JP2010232146A - 積層式電池 - Google Patents

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JP2010232146A JP2009081343A JP2009081343A JP2010232146A JP 2010232146 A JP2010232146 A JP 2010232146A JP 2009081343 A JP2009081343 A JP 2009081343A JP 2009081343 A JP2009081343 A JP 2009081343A JP 2010232146 A JP2010232146 A JP 2010232146A
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Hitoshi Maeda
仁史 前田
Atsuhiro Funabashi
淳浩 船橋
Masayuki Fujiwara
雅之 藤原
Masataka Shinyashiki
昌孝 新屋敷
Nobuyuki Tamura
宜之 田村
Yasuyuki Okuda
泰之 奥田
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Sanyo Electric Co Ltd
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

【課題】ハイレートで放電を行った場合に効果的に電極反応を均一化して長寿命とすることが可能な積層式電池を提供すること。
【解決手段】正極タブ11が形成された正極板1と負極タブ12が形成された負極板2とをセパレータを介して交互に積層してなる積層電極体10を備える積層式電池において、少なくとも正極板1に、正極タブ11から負極タブ12へ電流が最短距離で流れる電流経路R1に交差する切れ込み31を形成することにより、最短電流経路R1を遮断し、電流がこの切れ込み31を迂回して流れるようにする。
【選択図】図9

Description

本発明は、ロボット、電気自動車などに使用される大容量でハイレート特性を有し、長寿命である積層式電池に関する。
例えばロボットや電気自動車等の電源は、大容量でハイレート特性を有すること等が要望される。このような要望を満足するものとして、近年、高エネルギー密度を有するリチウムイオン電池が注目されている。このリチウムイオン電池の構造として、正極板および負極板をセパレータを介して交互に積層してなる積層電極体を外装体に収容した、積層式電池と称されるものがある。
上記積層式電池においては、ハイレートで放電を行うと、低レートの場合に比して、電極板で電流がより最短距離で流れようとする傾向が強くなるため、電極リードから遠い位置にある活物質が電極反応に利用され難く、したがってこのような状態で充放電サイクルを繰り返すと、電極の部位により劣化の程度に差が生じ、その結果電池の寿命も短くなるという問題がある。
そこで、特許文献1には、電極の幅の50%以上の幅を有する電極リードを形成するようにし、これにより電極反応を均一化するようにした角型の積層式電池が開示されている。
特開平9−213301号公報
しかしながら、上記のように電極リードの幅を広くする方法では、例えば同文献に示されているように正極リードと負極リードとを電極板の対向する辺からそれぞれ延出させるようにした場合には有効であるが、正極リードと負極リードとを電極板の同一辺から延出させるようにした場合には、いくら電極リードの幅を広くしても、電流が最短距離で流れて正負極リードから遠い位置には流れ難いという傾向には変わりがなく、したがって電極反応は均一化されない。
したがって、本発明は、ハイレートで放電を行った場合に効果的に電極反応を均一化して長寿命とすることが可能な積層式電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に、本発明に係る積層式電池は、
正極リードが形成された正極板と負極リードが形成された負極板とをセパレータを介して交互に積層してなる積層電極体を備える積層式電池であって、
少なくとも前記正極板に、前記正極リードから負極リードへ電流が最短距離で流れる電流経路に交差する切れ込みが形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、正極リードから負極リードへ電流が最短距離で流れる電流経路(以下、「最短電流経路」とも称す)が切れ込みにより遮断され、放電時に流れる電流がこの切れ込みを迂回して流れるようになる。したがって、この最短電流経路から離れる位置においても活物質が電極反応に利用されるようになって電極反応が均一化されることとなる。
