JP2010230815A - 配向膜のチルト角を測定する方法、光配向膜、光学異方体 - Google Patents

配向膜のチルト角を測定する方法、光配向膜、光学異方体 Download PDF

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Abstract

【課題】 正確で、かつ、簡便な手段により薄膜である配向膜のチルト角を測定する方法、量産性に適した優れた感度、及び、高温下に晒されても液晶配向能が低下しない、すなわち、耐熱性の優れた光配向膜を得ること。
【課題を解決するための手段】
配向膜材料の基材に対するチルト角を偏光赤外多角入射分解分光法により測定する方法を提供する。また、少なくとも1種類以上の配向材料、1種類以上の溶剤を含む配向膜用組成物を基材に塗布乾燥した後、配向処理を行うことで配向膜であって、配向処理により配向膜の基材に対するチルト角が減じることを特徴とする配向膜を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示素子や光学異方体に用いる配向膜のチルト角を測定する方法に関し、また、配向処理によりチルト角が減じる配向膜に関し、更に該配向膜を使用した光学異方体、及び、液晶表示素子に関する。
液晶表示装置においては、液晶の分子配列の状態を電場等の作用によって変化させて、これに伴う光学特性の変化を表示に利用している。多くの場合、液晶は二枚の基板の間隙に注入して用いられるが、この液晶分子を特定の方向に配列させるために、基材の内側に液晶配向膜を配置する。
また最近では、液晶セルと偏光板との間に光学異方体の一種である光学補償シート(位相差板)として、重合性液晶材料を配向させた状態で硬化させて得た光学異方体が使用されるようになり、該重合性液晶材料を配向させる材料としても液晶配向膜が使用される。
従来液晶配向膜としては、ポリイミド等の高分子の膜を一方向に布等で摩擦したラビング膜が使用される。また、近年ではラビングを行わない液晶配向膜作製技術も使用されている。とりわけ、基板上に設けた膜に何らかの異方性を有する光を照射することで液晶の配向を得る光配向法は、ラビングによる傷や塵の影響を最小限で抑えることができ、量産性に優れている。このような光配向膜となり得るものとしてはアゾベンゼン誘導体のように光異性化反応をする化合物、シンナメート、クマリン、カルコン等の光二量化反応を生じる部位を有する化合物(特許文献1、2参照)やポリイミドなど異方的な光分解を生じる化合物がある。
一方、最近になって、液晶表示素子の厚みを薄くする、液晶表示素子の製造工程を削減する、あるいは、液晶表示素子の画像品質をさらに向上する目的で、先の位相差機能を液晶表示素子の外側から内側に設置する技術(インセル)が開発されている(非特許文献1、2)。従来の位相差板は、高分子材料の延伸フィルムや液晶配向層の上に重合性液晶層を積層したものが主に使用されてきた。しかしながら、延伸フィルムの場合は、厚みが数十μm〜数百μmと厚く、さらに、積層するためには粘着剤が必要となるため、インセルにするメリットがあまりない。重合性液晶を用いた場合は、厚みも数μmであり、基材に直接形成できるため、インセルに適しているが、インセルの位相差板は、引用文献2にもあるように液晶表示素子のTFT側ではなく、カラーフィルター側に形成される。その場合、位相差板は、ガラスとカラーフィルターの間、もしくは、カラーフィルターと電極の間に形成されるが、工程上電極形成や表示用の液晶層を配向させるための液晶配向層形成のため、200℃以上の高温に曝されることになる。したがって、液晶表示素子の外側に位相差板を形成する場合よりも耐熱性を格段に向上させる必要がある。ここでいう耐熱性とは、高温に晒される前後における位相差板の位相差変化のことを表しており、これまで、耐熱性の評価は、位相差板の位相差を測定することにより行っていた。耐熱性を評価するためには、位相差の値のみならず、位相差の傾き状態、すなわち、チルト角の評価も重要である。しかしながら、位相差板の位相差そのものを測定する技術や、測定された位相差から位相差板全体としての平均チルト角を測定する技術はあるものの、重合性液晶層を配向させる液晶配向層のチルト角を正確、かつ、簡便に測定することは困難であった。その理由は、重合性液晶層と比較して液晶配向層の膜厚が極端に薄いためであり、特に液晶配向層の膜厚が10nm程度になると一般的に知られているクリスタルローテション法では測定が困難なことにある。
また、近年、液晶表示素子の高コントラスト化、液晶の配向制御をさらに向上する目的で、液晶表示素子の配向膜として重合性液晶からなる光学異方体、または、重合性液晶の硬化膜を使用する技術が鋭意開発されている(非特許文献3)。重合性液晶を液晶表示素子の液晶配向膜として用いる場合、光学異方体を作製する工程、重合液晶を硬化させる工程はラビングを行わない工程であるので、光配向膜同様の効果が期待できる。
上記配向膜として用いる光学異方体において、液晶分子のチルト角を制御するために光学異方体のチルト角が重要である。しかしながら、光学異方体の膜厚が数十nmと薄膜であるために従来の方法ではチルト角が測定しにくく、かつ、配向膜を形成する化合物や高分子のどの構造部分が膜表面に存在するかといった正確な情報は得られなかった。
特開平6−289374号公報 特開2004−151157号公報
IDW’03 pp.685(2003) IDW’06 pp.635(2006)
本発明で解決すべき課題は、正確で、かつ、簡便な手段により薄膜である配向膜のチルト角を測定する方法、量産性に適した優れた感度、及び、高温下に晒されても液晶配向能が低下しない、すなわち、耐熱性の優れた光配向膜を得ることである。
本発明者らは、配向膜を形成する化合物や高分子が高温下でも安定に存在するためには、前記化合物や高分子が基材に対して水平に配向し、かつ、材料を形成する分子そのものが相互作用して、ある程度固定化されていることが重要であると考えた。また、一般的に分子異方性の強い棒状の前記化合物や高分子は、基材と材料の界面では基材に対して水平に配向しようとするが、材料と空気の界面では、基材に対して垂直に配向しようとする傾向があることから、配向膜のチルト角を正確に測定し、かつ、前記化合物や高分子のどの構造が配向膜表面に多く存在しているか見極める必要があると考えた。本発明者らは、上記観点から鋭意検討した結果、本発明に至った。したがって、本発明は、ほぼ全ての膜に対して起こりうることを想定したものである。
すなわち、本発明は、 配向膜材料の基材に対するチルト角を偏光赤外多角入射分解分光法により測定する方法を提供する。また、少なくとも1種類以上の配向材料、1種類以上の溶剤を含む配向膜用組成物を基材に塗布乾燥した後、配向処理を行うことで配向膜であって、配向処理により配向膜の基材に対するチルト角が減じることを特徴とする配向膜を提供し、特に少なくとも1種類以上の光配向材料、1種類以上の溶剤を含む光配向膜用組成物を基材に塗布乾燥した後、紫外光、及び/または可視光を照射することにより得られる光配向膜であって、照射することにより光配向膜配の基材に対するチルト角が減じることを特徴とする光配向膜を提供する。さらには、前記配向膜上に重合性液晶組成物を塗布乾燥し、紫外光を照射することにより得られる光学異方体、特に前記光学異方体の平均チルト角が1°以下のホモジニアス配向であることを特徴とする前記光学異方体を提供する。
