられて固定される。そして、チルト、テレスコ方向の固定が容易に行われる。請求項2の発明では、前記揺動側板には、軸方向に凸ガイド条が形成され、前記スライド側板には軸方向に沿って凹ガイド条が形成された構成としたことにより、前記可動ブラケットの部品の外径寸法や肉厚等を大きくすることなく、車体に対するチルト及びテレスコ方向でのステアリングコラムの剛性を向上させることができる。
請求項3の発明では、揺動ベース部は、円筒形状のロアーコラムと、幅方向両側を揺動側面とした略直方体状のブロック片とが一体形成されたものであり、スライドベース部は幅方向両側にスライド側板と、該両スライド側板間に半割り円筒部を有するアッパーコラムが固着されたものである。そして、前記ロアーコラム上面にアッパーコラムの半割り円筒部が摺動自在に重合されたものであり、アウターコラムはロアーコラムの上面を軸方向に摺動する構成であり、特にスライドベース部は揺動ベース部に対して、安定した軸方向移動が実現され、テレスコ調整における良好な操作感覚(フィーリング)を得ることができる。また、部品の外径寸法や肉厚を大きくすることなく、車体に対するチルト及びテレスコ方向でのステアリングコラムの剛性が向上する。
(A)は本発明の第1実施形態の側面図、(B)は(A)のYa−Ya矢視断面図、(C)は揺動ベース部とスライドベース部とが組み合わされた状態の縦断正面図、(D)は揺動ベース部とスライドベース部とを組み合わせた側面図である。 (A)は揺動ベース部の側面図、(B)は(A)のYb−Yb矢視断面図、(C)は(A)のXa−Xa矢視断面図、(D)はスライドベース部の側面図、(E)は(D)のYc−Yc矢視断面図である。 (A)は凸ガイド条と凹ガイド条の嵌合状態を示す要部拡大図、(B)は(A)の(ア)部拡大図である。 (A)はテレスコ調整の作用図、(B)はチルト調整の作用図である。 (A)は本発明の第2実施形態の側面図、(B)は(A)のYd−Yd矢視断面図,(C)は(B)のYe−Ye矢視断面図、(D)は揺動ベース部とスライドベース部の分離した状態の縦断側面図、(E)は揺動ベース部とスライドベース部の分離した状態の縦断正面図である。 (A)は揺動ベース部の側面図、(B)は揺動ベース部の縦断側面図、(C)は(A)のYf−Yf矢視断面図である。 (A)はスライドベース部側面図、(B)はスライドベース部の縦断側面図、(C)は(A)のYg−Yg矢視断面図、(D)は(A)のYh−Yh矢視断面図である。 (A)はスライドベース部の斜視図、(B)はスライドベース部のアッパーコラムを下方向から見た斜視図、(C)は揺動ベース部の斜視図である。 (A)は本発明の第2実施形態の縦断正面図、(B)は(A)の(イ)部拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本発明の第1実施形態を図1乃至図4に基づいて説明すると、この第1実施形態では、図1(A),(B)に示すように、幅方向両側に固定側部11,11を有する固定ブラケット1と、可動ブラケットAと、ガイド部5と、ステアリングコラム6と、締付具7とから構成される。固定ブラケット1は、幅方向両側に形成された固定側部11,11と取付頂部12とから構成されている。両固定側部11,11には、略上下方向又は縦方向に長孔とした調整孔13,13が形成されている〔図1(A),(B)参照〕。前記取付頂部12は、車内の所定位置にカプセル部材を介して装着され、衝突時における衝撃エネルギーを吸収可能にしている。
前記可動ブラケットAは、幅方向両側に揺動側板21,21を有する揺動ベース部2と、幅方向両側にスライド側板31,31を有するスライドベース部3とから構成される〔図1(C),(D)参照〕。前記揺動ベース部2は、幅方向両側に適宜の間隔をおいて揺動側板21,21が形成され、両揺動側板21,21の間には軸受支持板22が形成されている〔図2(A)乃至(C)参照〕。ガイド部5は、凸ガイド条51と凹ガイド条52とから構成されるものであり、前記凸ガイド条51が前記凹ガイド条52に食い込むように嵌合する構造である。
前記両揺動側板21,21には、軸方向に沿って前記ガイド部5の凸ガイド条51,51が形成されている。該凸ガイド条51は、前記揺動ベース部2の内方側に向かって凸形に膨出するように屈曲形成されたものである〔図2(B),(C)参照〕。凸ガイド条51の軸方向に直交する断面形状は、略半円形状である。凸ガイド条51は、上下方向に対称形状となる2つの傾斜状面51a,51aと、先端面部51bとから構成される〔図2(B),図3参照〕。前記両揺動側板21,21には、締付用貫通孔24,24が形成さ
れ、後述する締付具7の締付ボルト71が貫通する。さらに、前記両揺動側板21,21には、チルトピボット用孔23が形成されている。
