JP2010226851A - コジェネレーションシステム及びその制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コジェネレーションシステムを設置する各区画毎に蓄電池を導入することなく、停電時に非常用電源として機能させることを可能にする。
【解決手段】 電力系統50が停電状態になると、停電時制御部4は、各区画内並びに共用部内の電力負荷と棟内配線60との接続を開放し、次に、まず区画20aに対して、前記電力負荷の内の少なくとも発電ユニット31aの始動用負荷を含む優先負荷41aと棟内配線60とを接続させた後、蓄電部5の蓄電電力を棟内配線60に対して出力させた状態下で発電ユニット31aに対する始動指示を与える。その後、区画20bに対して優先負荷41bと棟内配線60とを接続させた後、発電ユニット31bに対する始動指示を与える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コジェネレーションシステム及びその制御装置に関する。特に、電力を消費する複数の区画を有し、電力系統からの受電電力を、内部の配線(受電空間内配線)を介して前記各区画に供給可能に構成された受電空間(受電棟)内の、二以上の前記区画内に発電ユニットを備えるコジェネレーションシステム及びその制御装置に関する。
コジェネレーションシステムは、発電機ユニットの発電電力とその発電時に生じる排熱を供給する構成であり、省エネルギーの観点から、近年、集合住宅などにも導入が進んでいる。ここでいう集合住宅とは、電力を消費する複数の区画及び共用部を有しており、電力系統からの受電電力を棟内配線(受電空間内配線に相当)を介して前記各区画及び前記共用部に供給可能に構成されている受電空間の一例として挙げているものである。
集合住宅を構成する一以上の住戸内にコジェネレーションシステムが導入される場合、その集合住宅の外部に逆潮流しないことが条件とされる。このとき、集合住宅の外部に逆潮流が生じなければ良いため、その条件を充足していれば、コジェネレーションシステムが設置された住戸側から棟内配線への逆潮流は事実上許される。この点を利用し、コジェネレーションシステムが設置された住戸内での電力需要が発電電力を下回った場合に、すなわち住戸内余剰電力が発生した場合には、集合住宅全体での総発電電力が総需要電力を上回らない範囲内で、この住戸内余剰電力を棟内配線を介して共用部や他の住戸内への電力供給に利用するシステムに関する出願が、既に本出願人によってなされている(下記特許文献1参照)。
特許文献1に記載のシステムでは、棟内で余剰電力が生じる場合には、各住戸内のコジェネレーションシステム内の電熱ヒータによって各住戸内余剰電力を消費することで、棟外への逆潮流が生じないように制御を行っている。
ところで、コジェネレーションシステムは、発電ユニットを有しているため、システム設置者においては、系統の停電時に非常用電源として利用したいという要望が高い。しかし、系統停電時にコジェネレーションシステムが停止している場合には、エンジンを始動させるための電力を系統から調達することができない。このため、非常時においてコジェネレーションシステムを作動させるべく、コジェネレーションシステムに蓄電池を内蔵した停電時始動用ユニットを本体に着脱可能とし、ニーズに合わせて停電時に自立発電機能を付加可能な技術が提供されている(特許文献2参照)。
特開2007−71033号公報 特開2008−228543号公報
しかし、上記特許文献2の技術を集合住宅に導入することを鑑みた場合、各住戸(区画)毎に蓄電池を導入する必要がある。このため、集合住宅(受電空間)全体でみれば導入コストが大幅に高騰する。また、各住戸(区画)毎に蓄電池設置スペースを確保する必要もある。
本発明は上記の問題点に鑑み、コジェネレーションシステムを設置する各区画毎に蓄電池を導入することなく、停電時に非常用電源として機能させることが可能なコジェネレーションシステム及びその制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、電力を消費する複数の区画を有し、電力系統からの受電電力を受電空間内配線を介して前記各区画に供給可能に構成された受電空間内の、二以上の前記区画内に発電ユニットを備えるコジェネレーションシステムの制御装置であって、前記電力系統からの受電電力の一部を蓄電し、当該蓄電電力を前記受電空間内配線に対して供給可能に構成された蓄電部と、前記各区画内の電力負荷と前記受電空間内配線の間の接続制御、並びに前記発電ユニットの出力制御を行う停電時制御部と、を備え、前記停電時制御部は、前記電力系統が停電状態にあることを認識すると、前記各区画内の電力負荷と前記受電空間内配線との接続を開放する第一動作と、その後、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の前記区画を選択し、選択された当該区画内の前記発電ユニットの始動用負荷を含む前記電力負荷と前記受電空間内配線とを接続させた後、前記蓄電部の蓄電電力を前記受電空間内配線に対して出力させた状態下で前記発電ユニットに対して始動指示を与える第二動作と、前記第二動作で選択された前記区画内における前記発電ユニットの始動後、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の別の前記区画を選択し、新たに選択された当該区画内の前記発電ユニットの始動用負荷を含む前記電力負荷と前記受電空間内配線とを接続させた後、前記発電ユニットに対して始動指示を与える第三動作と、を実行することを特徴とする。
このように構成することで、停電後は、まず第二動作で選択された区画内の発電ユニットの始動用負荷に対し、蓄電部からの蓄電電力が受電空間内配線を介して電力供給される。これにより、同区画内の発電ユニットは始動可能な状態が確保される。
