JP2010234192A - 土壌生成法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
土木・建築現場等で発生する泥土その他の含水土壌を利用してペーパースラッジ灰を土壌成分とする広範囲の用途に有効な土壌を生成するに際して、ペーパースラッジ灰の水溶性フッ化物を土壌生成時の反応によって水に難溶性フッ化物にして生成土壌内に封鎖して、無害化された生成土壌にする。
【解決手段】
含水土壌とペーパースラッジ灰とが混合されて土壌成分としてのペーパースラッジ灰を含有する土壌の生成方法であって、
生成方法の混合が、含水土壌とペーパースラッジ灰の混合物の含有水分がアルカリ性にされて、かつ、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム及び硫酸マグネシウムのいずれかを混入して行われて、
ペーパースラッジ灰が、水が外部から細孔内に入り込む構造の細孔を有して、かつ、細孔容積が0.54(ml/g)以上になっている。
【選択図】なし

Description

本発明は、土木・建築現場等で発生する泥土その他の含水土壌とペーパースラッジ灰の混合(一般的には、混練装置による混練)によって、元の含水土壌の特性には制約されないで種々の用途・目的に使用可能な土壌(例えば、施工用土壌)に生成させ、かつ、その土壌生成に際して、ペーパースラッジ灰から流出のフッ素を水中での反応によって沈澱性のフッ化物化主体の反応生成物にして生成土壌内に閉じ込める土壌生成法に関する。
なお、「ペーパースラッジ灰」の用語は、ペーパースラッジ焼却灰、PS灰、製紙スラッジ焼却灰、製紙スラッジ灰及び狭義の焼却灰と同義語である。本明細書及び本特許請求の範囲においては、「ペーパースラッジ灰」の用語を使用する。
<含水土壌の再生>:
浚渫泥土・建設泥土・スラリー状泥土・軟質土等の土木・建築現場等で発生する含水土壌は、必要に応じて、含水土壌から分離装置により水分を減量し、固化剤及び凝集剤によって土粒子が固化された小さな集合体群が主体の土壌に再生(資源化)されている。
なお、集合体は、従来技術の土壌再生及び本発明の土壌生成においても、大きさが、おおよそ74ミクロン以下が主体である。「集合体」は、含水土壌の再生(再資源化)の技術分野で慣用的に使用される「団粒状体」と同義語である。本明細書及び本特許請求の範囲においては、「集合体」の名称を使用する。
含水土壌の再生で使用される凝集剤は、いずれもが、水を分散媒とする懸濁液の凝集に使用する凝集剤(すなわち、固体粒子間に働く粒子表面の電荷に由来の斥力を低下させる化学物質)であって、殆どが、無機化合物・有機化合物・合成高分子若しくは天然物からなる凝集剤として公知である(例えば、非特許文献1等を参照)。
他方、土粒子を集合体にするのに使用される固化剤は、一般的には、水と接した状態での固化が可能な化学物質で、土粒子集合体に対して強度の付与が可能な化学物質(例えば、セメント及び石膏等)が使用されている。固化剤を土壌に加えると、土粒子の塊(集合)が固化剤の固化により形成される硬い層に覆われた集合体の群を含む土壌に生成するのが容易になるので、固化剤単独若しくは凝集剤との併用で含水土壌の再生化に使用されている。代表的な固化剤は、セメント及び石膏等で含水土壌の固化剤としても周知である。
図4は、代表的な固化剤であるセメントの水和から硬化に至る過程を模式的に示す説明図である。
図4の(A)は、セメントの水和開始の状態を示す説明図である。図3の(B)は、セメントと水との水和反応が進んだ数日後の凝結過程を示す説明図である。図4の(B)では、セメント粒子表面を覆う生成物が十分に厚くなって粒子相互間での接着が始まっている。
図4の(C)は、凝結過程の水和反応がさらに進んで様々な反応生成物が水を満たしていた空間を満たして硬度が高いセメントが生成した状態を示す説明図である。
含水土壌がセメント固化剤により固化される場合には、土粒子間の空間及び土粒子の塊(集合)の表面が硬化したセメント層で覆われるので、再生土壌は、セメント層に土粒子が混在した状態になる(例えば、図4の(C)を参照)。
なお、含水土壌を固化剤及び凝集剤により再生土壌の直接的及び間接的な技術領域では、固化剤と凝集剤との区別が必ずしも明確でなく、凝集剤も土粒子の固化に寄与するとの考えから凝集剤も含めて固化剤と称されることもある。
代表的な固化剤であるセメント・石膏は、土粒子群の表面を覆ってそれ自体が固化するだけで、土粒子表面の電荷に由来する土粒子間の斥力低下作用がないので、土粒子に対する作用の点からは凝集剤と相違する。
但し、凝集剤と固化剤の両方の作用を有する化合物(例えば、酸化マグネシウム)も存在するので、本明細書では、そのような化合物を凝集剤及び固化剤の両方のグループに併記する。
本明細書及び本特許請求の範囲では、土粒子間の斥力低下に働く化学物質には「凝集剤」の名称を使用し、化学物質自体の固化作用によって、土粒子の集合体化に寄与する化学物質には「固化剤」の名称を使用する。
固化剤の使用での問題点>:
従来の含水土壌からの土壌再生では、法規制のコーン指数(qc(kN/m2))の土壌にするのが容易であるために、セメント系・石膏系固化剤が含水土壌に加えられて、土粒子の集合体表面が固化層で覆われた集合体群からなる再生土壌にされている。再生土壌は、土粒子が元の含水土壌に由来するので、再生土壌にしても、希望の施工目的に使用できない場合が生ずる。
