JP2010226357A - A/d変換器およびその制御方法 - Google Patents

A/d変換器およびその制御方法 Download PDF

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Abstract


【課題】サンプルホールド回路を必要としない新規なパイプライン型のA/D変換器およびその制御方法の提供。
【解決手段】パイプライン型A/D変換器であって、その初段のステージは、アナログ入力信号をサンプリングする回路と、そのサンプリング動作タイミングを決定するスイッチと、アナログ入力信号の値を反転する回路と、反転した値を第1のデジタル信号に変換するA/D変換回路と、アナログ入力信号の値を第1のデジタル信号の値に応じて調整する第1の調整回路とを備え、かつ前記A/D変換回路は、調整後の第1のデジタル信号を第2のデジタル信号に変換し、さらに前記調整後の第1のデジタル信号を第2のデジタル信号の値に応じて調整する第2の調整回路と、調整後の第2のデジタル信号を他のステージに出力するスイッチとを備える。これによって従来のサンプルホールド回路を省略できるため、コンパクト化と省電力化、低ノイズ化を達成できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、デジタル機器の入力回路などに適用されるA/D変換器に係り、特に高速で動作するパイプライン型のA/D変換器(A/Dコンバータ)およびその制御方法に関する。
従来のパイプライン型A/Dコンバータは、例えば以下の特許文献1に示すようなものが提案されている。
図24は、この特許文献1に記載された従来のパイプライン型A/Dコンバータの構成を示すブロック図である。
このパイプライン型A/Dコンバータは、アナログ入力信号AinをNビットのデジタル出力Doutに変換するため、アナログ入力信号Ainをサンプルホールドする入力サンプルホールド回路(S/H)と、各ビットを決定するための縦列接続されたk個のステージS1、S2、…Skと、各ステージにおいて決定されたn桁のデジタル値dj(jは1、2、…k)を格納するメモリ102と、メモリ102に格納されたデジタル値dj(jは1、2、…k)に基づいてアナログ入力信号AinのA/D変換値Doutを演算する演算回路101とを有している。
また、図25によれば、サンプルホールド回路S/HとステージS1の回路2403は、アナログ連続入力信号Ainに基づいてアナログ出力Voutを出力する回路であって、Ainに基づいてその値をステージ1へ転送するためのサンプルキャップCap2506cと、前記サンプルホールド回路S/Hの出力であり、サンプルキャップCap2506cに離散化されたAinに基づいたその値を後段へ転送するためのサンプルキャップCAP2506a、Cap2506bと、離散化されたAinに基づいたその値をA/D変換するA/D変換回路2502と、サンプルキャップCap2506bの出力をそれぞれ所定の多値出力に振り分ける多値出力回路2507と、Ainに基づいてその値をステージS1へ転送するための増幅器2510と、サンプルホールド回路S/Hの出力であり、サンプルキャップCap2506cに離散化されたAinに基づいたその値をA/D変換回路2502のデジタル出力のビット数に応じた所定のゲインGで増幅する増幅器2503とを有している。
パイプライン型A/D変換器では、増幅器2503のゲインGを、入力されたA/D変換回路2502のデジタル出力信号djの桁数がnのとき、2の(n−1)乗としなければならない。
なお、図25に示されている各アナログスイッチSW2505a、SW2505b、SW2505c、SW2505d、SW2505e、SW2505f、SW2505g、SW2505h、SW2505i、SW2505j、SW2505j、SW2505k、SW2505lは図示しない制御回路により、開閉動作を行う。
図25において、クロックφ1とφ2は、共に信号値High(H)とならない区間を持つノンオーバーラップクロックであり、クロックがHのときに該アナログスイッチがオン状態となり、クロックが信号値Low(L)のときに該アナログスイッチがオフ状態となる。
すなわち、クロックφ2がHであるとき、図25のサンプルホールド回路S/Hはサンプル動作を行い、ステージS1はホールド動作を行う。クロックφ2がHであるとき、アナログスイッチSW2505lがオンされてアナログ連続入力信号AinがサンプルキャップCap2506cに導かれる。さらに、アナログスイッチ2505jがオンするので、サンプルキャップCap2506cに電荷がチャージされてサンプル動作が行われる。また、クロックφ2がHであるとき、アナログスイッチSW2505b、2505eのオンにより1周期前にサミングノード2504に保存された電荷に対し、サンプルキャップCap2506a、2506bで公知の方法により演算が行われ、ステージS2に転送される。転送の結果、アナログ出力信号Voutが目標値としてステージS2に出力される。
一方、クロックφ1がHであるとき、図25のサンプルホールド回路S/Hはホールド動作を行い、ステージS1はサンプル動作を行う。クロックφ1がHであるとき、アナログスイッチSW2505kのオンにより、前記クロックφ2においてサンプルキャップ2Cap506cにサンプルされた電荷がステージS1に転送される。また、クロックφ1がHであるとき、アナログスイッチSW2505cがオンされて、前記クロックφ2においてサンプルキャップCap2506cにサンプルされた電荷がサンプルキャップCap2506aに導かれる。また、アナログスイッチSW2505dがオンされて、前記クロックφ2においてサンプルキャップCap2506cにサンプルされた電荷がサンプルキャップCap2506bに導かれる。さらに、アナログスイッチSW2505aがオンするので、サンプルキャップCap2506a、2506bに電荷がチャージされてサンプル動作が行われる。さらに、アナログスイッチSW2505iがオンされて、前記クロックφ2においてサンプルキャップCap2506cにサンプルされた電荷がA/D変換回路2502に導かれる。
以上、図25のステージS1は1.5bitのA/D変換回路2502を含むステージの構成について説明した。(m+0.5)bitA/D変換器(mは自然数)の場合は、コンパレータが(2の(m+1)乗−2)個必要であり、その基準電圧は(±1、±3、±5、…、±(2の(m+1)乗−3))/(2の(m+1)乗)としなければならない。また、(m+0.5)bitA/D変換器(mは自然数)の場合は、アナログスイッチSW2505d〜2505hと、サンプルキャップCap2506bと、多値出力回路2507を含む回路構成2509_2を、(2のm乗−1)個、図中に示すノード2508とサミングノード2504の間に並列に接続しなければならない。
また、ステージS2、ステージS3、…ステージSkの回路構成は全てステージS1と同じであり、各アナログスイッチを動作させるクロックはステージS1、ステージS3、…の奇数番目のステージは同じであり、ステージS2、ステージS4、…の偶数番目のステージはステージS1のクロックφ1をクロックφ2に、クロックφ2をクロックφ1にしたものである。
