JP5906141B2 - 電力供給システム及び電力供給方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、系統電源からの電力供給が中断している期間中に蓄電装置からの放電電力を供給することで燃料電池装置による電力出力を再開させる場合に、燃料電池装置再始動用の電力を確保して燃料電池装置による電力出力を確実に再開させることが可能な電力供給方法を提供することである。
また、分電盤の母線から切り離された2つの回路のうちの他方、すなわち、第2の回路上には、同回路にて供給される電力の電圧を系統電源からの供給電力の電圧と同じ大きさになるように変圧する変圧器が設けられている。ここで、系統電源からの電力供給の有無に応じて燃料電池装置による電力出力の許否を判断する判定部が設けられている場合、蓄電装置からの放電電力の電圧であって上記の変圧器によって変圧された後の変圧後電圧が検出された際に、判定部は、系統電源が復旧したと擬似的に判断するようになる。これにより、判定部は、系統電源が復旧する前段階であっても燃料電池装置の電力出力を再許可するようになる。
以上のように、本発明の電力供給システムであれば、系統電源からの電力供給が中断している期間中、蓄電装置からの放電電力のうち、燃料電池装置再始動に用いる分を確保した上で、系統電源が復旧したと判定部に擬似的に判断させることにより燃料電池装置による電力出力を確実に再開させることが可能となる。
このように、系統電源からの電力が中断している期間中、燃料電池装置が蓄電装置からの放電電力を燃料電池装置に送電するために敷設された回路が分電盤から切り離されるようになっていれば、燃料電池装置から出力された電力が系統電源側に電力が逆潮流してしまうのを抑制することが可能になる。
このように、蓄電装置が分電盤の母線と特定負荷との間に配置されている構成、換言すると、特定負荷から見て分電盤よりも蓄電装置の方が電力供給回路の下流側に位置する構成であれば、停電時に蓄電装置からの放電電力が、分電盤の母線に接続された電力負荷へ送電されてしまうのを抑えることができる。これにより、蓄電装置からの放電電力のうち、燃料電池装置再始動に用いる分を確保することがより容易になる。
このように、系統電源からの電力供給が中断して燃料電池装置が停止したときに、燃料電池装置を再始動させるために蓄電装置の放電電力を燃料電池装置に向けて送電するための経路を迅速かつ容易に確保することが可能となる。
このように、系統電源からの電力供給が中断した際に、第2の回路が一度非通電状態となってから燃料電池装置が再始動した時点で再び通電状態となれば、第2の回路において変圧器により変圧された変圧後電圧を検出する検出器が、当該変圧後電圧を一度検出しなくなり、その後に再び当該変圧後電圧を検出するようになる。これにより、判定部は、停電状態にあった系統電源が復旧したと擬似的に判断するようになり、燃料電池装置による電力供給を再許可するようになる。すなわち、上記の構成では、系統電源が復旧したと判定部に擬似的に判断させるように、第2の回路の状態を意図的に一度非通電状態とし、その後に通電状態に復帰させることとしている。
系統電源からの電力供給が中断している期間中、燃料電池装置による電力出力を再開するうえで、燃料電池装置の状態が停止状態からアイドリング状態に移行し、かつ、系統電源が復旧したと判定部が擬似的に判断することが必要となる。すなわち、上記の構成であれば、系統電源からの電力供給が中断している期間における燃料電池装置による電力出力の再開を適切に実現することが可能となる。
なお、燃料電池装置の状態がアイドリング状態に移行した後には、外部(例えば、蓄電装置)からの電力供給がなくとも燃料電池装置が自己動作用の電力を発電によって自給するようになる。
また、分電盤の母線から切り離された2つの回路のうち、第2の回路上にて送電される蓄電装置の放電電力を変圧器によって変圧した後の変圧後電圧が検出された場合には、系統電源が復旧したと擬似的に判断されるようになり、この結果、系統電源が復旧する前であっても、燃料電池装置の電力出力が再許可されるようになる。
以上のように、本発明の電力供給方法によれば、系統電源からの電力供給が中断している期間中、蓄電装置からの放電電力のうち、燃料電池装置再始動に用いる分を確保した上で、系統電源が復旧したと擬似的に判断されることで燃料電池装置による電力出力を確実に再開させることが可能となる。