そして、この状態の下で、同区画内の発電ユニットに対して始動指示が与えられる。すなわち、この第二動作によって、第二動作で選択された区画内の発電ユニットを始動することができる。
更に、この第二動作で選択された区画内の発電ユニットが始動した後、別の区画内の発電ユニットの始動用負荷と受電空間内配線とが接続される。このとき、既に第二動作で選択された区画内の発電ユニットは発電が開始されているため、この発電によって生じた電力が、受電空間内配線へと送られる。すなわち、第二動作で選択された区画内の発電ユニットの発電電力が、受電空間内配線を介して第三動作で選択された区画内の発電ユニットの始動用負荷に供給される。
そして、この状態の下で、第三動作で選択された区画内の発電ユニットに対して始動指示が与えられる。すなわち、この第三動作によって、第三動作で選択された区画内の発電ユニットを始動することができる。
ここで、重要なことは、第三動作で選択された区画内の発電ユニットを始動させるに際しては、第二動作で選択された区画内の発電ユニットからの発電電力を利用することができるという点である。すなわち、第三動作を実行するに際しては、必ずしも蓄電部からの蓄電電力を利用する必要がない。従って、停電時において、発電ユニットを始動させるに際し、各区画毎に蓄電池を備える必要がないばかりか、制御装置内に備えるべき蓄電容量も、第二動作で選択する区画内の発電ユニットを始動させるのに必要な、始動用負荷に対して与える電力が最小限確保されていれば良い。
そして、本発明に係る制御装置は、上記特徴に加えて、前記停電時制御部は、前記第三動作の終了後、直前に選択された前記区画内における前記発電ユニットの始動後に、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の更に別の前記区画を選択し、新たに選択された当該区画内の前記発電ユニットの始動用負荷を含む前記電力負荷と前記受電空間内配線とを接続させた後、前記発電ユニットに対して始動指示を与える第四動作を一回又は複数回順次実行することを特徴とする。
本発明の制御装置の上記特徴によれば、第二動作、第三動作で選択された区画のみならず、その後に選択された区画内の発電ユニットに対しても順次始動させることができる。すなわち、この動作を繰り返すことにより、発電ユニットを備える全ての区画内において、発電ユニットを始動させることが可能となる。
従って、前記第四動作を所定回数以上実行することで、受電空間内における発電出力が一定程度確保できる。このため、その後に前記停電時制御部が、前記受電空間内配線と前記発電ユニットを有しない一以上の前記区画内の前記電力負荷とを接続させることにより、前記受電空間内配線を介して発電ユニット(コジェネレーションシステム)を有しない区画に対しても電力供給を行うことができる。また、前記受電空間内に、前記電力系統からの受電電力を前記受電空間内配線を介して供給可能な共用部が構成されている場合には、前記第四動作を所定回数以上実行後、前記停電時制御部が、前記受電空間内配線と前記共用部とを接続させることにより、発電電力の一部を受電空間内配線を介して共用部に供給することができる。つまり、停電時においても、発電ユニットを有しない区画内の電力負荷や共用部に対して電力供給を行うことができる。
なお、前記第三動作の実行により、受電空間内の全ての発電ユニットの運転が開始した場合には、前記第三動作の終了後、前記停電時制御部が前記受電空間内配線と前記共用部又は前記発電ユニットを有しない一以上の前記区画内の前記電力負荷とを接続させる構成としても良い。この場合においても、前述の場合と同様、停電時に発電ユニットを有しない区画内の電力負荷や共用部に対して電力供給を行うことができる。
また、本発明に係る制御装置は、上記特徴に加えて、前記停電時制御部が、前記第二動作において、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の前記区画を選択し、選択された当該区画内の、前記電力負荷の内の少なくとも前記発電ユニットの始動用負荷を含む優先負荷と前記受電空間内配線とを接続させた後、前記蓄電部の蓄電電力を前記受電空間内配線に対して出力させた状態下で前記発電ユニットに対して始動指示を与え、前記第三動作において、前記第二動作で選択された前記区画内における前記発電ユニットの始動後、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の別の前記区画を選択し、新たに選択された当該区画内の前記優先負荷と前記空間内配線とを接続させた後、前記発電ユニットに対して始動指示を与えることを別の特徴とする。
このように構成される場合、停電時においては始動用負荷を含む優先負荷にのみ電力供給がされるため、優先負荷を最小限に設定しておくことにより、発電ユニットが運転を開始した区画内において電力消費がされた場合であっても余剰電力を確実に発生させることが可能となる。従って、この余剰電力に基づいて別の区画内の発電ユニットを始動させることができ、停電時における受電空間内の電力融通の確実性を向上させることができる。
また、本発明は、電力を消費する複数の区画を有し、電力系統からの受電電力を受電空間内配線を介して前記各区画に供給可能に構成された受電空間内の、一以上の前記区画内に発電ユニットを備えたコジェネレーションシステムであって、前記電力系統が通電状態から停電状態に移行すると、まず、前記各区画内の電力負荷と前記受電空間内配線との接続を開放し、次に、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の前記区画が選択され、選択された当該区画内の前記発電ユニットの始動用負荷を含む前記電力負荷と前記受電空間内配線とを接続後、前記電力系統の通電時に受電電力の一部が蓄電されることで得た蓄電電力を前記受電空間内配線に対して供給した状態で、前記発電ユニットを始動し、次に、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の別の前記区画が選択され、選択された当該区画内の前記発電ユニットの始動用負荷を含む前記電力負荷と前記受電空間内配線とを接続後、前記発電ユニットを始動することを特徴とする。
