JP2010234219A - 竪型粉砕機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明では、補助ローラにより脱気しながら粉砕ローラにより粉砕するタイプの竪型粉砕機において、補助ローラの中心径の寸法が、該粉砕ローラの中心径の寸法より大きくなるように構成する。本発明は前述の構成により、補助ローラの幅広い部分で原料を噛み込むことができるので、原料層を緩やかに圧密することができ、その結果として、回転テーブル上の原料層について、急激な容積変化を抑えながら空隙率を減少させることかできる。従って、回転テーブル上の原料層は、補助ローラで圧密される際においても、従来技術のような急激な容積変化は起こさないので、異常振動が抑制される。また、補助ローラの面圧について、0.3MPa以上から0.5MPa以下の範囲とすることにより、動力の無駄を抑えて、原料層を効果的に圧密することが可能である。
【選択図】 図1
Description
ここで、竪型粉砕機は、原料を効率的に微粉砕することができるという優れた特性を有している反面、原料の種類や粉砕条件によって、異常振動が発生するという問題点を有していた。竪型粉砕機に発生する異常振動は、様々な原因によって誘発されるために、その振動原因に応じた様々な対策を講じる必要がある。そのため、竪型粉砕機について、従来から数多くの異常振動防止対策が提案されている。
なぜなら、原料を微粉砕する際には、竪型粉砕機内で繰り返し原料を粉砕する必要がある。そして、機内で繰り返し粉砕される原料は、循環原料と呼ばれるが、循環原料の粒径は、竪型粉砕機に新たに投入された粉砕前の原料に比較すれば、当然に、小さい。
原料を微粉砕しようとすれば、循環原料の量が増えるので、回転テーブル上の原料層は、粒径の小さな細かな原料を多く含み、空隙率の高い、所謂、嵩高い状態(嵩密度としては低い状態)になる。
従って、嵩高い原料層を、粉砕ローラによって一挙に粉砕しようとすれば、回転テーブル上の原料層の上で、粉砕ローラが滑ってスリップしてしまい、粉砕ローラの回転が不規則になって、異常振動が発生するという問題が生じた。
しかし、特許文献1に開示された従来技術においても、補助ローラで圧密する際の嵩高い原料層は、空気を大量に含んで滑りやすい状況という点に変わりはない。補助ローラで原料層を押す圧力は粉砕ローラで原料層を粉砕する圧力より小さいので、基本的に補助ローラで大きな振動が生じにくい構造であるにしても、補助ローラの下を通過する際に、原料層が大きな容積変化を起こした場合は、補助ローラと原料層が大きくスリップして振動が発生するという問題が生じた。
そのため、補助ローラで原料層を圧密化するにも限度があり、嵩高い原料層を圧密する場合でも、補助ローラにて大きな容積変化が生じないよう注意する必要があった。
その結果、原料層を圧密化できる程度が制限されて、竪型粉砕機の粉砕効率を向上させる上での障害となっていた。
(1) 回転テーブル上に回転自在な粉砕ローラと補助ローラとを配置し、該回転テーブル上に投入した原料を、該補助ローラにより脱気してから粉砕ローラによって粉砕する竪型粉砕機であって、該補助ローラの中心径の寸法が、該粉砕ローラの中心径の寸法より大きくした。
本発明は前述の構成により、補助ローラの幅広い部分で原料を噛み込むことができるので、原料層を緩やかに圧密することができ、その結果として、回転テーブル上の原料層について、急激な容積変化を抑えながら空隙率を減少させることかできる。従って、回転テーブル上の原料層は、補助ローラで圧密される際においても、従来技術のような急激な容積変化は起こさないので、異常振動が抑制される。
図1〜図4は本実施形態に係わり、図1は補助ローラと粉砕ローラの配置を説明する図であり、図2は、竪型粉砕機の全体構成を説明する概念図である。図3は補助ローラと回転テーブルの配置を概念的に説明する図であり、図4は粉砕ローラと回転テーブルの配置を概念的に説明する図である。図5は本実施形態に係わるローラ面圧を説明するための概念図であり、図6は補助ローラによる原料層の圧密挙動を概念的に説明する図である。
図7は補助ローラのローラ面圧と竪型粉砕機の能力比を説明する図である。
本実施形態に用いた竪型粉砕機1は、図2に示すように竪型粉砕機1の外郭を形成するケーシング1B、1A、竪型粉砕機1の下部に設置された減速機2Bと駆動モータ2Mによって駆動される回転テーブル2、コニカル型の粉砕ローラ3及び補助ローラ5等を備えている。
なお、本実施形態に用いた竪型粉砕機1は、駆動モータ2Mの駆動用電源としてインバータ電源を備えて、運転中、回転テーブルの回転速度が任意の変更可能な可変速式の竪型粉砕機1である。
前述した構成の竪型粉砕機1は、運転中に、ガス供給口33よりガス(本実施形態においては空気)を導入することによって、回転テーブル2下方から分級機14を通過して上部取出口39へと流れるガスの気流が生じる構成となっている。
回転テーブル2上で粉砕された原料は、前記ガスにより吹き上げられてケーシング内を上昇し、分級機14方向に流れるが、径が大きく重量の大きな原料は分級機14まで到達できずに、或いは通過できずに落下することによって、竪型粉砕機1内で循環し、再度粉砕される循環原料となる。
なお、分級機14を通過した径の小さな原料は、上部取出口39から製品として取り出される。