またこのとき、少なくとも正極板に切れ込みを設けるだけであるので、簡潔な構成によって効果的に電極反応を均一とすることができ、活物質量が不必要に減少することもない。
前記正極リードと負極リードとが前記正極板および負極板における同一辺に形成され、該正極リードと負極リードとの間の位置に切れ込みが形成されていることが望ましい。
正極リードと負極リードとが正極板および負極板における同一辺に形成される場合には、組電池を構成する際に、複数の積層式電池の端子間の接続や配線等を容易に行うことができるが、この場合、最短電流経路がこの正負極リードが形成された一辺に沿った直線上に延びるように形成されることとなって、正極板および負極板における正負極リード形成側と反対側では活物質が電極反応に利用され難くなる。この構成においては、電極反応を均一化することは困難であり、例えば前述のように電極リードの幅を広くするといった方法は全く通用しない。したがってこの場合、切れ込みを形成することにより電極反応を均一化するようにした本発明が特に好適に適用される。
前記積層式電池が、電流値が10.0It以上のハイレートで放電されるものであることが望ましい。
電流値10.0It程度またはこれ以上のハイレートとなるほど、積層電極体においては電流がより最短電流経路で流れようとする傾向が強くなるので、これにともない電極反応がより不均一となっていくこととなる。したがって、切れ込みを形成することにより電極反応を均一化するようにした本発明が特に好適に適用される。
前記切れ込みが正極板のみに形成されていることが望ましい。
切れ込みは、正極板および負極板の両者に形成するようにしてもよく、さらにはセパレータにも形成するようにしてもよいが、正極板のみに形成するようにすれば、工数も削減できて容易かつ安価に電池を作製することができる。
正極板における正極リード形成辺の長さ(幅)をa、正極板における正極リード形成辺に隣接する辺の長さ(高さ)をb、切れ込みの長さをdとしたとき、a<bかつb−a/2<dであることが望ましい。
正極板の高さbが幅aよりも大きい(即ち縦長の)正極板の場合、切れ込みの長さdが、正極板の高さbから正極板の幅aの半分を引いた残余(b−a/2)より大となっていれば、切れ込みの長さdが十分となって電極反応を効果的に均一化することができる。
正極板における正極リード形成辺に隣接する辺の長さ(高さ)をb、正極リードの幅をc、切れ込みの長さをdとしたとき、d<b−cであることが望ましい。
切れ込みの長さdが、正極板の高さbから正極リードの幅cを引いた残余(b−c)より小となっていれば、この切れ込みの先端とその延長線上に位置する正極板の端部との間の部分すなわち電流が切れ込みを迂回して流れる電流経路の幅が正極リードの幅cよりも大となって十分な幅となる。
前記切れ込みが、最短電流経路に直交する直線状に形成されていることが望ましい。
切れ込みは、最短電流経路に交差するものであれば任意の形状のものであってもよいが、最短電流経路に直交する直線状に形成されていれば、電流を最短電流経路に直交する方向に迂回させることができるから、電極板に電流をより効果的に行き渡るように流すことができて電極反応をより効果的に均一化することができる。
前記切れ込みの幅が、0.1〜1.0mmとなっていることが望ましい。
切れ込みの幅にも特に制限はないが、0.1mm以上であれば、(短絡したりすることなく)確実に電流を遮断することができ、1.0mm以下であれば、切れ込みが必要以上に幅広となることによる電極板の余計な欠損を抑制することができる。
本発明の積層式電池によれば、最短電流経路に交差する切れ込みを少なくとも正極板に形成することにより、ハイレートでの放電時に流れる電流をこの切れ込みを迂回して流すようにすることができ、したがって、この最短電流経路から離れる位置においても活物質が電極反応に利用されるようすることができて電極反応を均一化することができ、この結果、電池をより長寿命とすることができる。また、少なくとも正極板に切れ込みを設けるだけの簡潔な構成によって効果的に電極反応を均一化することができる。
