JP2010226850A - コジェネレーションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 既存の汎用性の高いコジェネレーションシステムを用いながらも、区画内部における余剰電力が生じた場合に、棟外への逆潮流を防止しつつこの区画内余剰電力を棟内での電力融通に利用できるシステムを実現する
【解決手段】 制御ユニット3は、出力制御される対象コジェネレーションシステム1が設置されている住戸21の電力負荷31に対して発電ユニット2の発電電力を供給すると共に、余剰電力が存在する場合には、棟内配線15側へ逆潮流させることなく当該余剰電力を電熱ヒータ5に対して供給し、更になお余剰電力が存在する場合には発電ユニット2の発電出力を停止する制御を行う自己消費モードと、電力負荷31に対して発電ユニット2の発電電力を供給すると共に、余剰電力が存在する場合には、その全てを前記棟内配線15側へ逆潮流させる全出力モードと、の間で運転モードの切換が可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発電ユニットと、前記発電ユニットでの発電時に生じる排熱を回収する蓄熱ユニットを備えたコジェネレーションシステムに関する。特に、電力を消費する複数の区画を有し、電力系統からの受電電力を受電空間内配線を介して前記各区画に供給可能に構成された受電空間(受電棟)において、その一以上の前記区画内に設置され、各区画内に電力供給可能に構成されたコジェネレーションシステムに関するものである。
発電機ユニットの発電電力とその発電時に生じる排熱を供給するコジェネレーションシステムにおいて、例えば前記発電機ユニットとしてガスエンジン等の原動機と発電機を搭載している場合のように、発電時に生じる電力エネルギーよりも熱エネルギーの方がエネルギー量が大きくなるシステムが存在する。このシステムにおいては、エネルギー効率を高めるべく、高熱負荷時にのみ、発電機を予め設定した回転数の一定出力で(例えば定格で)運転させる運転制御が行われている。このような制御が行われる運転を、一般的に「熱主運転」と呼ぶ。
この熱主運転に従ってコジェネレーションシステムを運転させた場合、当該システムが設置されたエネルギー消費空間(以下、一例として戸建て住戸とする)の電力需要が、当該システムにおける発電電力を下回る場合がある。このような状態になると、システム側から電力系統側への逆潮流が生じ得る状況になる。多くの場合、住戸側から電力系統側への逆潮流が技術要件等によって禁止されており、このことは、逆潮流が生じないよう運転制御することを条件にコジェネレーションシステムの導入が許されることを意味するものである。このような事情の下、従来、住戸内に導入されるコジェネレーションシステムとして、住戸内電力需要が発電電力を下回った場合に、その余剰電力をコジェネレーションシステム内に備えられた電熱ヒータで消費し、熱として利用することで逆潮流を防止する機構を備えたものが存在する(例えば、下記特許文献1参照)。
また、戸建て住戸とは違い、電力を消費する複数の区画及び共用部を有し、電力系統からの受電電力を受電空間内配線(棟内配線)を介して前記各区画及び前記共用部に供給可能に構成された集合住宅(受電棟)内に、コジェネレーションシステムが設置される場合もある。すなわち、集合住宅を構成する一以上の住戸内において、集合住宅の外部の系統側に逆潮流しないことを条件にコジェネレーションシステムが設置される場合がある。この場合、集合住宅の外部に逆潮流が生じなければ良いため、その条件を充足していれば、コジェネレーションシステムが設置された住戸側から棟内配線への逆潮流が許されることになる。この点を利用し、コジェネレーションシステムが設置された住戸内での電力需要が発電電力を下回った場合に、すなわち住戸内余剰電力が発生した場合には、集合住宅全体での総発電電力が総需要電力を上回らない範囲内で、この住戸内余剰電力を棟内配線を介して共用部や他の住戸内への電力供給に利用するシステムに関する出願が、既に本出願人によってなされている(下記特許文献2参照)。
なお、特許文献2に記載のシステムでは、棟内で余剰電力が生じる場合には、各住戸内のコジェネレーションシステム内の電熱ヒータによって各住戸内余剰電力を消費することで、棟外への逆潮流が生じないように制御を行っている。
特開2000−320401号公報 特開2007−71033号公報
しかし、上記特許文献2に記載のシステムの場合、集合住宅外へ逆潮流させないように、常時棟内電力負荷を入力情報として取得し、棟内余剰電力を演算する必要がある。また、棟内に複数のコージェネレーションシステムが設置された場合、一地点において計測した棟内電力負荷の情報に基づき、複数のコージェネレーションシステムが余剰電力を演算し、電熱ヒータへの出力制御を行うが、各個体の独立制御では円滑な制御が困難であり、各個体間の順序付けが必要となる等、その制御内容が複雑化する。このため、単に上記特許文献1に記載のシステムを各住戸内に複数備えるだけでは特許文献2に記載のシステムを実現することはできない。すなわち、特許文献2に記載のシステムを実際に導入しようとした場合には、専用のハードウェア、ソフトウェアが必要となり、導入コストも高騰することが予想される。
本発明は、上記問題点を鑑み、集合住宅のような電力を消費する複数の区画を有する受電空間内にコジェネレーションシステムを導入するに際し、制御内容を工夫することで、既存の汎用性の高いコジェネレーションシステムを用いながらも、区画内部における余剰電力が生じた場合に、受電空間外への逆潮流を防止しつつこの区画内余剰電力を受電空間内での電力融通に利用できるシステムを実現することを狙いとする。