特開2000−13232号公報
このように従来のパイプライン型A/Dコンバータは、サンプルホールド回路S/Hの出力であってサンプルキャップcap2506cで離散化されたアナログ連続入力信号Ainに基づいたその値を、ステージS1のサンプルキャップcap2506a、2506bと、A/D変換回路2502との2経路に転送している。特にアナログ連続入力信号Ainが高周波帯域成分を含む場合、サンプルホールド回路S/Hでアナログ連続入力信号Ainを離散化する必要がある。
そのため、従来のパイプライン型A/Dコンバータでは、このサンプルホールド回路S/Hが必要となっているが、このサンプルホールド回路S/Hを備えることによってコンバータ全体の消費電力やレイアウトエリアの増大、およびノイズの増大を招くという不都合がある。
そこで本発明はこれらの課題を解決するために案出されたものであり、その目的はサンプルホールド回路を必要としない新規なパイプライン型のA/D変換器およびその制御方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために第1の発明は、
ステージを複数多段に備え、前記ステージは、アナログ入力信号を入力してデジタル信号に変換して出力すると共に、当該デジタル信号と前記アナログ入力信号とによって生成されたアナログ出力信号を後段の他のステージに出力する、A/D変換器であって、
前記複数のステージのうち少なくとも初段のステージは、
前記アナログ入力信号をサンプリングキャパシタにサンプリングするサンプリング回路と、前記サンプリング回路のサンプリング動作タイミングを決定するタイミング切替スイッチと、前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を反転する反転回路と、前記反転した値を第1のデジタル信号に変換して出力するA/D変換回路と、前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を、前記第1のデジタル信号の値に応じて調整する第1のサンプリング値調整回路とを備え、かつ前記A/D変換回路は、前記第1のサンプリング値調整回路による調整後の信号を第2のデジタル信号に変換し、さらに前記第1のサンプリング値調整回路による調整後の信号を前記第2のデジタル信号の値に応じて調整する第2のサンプリング値調整回路と、前記第2のサンプリング値調整回路による調整後の信号を前記後段の他のステージに出力する転送スイッチと、を備えることを特徴とするA/D変換器である。
また、第2の発明は、
第1の発明において、前記初段のステージは、前記サンプリングキャパシタが接続され、前記サンプリング回路によってサンプリングされた前記アナログ入力信号を保存するサミングノードをさらに含み、前記A/D変換回路は、前記サミングノードにかかる電圧をA/D変換することを特徴とするA/D変換器である。
また、第3の発明は、
第1または第2の発明において、前記反転回路は、サンプリング時は前記アナログ入力信号を前記サンプリング回路に入力し、反転時は基準電圧を前記サンプリング回路に入力して、前記サンプリングキャパシタの電荷を反転させることを特徴とするA/D変換器である。
また、第4の発明は、
第1乃至第3の発明において、前記後段のステージの構成は、前記初段のステージの構成と同じであることを特徴とするA/D変換器である。
また、第5の発明は、
ステージを複数備え、前記ステージは、アナログ入力信号を入力してデジタル信号に変換して出力すると共に、当該デジタル信号と前記アナログ入力信号とによって生成されたアナログ出力信号を後段の他のステージに出力する、A/D変換器であって、
前記複数のステージのうち少なくとも初段のステージは、
前記アナログ入力信号をサンプリングキャパシタにサンプリングするサンプリング回路と、前記サンプリング回路のサンプリング動作タイミングを決定するタイミング切替スイッチと、前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を反転する反転回路と、増幅器を含み、前記反転した値を第1のデジタル信号に変換して出力するA/D変換部と、前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を前記第1のデジタル信号の値に応じて調整する第1のサンプリング値調整回路とを備え、かつ前記A/D変換部は前記第1のサンプリング値調整回路による調整後の信号を第2のデジタル信号に変換するようになっており、さらに前記第1のサンプリング値調整回路による調整後の信号を前記第2のデジタル信号の値に応じて調整する第2のサンプリング値調整回路と、前記第2のサンプリング値調整回路による調整後の信号を前記後段の他のステージに出力する転送スイッチとを備え、前記増幅器は、前記第2のサンプリング値調整回路による調整後の信号を前記後段の他のステージに出力する際にその信号をバッファリングすることを特徴とするA/D変換器。
第6の発明は、
A/D変換とD/A変換を行うステージを複数多段に備えたパイプライン型のA/D変換器の制御方法であって、前記ステージのうち少なくとも初段のステージにおける処理を、
アナログ入力信号をタイミング切替スイッチによりサンプリング回路のサンプリングキャパシタにサンプリングするサンプルフェイズと、前記サンプリングキャパシタにサンプリングした前記アナログ入力信号を反転回路で反転すると共に、反転した値をA/D変換回路で第1のデジタル出力信号に変換して出力するコンパレート第1フェイズと、前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を第1のサンプリング値調整回路によって第1のデジタル信号の値に応じて調整すると共に、調整した第1のデジタル信号を前記A/D変換回路で第2のデジタル出力信号に変換して出力するコンパレート第2フェイズと、前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を第2のサンプリング値調整回路によって前記第2のデジタル信号の値に応じて調整すると共に、調整したアナログ信号を後段の他のステージに出力するホールドフェイズとの順に切り替えて繰り返し行うことを特徴とするA/D変換器の制御方法である。
また、第7の発明は、
A/D変換とD/A変換を行うステージを複数多段に備えたパイプライン型のA/D変換器の制御方法であって、前記ステージのうち少なくとも初段のステージにおける処理を、
アナログ入力信号をタイミング切替スイッチによりサンプリング回路のサンプリングキャパシタにサンプリングするサンプルフェイズと、前記サンプリングキャパシタにサンプリングした前記アナログ入力信号を反転回路で反転すると共に、反転した値をA/D変換回路で第1のデジタル出力信号に変換して出力するコンパレート第1フェイズと、前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を第1のサンプリング値調整回路によって第1のデジタル信号の値に応じて調整すると共に、調整した第1のデジタル信号を前記A/D変換回路で第2のデジタル出力信号に変換して出力するコンパレート第2フェイズと、前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を第2のサンプリング値調整回路によって前記第2のデジタル信号の値に応じて調整すると共に、調整したアナログ信号を後段の他のステージに出力するホールドフェイズとの順に切り替えて繰り返し行い、かつ、前記第2のサンプリング値調整回路による調整後のアナログ信号を後段の他のステージに出力する際に前記A/D変換回路の増幅器でその信号をバッファリングすることを特徴とするA/D変換器の制御方法である。