同様に、本発明の電力供給方法によれば、系統電源からの電力供給が中断している期間中、蓄電装置からの放電電力のうち、燃料電池装置再始動に用いる分を確保し、系統電源が復旧したと擬似的に判断されることで燃料電池装置による電力出力を確実に再開させることが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る電力供給システムの構成を示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係る電力供給システムの制御機構を示す図である。図3〜5は、本発明の一実施形態に係る電力供給システムの状態を示す図であり、図3は通常時の状態を示し、図4及び5は停電時の状態を示す。図3〜5において電力供給回路を示す線のうち、太実線の部分は、通電状態にある回路を示し、破線の部分は、非通電状態にある回路を示す。図6は、本発明の一実施形態に係る電力供給システムの停電時の動作についての流れを示す図である。図7は、本発明の他の実施形態に係る電力供給システムの構成を示す図である。
先ず、本発明の一実施形態に係る電力供給システム(以下、本システムともいう)Sについて、その概要を説明する。本システムSは、住宅、商業施設、工場の建屋、店舗等の建物において発生する電力負荷(以下、単に負荷ともいう)に対して電力を供給するものである。以下では、本システムSが住宅に構築されたケースを例に挙げて説明する。なお、以下に説明する内容については、当然ながら、上述した住宅以外の建物においても適用されるものである。
次に、本システムSの構成、特に、機器構成及び制御機構について図1及び2を参照しながら説明する。
本システムSには、図1に示すように、分電盤2、太陽光発電ユニット10(図1中、PVと表記)、蓄電装置20、燃料電池装置30、電力供給回路40を備えている。さらに、本システムSには、図2に示された制御機構が備えられている。
PV側出力回路Cvは、通常時において太陽光発電ユニット10からの出力電力を分電盤2側に送電するために敷設された回路であり、太陽光発電ユニット10の出力端子と分電盤2内の漏電ブレーカ4との間を連絡している。
次に、本システムSの動作例について説明する。なお、以下に説明する動作例により、本発明の電力供給方法が実現されることになる。すなわち、下記の説明は、本発明の一実施形態に係る電力供給方法の手順に関するものである。
一方、停電時、第1専用回路Cs1の第1分岐回路Cs11は、依然として通電状態となっているため、蓄電装置20から特定負荷SLへの電力供給は継続されることになる。
より分かり易く説明すると、例えば、系統電源1から電流が流れてくる方向において蓄電装置20が漏電ブレーカ4よりも上流側に配置された構成では、停電時に蓄電装置20が放電する際、当該放電電力は、燃料電池装置30のみならず、分電盤2の母線3に接続された負荷にまで送電されることになる。このため、燃料電池装置30への電力供給が間に合わず、燃料電池装置30を停止状態から再始動させることが困難になる可能性がある。
上記の実施形態では、本発明の電力供給システム及び電力供給方法について、一例を挙げて説明した。ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
AL 他の特定負荷
SL 特定負荷
SW1 第1切り替えスイッチ(オンオフスイッチ)
SW2 第2切り替えスイッチ
1 系統電源
2 分電盤
3 母線
4 漏電ブレーカ
5 ホームサーバ(スイッチコントローラ)
6 停電検出センサ(停電検出部)
7 電圧検出センサ(検出部)
8 変圧器
10 太陽光発電ユニット
11 太陽光発電ユニットコントローラ
20 蓄電装置
21 蓄電装置コントローラ
30 燃料電池装置
31 燃料電池装置コントローラ(判定部)
40 電力供給回路
Cb 蓄放電回路
Cf 燃料電池装置側出力回路(分電盤側回路)
Cj 系統電力受電回路
Cp PV側自立運転回路
Cs1 第1専用回路(第1の回路)
Cs11 第1分岐回路
Cs12 第2分岐回路
Cs2 第2専用回路(第2の回路)
Ct 燃料電池装置側自立運転回路(蓄電装置側回路)
Cv PV側出力回路
Claims (7)
- 系統電源からの電力供給がなされているときには該系統電源と連系して電力を出力する燃料電池装置と、
前記系統電源からの供給電力、及び、前記燃料電池装置からの出力電力を蓄電し、蓄電した電力を放電する蓄電装置と、
前記系統電源及び前記燃料電池装置が接続された分電盤と、
該分電盤の母線から切り離されており、前記蓄電装置からの放電電力を送電するために前記蓄電装置から延出した2つの回路と、
該2つの回路のうち、前記燃料電池装置に向かう第1の回路とは異なる第2の回路中に設けられ、該第2の回路を通じて送電される電力の電圧を前記系統電源からの供給電力の電圧と同じ大きさになるように変圧する変圧器と、
前記第2の回路にて送電される前記蓄電装置からの放電電力の電圧のうち、前記変圧器により変圧された後の変圧後電圧を検出する検出部と、
前記燃料電池装置による電力出力の許否を判定する判定部と、を有し、
前記燃料電池装置は、前記系統電源からの電力供給が中断すると、一度停止してから、前記第1の回路にて前記蓄電装置からの放電電力が供給されることにより停止状態から再始動し、