本発明の積層式電池の一部を示す図であって、同図(a)は正極の平面図、同図(b)はセパレータの斜視図、同図(c)は正極が内部に配置された袋状セパレータを示す平面図である。 本発明の積層式電池に用いる負極板の平面図である。 本発明の積層式電池に用いる積層電極体の分解斜視図である。 本発明の積層式電池に用いる積層電極体の平面図である。 正負極タブと正負極集電端子とを溶着した状態を示す平面図である。 本発明の積層式電池に用いる外装体に図5の積層電極体を挿入した状態の斜視図である。 本発明電池および比較電池を用いてハイレート(10It)で放電を行ったときの放電容量の、低レート(1It)で放電を行ったときの放電容量に対する比を示すチャートである。 比較電池を用いてハイレートで放電を繰り返した場合の電流分布を示す概念図である。 本発明電池を用いてハイレートで放電を繰り返した場合の電流分布を示す概念図である。
以下、本発明を図面を参照しながら更に詳細に説明するが、本発明は以下の最良の形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
〔正極の作製〕
正極活物質としてのLiCoOを90質量%と、導電剤としてのカーボンブラックを5質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを5質量%と、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混合して正極用スラリーを調製した後、この正極用スラリーを、正極集電体としてのアルミニウム箔(厚み:15μm)の両面に塗布した。その後、溶剤を乾燥し、ローラーで厚み0.1mmにまで圧縮した後、図1(a)に示すように、幅L1=85mmおよび高さL2=90mmを有する矩形状となるように切断して、両面に正極活物質層1aを有する正極板1を作製した。この際、正極板1における一方短辺(図1(a)における上辺)の一方端部(図1(a)における左端部)から、幅L3=30mmおよび高さL4=20mmを有する矩形状の活物質未塗布部を延出させて正極タブ11とした。
また、正極板1における上記短辺(図1(a)における上辺)の中央から内側へ直角に延びる幅W1=0.5mm、長さD1=50.0mmのスリット状の切れ込み31を設けるようにした。
〔負極の作製〕
負極活物質としての黒鉛粉末を95質量%と、結着剤としてのポリフッ化ピニリデンを5質量%と、溶剤としてのNMP溶液とを混合して負極用スラリーを調製した後、この負極用スラリーを負極集電体としての銅箔(厚み:10μm)の両面に塗布した。その後、溶剤を乾燥し、ローラーで厚み0.08mmにまで圧縮した後、図2に示すように、幅L7=90mmおよび高さL8=95mmを有する矩形状となるように切断して、両面に負極活物質層2aを有する負極板2を作製した。この際、負極板2における一方短辺(図2における上辺)の一方端部(図2における右端部)から、幅L9=30mmおよび高さL10=20mmを有する矩形状の活物質未塗布部を延出させて負極タブ12とした。
〔正極板が内部に配置された袋状セパレータの作製〕
図1(b)に示すように、幅L5=90mmおよび高さL6=95mmを有する2枚の方形状のポリプロピレン(PP)製のセパレータ3a(厚み30μm)の間に正極板1を配置した後、図1(c)に示すように、セパレータ3aの周辺部を融着部4で熱溶着して、正極板1が内部に収納・配置された袋状セパレータ3を作製した。
〔積層電極体の作製〕
上記正極板1が内部に配置された袋状セパレータ3を50枚、負極板2を51枚調製し、図3に示すように、該袋状セパレータ3と負極板2とを交互に積層した。その際、両端面部に負極板2が位置するようにした。ついで、図4に示すように、この積層体の両端面を形状保持のための絶縁テープ19で接続して、積層電極体10を得た。
〔集電端子の溶接〕
図5に示すように、積層された正極タブ11および負極タブ12のそれぞれの延出端部に、幅15mm、厚み0.5mmのアルミニウム板よりなる正極集電端子15ならびに幅15mm、厚み0.5mmの銅板よりなる負極集電端子16を、それぞれ幅方向に並ぶ溶接点15W、16Wで超音波溶接法により接合した。
〔外装体への封入〕
図6に示すように、あらかじめ電極体が設置できるように成形した2枚のラミネートフィルム17で構成した外装体18に、上記積層電極体10を挿入し、正極集電端子15および負極集電端子16のみが外装体18より外部に突出するよう正極集電端子15および負極集電端子16がある辺を熱融着するとともに、残りの3辺の内、2辺を熱融着した。
〔電解液の封入、密封化〕
上記外装体18の熱溶着していない1辺から、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPFが1M(モル/リットル)の割合で溶解された電解液を注入し、最後に熱溶着していない1辺を熱溶着することにより積層式電池を作製した。