本発明のコジェネレーションシステム及びその制御装置によれば、同システムを設置する各区画毎に蓄電池を導入することなく、停電時に非常用電源として機能させることが可能となる。これにより、各区画内において必要とされる蓄電池の設置スペースは不要となり、更には、受電空間(受電棟)全体で必要な蓄電池数が減少するため、導入コストの大幅な低廉化が図られる。
本発明に係るコジェネレーションシステム及びその制御装置が導入された集合住宅の構成を示す概念的ブロック図 停電時における集合住宅の電力供給状態を示す概念的ブロック図 停電時に第一優先住戸に対して電力が供給されている状態を示す概念的ブロック図 停電時に第一優先住戸のコジェネレーションシステムに対して始動指示がされている状態を示す概念的ブロック図 停電時に第二優先住戸に対して電力が供給されている状態を示す概念的ブロック図 停電時に第二優先住戸のコジェネレーションシステムに対して始動指示がされている状態を示す概念的ブロック図 停電時に第二優先住戸のコジェネレーションシステムが始動した後、更に別の住戸のコジェネレーションシステムを始動させた状態における概念的ブロック図 停電時に共用負荷並びにコジェネレーションシステムを備えない住戸に対して電力供給を行っている状態を示す概念的ブロック図
以下、本発明の実施の形態につき、詳細に説明する。
図1は、本発明に係るコジェネレーションシステム及びその制御装置が導入された集合住宅の構成を示す概念的ブロック図である。なお、本実施形態では、複数の住戸を有する集合住宅(受電棟)を例に挙げて説明するが、コジェネレーションシステムを導入する対象としては、集合住宅に限られるものではなく、一般的に、電力を消費する複数の区画を有し、電力系統からの受電電力を、内部の配線(受電空間内配線)を介して前記各区画に供給可能に構成された受電空間をその対象とする。
また、これを受け、以下の実施形態では受電空間のことを、適宜「受電棟」或いは単に「棟」という記載で表現する。例えば、「棟内」は受電空間内に対応し、「棟外」は受電空間外に対応する。また、「棟内配線」は受電空間内の配線(受電空間内配線)に対応し、後述する「棟外逆潮流回避信号」は「受電空間外逆潮流回避信号」に対応する。
集合住宅1は、電力系統50から電力を受電し、電気室2内において、変圧器13によって商用電圧に降圧された状態で、棟内配線60を介して各住戸(20a,20b,20c,20d,…)並びに共用部51に対して電力供給が行われる。
なお、本実施形態では、集合住宅1内の住戸のうち、一部の住戸はコジェネレーションシステムが導入されていないものとする。図1の例では、住戸20a,20b,20cがコジェネレーションシステムが導入されており住戸20dはコジェネレーションシステムが導入されていない。以下では、コジェネレーションシステムが導入されている住戸を一括して「住戸20X」,導入されていない住戸を一括して「住戸20Y」と呼び、更にこれらを一括するときは「住戸20」と呼ぶ。また、特にコジェネレーションシステムが導入されている住戸に関連する構成要素を一括して説明する場合には、符号の末尾に「X」を付し、コジェネレーションシステムが導入されていない住戸に関連する構成要素を一括して説明する場合には、符号の末尾に「Y」を付して説明することがある。
電気室2内には、集合住宅1から電力系統50に向かう逆潮流(以下、「棟外逆潮流」という)が発生していないかを検知するため、逆電力継電器を含む集中RPR3が設置されている。集中RPR3は、棟外逆潮流の発生を検知すると、その旨を示す「棟外逆潮流回避信号」(受電空間外逆潮流回避信号に対応)を出力する。棟外逆潮流回避信号は、コジェネレーションシステム30が導入されている各住戸20Xに送信され、これによって各システム内の発電ユニットの発電出力が停止する。発電ユニットの発電出力が停止することで余剰電力がなくなり、棟外逆潮流は回避される。
各住戸20は、電力系統50からの受電電力が棟内配線60を介して供給されており、接続制御部40(40a,40b、40c、40d,…)によって住戸20内に引き込まれた電力が、住戸内の電力負荷に供給される。
住戸20aを例に挙げて説明する。住戸20aにはコジェネレーションシステム30aが備えられている。コジェネレーションシステム30aは、発電ユニット31a,発電ユニットを始動するための始動用負荷33a,及び同システムを制御するための制御ユニット34aを有する。始動用負荷33aは、補機及びその他の機器を含む。
住戸20aは、コジェネレーションシステム30aと同システム以外の一部の電力負荷32aで構成される優先負荷41aと、これら以外の電力負荷で構成される一般負荷42aを有しており、接続制御部40aを介して棟内配線60からの電力が両負荷(41a,42a)に供給可能に構成されている。なお、接続制御部40aは、棟内配線60と優先負荷41aの接続,並びに棟内配線60と一般負荷42aの接続を制御可能に構成されている。通常は、接続制御部40aによって、棟内配線60と両負荷41a,42aとが接続されており、棟内配線60からの電力が両負荷41a,42aに供給される。
ここで、優先負荷41aとは、停電時において優先的に電力を供給する必要のある負荷を指している。一方、一般負荷42aとは、住戸20a内における優先負荷41a以外の全ての電力負荷をいう。優先負荷41aは、コジェネレーションシステム30aを始動するのに必要な負荷(始動用負荷33a)を含む構成であり、本実施形態では、更にこの始動用負荷以外の負荷(32a)を含む構成である。但し、電力負荷32aの消費電力は、発電ユニット31aの発電電力より十分小さいものとする。より具体的には、発電ユニット31aの発電電力をP1,電力負荷32aを含む優先負荷41aの消費電力をP2,他の住戸(20b等)の発電ユニットを始動させるのに必要な消費電力をPaとすると、P2<P1−Paである。つまり、発電ユニット31aの発電時において、優先負荷41aに発電電力が供給されている場合には、更に余剰電力が生じており、この余剰電力は、別の発電ユニットを始動させるのに必要な消費電力以上の大きさである。すなわち、優先負荷41aは、停電時であっても電力供給を行う必要性の極めて高い負荷が設定され、その消費電力が必要以上に大きくなることのないよう、吟味されている。
