JP2010228557A - スイングアーム装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドライブシャフト30の中心軸を、ピボット軸17と駆動輪18のアクスル軸18aとを結ぶ線Aの下側に配置する。スイングアーム20を、ドライブシャフト30を囲む第1アーム21と,左右方向に関し反対側に配置した第2アーム22とで構成し、第1アーム21と第2アーム23とを,ピボット軸17と駆動輪18との間に位置する連結部23で連結し,クッション40の下端を,リンク機構50を介して,連結部23の下面から下方へ突出して設けたリンク支持部24に連結し,スイングアーム20の上面におけるピボット軸近傍に,クッション40の上端を支持するクッション支持部25を設ける。
【選択図】図3
Description
本発明の目的は,上記課題を解決し,軽量化を図ることができるスイングアーム装置を提供することにある。
前記ドライブシャフトの中心軸を、車体を側方から見たときに、前記ピボット軸と前記駆動輪のアクスル軸とを結ぶ線の下側に配置するとともに,前記スイングアームを、前記ドライブシャフトを囲む第1アームと,車体の左右方向に関して前記第1アームの反対側に配置した第2アームとで構成して、これら第1アームと第2アームとを,前記ピボット軸と前記駆動輪との間に位置する連結部で連結し,
前記クッションの下端を,リンク機構を介して,前記連結部の下面から下方へ突出して設けたリンク支持部に連結するとともに,前記スイングアームの上面における前記ピボット軸近傍に,前記クッションの上端を支持するクッション支持部を設けたことを特徴とする。
このスイングアーム装置によれば,
スイングアームを、ドライブシャフトを囲うように設けたこと,
スイングアームを,前記ドライブシャフトを囲む第1アームと,車体の左右方向に関して第1アームの反対側に配置した第2アームとで構成して、これら第1アームと第2アームとを,ピボット軸と駆動輪との間に位置する連結部で連結したこと,
クッションの下端を,リンク機構を介して,前記連結部の下面から下方へ突出して設けたリンク支持部に連結するとともに,前記スイングアームの上面におけるピボット軸近傍に,クッションの上端を支持するクッション支持部を設けたこと,
によって,スイングアーム全体の強度および剛性を向上させることができる。
特に,ドライブシャフトの中心軸を、車体を側方から見たときに、ピボット軸と駆動輪のアクスル軸とを結ぶ線の下側に配置して,相対的にピボット軸がドライブシャフトの上方に配置される構成とし,かつ,クッションの下端を,リンク機構を介して,前記連結部の下面から下方へ突出して設けたリンク支持部に連結することで,クッションの配置スペースを確保しつつ,クッションの上端を支持するクッション支持部をスイングアームの上面におけるピボット軸近傍に設けることを可能とし,これによって,高強度・高剛性が要求される,スイングアームにおけるピボット軸回りと,クッション支持部とを近づけて配置することを可能とし,高強度・高剛性化が必要な両者間の間隔を狭めることでスイングアーム装置,ひいては車両全体の軽量化を図ることが可能となった。
望ましくは,前記連結部と前記第1アームとの接続部は,前記ドライブシャフトと同じ高さに配置する。
このように構成すると,スイングアーム全体の強度および剛性を一層向上させることができる。
さらに望ましくは,前記ピボット軸と前記駆動輪のアクスル軸とを結ぶ線から前記連結部の上面までの高さ方向の距離より前記ピボット軸と前記駆動輪のアクスル軸とを結ぶ線から前記連結部の下面までの高さ方向の距離を長くする。
このように構成すると,スイングアームの捩れ中心を、高さ方向でピボット軸寄りに近づけることができる。スイングアームの捩れ中心を、ピボット軸寄りに近づけることで,車両の操縦性を向上させることができる。
また望ましくは,前記リンク機構は,互いに揺動自在に連結された第1腕部材と第2腕部材とを有する構成とし,第1腕部材は、車体フレームから第1揺動軸を介して前記リンク支持部側へ向けて延ばして設け,前記第2腕部材は、前記リンク支持部から第2揺動軸を介して前記第1揺動軸側へ延ばして設ける。
このように構成すると,クッションの配置スペースを良好に確保することができる。
図1は本発明に係るスイングアーム装置の一実施の形態を用いた車両の一例を示す左側面図である。