本発明のA/D変換器は、従来のパイプライン型のA/Dコンバータのようなサンプルホールド回路を用いることなく、従来と同等以上のA/D変換機能を発揮できる。
この結果、消費電力やレイアウトエリアの増大、およびノイズの増大を回避でき、コンパクトで省電力および低ノイズ化を達成することができる。
本発明の第1の実施形態に係るA/D変換器100の実施の一形態を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るデジタル出力信号Doutを算出する演算を例示するための図である。 第1の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのサンプルフェイズ(t1:Sample phase)を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るA/D変換回路302を示す構成図である。 クロックφ1、φ2、φS、φCの出力タイミングを説明するためのタイミングチャート図である。 第1の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのコンパレート第1フェイズ(t2:Compare1 phase)を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのコンパレート第2フェイズ(t3:Compare2 phase)を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのホールドフェイズ(t4:Hold phase)の状態を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのサンプルフェイズ(t1:Sample phase)を示すブロック図である。 第2の実施形態に係るA/D変換回路902を示す構成図である。 第2の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのコンパレート第1フェイズ(t2:Compare1 phase)を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのコンパレート第2フェイズ(t3:Compare2 phase)を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのホールドフェイズ(t4:Hold phase)の状態を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係るA/D変換器100の実施の一形態を示すブロック図である。 第3の実施形態に係るデジタル出力信号Doutを算出する演算を例示するための図である。 第3の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのサンプルフェイズ(t1:Sample phase)を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのコンパレート第1フェイズ(t2:Compare1 phase)を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのコンパレート第2フェイズ(t3:Compare2 phase)を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのホールドフェイズ(t4:Hold phase)の状態を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのサンプルフェイズ(t1:Sample phase)を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのコンパレート第1フェイズ(t2:Compare1 phase)を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのコンパレート第2フェイズ(t3:Compare2 phase)を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る初段ステージFS1の構成およびそのホールドフェイズ(t4:Hold phase)の状態を示すブロック図である。 従来のパイプライン型A/Dコンバータの一例を示すブロック図である。 従来のパイプライン型A/Dコンバータのサンプルホールド回路S/Hと初段のステージS1との関係を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の一形態を添付図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るパイプライン型のA/D変換器100の第1の実施の形態を示したブロック図である。
図示するようにこのA/D変換器100は、アナログ連続入力信号AinをNビットのデジタル出力信号Doutに変換して出力するものである。
このA/D変換器100は、各ビットを決定するための縦列接続されたk個のステージFS1、S2…Skと、これら各ステージFS1〜Skにおいて決定された2桁のデジタル出力信号dij(iは1〜k、jは1〜n)を格納するメモリ102と、このメモリ102に格納されたデジタル出力信号dijに基づいてアナログ連続入力信号AinのA/D変換値をデジタル出力信号Doutを演算する演算回路101と、から主に構成されている。
ステージFS1〜Skは互いに直列(シリアル)に多段に接続されており、各々入力されるアナログ入力信号Vinに基づいて2桁のデジタル出力信号dijをメモリ102に送出する。また、これら各ステージFS1〜Skでは、入力されたアナログ入力信号Vinがデジタル出力信号dijのD/A変換結果に基づいて変換され、アナログ出力信号Voutとして次のステージに出力される。
メモリ102は、k個のステージFS1〜Skの各々から2桁のデジタル出力信号dijを入力し、格納する。このため、メモリ102には、少なくとも、2ビットのアドレスを(k×n)個格納できる半導体メモリ等が用いられる。
演算回路101は、メモリ102に格納されたデジタル出力信号dijに基づいて演算し、N桁のデジタル出力信号Doutを出力する。デジタル出力信号Doutを算出するための演算は、次のように行われる。