少なくとも一方の基材に電極及び前記光学異方体を順に積層した二枚の基板に、熱又は光によって重合しない液晶組成物挟持した構造を有する液晶表示素子、又は、少なくとも一方の基材に電極及び前記光学異方体を順に積層した二枚の基板に、熱又は光によって重合しない液晶組成物挟持した構造を有する液晶表示素子において、該基材の少なくとも一方において、該基材と該電極の間に、前記光学異方体が積層されたことを特徴とする液晶表示素子も提供する。
本発明の方法を用いることで、配向膜の基材に対するチルト角を正確に、かつ、簡便に測定することができる。また、本発明の配向膜、特に光配向膜を用いることで液晶配向性、及び耐熱性に優れた光学異方体、あるいは液晶表示素子を得ることができる。これらは、インセル技術を用いた液晶表示素子の製造において、優れた生産性を発揮できる。
(偏光赤外多角入射分解分光法)
本発明に用いる偏光赤外多角入射分解分光法は、赤外多角入射分解分光法に用いる赤外光源を偏光にして測定する方法である。具体的には、偏光板を入射する赤外光源と本発明の配向膜の間に置き、偏光された赤外光源を介して多角入射分解分光測定を行う。配向膜を形成する化合物や高分子の配向状態に関する情報を得るには、偏光された赤外光源を用いるのが好ましい。
赤外多角入射分解分光法は、Journal of Physical Chemistry B(106号、4112ページ、2002年、T.Hasegawa)、Analytical Chemistry(74号、6049ページ、2002年、T.Hasegawa)等で提案されている方法である。具体的には、光の進行方向と同じ方向に電場が振動する仮想的な光を考え、シングルビーム測定で得られた透過光強度をいくつかの入射角で測定し、classical least squares回帰モデルで行列を用いた式にまとめる。この回帰行列を理論的に構築した結果、直接には測定不可能な縦波光による透過スペクトル測定に相当する結果が得られ、基材に対して面内方向(水平方向)と面外方向(垂直方向)の各々の赤外分光スペクトルが一つの測定系で得られるものである。それぞれ得られた赤外分光スペクトルの各バンド強度に対して数式(1)
Figure 2010230815
(式中、Ψは基材に対する傾き、ψは配向膜の法線方向からの傾き、IIPは、面内方向のバンド強度、IOPは面外方向のバンド強度を表す。)
を用いることで基材からの傾きを得ることができる。前記赤外多角入射分解分光法を偏光赤外光源を介して行うことにより、配向膜の基材からの傾きを得ることができる。
面内方向のバンド強度(IIP)及び面外方向のバンド強度(IOP)は、配向材料の長軸方向のバンド強度を解析することで測定できる。又、配向材料の長軸方向、及び、短軸方向のバンドは分子軌道計算により帰属することができ、種々の量子化学計算プログラムを用いることができる。
(配向膜)
本発明の配向膜は、少なくとも1種類以上の配向材料、1種類以上の溶剤を含む配向膜用組成物を基材に塗布乾燥した後、配向処理を行うことで配向膜であって、前記偏光多角入射分解分光法を用いて測定した基材に対するチルト角が配向処理により減じる配向膜であればよく、配向膜に用いる配向材料、及び、溶剤は公知慣用のものを使用することができる。
(配向材料)
本発明で用いる配向材料は、先述したように公知慣用の化合物や高分子が挙げられるが、具体的には、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル樹脂、クマリン化合物、カルコン化合物、シンナメート化合物、フルギド化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物、アリールエテン化合物等、光異性化、もしくは、光二量化する化合物が挙げられる。ラビングにより配向処理する配向材料は、配向処理、もしくは配向処理の後に加熱工程を入れることで材料の結晶化が促進されるものが好ましい。ラビング以外の配向処理を行う配向材料の中では光配向材料を用いることが好ましい。
本発明の光配向材料は、紫外線照射、可視光照射により配向する材料であれば公知慣用のものでよく、前述したように具体的には、クマリン化合物、カルコン化合物、シンナメート化合物、フルギド化合物、アントラキノン化合物、アゾ化合物、アリールエテン化合物等、光異性化、もしくは、光二量化する化合物が挙げられるが、特にアゾ化合物が好ましい。
本発明の光配向膜に用いる光配向材料としては、2色性色素が一般式(1)で表されるアゾ化合物が特に好ましい。
Figure 2010230815
(一般式(1)中、R及びRは各々独立してヒドロキシ基、又は(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基及びマレイミド基からなる群から選ばれる重合性官能基を表し、
式中、A及びAは各々独立して単結合又はアルコキシ基によって置換されていてもよい二価の炭化水素基を表し、B及びBは各々独立して単結合、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−NH−CO−O−又は−O−CO−NH−を表すが、R及びRの結合において、−O−O−結合を形成することはなく、
m及びnは各々独立して0〜4の整数を表し(但し、m又はnが2以上のとき、複数あるA、B、A及びBは同じであっても異なっていても良く、二つのB又はBの間に挟まれたA又はAはアルコキシ基によって置換されていてもよい二価の炭化水素基を表す。)、
〜Rは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アリルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基若しくはそのアルカリ金属塩、アルコキシカルボニル基、ハロゲン化メトキシ基、ヒドロキシ基、スルホニルオキシ基若しくはそのアルカリ金属塩、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基又は(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルアミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基及びマレイミド基からなる群から選ばれる重合性官能基を表し、
Xは、単結合、−CH=CH−、−NR−(但し、Rは、水素原子又は炭素数20以下の炭化水素基を表す。)、−NH−CO−NH−、−S−、又は−CH−を表す。)
一般式(1)及びにおいて、R及びRが重合性官能基を表す場合、光や熱に対する安定性の点で好ましい。重合性官能基の中では、特に(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましい。又、マレイミド基は、重合開始剤が不要となるのでより好ましい。