この実施の形態の車両10は後輪駆動の自動二輪車であり,車体をなすフレーム(車体フレーム)11を有している。このフレーム11の前端を構成するヘッドパイプ12に操舵自在にフロントフォーク13が取付けられ,このフロントフォーク13の上部にバーハンドル14が取付けられている。フロントフォーク13の下端に前輪15が回転自在に取り付けられている。フレーム11にはエンジン16が固定されている。フレーム11の後部には,スイングアーム20がピボット軸17で上下スイング自在に取り付けられており,このスイングアーム20の後端部に駆動輪である後輪18が回転可能に取り付けられている。後輪18は,エンジン16との間に配置されたドライブシャフト30を介して駆動される。
先ず,このスイングアーム装置の基本構成について説明する。
このスイングアーム装置は,車体フレ―ム11に設けたピボット軸17で上下方向に揺動可能に支持され,駆動輪18を回転可能に支持するスイングアーム20と、車体フレ―ム11に取り付けたエンジン16と駆動輪18との間に設けられ,エンジン16から駆動輪18へ駆動力を伝達するドライブシャフト30と、スイングアーム20を弾性的に支持するクッション40とを備えている。
図4に示すように,スイングアーム20は,ドライブシャフト30を囲む第1アーム21と,車体の左右方向に関して第1アーム21の反対側(図では右側)に配置した第2アーム22とで構成して、これら第1アーム21と第2アーム21とを,ピボット軸17と駆動輪18との間に位置する連結部23で連結した構成である。
スイングアーム20における連結部23と第1アーム21との接続部23jは,ドライブシャフト30と同じ高さに配置されている。
リンク機構50は,ピン53で互いに揺動自在に連結された第1腕部材51と第2腕部材52とを有している。第1腕部材51は、車体フレーム11から第1揺動軸51aを介して前記リンク支持部24側へ向けて延ばして設け,第2腕部材52は、前記リンク支持部24から第2揺動軸52aを介して第1揺動軸51a側へ延ばして設けてある。
図2〜図4に示すように車体フレーム11の後部には,左右一対のピボットプレート11pが設けられており,図4に示すように,これらピボットプレート11p間にピボット軸17がボルトナット11bで締結されて固定されている。
図5〜図7に示すように,スイングアーム20は中空体であり,第1アーム21,第2アーム22の前部には,それぞれの内部空間を上下に仕切るとともに剛性を高めるための仕切板21b,22b部が一体に設けられている。第1アーム21において仕切板21bで仕切られた下方の空間21sにドライブシャフト30が挿通される。
図3,図4に示すように,スイングアーム20の後端部20Rには,内部に駆動輪18のアクスル軸18aを有するギヤボツクス60が設けられている。このギヤボックス60に上記ドライブギヤ61と,これに噛み合うドリブンギヤ62が設けられている。
したがって,エンジン16の動力は,自在継手16U,ドライブシャフト30,軸長可変機構33,ドライブギヤ61,ドリブンギヤ62,およびアクスル軸18aを介して駆動輪18へ伝達され,駆動輪18が駆動される。
クッション支持部25は図4に示すように,第1アーム21と第2アーム22とから上方に向けて一体に相対向して構成され,その上端に設けたボルト挿通穴25bにボルト44が挿通されて一対のクッション支持部25間に該ボルト44が横架され,そのボルト44にクッション40の上端42が回動可能に連結される。
リンク機構50は,スイングアーム20が揺動した際,ピボット軸17に対する,クッション40上端42の支持部であるクッション支持部25の移動量に対して,クッション40下端41の支持部(図示のものは第2腕部材52に対する支持部43)の移動量の方が大きくなるような機構であれば,任意の機構を採用し得る。
(a)スイングアーム20を、ドライブシャフト30を囲うように設けたこと,
スイングアームを,ドライブシャフト30を囲む第1アーム21と,車体の左右方向に関して第1アーム21の反対側に配置した第2アーム22とで構成して、これら第1アーム21と第2アーム22とを,ピボット軸17と駆動輪18との間に位置する連結部23で連結したこと,
クッション40の下端41を,リンク機構50を介して,連結部23の下面23cから下方へ突出して設けたリンク支持部24に連結するとともに,スイングアーム20の上面20bにおけるピボット軸近傍に,クッション40の上端42を支持するクッション支持部25を設けたこと,