すなわち、演算回路101は、ステージSkのデジタル出力dknにおいて、dknの最上位の桁と、dk(n−1)の最下位の桁を2進法で加算する。さらに、加算の結果(加算値)に基づいて、dk(n−1)の最上位桁と、dk(n−2)の最下位桁を、同じく2進法で加算する。また、ステージ間の処理も同様で、加算の結果(加算値)に基づいて、dk1の最上位桁と、d(k−1)nの最下位桁を、同じく2進法で加算する。
このような処理を繰り返し、ステージFS1のデジタル出力d11の最下位桁とステージS1のデジタル出力d12の最上位桁までを足し合わせる。足し合わされた最終的な結果は、デジタル出力信号Doutとして出力される。
図2は、このようなデジタル出力信号Doutを算出する演算を例示するための図である。図2の例では、4個のステージがあって、各ステージが、2桁のデジタル出力d11、d12、d21、d22、d31、d32、d41、d42をそれぞれ図1に示したメモリ102に出力するものとする。より具体的には、デジタル出力d11、d12、d21、d22、d31、d32、d41、d42の値を、以下のように定める。
d11=01、d12=10、d21=00、d22=01、d31=01、d32=10、d41=00、d42=10
図2の例では、隣接するデジタル出力によって出力されるデジタル出力の最上位桁と最下位桁とを加算した結果、デジタル出力信号Doutとして、「100100010」の値が得られる。
(ステージS1の回路構成)
次に、図3は、前述したk個のステージFS1〜Skのうち、少なくとも初段に位置するステージFS1の回路構成を示したものであり、本発明のパイプライン型のA/D変換器100における新規で特徴をなす部分である。なお、このステージFS1〜Skの各々は、同一の回路構成を有しているから、図3によるステージFS1の説明を、全てのステージFS1〜Skの説明に代えるものとする。したがって、この初段のステージFS1〜Skの後段に位置するステージS2〜Skの入力は、図3においてアナログ連続入力信号Ainを、前段で離散化されたアナログ離散入力信号Vinに置き換えたものとする。また、任意のステージSkの回路構成に、従来技術と同じ構造を用いても良い。
図示するようにこのステージFS1は、アナログ連続入力信号Ainを入力し、デジタル出力信号d11、d12を出力すると共に、後段のステージ2にアナログ離散出力信号Voutを出力するものである。
このステージFS1は、入力されたアナログ連続入力信号AinをサンプリングするサンプルキャップCap306a、306b、306cと、アナログ入力信号Ainをデジタル出力信号d11、d12に変換するA/D変換回路302と、サンプルキャップCap306bの出力を所定の多値出力に振り分ける第1の多値出力回路307Aと、サンプルキャップCap306cの出力を所定の多値出力に振り分ける第2の多値出力回路307Bと、アナログ入力信号Ainに基づいた値をA/D変換回路302のデジタル出力の数に応じた所定のゲインGで増幅する増幅器303とから主に構成されている。なお、一般にパイプライン型A/D変換器では、増幅器303のゲインGを、入力されたA/D変換回路302のデジタル出力信号dijの数がnのとき、2の(n−1)乗としなければならない。また、サンプルキャップCap306aと306bの容量は共にCであり、サンプルキャップCap306cはその容量が倍の2Cである。また、図中に符号304を付して示した箇所は、サミングノードであり、電荷を保存することができる。
また、このステージFS1は、クロックφ1にしたがって開閉するアナログスイッチSW305c、クロックφ2にしたがって開閉するアナログスイッチSW305b、クロックφHにしたがって開閉するアナログスイッチSW305f、305g、クロックφSにしたがって開閉するアナログスイッチSW305a、305d、305e、305n、クロックφCにしたがって開閉するアナログスイッチSW305oを有している。
第1の多値出力回路307Aに含まれるアナログスイッチSW305h、305i、305jの開閉は、A/D変換回路302の出力結果にしたがって行われ、第2の多値出力回路307Bに含まれるアナログスイッチSW305k、305l、305mの開閉は、A/D変換回路302の出力結果にしたがって行われる。
この第1の多値出力回路307Aは、デジタル出力信号d12をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能し、第2の多値出力回路307Bはデジタル出力信号d11をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能する。
また、本実施の形態では制御回路301をさらに有し、この制御回路301から前記各アナログスイッチSWを開閉制御するための7種類のクロックφ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2が出力される。
図5は、この7種類のクロックφ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2の出力タイミングを説明するためのタイミングチャートであり、縦軸に信号値High(H)、Low(L)を、横軸に時間tを示している。そして、図5(a)は、クロックφ1のタイミングチャートであり、図5(b)は、クロックφ2のタイミングチャートである。また、図5(c)はクロックφHのタイミングチャートであり、図5(d)はクロックφSのタイミングチャートである。さらに、図5(e)はクロックφCのタイミングチャートであり、図5(f)はクロックφC1のタイミングチャート、図5(g)はクロックφC2のタイミングチャートである。
本発明のA/D変換器100では、クロックφSがHである期間がサンプルフェイズとなり、また、クロックφCがHである期間がコンパレートフェイズとなる。そして、このコンパレートフェイズに含まれるクロックφC1がHである区間がコンパレート第1フェイズであり、クロックφC2がHである区間がコンパレート第2フェイズである。また、クロックφ2がHである区間がホールドフェイズとなる。
また、図中に示したt1、t2、t3、t4は、いずれもこのA/D変換器100の動作タイミングを示すものであって、t1はサンプルフェイズに含まれる任意のタイミングである。また、t2はコンパレート第1フェイズに含まれる任意のタイミングである。また、t3はコンパレート第2フェイズに含まれる任意のタイミングである。また、t4はホールドフェイズに含まれる任意のタイミングである。
また、本実施の形態では、クロックφ1の立ち上がりと、クロックφSの立ち上がりが同時であり、クロックφ1の立ち下がりと、クロックφCの立ち下がりが同時である。また、クロックφSとクロックφCは、同時にHにならないノンオーバーラップクロックとなっている。また、クロックφCの立ち上がりとクロックφC1の立ち上がりが同時であり、クロックφCの立ち下がりとクロックφC2の立ち下がりが同時である。また、クロックφC1とクロックφC2は、同時にHにならないノンオーバーラップクロックとなっている。また、クロックφHの立ち上がりとクロックφCの立ち上がりが同時であり、クロックφHの立ち下がりとクロックφ2の立ち下がりが同時である。なお、クロックφ1とクロックφ2は、従来技術と同様に同時にHにならないノンオーバーラップクロックとなっている。
