JP2010230579A - 電子体温計及び作動制御方法 - Google Patents

電子体温計及び作動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】計測に用いるクロックの周波数を適切に制御することにより、計測精度を維持しながら体温計測時以外の消費電力を低減する電子体温計を提供する。
【解決手段】電子体温計は、サーミスタとコンデンサとが直列に接続された積分回路と、クロック信号を生成するクロック発生部とを有し、積分回路において定常状態から過渡状態に移行した際の過渡期間をクロック発生部が発生するクロック信号をカウントすることにより計測し、計測された前記過渡期間に基づいて温度値を算出する。ここで、電子体温計のクロック発生部は、上記算出された温度値に基づいて、クロック信号の周波数を切替える。
【選択図】 図11

Description

本発明は、電子体温計及びその作動制御方法に関するものである。
電子体温計の分野では、従来より、温度変化に伴うサーミスタの抵抗変化を測定することにより温度計測値を取得している。このようなサーミスタの抵抗変化を測定するための技術として、サーミスタを含むCR発信器を構成してその発振周波数を計測する方法や、単一入力積分型A/D変換回路を用いた方法などが挙げられる(特許文献1)。
単一入力積分型A/D変換回路を用いた温度計測では、サーミスタとコンデンサが直列に接続された積分回路が用いられる。そして、サーミスタの抵抗変化に応じて変化する積分回路の過渡期間(コンデンサの充電時間或いは放電時間)を計測することにより温度値の算出を行うことができる。
特開2003−75263号公報
一般に、病院用の電子体温計では、液密性を持たせるために、手動操作による電源ON/OFFスイッチを設けていない。また、患者が体温測定をした後、看護師が体温計を回収して体温値を読み取るまでの時間が不定であるため、病院用の電子体温計には自動パワーオフ機能は設けないのが普通である。したがって、この種の電子体温計は、体温測定時以外であっても電源ON状態を維持していることが多く、その間に無駄に電力が消費され、電池寿命を縮めることになる。
特に、単一入力積分型A/D変換回路を用いた電子体温計では、積分回路の過渡期間をより高精度に測定するために、非常に高い周波数のクロックが必要となり、体温測定時以外の無駄な電力消費はより深刻である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、計測に用いるクロックの周波数を適切に制御することにより、計測精度を維持しながら体温計測時以外の消費電力を低減する電子体温計を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明に係る電子体温計は以下のような構成を備える。即ち、
サーミスタとコンデンサとが直列に接続された積分回路と、
前記積分回路における前記コンデンサの電圧と所定電圧との比較結果を示す比較信号を出力する比較手段と、
クロック信号を生成するクロック手段と、
前記積分回路の前記コンデンサにおける充電または放電の開始から前記比較信号の変化を検出するまでの期間の前記クロック信号のカウント値と、前記クロック信号の周波数とに基づいて、前記コンデンサにおける充電時間または放電時間を計測する計測手段と、
前記計測手段で計測された前記充電時間または前記放電時間に基づいて前記サーミスタの周辺温度を算出する算出手段とを備え、
前記クロック手段は、前記算出手段で算出された周辺温度に基づいて、前記クロック信号の周波数を切替える。
本発明によれば、計測に用いるクロックの周波数が適切に制御されるので、計測精度を維持しながら体温計測時以外の消費電力を低減する電子体温計を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる電子体温計100の外観構成を示す図である。 電子体温計100の機能構成を示す内部ブロック図である。 電子体温計100における体温計測処理の流れを示すフローチャートである。 温度計測部210の詳細構成を示す図である。 一般的な温度計測処理の流れを示すフローチャートである。 コンデンサ403の両端の電圧の時間変化及びA/D変換部420より出力されるディジタル信号の時間変化を示す図である。 第1の実施形態における温度計測処理の流れを示すフローチャートである。 コンデンサ403の両端の電圧の時間変化及びA/D変換部420より出力されるディジタル信号の時間変化を示す図である。 第3の実施形態における温度計測処理の流れを示すフローチャートである。 コンデンサ403の両端の電圧の時間変化及びA/D変換部420より出力されるディジタル信号の時間変化を示す図である。 実施形態によるクロック周波数の切替処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
1.電子体温計の外観構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる電子体温計100の外観構成を示す図であり、図1(a)は平面図を、図1(b)は側面図をそれぞれ示している。101は本体ケースで、図2により後述する演算制御部220等の電子回路、電池(電源部)250等が収納される。
102は、ステンレス製の金属キャップで、内部には温度を計測するためのサーミスタ(詳細は後述)等が収納される。103は電源ON/OFFスイッチであり、1回押圧すると電源部250がONとなり、再度押圧すると電源部250がOFFとなる。なお、病院用の電子体温計などでは、液密性をもたせるために、電源ON/OFFスイッチ103のような手動操作によるON/OFFスイッチを設けないで、マグネットリードスイッチを設けている。このため、電子体温計100が収納ケースから出されるとマグネットリードスイッチがONされ、電源部250から演算制御部220等の電子回路、温度計測部210、表示部230等に電子体温計100が永久磁石を内蔵した収納ケース(不図示)に収納されるまで電源が供給され続け、電源がON状態となる。