上記目的を達成するため、本発明に係るコジェネレーションシステムは、運転時に固定の発電電力を出力する発電ユニットと、前記発電ユニットでの発電時に生じる排熱を回収する蓄熱ユニットと、前記発電ユニットからの発電電力の少なくとも一部を熱エネルギーに変換して前記蓄熱ユニットに熱供給可能に構成された電熱ヒータと、前記発電電力の出力先並びに出力するか否かの制御を行う制御ユニットと、を備えたコジェネレーションシステムであって、電力を消費する複数の区画を有し、電力系統からの受電電力を受電空間内配線を介して前記各区画に供給可能に構成された受電空間内の、一以上の前記区画内に、前記コジェネレーションシステムが設置された場合に、前記制御ユニットは、当該制御ユニットによって出力制御される対象コジェネレーションシステムが設置されている対象区画内の電力負荷に対して前記発電電力を供給すると共に、余剰電力が存在する場合には、当該余剰電力を前記対象区画外に供給することなく前記対象コジェネレーションシステム内の前記電熱ヒータに対して供給し、更になお余剰電力が存在する場合には前記発電電力の出力を停止する制御を行う自己消費モードと、前記対象区画内の電力負荷に対して前記発電電力を供給すると共に、余剰電力が存在する場合には、その全てを前記受電空間内配線を介して前記対象区画外の前記受電空間内の電力負荷に供給する全出力モードと、の間で運転モードの切換が可能であって、更に、前記受電空間から前記電力系統に向かう逆潮流の発生又は発生の恐れが検知された旨の受電空間外逆潮流回避信号を受信すると、少なくとも前記全出力モード時である場合には前記発電電力の出力を停止する制御を行うことを特徴とする。
本発明のコジェネレーションシステムの上記特徴によれば、余剰電力を電熱ヒータにおいて消費させることで、受電空間内における逆潮流(受電空間内逆潮流)を生じさせない自己消費モードと、余剰電力を電熱ヒータで消費させずに受電空間内配線へと出力して受電空間内において逆潮流させる全出力モードとを切り換える制御を行うのみで、余剰電力を受電空間内において他の区画に対して融通することが可能となる。
なお、受電空間として集合住宅(受電棟)を想定する場合には、電力系統からの受電電力が棟内配線(受電空間内配線)を介して各区画及び共用部に供給可能に構成されるものとすることができ、この場合、全出力モード時には、余剰電力を受電棟内の対象区画外の区画(すなわち他の住戸)に供給したり、場合によっては共用部に供給する構成とすることができる。
そして、各運転モードの切換は、受電空間内への逆潮流を許可するか否か、及び、電熱ヒータに対して発電電力を供給して当該電力を消費させるか否かによって制御可能であり、その制御内容は簡素なものとなる。すなわち、従来のように複雑な制御内容が要求されることはなく、受電空間全体に対して当該システムを導入する際の費用を低廉化でき、その導入を促進することができる。
また、受電空間外逆潮流回避信号が受信されると、コジェネレーションシステムの発電電力の出力が停止される構成であるため、受電空間内において余剰電力が大きくなった場合においても受電空間外への逆潮流の回避が可能である。
また、本発明のコジェネレーションシステムは、上記特徴に加えて、前記制御ユニットによって制御可能な構成であって、燃料を燃焼させて前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーを生成する補助熱源機を備えており、前記対象区画内で、前記蓄熱ユニットからの熱供給を受けて熱消費が行われる場合において、前記制御ユニットは、前記対象区画内における熱負荷が前記排熱によって生じる熱エネルギーを上回っている熱不足時に、当該不足熱量を前記補助熱源機で賄うのに必要な一次エネルギー量が前記電熱ヒータで賄うのに必要な一次エネルギー量を上回っていれば、前記運転モードを前記自己消費モードにすると共に前記電熱ヒータからの熱エネルギーを前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーとして供給する制御を行い、逆に下回っていれば前記運転モードを前記全出力モードにすると共に前記補助熱源機を運転して燃料を燃焼させることで生じる熱エネルギーを前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーとして供給する制御を行うことを別の特徴とする。
また、上記構成において、前記制御ユニットが、前記運転モードを決定する演算処理部を備えており、前記蓄熱ユニットから与えられる前記不足熱量に関する情報、並びに内部に記録されている前記電熱ヒータの熱効率に関する情報、送電端熱効率に関する情報、及び前記不足熱量と前記補助熱源機の熱効率との関係を示す情報を用いて前記運転モードを決定する構成とするのが好適である。
本発明のコジェネレーションシステムの上記特徴によれば、制御ユニットが省エネルギー効果の高い運転モードを自動的に選択して切り換えるため、受電空間内全体での省エネルギーに寄与することができる。
また、本発明のコジェネレーションシステムは、上記特徴に加えて、前記制御ユニットによって制御可能な構成であって、燃料を燃焼させて前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーを生成する補助熱源機を備えており、前記対象区画内で、前記蓄熱ユニットからの熱供給を受けて熱消費が行われる場合において、前記制御ユニットは、前記対象区画内における熱負荷が前記排熱によって生じる熱エネルギーを上回っている熱不足時に、当該不足熱量を前記補助熱源機で賄うのに必要な燃料費用が前記電熱ヒータで賄うのに必要な電力費用を上回っていれば、前記運転モードを前記自己消費モードにすると共に前記電熱ヒータからの熱エネルギーを前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーとして供給する制御を行い、逆に下回っていれば前記運転モードを前記全出力モードにすると共に前記補助熱源機を運転して燃料を燃焼させることで生じる熱エネルギーを前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーとして供給する制御を行うことを別の特徴とする。
