JP2007165070A - 燃料電池起動制御システム、燃料電池起動制御方法及び制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 外部電力を用いて起動する一又は二以上の非自立型燃料電池10と、外部電力を用いずに起動することが可能な自立型発電装置20と、この自立型発電装置を制御する制御装置30とを備えた燃料電池起動制御システム1であって、制御装置30は、非自立型燃料電池10への外部電力の供給が停止したことを検知する停電検知手段301と、外部電力の供給の停止が検知されると、自立型発電装置20を起動させる起動制御手段302と、自立型発電装置20から非自立型燃料電池10に対し所定の電力を供給させる電力供給制御手段303とからなる構成としてある。
【選択図】 図1
Description
しかし、災害時には燃料電池の運転に必要な燃料の供給が停止する場合が想定され、その場合には燃料電池は運転を継続できず、その結果、電力等の供給が不可能となってしまう。
このため、災害時には、備蓄しておいたLPガス等の燃料を自動切り替えにより供給することにより、燃料電池を継続して運転させ電気及び熱を供給する災害用設備等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、都市ガスの供給ができなくなった場合には、可搬型燃料源を接続することにより、継続動作を可能とする燃料電池発電システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、住宅等に使用される定置式の燃料発電機を、非常時には、必要な場所に移動して使用することのできる燃料電池発電システムが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、災害等の際には、商用電力の供給が停止されることが多く、これにより、燃料電池が起動できない場合も十分想定されるため、このような非常時における非自立型燃料電池の起動手段の実現が課題となっていた。
このため、災害等に伴い商用電力が停電となった場合でも、安定的に電力の供給が可能となる。
また、燃料電池のすべてを自立型にする必要はなく、少なくとも1台の自立型発電装置を備えることで電力の安定供給がはかれるため、低コストのシステムを構築することが可能となる。
このため、停電対応機能付き燃料電池等の自立型燃料電池によって自立型発電装置を構成することができるので、環境に優しく、エネルギー効率等に優れた燃料電池起動制御システムの提供が可能となる。
また、従来から様々な施設に非常用電源として配備されているエンジン発電機等をそのまま本システムに利用することも可能なので、汎用性に優れているだけでなく、容易に本発明の燃料電池起動制御システムを構築することができる。
そして、非常時等、商用電力が停止した場合には、該商用電力に代わって自立型発電装置から供給される電力によって非自立型燃料電池を起動するようにしてある。
このように、燃料電池の起動電力として一般的に多く使われる商用電力が停止したことを想定した予備システムであるので、特に、災害時等においてはその冗長効果の高い燃料電池起動制御システムの提供が可能である。
このため、非自立型燃料電池が複数の場合、特に、自立型発電装置の能力では一度に電力供給できない多数の非自立型燃料電池が対象となったときでも、電力低下させることなく、確実に所定の電力を供給させることが可能となる。
このように、本発明は方法発明としても実現化することができるとともに、システム発明と同様の効果を奏する。
これにより、システムとしてだけでなく様々なハードウェアにプログラムをインストールすることによって本発明を実現することができ、汎用性,拡張性に優れた制御プログラムとして提供することができる。
また、環境に優しいだけでなく、汎用性が高く、エネルギー効率等に優れたシステムの提供が可能となる。
また、起動すべき非自立型燃料電池が複数の場合でも、確実に起動させることができるため、安定した電力供給が可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池起動制御システムの主な構成を含めたネットワーク図である。
本発明の燃料電池起動制御システム1は、主に、非自立型燃料電池10、自立型発電装置20及び制御装置30から構成される。
以下、本システムの主な構成要素に分け、各々詳細な説明を行う。