次に、図4は、このA/D変換回路302の一例を説明するためのブロック図である。
符号402はサミングノードであり、このサミングノード402には、図3のサミングノード304の電圧が印加されるものとする。
このA/D変換回路302は、サンプリングトリガφC1を入力し、サンプリングトリガφC1の立下がりに同期してサミングノード402の電圧と、予め設定されている基準電圧(1/8)Vr、(−1/8)Vrとを比較し、結果をデジタル出力信号d11として出力する。
サミングノード402の電圧が(1/8)Vrより大きい場合はデジタル出力信号d11=00を出力し、サミングノード402の電圧が(−1/8)Vrより大きく、(1/8)Vrより小さい場合はデジタル出力信号d11=01を出力し、サミングノード402の電圧が(−1/8)Vrより小さい場合はデジタル出力信号d11=10を出力する。デジタル出力信号d11は、多値出力回路307Bに入力されてSW305k〜305mを制御する。
また、このA/D変換回路302は、サンプリングトリガφC2を入力し、サンプリングトリガφC2の立下がりに同期してサミングノード402の電圧と、予め設定されている基準電圧(1/8)Vr、(−1/8)Vrとを比較し、結果をデジタル出力信号d12として出力する。
サミングノード402の電圧が(1/8)Vrより大きい場合はデジタル出力信号d12=00を出力し、サミングノード402の電圧が(−1/8)Vrより大きく、(1/8)Vrより小さい場合はデジタル出力信号d12=01を出力し、サミングノード402の電圧が(−1/8)Vrより小さい場合はデジタル出力信号d12=10を出力する。デジタル出力信号d12は、多値出力回路307Aに入力されてSW305h〜305jを制御する。
図4は、ステージFS1が2個のデジタル出力信号d11、d12を出力する場合のコンパレータ401a、401bの構成を表している。ステージFS1がm個のデジタル出力信号d11、d12、…d1mを出力する構造を持つ場合は、コンパレータを動作させるm個のトリガφC1、φC2、…φCmが必要であり、コンパレータ401aの出力分岐用のm個のスイッチSW403C1[0]、SW403C2[0]、…SW403Cm[0]が必要であり、コンパレータ401bの出力分岐用のm個のスイッチSW403C1[1]、SW403C2[1]、…、SW403Cm[1]が必要であり、コンパレータ401aの基準電圧は(1/(2の(m+1)乗))とし、コンパレータ401bの基準電圧は(−1/(2の(m+1)乗))としなければならない。
(動作)
次に、このような構成をしたステージFS1の動作を説明する。
先ず、図3に示すようにアナログ連続入力信号Ainは、アナログスイッチSW305n、305cのオンによってサンプルキャップCap306aに導かれ、アナログスイッチSW305n、305dのオンによってサンプルキャップCap306bに導かれ、アナログスイッチSW305n、305eのオンによってサンプルキャップ306cに導かれる。サンプルキャップCap306a、306b、306cは、アナログ連続入力信号Ainの電荷をチャージしてサンプリング(サンプル動作とも記す)を行う。サンプリングされた電荷はサミングノード304に保存される。
次に、保存された電荷に対し、コンパレート第1フェイズ(図5中クロックφC1がH)においてアナログスイッチSW305o、305f、305gのオンによって、アナログスイッチSW305a、305d、305e、305nはオフしているので、サミングノード304の電圧は−AinVとなる。ここで、コンパレート第1フェイズにおいて、多値出力回路307A、307BはそれぞれVC(VC:アナログコモングラウンド電圧)に接続されている。コンパレート第1フェイズにおいて、A/D変換回路302によって、サミングノード304の電圧値−Ainがデジタル出力信号d11に変換される。デジタル出力信号d11は、図1に示したメモリ102に出力され、また、分岐されて多値出力回路307Bを介し、アナログスイッチSW305k〜305mに導かれる。
ここで、A/D変換回路302では公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d11の値が決定する。多値出力回路307Bでは、デジタル出力信号d11の値が10の場合、アナログスイッチSW305kがオン状態となり、アナログスイッチSW305l、SW305mがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)(Vr:Ain、AinP、AinNの最大入力レンジ、Vr>0)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d11の値が01の場合、アナログスイッチSW305lがオン状態となり、アナログスイッチSW305k、SW305mがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d11の値が00の場合、SW305mがオン状態となり、SW305k、SW305lがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。ここでは、デジタル出力信号d11=10が出力されるアナログ連続入力信号Ainが入力されたとする。
サミングノード304に保存された電荷に対し、コンパレート第2フェイズ(図5中φC2がH)においてアナログスイッチSW305kのオン、アナログスイッチSW305l、305mのオフによって、サミングノード304の電圧は(−Ain+(1/2)・Vr)Vとなる。コンパレート第2フェイズにおいて、A/D変換回路302によって、サミングノード304の電圧値(−Ain+(1/2)・Vr)がデジタル出力信号d12に変換される。デジタル出力信号d12は、図1に示したメモリ102に出力され、また、分岐されて多値出力回路307Aを介し、アナログスイッチSW305h〜305jに導かれる。
ここで、A/D変換回路302では公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d12の値が決定する。多値出力回路307Aでは、デジタル出力信号d12の値が10の場合、SW305hがオン状態となり、アナログスイッチSW305i、SW305jがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d12の値が01の場合、アナログスイッチSW305iがオン状態となり、アナログスイッチSW305h、SW305jがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d12の値が00の場合、アナログスイッチSW305jがオン状態となり、アナログスイッチSW305h、SW305iがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。ここでは、デジタル出力信号d12=00が出力されるアナログ連続入力信号Ainが入力されたとする。