また、上記構成において、前記制御ユニットが、前記運転モードを決定する演算処理部を備えており、前記演算処理部は、前記蓄熱ユニットから与えられる前記不足熱量に関する情報、並びに内部に記録されている前記電熱ヒータの熱効率に関する情報、電力及び前記燃料の単価に関する情報、及び前記不足熱量と前記補助熱源機の熱効率との関係を示す情報を用いて前記運転モードを決定する構成とするのが好適である。
本発明のコジェネレーションシステムの上記特徴によれば、補助熱源機を用いて不足熱量を賄った場合の費用と、電熱ヒータを用いて不足熱量を賄った場合の費用の内、安価な方を自動的に選択して、選択された方法に応じた運転モードに制御される。
ここで、全出力モードに設定し、補助熱源機を用いて不足熱量を賄う場合、区画内では実際に補助熱源機において燃焼される燃料を追加的に消費することとなる。これに対し、自己消費モードに設定し、電熱ヒータを用いて不足熱量を賄う場合、区画内では余剰電力を消費するに留まり、追加的に費用が発生するという訳ではない。
しかし、自己消費モードに設定することは、余剰電力を自己のために(当該区画内で)消費することを意味する。この場合、受電空間内に逆潮流が発生しないため、受電空間内の他の区画の負荷に対して必要な電力は、全出力モードであれば融通できたであろう電力相当分を、電力系統側から購入する必要がある。
つまり、上記特徴構成によれば、不足熱量が発生している状態の下、受電空間全体で必要な費用が安価になるような運転モードが自動的に選択されることとなる。このため、特に、当該特徴を備えたコジェネレーションシステムは、各区画内に複数設置されることで効果を大きく発揮するものである。
また、前記演算処理部を備える構成において、前記制御ユニットは、前記運転モードを自動で決定する自動運転か、前記運転モードをマニュアルで決定するマニュアル運転かの選択が可能な構成であって、前記自動運転時には、前記演算処理部からの情報に基づいて決定された前記運転モードで制御を行い、前記マニュアル運転時には、前記演算処理部からの情報を受け付けず、マニュアルで指定された前記運転モードで制御を行うものとしても良い。
また、本発明のコジェネレーションシステムは、前記制御ユニットが、前記自己消費モードでの運転時に前記受電空間外逆潮流回避信号を受信した場合には、一定期間、前記運転モードを前記全出力モードに切換不可能に強制的に制御された状態で、引き続き前記自己消費モードで運転を行うことを別の特徴とする。
上記特徴によれば、受電空間外への逆潮流を発生させることなく、引き続きコジェネレーションシステムの運転を継続させることができる。
また、本発明のコジェネレーションシステムは、前記制御ユニットが、前記受電空間外逆潮流回避信号を受信した場合には、前記運転モードに関係なく強制的に前記発電電力の出力を停止した後、一定時間待機することを別の特徴とする。
また、本発明のコジェネレーションシステムは、前記制御ユニットが、前記蓄熱ユニット内において一体化されていることを別の特徴とする。
本発明のコジェネレーションシステムは、区画内における余剰電力が生じている場合であっても、区画外への逆潮流(受電空間内の逆潮流)が生じることを禁じる自己消費モードと、電熱ヒータによる電力消費を行わずに区画外への逆潮流を認める全出力モードの切り換えを可能に構成され、更に、受電空間外への逆潮流の発生又は発生の恐れを検知すると少なくとも全出力モードで運転されている場合には強制的に停止される。つまり、運転時には、2つの運転モードから選択されたどちらかの運転モードに従ってコジェネレーションシステムが運転される構成である。そして、その制御内容は、一方の運転モードは区画内余剰電力を電熱ヒータで消費し、他方の運転モードは区画内余剰電力をそのまま区画外へ供給するというものであり、いずれのモードにおいても極めて簡素なものである。つまり、特許文献2のように、各区画内に設置された複数のコジェネレーションシステムに対する複雑な制御を必要としないため、逆潮流防止機構を備えた既存のコジェネレーションシステムを用いながらも受電空間内の電力融通を可能にすることができる。
集合住宅内に本発明に係るコジェネレーションシステムが設置された場合のシステム全体の概念図 本発明に係るコジェネレーションシステムの第一実施形態の構成を示す概念図 本発明に係るコジェネレーションシステムの運転モードの相違を説明するための概念図 本発明に係るコジェネレーションシステムの第二実施形態の構成を示す概念図 本発明に係るコジェネレーションシステムが備える制御ユニットの構成を示す概念的ブロック図 本発明に係るコジェネレーションシステムの別実施形態の構成を示す概念図
本発明に係るコジェネレーションシステム(以下、適宜「本発明システム」という)は、特に、電力を消費する複数の区画を有し、電力系統からの受電電力を、内部の配線(受電空間内配線)を介して前記各区画に供給可能に構成された受電空間内に設置されることで、その特徴を発揮することができる。以下の各実施形態では、受電空間の一例として集合住宅(受電棟)を例に挙げ、当該集合住宅の一以上の住戸内においてコジェネレーションシステムが設置されている場合につき、説明する。
また、これを受け、以下の実施形態では受電空間のことを、適宜「受電棟」或いは単に「棟」という記載で表現する。例えば、「棟内」は受電空間内に対応し、「棟外」は受電空間外に対応する。また、「棟内配線」は受電空間内の配線(受電空間内配線)に対応し、後述する「棟外逆潮流回避信号」は「受電空間外逆潮流回避信号」に対応する。