前記スライドベース部3は、図2(D),(E)に示すように、スライド底板32の幅方向両側にスライド側板31,31が形成され、両スライド側板31,31の上端にはステアリングコラム6が溶接等の固着手段により固着されている。ここで、前記スライドベース部3及び前記揺動ベース部2の軸方向は、前記ステアリングコラム6の軸方向を基準としている。前記スライド側板31,31には、軸方向に沿って凹ガイド条52,52が形成されている。該凹ガイド条52,52は、前記スライドベース部3の内方側に向かって凹形に窪むように屈曲形成されたものである〔図2(E)参照〕。
凹ガイド条52の軸方向に直交する断面形状は、前記凸ガイド条51と略同様に略半円形状である。凹ガイド条52は、上下方向に対称形状となる2つの傾斜状面52a,52
aと、先端面部52bとから構成される〔図2(E),図3参照〕。前記両スライド側板31,31には、テレスコ調整用長孔34,34が形成されている。該テレスコ調整用長孔34は、その長手方向がステアリングコラム6の軸方向と同一方向(略同一方向も含む)である。前記テレスコ調整用長孔34は、締付具7の締付ボルト71が貫通する。該テレスコ調整用長孔34の形成位置は、前記凹ガイド条52の上方又は下方のいずれでもよいが、前記揺動ベース部2に前記スライドベース部3を装着した状態で、揺動ベース部2の締付用貫通孔24と、スライドベース部3のテレスコ調整用長孔34との位置が一致するように形成される〔図1(C),(D)参照〕。
そして、前記揺動ベース部2に、前記スライドベース部3がステアリングコラム6の軸方向に沿って摺動自在に装着されるものである〔図1(C),(D)参照〕。前記揺動ベース部2の両揺動側板21,21の間隔内に、前記スライドベース部3の両スライド側板31,31が配置され、それぞれの揺動側板21,21と、スライド側板31,31とが当接する〔図1(C)参照〕。すなわち、前記揺動ベース部2の両揺動側板21,21の内面側の間隔と、前記スライドベース部3の両スライド側板31,31の外面側の間隔は、略等しいものである。或いは、両スライド側板31,31の外面側の間隔が前記揺動側板21,21の内面側の間隔よりも僅かに小さく形成されてもよい。そして、揺動ベース部2の両凸ガイド条51,51と、スライドベース部3の両凹ガイド条52,52とが嵌合してガイド部5を構成し、スライドベース部3が揺動ベース部2に摺動自在に嵌合固定されると共に、スライドベース部3は、前記揺動ベース部2の凸ガイド条51,51に従って摺動動作を行い、テレスコ調整ができるようになっている〔図4(A)参照〕。
前記揺動ベース部2の凸ガイド条51と、前記スライドベース部3の凹ガイド条52との嵌合構造について図3に基づいて述べる。前記凸ガイド条51は、前記凹ガイド条52に対して凸形状に屈曲形成された部位であり、前記凹ガイド条52は凹形状に屈曲形成された部位である。前記凸ガイド条51が前記凹ガイド条52に食い込むように挿入して嵌合する構造となっている(図3参照)。まず、凸ガイド条51には、前述したように傾斜状面51a,51aと、先端面部51bとが存在し、同様に凹ガイド条52にも傾斜状面52a,52aと、先端面部52bとが存在する。凸ガイド条51の傾斜状面51aと凹ガイド条52の傾斜状面52aとは同一傾斜角度である。
凸ガイド条51の先端面部51bと、凹ガイド条52の先端面部52bの形状は共に弧状面であるが、凸ガイド条51の先端面部51bは前記凹ガイド条52の先端面部52bよりも曲率半径の大きな弧状面である〔図3(B)参照〕。そして、前記凸ガイド条51が前記凹ガイド条52に挿入嵌合して、揺動ベース部2の両揺動側板21,21間に、スライドベース部3の両スライド側板31,31が配置されて可動ブラケットAが構成され、該可動ブラケットAの揺動ベース部2の揺動側板21,21が、前記固定ブラケット1の両固定側部11,11間に配置され、前記両スライド側板31,31,前記両揺動側板21,21及び両固定側部11,11が締付具7によって締め付けられると、前記凸ガイド条51が前記凹ガイド条52に食い込む構成となる。ここで、凸ガイド条51の先端面部51bは、凹ガイド条52の先端面部52bに接触しない構成であり、傾斜状面51aと傾斜状面52aとは、接触するようになっている〔図3(B)参照〕。
すなわち、前記凸ガイド条51の揺動側板21の内面側からの高さ寸法haは、前記凹ガイド条52のスライド側板31の外面側からの深さ寸法hbよりも小さい。また,両傾斜状面51a,51aの外面側の幅方向寸法Waは、両傾斜状面52a,52aの内面側の幅方向寸法Wbと同一又は、僅かに大きく形成される。これによって、前述したように、傾斜状面51aと傾斜状面52aとは接触し、凸ガイド条51と凹ガイド条52とは確実に嵌合すると共に、凸ガイド条51の先端面部51bは、凹ガイド条52の先端面部52bに接触しないので、前記揺動側板21と前記スライド側板31とは、確実に面接触することができる。