しかも、セメント系・石膏系の固化剤としては、例えば、ポルトランドセメント、シリカセメント、アルミナセメント、マグネシウム系セメント、亜鉛系セメント、燐酸系セメント、硬性生石灰、水砕スラグ、石膏、石膏セメント、無水石膏セメント、酸化マグネシウム等が、約10〜15重量%/土壌重量基準で使用されるので、固化剤に起因する問題点が生ずる(例えば、特許文献1等を参照)。
再生土壌が、約10〜15重量%のセメント系固化剤を含むと、セメント鉱物の水和反応によって水酸化カルシウム(Ca(OH))が生成し、それが土壌中の水に溶解して水を強アルカリ性にし、植生に損害を与える等の環境問題を引き起こすので、土壌の強アルカリを中和する中和剤(例えば、無機酸)の併用が必要になる。
また、セメント系固化剤は、セメントの固化・養生に長時間要するので、固化・養生を促進する養生促進剤(例えば、水可溶性アルミニウム塩)の併用が必要になる(例えば、特許文献2を参照)。
更に、石膏系固化剤は、水に接触すると固化剤が溶解して集合体が崩壊し、多量の水分を含む土壌では固化不良が生じるので、集合体の崩壊及び土壌の泥濘化を防止するために強力な水分吸収材が加えられている。
再生土壌での焼却灰の使用>:
含水土壌の水分が多量である場合には、含水土壌の水分を減量してからでないと、固化剤の効果が効かなくなる。含水土壌の水分は、分離装置により減量される場合もあるが、強力な水分吸収材として、フライアッシュ灰、ペーパースラッジ灰、石炭焼却灰、RPF(紙、廃材、廃プラ等からなる燃料)の焼却灰、廃タイヤの焼却灰、木屑若しくは建築廃材の焼却灰が土壌に加えられることがある(例えば、特許文献3を参照)。また、植生に使用する土壌への再生では、保水性が要求されるので、強力な保水効果を確保するために、焼却灰が土壌に加えられる(例えば、特許文献3を参照)。
ペーパースラッジ灰を再生土壌に混ぜる場合の問題点>:
ペーパースラッジ灰は、燃焼源の製紙スラッジにフッ素含有の化合物(例えば、コーテイング剤等)である等に起因して、含水土壌との混合物の水中にフッ素が溶出する。平成3年環境省告示第46号では、ペーパースラッジ灰からのフッ素溶出量の限界値が0.8mg/リットル以下に規制されている。
しかし、ペーパースラッジ灰のフッ素溶出防止手段の殆どが、ペーパースラッジ灰を複数材料により強固に囲んで(覆って)、フッ素がペーパースラッジ灰外へ漏出するのを防止している。次の(1)〜(4)の提案は、代表的な、フッ素漏出防止手段である。
(1)固化材が、ペーパースラッジ灰、フライアッシュ灰、ゼオライト成分100重量部に対して、無機高分子凝集剤1〜16重量部と有機高分子凝集剤1〜25重量部、ポルトランドセメント7〜30重量部、硫酸バンド3〜15重量部、無水石膏0.7〜10重量部、メタクリル酸エステル0.3〜5重量部、リグニンスルホン酸塩類0.08〜0.53重量部、ステアリン酸塩類0.07〜0.40重量部、トリポリリン酸ソーダ0.04〜0.27重量部、水酸化ナトリウム0.01〜0.068重量部の混合物がポルトランドセメントで固化される固化粒状物にされて、ペーパースラッジ灰のフッ素が固化粒状物に閉じ込められている(例えば、特許文献4を参照)。
(2)土壌安定化剤が、腐植100重量部に対して硫酸カルシウム、硫酸鉄等の硫酸化合物並びに同塩化物をそれぞれ10重量部以内で加え加圧混合して泥状の粘性物質とし、乾燥させ固形物を作り、その固形物を粉砕して変性腐植粉末にして、この変性腐植粉末3〜50重量%、無機系凝集剤1〜10重量%、硫酸カルシウム、マイクロシリカの合成物10〜50重量%、フライアッシュ10〜70重量%、ペーパースラッジ灰10〜70重量%からなる均一配合物にしている(例えば、特許文献5を参照)。
(3)ペーパースラッジ灰がセメント・石膏系の固化剤と凝集剤との固化物にされて、ペーパースラッジ灰のフッ素が固化物に閉じ込められている。
(4)ペーパースラッジ灰が硫酸アルミニウム及びセメントとの焼却灰造粒物にして、ペーパースラッジ灰のフッ素が固形物に閉じ込められている。
再生土壌への無機酸・有機酸の付加>:
再生土壌は、セメント・石膏系固化剤によって植生に有害なアルカリ性になるので、中和剤となる無機酸及び有機酸が土壌に付加されている。無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の強酸及び硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄等の解離により強酸となるものも使用される。有機酸としては、蓚酸、クエン酸、リンゴ酸等が付加されている。
<土壌への鉄塩等の付加>:
六価クロムにより汚染された再生土壌では、硫酸第一鉄を還元剤にして六価クロムを三価クロムに還元する場合がある。三価クロムは鉄及び酸化鉄に良く吸着するので、鉄及び酸化鉄が三価クロムの吸着剤として土壌に付加される(例えば、特許文献6を参照)。
特許第3962895号公報 特許第4183103号公報 特開2009−13742号公報 特開2005−113025号公報 特開2002−121555号公報 特許第3974820号公報
森山 登著:〔分散・凝集の化学〕産業図書株式会社 1995年発行
<従来の土壌再生での問題点>:
従来の土壌再生では、代表的には、下記(a)〜(f)等の問題点が存在する。
(a)再生の対象となる含水土壌の土粒子がセメント及び石膏が主体の固化剤により固化して再生されるので、再生土壌が実質的にセメント状になって使用対象が狭い範囲に限定される再生土壌になる。