図1は、集合住宅内に本発明に係るコジェネレーションシステムが設置された場合のシステム全体の概念図である。集合住宅10は、電力系統50から電力を受電し、電気室11内において、変圧器13によって商用電圧に降圧された状態で、各住戸(21,21a,21b,…)並びに共用部22に対して電力供給が行われる。また、電気室11内には、集合住宅10から電力系統50に向かう逆潮流(以下、「棟外逆潮流」という)が発生していないかを検知するため、逆電力継電器を含む集中RPR12が設置されている。集中RPRは、棟外逆潮流の発生を検知すると、その旨を示す「棟外逆潮流回避信号」(受電空間外逆潮流回避信号に対応)を出力する構成である。その他、電気室11内において、図示していない法規上必要な設備が設置されている。
集合住宅10は、複数の住戸を備えているが、一以上の住戸内において本発明のコジェネレーションシステム1が設置されている。以下では、コジェネレーションシステム1を備えている住戸を説明するに際しては、「住戸21」を例に挙げて説明する。
各住戸は、棟内配線15を介して電力系統からの受電電力が電力負荷31に供給される。また、コジェネレーションシステム1を備えている住戸21では、更に、このコジェネレーションシステム1による発電電力も、電力負荷31に対して供給可能に構成されている。また、発電時にコジェネレーションシステム1からの排熱を利用して熱負荷32に対して熱供給可能に構成されている。
コジェネレーションシステム1は、発電ユニット2,制御ユニット3,蓄熱ユニット4,電熱ヒータ5を備える。また、制御ユニット3は、逆電力継電器を含む個別RPRを内装しており、コジェネレーションシステム1の発電電力が電力負荷31の消費電力を上回ることで、棟内配線15側への逆潮流(以下、「棟内逆潮流」という)の発生を検知することができる構成である。
なお、図1及び図2以下では、太線によって電力の流れを示し、破線によって情報信号の流れを示している。
[第一実施形態]
図2は、コジェネレーションシステム1の第一実施形態(以下、適宜「本実施形態」という)の構成を図示した概念図である。なお、図2では、一の住戸21にのみ着目し、他の住戸及び共用部における電力負荷をまとめて「棟内電力負荷20」と記載している。
発電ユニット2は、エンジン41,発電機42,インバータ43を備えている。エンジン41が起動すると、これに伴って発電機42が回転して発電を行う。そして、インバータ43によって商用電圧,商用周波数の電力に変換された後、電力負荷31へと供給される。また、発電ユニット2と電熱ヒータ5が電気的に接続されている場合には、インバータ43の出力が、この電熱ヒータ5にも供給される。発電ユニット2は、運転時には一定の発電電力を出力する構成である。
蓄熱ユニット4は、貯湯タンク47及び熱交換部48等を備える。貯湯タンク47は、温水を貯湯するタンクである。そして、このタンク47内に貯湯された温水は、熱交換器48によって加熱された後、再度タンク47内に貯湯される。そして、熱負荷32が存在している場合には、当該熱負荷32に対してその温水の一部が供給される。なお、必要に応じて、貯湯タンク47内の温水を加熱する補助熱源機(バックアップボイラ)46を備えても良い。補助熱源機46は、燃料を燃焼させることで加熱を行う熱源機であり、運転時には、この補助熱源機46の燃焼熱によって、貯湯タンク47から取り出された温水を加熱する。
発電ユニット2は、発電時に発生する排熱を利用して加熱された熱媒体を、蓄熱ユニット4との間で循環させる構成である。そして、この加熱された熱媒体は、熱交換器48において、貯湯タンク47から取り出された温水との間で熱交換を行う。これによって、貯湯タンク47内の温水を加熱する。
制御ユニット3は、後述する運転モードに従って決定される制御内容に基づいて、発電ユニット2の制御を行う。制御ユニット3は、この制御内容を実行するためのソフトウェア又はハードウェアで構成される。
更に、制御ユニット3は、集中RPR12からの棟外逆潮流回避信号を受信可能な構成である。
住戸21内では、電力系統50からの受電電力、並びに発電ユニット2の発電電力が電力負荷31に供給可能に構成されている。また、熱負荷32に対しては、蓄熱ユニット4内における蓄熱が熱負荷32に対して供給可能に構成されている。
このように構成されるコジェネレーションシステム1における、制御内容の詳細につき、説明する。
制御ユニット3は、指定された運転モードに従って制御内容を決定する。ここで、本実施形態では、前記運転モードとして、「自己消費モード」と「全出力モード」のいずれか一のモードを、例えばコジェネレーションシステム1の壁面に設置されたコントロールパネルの操作や、当該システム1外からリモートコントロールによってマニュアルによって決定することができる構成である。
自己消費モードとは、発電ユニット2の運転時において、発電電力が電力負荷31における消費電力を上回り、住戸21内において余剰電力が生じている場合には、電熱ヒータ5に対して当該余剰電力を供給して、当該電熱ヒータ5で消費するモードである。一方、全出力モードとは、住戸21内において余剰電力が生じている場合においても、電熱ヒータ5に対して電力を供給せず、棟内配線15側へ棟内逆潮流を生じさせるモードである。図3に、各運転モードにおける電力の流れを示す。図3において、(a)が自己消費モードであり、(b)が全出力モードである。
制御ユニット3は、自己消費モード時(a)には、インバータ43と電熱ヒータ5を接続する制御を行う。また、棟内逆潮流を禁止すべく、個別RPRを有効にする。これにより、電力負荷31の消費電力よりも発電ユニット2での発電電力が上回った場合、すなわち、余剰電力が生じた場合には、電熱ヒータ5にこの余剰電力が供給され、ここで電力が消費される。
なお、余剰電力が十分大きく、電熱ヒータ5による電力消費をもってしても、なお余剰電力が生じる場合には、棟内逆潮流の発生条件が成立する。この場合、制御ユニット3は、個別RPRによって棟内逆潮流を検知すると、発電ユニット2からの発電電力の出力を停止させる。具体的には、インバータ43の出力を停止させるか、又はエンジンを停止させる。このとき、電力系統50側からの受電電力が棟内配線15より電力負荷31に対して供給され、電力負荷31に対する電力供給が停止することなく、棟内逆潮流が回避される。