(実施例)
実施例の積層式電池としては、上記発明を実施する為の形態で説明した積層式電池と同様に作製したものを用いた。
このようにして作製した積層式電池を、以下、本発明電池A1と称す。
(比較例)
前記本発明電池A1において、正極板1に切れ込みを設けないようにする以外は全て同様にして、積層式電池を作製した。
このようにして作製した積層式電池を、以下、比較電池Z1と称す。
〔放電試験〕
上記本発明電池A1および比較電池Z1をそれぞれ、1It(12A)の定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、この後、1It(12A)の定電流で電池電圧が2.5Vに達するまで放電し、放電容量を測定した。
また、上記本発明電池A1および比較電池Z1をそれぞれ、1It(12A)の定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、この後、10It(120A)の定電流で電池電圧が2.5Vに達するまで放電し、放電容量を測定した。このときの測定結果を図7に示す。
上記放電試験において、本発明電池A1および比較電池Z1を10Itで放電したときの放電容量は、1Itで放電したときの放電容量に対する比でそれぞれ96%、93%であった。
上記放電試験の結果から明らかなように、正極板1に切れ込み31を設けるようにした本発明電池A1は、切れ込みを設けないようにした比較電池Z1に比して、ハイレートで放電したときの放電容量の低下が小さい。これは、切れ込み31の形成によりハイレート放電時における電極反応が均一化されたことによるものと考えられる。
〔充放電試験〕
上記本発明電池A1および比較電池Z1を用いて1It(12A)の低レートで充放電を300サイクル繰り返した後、各電池A1、Z1を分解して正極板1および負極板2の表面の状態を観察した。また、これと同様にして、上記本発明電池A1および比較電池Z1を用いて1Itで充電し、10It(120A)のハイレートでの放電を同じく300サイクル繰り返した後、各電池A1、Z1を分解して正極板1および負極板2の表面の状態を観察した。その結果、低レートおよびハイレートのいずれの場合にも、正極板1および負極板2において活物質が電極反応に利用されることにより変色が生じているが、該正極板1および負極板2の全面が均一に変色するのではなく、領域によって変色の度合いに差が出ていること、即ちムラが生じていることが認められた。このとき、電流値1.0Itの低レートで充放電を行った場合、本発明電池A1および比較電池Z1のいずれにおいても変色のムラは比較的に小さかった。一方、電流値10Itのハイレートで充放電を行った場合、本発明電池A1および比較電池Z1のいずれにおいても変色のムラが上記低レートの場合よりも大きくなっていたが、本発明電池A1では低レートの場合に比して変色のムラの度合いに大きな差はみられなかったのに対し、比較電池Z1では低レートの場合よりも変色のムラの度合いが著しく大きくなっていた。このときの変色の状況から、電流値10Itのハイレートで放電を繰り返した場合の電流分布は、およそ図8および図9の概念図に示すようになっているものと考えられる。
図8に示すように、切れ込みを設けないようにした比較電池Z1の正極板1および負極板2においては、電流経路が、左上端の正極タブ11と右上端の負極タブ12とを結ぶ直線(即ち正極板1および負極板2における正極タブ11ないし負極タブ12形成側短辺)に沿った最短電流経路R1から、正負極タブ11、12形成側と反対側(図8における下側)へしだいに波状に拡がっていき、その最も外側では、正極タブ11から、正負極タブ11、12形成側と反対側へ概略弧状に膨出しながら負極タブ12へと延びる電流経路R2となっていると考えられ、全体として、矩形状の正極板1ないし負極板2における正負極タブ11、12形成側短辺の一方端から他方端へ、正負極タブ11、12形成側と反対側へ概略半長円状に膨出するように湾曲しながら延びる境界線B1により区画される概略U字形状の領域H1内に集中して電流が流れており、この境界線B1よりも外側の領域(即ち図8における下側の領域)N1では電流量が大幅に低下しているものと考えられる。即ち、低レートで充放電を行った場合にはより広範囲に電流が流れていたところが、ハイレートで充放電を繰り返した場合には、電流がより最短距離で流れようとする傾向が強くなり、その結果、電流経路が全体的に最短電流経路R1に近寄るように集中して、上記のような概略U字形状の領域H1内に集中して電流が流れるようになっているものと考えられる。