104は表示部であり、被検者の体温を表示する。105は音声出力部であり、演算制御部220における処理に基づいて、音声を出力する。
2.電子体温計の機能構成
図2は本実施形態にかかる電子体温計100の機能構成を示す内部ブロック図である。
電子体温計100は、温度に対応した時間分のON信号を出力する温度計測部210と、温度計測部210より出力されたON信号に基づいて各種処理を行い、被検者の体温を演算すると共に電子体温計100全体の動作を制御する演算制御部220と、演算された被検者の体温を表示する表示部230と、音声データを出力する音声出力部240と、電源部250とを備える。
温度計測部210は、互いに並列に接続されたサーミスタ(測定用抵抗素子)及び基準抵抗素子と、単一入力積分型A/D変換回路とを備え、温度に対応した時間分のON信号(温度に対応して、ON時間が変わるディジタル信号)を出力する。なお、温度計測部210の詳細構成及び温度計測処理の流れについては後述する。
演算制御部220は、温度計測部210より出力されるディジタル信号のON時間を計測するタイマー222を備える。タイマー222は、制御回路221内のクロック発生部228が生成したクロックをカウントし、得られたカウント値と当該クロックの周波数に基づいて上記ON時間を計測する。
また、演算制御部220は演算処理部223を備える。演算処理部223は、ROM224に格納されたプログラムを実行することで、タイマー222により計測された時間に基づいて温度データを算出し、算出された温度データを時系列でRAM226に記憶し、算出された温度データの時間変化に基づいて被検体の体温を予測演算する。また、EEPROM225には所定の音声データが格納されており、演算処理部223は、この音声データを用いて音声出力部105より音声データの出力を行う。
更に、演算制御部220は、演算処理部223における演算結果を表示する表示部230を制御するための表示制御部227を備える。
更に、演算制御部220は、上記タイマー222、表示制御部227、演算処理部223、温度計測部210を制御する制御回路221を備える。
3.電子体温計における体温計測処理の流れ
3.1 電子体温計における体温計測処理の全体の流れ
次に、電子体温計における体温計測処理の流れについて説明する。なお、ここでは、平衡温予測式の電子体温計100の体温計測処理の流れについて説明するが、本発明はこれに限定されず、実測式の電子体温計、予測/実測を併用するタイプの電子体温計にも適用可能である。
被検体の計測部位に装着されると、電子体温計100では、所定の周期のサンプリングタイミングで温度計測を開始し、取得された温度データの時間変化に基づいて、被検体の体温を予測演算する。
図3は、電子体温計100における体温計測処理の流れを示すフローチャートである。以下、図3を用いて電子体温計100における体温計測処理の流れを説明する。なお、図3に示す処理は、例えば演算処理部223によって実行される。
電源ON/OFFスイッチ103の手動操作またはマグネットリードスイッチ(不図示)がON状態になることで、電子体温計100の電源部250がONされると、ステップS301では、電子体温計100の初期化が行われ、サーミスタによる温度計測が開始される。例えば、演算処理部223では、所定間隔、例えば、0.5秒おきに温度データの演算が行われる。
ステップS302では、体温計測開始条件が成立したか否かを判断する。具体的には、前回の温度計測により演算された温度データの値(つまり、0.5秒前の温度データの値)からの上昇度が、所定の値(例えば、1℃)以上となったか否かを判断する。
上昇度が所定の値以上となったと判断した場合には、体温計測開始条件が成立したと判断し、当該温度データを計測したタイミングを、予測体温演算の基準点(t=0)として設定する。つまり、電子体温計100では、急激な温度上昇が計測されると、被検者が、所定の計測部位(例えば、腋下)に電子体温計100を装着したものとみなす。
ステップS302において、体温計測開始条件が成立したと判断した場合には、ステップS303に進み、温度データの取り込みを開始する。具体的には、出力された温度データと、当該温度データを計測したタイミングとを、時系列データとしてRAM226に記憶する。
ステップS304では、ステップS303において記憶された温度データを用いて、所定の予測式により、予測体温を演算する。すなわち、計測された温度データから、サーミスタの外部温度との熱平衡状態における温度(熱平衡温度)を推定する。なお、この推定処理は、体温計測開始条件の成立を基準点(t=0)とし、基準点から所定時間(例えば25秒)が経過した後の所定期間(例えば、t=25秒〜45秒の20秒間)において行われる。
ステップS305では、上記の所定期間(本例ではt=25〜45秒)において、ステップS304において算出された一定区間(例えば、5秒間)にわたる予測値が、予め設定された予測成立条件を満たすか否かを判断する。具体的には、一定区間における熱平衡温度の推定値が所定の範囲(例えば、0.1℃)以内に収まっているか否かを判断する。
ステップS305において、予測成立条件を満たすと判断された場合には、直ちにステップS306に進み、温度計測を終了するとともに、ステップS307に進み、予測体温の演算が終了した旨の音声を出力し、表示部230に、演算された予測体温を表示する。
