JP7164509B2 - リチウムイオン電池 - Google Patents
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Description
従来、リチウムイオン電池(以下「電池」と略記され得る)は、二次元電極構造を有している。二次元電極構造において、正極210および負極220の各々は、シート状である。正極210と負極220との間には、セパレータ230が配置されている。正極210、負極220およびセパレータ230は、単位セル200を形成している。単位セル200も、シート状になり得る。例えば、帯状の単位セル200が渦巻き状に巻回されることもある。例えば、複数枚の単位セル200が積層されることもある。二次元電極構造において、正極210と負極220とは、平面的に隣接している。
例えば、ロッド状の単位セル100により、三次元電極構造を形成することが考えられる。単位セル100の芯は、ロッド状の負極である。負極の表面に、セパレータおよび正極が積層されている。複数本の単位セル100が結束されることにより、三次元電極構造が形成され得る。図2の三次元電極構造においては、高容量と高出力との両立が期待される。ただし、図2の三次元電極構造を有する電池は、充放電サイクル後の抵抗に改善の余地がある。
本実施形態の「リチウムイオン電池」は、電極間を行き来するキャリア(電荷担体)が、リチウム(Li)イオンである二次電池を示す。
図2に示されるように、本実施形態における電池は、複数本の単位セル100を含む。複数本の単位セル100は、例えば、所定のケース(不図示)に収納されていてもよい。複数本の単位セル100と共に、電解液がケースに収納されていてもよい。ケースは、例えば、金属製の容器、アルミニウム(Al)ラミネートフィルム製のパウチ等であってもよい。
図3に示される断面は、単位セル100の軸方向(z軸方向)に直交する断面である。本実施形態において、単位セル100は、例えば、六角形状の断面を有していてもよい。例えば、等方圧加圧法等により、複数本の単位セル100が圧縮されることにより、単位セル100の各々は、六角形状の断面を有するように充填され得る。単位セル100の断面が六角形状であることにより、単位セル100の充填密度が高くなることが期待される。充填密度が高くなることにより、容量および出力の向上が期待される。ただし、六角形状は一例である。単位セル100の断面は、任意の形状を有し得る。単位セル100の断面は、例えば、円形状であってもよいし、四角形状であってもよい。
複数本の単位セル100の各々は、負極120と、セパレータ130と、正極110と、炭素膜111とを含んでいる。
負極120は、単位セル100の芯である。負極120はロッド状である。図2のz軸方向の一端において、負極120は、負極集電部材152に電気的に接続されている。負極集電部材152は、負極端子(不図示)に電気的に接続されている。負極集電部材152は、多孔質金属シート、金属薄板等であってもよい。
セパレータ130は、負極120の表面を被覆している。セパレータ130は筒状である。セパレータ130は、負極120から正極110を隔離している。セパレータ130は、電子伝導性を有しない。
電解液(不図示)は、複数本の単位セル100の各々に含浸されている。電解液は、電解質溶液である。電解液は、電解質と溶媒とを含む。電解質は溶媒に溶解している。電解質は、例えば、LiPF6、LiBF4、LiN(FSO2)2〔Lithium bis(fluorosulfonyl)imide,LiFSI〕、およびLiN(CF3SO2)2〔Lithium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide,LiTFSI〕からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
正極110は、セパレータ130の表面を被覆している。正極110は、筒状である。図2のz軸方向の一端において、正極110は、正極集電部材151に電気的に接続されている。正極集電部材151は、例えば、多孔質金属シート、金属薄板等であってもよい。
Li1+zNi1-x-yCoxMyO2
により表される複合酸化物を含んでいてもよい。
上記式において、Mは、MnおよびAlからなる群より選択される少なくとも1種を示す。x、yおよびzは、0<z<0.15、0<x<0.4、0.05≦y<0.5、1-x>2yの関係を満たす。