これに対し、図9に示すように、本発明電池A1では、正極板1において、正極タブ11形成側(図8における上側)のほぼ半分の領域における中央を上端から縦貫するように切れ込み31が設けられているので、この領域内の電流経路がこの切れ込み31により遮断され、電流は、切れ込み31に沿って正極タブ11形成側と反対側へ流れ、切れ込み31の先端の周りを折り返すようにして負極タブ12へと流れるようになっており、したがって、全体として、正極タブ11から、切れ込み31を迂回して正負極タブ11、12形成側と反対側へ概略U字状に大きく遠回りしながら負極タブ12へと延びる電流経路R3となっていると考えられる。これにより、正極板1および負極板2において電流が広範囲に行き渡るように流れて電極反応が均一化されるようになっている。なお、図9では、切れ込み31が形成されない場合における最短電流経路R1を仮想線により図示しており、この仮想の最短電流経路R1が切れ込み31により遮断されるようになっている。
〔本発明電池の効果〕
上記本発明電池A1は、正極タブ(正極リード)11が形成された正極板1と負極タブ(負極リード)12が形成された負極板2とを袋状セパレータ3を介して交互に積層してなる積層電極体10を備える構成であって、上記正極板1に、前記正極タブ11から負極タブ12へ電流が最短距離で流れる電流経路R1に交差する切れ込み31が形成されているので、最短電流経路R1が切れ込み31により遮断され、ハイレートでの放電時に流れる電流がこの切れ込み31を迂回して流れるようになっている。したがって、この最短電流経路R1から離れる位置においても活物質が電極反応に利用されて電極反応が均一化されるようになっている。
またこのとき、正極板1に切れ込み31を設けただけであるので、簡潔な構成によって効果的に電極反応が均一化されている。
また、正極タブ11と負極タブ12とが正極板1および負極板2における同一辺に形成され、該正極タブ11と負極タブ12との間の位置に切れ込み31が形成されている。
一般に、正極タブ(正極リード)と負極タブ(負極リード)とが正極板および負極板における同一辺に形成される場合には、最短電流経路がこの正負極タブが形成された一辺に沿った直線上に延びるように形成されることとなり、正極板および負極板における正負極タブ形成側と反対側では活物質が電極反応に利用され難くなって電極反応が不均一となる。したがって、切れ込み31を形成することにより電極反応を均一化するようにした構成が特に有用となっている。
また、上記本発明電池A1が、電流値が10It以上のハイレートでの運転(充放電)に好適なものとなっている。
電流値10It程度またはこれ以上のハイレートとなるほど、積層電極体においては電流がより最短電流経路で流れようとする傾向が強くなるので、これにともない電極反応がより不均一となっていくこととなる。したがって、切れ込み31を形成することにより電極反応を均一化するようにした本発明電池A1が特に好適となっている。
また、切れ込み31が正極板1のみに形成されているので、工数も削減され、容易かつ安価に作製することが可能な本発明電池A1となっている。
また、正極板1における正極タブ11形成辺の長さ(幅)をa、正極板1における正極タブ11形成辺に隣接する辺の長さ(高さ)をb、切れ込み31の長さをdとしたとき、a=L1=85mm、b=L2=90mm、d=D1=50mmであるから、式a<bかつb−a/2<dを満たすようになっている。正極板1は、高さbが幅aよりも大きい(即ち縦長の)正極板となっており、切れ込み31の長さdが、正極板1の高さbから正極板1の幅aの半分を引いた残余(b−a/2)より大となっているので、切れ込み31の長さdが十分となっていて電極反応が効果的に均一化されるようになっている。
また、正極板1における正極タブ11形成辺に隣接する辺の長さ(高さ)をb、正極タブ11の幅をc、切れ込み31の長さをdとしたとき、b=L2=90mm、c=L3=30mm、d=D1=50mmであるから、式d<b−cを満たしており、したがって切れ込み31の先端とその延長線上に位置する正極板1の端部(図9における下端)との間の部分すなわち電流が切れ込み31を迂回して流れる電流経路R3の幅が正極タブ11の幅よりも大きく十分な幅となっている。
また、切れ込み31が、最短電流経路R1に直交する直線状に形成されているので、電流が最短電流経路R1に直交する方向(図9における下方)に迂回するようになっているから、電極板に電流がより効果的に行き渡るように流れて電極反応がより効果的に均一化されるようになっている。