によって,スイングアーム20全体の強度および剛性を向上させることができる。
特に,ドライブシャフト30の中心軸30cを、車体を側方から見たときに、ピボット軸17と駆動輪18のアクスル軸18aとを結ぶ線Aの下側に配置して,相対的にピボット軸17がドライブシャフト30の上方に配置される構成とし,かつ,クッション40の下端41を,リンク機構50を介して,連結部23の下面23cから下方へ突出して設けたリンク支持部24に連結することで,クッション40の配置スペースを確保しつつ,クッション40の上端42を支持するクッション支持部25をスイングアーム20の上面20bにおけるピボット軸近傍に設けることを可能とし,これによって,高強度・高剛性が要求される,スイングアーム20におけるピボット軸17回り(先端部21f,22f)と,クッション支持部25とを近づけて配置することを可能とし,高強度・高剛性化が必要な両者間の間隔を狭めることでスイングアーム装置,ひいては車両全体の軽量化を図ることが可能となった。
(c)ピボット軸17と駆動輪18のアクスル軸18aとを結ぶ線Aから連結部の23上面23bまでの高さ方向の距離L1よりピボット軸と駆動輪のアクスル軸とを結ぶ線Aから連結部23の下面23cまでの高さ方向の距離L2を長くしてあるので,スイングアーム20の捩れ中心を、高さ方向でピボット軸17寄り(ピボット軸17と駆動輪18のアクスル軸18aとを結ぶ線A寄り)に近づけることができる。スイングアーム20の捩れ中心を、ピボット軸17寄りに近づけることで,車両の操縦性を向上させることができる。
図8(a0)〜(a2)(b0)〜(b2)はそれぞれ車両の駆動輪18を後方から見た図であり,ピボット軸17の中心17aの高さに対するスイングアームの捩れ中心20aの高さの位置関係によって、スイングアーム20の捩れ特性に差が出ることを説明する図である。
この実施の形態では,スイングアーム20の捩れ中心を、高さ方向でピボット軸17寄りに近づけることができるので,車両の操縦性を向上させることができる。
11 車体フレ―ム
17 ピボット軸
18 駆動輪
20 スイングアーム
16 エンジン
30 ドライブシャフト
40 クッション
21 第1アーム
22 第2アーム
23 連結部
50 リンク機構
24 リンク支持部
25 クッション支持部
51 第1腕部材
52 第2腕部材
Claims (4)
- 車体フレ―ムに設けたピボット軸で上下方向に揺動可能に支持され,駆動輪を回転可能に支持するスイングアームと、前記車体フレ―ムに取り付けたエンジンと前記駆動輪との間に設けられ,エンジンから駆動輪へ駆動力を伝達するドライブシャフトと、前記スイングアームを弾性的に支持するクッションと,を備えたスイングアーム装置であって,
前記ドライブシャフトの中心軸を、車体を側方から見たときに、前記ピボット軸と前記駆動輪のアクスル軸とを結ぶ線の下側に配置するとともに,前記スイングアームを、前記ドライブシャフトを囲む第1アームと,車体の左右方向に関して前記第1アームの反対側に配置した第2アームとで構成して、これら第1アームと第2アームとを,前記ピボット軸と前記駆動輪との間に位置する連結部で連結し,
前記クッションの下端を,リンク機構を介して,前記連結部の下面から下方へ突出して設けたリンク支持部に連結するとともに,前記スイングアームの上面における前記ピボット軸近傍に,前記クッションの上端を支持するクッション支持部を設けたことを特徴とするスイングアーム装置。 - 前記連結部と前記第1アームとの接続部は,前記ドライブシャフトと同じ高さに配置したことを特徴とする請求項1記載のスイングアーム装置。
- 前記ピボット軸と前記駆動輪のアクスル軸とを結ぶ線から前記連結部の上面までの高さ方向の距離より前記ピボット軸と前記駆動輪のアクスル軸とを結ぶ線から前記連結部の下面までの高さ方向の距離を長くしたことを特徴とする請求項2記載のスイングアーム装置。
- 前記リンク機構は,互いに揺動自在に連結された第1腕部材と第2腕部材とを有する構成とし,第1腕部材は、車体フレームから第1揺動軸を介して前記リンク支持部側へ向けて延ばして設け,前記第2腕部材は、前記リンク支持部から第2揺動軸を介して前記第1揺動軸側へ延ばして設けたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のスイングアーム装置。
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