(b)セメント・石膏等が主体の固化剤を使用すると、土粒子の集合体の粒子間隙及び集合体の表面がセメント若しくは石膏の硬化物で固められて(図3を参照)、実質的にセメント若しくは石膏の硬化物の物性が強く表れる再生土壌になる。
(c)セメント等が使用された再生土壌を施工した土地は、セメント・石膏の硬化物からアルカリ成分が流れでて植物生育が困難になる。
(d)セメントを含む多種成分の混合物の粒状物若しくは焼結物の固化剤(例えば、特許文献4を参照)は、セメントの固化によって他の混合成分の働きが損なわれる。
(e)焼却灰(例えば、ペーパースラッジ灰)の周囲を他の化学物質で覆ってフッ素の溶出を防止する技術では、焼却灰の技術的な特徴(例えば、吸水性)が著しく低下する。
(f)セメント等が多量に使用される再生土壌が施工した土地は、アルカリ化によって土地の再使用が実質的に不可能になって、土地の産業上の利用価値を損なう。
<本発明の目的>:
第一の本発明(請求項1の本発明)の土壌生成法は、それらの問題点を解決して、代表的には、以下の(1)〜(8)の目的を有する。
(1)本発明は、ペーパースラッジ灰を土壌成分として含有し、広範囲の用途に使用が可能な土壌が生成可能で、土壌生成と同時進行で、土壌の無害化(特に、フッ素の土壌内封鎖)が行われる土壌生成法を提供すること、を目的とする。
(2)本発明は、元の含水土壌の土質及びその他の特性に制約されない土壌の生成が可能な土壌生成法を提供すること、をも目的とする。
(3)本発明は、高含水比(%)の含水土壌であっても、十分な締め固め強度(例えば、200kN/m2以上のコーン指数)を保持して泥濘化が生じない土壌の生成が可能な土壌生成法を提供すること、をも目的とする。
(4)本発明は、固化剤及び凝集剤を使用せずに、含水土壌とペーパースラッジ灰とから土壌の生成が可能な土壌生成法を提供すること、をも目的とする。
(5)本発明は、凝集剤のみによってペーパースラッジ灰及び土粒子の集合体の生成及び制御が可能になる土壌生成法を提供すること、をも目的とする。
(6)本発明は、固化剤を使用する場合であっても、従来の再生法に比較して、小量の固化剤を使用して十分な締め固め強度(例えば、200kN/m2以上のコーン指数)を保持して泥濘化が生じない土壌の生成が可能な土壌生成法を提供すること、をも目的とする。
(7) 本発明は、生成土壌のアルカリ化の防止・回避が容易で、植生にも有効な土壌生成が可能な土壌生成法を提供すること、をも目的とする。
(8)本発明は、生成土壌を施工した土地を別の用途への活用が容易で、かつ、産業上の利用価値を損なわない土地にする土壌生成法を提供すること、をも目的とする。
第二の本発明(請求項2の本発明)の土壌生成法は、第一の本発明の目的に加えて、土壌の無害化(特に、フッ素の土壌内封鎖)の効果がより大きく、工業的実施が容易で、かつ、六価クロム及びヒ素が生成土壌に封鎖される土壌生成法を提供すること、を目的とする。
第一の本発明(請求項1の本発明)による土壌生成法は、含水土壌と下記(A)に定義されるペーパースラッジ灰とが混合されて土壌成分としてペーパースラッジ灰が含有される土壌の生成方法であって、
混合は、含水土壌とペーパースラッジ灰の混合物の含有水分がアルカリ性にされて、かつ、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム及び硫酸マグネシウムのいずれか混入されて行われること、を特徴とする。
(A)ペーパースラッジ灰
ペーパースラッジ灰は、含水土壌とペーパースラッジ灰の混合(混練)時に水が外部から細孔内に入り込む構造の細孔を有して、かつ、細孔容積が0.54(ml/g)以上である。
第二の本発明(請求項2の本発明)は、含水土壌と下記(A)に定義されるペーパースラッジ灰とが混合されて土壌成分としてのペーパースラッジ灰を含有する土壌の生成方法であって、
混合は、含水土壌とペーパースラッジ灰の混合物の含有水分がアルカリ性に維持されて、かつ、硫酸第一鉄が混入されて行われること、を特徴とする。
(A)ペーパースラッジ灰
ペーパースラッジ灰は、水が外部から細孔内に入り込む構造の細孔を有して、細孔容積が0.54(ml/g)以上であって、密度が2.1(g/cm3)以上である。
第一の本発明(請求項1の本発明)によれば、代表的には、下記(イ)〜(チ)の効果が得られる。
(イ)ペーパースラッジ灰を土壌成分として含有し、広範囲の用途に使用が可能で、無害化(特に、フッ素の土壌内封鎖)の土壌が生成される。
(ロ)元の含水土壌の土質及びその他の特性に制約されないで、かつ、無害化(特に、フッ素の土壌内封鎖)の土壌が生成される。
(ハ)高含水比(%)の含水土壌を使用しても、締め固め強度(例えば、200kN/m2以上のコーン指数)が保持されて泥濘化しない無害化(特に、フッ素の土壌内封鎖)の土壌が生成される。
(ニ)固化剤及び凝集剤を使用せずに、ペーパースラッジ灰を土壌成分として含有する無害化(特に、フッ素の土壌内封鎖)されている土壌が生成される。
(ホ)凝集剤のみによってペーパースラッジ灰及び土粒子の集合体群が生成・制御されて、無害化(特に、フッ素の土壌内封鎖)の土壌が生成される。
(ヘ)固化剤を使用する場合であっても、従来の再生法に比較して小量の使用で十分な締め固め強度(例えば、200kN/m2以上のコーン指数)を有して泥濘化が生じない無害化(特に、フッ素の土壌内封鎖)の土壌が生成される。