前記凸ガイド条51と前記凹ガイド条52とは相互にくさびとしての役割を果たすものである。そして揺動ベース部2とスライドベース部3とを締付具7にて締め付けると凸ガイド条51と凹ガイド条52とは、摺動不可能となる摩擦力が生じるようになっている。このように凸ガイド条51と凹ガイド条52との嵌合により相互に押圧しあうことで、摩擦力が生じ、揺動ベース部2とスライドベース部3とが強固に結合して、揺動ベース部2とスライドベース部3とからなる可動ブラケットAの締付け時における剛性を高め、且つステアリング装置の剛性を高くすることができる。従って、可動ブラケットAにおいて、揺動ベース部2及びスライドベース部3に摩擦力を生じさせるための部分の外径寸法や肉厚を大きくする必要は無い。また、摩擦力を生じさせるための別の部材を新たに設ける必要もない。
また、前記凸ガイド条51は、揺動ベース部2の両揺動側板21,21において、いずれか一方の片側のみに形成され、同様に、前記凹ガイド条52は、スライドベース部3の両スライド側板31,31において、いずれか一方の片側のみに形成されても構わない。この場合には、揺動ベース部2の凸ガイド条51が形成される揺動側板21と、スライドベース部3の凹ガイド条52が形成されるスライド側板31とは、揺動ベース部2にスライドベース部3を装着した状態において、当然同一側である。また、前記両揺動側板21,21間には、カラー材8が配置されている〔図1(B),(C)参照〕。
次に、第2実施形態を図5乃至図9に基づいて説明する。この第2実施形態においても、揺動ベース部2とスライドベース部3とが存在する〔図5(A),(B),(C)参照〕。揺動ベース部2は、図6(A),(B)及び図8(C)に示すように、ロアーコラム
61と、幅方向両側を揺動側面251,251とした略直方体状のブロック片25とが一
体形成されている。ロアーコラム61は、ステアリングコラム6を構成する部位であり管状に形成されたものである。
その軸方向の前方側にはチルトアーム26が形成されている。前記ブロック片25の幅方向両側は、揺動側面251,251としたものであり、平坦面状に形成されている。また、ブロック片25には、前記ロアーコラム61の軸方向に直交して水平方向に締付用貫通孔24が形成されている〔図6(C)参照〕。前記ロアーコラム61の円筒中空部611の一部は、前記ブロック片25において略半割り円形状部として軸方向後方側に延在している〔図6(A),(B)及び図8(C)参照〕。
スライドベース部3は、図7,図8(A)に示すように、幅方向両側にスライド側板31,31を有し、該両スライド側板31,31間にアッパーコラム62が溶接等の固着手段にて固着されたものである。アッパーコラム62は、図7(B)及び図8(A)に示すように、半割り円筒形状に形成された半割り円筒部621と、円筒部622とから構成され、半割り円筒部621が軸方向前方側に位置し、円筒部622が軸方向後方側に位置して、一体的に形成されたものである。
前記アッパーコラム62の半割り円筒部621は、図7(B),(C),(D)及び図8(B)に示すように、車体側前方において円筒の下方向に断面略半円となる切欠部621aが形成されたものである。該切欠部621aの形成範囲は、その周方向において、完全な半円形状よりも僅かに小さな円弧の領域である〔図7(D)参照〕。円筒部622は、前記半割り円筒部621に対して軸方向後方側に向かうに従い直径が次第に小さくなるテーパー形状となるように絞り状に形成されている〔図7(A),(B),図8(A),(
B)参照〕。ここで、前記ステアリングコラム6における前後方向とは、本ステアリング装置を自動車に装着した状態で、自動車の前後方向を基準とした方向である。すなわち、ステアリング装置の図示しない前輪側を前方側とし、ステアリング装置のハンドルが装着される側を後方側とし、前輪側とハンドル側を結ぶ方向を前後方向という。
前記揺動ベース部2に形成されたロアーコラム61の上面61a側に、前記スライドベース部3に形成されたアッパーコラム62の半割り円筒部621の切欠部621a側から被せられるようにして配置され、スライドベース部3の両スライド側板31,31の間に、前記揺動ベース部2のブロック片25が配置される〔図5(D),(E)参照〕。そして、前記スライドベース部3に形成されたアッパーコラム62が、前記揺動ベース部2のロアーコラム61の上面61aを軸方向に沿って摺動自在となる構造である〔図5(C)参照〕。第2実施形態におけるガイド部5については、前記ブロック片25の幅方向両側の揺動側面251,251に、凹ガイド条52,52が形成されており、前記スライドベース部3の両スライド側板31,31には凸ガイド条51,51が形成される。