また、発電ユニット31aの発電時には、発電電力が住戸20a内の電力負荷に供給され、余剰電力が存在する場合には、棟内配線60側に逆潮流をする(以下、「棟内逆潮流」という)。図1に示す住戸20aでは、この棟内逆潮流が生じている場合の潮流の向きを矢印を用いて示している。なお、住戸20cは20aと同様に棟内逆潮流が生じている場合、20bは発電ユニット31bが運転しておらず棟内配線60より受電している場合の潮流状態を矢印で示している。また、住戸20dはコジェネレーションシステムを有していないので、当然に棟内配線60から電力が供給されている。
なお、図1において、住戸20aに関連する構成要素には符号の末尾に「a」を付している。同様に、住戸20b,20c,20dに関連する構成要素には符号の末尾にそれぞれ「b」,「c」,「d」を付している。また、各住戸間で対応する構成要素に対しては、末尾以外の符号を同一としており、以下ではこの構成要素に関して一括して説明する場合にはその末尾を消去した符号を用いて説明する。例えば、「コジェネレーションシステム30」は、各住戸20a,20b,20c,…に設置されたコジェネレーションシステム30a,30b,30cを一括して指すものとする。同様に、各住戸内における優先負荷を「優先負荷41」,一般負荷を「一般負荷42」のように呼ぶものとする。
各住戸20内における電力負荷は、優先負荷41と一般負荷42に分けられ、それぞれが接続制御部40を介して棟内配線60と接続される。そして、この接続制御部40は、後述する停電時制御部4から送信される接続制御信号によって、棟内配線60と優先負荷41,並びに棟内配線60と一般負荷42の間の接続を制御する。
電気室2内には、上述した集中RPR3及び変圧器13の他、集合住宅1内の電力供給を制御するための制御装置6を備えている。この制御装置6は、停電時制御部4と蓄電部5を備える。
停電時制御部4は、電力系統50が停電時において、各住戸20に設置された接続制御部40,共用部51に設置された開閉器52,及び各住戸20Xに設置されたコジェネレーションシステム30を制御する。また蓄電部5は、蓄電池11とインバータ12を有しており、電力系統50が停電していない通常時において、電力系統50からの受電電力の一部を蓄電するために備えられている。具体的には、インバータ12が双方向インバータで構成され、通常時において系統50からの受電電力が変圧器13で降圧された交流電圧を、同インバータ12によって直流電圧に変換して蓄電池11に供給する。これによって、蓄電池11に対し蓄電容量に応じた蓄電電力が貯えられる。
そして、停電時には、蓄電池11に貯えられた蓄電電力をインバータ12によって商用電圧に変換した後、棟内配線60へと供給される。この蓄電池11は、停電時制御部4の制御に必要な電力、及び停止状態にある少なくとも一つの発電ユニット31を始動させるのに必要な電力を供給することができる容量を備えている。
コジェネレーションシステム30は、集中RPR3から棟外逆潮流回避信号が送信されると、制御ユニット34が発電ユニット31の発電出力を停止させる。また、停電時制御部4から始動制御信号が送信されると、制御ユニット34は、発電ユニット31が停止中であれば当該発電ユニット31の運転を開始させる。
また、集合住宅1内には、住戸20以外に共用部51を有しており、この共用部51内の電力負荷である共用負荷53は、開閉器52を介して棟内配線60から電力が供給される。開閉器52は、停電時制御部4から送信される接続制御信号によって開閉制御される。
図1は、電力系統50が正常時である場合において、各住戸20並びに共用部51に対する電力供給時の潮流の一例を示したものである。上述したように、図1では、住戸20a及び20cにおいて棟内逆潮流が生じている例を示している。すなわち、住戸20a及び20cにおける余剰電力は、棟内配線60を介して他の住戸の電力負荷や共用負荷53に供給されている。
以下、図1の状態の後、電力系統50が停電状態になった場合において、通電状態に復帰するまでの間、集合住宅1における電力供給の制御(以下、「非常時制御」という)につき説明する。
電力系統50が停電状態になったことが検知されると、停電時制御部4は、各住戸20の接続制御部40,及び共用部51の開閉器52に対して、棟内配線60と負荷との接続を切り離す旨の接続制御信号を送信する。接続制御部40及び開閉器52は、この信号を受信すると、図2に示すように、負荷と棟内配線60の接続を切り離す(「第一動作」に相当)。なお、このとき棟内配線60と蓄電部5についても、一時的に接続を切り離す。
また、電力系統50からの通電が停止されることで、コジェネレーションシステム30の制御ユニット34が停止する。これにより、発電ユニット31の出力が自動的に停止される。
次に停電時制御部4は、複数の住戸20X(コジェネレーションシステム30を備えた住戸)の内、予め定められた最も優先度の高い一以上の住戸(以下、「第一優先住戸」という)を選択し、この第一優先住戸の接続制御部40に対して接続制御信号を送信し、棟内配線60と優先負荷41とを接続させる。ここで、第一優先住戸を住戸20aとすると、図3に示すように、接続制御部40aに対して停電時制御部4から接続制御信号が送信され、優先負荷41aと棟内配線60が接続する。なお、停電時制御部4を含む制御装置6は、蓄電部5の蓄電電力,或いはそれ以外の非常用電源が供給されることで動作可能であるとする。