一方、ステップS305において、予測成立条件を満たさない状態のまま所定期間を過ぎたと判断された場合には、ステップS309に進む。ステップS309では、所定時間(本例ではt=45秒)を経過しても推定値が得られなかったと判断し、温度計測を強制終了する。なお、強制終了した場合には、その際に演算されていた予測体温を、表示部230に表示する(ステップS307)。このとき表示部230や音声出力部240を用いて体温計測が強制終了された旨を報知するようにしてもよい。
ステップS308では、体温計測終了指示を受け付けたか否かを判断する。ステップS308において、体温計測終了指示を受け付けていないと判断された場合には、ステップS302に戻る。
一方、ステップS308において、体温計測終了指示を受け付けたと判断された場合には、電源部をOFFにする。体温計測終了指示は、たとえば電源ON/OFFスイッチ103により、使用者によってなされるものとする。或いは、新たな体温計測が所定時間を超えて実行されなかった場合に体温計測終了が指示されたと判断するようにしてもよい。あるいは、電子体温計100が永久磁石を内蔵した収納ケース(不図示)に収納されることで、マグネットリードスイッチがOFFし、電源部250からの電源がOFFされる。
3.2 動作クロックの制御による省電力化
温度計測部210は、サーミスタとコンデンサが直列に接続された積分回路と、積分回路におけるコンデンサの電圧と所定電圧との比較結果を示す比較信号を出力する比較回路を有する。(図4により後述する)そして、タイマー222は、積分回路のコンデンサにおける充電または放電の開始(定常状態から過渡状態への移行の開始)から比較信号の変化を検出するまでの期間を充電時間或いは放電時間(すなわち、過渡期間)とし、その期間の長さをクロック発生部228が発生するクロック信号を計数することで計測する。この充電時間或いは放電時間は、サーミスタの抵抗値の変化に応じて変化するため、演算処理部223は、充電時間或いは放電時間の計測結果からサーミスタの抵抗値、すなわち、温度値を得ることができる。タイマー222によって計数されるクロックの周波数は高いほど計測精度が上がるが、電力消費は大きくなる。クロックの周波数を低く抑えれば電力消費を低減できるが、計測精度は低下してしまう。本実施形態では、クロック発生部228が発生するクロック信号の周波数を切替えることにより、計測精度を維持すると共に省電力化を図る。すなわち、体温測定中であるか否かを判定し、体温測定中であれば高周波数のクロックを用いてタイマー222による過渡期間の計測精度を維持し、体温測定中で無ければ低周波数のクロックを用いて省電力化を図る。
図11は本実施形態の演算処理部223によるクロック周波数の切替制御を説明するフローチャートである。ステップS321において、電源ON/OFFスイッチ103の手動操作またはマグネットリードスイッチ(不図示)がON状態になることで、電子体温計の電源がONされると、ステップS322において演算処理部223はクロック発生部228が高い周波数(例えば、1MHz)のクロックを生成するように設定する。なお、このステップでは、クロック発生部228が高い周波数か低い周波数のいずれかで動作するように設定を行えばよく、図示のように高い周波数への設定に限定されるものではない。
次に、ステップS323において、演算処理部223は、温度計測部210、タイマー222を用いて温度計測値を取得する。上述したように、タイマー222は、温度計測部210内のサーミスタと共に積分回路を形成するコンデンサにおける充電時間或いは放電時間を、クロック発生部228が生成したクロックを計数する。演算処理部223は、タイマー222から得られるクロックの計数値と、当該クロックの周波数から充電時間或いは放電時間を算出し、温度計測値を取得する。
ステップS324において、ステップS323で取得した温度計測値が所定の値(Th1)よりも小さく、且つ、現在のクロックの周波数が高い周波数であった場合、演算処理部223は、体温計測状態から非計測状態へ移行したと判断する。そして、非計測状態へ移行したと判断された場合、演算処理部223は、ステップS326において低い周波数(例えば、100kHz)のクロックを発生させるようクロック発生部228を制御する。また、ステップS325において、ステップS323で取得した温度計測値が所定の値(Th2)よりも大きく、且つ、現在のクロックの周波数が低い周波数であった場合、演算処理部223は、非計測状態から体温計測状態へ移行したと判断する。そして、体温計測状態へ移行したと判断された場合、演算処理部223は、ステップS327において高い周波数のクロックを生成させるようクロック発生部228を制御する。
以上のようなクロック周波数の切替処理を、図3に示した体温計測処理と並行して実行することにより、体温計測中以外におけるクロック周波数を低く抑えることができ、電子体温計の省電力化を図ることができる。また、体温計測中は高い周波数のクロックで動作するので、計測精度は維持される。特に手動操作による電源ON/OFFのためのスイッチや自動パワーオフ機能を持たないでマグネットリードスイッチを備えた病院用電子体温計に上記の構成を適用すれば、その省電力効果はより顕著なものとなる。以上のように、本実施形態によれば、計測に利用するクロック周波数の切替を制御することにより、計測精度の維持と省電力化を実現する。
すなわち、本実施形態におけるクロック周波数の切替処理では、サーミスタを用いて計測された温度値から体温計測中か否かを判定し、体温計測中でないと判定された場合にクロック周波数を低く抑えることにより省電力化を図る。なお、体温測定中か否かをサーミスタにより計測された温度値から判定する処理を説明したが、ステップS306、S309における計測終了により、クロック周波数を低い周波数へ切替えるようにしてもよい。また、演算処理部223における動作クロックの周波数も、上述の計測用のクロックと同じように切替えることで、より省電力化を図ることができる。上述した周波数切替処理は、サーミスタの抵抗値変化を計測して温度値を取得する電子体温計に適用できるが、特に、単一入力積分型A/D変換回路を用いた温度計測のように積分回路の過渡期間を計測するために高周波数のクロックが必要な構成に適用することでより顕著な効果が得られる。以下、本実施形態による単一入力積分型A/D変換回路を用いた温度計測の構成について説明する。