非自立型燃料電池10とは、起動のために外部電力が必要な燃料電池をいう。本実施形態において、各非自立型燃料電池(10−1〜10−n)は、図1に示すとおり家庭内電源として住居群11に設置されている。このように家庭内電源として利用される非自立型燃料電池10は、一般に商用電源40から供給される電力を起動電力として利用している。
ここで、燃料電池とは、酸素と水素を化学反応させて電気を発生させる発電装置のことをいうが、必要とされる水素は自然界にはほとんど存在せず、輸送等も困難なため、通常は、併設する燃料改質器によって水素を製造し、これを燃料としている。また、水素を製造するために様々な原料が用いられるが、非自立型燃料電池10においては、都市ガス、灯油、液化石油ガス、ジメチルエーテル燃料等が使用される。
ここで、商用電力系統41とは、大規模発電所等の商用電源40をベースとした電力会社が運営する系統ネットワークをいい、具体的には、発電所、変電所、電力ケーブル等によって構成され、住宅等に電力を供給するための一般配電網をいう。
また、系統切り替えスイッチ43とは、上述の通り、商用電力系統41と非常用電力系統42とを所定の制御手段に従って切り替えるところのスイッチをいい、例えば、所定の切り替え信号を与えることにより自動的にスイッチを作動させることができる。この系統切り替えスイッチ43は、リレー等によって構成されており、各住居の分電盤内に設置したり、あるいは、非自立型燃料電池10に併設又は内蔵することも可能である。
自立型発電装置20とは、起動のためのバッテリー等を備えており、外部電力によらなくても起動することが可能な発電装置である。本実施形態においては、図1に示すように、独立住居21、コンビニエンスストア・サービスステーション(以下、コンビニ・SSという。)22、任意の場所23にそれぞれ自立型発電装置20−1、20−2、20−3を設置する形態を例に挙げている。任意の場所23としては、市役所、図書館など公共性の高い場所を挙げることができる。
そして、非常時等の停電時には、各自立型発電装置(20−1,20−2,20−3)のうち少なくとも一台は、後述の動作手順に従って立ち上げられ、非常用電力系統42に接続された後、それぞれの非自立型燃料電池(10−1〜10−n)に所定の起動電力を供給することとなる。
ここで、非常用電力系統42とは、商用電力の停電時に、商用電力系統41に代わって非自立型燃料電池10に電力を供給するための配電網をいい、主に、電力ケーブル等によって構成されている。
このため、自立型発電装置20は、電力ケーブル等による電圧降下等を考慮し、対象となる非自立型燃料電池10から一定距離の範囲内に設置することが望ましい。
自立型燃料電池とは、内蔵するバッテリーから供給される電力によって起動が可能な燃料電池をいう。水素製造用原料としては、灯油、液化石油ガス、ジメチルエーテル燃料等が使用される。なお、自立型燃料電池は、停電発生の有無にかかわらず電力供給が可能であることから、エネルギー効率のみならず、信頼性や使用効率に優れた自立型発電装置として本発明の燃料電池起動制御システムを構成するものである。
なお、消防法等により、一定の目的及び規模をもつ建物には非常用自家発電装置の設置が義務づけられている。このため、エンジン発電機は従来より非常用自家発電装置として多く使用されており、これら既設のエンジン発電機を利用することにより、容易に本実施形態の燃料電池起動制御システムを構築することも可能である。
制御装置30は、所定の手段によって自立型発電装置20を制御するものである。
ここで、制御装置30が有する各種手段について、図2を参照しつつ説明を行う。
図2は、本発明の一実施形態に係る燃料電池起動制御システムを構成する制御装置30の詳細を示すブロック図である。
図2に示すとおり、制御装置30は、停電検知手段301、起動制御手段302及び電力供給制御手段303を有する。
具体的には、電圧の有無や電圧低下を検知する停電検知センサー44からの信号によって停電を検知するものである。停電検知センサー44は、例えば、商用電力系統41の任意の箇所や非自立型燃料電池10のインバータ部分等に接続し、電圧等の状態変化を検知すると制御装置30に対して所定の信号を送信するようにしている。
起動制御手段302は、停電検知手段301による停電検知に基づき、自立型発電装置20の起動を制御する手段である。