ホールドフェイズ(図5中クロックφ2がH)では、アナログスイッチSW305bのオンにより、アナログスイッチSW305cはオフしているので、サミングノード304に保存された電荷に対し、サンプルキャップCap306a、306b、306cで公知の方法により演算が行われ、ステージS2に転送される。転送の結果、アナログ出力信号Voutが目標値としてステージS2に出力される。
次に、図5に示したt1〜t4のタイミングにおける本実施の形態のステージFS1の動作を順を追って説明する。
〈t1:サンプルフェイズ(Sample phase)〉
先ず図3は、図5に示したt1のタイミング、すなわちサンプルフェイズにおけるステージFS1の状態を表した図である。
このサンプルフェイズでは、アナログスイッチSW305n、305cがオンされてアナログ連続入力信号AinがサンプルキャップCap306aに導かれる。また、アナログスイッチSW305n、305dがオンされて、アナログ連続入力信号AinがサンプルキャップCap306bに導かれる。また、アナログスイッチSW305n、305eがオンされて、アナログ連続入力信号AinがサンプルキャップCap306cに導かれる。さらに、アナログスイッチSW305aがオンするので、サンプルキャップCap306a、306b、306cに電荷がチャージされてサンプル動作が行われる。
〈t2:コンパレート第1フェイズ(Compare1 phase)〉
次に図6は、図5中t2のタイミング、すなわちコンパレート第1フェイズにおけるステージFS1の状態を表した図である。
このコンパレート第1フェイズでは、アナログスイッチSW305a、305d、305e、305nがオフされる。このため、サンプルキャップCap306a、306b、306cにサンプリングされたアナログ連続入力信号Ainの電荷がサミングノード304に保存、確定される。また、アナログスイッチSW305o、305f、305gがオンされる。
ここで、コンパレート第1フェイズにおいて、多値出力回路307A、307BはそれぞれVCに接続されている。このため、サミングノード304の電圧が−AinVとなり、−AinVに対してA/D変換回路302で公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d11の値が決定する。ここでは、d11=10が出力されるアナログ連続入力信号Ainが入力されたとする。
〈t3:コンパレート第2フェイズ(Compare2 phase)〉
次に図7は、図5中t3のタイミング、すなわちコンパレート2フェイズにおけるステージFS1の状態を表した図である。
コンパレート2フェイズでは、デジタル出力信号d11の結果に基づき、多値出力回路307Bの接続先が変更される。
ここでは、デジタル出力信号d11=10なので、アナログスイッチSW305kがオン状態、アナログスイッチSW305l、305mがオフ状態となる。このため、サミングノード304の電圧が(−Ain+(1/2)・Vr)Vとなり、(−Ain+(1/2)・Vr)Vに対してA/D変換回路302で公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d12の値が決定する。ここでは、デジタル出力信号d12=00が出力されるアナログ連続入力信号Ainが入力されたとする。
以上、クロックφC1とクロックφC2によってステージ1は逐次比較動作を行い、アナログ入力信号Ainをデジタル出力信号d11、d12に変換する。
〈t4:ホールドフェイズ(Hold phase)〉
図8は、図5中t4のタイミング、すなわちホールドフェイズにおけるステージFS1の状態を表した図である。
このホールドフェイズでは、サミングノード304に保存された電荷に対し、サンプルキャップCap306a、306b、306cで公知の方法により演算が行われ、後段のステージS2に転送される。転送の結果、アナログ出力信号Voutが目標値としてステージS2に出力される。
以上、図3、図6、図7、図8はステージFS1が2個のデジタル出力信号d11、d12を出力する場合のステージFS1の構成について説明した。
したがって、ステージFS1がm個のデジタル出力信号d11、d12、…d1mを出力する構造を持つ場合は、クロックφC1の立ち上がりと、クロックφCの立ち上がりが同時であり、クロックφCmの立ち下がりとクロックφCの立ち下がりが同時であり、2つ以上Hとなる区間を持たないノンオーバーラップクロック、φC1、φC2、・・・、φCmを導入し、ステージFS1が逐次比較動作を行うコンパレートフェイズの中にそれぞれのクロックに対応する動作状態、コンパレート第1フェイズ、コンパレート第2フェイズ、…、コンパレートmフェイズを持たせる必要がある。
また、アナログスイッチSW305d、305fと、サンプルキャップCap306bと、多値出力回路307Aを含む回路構成309Aと同型の回路構成を図中に示すノード308とサミングノード304の間に並列にm個接続し、回路構成309mに含まれるサンプルキャップの容量は(2の(m−1)乗)・Cとしなければならない。また、デジタル出力信号d11は多値出力回路307mに接続し、デジタル出力信号d12は多値出力回路307(m−1)に接続し、…、デジタル出力信号d1mは多値出力回路307Aに接続しなければならない。
以上は、ステージFS1の動作の時系列に沿った説明である。なお、図5に示したt5はクロックφ2の立ち上がり時刻であり、t5以降のホールドフェイズは、図1に示した後段のステージS2においてサンプルフェイズとなる。ステージS2、S4、…の偶数番目のステージは図3と同様の回路構成を持ち、そのアナログスイッチを駆動するクロックのタイミングチャートはφ1の立ち上がり時刻がt5となり、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2のφ1に対する相対関係は全て図5と同様であるクロックによって駆動され、本実施の形態と同様に動作する。また、ステージS3、S5、…の奇数番目のステージは図3と同様の回路構成を持ち、そのアナログスイッチを駆動するクロックのタイミングチャートは全て図5と同様であるクロックによって駆動され、本実施の形態と同様に動作する。
(第1の実施形態の効果)
本実施の形態によれば、従来のようなサンプルホールド回路S/Hを必要としないため、消費電力の削減とレイアウトエリアの削減およびノイズの削減を達成することが可能となる。
また、本実施の形態の構成により、ステージFS1の入力経路がサンプルキャップCap306a、306b、306cの1経路となる効果、換言すれば、アナログ連続入力信号AinをサンプリングするトリガがアナログスイッチSW305aのみとなる効果も得られる。
また、ステージの出力として3値出力dijを出力するため、デジタル出力信号が冗長性を持つことになり、従来の冗長性無しの逐次比較A/D変換器に用いられるコンパレータよりも、A/D変換回路302に要求される判定精度が低くて済むという効果もある。