また、予め電熱ヒータ5の容量を発電ユニット2の発電出力よりも大きく設定しておくことで、電熱ヒータ5で余剰電力が消費されると、もはや余剰電力が生じないようにすることも可能である。この場合には、前記のように、「電熱ヒータ5による電力消費をもってしても、なお余剰電力が生じる場合」とはならないため、余剰電力が発生しても棟内逆潮流が発生するということはない。
一方、制御ユニット3は、全出力モード時(b)には、インバータ43と電熱ヒータ5を接続しない制御を行う。また、棟内逆潮流を許可すべく個別RPRを無効にする。これにより、電力負荷31の消費電力よりも発電ユニット2での発電電力が上回った場合、すなわち、余剰電力が生じた場合には、この余剰電力が全て棟内配線15側へと供給されて棟内逆潮流が生じる。この棟内逆潮流による電力は、棟内配線15を介して棟内電力負荷20へと供給される。
なお、このとき、棟内全体での電力需要が、棟内全体での発電電力を上回ると、棟外逆潮流の発生条件が整う。この場合、集中RPR12は、棟外への逆潮流を検知して、各住戸21の制御ユニット3に対し棟外逆潮流回避信号を送信する。各住戸21内の制御ユニット3は、この棟外逆潮流回避信号を受信すると、発電ユニットの運転モードにかかわらず、発電ユニット2からの発電電力の出力を停止させる。具体的には、インバータ43の出力を停止させるか、又はエンジンを停止させる。これにより、発電ユニット2からの出力が停止された各住戸(住戸21)に対しては、電力系統50側からの受電電力量が増大し、電力負荷31に対する電力の供給が停止することなく、棟外逆潮流は回避される。
このように構成されることで、本システム1の制御内容は、予め設定された運転モードに従い、電熱ヒータ5に対して電力を供給するか否か、並びに住戸21外の棟内配線15への棟内逆潮流を許可するか否か、に留まる。すなわち、特許文献2の制御内容と比べて大幅にその制御内容が簡素化される。
そして、電熱ヒータ5に対して電力を供給するか否かの制御は、例えばスイッチ素子の開閉制御等、単純な制御によって実行が可能である。
また、通常、戸建住宅等に導入されるコジェネレーションシステムは、逆潮流を防止する機構を備えている。従って、この防止機構を個別RPRとして制御ユニット3が利用した上で、モードに応じてこの個別RPRの有効と無効を選択的に制御することで、住戸21外への棟内逆潮流を許可するか否かの制御が可能である。
すなわち、本システム1は、戸建住宅等に導入されている既存のコジェネレーションシステムを利用して実現が可能であり、その導入コストは従来よりも大きく低廉化する。
更に、集中RPR12は、棟外逆潮流を検知すると、その旨を示す棟外逆潮流回避信号を、本発明システム1を備えた各住戸に対し送信し、そのシステム1内の制御ユニット3によって発電ユニット2の発電出力が停止されるため、直ちに余剰電力が生じない状態に遷移させることができる。これによって、棟外逆潮流を回避することができる。なお、このとき、電力系統50側からの受電電力が棟内配線15より電力負荷31に対して供給されているため、本発明システム1を備えた各住戸21の電力負荷31に対する電力供給が停止することなく、棟外逆潮流が回避される。しかも、集中RPR12は、各システム1に対して一括して棟外逆潮流回避信号を送信するのみで良く、その制御も単純なもので実現できる。
なお、制御ユニット3は、棟外逆潮流回避信号を受信して発電ユニット2の運転を停止させた後、一定期間待機する構成として良い。発電ユニットを停止させたことにより、棟内における総発電電力は低下しているため、この時点において棟外逆潮流が発生する条件は回避されているが、すぐに発電ユニットの運転を再開すると、再び棟外逆潮流の発生条件が成立する可能性もあることから、一定時間待機させた後、制御ユニット3による発電ユニット2の制御を再開する構成とするのが好適である。
なお、本システム1は、設置される集合住宅の仕様に応じて運転モードを設定する構成とすることができる。すなわち、棟内逆潮流が認められる集合住宅であれば、運転モードを全出力モードに設定し、認められない集合住宅であれば自己消費モードに設定するものとして良い。
[第二実施形態]
図4は、コジェネレーションシステム1の第二実施形態(以下、適宜「本実施形態」という)の構成を図示した概念図である。なお、本実施形態は、第一実施形態と比較して制御ユニット3が蓄熱ユニット4との間で信号の授受が可能に構成されている点、並びに運転モードが自動的に切り換え可能に構成されている点のみが異なり、他は第一実施形態と共通である。以下では、第一実施形態と異なる点のみを説明する。
上述のように、本実施形態は、制御ユニット3が運転モードを自動的に切り換え可能に構成されている点に特徴がある。以下、この制御ユニット3の運転モード切り換え方法につき説明する。
図5は、制御ユニット3の構成を示す概念的ブロック図である。制御ユニット3は、受信部61,送信部62,演算処理部63,記憶部64を備えており、更には第一実施形態で上述したように個別RPR65を内装している。
受信部61は、集中RPR12から送信される棟外逆潮流回避信号、並びに、蓄熱ユニット4から送信される不足熱量に関する情報(後述する)を受信する。また、送信部62は、発電ユニット2及び蓄熱ユニット4に対して制御信号を送信する。
記憶部64は、電熱ヒータ5の熱効率及び送電端熱効率に関する情報、並びに不足熱量と補助熱源機46の熱効率の関係を示す情報が記録されている。その他、制御に必要な情報を必要に応じて記録している。
演算処理部63は、制御内容を決定するための演算処理を行う領域であり、マイクロコンピュータ等で構成される。
受信部61は、集中RPR12から棟外逆潮流回避信号を受信すると、その旨の信号を演算処理部63に与える。演算処理部63は、送信部62に対し、発電ユニット2に対して出力を停止する制御信号を送信する指示を与える。