具体的には、停電検知センサー44からの上記信号の受信をトリガーとして、自立型発電装置20−1、20−2、20−3の中から少なくとも一台の自立型発電装置20を選択し、起動信号の送信を行うものである。これは、起動信号を受信した自立型発電装置20が、これをトリガーとして自動的に立ち上げを行い、発電及び電力供給の準備を整えるためである。
例えば、系統切り替えスイッチ43に所定の切り替え信号を送信することにより、非自立型燃料電池10に接続されていた商用電力系統41は切り離され、代わりに非常用電力系統42が接続されることとなる。
そして、自立型発電装置20によって発電された電力が非常用電力系統42を介して非自立型燃料電池10に供給されることとなる。
なお、対象となる非自立型燃料電池10が複数ある場合には、該非自立型燃料電池10に非常用電力系統42を接続するタイミングを調整し、一台ずつ接続できることとしている。これは、自立型発電装置20の能力では一度に電力供給できない多数の非自立型燃料電池10が対象となったときでも、電力低下させることなく、確実に所定の電力を供給させるためである。このため、対象となる非自立型燃料電池10が複数であっても、総負荷が一定値を超えていなければすべての非自立型燃料電池10を同時に接続し、電力供給を一度に行うことも可能である。
そして、上記場所の少なくとも一カ所に自立型発電装置20が設置し、非自立型燃料電池10に対し起動電力が供給できればよいので、本実施形態においては、以下の組み合わせにおいて本発明を実施することが可能となる。
(1)住宅群11に設置される非自立型燃料電池10に対し、独立住居21に設置される自立型発電装置20
(2)住宅群11に設置される非自立型燃料電池10に対し、コンビニ・SS22に設置される自立型発電装置20
(3)住宅群11に設置される非自立型燃料電池10に対し、任意の場所23に設置される自立型発電装置20
(4)住宅群11に設置される非自立型燃料電池10に対し、独立住居21及びコンビニ・SS22に設置される自立型発電装置20
(5)住宅群11に設置される非自立型燃料電池10に対し、独立住居21及び任意の場所23に設置される自立型発電装置20
(6)住宅群11に設置される非自立型燃料電池10に対し、コンビニ・SS22及び任意の場所23に設置される自立型発電装置20
(7)住宅群11に設置される非自立型燃料電池10に対し、独立住居21、コンビニ・SS22及び任意の場所23に設置される自立型発電装置20
図3は、本発明の一実施形態に係る燃料電池起動制御システムの動作手順を示したフローチャートである。
次に、非自立型燃料電池10及び制御装置30によって停電が検知される(ステップS2)。
なお、非自立型燃料電池10は、商用電力の停電をインバータ部分(単独運転検出装置)で検知し、安全に停止する動作を独自に行う(ステップS3)。
そして、制御装置30は、停電検知手段301によって商用電力の停止を検知した後、対象となるすべての非自立型燃料電池10を商用電力から切り離す(ステップS4)。具体的には、停電検知センサー44からの停電検知信号を制御系統31を介して受信した制御装置30は、系統切り替えスイッチ43に対し切り替え信号を送信する。そして、この切り替え信号を受信した系統切り替えスイッチ43は、非自立型燃料電池10と商用電力系統41を切り離す動作を行う。
そして、予め決められた優先順位に従って、発電を開始した自立型発電装置20と停止している住居群11の非自立型燃料電池10を順番に接続し、所定の起動電力を供給する(ステップS6)。
なお、順番を定めて接続する理由は、自立型発電装置1台で住居群11にあるすべての非自立型燃料電池(10−1〜10−n)を一度に立ち上げることは、立ち上げ時に使用する電力が自立型発電装置20の能力を超過するため不可能な場合があるからである。また、優先順位の決め方としては、非常時に早く使用したい機器が接続されている非自立型燃料電池10から優先的に立ち上げる等、様々な方法により定めることが可能である。
ステップS7において起動電力の供給が完了したことの確認方法としては、例えば、非自立型燃料電池10から立ち上げ完了の信号を制御装置30に送信するようにしてもよいが、各々の系統切り替えスイッチ43から所定の切り替え完了信号を制御装置30に送り返させ、すべての系統切り替えスイッチ43からの該切り替え完了信号の受信をもって完了とする方法を採ることも可能である。
以上の手順によって、住居群11に設置されている非自立型燃料電池10の起動が行われ、運転が再開されることとなる。
このため、災害時に伴い商用電力が停止された場合でも、安定的に電力の供給を行うことが可能となる。