蓄電部5は、停電時制御部4から前記第一優先住戸の接続制御部40に対する制御信号が送信された後、蓄電電力を棟内配線60に出力する。これにより、図3に示すように、住戸20a内の優先負荷41aに対し蓄電部5からの蓄電電力が供給される。
そして、この後、図4に示すように、停電時制御部4は、この第一優先住戸である住戸20a内のコジェネレーションシステム30aに対して始動制御信号を送信する(「第二動作」に相当)。制御ユニット34aは、始動制御信号を受信すると、始動用負荷33aを駆動させて発電ユニット31aを始動させる。図4は、制御ユニット34aが発電ユニット31aを始動制御した直後の状態を示している。
発電ユニット31aが始動すると、同ユニット31aから発電電力が出力される。この電力は住戸20a内の優先負荷41aに供給されるが、上述したように、発電ユニット31aの発電電力は優先負荷41aの消費電力を上回るため、余剰電力が生じる。この時点では、第一優先住戸(20a)以外の住戸内負荷,並びに共用負荷53が、棟内配線60から切り離されているため、住戸20a以外に棟内配線60に接続されている負荷が存在しない。このため、余剰電力は、発電ユニット31a内の電熱ヒータで消費される。なお、この時点において、発電ユニット31aの余剰電力が、インバータ12を介して蓄電池11へと蓄電されることのないよう、言い換えれば、発電ユニット31aから見て蓄電部5が電力負荷となることのないよう、蓄電部5と棟内配線60の接続が切り離される。
次に停電時制御部4は、第一優先住戸を除く住戸20Xの内、最も優先度の高い一以上の住戸(以下、「第二優先住戸」という)を選択して当該第二優先住戸の接続制御部40に対して接続制御信号を送信し、同住戸内の優先負荷41を棟内配線60に接続させる。ここで、第二優先住戸を住戸20bとすると、図5に示すように、接続制御部40bに対して停電時制御部4から接続制御信号が送信され、これによって、優先負荷41bと棟内配線60が接続する。
このとき、発電中の住戸20a内の発電ユニット31aから見れば、新たに住戸20b内の優先負荷41bが「負荷として」接続されたと見ることができる。このため、同発電ユニット31a内の余剰電力が、棟内配線60を介して住戸20b内の優先負荷41bへと供給される(棟内逆潮流)。この状態で、更に余剰電力が生じている場合には、発電ユニット31a内の電熱ヒータで消費される。
なお、実際には、停電時制御部4は、住戸20aのコジェネレーションシステム30aに対して始動制御信号を送信後、予め定められた所定時間が経過した段階で、住戸20bの接続制御部40bに対して接続制御信号を送信するものとして良い。この所定時間は、停電時制御部4が始動制御信号を送信後、住戸20a内の発電ユニット31aが始動して発電電力を出力するまでに要する時間以上に設定されているものすれば良い。
発電ユニット31a内の余剰電力が優先負荷41bへと供給されることにより、住戸20b内のコジェネレーションシステム30b(の発電ユニット31b)の始動用電源が確保される。
この状態において、停電時制御部4は、図6に示すようにコジェネレーションシステム30bに対して始動制御信号を送信し、同システムを始動させる(「第三動作」に相当)。制御ユニット34bは、始動制御信号を受信すると、始動用負荷33bを駆動させて発電ユニット31bを始動させる。図6は、制御ユニット34bが発電ユニット31bを始動制御した直後の状態を示している。
発電ユニット31bが始動すると、同ユニット31bから発電電力が出力される。この電力は住戸20b内の優先負荷41bに供給されるが、発電ユニット31aの場合と同様、発電電力が優先負荷41bの消費電力を上回るため、余剰電力が生じ、発電ユニット31b内の電熱ヒータで消費される。
以下、順次、発電ユニット31が始動していないコジェネレーションシステム30を備える住戸20Xに対し、停電時制御部4が接続制御部40を制御し、優先負荷41にのみ棟内配線60を接続させ、既に発電ユニット31が運転されている住戸20Xからの余剰電力を棟内配線60を介して供給する。これにより、停止中の発電ユニット31の始動用電源が確保される。この始動用電源が確保された状態において停電時制御部4からコジェネレーションシステム30に対して始動制御信号を送信し、発電ユニット31を始動させる(「第四動作」に相当)。このようにして、住戸20X内のコジェネレーションシステム30が備える発電ユニット31を順次始動させ、発電電力を出力させることができる。図7は、住戸20c内のコジェネレーションシステム30cが始動した直後の潮流の状態を示している。
なお、上述したように、停電時制御部4は、コジェネレーションシステム30に対して始動制御信号を送信後、発電ユニット31が発電電力を出力するまでに要する時間以上経過した後に、次に始動させる対象となるコジェネレーションシステム30を備える住戸20Xの接続制御部40に対して接続制御信号を送信するものとして良い。
このようにして、停電時制御部4から全ての住戸20Xに対して始動制御信号が送信され、各住戸20X内のコジェネレーションシステム30が始動した後、停電時制御部4は開閉器52に接続制御信号を送信し、共用負荷53を棟内配線60に接続させる。更には、コジェネレーションシステム30を備えない住戸20Yの接続制御部40Yに対して接続制御信号を送信し、同住戸20Y内の優先負荷41Yを棟内配線60に接続させる(図8参照)。これにより、停電時においても共用部51や住戸20Y(の優先負荷41Y)に対しても電力供給を行うことができる。
以上説明したように、本発明のコジェネレーションシステムによれば、各住戸内に蓄電池を備えなくても、少なくとも一のコジェネレーションシステム内の発電ユニット31を始動させるのに必要な消費電力以上の電力供給能力がある蓄電池11を電気室2内に備えておくことで、既に運転中のコジェネレーションシステムの余剰電力を用いて、芋づる式に停止中のコジェネレーションシステムを始動させることができる。