(ト)土壌のアルカリ化が防止されて植生にも有効で無害化(特に、フッ素の土壌内封鎖)の土壌が生成される。
(チ)生成土壌を施工した土地から後日に生成土壌を剥がしても、別の用途への活用が容易で、かつ、産業上の利用価値が維持された土地になる。
第二の本発明(請求項2の本発明)によれば、第一の本発明(請求項1の本発明)の効果に加えて、下記(a)〜(c)等の効果が得られる。
(a)硫酸第一鉄を使用して、フッ素の土壌内封鎖を行うので、土壌の無害化の効果がより大きくなって、工業的実施が容易になる。
(b)六価クロムが三価クロムに還元されて生成土壌内に固定される。
(c)ヒ素が生成土壌内に強固に捕捉されて、ヒ素の無害化が実現できる。
図1は、土粒子とペーパースラッジ灰からなる土壌構造の部分拡大説明図である。 図2は、ペーパースラッジ灰粒子の拡大説明図である。 図3は、反応経路図である。 図4は、セメントの水和から硬化に至る過程を示す説明図である。
本発明の実施の形態を以下に具体的に説明する。
本発明は、含水土壌とペーパースラッジ灰との混合(一般的には、混練機等による混練)によってペーパースラッジ灰を土壌成分とする土壌にする方法であって、その土壌生成と同時進行で、ペーパースラッジ灰からの溶出するフッ化物を水に難溶性のフッ化物に変化させて生成土壌内に封鎖させる(以下において、「フッ素の土壌内封鎖」ということがある)土壌生成法である。
次に、本発明の「土壌生成」及び「フッ素の土壌内封鎖」の詳細は分けて説明する。
なお、以下において、説明の便宜のために「ペーパースラッジ灰粒子」の用語をペーパースラッジ灰の最小単位の語義で使用する。
〔土壌生成〕:
土壌生成は、含水土壌と本発明のペーパースラッジ灰との混合(一般的には、混練装置による)によって、ペーパースラッジ灰を土壌成分とする土壌にする方法であって、土壌生成と同時的にフッ素の土壌内封鎖を進行させるために、土壌生成時の混合に際して、含水土壌とペーパースラッジ灰との混合物の含有水分がアルカリ性にされて、その混合物に硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム若しくは硫酸マグネシウムのいずれかが混入される。
含水土壌とペーパースラッジ灰の混合は、連続式混練装置(スクリュウ式混練装置が代表的)若しくは回分式混練装置(プロペラ式その他の装置による)によるのが一般的である。
混合時の混合物の含有水分は、例えば、(a):ペーパースラッジ灰のアルカリ性(例えば、ペーパースラッジ灰含有の酸化カルシウム・酸化マグネシウム由来のアルカリ性)、(b):水酸化カルシウム又は/及び水酸化マグネシウムの混合物への混入によるアルカリ性若しくは(c);(a)と(b)との併用によりアルカリ性になっている。混合物の含有水分のアルカリ性が、(b)若しくは(c)によるのは、ペーパースラッジ灰に含有のフッ素のアルカリ性が不足して土壌内封鎖の反応が円滑に進行しない場合である。
土壌生成では、混合当初から含水土壌とペーパースラッジ灰との混合物の含有水分がアルカリ性にされて、かつ、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム若しくは硫酸マグネシウムのいずれかが混入された状態にされる。
本発明者による実験主体の検討によれば、本発明のペーパースラッジ灰が使用される場合には、土壌生成においても、以下(1)〜(8)の効果及び特徴が発現する。
(1)含水土壌と本発明のペーパースラッジ灰との強制的混練(混練装置による)では、短時間(例えば、数分以内の極く短時間)でも集合体群が混在する土壌が生成する。
(2)土粒子とペーパースラッジ灰とが密接して隣り合う土壌構造になるのが容易である(例えば、図1を参照)。
図1は、土粒子とペーパースラッジ灰粒子からなる土壌構造の部分拡大説明図である。
図1の土壌構造は、含水土壌と本発明のペーパースラッジ灰が、固化剤及び凝集剤が使用されることなく、混合により土壌に生成されたものである。
図1において、ペーパースラッジ灰粒子は、その細孔に水及び空気が入り込んだ状態で土粒子と接触する等して土壌構造を構成していて、そのような状態で集合体及びそれ以外の土壌構造を構成することが、本発明の効果を享受する要因の一つになっていると考えられる。
(3)含水土壌の土粒子が、ペーパースラッジ灰粒子より面積が大きい場合であっても、混合によって土粒子の周囲にペーパースラッジ灰粒子が密に配置される集合体が形成される。
(4)含水土壌の含水比(%)が200%を超える場合であっても、本発明のペーパースラッジ灰との混合によって、法規制の条件を満たす締固め強度(コーン指数)の土壌の生成が可能になる。
(5)含水土壌とペーパースラッジ灰の混合による生成土壌は、固化剤又は/及び凝集剤を使用すると、締固め強度(コーン指数)が容易に上昇する。
(6)含水土壌とペーパースラッジ灰による生成土壌は、含水比(%)が上昇しても、締固め強度(コーン指数)が維持されて泥濘化が生じない(後記実施例を参照)。
(7)含水土壌とペーパースラッジ灰との混合による生成土壌は、固化材及び凝集剤を使用せずに、法規制のコーン指数を有する土壌になる。
(8)固化剤及び凝集剤を使用する場合であっても、従来の土壌再生法の場合よりも、小量の添加量に抑制することが可能になる。