4.温度計測部の詳細構成及び温度計測処理の流れ
次に、温度計測部210の詳細構成及び、ステップS301において開始される温度計測処理の流れについて説明する。なお、温度計測処理の説明にあたっては、本実施形態における温度計測処理の特徴をより明確にするために、はじめに、一般的な温度計測処理の流れを説明する。
4.1 温度計測部の詳細構成
図4は、温度計測部210の詳細構成を示す図である。図4に示すように、温度計測部210では、互いに並列に接続されたサーミスタ401及び基準抵抗素子402が、それぞれ、コンデンサ403に直列に接続されている。すなわち、サーミスタ401とコンデンサ403は積分回路を構成する。また、同様に基準抵抗素子402とコンデンサ403も積分回路を構成しており、基準抵抗素子402とサーミスタ401は並列に接続されている。そして、サーミスタ401とコンデンサ403とを含む系の両端、及び基準抵抗素子402とコンデンサ403とを含む系の両端には、電圧切替部410を介してそれぞれ交互に電圧Vが印加されるように構成されている。すなわち、電圧切替部410は、端子T1に電圧Vを印加してコンデンサ403を充電した後、端子T1を0Vとしてコンデンサ403によるサーミスタ401を介した放電を開始させる。また、電圧切替部410は、端子T2に電圧Vを印加してコンデンサ403を充電した後、端子T2を0Vとしてコンデンサ403による基準抵抗素子402を介した放電を開始させる。なお、コンデンサ403への充電は、端子T1、T2のいずれか一方のみを用いるようにしてもよい。
ここで、基準抵抗素子402は、周辺温度の変動に関わらず、抵抗値が一定の抵抗素子である。このため、コンデンサ403における充電電圧Vが一定の場合、基準抵抗素子402を介したコンデンサ403による放電時間は一定となる。
一方、サーミスタ401は、周辺温度の変動に応じて、抵抗値が変動する抵抗素子である。このため、コンデンサ403に蓄積された電荷をサーミスタ401を介して放電すると、その放電時間は周辺温度に応じて変動することとなる。
つまり、電圧Vが一定の場合、コンデンサ403に蓄積される電荷を放電するのに要する放電時間は、基準抵抗素子402を介した放電の場合にあっては、常に一定となり、サーミスタ401を介した放電の場合にあっては、周辺温度に依存することとなる。
A/D変換部420を構成するコンパレータ421は、電圧切替部410を介して印加された電圧Vの所定割合の電圧(ここでは、0.25V)以上の電圧をコンデンサ403が有している間、所定の信号を出力する。これにより、A/D変換部420からは、ディジタル信号として、ON信号が出力される。
このように、コンデンサ403とA/D変換部420とは、単一入力積分型A/D変換回路を形成する。
放電により、コンデンサ403両端の電圧は、徐々に低下していき、所定の電圧(0.25V)以下になると、A/D変換部420より出力されるディジタル信号はOFF信号となる。
より一般化して言えば、コンパレータ421は、積分回路におけるコンデンサ403の電圧と所定電圧との比較結果を示す比較信号を出力する。タイマー222は、積分回路におけるコンデンサ403の放電の開始から、コンパレータ421が出力する比較信号の変化を検出するまでの期間においてクロック発生部228が生成したクロック信号をカウントする。こうして、タイマー222では、コンデンサ403による放電の開始以降の、A/D変換部420より出力されるディジタル信号のON時間(放電時間)を計測する。なお、タイマー222が計数するクロックはクロック発生部228が発生したものであるが、上述したようにその周波数は少なくとも2種類存在する。したがって、放電時間は、タイマー222による計数値とそのときのクロックの周波数とから得られることになる。
ここで、上述のように、基準抵抗素子402(端子T2)を介して放電された場合にあっては、コンデンサ403に蓄積される電荷量は一定であり、抵抗値も一定となるため、放電時間も一定となる。一方、サーミスタ401(端子T1)を介して放電された場合にあっては、コンデンサ403に蓄積される電荷量一定であるが、抵抗値が周辺温度に応じて変動するため、放電時間も変動する。
そこで、電子体温計100では、予め、周辺温度が既知の状態(基準温度)で、サーミスタ401を介してコンデンサ403に蓄積された電荷を放電した場合の放電時間と、基準抵抗素子402を介してコンデンサ403に蓄積された電荷を放電した場合の放電時間とを、それぞれ計測しておく。
この結果、基準抵抗素子402を介してコンデンサ403に蓄積された電荷を放電した際の放電時間と、サーミスタ401を介してコンデンサ403に蓄積された電荷を放電した際の放電時間とを比較するだけで、基準温度に対する変動比を算出することが可能となり、周辺温度の温度データを算出することが可能となる。
例えば、下式に基づいて、温度データTを算出することができる。
T=37℃×(Tth/Tref)×(Tref37/Tth37)
なお、上式において、基準温度は37℃としている。
なお、Tref37は、当該基準温度(37℃)において、基準抵抗素子402とコンデンサ403の系の両端に電圧Vを印加してコンデンサ403を充電した後、基準抵抗素子402を介してコンデンサ403の放電を行った場合に計測された放電時間を示している。また、Tth37は、当該基準温度において、サーミスタ401とコンデンサ403の系の両端に電圧Vを印加してコンデンサ403を充電した後、サーミスタ401を解してコンデンサ403の放電を行った場合に計測された放電時間を示している。