がヒドロキシ基の場合、mは0であることが好ましく、Rが重合性官能基の場合、mは1〜3の整数を表すことが好ましく、1又は2がより好ましい。Rがヒドロキシ基の場合、nは0であることが好ましく、Rが重合性官能基の場合nは1〜3の整数を表すことが好まし、1又は2がより好ましい。
及びAは各々独立して単結合、又はアルコキシ基によって置換されていてもよい二価の炭化水素基を表すが、二価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基の如き炭素数1〜18の直鎖状アルキレン基;1−メチルエチレン基、1−メチルトリエチレン基、2-メチルトリエチレン基、1-メチルテトラエチレン基、2−メチルテトラエチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2-メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基の如き炭素数1〜18の分枝状アルキレン基;p−フェニレン基の如きフェニレン基;2,6−ナフタレンジイル基の如きアリーレン基が挙げられ、
アルコキシ基によって置換されている二価の炭化水素基としては、前述の素数1〜18の直鎖状アルキレン基又は分枝状アルキレン基の炭素原子の一つが酸素原子に置換した置換基、2−メトキシ−1,4−フェニレン基、3−メトキシ-1,4−フェニレン基、2−エトキシ−1,4−フェニレン基、3−エトキシ−1,4−フェニレン基、2,3,5−トリメトキシ−1,4−フェニレン基の如き炭素数1〜18の直鎖状又は分枝上アルコキシ基を有するフェニレン基が挙げられる。
及びBは各々独立して単結合、−O−、−CO−O−又は−O−CO−が好ましい。
〜Rにおいてハロゲン原子としては、フッ素原子や塩素原子が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリクロロメチル基やトリフルオロメチル基が挙げられる。ハロゲン化メトキシ基としては、クロロメトキシ基やトリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、アルキル基部分が、炭素原子数1〜6の低級アルキル基、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基又は炭素原子数1〜6の低級アルコキシ基で置換された炭素原子数1〜6の低級アルキル基が挙げられる。また、炭素原子数1〜6の低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、1−メチルエチル基等が挙げられる。炭素原子数1〜6の低級アルコキシ基で置換された炭素原子数1〜6の低級アルキル基としては、メトキシメチル基、1−エトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
ヒドロキシアルキル基としては、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基が挙げられ、具体的にはヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、アルキル基部分が炭素原子数1〜6のものが挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、1−メチルエチル基等が挙げられる。
これらの中でも、ハロゲン原子、カルボキシ基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化メトキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシメチル基、カルバモイル基、ジメチルカルバモイル基又はシアノ基が好ましく、カルボキシ基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基は良好な配向性が得られる点で特に好ましい。
又、R及びRは、4,4’−ビス(フェニルアゾ)ビフェニル骨格の両端のフェニレン基のメタ位に置換していると、優れた光配向膜が得られ、R及びRは、4,4’−ビス(フェニルアゾ)ビフェニル骨格の2、2’位に置換していると、優れた光配向性が得られ、特に好ましい。
一般式(1)で表されるアゾ化合物は、中でも、下記構造のアゾ化合物が好ましい。
Figure 2010230815
一般式(1)で表される化合物は、水あるいは極性有機溶媒に高い溶解性を示し、かつガラス等に対して良好な親和性を示す。該化合物を水あるいは極性有機溶媒に溶解してなる溶液を、基材に塗布した後、水あるいは極性有機溶媒を除去するだけで、基材上に一様で、かつ安定な塗膜を形成することができる。
また、一般式(1)で表される化合物は、単独で使用することもできるし、2種類以上の化合物を混合して使用することもできる。
(溶剤)
本発明で使用する光配向膜用組成物は、塗布性を良好にする目的で、通常溶媒を使用する。溶媒に使用する溶剤としては特に限定はないが、通常は前記アゾ化合物が溶解するような溶媒を使用する。例えば、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール等のジオール系溶剤、テトラヒドロフラン、2−メトキシエターノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のエーテル系溶剤、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、γ−ブチロラクトン、クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、等が挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、公知慣用の添加剤を添加してもよい。
通常、固形分比が5質量%以下となるように調製する。中でも0.005〜2.0質量%となるように調製することが好ましい。
(添加剤)
本発明で使用する光配向膜用組成物を均一に塗布し、膜厚の均一な光配向膜を得るために、汎用の添加剤を使用することもできる。例えば、レベリング剤、チキソ剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、表面処理剤、等の添加剤を液晶の配向能を著しく低下させない程度添加することができる。また、本発明で使用する光配向膜用組成物には、特開2007−121721号公報、特開2007−140465号公報、特開2007−156439号公報等で示したように次に挙げる添加剤を用いることができる。
(基材)