(9)土壌生成でのペーパースラッジ灰量(kg)/含水土壌量(m3)の比率は、下限が、約30(kg)/1(m3)で、上限が約1200(kg)/1(m3)である。約30(kg)/1(m3)未満であると、生成土壌が本発明の効果が下降する傾向になり、1,200(kg)/1(m3)を超えると、高いコーン指数にするのに無理が生じる傾向がある。
<含水土壌>:
土壌生成の原料となる含水土壌は、浚渫土砂、建設土砂、トンネル掘削発生土砂、粘性土、池底土、腐植土その他の各種の水分含有の土壌である。含水土壌の含水比(%)の下限は特に制約がない。含水土壌が著しい低含水比(%)であるために、混合装置(例えば、スクリュウ式混練装置)の操業が円滑でない場合には、水分の補給により操業が円滑になる。泥土及びそれに類する含水土壌は、一般的には、下限含水比(%)が、18〜30%である。含水土壌の上限含水比(%)は、ペーパースラッジ灰の吸水性等との関係で決まる相対的な量である。含水土壌は、例えば、上限含水比(%)が1000%以上であることも可能である。例えば、含水比(%)が1000%以上である腐植土を使用しても、本発明の土壌生成が可能だからである。
また、原料になる含水土壌の成分(例えば、砂分、シルト分、粘土及びそのたの成分)の組成については制約がない。
<ペーパースラッジ灰>:
ペーパースラッジ灰は、製紙工程でのスラッジ(汚泥)その他の紙にできない部分の焼却灰であって、焼却灰を再焼却した焼却灰であってもよい。ペーパースラッジ灰は、焼却温度及び焼却時間その他によって特性(例えば、吸水能力・保水能力等)が著しく相違し、焼却時間が長い場合には、焼却灰に発生した細孔が溶融によって焼失し、細孔由来の吸水能力・保水能力の大部分が消失する。

そのために、市販・工業化のペーパースラッジ灰には、細孔由来の吸水能力・保水能力を有しても、本発明のフッ素の土壌内封鎖による封鎖効果が生じず、かつ、含水土壌の土粒子と集合体を形成しないものがある。本発明での実験による検討から、フッ素の土壌内封鎖を容易にするためには、本発明のペーパースラッジ灰が、少なくとも、含水土壌とペーパースラッジ灰の混合時に水が外部から細孔内に入り込む構造の細孔を有して、かつ、細孔容積が0.54(ml/g)以上であることが望まれる。本発明での実験による検討からは、下記(A)〜(J)等の化学的事実が見出されている。
(A)図2は、本発明に有効なペーパースラッジ灰粒子の表面を500倍に拡大して示す拡大説明図である。図2において、ペーパースラッジ灰粒子の表面は、表面に開放口を有する細孔が存在するために、表面に凹凸が生成し、土粒子との集合体の形成が容易になって、外部から水が容易に細孔内に入り込む構造になっている。
図2のようなペーパースラッジ灰粒子であると、土壌生成及びフッ素の土壌内封鎖において有効であることが本発明での実験で確認されている。
(B)ペーパースラッジ灰が、含水土壌とペーパースラッジ灰の混合(混練)時に水が外部から細孔内に入り込む構造の細孔を有しない場合には、土壌生成及びフッ素の土壌内封鎖の効果が生ぜず、かつ、高含水比(%)の含水土壌を使用する土壌生成が困難になる。含水土壌の含水比(%)の測定は、JIS A 1203による。
(C)ペーパースラッジ灰の細孔が、本発明の条件を備える場合には、例えば、200%以上の高含水比(%)の含水土壌でも、混合が容易で、かつ、土壌生成が容易である。
(D)ペーパースラッジ灰と土粒子との密度差が、同等若しくは近似の場合には、含水土壌とペーパースラッジ灰との混練による集合体群の形成及び土壌生成が短時間で、生成土壌のコーン指数が向上する。
(E)土粒子とペーパースラッジ灰粒子は、双方の平面最大長さの相違が大きい場合でも、双方の密度差が小さい場合には、混合(混練)による集合体群の形成及び土壌形成が容易である。
(F) ペーパースラッジ灰の細孔容積が、0.54(ml/g)以上である場合には、ペーパースラッジ灰からのフッ化物の溶出速度が速くなって、溶出量も大きくなるところから、土壌生成と同時進行のフッ素の土壌内封鎖が容易に行えて、同時進行若しくは略同時進行に近い時間で完結する。細孔容積の測定は、水銀圧入式ポロシメータによる。
(G)ペーパースラッジ灰は、細孔容積が0.62(ml/g)以上、好ましくは、0.73(ml/g)以上である場合には、ペーパースラッジ灰によるフッ素の土壌内封鎖に要する時間が短くなって、土壌内に封鎖するフッ化物量が増大する。
(H)ペーパースラッジ灰は、細孔容積が大きくなり過ぎると、ペーパースラッジ灰の密度が低下して生成土壌の締固め強度等を低下させる方向に働くので、細孔容積の上限は、例えば、約0.98(ml/g)程度であるのが適している。
(I)ペーパースラッジ灰は、密度が、例えば、2.1(g/cm3)以上であれば、規制内のコーン指数(高いコーン指数)の土壌に生成するのが容易である。密度が、大きくても土壌生成への使用が可能であるが、例えば、2.9(g/cm3)を超えるものまでを必ずしも必要ではない。密度が大きくなると、狭窄物が増大するからである。
(J)ペーパースラッジ灰は、含水土壌の土粒子の密度との差が、0.4〜1.0(g/cm3)であると、集合体群の生成及び土壌形成が容易で、その範囲外であると、困難になる傾向が生じる。
なお、ペーパースラッジ灰の密度の測定は、JIS A 1202による。
<固化剤>:
土粒子とペーパースラッジ灰の混合では、固化剤を使用しなくても、土壌生成が可能である。また、固化剤を使用する場合でも、小量の固化剤の使用によって生成土壌の締固め強度(コーン指数)を大きくすることが可能である。