前記蓄電装置は、前記系統電源からの電力供給が中断すると、前記第2の回路を通じた放電を一度中断してから、前記燃料電池装置が再始動したときに前記第2の回路を通じた放電を再開し、
前記判定部は、前記燃料電池装置が再始動した時点では前記燃料電池装置による電力出力を規制し、前記検出部が前記変圧後電圧を検出したときに前記燃料電池装置による電力出力を再許可することを特徴とする電力供給システム。 - 前記燃料電池装置からの出力電力を送電するために敷設された回路は、前記分電盤の母線に接続された分電盤側回路と、前記蓄電装置に接続された蓄電装置側回路とに分かれており、
前記燃料電池装置は、前記系統電源からの電力供給がなされている期間中、前記分電盤側回路のみを通じて電力を出力し、前記系統電源からの電力供給が中断している期間中、前記蓄電装置側回路のみを通じて電力を出力することを特徴する請求項1に記載の電力供給システム。 - 前記蓄電装置は、前記分電盤の母線と、電力負荷の中で予め特定された特定負荷との間に配置され、
前記第1の回路は、前記特定負荷に向かう分岐回路と、前記燃料電池装置に向かう分岐回路とに分岐しており、
前記第1の回路のうち、前記燃料電池装置に向かう前記分岐回路は、前記系統電源からの電力供給が中断したときにのみ通電状態となり、
前記第1の回路のうち、前記特定負荷に向かう前記分岐回路は、前記系統電源からの電力供給がなされているとき及び前記系統電源からの電力供給が中断しているときのいずれにおいても通電状態となっていることを特徴とする請求項2に記載の電力供給システム。 - 前記第1の回路のうち、前記蓄電装置に向かう前記分岐回路の状態を制御するためのオンオフスイッチと、
前記系統電源からの電力供給の有無を検知し、該電力供給が無くなったときに停電信号を発信する停電検知部と、
該停電検知部が発信した前記停電信号を受信した際に、前記蓄電装置に向かう前記分岐回路の状態を通電状態とするために前記オンオフスイッチの状態をオフ状態からオン状態に切り替えるスイッチコントローラと、を更に有することを特徴とする請求項3に記載の電力供給システム。 - 前記蓄電装置は、前記分電盤の母線と、電圧が前記変圧器によって前記変圧後電圧に変圧された前記蓄電装置からの放電電力が供給される前記電力負荷として特定された他の特定負荷と、の間に配置され、
前記第2の回路は、前記蓄電装置と前記他の特定負荷との間に敷設されており、
前記系統電源からの電力供給が中断すると、前記第2の回路は、一度非通電状態となってから、前記系統電源からの電力が中断している期間中、前記燃料電池装置が再始動したときに再び通電状態となることを特徴とする請求項3または4に記載の電力供給システム。 - 前記系統電源からの電力供給が中断している期間のうち、前記蓄電装置からの放電電力を供給されることによって前記燃料電池装置が再始動してから、前記判定部が前記燃料電池装置による電力出力を再許可するまでの間、前記燃料電池装置の状態は、発電することが可能である一方で発電した電力を出力しないアイドリング状態で保持されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電力供給システム。
- 系統電源からの電力供給がなされているときには該系統電源と連系して電力を出力する燃料電池装置と、
前記系統電源からの供給電力、及び、前記燃料電池装置からの出力電力を蓄電し、蓄電した電力を放電する蓄電装置と、
前記系統電源及び前記燃料電池装置が接続された分電盤と、を用いた電力供給方法であって、
前記系統電源からの電力供給が中断したときに前記燃料電池装置を一度停止させ、前記系統電源からの電力供給が中断している期間中に、前記分電盤の母線から切り離された状態で前記蓄電装置から延出している2つの回路のうち、第1の回路にて前記蓄電装置からの放電電力を供給することにより前記燃料電池装置を停止状態から再始動させることと、
前記系統電源からの電力供給が中断したときに前記2つの回路のうち、前記第1の回路とは異なる第2の回路を通じた前記蓄電装置の放電を一度中断し、前記系統電源からの電力供給が中断している期間中、前記燃料電池装置が再始動したときに前記第2の回路を通じた前記蓄電装置の放電を再開させることと、
前記系統電源からの電力供給が中断している期間中、前記燃料電池装置が再始動した時点では前記燃料電池装置による電力出力を規制し、前記第2の回路にて送電される前記蓄電装置の放電電力の電圧のうち、前記系統電源からの供給電力の電圧と同じ大きさになるように変圧器にて変圧された後の変圧後電圧が検出されたときに前記燃料電池装置による電力出力を再許可することと、を有することを特徴とする電力供給方法。
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