さらに、Trefは、温度計測処理において、基準抵抗素子402とコンデンサ403の系の両端に電圧Vを印加してコンデンサ403を充電した後、基準抵抗素子402を介して放電を行った場合に計測した放電時間を示している。また、Tthは、温度計測処理において、サーミスタ401とコンデンサ403の系の両端に電圧Vを印加してコンデンサ403を充電した後、サーミスタ401を介して放電を行った場合に計測した放電時間を示している。
4.2 一般的な温度計測処理の流れ
図5は、一般的な温度計測処理の流れを示すフローチャートであり、図6は、コンデンサ403の両端の電圧の時間変化及びA/D変換部420より出力されるディジタル信号の時間変化を示す図である。図5及び図6を用いて、一般的な温度計測処理の流れについて説明する。
ステップS501では、基準抵抗素子402とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する。図6の601は、これにより、コンデンサ403に徐々に電荷が蓄積されていく期間(充電期間)を示している。
コンデンサ403の充電が完了すると、ステップS502では、基準抵抗素子402を介したコンデンサ403の放電を行う(放電期間602)。A/D変換部420からは、コンデンサ403の電圧が0.25V以上である間はON信号が出力されるため、タイマー222では、放電期間602におけるON信号(603)の時間を計測する。これにより、放電を開始してからコンデンサ403の電圧が所定の電圧(ここでは、0.25V)以下になるまでの時間(放電時間604)Trefが計測される(図6の602参照)。
コンデンサ403の放電が完了すると、ステップS503では、サーミスタ401とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する。図6の605は、これにより、コンデンサ403に徐々に電荷が蓄積されていく期間(充電期間)を示している。
コンデンサ403の充電が完了すると、ステップS504では、サーミスタ401を介したコンデンサ403の放電を行う(放電期間606)。A/D変換部420からは、コンデンサ403の電圧が0.25V以上である間はON信号が出力されるため、タイマー222では、放電期間606におけるON信号の時間を計測する。これにより、放電を開始してからコンデンサ403の電圧が所定の電圧(ここでは0.25V)以下になるまでの時間(放電時間608)Tthが計測される。なお、Tthは、サーミスタ401の周辺温度に応じて変動する。
コンデンサ403の放電が完了すると、ステップS505では、T=a×Tth/Tref(ただし、aは係数であり、ここでは、a=37℃×(Tref37/Tth37))を計算することで、基準温度に対する変動比を求め、温度を算出する。更に、ステップS506では、算出結果Tを温度測定結果として設定する。
これにより、1回の温度計測が完了する。当該温度計測処理は、所定のサンプリングタイミングで、温度計測の終了が指示されるまで繰り返し行われる。なお、1回のサンプリングタイミングで上述した計測を複数回行って、得られた計測値の平均値を当該サンプリングタイミングの計測結果とするようにしてもよい。
4.3 一般的な温度計測処理の問題点
ここで、図6の例では、基準抵抗素子402とコンデンサ403の系の両端に印加した電圧と、サーミスタ401とコンデンサ403の系の両端に印加した電圧とが、同じであるとしている。
しかしながら、基準抵抗素子402とコンデンサ403の系の両端に印加した電圧と、サーミスタ401とコンデンサ403の系の両端に印加した電圧とが、同じになるとは限らない。
一般に、電源部250として電池を用いた場合、A/D変換部420が動作することにより生じる消費電流の影響で、電池の内部抵抗が大きくなり、電源部250の電圧が下がるという特性がある。このため、放電時間を繰り返し計測すると、そのたびに電源部250の電圧が低下する(具体的には、1回目の放電時間を計測する際に、電源部250の電圧が大きく低下し、2回目以降は、計測を繰り返すたびに、更に、徐々に電源部250の電圧が低下していき、やがて、所定の電源電圧に収束する)。
つまり、基準抵抗素子402とコンデンサ403の系の両端に印加した電圧と、サーミスタ401とコンデンサ403の系の両端に印加した電圧とでは、電圧値が異なっており、後から印加した電圧のほうが低くなっている。
この結果、計測される放電時間には、電源部250の電圧低下分が誤差として含まれていることとなる。
このような事態を回避するためには、レギュレータ等を配し、電源部の電圧を安定化させることが有効である。しかしながら、レギュレータ等を配する構成とした場合、レギュレータのリーク電流により電池の消耗が早まるため、電子体温計の長寿命化が妨げられるという問題がある。また、レギュレータ等を配する構成とすると、電子体温計のコスト上昇は不可避となる。
そこで、本実施形態では、レギュレータを使用することなく、計測される放電時間に含まれる、電源部250の電圧低下分の誤差を極力排除する構成とすることで、計測精度の維持と、長寿命化と、低価格とを実現する。以下、本実施形態における温度計測処理の詳細を説明する。
4.4 本実施形態における温度計測処理の流れ
図7は、本実施形態における温度計測処理の流れを示すフローチャートであり、図8は、コンデンサ403の両端の電圧の時間変化及びA/D変換部420より出力されるディジタル信号の時間変化を示す図である。図7及び図8を用いて、本実施形態における温度計測処理の流れについて説明する。