しかも、本発明の構成の場合、優先度の高い住戸20X順に、順次接続制御部40とコジェネレーションシステム30に制御信号を送信するのみで良く、その制御内容は簡素なもので実現可能である。従って、集合住宅1全体でみれば、必要な蓄電池容量が小さくできることを合わせれば、その導入コストは大きく削減することができる。
以下に別実施形態につき、説明する。
〈1〉上記実施形態では、各住戸内の負荷は、優先負荷と一般負荷で構成され、接続制御部40において両負荷への接続制御が行われる構成とした。そして、停電時には優先負荷に対してのみ棟内配線60と接続させた上で、発電ユニット31からの余剰電力によって他の住戸の停止中の発電ユニットを始動させるという動作を繰り返し行うことで、停止中の発電ユニットを順次運転させて発電出力を増加させることで電力供給を行う構成であった。
これに対し、各住戸内の負荷が必ずしも優先負荷と一般負荷というように区別されていない場合であっても、本システムを導入することは可能である。すなわち、停電後、停電時制御部4から第一優先住戸20a内のコジェネレーションシステム30aに対して始動制御信号が送信され、これを受けて発電ユニット31aが始動する。この発電ユニット31aからの発電電力が、住戸20a内の全ての負荷(上記実施形態における「一般負荷」を含む)に対して供給可能な構成となる。しかし、あくまで供給可能な状態であって、機器を使用さえしなければ余剰電力が発生する状態となるため、この余剰電力に基づいて第二優先住戸20b内の発電ユニット31bを始動させる。以下、上述の実施形態と同様に順次発電ユニットを始動させる。
但し、前述のとおり、停電時においても住戸内の全ての負荷に電力供給が可能な状態となるため、発電ユニット31からの発電電力のみが供給されている場合に、住戸内で通常(停電時ではない)と同様の電力消費がなされた場合には、余剰電力が生じない可能性がある。このような場合には、余剰電力を用いて停止中の他の住戸内の発電ユニット31を始動させるということができなくなる。そこで、このような事態とならないよう、優先負荷と一般負荷を区別しない場合に本システムを適用するに際しては、「コジェネレーションシステムを用いた停電時の電力融通は、あくまで緊急的に行われているものであって、通常時と同様の電力消費がなされた場合には融通が不能になる可能性があるので、系統が復旧するまでの間は、なるべく電力機器の使用を最小限に留めて欲しい」という旨の連絡を行っておくのが望ましい。
つまり、停電時における電力融通を確実に行わせるという観点から見れば、停電時には強制的に優先負荷のみに電力供給がされる上記実施形態の方が好適であるといえる。但し、この別実施形態の場合は、需要者にとってあらゆる電力消費機器が利用可能な状態が確保できるという観点から見れば好ましい形態ということもできる。
〈2〉第一優先住戸から順次コジェネレーションシステムを作動させていく制御途上において、電力系統50の通電が復旧した場合には、上述した一連の制御(非常時制御)を中止すると共に、各接続制御部40及び開閉器20を制御して全ての負荷を棟内配線60に接続させ、電力系統50からの受電電力を供給可能にするものとして良い。
〈3〉制御装置6の設置場所は電気室2内に限られるものではない。また、電気室2は、各図面に開示された構成要素の他、図示していない法規上必要な設備が当然に設置されているものとする。
〈4〉上記実施形態では、コジェネレーションシステム30が導入された住戸20X内における優先負荷41として、発電ユニット31の始動用負荷33並びにそれを除く一部の電力負荷32で構成されるとしたが、優先負荷41として発電ユニット31の始動用負荷33のみを想定するものとしても良い。
この場合において、コジェネレーションシステム30が導入されていない住戸20Yでは、優先負荷41と一般負荷42の区別がないものとしても良い。このとき、当該住戸20Y内における接続制御部40(40Y)は、棟内配線60と電力負荷とを接続するか否かを制御するに留まるものとして良い。
〈5〉上記実施形態では、全ての住戸20X内のコジェネレーションシステム30が始動すると、共用負荷53や、コジェネレーションシステムを備えない住戸20Yの優先負荷41に対する電力供給を行うものとしたが、必ずしもこのような電力供給を行わなくても良い。例えば、全ての住戸20X内のコジェネレーションシステム30が作動した後は、各住戸20Xにおいて棟内逆潮流を禁止した状態で、同システム30からの発電電力を一般負荷42に対して供給する構成としても良い。このようにすることで、コジェネレーションシステム30を導入した住戸20Xの住民に対しては、住戸内の全ての負荷に対して電力が供給されることになり、コジェネレーションシステムを導入したことへの満足度が高まる。
但し、この場合、コジェネレーションシステム30(内の発電ユニット31)の発電電力によって、優先負荷41と一般負荷42の全てをまかなう必要があり、住戸20X内の電圧が低下する可能性がある。このため、必要に応じてフリッカ等を生じさせることで、電圧不足であることを住民に認識させる機能を有する構成としても良い。
〈6〉上記実施形態では、第一優先住戸を住戸20a、第二優先住戸を住戸20bとてし、一戸ずつ順次コジェネレーションシステムを始動させるものとしたが、必ずしも一戸ずつ始動させる必要はなく、蓄電池11の容量、並びに余剰電力の大きさに応じて、複数戸ずつ順次コジェネレーションシステムを始動させるものとしても良い。