前記凹ガイド条52は、前記ブロック片25の両揺動側面251,251に対して、ロアーコラム61の軸方向に沿って溝形状に形成されている〔図6(C),図8(C)参照〕。第2実施形態においても、前記凸ガイド条51が前記凹ガイド条52に食い込むように嵌合する構造である〔図9(A)参照〕。この第2実施形態においても、前記凸ガイド条51には、傾斜状面51a,51aと、先端面部51bとが存在し、同様に凹ガイド条52にも傾斜状面52a,52aと、先端面部52bとが存在する。凸ガイド条51,51及び凹ガイド条52,52の構成及び作用については、前述した第1実施形態の凸ガイド条51及び凹ガイド条52からなるガイド部5と同様の構成であり、且つ同様の作用となるものである〔図9(B)参照〕。
本発明の第1及び第2実施形態において、前述締付具7は、締付ボルト71,ナット72,ロックレバー部73及び締付カム74から構成される。前記締付ボルト71は、調整孔13,締付用貫通孔24,テレスコ調整用長孔34に貫通し、固定ブラケット1に可動
ブラケットAが連結される〔図1(B)参照〕。前記締付ボルト71には、ロックレバー部73及び締付カム74が装着され、前記締付ボルト71がナット72によって固定ブラケット1及び可動ブラケットに装着される。
前記締付カム74は、前記ロックレバー部73の回動操作により、前記締付ボルト71の軸方向において厚さが変化する。そして、前記ロックレバー部73の回動操作により、締付具7全体に締付力が生じて、前記固定ブラケット1の両固定側部11,11が相互に狭まるように押圧され、両固定側部11,11によって、前記可動ブラケットAの幅方向が押圧されて、固定ブラケット1に可動ブラケットAが固定され、或いは、ロックレバー部73の回動操作により、締付を解除してテレスコ調整〔図4(A)参照〕及びチルト調整〔図4(B)参照〕を行ったりすることができる。
1…固定ブラケット、11…固定側部、A…可動ブラケット、2…揺動ベース部、
21…揺動側板、3…スライドベース部、31…スライド側板、5…ガイド部、
51…凸ガイド条、52…凹ガイド条、25…ブロック片、251…揺動側面、
6…ステアリングコラム、61…ロアーコラム、62…アッパーコラム、
621…半割り円筒部、7…締付具。

Claims (3)

  1. 幅方向両側に固定側部を有する固定ブラケットと、前記固定ブラケットの両固定側部間に装着される可動ブラケットと、ステアリングコラムと、前記固定ブラケットと前記可動ブラケットとを連結する締付具とからなるものであって、前記可動ブラケットは、揺動ベース部と、該揺動ベース部に対して軸方向に摺動自在としたスライドベース部と、凸ガイド条と凹ガイド条とからなるガイド部とからなり、前記凸ガイド条は前記揺動ベース部又はスライドベース部のいずれか一方の幅方向両側又は片側に形成され、前記凹ガイド条は前記揺動ベース部又はスライドベース部のいずれか他方の幅方向両側又は片側に形成され、前記揺動ベース部の幅方向に前記スライドベース部の幅方向を対応させると共に前記凸ガイド条が前記凹ガイド条に相互に摺動自在となるように嵌合されてなることを特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1において、前記揺動ベース部は、幅方向両側に揺動側板を有し、前記スライドベース部は、幅方向両側にスライド側板を有し、前記スライドベース部の両スライド側板には前記ステアリングコラムが固着され、前記揺動ベース部の揺動側板には、軸方向に凸ガイド条が形成され、前記スライドベース部のスライド側板には軸方向に沿って凹ガイド条が形成されてなることを特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項1において、前記揺動ベース部は、円筒形状のロアーコラムと、幅方向両側を揺動側面とした略直方体状のブロック片とが一体形成され、前記スライドベース部は、半割り円筒部を有するアッパーコラムの幅方向両側にスライド側板が形成され、前記両揺動側面には、軸方向に沿って凹ガイド条が形成され、前記両スライド側板には軸方向に沿って凸ガイド条が形成され、前記ロアーコラム上面に前記アッパーコラムの半割り円筒部が摺動自在に重合されてなることを特徴とするステアリング装置。
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