ステップS701では、基準抵抗素子402とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する。図8の801は、これにより、コンデンサ403に徐々に電荷が蓄積されていく期間(充電期間)を示している。
コンデンサ403の充電が完了すると、ステップS702では、基準抵抗素子402を介したコンデンサ403の放電を行う(端子T2を0Vに接続する)。このとき、タイマー222では、放電を開始してからコンデンサ403の電圧が所定の電圧(0.25V)以下になるまでの時間(放電時間802)Tref0を計測する。なお、ステップS702では放電のみを行い、Tref0は計測しなくてもよい。
コンデンサ403の放電が完了すると、ステップS703では、再度、基準抵抗素子402とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する。図8の803は、これにより、コンデンサ403に徐々に電荷が蓄積されていく期間(充電期間)を示している。
コンデンサ403の充電が完了すると、ステップS704では、基準抵抗素子402を介したコンデンサ403の放電を行う。このとき、タイマー222では、放電を開始してからコンデンサ403の電圧が所定の電圧(0.25V)以下になるまでの時間(放電時間804)Tref1を計測する。
コンデンサ403の放電が完了すると、ステップS705では、サーミスタ401とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する。図8の805は、これにより、コンデンサ403に徐々に電荷が蓄積されていく期間(充電期間)を示している。
コンデンサ403の充電が完了すると、ステップS706では、サーミスタ401を介したコンデンサ403の放電を行う(端子T1を0Vに接続する)。このとき、放電を開始してからコンデンサ403の電圧が所定の電圧(0.25V)以下になるまでの時間(放電時間806)Tthを計測する。なお、Tthは、サーミスタ401の周辺温度に応じて変動する。
コンデンサ403の放電が完了すると、ステップS707では、再度、基準抵抗素子402とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する。図8の807は、これにより、コンデンサ403に徐々に電荷が蓄積されていく期間(充電期間)を示している。
コンデンサ403の充電が完了すると、ステップS708では、基準抵抗素子402を介したコンデンサ403の放電を行う。このとき、タイマー222では、放電を開始してからコンデンサ403の電圧が所定の電圧(0.25V)以下になるまでの時間(放電時間808)Tref2を計測する。
コンデンサ403の放電が完了すると、ステップS709では、Tref=(Tref1+Tref2)/2を計算する。
更にステップS710では、T=a×Tth/Tref(ただし、aは係数)を計算することで、基準温度に対する変動比を求め、温度データを算出する。更に、ステップS711では、計算結果Tを温度計測結果として設定する。
これにより、1回の温度計測が完了する。当該温度計測処理は、温度計測の終了が指示されるまで繰り返し行われる。なお、1回のサンプリングタイミングで上述した計測を複数回行って、得られた計測値の平均値を当該サンプリングタイミングの計測結果とするようにしてもよい。
このように、本実施形態にかかる電子体温計では、各サンプリングタイミングにおける温度計測時の1回目の放電時間Tref0を、温度データの算出に用いない構成とした。この結果、1回目の放電に伴う電源部250の大幅な電圧低下の影響を低減させることが可能となる。なお、1回目の放電を、サーミスタによる放電として、1回目の放電時間Tth0を温度データの算出に用いない構成としてもよいことはいうまでもない。また、上記の例では温度データの算出に用いない充放電は1回だけ行うようにしているが、温度データの算出に用いない充放電を2回以上行う構成としてもよい。
また、本実施形態にかかる電子体温計では、サーミスタを介してコンデンサに蓄積された電荷を放電する際の放電時間を計測する直前と直後とに、それぞれ、基準抵抗素子を介してコンデンサに電荷を蓄積し、蓄積した電荷を放電する際の放電時間Tref1、Tref2を計測する構成とした。更に、直前と直後にそれぞれ計測された放電時間Tref1、Tref2の平均値を、温度データの算出に用いる構成とした。
このように、温度データの算出において放電時間の平均値を用いる構成とすることで、放電時間を繰り返し計測することによる電源部の電圧低下の影響を極力低減させることが可能となる。
つまり、レギュレータを用いない場合であっても、精度の高い温度計測を実現することが可能となる。この結果、長寿命かつ安価で、計測精度の高い電子体温計を提供することが可能となる。また、クロック周波数の切替との協働により、顕著な省電力効果を得ることができる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、温度計測処理開始直後から、コンデンサの充電/放電を4回繰り返すことにより、1回の温度計測処理を完了する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コンデンサの充電/放電を3回繰り返すことにより、1回の温度計測処理を完了する構成としてもよい。
具体的には、放電の順序を、1回目:基準抵抗素子を介した放電、2回目:基準抵抗素子を介した放電、3回目:サーミスタを介した放電とする。そして、1回目の放電時間Tref0を、温度データの算出に用いないこととする一方で、2回目の放電時間Tref1と、3回目の放電時間Tthとを比較することにより、温度データを算出する構成としてもよい。