そして、燃料電池のすべてを自立型にする必要はなく、少なくとも1台の自立型発電装置を備えることで電力の安定供給がはかれるため、低コストのシステムを構築することが可能となる。
特に、自立型燃料電池を自立型発電装置20として使用する場合には、環境に優しく、効率の良いシステムの提供が可能となる。
また、エンジン発電機を自立型発電装置20として使用する場合には、既設のエンジン発電機を利用することも可能なので、容易にシステムの構築が可能となる。
このため、非自立型燃料電池10が複数の場合、特に自立型発電装置20の能力では一度に電力供給できない数の非自立型燃料電池10が対象となったときでも、電力低下等させることなく、確実に所定の電力を供給させることが可能となる。
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
例えば、本発明の燃料電池起動制御システムを構成する制御装置は、本システムを構成するネットワーク上の任意の位置に接続されていればよい。したがって、制御装置は、単体として独立した装置であっても、自立型発電装置等と一体となった装置であってもよい。
また、本発明の燃料電池起動制御システムを構成する自立型発電装置は、太陽光発電装置や風力発電装置等、外部の電力を必要としない発電装置であればよい。
10 非自立型燃料電池
11 住宅群
20 自立型発電装置
21 独立住居
22 コンビニエンスストア・サービスステーション
23 任意の場所
30 制御装置
31 制御系統
301 停電検知手段
302 起動制御手段
303 電力供給制御手段
40 商用電源
41 商用電力系統
42 非常用電力系統
43 系統切り替えスイッチ
44 停電検知センサー
Claims (6)
- 外部電力を用いて起動する一又は二以上の非自立型燃料電池と、外部電力を用いずに起動することが可能な自立型発電装置と、この自立型発電装置を制御する制御装置とを備えた燃料電池起動制御システムであって、
前記制御装置は、
前記非自立型燃料電池への前記外部電力の供給が停止したことを検知する停電検知手段と、
前記外部電力の供給の停止が検知されると、前記自立型発電装置を起動させる起動制御手段と、
前記自立型発電装置から前記非自立型燃料電池に対し所定の電力を供給させる電力供給制御手段を有することを特徴とする燃料電池起動制御システム。 - 前記自立型発電装置が、自立型燃料電池及び/又はエンジン発電機を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池起動制御システム。
- 前記外部電力が、商用電力からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池起動制御システム。
- 前記電力供給制御手段は、前記非自立型燃料電池が複数の場合に、所定の順序に基づき、該非自立型燃料電池に対し所定の電力を供給させることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載の燃料電池起動制御システム。
- 外部電力を受けて起動する一又は二以上の非自立型燃料電池が、前記外部電力の停電時に、自立型発電装置からの電力供給により起動する燃料電池起動制御方法であって、
前記外部電力の停止を検知する停電検知手順と、
前記外部電力の停止が検知されると、前記自立型発電装置を起動させる起動制御手順と、
前記非自立型燃料電池に対し、所定の電力を供給させる電力供給制御手順と、
前記自立型発電装置からの電力供給により前記非自立型燃料電池を起動させる再起動制御手順を、有することを特徴とする燃料電池起動制御方法。 - 外部電力を用いて起動する一又は二以上の非自立型燃料電池と、外部電力を用いずに起動することが可能な自立型発電装置と、この自立型発電装置を制御する制御装置とを燃料電池起動制御システムとして機能させるための燃料電池起動制御プログラムであって、
前記制御装置を構成するコンピュータを、
前記非自立型燃料電池への前記外部電力の供給が停止したことを検知する停電検知手段、前記外部電力の供給の停止が検知されると、前記自立型発電装置を起動させる起動制御手段、前記自立型発電装置から前記非自立型燃料電池に対して所定の電力を供給させる電力供給制御手段として機能させるための燃料電池起動制御プログラム。
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