なお、前記課題を解決するための手段に示した本発明のA/D変換器を構成するサンプリングキャパシタおよびサンプリング回路は、図3などに示すサンプルキャップCap306a、306b、306cなどに対応し、タイミング切替スイッチは、アナログスイッチSW305n、SW305o、SW305a、SW305c、SW305d、SW305eなどに対応する。また、同じく反転回路は、サミングノード304やアナログスイッチSW305a、SW305oなどに対応し、また、A/D変換回路は、A/D変換回路302などに対応する。さらに、第1および第2のサンプリング値調整回路は、それぞれ多値出力回路307A、307Bなどに対応し、転送スイッチは、サミングノード304やサンプルキャップCap306a〜806C、増幅器303などに対応する(以下の実施形態についても同じである)。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係るパイプライン型のA/D変換器100の第2の実施形態を図9〜図13を参照しながら説明する。
本実施の形態は前述した第1の実施形態の変形例であり、前述した第1の実施形態がシングルエンド信号を扱うものであることに対し、本実施の形態は差動信号を扱うものである。
そのため、全体構成は前記第1の実施形態と同じであり、入力信号Ainが差動入力信号AinPとAinNの差分と等しく、出力信号Voutが差動出力信号VoutPとVoutNの差分と等しくなる。
(ステージFS1の回路構成)
図9は、本実施の形態に係る差動パイプライン型A/D変換器100のステージFS1の回路構成を示す図である。なお、図1に示したステージFS1〜Skの各々は、同一の回路構成を有しているから、図9によるステージの説明を、全てのステージFS1〜Skの説明に代えるものとする。ここで、ステージS2〜Skの入力は、図9においてアナログ差動連続入力信号AinP、AinNを、前段で離散化されたアナログ離散入力信号VinP、VinNに置き換えたものとする。また、任意のステージSkの回路構成に、従来技術と同じ構造を用いても良い。
図9に示すようにこのステージFS1は、2つのアナログ差動連続入力信号AinP、AinNを入力し、デジタル出力信号d11、d12を出力すると共に、後段のステージS2に2つのアナログ差動離散出力信号VoutP、VoutNを出力する回路である。
このためにステージFS1は、入力されたアナログ差動連続入力信号AinPをサンプリングするサンプルキャップCap906pa、906pb、906pcと、入力されたアナログ差動連続入力信号AinNをサンプリングするサンプルキャップCap906na、906nb、906ncと、アナログ差動入力信号AinPとアナログ差動入力信号AinNの差分AinP−AinNをデジタル出力信号d11、d12に変換するA/D変換回路902とを有している。
また、このステージFS1は、サンプルキャップCap906pbの出力を所定の多値出力に振り分ける多値出力回路907Apと、サンプルキャップCap906pcの出力を所定の多値出力に振り分ける多値出力回路907Bpと、サンプルキャップCap906nbの出力を所定の多値出力に振り分ける多値出力回路907Anと、サンプルキャップCap906ncの出力を所定の多値出力に振り分ける多値出力回路907Bnと、アナログ差動入力信号AinPとアナログ差動入力信号AinNの差分AinP−AinNに基づいた値をA/D変換回路902のデジタル出力のビット数に応じた所定のゲインGで増幅する増幅器903とを有している。
パイプライン型A/D変換器では、増幅器903のゲインGを、入力されたA/D変換回路902のデジタル出力信号dijの数がnのとき、2の(n−1)乗としなければならない。サンプルキャップCap906paと906naと906pbと906nbの容量は全てCであり、サンプルキャップCap906pcと906ncの容量は共に2Cである。
また、さらにこのステージFS1は、クロックφ1にしたがって開閉するアナログスイッチSW905pc、905nc、クロックφ2にしたがって開閉するアナログスイッチSW905pb、905nb、クロックφHにしたがって開閉するアナログスイッチSW905pf、905pg、905nf、905ng、クロックφSにしたがって開閉するアナログスイッチSW905pa、905pd、905pe、905pn、905na、905nd、905ne、905nn、クロックφCにしたがって開閉するアナログスイッチSW905po、905noを有している。
また、多値出力回路907Apに含まれるアナログスイッチSW905ph、905pi、905pjの開閉は、A/D変換回路902の出力結果にしたがって行われ、多値出力回路907Anに含まれるアナログスイッチSW905nh、905ni、905njの開閉は、A/D変換回路902の出力結果にしたがって行われる。また、多値出力回路907Bpに含まれるアナログスイッチSW905pk、905pl、905pmの開閉は、A/D変換回路902の出力結果にしたがって行われ、多値出力回路907Bnに含まれるアナログスイッチSW905nk、905nl、905nmの開閉は、A/D変換回路902の出力結果にしたがって行われる。
なお、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様にさらに制御回路301を有し、この制御回路301から7種類のクロックφ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2が出力されるものとする。
また、図中に符号904pを付して示した箇所は、サミングノードであり、電荷を保存することができ、図中に符号904nを付して示した箇所は、サミングノードであり、電荷を保存することができる。
また、多値出力回路907Apはデジタル出力信号d12をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能し、多値出力回路907Bpはデジタル出力信号d11をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能する。また、多値出力回路907Anはデジタル出力信号d12をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能し、多値出力回路907Bnはデジタル出力信号d11をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能する。
次に、図10は、図9に示したA/D変換回路902の一例を説明するためのブロック図である。サミングノード1002には、図9のサミングノード904pの電圧と、サミングノード904nの電圧の差分の電圧が印加されるものとする。
このA/D変換回路902は、サンプリングトリガφC1を入力し、サンプリングトリガφC1の立下がりに同期してサミングノード1002の電圧と、予め設定されている基準電圧(1/8)Vr、(−1/8)Vrとを比較し、結果をデジタル出力信号d11として出力する。サミングノード1002の電圧が(1/8)Vrより大きい場合はデジタル出力信号d11=00を出力し、サミングノード1002の電圧が(−1/8)Vrより大きく、(1/8)Vrより小さい場合はデジタル出力信号d11=01を出力し、サミングノード1002の電圧が(−1/8)Vrより小さい場合はデジタル出力信号d11=10を出力する。
デジタル出力信号d11は、多値出力回路907Bpに入力されてアナログスイッチSW905pk〜905pmを制御し、また、デジタル出力信号d11は、多値出力回路907Bnに入力されてアナログスイッチSW905nk〜905nmを制御する。