あるいは、放電の順序を、1回目:基準抵抗素子を介した放電、2回目:サーミスタを介した放電、3回目:基準抵抗素子を介した放電とする。そして、1回目の放電時間Tref0は温度データの算出に用いる一方で、2回目の放電時間Tthと、3回目の放電時間Tref1との平均値を、温度データの算出に用いる構成としてもよい。この手順によれば、各サンプリングタイミングにおける温度計測時の、初期の放電に伴う電源部250の電圧低下がそれほど大きくない構成において、不必要な充放電を行わずに済む。
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、温度計測処理開始直後から、コンデンサの充電/放電を、4回繰り返すことにより、1回の温度計測処理が完了する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、放電時間を繰り返し計測することによる電源部の電圧低下が、一定の閾値以内に収束した後から、コンデンサの充電/放電を繰り返すことにより、1回の温度計測処理を完了する構成としても良い。
図9は、本実施形態における温度計測処理の流れを示すフローチャートであり、図10は、コンデンサ403の両端の電圧の時間変化及びA/D変換部420より出力されるディジタル信号の時間変化を示す図である。図9及び図10を用いて、本実施形態における温度計測処理の流れについて説明する。
はじめに、ステップS901ではカウンタnに1を入力する。ステップS902では、基準抵抗素子402とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する。図10の1001は、これにより、コンデンサ403に徐々に電荷が蓄積されていく期間(充電期間)を示している。
コンデンサ403の充電が完了すると、ステップS903では、コンデンサ403の基準抵抗素子402を介した放電を行う。このとき、タイマー222では、放電を開始してからコンデンサ403の電圧が所定の電圧(0.25V)以下になるまでの時間(放電時間1002)Tref0を計測する。
コンデンサ403の放電が完了すると、ステップS904では、再度、基準抵抗素子402とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する。図10の1003は、これにより、コンデンサ403に徐々に電荷が蓄積されていく期間(充電期間)を示している。
コンデンサ403の充電が完了すると、ステップS905では、再度、コンデンサ403の基準抵抗素子402を介した放電を行う。このとき、タイマー222では、放電を開始してからコンデンサ403の電圧が所定の電圧(0.25V)以下になるまでの時間(放電時間1004)Tref1を計測する。
コンデンサ403の放電が完了すると、ステップS906では、Tref0を計測した際の電圧V0と、Tref1を計測した際の電圧V1とを比較し、電圧V0と電圧V1との差異を計算する(実際にはTref0とTref1との差異を計算する)。そして、電圧V0と電圧V1との差異が所定値以下でないと判定された場合には、ステップS907においてnの値をインクリメントした後、ステップS904に戻る。
この場合、再度、基準抵抗素子402とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する。図10の1005は、これにより、コンデンサ403に徐々に電荷が蓄積されていく期間(充電期間)を示している。
コンデンサ403の充電が完了すると、ステップS905では、コンデンサ403の放電を行う。このとき、タイマー222では、放電を開始してからコンデンサ403の電圧が所定の電圧(0.25V)以下になるまでの期間(放電時間1006)Tref2を計測する。
コンデンサ403の放電が完了すると、ステップS906では、Tref1を計測した際の電圧V1と、Tref2を計測した際の電圧V2とを比較し、電圧V1と電圧V2との差異を計算する(実際には、Tref1とTref2との差異を計算する)。そして、電圧V1と電圧V2との差異が所定値以下でないと判定された場合には、ステップS907においてnの値をインクリメントした後、ステップS904に戻る。
以降、放電時間を繰り返し計測することによる電圧低下が、所定値以下になるまで、基準抵抗素子402とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する処理と、基準抵抗素子402を介してコンデンサ403に蓄積された電荷を放電する処理とを繰り返す。
そして、放電時間を繰り返し計測することによる電圧低下(1007)が、所定値以下になったと判定された場合には、ステップS908に進む。
ステップS906では、サーミスタ401とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する。図10の1008は、これにより、コンデンサ403に徐々に電荷が蓄積されていく期間(充電期間)を示している。
コンデンサ403の充電が完了すると、ステップS909では、サーミスタ401を介したコンデンサ403の放電を行う。このとき、放電を開始してからコンデンサ403の電圧が所定の電圧(0.25V)以下になるまでの時間(放電時間1009)Tthを計測する。
コンデンサ403の放電が完了すると、ステップS910では、再度、基準抵抗素子402とコンデンサ403とを含む系の両端に電圧Vを印加する。図10の1010は、これにより、コンデンサ403に徐々に電荷が蓄積されていく期間(充電期間)を示している。
コンデンサ403の充電が完了すると、ステップS911では、基準抵抗素子402を介したコンデンサ403の放電を行う。このとき、タイマー222では、放電を開始してからコンデンサ403の電圧が所定の電圧(0.25V)以下になるまでの時間(放電時間1011)Tref_n+1を計測する。