なお、補助ローラ5は原料を粉砕するためのローラではない。そのため、通常は、補助ローラの幅寸法W(補助ローラ5の転動面の幅方向寸法)について粉砕ローラ3の幅寸法と同一にしても、その中心径寸法Dは、粉砕ローラより小さい寸法にて設計されていた。
なぜなら、補助ローラ5と粉砕ローラ3との幅寸法Wを同一にすれば、粉砕ローラ3で粉砕する原料層を補助ローラ5で圧密できるであろうという考え方からによる。
そのため、補助ローラ5の中心径寸法Dは、粉砕ローラ3の中心径寸法より小さくても十分に補助ローラ5としての機能を果たすものと考えられていた。
従って、コストを削減するためにも、補助ローラ5は、中心径寸法Dを小さめに作られることが一般的であった。
なお、設備の関係上、粉砕ローラ3として作られたローラを流用して、補助ローラ5として使用する場合も散見されるが、その場合でも補助ローラ3と粉砕ローラ5は同一径でしかない。
図5に示した構成の押圧装置を用いた場合における押圧力Fは、油圧シリンダ8のロッドの引込力(油圧シリンダ力と称することもある)をF1とし、油圧シリンダ8から補助ローラ5までのレーバー比をR(本実施例においては、R=L1/L2である)とすると、F=F1×R+Mである(Mは補助ローラ5等の自重によって生じる粉砕力である)。
従って、補助ローラ5を回転テーブル2に垂直方向に押し付ける力である押圧力をFとした場合において、補助ローラ5の幅方向の中心線と垂直軸との傾き角度をθとすると、ローラ面圧SはS=(F×COSθ)/(W×D)で表される。
また、油圧シリンダ力F1(N)は、緊張油圧をP1(Pa)、油圧シリンダロッド側有効面積をU(m2)とすると、F1=P1×Uで求められる。
従って、F=P1×U×R+Mとなり、油圧シリンダロッド側有効面積Uとレーバー比Rと補助ローラ5等の自重Mとは竪型粉砕機1により決まっている固定値なので、緊張油圧P1を調整することにより、押圧力Fを自在に制御することができる。
なお、スフェリカル形状の竪型粉砕機1の場合においても同様にして押圧力Fを自在に制御できることは勿論である。
竪型粉砕機1の原料投入口35に投入された原料(本実施形態においては石炭)は、原料投入シュート13を介して回転テーブルの中央付近に投入されて、渦巻き状の軌跡を描きながら、回転テーブルの外周側に移動する。
そして、回転テーブル上に投入された原料は、後述する循環原料と回転テーブル2上で合わさって、その大部分が補助ローラ5で圧密されて脱気された後、回転テーブル2と粉砕ローラ3に噛み込まれ粉砕される。そして、回転テーブル2と粉砕ローラ3に噛み込まれて粉砕された原料は、回転テーブル2の外縁部に周設されたダムリング15を乗り越えて、回転テーブル上面2の外周部とケーシングとの隙間である環状通路30(環状空間部30と称することもある)へと向かう。
そして、原料を微粉砕する場合において、竪型粉砕機1内には循環原料の割合が大きくなり、嵩高い原料層が形成される。
一方、所定の粒径まで小さく粉砕された原料は、セパレータ14に到達して通過することにより、上部取出口39より粉砕品として取り出される。
言い換えれば、原料層が嵩高い場合は、補助ローラ5を大きくすればするほど、一度に多くの原料層部分を噛み込んだ状態とすることが可能になる。
補助ローラ5の前と後で原料層の高さが変化した(前寸法がT1、後寸法がT2)場合に、補助ローラ5の中心径寸法がD1>D2ならば、圧密部分の幅寸法はX1>X2となる。そして、補助ローラ5の前と後で原料層の高さ方向の寸法の変化量が同一であるなら、圧密部分の幅寸法X1が大きい中心径寸法D1の方が、緩やかな容積変化を示すことになる。特に、原料を微粉砕する場合には、嵩高い原料層を圧密するので、補助ローラ5の前と後で原料層の高さの違いが大きく、中心径寸法Dを大きくすることにより、圧密部分の幅が大きくなるので、原料層の急激な容積変化が避けられ、効果的である。
本実施形態の竪型粉砕機1においては、補助ローラ5に対しても、急激な容積変化を緩和して、緩やかな容積変化をさせているので、異常振動を生じにくい。
粉砕原料の種類によりピーク圧は多少変化するが、概ね、補助ローラ5に負荷するローラ面圧Sが、補助ローラ5の自重を除いた状態において、0.4MPa(約4kgf/cm2)を超えた辺りから能力が低下し始める。
これは、補助ローラ5に対して過度に大きなローラ面圧を使用すると、原料層に含まれる空気が抜けると同時に、原料層から微粉が抜けだし、その結果、粉砕ローラ3に送られる原料の量が減ってしまうからではないかと推測される。
従って、補助ローラ5に負荷するローラ面圧Sが、前記粉砕ローラの自重を除いた状態において、0.3〜0.5MPaの範囲とすることにより、動力の無駄を抑えた効果的な圧密が可能である。
2 回転テーブル
3 粉砕ローラ
5 補助ローラ
14 分級機
15 ダムリング
35 原料投入口
39 上部取出口
T 原料層厚み
D 中心径寸法(補助ローラ)
W ローラ幅(補助ローラ)
Claims (2)
- 回転テーブル上に回転自在な粉砕ローラと補助ローラとを配置し、該回転テーブル上に投入した原料を、該補助ローラにより脱気してから粉砕ローラによって粉砕する竪型粉砕機であって、
該補助ローラの中心径の寸法が、該粉砕ローラの中心径の寸法より大きいことを特徴とした竪型粉砕機。 - 前記補助ローラに負荷するローラ面圧が、前記粉砕ローラの自重を除いた状態において、0.3〜0.5MPaの範囲であることを特徴とした竪型粉砕機。
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