固化剤は、例えば、ポルトランドセメント、シリカセメント、アルミナセメント、マグネシウム系セメント、亜鉛系セメント、燐酸系セメント、硬性生石灰、水砕スラグ、石膏、石膏セメント、無水石膏セメント及び酸化マグネシウム等の使用が一般的である。
<凝集剤>:
本発明の土壌生成法では、水を分散媒とする分散系の安定低下作用(例えば、電気二重層の圧縮、特定イオンの吸着、特定条件で毛房状のフロックが急速に形成される等の現象を伴う凝集機構、高分子の吸着による生ずる凝集機構等)を有する凝集剤であれば、含水土壌の土粒子とペーパースラッジ灰との集合体の形成に有効である。また、新たな凝集機構による凝集剤であっても、集合体の形成に有効である。凝集剤は、一種若しくは複数種(同種若しくは異種の何れでもよい)の凝集剤の使用が可能である。
化合物凝集剤は、例えば、硫酸バン土(硫酸アルミニウム水和物)、石灰、無水石膏、メタクリル酸エステル、リグニンスルホン酸塩類、ステアリン酸塩類、トリポリリン酸ソーダ、水酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、硫酸第1鉄、ポリ塩化アルミニウム、酸性硫酸ナトリウム、スルファミン酸、ポリアクリル酸、硫酸アンモニウム及び硫酸亜鉛等である。天然物凝集剤は、例えば、グアガム、キサンタンガム及びアルギン酸等である。
高分子凝集剤は、例えば、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(塩化2−ヒドロキシプロピレン−1−N−メチルアンモニウム)、ポリ(塩化2−ヒドロキシプロピレン−1−N、N−メチルアンモニウム)、ポリ〔N−(ジメチルアミノメチル)−アクリルアミド〕、ポリ(硫化水素2−ビニルイミダゾリウム)、ポリ(塩化N、N−ジメチル−3,4−ジメチレンアゾリジウム)、ポリ(N、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)第四級塩、ポリ〔N−(ジメチルアミノプロピル)−メタクリルアミド〕、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸ナトリウム)、ポリ(アクリル酸アンモニウム)、アクリル酸ナトリウム−アクリルアミド共重合体、ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド)及びポリ(ビニルヒドリロン)等である。
<水に難溶のフッ化物にする反応経路の探索>:
本発明者によって、ペーパースラッジ灰から溶出のフッ素イオンを水に難溶のフッ化物に変換する反応経路のための多くの探索実験(実質的に、数百回以上の実験)が行われて、例えば、次の(1)〜(5)及びその他の化学的事実が見出された。
(1)水に難溶のフッ化物には、アルカリ土類金属のフッ化物が周知ではあるが、本発明者の探索実験からは、ペーパースラッジ灰の微量な水溶性フッ化物からアルカリ土類金属のフッ化物にする反応経路は見出さなかった。
また、フッ素の分析は、著しく煩雑な分析技術に属することはよく知られおり、また、測定対象のフッ化物は、極く微量であるので、フッ化物の溶出量を規制量内にするための土壌生成法を見出すことは困難であった。そのような中、探索実験を繰り返し、複数の機器分析による分析結果から解析する等の手段を講じながら、フッ素の土壌内封鎖の結果を得ることができた。
(2)含水土壌とペーパースラッジ灰の混合物の含有水は、ペーパースラッジ灰に含有される酸化カルシウム(CaO)起因のアルカリ性を示す場合が多いので、水溶性フッ化物から水に難溶のフッ化物に至る反応もアルカリ性で進行する反応が望ましいことが、本発明者による反応経路の探索で判断された。
(3)フッ素は殆どの元素と強力に化合する性質を有するところから、ペーパースラッジ灰の水溶性フッ化物も、ペーパースラッジ灰の主成分の元素と化合した水溶性フッ化物である可能性があることが本発明者による反応経路の探索で見いだされた。
そして、ペーパースラッジ灰の主成分である、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化マグネシウム(MgO)の元素と結合した水溶性フッ化物の可能性が実験により検討され、その結果、カルシウムと結合した水溶性フッ化物の存在が検討された。
(4)カルシウムと結合した水溶性フッ化物が、アルカリ性環境で水に難溶性若しくは不溶性のフッ化物に進行する反応経路が、本発明者によって実験により検討された。その結果、硫酸イオンを反応させた場合に沈澱性生成物が生成し、その分析結果によれば、沈澱性生成物にフッ化物が存在し、かつ、カルシウム及び硫酸も存在していた。
(5)反応生成物(沈澱物)を生じさせる硫酸イオン源としては、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム及び硫酸マグネシウムの使用の可能性が確認された。ただし、反応進行の安定性・確実性・取扱いの容易性・工業的実施の容易性の比較からは、硫酸第一鉄が優れていた。
(6)硫酸イオン源は、硫酸第一鉄であれば、生成土壌からのフッ素流出量が規制量内(0.8mg/l(リットル)以下)に制御することも容易であった(例えば、後記実施例1〜7を参照)。
(7)反応生成物のフッ化物の確認は、平成3年環境省告示第46号及びその他の法律に規定の測定法により行われた。