また、切れ込み31の幅W1が0.5mmとなっているので、(短絡したりすることなく)確実に電流を遮断することができるとともに、切れ込み31が必要以上に幅広となることによる正極板1の余計な欠損が抑制されている。
〔その他の事項〕
(1)上記本発明電池A1においては、切れ込み31が正極板1のみに形成されているが、切れ込みは正極板および負極板の両者に形成するようにしてもよく、さらにはセパレータにも形成するようにしてもよい。この場合、例えば正極板、負極板およびセパレータを積層した状態で一度に切れ込みを入れるようにしてもよいが、正極板、負極板およびセパレータに個別に切れ込みを入れるとすれば、上記本発明電池A1のように正極板1のみに形成するようにしたほうが工数も削減できて容易かつ安価に電池を作製することができる。
(2)切れ込みは、最短電流経路に交差する位置であれば任意の位置に形成すればよく、例えば、正負極タブ形成短辺上の正極タブと負極タブとの間において、正極タブおよび負極タブのうちいずれか一方の側へ多少とも寄せるようにして形成してもよいが、上記本発明電池A1のように正極タブ11と負極タブ12との間の中間位置に切れ込み31を形成するほうが、電極反応をより均一とする上で望ましい。
(3)切れ込みは、最短電流経路に交差するものであれば、その交差角度も任意であり、形状としても例えば曲線状、屈曲状、波状等の任意の形状であってもよいが、上記本発明電池A1のように最短電流経路R1に直交する直線状とするほうが、前述の通り、電極反応をより効果的に均一化することができる。
(4)正極活物質としては、上記コバルト酸リチウムに限定されるものではなく、コバルト−ニッケル−マンガン、アルミニウム−ニッケル−マンガン、アルミニウム−ニッケル−コバルト等のコバルト、ニッケル或いはマンガンを含むリチウム複合酸化物や、スピネル型マンガン酸リチウム等でも構わない。
(5)負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛以外にも、グラファイト・コークス・酸化スズ・金属リチウム・珪素・及びそれらの混合物等、リチウムイオンを挿入脱離できうるものであれば構わない。
(6)電解液としても特に本実施例で示したものに限定されるものではなく、リチウム塩としては例えばLiBF、LiPF、LiN(SOCF,LiN(SO,LiPF6―x(C2n+1[但し、1<x<6、n=1又は2]等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を混合して使用できる。支持塩の濃度は特に限定されないが、電解液1リットル当り0.8〜1.8モルが望ましい。また、溶媒種としては上記ECやMEC以外にも、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等のカーボネート系溶媒が好ましく、更に好ましくは環状カーボネートと鎖状カーボネートの組合せが望ましい。
本発明は、例えばロボットや電気自動車等に搭載される動力用などの高出力用途の電源に好適に適用することができる。
1 正極板
11 正極タブ(正極リード)
2 負極板
12 負極タブ(負極リード)
10 積層電極体
31 切れ込み
R1 最短電流経路

Claims (5)

  1. 正極リードが形成された正極板と負極リードが形成された負極板とをセパレータを介して交互に積層してなる積層電極体を備える積層式電池であって、
    少なくとも前記正極板に、前記正極リードから負極リードへ電流が最短距離で流れる電流経路に交差する切れ込みが形成されていることを特徴とする積層式電池。
  2. 前記正極リードと負極リードとが前記正極板および負極板における同一辺に形成され、該正極リードと負極リードとの間の位置に切れ込みが形成されている、請求項1に記載の積層式電池。
  3. 電流値が10It以上のハイレートで放電されるものである、請求項1または請求項2に記載の積層式電池。
  4. 正極板における正極リード形成辺の長さ(幅)をa、正極板における正極リード形成辺に隣接する辺の長さ(高さ)をb、切れ込みの長さをdとしたとき、a<bかつb−a/2<dである、請求項1から請求項3のいずれかに記載の積層式電池。
  5. 正極板における正極リード形成辺に隣接する辺の長さ(高さ)をb、正極リードの幅をc、切れ込みの長さをdとしたとき、d<b−cである、請求項1から請求項4のいずれかに記載の積層式電池。
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