また、受信部61は、定期的に蓄熱ユニット4から住戸21内における不足熱量に関する情報を受信する。不足熱量とは、その時点において蓄熱ユニット4で生成可能な熱量では賄えない、熱負荷32における必要熱量を指す。蓄熱ユニット4は、貯湯タンク47内の貯湯量、並びに貯湯温度等の情報によって、生成可能な熱量を認識することができる。また、熱負荷32との間で接続される管路内を流れる温水の流量、或いは熱負荷32を構成する機器からの出力信号に基づいて、必要な熱量を認識することができる。蓄熱ユニット4は、例えば所定の時間間隔で、不足熱量に関する情報(不足熱量が生じていない場合にはその旨を示す情報)を制御ユニット3に送信する。なお、不足熱量が生じていない場合には、信号を送らないものとしても良いし、その旨を示す信号を送るものとしても良い。
受信部61は、不足熱量に関する情報を演算処理部63に出力する。演算処理部63は、当該不足熱量相当分の熱量を、補助熱源機46によって発生する場合と、電熱ヒータ5によって発生する場合で、必要となる一次エネルギー量を演算する。そして、前者の方が一次エネルギー量が小さい場合には運転モードを全出力モードとし、後者の方が小さい場合には自己消費モードとすることを決定する。
具体的には、不足熱量をA,補助熱源機効率をη=f(A),電熱ヒータ5の熱効率をη,送電端熱効率をηとすると、制御ユニット3は、(数1)が成立する場合には全出力モードとし、(数2)が成立する場合には自己消費モードとする決定を行う。
Figure 2010226850
Figure 2010226850
演算処理部63は、上記方法に基づいて運転モードを決定すると、当該決定された運転モードを送信部62から発電ユニット2及び蓄熱ユニット4に送信する。具体的には、上記(数1)が成立する場合には、個別RPRを無効にして棟内逆潮流を許可した状態で、発電ユニット2に対して発電電力を電熱ヒータ5に供給しないように設定すると共に、更に蓄熱ユニット4の補助熱源機46に対して燃焼出力を増加させる制御を行う。逆に、上記(数2)が成立する場合には、個別RPRを有効にして棟内逆潮流を禁止した状態で、発電ユニット2に対して発電電力を電熱ヒータ5に供給する制御を行う。すなわち、上記(数1)が成立する場合には運転モードを全出力モードに設定し、(数2)が成立する場合には自己消費モードに設定する制御が行われる。
本実施形態の構成によれば、不足熱量が生じている場合に、当該不足熱量を賄うのに必要な一次エネルギー量が少なくなる運転モードが自動的に選択、制御される。これにより、住戸21において、必要となる一次エネルギー量を削減することができ、省エネルギー効果が得られる。特に、コジェネレーションシステム1を備えた各住戸内においてこれと同様の制御が行われることで、集合住宅10全体で省エネルギーに貢献できる。
なお、本実施形態においても、第一実施形態のように、自己消費モードと全出力モードの設定をマニュアルによって強制的に行うことができるものとしても構わない。以下の第三実施形態においても同様とする。
[第三実施形態]
第三実施形態(以下、適宜「本実施形態」という)は、第二実施形態と比較して運転モードの決定方法が異なるのみであり、構成要素は同一である。以下では、第二実施形態と同様、図4及び図5を参照して説明する。また、上記各実施形態と同一の内容については説明を適宜簡略化又は省略する。
本実施形態においても、第二実施形態と同様、制御ユニット3が運転モードを自動的に切り換え可能に構成されている。
また、第二実施形態と同様、受信部61は、定期的に蓄熱ユニット4から住戸21内における不足熱量に関する情報を受信する。
記憶部64は、電熱ヒータ5の熱効率、電力系統50からの買電単価、補助熱源機46の燃料単価に関する各情報、並びに、不足熱量と補助熱源機46の熱効率の関係を示す情報を記録している。その他、制御に必要な情報を必要に応じて記録している。
受信部61は、不足熱量に関する情報を演算処理部63に出力する。ここで、本実施形態における演算処理部63は、当該不足熱量相当分の熱量を、補助熱源機46によって発生させる場合と、電熱ヒータ5によって発生させる場合で、それぞれ追加的に必要となる光熱費を演算する。そして、前者の方が光熱費が小さい場合には運転モードを全出力モードとし、後者の方が小さい場合には自己消費モードとすることを決定する。
具体的には、不足熱量をA,補助熱源機効率をη=f(A),電熱ヒータ5の熱効率をη,補助熱源機への燃料単価をB,系統電力の単価をBとすると、制御ユニット3は、(数3)が成立する場合には全出力モードとし、(数4)が成立する場合には自己消費モードとする決定を行う。
Figure 2010226850
Figure 2010226850
演算処理部63は、上記方法によって運転モードを決定した後は、第二実施形態と同様の制御を行い、これによってコジェネレーションシステム1は決定された運転モードに従って運転される。
本実施形態の構成によれば、不足熱量が生じている場合に、当該不足熱量を賄うのに必要な光熱費が少なくなる運転モードが自動的に選択、制御される。
ここで、全出力モードに設定し、補助熱源機46を用いて不足熱量を賄う場合、住戸21内では実際に補助熱源機46において燃焼される燃料を追加的に消費することとなる。これに対し、自己消費モードに設定し、電熱ヒータ5を用いて不足熱量を賄う場合、住戸21内では余剰電力を消費するに留まり、追加的に費用が発生するという訳ではない。
しかし、自己消費モードに設定することは、発生している余剰電力を当該住戸21のために消費することを意味する。この場合、住戸21から棟内配線15へと余剰電力が供給されないため(棟内逆潮流が発生しないため)、棟内の他の住戸(21a,21b,…)あるいは共用部22の負荷に対して必要な電力は、全出力モードであれば融通できたであろう電力相当分を電力系統50側から購入する必要がある。つまり、このとき、集合住宅1全体で見れば、追加的に電力購入費用が発生することとなる。