ペーパースラッジ灰に含有のフッ化物が、水中に溶出して、水中に溶存する硫酸第一鉄と反応して水に難溶のフッ化物になる反応経路が、本発明者によりいくつか想定・提案された。図3の反応式は、本発明者による提案の一つの反応経路を示している。
図3の化学式(1)は、ペーパースラッジ灰からフッ素がフッ化カルシウム(CaF2)として溶出し、硫酸第一鉄(FeSO4)と反応して、水に難溶のフッ化第一鉄(FeF2)と水に対する溶解量に制約がある石膏(CaSO4)が生成する反応経路を示している。石膏(CaSO4)は、2水和物が生成する。
ペーパースラッジ灰から溶出するフッ素は、本発明での実施例の検討でも、1.3〜4.3(mg/リットル)程度の微量であるので、図3の化学式(1)の
反応が、進行する確率は高いと想定される。
化学式(2)及び(3)の反応も、僅かではあるが想定されている。
(8)ペーパースラッジ灰のフッ化物が、硫酸第一鉄との反応によって水に難溶のフッ化物への変化には、水中のアルカリ性が影響することが本発明の実験で確認されている。
硫酸第一鉄を水酸化カルシウムと共にペーパースラッジ灰に加えたフッ化物溶出実験によれば、水酸化カルシウムの共存の影響によってフッ化物の溶出量が減少することも本発明での実験で確認されている(例えば、実施例を参照)。
(9)ペーパースラッジ灰を対象とした実験では、硫酸第一鉄と水酸化カルシウムを水に共存させて、水が8以上のpHのアルカリ性になると、溶出フッ化物の量が減少すること(すなわち、水に難溶性フッ化物が増大すること)が本発明の実験で見出されている。
また、水酸化カルシウムの混入によって含水土壌とペーパースラッジ灰の混合物の含有水分をpH:9〜12に調整して、水酸化カルシウムに対して重量比で約10倍の硫酸第一鉄を混入させる実験では、ペーパースラッジ灰から溶出して混合物中の水に溶出する水溶性フッ化物量が、約1/8〜22の量に減少し、かつ、混合物の水に残存する溶出フッ化物量が法規制よりも低いことが本発明の実験で確認されている(例えば、後記実施例を参照)。
水溶性フッ化物を硫酸第一鉄と反応させて水に難溶のフッ化物にする反応は、
pHが7を超えるアルカリ性であれば進行するが、工業的実施では、pHが8
〜12で行うと、反応が円滑に進行して、特に、pHが9〜12の範囲であると、
水溶性フッ化物量から水に難溶性フッ化物への転換が著しいと考えられる。
混合物中の水に溶出するフッ化物量を法規制に合格する程度でよいのであれば、pH:8〜11の範囲でも可能であることも、本発明の実験で確認されている。また、pH:12を超える強アルカリ性でもよいが、強アルカリ性であると生成土壌を中性にする処理が必要になる。
(10)密度が2.1(g/cm3)以上のペーパースラッジ灰と含水土壌の混合から土壌を生成して、その混合の際に、硫酸第一鉄を加えるのであれば、生成土壌が土質において優れて、かつ、生成土壌から流出する水溶性フッ化物量を低下させて、環境からも無害化できる。また、その際に、水酸化カルシウムの添加によりアルカリ性を付与すると、高効率での水溶性フッ化物の封鎖が可能になる。
(11)水酸化カルシウムは、微量であってもアルカリ性付与が可能であって、かつ、硫酸イオンによる中性化が容易である。
(12)図3の化学式(1)の反応では、反応等量の硫酸第一鉄を加えて反応させることが可能であるので、反応制御が容易になる。
<生成土壌の使用>:
例えば、盛土材・埋め込み材・法面形成材・遮水壁の構築材、造園植栽、干拓地の土地化・農地化、住宅地の造成材、工場用地の造成材等の従来の再生土壌では使用ができない用途に使用が可能になる。
なお、本発明においては、本発明の目的に沿うものであって、本発明の効果を特に害さない限りにおいては、改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であって、いずれも本発明の範囲である。
本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、実施例は例示であって本発明を拘束するものではない。
表1は、実施例3〜6の実施例に供されるペーパースラッジ灰であって、本発明に有効なペーパースラッジ灰の平均的な組成の分析値を示している。
表2は、実施例3〜6の実験に供されるサンプル含水土壌1〜5の土粒子密度と含水比(%)の分析値を示し、表3は、そのサンプル含水土壌1〜5の液性限界及び塑性限界の測定値を示している。液性限界及び塑性限界は、JIS A 1205により測定した。
(表1)
(表2)
(表3)
表4は、採取工場等の採取場所が相違する本発明に有効なペーパースラッジ灰をサンプル灰A〜Gとし、平成3年環境省告示第46号(改正平成13環告16)の分析方法によりフッ化物とpHを測定した。以下のフッ化物とpHの測定も同様である。
(表4)
表5は、表4のサンプル灰A〜Gに対して硫酸第一鉄10対水酸化カルシウム1の重量比で調整した混合物を2〜3重量%(サンプル灰と混合物との合計重量基準)加えてフッ化物とpHを測定した測定値である。
表4と表5を対比すると、ペーパースラッジ灰のフッ化物が約10mg/リットル以下で、pHが約9〜12のアルカリ性である場合には、ペーパースラッジ灰のフッ化物を数十分の一の量に減少させて、法規制内のフッ化物濃度に抑制できた。
(表5)
硫酸第一鉄10対水酸化カルシウム1の重量比で調整した混合物を2重量%(サンプル灰と混合物との合計重量基準)加えた(表1)のペーパースラッジ灰400Kgと、(表2)の含水土壌1の1m3を混合して土壌を生成した。