本発明で使用する基材は、液晶表示素子や光学異方体に通常使用する基材であって、配向膜用組成物溶液の塗布後の乾燥時、あるいは液晶素子製造時における加熱に耐えうる耐熱性を有する有機材料であれば、特に制限はない。そのような基材としては、ガラス基材、金属基材、セラミックス基材やプラスチック基材等が挙げられる。配向膜用組成物の塗布性や接着性向上のために、これらの基材の表面処理を行っても良い。光の透過率や反射率を調節するために、基材表面に有機薄膜、無機酸化物薄膜や金属薄膜等を蒸着など方法によって設ける、あるいは、光学的な付加価値をつけるために、基材がピックアップレンズ、ロッドレンズ、光ディスク、位相差フィルム、偏光フィルム、輝度向上フィルム、拡散フィルム、カラーフィルター、等であっても良い。。
(塗布)
本発明の配向膜を得るための塗布法としては、スピンコーティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法、ダイコーティング法、キャップコーティング法、ディッピング等、公知慣用の方法を行うことができる。通常は、有機溶剤で希釈した溶液を塗布するので、塗布後は乾燥させ、塗膜を得る。
(ラビング処理)
前記方法により得た塗膜の表面に、ラビングローラを回転させながら接触させてラビング処理を施して本発明の配向膜を得る。ラビング処理を行う際、発塵する場合は、除塵しながら行う。また、ラビング処理を行う際、帯電が激しい場合は、除電しながら行う。ラビング布は特に限定されないが、レーヨン、ナイロン、コットン、アセテート繊維等の材質が好ましく、より良好な配向膜を得るにはアセテート繊維が特に好ましい。
さらにはラビング処理の後に加熱処理を施すこともできる。その場合、処理温度は用いる配向材料によっても異なるが、100〜300℃が好ましく、150〜250℃がさらに好ましい。その際、配向膜中の配向材料が部分的にでも規則性を有していることが配向規制力を高めることから好ましく、結晶化することがさらに好ましい。
(光配向処理)
前記方法により得た塗膜に、異方性を有する光を照射(以下、光異性化工程と略す)して、光配向膜用組成物からなる層に光照射して本発明の光配向膜を得る。光配向処理で使用する、異方性を有する光としては、直線偏光や楕円偏光等の偏光、もしくは基材面に対して斜めの方向から非偏光があげられる。偏光は直線偏光、楕円偏光のいずれでも良いが、効率よく光配向を行うためには、消光比の高い直線偏光を使用することが好ましい。
また、光照射装置において偏光を得るためには偏光フィルタ等を使用する必要があるので、膜面に照射される光強度が減少するといった欠点があるが、膜面に対して斜め方向から非偏光を照射する方法では、照射装置に偏光フィルタ等を必要とせず、大きな照射強度が得られ、光配向のための照射時間を短縮することができるという利点がある。このときの非偏光の入射角は基材法線に対して10°〜80°の範囲が好ましく、照射面における照射エネルギ−の均一性、得られるプレチルト角、配向効率等を考慮すると、20°〜60°の範囲が更に好ましく、45°が最も好ましい。
照射する光は、使用する化合物の光配向性基が吸収を有する波長領域の光であれば良い。例えば光配向性基がアゾベンゼン構造を有する場合は、アゾベンゼンのπ→π遷移による強い吸収がある、波長330〜500nmの範囲の紫外線が特に好ましい。
照射光の光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArF等の紫外光レ−ザ−等が挙げられる。本発明においては光配向性基がアゾベンゼン構造であるので、365nmの紫外線の発光強度が特に大きい超高圧水銀ランプを有効に使用することができる。
前記光源からの光を偏光フィルタやグラントムソン、グランテ−ラ−等の偏光プリズムを通すことで紫外可視光の直線偏光を得ることができる。
また、偏光、非偏光のいずれを使用する場合でも、照射する光は、ほぼ平行光であることが特に好ましい。
また、偏光を照射する際に、フォトマスクを使用すれば、光配向膜にパターン状に2以上の異なった方向に液晶配向能を生じさせることができる。具体的には、本発明の光配向膜用組成物を塗布乾燥した後に、基材にフォトマスクを被せて全面に偏光もしくは非偏光を照射し、パターン状に露光部分に液晶配向能を与える。必要に応じてこれを複数回繰り返すことで、複数方向に液晶配向能を生じさせることができる。
(重合工程)
本発明の基材上に接触している配向膜が光異性化反応を経由して異方性を有する配向膜となる場合であって予め重合させる場合は、光異方性化工程後、重合させる。この場合は、後述の光重合開始剤を添加しておくことが好ましい。重合方法は光照射又は熱でよいが、光照射で行う場合は、光異性化工程で得られた配向状態を乱さないようにする。例えば、アゾ化合物の場合には、アゾベンゼン骨格が持つ吸収帯以外の波長で行われることが好ましいとされる。このような光は、具体的には320nm以下の紫外光であるが、320nm以下の紫外光により光配向膜及び重合性液晶組成物が分解などを引き起こす場合は、320nm以上の紫外光で重合処理を行ったほうが好ましい場合もある。
320nm以上の紫外光によって、既に得られたアゾベンゼン骨格の配向が乱されないようにするためには、通常は、アゾベンゼン骨格が有する光の吸収帯とは異なる光吸収波長帯域を持つ光重合開始剤を使用するのが好ましい。また、通常の光重合開始剤の吸収帯よりも長波長の光を吸収し、重合開始剤へのエネルギー移動を起こすことによって重合反応を誘起する化合物を混合しても良い。これらにより、光配向操作で固定されている光配向膜用組成物の配向状態を乱さずに、重合させることができる。一方、重合のための光を光配向操作と同じ方向から照射する場合や、アゾベンゼン骨格の吸収遷移モーメントと直交する偏波面を有する偏光照射を行えば、得られた配向状態を乱す恐れがないので、任意の波長を使用することができる。
例えば、光配向材料に光重合開始剤を添加しておき光配向材料を配向させるような光を照射すると、光配向と光重合を同時に行うことができる。また、光配向を重合阻害をおこすような雰囲気、例えば空気中で行うことにより、光配向のみ行い、その後、雰囲気を重合阻害を及ぼさない、例えば、窒素中に変更することにより、光重合を開始させることもできる。この場合は、光配向の時の照射量を調整し、重合阻害の雰囲気で光配向を行っているうちに、すべての光重合開始剤を消費しないようにすることが好ましい。
一方、熱による重合の場合は、80〜250℃で行うのが好ましく、80〜160℃がさらに好ましい。この場合は、熱重合開始剤を添加しておくのが好ましい。
(重合開始剤)
本発明の光配向膜において、光配向膜を重合させる場合、重合開始剤は公知慣用のものが使用できる。光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア184」)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1173」)などが挙げられる。