すなわち、本実施形態は、不足熱量を賄うに際し、集合住宅1全体で見たときに光熱費が安価になるように運転モードが自動的に選択、制御される。これにより、集合住宅1全体における光熱費削減を図ることができる。ただし、本実施形態の場合は、各住戸単位での光熱費削減というよりは、集合住宅1全体における光熱費削減効果が期待できるという特徴上、コージェネレーションシステム1を備えた各住戸内において、本実施形態と同様の制御が行われることで、その効果を一定程度発揮することができる。
なお、本実施形態では、不足熱量を賄うのに必要な光熱費を算出するに際し、燃料単価或いは電力単価を、単に必要量分だけ乗じることで算出する構成としたが、光熱費の算出方法は、契約内容に従って適宜変更するものとして構わない。要は、不足熱量を賄うのに補助熱源機46を燃焼させた場合に、当該燃焼に際し追加的に必要となった燃料費用と、同不足熱量を賄うのに電熱ヒータ5に対して電力を供給して発熱させた場合に、この必要な熱量を確保するために電熱ヒータに5に対して必要な電力量相当分を、系統50から購入するとした場合に追加的に必要となる電力費用とを比較し、前者が安価であれば全出力モードを、後者が安価であれば自己消費モードを選択、制御する点が特徴である。
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
〈1〉集中RPR12は、棟外逆潮流の発生を検知した時点で棟外逆潮流回避信号を送信する構成としたが、更にそれを未然に防ぐ目的で、棟外逆潮流発生の「恐れ」を検知した時点で前記回避信号を送信するものとしても良い。この場合、例えば電力系統50から変圧器13の一次側に流れる潮流の大きさが限りなく0に近い所定値を下回った時点で前記「恐れ」を検知したものとして良い。
同様に、棟内逆潮流が禁止されている場合における個別RPRの動作についても、棟内逆潮流発生の「恐れ」を検知した時点で発電ユニット2の発電出力を停止させるものとしても良い。
〈2〉上記各実施形態では、制御ユニット3内に個別RPRが設置されているものとして説明したが、これらは必ずしも一体である必要はない。
〈3〉上記各実施形態では、受電空間として複数の住戸(受電区画)を備えた集合住宅(受電棟)を想定したが、各区画を各住宅に対応させることにより複数の戸建住宅を前記受電空間とすることも可能である。すなわち、複数の戸建住宅の集合体にコジェネレーションシステムが設置されている場合において、この集合体に属する戸建住宅間で余剰電力の融通を行う構成とする。
但し、この場合、前記集合体に属する住宅から生じる余剰電力が、同集合体に属する別の住戸に供給されることを想定しているため、当該集合体内部においては逆潮流が許されていることが条件となる。この場合でも、当該集合体の外部における電力系統に対する逆潮流さえ防止する機構を備えておくことで、上述した集合住宅の場合と同様のシステム構成となる。
なお、集合住宅の場合とは異なり、受電空間が複数の住宅からなる集合体で構成される場合には、その性質上、共用部が観念できない場合もあり得る。従って、この場合には、上述した実施形態における「共用部」は必ずしも備えなくて良い。一方、この場合であっても、例えば同受電空間内における街灯に対し、同受電空間内の住宅からの余剰電力を用いて電力供給できる構成とすることで、集合住宅の場合と同様に「共用部」を観念することも可能である。
〈4〉上記各実施形態では、図面上、制御ユニット3,発電ユニット2,蓄熱ユニット4がコジェネーションシステム1内においてそれぞれ別個に備えられているとして図示したが、制御ユニット3は蓄熱ユニット4又は発電ユニット2と一体化されていても良い(図6参照)。なお、図6では、一例として制御ユニット3が蓄熱ユニット4に一体化され、個別RPRが制御ユニット3の外(蓄熱ユニット4の外)に設置されており、個別RPRが棟内逆潮流を検知したら、その旨の信号が制御ユニット3に送られる構成を想定している。この場合、棟内逆潮流が禁止されている自己消費モードの場合、個別RPRが棟内逆潮流を検知すると、制御ユニット3から発電ユニット2に対して制御信号を送り、発電ユニット2の発電出力を停止させる。
〈5〉制御ユニット3は、本発明システム1が自己消費モードで運転をしている場合には、棟外逆潮流回避信号を受信しても引き続き運転を継続する制御を行っても良い。なぜなら、このような構成としても、自己消費モードで運転を行っている以上、住戸21外への棟内逆潮流が生じず、余剰電力が棟外逆潮流に寄与する恐れがないためである。この場合、棟外逆潮流回避信号を受信してから、一定時間経過するまで全出力モードへの切り換えを不能にする構成としても良い。
〈6〉各図面上で図示した発電ユニット2,蓄熱ユニット4の構成は一例であり、同様の機能を実現できる構成であれば、この図面上の構成に限定されるものではない。
1: 本発明のコジェネレーションシステム
2: 発電ユニット
3: 制御ユニット
4: 蓄熱ユニット
5: 電熱ヒータ
10: 集合住宅
11: 電気室
12: 集中RPR
13: 変圧器
15: 棟内配線
20: 棟内電力負荷
21: コジェネレーションシステムが設置された住戸
22: 共用部
31: 電力負荷
32: 熱負荷
41: エンジン
42: 発電機
43: インバータ
46: 補助熱源機
47: 貯湯タンク
48: 熱交換部
50: 電力系統
61: 受信部
62: 送信部
63: 演算処理部
64: 記憶部
65: 個別RPR

Claims (7)

  1. 運転時に固定の発電電力を出力する発電ユニットと、前記発電ユニットでの発電時に生じる排熱を回収する蓄熱ユニットと、前記発電ユニットからの発電電力の少なくとも一部を熱エネルギーに変換して前記蓄熱ユニットに熱供給可能に構成された電熱ヒータと、前記発電電力の出力先並びに出力するか否かの制御を行う制御ユニットと、を備えたコジェネレーションシステムであって、