表6の土壌1の欄によれば、含水土壌1は小量のフッ化物を含む流動性を有する酸性の含水土壌である。
表6の生成土壌の欄によれば、ペーパースラッジ灰400Kgから流入したフッ化物の大半が水に難溶のフッ化物にされて生成土壌内に封鎖され、含水土壌1の酸性が中和されて中性近傍になって、コーン指数が第3種建設発生土の区分であった。なお、コーン指数と建設発生土の区分との関係は、国土交通省の「発生土利用基準」による。
なお、以下の表6〜10中のコーン指数の単位は、(kN/m2)である。
(表6)
実施例4は、実施例3の含水土壌1に換えて(表2)の含水土壌2を使用した実施例である。
表7の含水土壌2の欄によれば、含水土壌2も小量のフッ化物を含む流動性を有する弱アルカリ性の含水土壌である。
表7の生成土壌の欄によれば、ペーパースラッジ灰400Kgから流入したフッ化物の大半が水に難溶のフッ化物にされて生成土壌内に封鎖され、含水土壌2が有していた弱アルカリ性が中性になって、コーン指数が第2種建設発生土の区分であった。
(表7)
実施例5は、実施例4の含水土壌2に換えて(表2)の含水土壌3を使用した実施例である。
表8の含水土壌3の欄によれば、含水土壌3も小量のフッ化物を含む流動性を有する弱酸性の含水土壌である。
表8の生成土壌の欄によれば、ペーパースラッジ灰400Kgから流入したフッ化物の大半が水に難溶のフッ化物にされて生成土壌内に封鎖され、土壌3が有していた弱アルカリ性が中性近傍になって、コーン指数が第3種建設発生土の区分であった。
(表8)
実施例6は、実施例5の含水土壌3に換えて(表2)の含水土壌4を使用した実施例である。
表9の含水土壌4の欄によれば、含水土壌4も小量のフッ化物を含んで弱酸性を有する流動性の含水土壌である。
表9の生成土壌の欄によれば、ペーパースラッジ灰400Kgから流入したフッ化物の大半が水に難溶のフッ化物にされて生成土壌内に封鎖され、土壌4の弱酸性が中性近傍になって、コーン指数が第3種建設発生土の区分であった。
(表9)
実施例7は、実施例6の含水土壌4に換えて(表2)の東京湾内の水底土砂である含水土壌5を使用した実施例である。
表10の含水土壌5の欄によれば、水底土砂の含水土壌5も小量のフッ化物を含み弱酸性を有する流動性の含水土壌である。
表10の生成土壌の欄によれば、ペーパースラッジ灰400Kgから流入したフッ化物の大半が水に難溶のフッ化物にされて生成土壌内に封鎖され、含水土壌5の弱アルカリ性のpHが、よりアルカリ側に傾いてコーン指数が第2種建設発生土の区分になって、ヒ素化合物の溶出量が著しく減少した。
なお、表10のフッ化物、pH及びヒ素化合物の測定は、平成15年12月:東京都港湾局による東京湾内における水底土砂の調査要綱にある分析試験方法によった。
なお、表10中のヒ素化合物の単位は、(mg/L)である。
(表10)
本発明によれば、廃棄される泥土等の含水土壌の土粒子とペーパースラッジ灰が主体的土壌成分となる土壌が、フッ化物の流出抑制によって環境に適合して無害化された生成法により生成される。 また、廃棄される泥土等の再資源化の範囲が広がり、かつ、従来の再生土壌が使用さらに領域(例えば、造園植栽地等)にも、生成土壌が使用される。

Claims (5)

  1. 含水土壌と下記(A)に定義されるペーパースラッジ灰とが混合されて土壌成分としてのペーパースラッジ灰を含有する土壌の生成方法であって、
    混合が、含水土壌とペーパースラッジ灰の混合物の含有水分がアルカリ性にされて、かつ、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム及び硫酸マグネシウムのいずれか混入されて行われること、を特徴とする土壌生成法。
    (A)ペーパースラッジ灰
    ペーパースラッジ灰は、水が外部から細孔内に入り込む構造の細孔を有して、かつ、細孔容積が0.54(ml/g)以上である。
  2. 含水土壌と下記(A)に定義されるペーパースラッジ灰とが混合されて土壌成分としてのペーパースラッジ灰を含有する土壌の生成方法であって、
    混合が、含水土壌とペーパースラッジ灰の混合物の含有水分がアルカリ性にされて、かつ、硫酸第一鉄が混入されて行われること、を特徴とする土壌生成法。
    (A)ペーパースラッジ灰
    ペーパースラッジ灰は、外部から細孔内に入り込む構造の細孔を有して、細孔容積が0.54(ml/g)以上で、密度が2.1(g/cm3)以上である。
  3. 前記混合での混合物の含有水分が、pH8以上のアルカリ性にされていること、を特徴とする請求項1若しくは2に記載の土壌生成法。
  4. 前記混合での混合物の含有水分が、ペーパースラッジ灰のアルカリ性、水酸化カルシウム若しくは水酸化マグネシウムの混入によるアルカリ性若しくはそれら併用によるアルカリ性によって、pH8以上にされていること、を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の土壌生成法。
  5. 前記混合は、ペーパースラッジ灰量(kg)/含水土壌量(m3)の比率が、30(kg)/1(m3)〜1200(kg)/1(m3)であること、を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の土壌生成法。
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