また、アゾベンゼン骨格が有する光の吸収帯とは異なる光吸収波長帯域を持つ光重合開始剤としては、例えば、特許第3016606号に記載の近赤外線吸収色素と有機ホウ素を組み合わせたもの等が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア907」)。ベンジルメチルケタ−ル(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガキュア651」)。2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワ−ドプレキンソップ社製「カンタキュア−ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、アシルフォスフィンオキシド(BASF社製「ルシリンTPO」)、などが挙げられる。光重合開始剤の使用量は添加剤に対して10質量%以下が好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
また、熱重合の際に使用する熱重合開始剤としては公知慣用のものが使用でき、例えば、メチルアセトアセテイトパ−オキサイド、キュメンハイドロパ−オキサイド、ベンゾイルパ−オキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカ−ボネイト、t−ブチルパ−オキシベンゾエイト、メチルエチルケトンパ−オキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、p−ペンタハイドロパ−オキサイド、t−ブチルハイドロパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド、イソブチルパ−オキサイド、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パ−オキシジカ−ボネイト、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾニトリル化合物、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオン−アミヂン)ジハイドロクロライド等のアゾアミヂン化合物、2,2’アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物、2,2’アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアルキルアゾ化合物等を使用することができる。熱重合開始剤の使用量は添加剤に対して10質量%以下が好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
(重合性液晶組成物)
本発明に用いる重合性液晶組成物は、少なくとも1種類以上の重合性液晶化合物及び溶剤を含有する。
(重合性液晶化合物)
本発明で使用される重合性液晶化合物は、単独又は他の液晶化合物との組成物において液晶性を示す。重合性基を有する液晶化合物であれば、特に限定はない。例えば、Handbook of Liquid Crystals(D.Demus,J.W.Goodby,G.W.Gray,H.W.Spiess,V.Vill編集、Wiley−VCH社発行,1998年)、季刊化学総説No.22、液晶の化学(日本化学会編,1994年)、あるいは、特開平7−294735号公報、特開平8−3111号公報、特開平8−29618号公報、特開平11−80090号公報、特開平11−148079号公報、特開2000−178233号公報、特開2002−308831号公報、特開2002−145830号公報に記載されているような、1,4−フェニレン基1,4−シクロヘキレン基等の構造が複数繋がったメソゲンと呼ばれる剛直な部位と、(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、エポキシ基といった重合性官能基を有する棒状重合性液晶化合物、あるいは特開2004−2373号公報、特開2004−99446号公報に記載されているようなマレイミド基を有する棒状重合性液晶化合物、 あるいは特開2004−149522号公報に記載されているようなアリルエーテル基を有する棒状重号性液晶化合物、 あるいは、例えば、Handbook of Liquid Crystals(D.Demus,J.W.Goodby,G.W.Gray,H.W.Spiess,V.Vill編集、Wiley−VCH社発行,1998年)、季刊化学総説No.22、液晶の化学(日本化学会編,1994年)や、特開平7−146409号公報に記載されているディスコティク重合性化合物が挙げられる。中でも、重合性基を有する棒状液晶化合物が、液晶温度範囲として室温前後の低温を含むものを作りやすく好ましい。
(重合開始剤)
前記重合性液晶組成物を重合させるには、一般には紫外線等の光照射あるいは加熱により行う。光照射によって行う場合に使用する光重合開始剤としては公知慣用のものが使用でき、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオキサントン(ワ−ドプレキンソップ社製「カンタキュア−ITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの混合物、などが挙げられる。光重合開始剤の使用量は重合性液晶化合物に対して10質量%以下が好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
また、熱重合の際に使用する熱重合開始剤としては公知慣用のものが使用でき、例えば、メチルアセトアセテイトパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パ−オキシジカーボネイト、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、p−ペンタハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネイト、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾニトリル化合物、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオン−アミヂン)ジハイドロクロライド等のアゾアミヂン化合物、2,2’アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物、2,2’アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアルキルアゾ化合物等を使用することができる。熱重合開始剤の使用量は重合性液晶化合物に対して10質量%以下が好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
前記重合性液晶化合物の重合操作については、一般に紫外線等の光照射あるいは加熱によって行われる。重合を光照射で行う場合、本発明の光配向膜を用いる場合は、前記光配向膜の配向状態を乱さないようにするため、一般には、二色性化合物が有する光の吸収帯、例えば、アゾベンゼン骨格やアントラキノン骨格が持つ吸収帯以外の波長で行われることが好ましい。具体的には320nm以下の紫外光を照射することが好ましく、250〜300nmの波長の光を照射することが最も好ましい。但し、320nm以下の紫外光により光配向膜及び重合性液晶組成物が分解などを引き起こす場合は、320nm以上の紫外光で重合処理を行ったほうが好ましい場合もある。また、本発明の配向膜がラビング処理されたものや重合された光配向膜の場合は、この限りではない。