更に、コジェネレーションシステムを始動させる対象となる住戸数を順次増やす構成とすることもできる。本発明のシステムは、発電ユニットが運転している住戸から生じる余剰電力を用いて別の住戸内の(停止中の)コジェネレーションシステムを始動させる構成である。このため、非常時制御において、発電ユニットが運転している住戸からは、少なくとも一戸分の住戸のコジェネレーションシステムを始動させるのに必要な電力以上の余剰電力が生じるよう、優先負荷41を設定しておけば、現時点で発電ユニット31が運転している住戸数に相当する住戸に対して、余剰電力を用いて停止中のコジェネレーションシステムを作動させることが可能となる。従って、発電ユニット31が運転中の住戸20Xの戸数がNである場合には、N戸分の住戸20Xに対して停止中のコジェネレーションシステム30を運転させることができ、その次には2N戸の住戸に対して停止中のコジェネレーションシステム30を運転させることができる。
従って、集合住宅1内において、できるだけ多くの住戸20Xに対し、最も短時間でコジェネレーションシステム30を始動させるためには、既にコジェネレーションシステム30が運転しており発電ユニット31において発電中である住戸数N(又はNに限りなく近いN以下の住戸数)に相当する住戸に対し、一時に始動指示を与える構成とすれば良い。
〈7〉上記実施形態では、第一優先負荷の発電ユニット31が始動した段階で蓄電部5と棟内配線60の接続を開放するものとしたが、蓄電部5が発電ユニット31から見て電力負荷を構成しない間であれば、棟内配線60との接続を維持しても良い。
また、停止中の発電ユニットを始動させるのに必要な電力を超えて、余剰電力が生じた場合には、発電中の発電ユニット内の電熱ヒータで消費されるものとした。これに対し、停止中の発電ユニットを始動させるのに必要な電力を確保できる範囲内であれば、余剰電力を蓄電部5に供給することで、一部の余剰電力を用いて蓄電池11に蓄電するものとしても良い。
〈8〉上記実施形態では、停電時において全てのコジェネレーションシステム30が停止するものとして説明したが、既に運転中のコジェネレーションシステム30を停止しない構成としても良い。例えば、住戸20aと20c内のコジェネレーションシステム(30a,30c)が運転中である図1の場合において、停電が生じると、接続制御部40は開放される一方、コジェネレーションシステム30a,30cは引き続き運転を継続するものとして良い。この場合、優先負荷32a,32cに対しては発電ユニット31a,31cからの電力が供給された状態である。このとき、接続制御部40が開放されるため、余剰電力が存在する場合にはコジェネレーションシステム30内の電熱ヒータによって消費されるものとして良い。
このような場合であっても、非常時制御を上記実施形態と同様の内容とすることができる。すなわち、停電時制御部4が、優先度の高い住戸から順次、接続制御部40に対して制御信号を送信して優先負荷41と棟内配線60を接続させ、コジェネレーションシステム30に対して制御信号を送信して始動指示を与えるものとして良い。このとき、コジェネレーションシステム30が既に始動している場合には、電熱ヒータへの電力供給を停止して棟内逆潮流を可能にするものとして良い。
〈9〉上記実施形態では、順次発電ユニット31を始動させていく際、まず優先度の高い区画内のコジェネレーションシステムに対して始動制御信号を送信後、同区画内における発電ユニット31からの発電電力が出力するまでに要する時間以上の所定時間が経過した段階で、次に発電ユニット31を始動させる対象となる区画の接続制御部40に対して接続制御信号を送信する構成とした。しかし、停電時制御部4側において、優先度の高い区画内の発電ユニット31からの発電出力が開始されたことを認識できる構成であれば、この方法に限られるものではない。
すなわち、一例としては、制御ユニット34と停電時制御部4の間を双方向通信が可能な構成とし、発電ユニット31が始動した後に停電時制御部4が制御ユニット34から始動完了信号を受信した段階で、次に発電ユニットを始動させる対象となる区画の接続制御部40に対して接続制御信号を送信する構成としても構わない。
〈10〉上記実施形態では、第四動作を含む場合について説明したが、第三動作が完了した時点で集合住宅1内に存在する全てのコジェネレーションシステムが始動した場合には、第四動作を行わないものとして良い。この場合は、第三動作が完了後、コジェネレーションシステムを備えない住戸20の電力負荷や共用負荷51を棟内配線と接続するものとしても良い。
〈11〉上記実施形態では、受電空間として複数の住戸(受電区画)を備えた集合住宅(受電棟)を想定したが、各区画を各住宅に対応させることにより複数の戸建住宅を前記受電空間とすることも可能である。すなわち、複数の戸建住宅の集合体にコジェネレーションシステムが設置されている場合において、この集合体に属する戸建住宅間で余剰電力の融通を行う構成とする。
但し、この場合、前記集合体に属する住宅から生じる余剰電力が、同集合体に属する別の住戸に供給されることを想定しているため、当該集合体内部においては逆潮流が許されていることが条件となる。この場合でも、当該集合体の外部における電力系統に対する逆潮流さえ防止する機構を備えておくことで、上述した集合住宅の場合と同様のシステム構成となる。
なお、集合住宅の場合とは異なり、受電空間が複数の住宅からなる集合体で構成される場合には、その性質上、共用部が観念できない場合もあり得る。従って、この場合には、上述した実施形態における「共用部」は必ずしも備えなくて良い。一方、この場合であっても、例えば同受電空間内における街灯に対し、同受電空間内の住宅からの余剰電力を用いて電力供給できる構成とすることで、集合住宅の場合と同様に「共用部」を観念することも可能である。
1: 集合住宅
2: 電気室
3: 集中RPR
4: 停電時制御部
5: 蓄電部
6: 制御装置
11: 蓄電池
12: インバータ
20: 住戸(20a,20b,20c,20d,…)
20X: コジェネレーションシステムが導入された住戸
20Y: コジェネレーションシステムが導入されていない住戸
30: コジェネレーションシステム(30a,30b,30c,30d,…)
31: コジェネレーションシステム内の発電ユニット(31a,31b,31c,31d,…)