コンデンサ403の放電が完了すると、ステップS912では、Tref=(Tref_n+Tref_n+1)/2を計算する。
更にステップS913では、T=a×Tth/Tref(ただし、aは係数)を計算することで、基準温度に対する変動比を求め、温度データを算出する。更に、ステップS914では、算出結果Tを温度計測結果として設定する。
これにより、1回の温度計測が完了する。当該温度計測処理は、温度計測の終了が指示されるまで繰り返し行われる。
このように、本実施形態にかかる電子体温計では、放電時間を繰り返し計測することによる電圧部の電圧低下が、一定の閾値以内に収束するまで、基準抵抗素子を介してのコンデンサへの充電/放電を繰り返す構成とした。これにより、放電に伴う電源部の大幅な電圧低下の影響を低減させることが可能となる。
また、本実施形態にかかる電子体温計では、サーミスタを介してコンデンサに蓄積された電荷を放電する際の放電時間を計測する直前と直後とに、それぞれ、基準抵抗素子を介してコンデンサに電荷を蓄積し、蓄積した電荷を放電する際の放電時間Tref_n、Tref_n+1を計測する構成とした。更に、直前と直後にそれぞれ計測された放電時間Tref_n、Tref_n+1の平均値を、温度の計測に用いる構成とした。
このように、放電時間の平均値を用いる構成とすることで、放電時間を繰り返し計測することによる電源部の電圧低下の影響を極力低減させることが可能となる。
つまり、レギュレータを用いない場合であっても、精度の高い温度計測を実現することが可能となる。この結果、長寿命かつ安価で、計測精度の高い電子体温計を提供することが可能となる。また、クロック周波数の切替との協働により、顕著な省電力効果を得ることができる。

Claims (8)

  1. サーミスタとコンデンサとが直列に接続された積分回路と、
    クロック信号を生成するクロック手段と、
    前記積分回路において定常状態から過渡状態に移行した際の過渡期間を前記クロック信号をカウントすることにより計測する計測手段と、
    前記計測手段で計測された前記過渡期間に基づいて温度値を算出する算出手段とを備え、
    前記クロック手段は、前記算出手段で算出された温度値に基づいて、前記クロック信号の周波数を切替えることを特徴とする電子体温計。
  2. 前記クロック手段は、前記算出手段で算出された温度値が所定温度またはそれ以上である場合の前記クロックの周波数を、前記周辺温度が所定温度よりも低い場合の周波数よりも高くすることを特徴とする請求項1に記載の電子体温計。
  3. 前記計測手段は、
    前記積分回路における前記コンデンサの電圧と所定電圧との比較結果を示す比較信号を出力する比較手段と、
    前記積分回路の前記コンデンサにおける放電の開始から前記比較信号の変化を検出するまでの期間において前記クロック信号をカウントすることにより前記過渡期間を計測することを特徴とする請求項1または2に記載の電子体温計。
  4. 前記積分回路は、更に前記コンデンサと直列に、且つ、前記サーミスタと並列に接続された基準抵抗体を有し、
    前記計測手段は、前記コンデンサに蓄積された電荷を前記サーミスタを介して放電して得られる放電時間と、前記コンデンサに蓄積された電荷を前記基準抵抗体を介して放電して得られる放電時間との少なくとも2つの放電時間を計測し、
    前記算出手段は、前記計測手段で計測された前記少なくとも2つの放電時間を用いて温度値を算出することを特徴とする請求項3に記載の電子体温計。
  5. 前記計測手段は、前記コンデンサに蓄積された電荷を前記サーミスタを介して放電して得られる第1の放電時間の計測と、前記第1の放電時間の計測の直前及び直後において前記コンデンサに蓄積された電荷を前記基準抵抗体を介して放電して得られる第2及び第3の放電時間の計測を行い、
    前記算出手段は、前記第2及び第3の放電時間の平均値と、前記第1の放電時間とを用いて温度値を算出することを特徴とする請求項4に記載の電子体温計。
  6. 所定のサンプリングタイミングで前記計測手段を機能させることにより温度値を取得する取得手段を更に備え、
    前記計測手段は、前記所定のサンプリングタイミングの各々において、前記放電時間の計測の開始に先立って、少なくとも1回の前記コンデンサへの充電と放電を行うことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電子体温計。
  7. 前記計測手段は、前記コンデンサからの前記基準抵抗体を介した放電を複数回繰り返し、前回の放電時間と今回の放電時間との差が所定値以下になった場合に当該今回の放電時間を前記第2の放電時間とし、当該今回の放電時間の計測の直後に前記コンデンサから前記サーミスタを介した放電を行って前記第1の放電時間を計測し、更に、前記第1の放電時間の計測の直後に前記コンデンサから前記基準抵抗体を介した放電を行って前記第3の放電時間を計測することを特徴とする請求項5に記載の電子体温計。
  8. サーミスタとコンデンサとが直列に接続された積分回路と、
    クロック信号を生成するクロック手段とを備えた電子体温計の制御方法であって、
    前記積分回路において定常状態から過渡状態に移行した際の過渡期間を前記クロック信号をカウントすることにより計測する計測工程と、
    前記計測工程で計測された前記過渡期間に基づいて温度値を算出する算出工程と、
    前記算出工程で算出された温度値に基づいて、前記クロック手段が発生する前記クロック信号の周波数を切替える切替工程とを有することを特徴とする電子体温計の制御方法。
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