この光は、既に得られた光配向性基の配向を乱さないために、拡散光で、かつ偏光していない光であることが好ましい。そのために、通常は、二色性化合物が有する光の吸収帯とは異なる光吸収波長帯域を持つ光重合開始剤を使用するのが好ましい。一方、重合のための光を光配向操作と同じ方向から照射する場合は、光配向材料の配向状態を乱す恐れがないので、任意の波長を使用することができる。
一方、加熱による重合は、重合性液晶組成物が液晶相を示す温度又はそれより低温で行うことが好ましく、特に加熱によりラジカルを放出する熱重合開始剤を使用する場合にはその開裂温度が上記の温度域内にあるものを使用することが好ましい。また該熱重合開始剤と光重合開始剤とを併用する場合には上記の温度域の制限と共に光配向膜と重合性液晶膜の両層の重合速度が大きく異なることの無い様に重合温度と各々の開始剤を選択することが好ましい。加熱温度は、重合性液晶組成物の液晶相から等方相への転移温度にもよるが、熱による不均質な重合が誘起されてしまう温度よりも低い温度で行うことが好ましく、20℃〜300℃が好ましく、30℃〜200℃がさらに好ましく、30℃〜120℃が特に好ましい。また例えば、重合性基が(メタ)アクリロイル基である場合は、90℃よりも低い温度で行うことが好ましい。
(溶剤)
前記重合性液晶組成物に使用する溶剤としては、特に限定はないが、前記化合物が良好な溶解性を示す溶媒が使用できる。例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸3−メトキシブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、等のアミド系溶剤、γ−ブチロラクトン、クロロベンゼン等が挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上混合して使用することもできる。また、添加剤を添加することもできる。
(添加剤等)
本発明の重合性液晶組成物は、重合性基を有していない液晶化合物を必要に応じて添加してもよい。しかし、添加量が多すぎると、得られた光学異方体から液晶化合物が溶出して積層部材を汚染する恐れがあり、加えて光学異方体の耐熱性が下がるおそれがあるので、添加する場合は、重合性液晶化合物全量に対して30質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
本発明で使用する重合性液晶組成物は、重合性基を有するが重合性液晶化合物ではない化合物を添加することもできる。このような化合物としては、通常、この技術分野で重合性モノマーあるいは重合性オリゴマーとして認識されるものであれば特に制限なく使用することができる。添加する場合は、本発明の重合性液晶組成物に対して、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
本発明で使用する重合性液晶組成物は、光学活性を有する化合物、すなわちキラル化合物を添加してもよい。該キラル化合物は、それ自体が液晶相を示す必要は無く、また、重合性基を有していても、有していなくても良い。また、キラル化合物の螺旋の向きは、重合体の使用用途によって適宜選択することができる。
具体的には、例えば、キラル基としてコレステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、キラル基として2−メチルブチル基を有するビーディーエイチ社製の「CB−15」、「C−15」、メルク社製の「S−1082」、チッソ社製の「CM−19」、「CM−20」、「CM」、キラル基として1−メチルヘプチル基を有するメルク社製の「S−811」、チッソ社製の「CM−21」、「CM−22」、重合性基を有するBASF社製の「LC756」などを挙げることができる。
キラル化合物を添加する場合は、本発明の重合性液晶組成物の重合体の用途によるが、得られる重合体の厚み(d)を重合体中での螺旋ピッチ(P)で除した値(d/P)が0.1〜100の範囲となる量を添加することが好ましく、0.1〜20の範囲となる量がさらに好ましい。
本発明で使用する重合性液晶組成物には、保存安定性を向上させるために安定剤を添加することもできる。安定剤として例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類等が挙げられる。添加する場合は、本発明の重合性液晶組成物に対して1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。
(光学異方体)
本発明の光学異方体は、基材上に配向膜、上記重合性液晶組成物からなる層を順次積層した構成からなる。通常は、前記配向膜上に上記重合性液晶組成物を塗布乾燥し、重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物が配向した状態で熱重合、または光重合させることによって得られる。
本発明の光学異方体を、例えば、偏光フィルムや配向膜の原料、又は印刷インキ及び塗料、保護膜等の用途に利用する場合には、本発明で使用する重合性液晶組成物にはその目的に応じて、金属、金属錯体、染料、顔料、蛍光材料、燐光材料、界面活性剤、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物、などを添加してもよい。
得られた光学異方体の耐溶剤特性や耐熱性の安定化のために、光学異方体を加熱エージング処理することもできる。この場合、前期重合性液晶膜のガラス転移点以上で加熱することが好ましい。通常は、50〜300℃が好ましく、80〜240℃がさらに好ましい、100〜220℃がさらに好ましい。
本発明の光学異方体は、基板から剥離して単体で光学異方体として使用することも、基板から剥離せずにそのまま光学異方体として使用することもできる。特に、他の部材を汚染し難いので、被積層基板として使用したり、他の基板に貼り合わせて使用したりするときに有用である。場合によっては、光学異方体を数層にわたり積層することもできる。その場合は前記工程を複数繰り返せばよく、光学異方体の積層体を形成することができる。
また、本発明の光学異方体は、前記配向膜が配向処理により配向膜の基材に対するチルト角が減じることから、前記光学異方体がホモジニアス配向している場合は、全体の平均チルト角が小さくなりやく、1°以下であることが好ましく、0.5°以下がさらに好ましい。但し、ホメオトロピック配向やハイブリッド配向の場合はその限りではない。
(液晶表示素子)