    電力を消費する複数の区画を有し、電力系統からの受電電力を受電空間内配線を介して前記各区画に供給可能に構成された受電空間内の、一以上の前記区画内に、前記コジェネレーションシステムが設置された場合に、
    前記制御ユニットは、
    当該制御ユニットによって出力制御される対象コジェネレーションシステムが設置されている対象区画内の電力負荷に対して前記発電電力を供給すると共に、余剰電力が存在する場合には、当該余剰電力を前記対象区画外に供給することなく前記対象コジェネレーションシステム内の前記電熱ヒータに対して供給し、更になお余剰電力が存在する場合には前記発電電力の出力を停止する制御を行う自己消費モードと、
    前記対象区画内の電力負荷に対して前記発電電力を供給すると共に、余剰電力が存在する場合には、その全てを前記受電空間内配線を介して前記対象区画外の前記受電空間内の電力負荷に供給する全出力モードと、の間で運転モードの切換が可能であって、
    前記受電空間から前記電力系統に向かう逆潮流の発生又は発生の恐れが検知された旨の受電空間外逆潮流回避信号を受信すると、少なくとも前記全出力モード時である場合には前記発電電力の出力を停止する制御を行うことを特徴とするコジェネレーションシステム。
  2. 前記制御ユニットによって制御可能な構成であって、燃料を燃焼させて前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーを生成する補助熱源機を備えており、
    前記対象区画内で、前記蓄熱ユニットからの熱供給を受けて熱消費が行われる場合において、
    前記制御ユニットは、
    前記対象区画内における熱負荷が前記排熱によって生じる熱エネルギーを上回っている熱不足時に、当該不足熱量を前記補助熱源機で賄うのに必要な一次エネルギー量が前記電熱ヒータで賄うのに必要な一次エネルギー量を上回っていれば、前記運転モードを前記自己消費モードにすると共に前記電熱ヒータからの熱エネルギーを前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーとして供給する制御を行い、逆に下回っていれば前記運転モードを前記全出力モードにすると共に前記補助熱源機を運転して燃料を燃焼させることで生じる熱エネルギーを前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーとして供給する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のコジェネレーションシステム。
  3. 前記制御ユニットが、前記運転モードを決定する演算処理部を備えており、
    前記演算処理部は、前記蓄熱ユニットから与えられる前記不足熱量に関する情報、並びに内部に記録されている前記電熱ヒータの熱効率に関する情報、送電端熱効率に関する情報、及び前記不足熱量と前記補助熱源機の熱効率との関係を示す情報を用いて前記運転モードを決定することを特徴とする請求項2に記載のコジェネレーションシステム。
  4. 前記制御ユニットによって制御可能な構成であって、燃料を燃焼させて前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーを生成する補助熱源機を備えており、
    前記対象区画内で、前記蓄熱ユニットからの熱供給を受けて熱消費が行われる場合において、
    前記制御ユニットは、
    前記対象区画内における熱負荷が前記排熱によって生じる熱エネルギーを上回っている熱不足時に、当該不足熱量を前記補助熱源機で賄うのに必要な燃料費用が前記電熱ヒータで賄うのに必要な電力費用を上回っていれば、前記運転モードを前記自己消費モードにすると共に前記電熱ヒータからの熱エネルギーを前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーとして供給する制御を行い、逆に下回っていれば前記運転モードを前記全出力モードにすると共に前記補助熱源機を運転して燃料を燃焼させることで生じる熱エネルギーを前記蓄熱ユニット内での蓄熱用の熱エネルギーとして供給する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のコジェネレーションシステム。
  5. 前記制御ユニットが、前記運転モードを決定する演算処理部を備えており、
    前記演算処理部は、前記蓄熱ユニットから与えられる前記不足熱量に関する情報、並びに内部に記録されている前記電熱ヒータの熱効率に関する情報、電力及び前記燃料の単価に関する情報、及び前記不足熱量と前記補助熱源機の熱効率との関係を示す情報を用いて前記運転モードを決定することを特徴とする請求項4に記載のコジェネレーションシステム。
  6. 前記制御ユニットは、
    前記運転モードを自動で決定する自動運転か、前記運転モードをマニュアルで決定するマニュアル運転かの選択が可能な構成であって、
    前記自動運転時には、前記演算処理部からの情報に基づいて決定された前記運転モードで制御を行い、
    前記マニュアル運転時には、前記演算処理部からの情報を受け付けず、マニュアルで指定された前記運転モードで制御を行う構成であることを特徴とする請求項3又は5に記載のコジェネレーションシステム。
  7. 前記制御ユニットは、
    前記自己消費モードでの運転時に前記受電空間外逆潮流回避信号を受信した場合には、一定期間、前記運転モードを前記全出力モードに切換不可能に強制的に制御された状態で、引き続き前記自己消費モードで運転を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のコジェネレーションシステム。
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