炭素膜111は、正極110の表面を被覆している。炭素膜111は筒状である。炭素膜111は、単位セル100の外面を形成している。隣接する2本の単位セル100同士の間において、2つの炭素膜111同士が互いに接触している。2つの炭素膜111は一体不可分になっていてもよい。
以下のように、三次元電極構造を有する電池が製造された。
(負極の形成)
N-メチル-2-ピロリドン(NMP)に、PVDF-HFPが溶解されることにより、ポリマー溶液が調製された。
負極120(炭素繊維束)の表面に、ポリマー溶液が塗布され、乾燥されることにより、セパレータ130が形成された。セパレータ130はPVdF-HFPからなっていた。セパレータ130は10μmの厚さを有していた。
以下の材料が準備された。
正極活物質:Li1.05Ni0.5Co0.2Mn0.3O2
導電材 :カーボンブラック
バインダ :PVdF
分散媒 :NMP
炭素材料として、カーボンブラックが準備された。エアブラシにより、カーボンブラックが正極110の表面に塗布された。これにより、炭素膜111が成膜された。成膜は4回に分けて実施された。1回の成膜の度に、仕掛品が90度回転された。これにより、仕掛品(正極110)の全面に、炭素膜111が形成された。以上より、単位セル100が形成された。単位セル100は、60mmの長さを有していた。
複数本の単位セル100が準備された。各単位セル100が互いに平行になるように、複数本の単位セル100が1つに束ねられた。静水圧プレスにより、単位セル100の束が圧縮された。これにより、複数本の単位セル100が結束された。
複数本の単位セル100の結束後、正極110および負極120に、リードタブがそれぞれ接続された。Alラミネートフィルム製のパウチが準備された。複数本の単位セル100がパウチに収納された。パウチに電解液が注入された。電解液は、以下の組成を有していた。
電解質:LiPF6(濃度 1mоl/L)
溶媒 :EC/DMC/EMC=3/4/3(体積比)
電解液の注入後、ヒートシーラにより、パウチが封止された。以上より、三次元電極構造を有する電池が製造された。
下記表1に示されるように、炭素膜111の厚さが変更され、かつ炭素繊維束の束径が変更されることを除いては、実験例1と同様に電池が製造された。
下記表1に示されるように、炭素膜111の厚さが変更され、かつセパレータ130の厚さが変更されることを除いては、実験例1と同様に電池が製造された。
下記表1に示されるように、炭素膜111の厚さが変更され、かつ単位セル100の長さが変更されることを除いては、実験例1と同様に電池が製造された。
下記表2に示されるように、正極活物質が変更されることを除いては、実験例1、実験例2、実験例4から実験例7と同様に、電池が製造された。
下記表3に示されるように、正極活物質が変更されることを除いては、実験例18から実験例23と同様に、電池が製造された。
下記表4に示されるように、炭素材料が変更されることを除いては、実験例2と同様に、電池が製造された。
下記表5に示されるように、電解質の組成が変更されることを除いては、実験例2と同様に、電池が製造された。
40℃の温度環境下において、0.1Cの電流レートにより、定電流方式の充放電が3サイクル実施された。充放電の上限電圧は4.1Vであり、下限電圧は2.5Vであった。「C」は、電流レートの単位である。1Cの電流レートにおいては、電池の定格容量が1時間で放電される。
例えば、上記表1に示されるように、三次元電極構造を有する電池に、炭素膜111が付与されることにより、充放電サイクル後の抵抗が低減する傾向がみられる。
Claims (1)
- 複数本の単位セルを含み、
複数本の前記単位セルの各々はロッド状であり、
複数本の前記単位セルは結束されており、
複数本の前記単位セルの各々は互いに平行に配置されており、
複数本の前記単位セルの各々は、負極と、セパレータと、正極と、炭素膜とを含み、
前記負極はロッド状であり、
前記負極は繊維状炭素材料を含み、
前記セパレータは前記負極の表面を被覆しており、
前記セパレータは4μm以上の厚さを有し、
前記正極は前記セパレータの表面を被覆しており、
前記炭素膜は前記正極の表面を被覆しており、
隣接する2本の前記単位セル同士の間において、2つの前記炭素膜同士が互いに接触している、
リチウムイオン電池。
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