本発明の液晶表示素子は、少なくとも一方の基材に電極及び本発明の光学異方体を順に積層した二枚の基板に、熱又は光によって重合しない液晶組成物挟持した構造を有するものである。例えば、図1に示すように一方にTFTが形成された基材1が設置され、もう一方の側にカラーフィルター3が形成された基材2が設置される場合、各々の電極と液晶層の間に光学異方体が形成されている。
また、本発明の液晶表示素子は、少なくとも一方の基材に電極及び配向膜を順に積層した二枚の基材に、熱又は光によって重合しない液晶組成物挟持した構造を有する液晶表示素子において、該基材の少なくとも一方において、該基材と該電極の間に、前述の光学異方体が積層された構造を有するものである。例えば図2に示すように一方にTFTが形成された基材1が設置され、もう一方の側にカラーフィルター3が形成された基材2が設置される場合、そのカラーフィルター層3と電極4の間に光学異方体5が形成されている。また、図3に示すようにカラーフィルター層3と基材2の間に光学異方体が形成されている。
以下に本発明を合成例、実施例、及び、比較例によって説明するが、もとより本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(配向膜用組成物(1)の調整)
Figure 2010230815
式(A)で表される化合物0.4部をN−メチル−2−ピロリドン50部に溶解させた。得られた溶液に2−ブトキシエタノール50部を加え、光配向膜用組成物Aを得た。得られた光配向膜用組成物Aを0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、光配向膜用組成物(1)を得た。
(配向膜用組成物(2)の調整)
式(A)で表される化合物0.15部をN−メチル−2−ピロリドン50部に溶解させた。得られた溶液に2−ブトキシエタノール50部を加え、光配向膜用組成物Aを得た。得られた光配向膜用組成物Aを0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、光配向膜用組成物(2)を得た。
(配向膜用組成物(3)の調整)
式(A)で表される化合物2部をN−メチル−2−ピロリドン50部に溶解させた。得られた溶液に2−ブトキシエタノール50部を加え、光配向膜用組成物Aを得た。得られた光配向膜用組成物Aを0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、光配向膜用組成物(3)を得た。
(配向膜用組成物(4)の調整)
式(B)で表される化合物0.5部をN−メチル−2−ピロリドン50部に溶解させた。得られた溶液に2−ブトキシエタノール50部を加え、光配向膜用組成物Aを得た。得られた光配向膜用組成物Aを0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、光配向膜用組成物(4)を得た。
Figure 2010230815
(配向膜用組成物(5)の調整)
式(C)で表される化合物0.4部をN−メチル−2−ピロリドン50部に溶解させた。得られた溶液に2−ブトキシエタノール50部を加え、光配向膜用組成物Aを得た。得られた光配向膜用組成物Aを0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、光配向膜用組成物(5)を得た。
Figure 2010230815
(重合性液晶組成物(LC−1)の調整)
式(D)で示される化合物15部、式(E)で示される化合物15部をキシレン30に溶解させた後、イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製)1.5部、式(F)で示されるアクリル共重合体0.3部を加え、溶液を得た。得られた溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、重合性液晶組成物(LC−1)を得た。
Figure 2010230815
Figure 2010230815
Figure 2010230815
(実施例1)
光配向膜用組成物(1)を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布乾燥し、塗膜を得た。次に超高圧水銀ランプに偏光フィルターを介して、直線偏光でかつ平行光を、基材に対して垂直方向から照射し、実施例1の光配向膜を得た。照射量は100mJ/cm(照射強度:20mW/cm)であった。
(配向膜のチルト角)
光配向膜用組成物(1)を厚さ1mmフッ化カルシウム板にスピンコート法を用いて塗布乾燥し、塗膜を得た。
得られた塗布膜をフーリエ変換赤外分光装置のサンプル台に置き、赤外光源側に偏光板を置いて、空気中の水分を除くためにドライエアーを30分流した。その後、光配向膜への入射角を10°、16°、22°、28°、34°、40°に設定して多角入射分解分光測定を行った。
一方、式(A)で表される化合物の赤外吸収スペクトルをGaussian3(米 Gaussian, Inc製)を用いてシミュレートし、測定により得られた赤外吸収スペクトルと比較してピークの帰属を行った。その結果、式(A)で表される化合物の長軸方向のバンドが1654cm−1であることから、得られた個々のデータを解析し、当該領域のバンド強度を面内方向のバンド強度(IIP)とした。
測定によって得られた面内方向のバンド強度(IIP)及び面外方向のバンド強度(IOP)から数式(1)を用いてチルト角を計算したところ、28°であった。
また、得られた塗布膜を前記測定を行った状態から90°回転させ、同様にを行い、チルト角を計算したところ、28°であった。
次に超高圧水銀ランプに偏光フィルターを介して、直線偏光でかつ平行光を、基材に対して垂直方向から照射し、実施例1相当の光配向膜を得た。照射量は100mJ/cm(照射強度:20mW/cm)であった。
得られた光配向膜の配向方向に対して同様に測定を行い、チルト角を計算したところ、22°であった。この結果から、全体としての平均チルト角ではない液晶配向層のチルト角の測定が可能となり、光配向処理によりチルト角が減じたことがわかる。
(オーダーパラメーターS)
吸光度からオーダーパラメーターを算出し、配向膜の異方性とその方向を評価した。吸光度測定には、偏光可視紫外分光光度計を使用した。オーダーパラメーターSの絶対値が大きい程液晶の配向能が高いことを示す。また、アゾ化合物が配向膜に照射した偏光方向と平行に配向している場合は正の値を、垂直の場合は負の値を示す。
実施例1の光配向膜を用いて、最大吸収波長の直線偏光に対する吸光度を測定し、数式(2)により、オーダーパラメーターを算出したところ、0.3であった。
Figure 2010230815
(式中、A//は照射した紫外光の偏光方向と吸光度の測定のために入射する偏光方向とが平行であるときの吸光度を表し、A⊥は照射した紫外光の偏光方向と吸光度の測定のために入射する偏光の偏光方向とが垂直であるときの吸光度を表す。)
(耐熱試験)
実施例1の光配向膜を熱風乾燥機に入れ、240℃で1時間加熱した後、オーダーパラメーターSを評価したところ、0.21であった。得られた結果から、耐熱試験前後のオーダーパラメーターの残存率を計算すると70%であった。この値を耐熱性とした。