32: 電力負荷(32a,32b,32c,32d,…)
33: 始動用負荷(33a,33b,33c,33d,…)
34: 制御ユニット(34a,34b,34c,34d,…)
40: 接続制御部(40a,40b,40c,40d,…)
41: 優先負荷(41a,41b,41c,41d,…)
42: 一般負荷(42a,42b,42c,42d,…)
50: 電力系統
51: 共用部
52: 開閉器
53: 共用負荷
60: 棟内配線

Claims (6)

  1. 電力を消費する複数の区画を有し、電力系統からの受電電力を受電空間内配線を介して前記各区画に供給可能に構成された受電空間内の、二以上の前記区画内に発電ユニットを備えるコジェネレーションシステムの制御装置であって、
    前記電力系統からの受電電力の一部を蓄電し、当該蓄電電力を前記受電空間内配線に対して供給可能に構成された蓄電部と、
    前記各区画内の電力負荷と前記受電空間内配線の間の接続制御、並びに前記発電ユニットの出力制御を行う停電時制御部と、を備え、
    前記停電時制御部は、
    前記電力系統が停電状態にあることを認識すると、
    前記各区画内の電力負荷と前記受電空間内配線との接続を開放する第一動作と、
    その後、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の前記区画を選択し、選択された当該区画内の前記発電ユニットの始動用負荷を含む前記電力負荷と前記受電空間内配線とを接続させた後、前記蓄電部の蓄電電力を前記受電空間内配線に対して出力させた状態下で前記発電ユニットに対して始動指示を与える第二動作と、
    前記第二動作で選択された前記区画内における前記発電ユニットの始動後、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の別の前記区画を選択し、新たに選択された当該区画内の前記発電ユニットの始動用負荷を含む前記電力負荷と前記受電空間内配線とを接続させた後、前記発電ユニットに対して始動指示を与える第三動作と、を実行することを特徴とする制御装置。
  2. 前記停電時制御部は、
    前記第三動作の終了後、
    直前に選択された前記区画内における前記発電ユニットの始動後に、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の更に別の前記区画を選択し、新たに選択された当該区画内の前記発電ユニットの始動用負荷を含む前記電力負荷と前記受電空間内配線とを接続させた後、前記発電ユニットに対して始動指示を与える第四動作を一回又は複数回順次実行することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記電力系統からの受電電力を前記受電空間内配線を介して供給可能な共用部が前記受電空間内に構成されている場合において、
    前記停電時制御部が、
    前記第四動作を所定回数以上実行後、前記受電空間内配線と前記共用部又は前記発電ユニットを有しない一以上の前記区画内の前記電力負荷とを接続させることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記電力系統からの受電電力を前記受電空間内配線を介して供給可能な共用部が前記受電空間内に構成されている場合において、
    前記停電時制御部が、
    前記第三動作の終了後、前記受電空間内配線と前記共用部又は前記発電ユニットを有しない一以上の前記区画内の前記電力負荷とを接続させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記停電時制御部は、
    前記第二動作において、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の前記区画を選択し、選択された当該区画内の、前記電力負荷の内の少なくとも前記発電ユニットの始動用負荷を含む優先負荷と前記受電空間内配線とを接続させた後、前記蓄電部の蓄電電力を前記受電空間内配線に対して出力させた状態下で前記発電ユニットに対して始動指示を与え、
    前記第三動作において、前記第二動作で選択された前記区画内における前記発電ユニットの始動後、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の別の前記区画を選択し、新たに選択された当該区画内の前記優先負荷と前記空間内配線とを接続させた後、前記発電ユニットに対して始動指示を与えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 電力を消費する複数の区画を有し、電力系統からの受電電力を受電空間内配線を介して前記各区画に供給可能に構成された受電空間内の、一以上の前記区画内に発電ユニットを備えたコジェネレーションシステムであって、
    前記電力系統が通電状態から停電状態に移行すると、
    まず、前記各区画内の電力負荷と前記受電空間内配線との接続を開放し、
    次に、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の前記区画が選択され、選択された当該区画内の前記発電ユニットの始動用負荷を含む前記電力負荷と前記受電空間内配線とを接続後、前記電力系統の通電時に受電電力の一部が蓄電されることで得た蓄電電力を前記受電空間内配線に対して供給した状態で、前記発電ユニットを始動し、
    次に、停止状態の前記発電ユニットを備える一以上の別の前記区画が選択され、選択された当該区画内の前記発電ユニットの始動用負荷を含む前記電力負荷と前記受電空間内配線とを接続後、前記発電ユニットを始動することを特徴とするコジェネレーションシステム。
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