(液晶配向性)
重合性液晶組成物(LC−1)を耐熱試験を行った後の光配向膜上にスピンコート法を用いて塗布乾燥し、塗膜を得た。次に超高圧水銀ランプを用いて、紫外線を照射し、光学異方体を得た。照射量は500mJ/cm(照射強度:20mW/cm)であった。得られた光学異方体を以下の基準に従って評価した。Aが最も配向性に優れており、Eは全く配向性を示さない。
A:目視では欠陥が全くなく、偏光顕微鏡観察でも欠陥が全くない。
B:目視では欠陥は全くないが、偏光顕微鏡観察では無配向部分が部分的に存在している。
C:目視では欠陥はないが、偏光顕微鏡観察で全体的に無配向部分が存在している。
D:目視では一部欠陥が生じており、偏光顕微鏡観察でも全体的に無配向部分が存在している。
E:目視で全体的に欠陥がみられる。
以下、実施例1と同様にして、実施例2〜4、比較例1を行った。それぞれ得られた結果併せて表1に示す。
Figure 2010230815
(重合性液晶組成物(LC−2)の調整)
式(D)で示される化合物4部、式(E)で示される化合物2部、式(G)で示される化合物2部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50部、シクロヘキサノン42部に溶解させた後、イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製)1.5部を加え、溶液を得た。得られた溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、重合性液晶組成物(LC−2)を得た。
Figure 2010230815
Figure 2010230815
Figure 2010230815
(実施例5)
基材である#1737(コーニング社製)にITOスパッタ装置を用いて、厚さ30nmの透明電極層を形成した。透明電極層の上に光配向膜組成物(2)をスピンコート法を用いて塗布乾燥し、超高圧水銀ランプに偏光フィルターを介して、直線偏光でかつ平行光を、基材に対して垂直方向から照射量100mJ/cmで照射した。次に重合性液晶組成物(LC−2)をスピンコート法により塗布乾燥した後、室温に戻し、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cmの紫外線を照射した。
得られた光学異方層を有する基板の端付近周辺に熱硬化型シール剤ストラクトボンドを後に液晶組成物が注入できるように1箇所のみ空けた状態で塗布し、液晶組成物がTN配向になるように光学異方体層を有する前記基板と重ね合わせ、熱硬化させることにより液晶セルを得た。得られた液晶セルにDIC株式会社製の液晶組成物を真空注入し、注入口をUV硬化樹脂で封孔することにより実施例5の液晶表示素子を得た。
得られた液晶表示素子をクロスニコル条件に配置した偏光板の間に置くと、均一な配向が得られていることが確認できた。
(実施例6)
基材である#1737(コーニング社製)にカラーフィルター層が形成された基板に光配向膜用組成物(2)をスピンコート法を用いて塗布乾燥し、超高圧水銀ランプに偏光フィルターを介して、直線偏光でかつ平行光を、基材に対して垂直方向から照射量100mJ/cmで照射した。次に重合性液晶組成物(LC−1)をスピンコート法により塗布乾燥した後、室温に戻し、超高圧水銀ランプを用いて500mJ/cmの紫外線を照射した。
得られたカラーフィルター層付光学異方体上にITOをスパッタ装置を用いて、厚さ30nmの透明電極層を形成した。さらに透明電極層の上に配向膜を形成した。ポリイミド溶液をスピンコート法を用いて塗布乾燥し、220℃1時間焼成した。厚さ50nmのポリイミド膜が得られた。前記ポリイミド膜をラビング処理することにより配向膜を得た。
また、基材である#1737に前記と同様、スパッタ装置を用いてITOの透明電極層を形成した。前記透明電極層の上に前記条件にてポリイミド膜からなる配向膜を形成した。
続いて透明電極のみを有する前記配向膜基板の端付近周辺に熱硬化型シール剤ストラクトボンドを後に液晶組成物が注入できるように1箇所のみ空けた状態で塗布し、液晶組成物がTN配向になるように光学異方体層を有する前記配向膜基板と重ね合わせ、熱硬化させた。得られた液晶セルに液晶組成物11−3323(DIC株式会社社製)を真空注入し、注入口をUV硬化樹脂で封孔することにより実施例6の液晶表示素子を得た。
得られた液晶表示素子をクロスニコル条件に配置した偏光板の間に置くと、均一な表示が得られていることが確認できた。
本発明の液晶表示素子において光学異方体層を二つ有する構成の一例を示す断面図である。 本発明の液晶表示素子において一つの光学異方体層を有する構成の一例を示す断面図である。 本発明の液晶表示素子においてカラーフィルタ層上に一つの光学異方体層を有する構成の一例を示す断面図である。
1、2 基材
3 カラーフィルター層
4 透明電極
5 光学異方体
6 配向膜
7 液晶組成物からなる層
8 液晶層
9 TFT電極
10 配向層

Claims (10)

  1. 配向膜材料の基材に対するチルト角を偏光赤外多角入射分解分光法により測定する方法。
  2. 少なくとも1種類以上の配向材料、1種類以上の溶剤を含む配向膜用組成物を基材に塗布乾燥した後、配向処理を行うことで配向膜であって、配向処理により配向膜の基材に対するチルト角が減じることを特徴とする配向膜。
  3. 配向材料が光配向材料であることを特徴とする請求項2記載の配向膜。
  4. 少なくとも1種類以上の光配向材料、1種類以上の溶剤を含む光配向膜用組成物を基材に塗布乾燥した後、紫外光、又は可視光を照射することにより得られる光配向膜であって、照射することにより光配向膜配の基材に対するチルト角が減じることを特徴とする光配向膜。
  5. 光配向材料が、シンナモイル基、カルコン基、クマリン基、マレイミド基、アゾ基、を有する化合物からなる材料、もしくは、アリールエテン化合物であることを特徴とする請求項4記載の光配向膜。
  6. 光配向膜の基材に対するチルト角が25°以下であることを特徴とする請求項4、もしくは5記載の光配向膜。
  7. 前記配向膜上に重合性液晶組成物を塗布乾燥し、少なくとも紫外光を照射することにより得られる請求項2〜6記載の光学異方体。
  8. 前記光学異方体の平均チルト角が1°以下のホモジニアス配向であることを特徴とする請求項7記載の光学異方体。
  9. 少なくとも一方の基材に電極及び前記光学異方体を順に積層した二枚の基板に、熱又は光によって重合しない液晶組成物挟持した構造を有する請求項7〜8記載の液晶表示素子。
  10. 少なくとも一方の基材に電極及び前記光学異方体を順に積層した二枚の基板に、熱又は光によって重合しない液晶組成物挟持した構造を有する液晶表示素子において、該基材の少なくとも一方において、該基材と該電極の間に、前記光学異方体が積層されたことを特徴とする請求項7〜8記載の液晶表示素子。
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