また、A/D変換回路902は、サンプリングトリガφC2を入力し、サンプリングトリガφC2の立下がりに同期してサミングノード1002の電圧と、予め設定されている基準電圧(1/8)Vr、(−1/8)Vrとを比較し、結果をデジタル出力信号d12として出力する。
サミングノード1002の電圧が(1/8)Vrより大きい場合はデジタル出力信号d12=00を出力し、サミングノード1002の電圧が(−1/8)Vrより大きく、(1/8)Vrより小さい場合はデジタル出力信号d12=01を出力し、サミングノード1002の電圧が(−1/8)Vrより小さい場合はデジタル出力信号d12=10を出力する。
デジタル出力信号d12は、多値出力回路307Apに入力されてアナログスイッチSW905ph〜905pjを制御し、また、デジタル出力信号d12は、多値出力回路307Anに入力されてアナログスイッチSW905nh〜905njを制御する。
なお、図10は、ステージFS1が2個のデジタル出力信号d11、d12を出力する場合のコンパレータ1001a、1001bの構成を表している。
したがって、ステージFS1がm個のデジタル出力信号d11、d12、…d1mを出力する構造を持つ場合は、コンパレータを動作させるm個のトリガφC1、φC2、…φCmが必要であり、コンパレータ1001aの出力分岐用のm個のスイッチSW1003C1[0]、SW1003C2[0]、…SW1003Cm[0]が必要であり、コンパレータ1001bの出力分岐用のm個のスイッチSW1003C1[0]、SW1003C2[0]、…SW1003Cm[0]が必要であり、コンパレータ1001aの基準電圧は(1/(2のm乗))とし、コンパレータ1001bの基準電圧は(−1/(2のm乗))としなければならない。
また、図9、図11〜図13中に示したクロックφ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2は、図5(a)〜(g)に示したクロックφ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2であり、その出力タイミングは図5のタイミングチャートに従って出力される。
(動作)
次に、本実施の形態に係るステージFS1の動作を説明する。
先ず、アナログ差動連続入力信号AinPは、アナログスイッチSW905pn、905pcのオンによってサンプルキャップ906paに導かれ、アナログスイッチSW905pn、905pdのオンによってサンプルキャップCap906pbに導かれ、アナログスイッチSW905pn、905peのオンによってサンプルキャップCap906pcに導かれる。
サンプルキャップCap906pa、906pb、906pcは、アナログ差動連続入力信号AinPの電荷をチャージしてサンプリングを行う。
アナログ差動連続入力信号AinNは、アナログスイッチSW905nn、905ncのオンによってサンプルキャップCap906naに導かれ、アナログスイッチSW905nn、905ndのオンによってサンプルキャップCap906nbに導かれ、アナログスイッチSW905nn、905neのオンによってサンプルキャップCap906ncに導かれる。
サンプルキャップCap906na、906nb、906ncは、アナログ差動連続入力信号AinNの電荷をチャージしてサンプリングを行う。
サンプリングされた電荷はサミングノード904p、904nに保存される。サミングノード904pに保存された電荷に対し、コンパレート第1フェイズ(図5中クロックφC1がH)においてアナログスイッチSW905po、905pf、905pgのオンによって、アナログスイッチSW905pa、905pd、905pe、905pnはオフしているので、サミングノード904pの電圧は−AinPVとなる。ここで、コンパレート第1フェイズにおいて、多値出力回路907Ap、907BpはそれぞれVCに接続されている。サミングノード904nに保存された電荷に対し、コンパレート第1フェイズ(図5中クロックφC1がH)においてアナログスイッチSW905no、905nf、905ngのオンによって、アナログスイッチSW905na、905nd、905ne、905nnはオフしているので、サミングノード904nの電圧は−AinNVとなる。
ここで、コンパレート第1フェイズにおいて、多値出力回路907An、907BnはそれぞれVCに接続されている。コンパレート第1フェイズにおいて、A/D変換回路902によって、サミングノード904pの電圧値−AinPとサミングノード904nの電圧値−AinNの差分値(−AinP+AinN)がデジタル出力信号d11に変換される。
デジタル出力信号d11は、図1に示したメモリ102に出力され、また、分岐されて多値出力回路907Bpを介し、スイッチ905pk〜905pmに導かれ、また、分岐されて多値出力回路907Bnを介し、スイッチ905nk〜905nmに導かれる。
ここで、A/D変換回路902では公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d11の値が決定する。多値出力回路907Bpでは、デジタル出力信号d11の値が10の場合、アナログスイッチSW905pkがオン状態となり、アナログスイッチSW905pl、SW905pmがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)Vを出力する端子と接続され、また、デジタル出力信号d11の値が01の場合、アナログスイッチSW905plがオン状態となり、アナログスイッチSW905pk、SW905pmがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d11の値が00の場合、アナログスイッチSW905pmがオン状態となり、アナログスイッチSW905pk、SW905plがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。
多値出力回路907Bnでは、デジタル出力信号d11の値が00の場合、SW905nkがオン状態となり、アナログスイッチSW905nl、SW905nmがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d11の値が01の場合、アナログスイッチSW905nlがオン状態となり、アナログスイッチSW905nk、SW905nmがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC)Vを出力する端子と接続され、また、デジタル出力信号d11の値が10の場合、アナログスイッチSW905nmがオン状態となり、アナログスイッチSW905nk、SW905nlがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。ここでは、d11=10が出力されるアナログ差動連続入力信号AinP、AinNが入力されたとする。
サミングノード904pに保存された電荷に対し、コンパレート第2フェイズ(図5中クロックφC2がH)においてアナログスイッチSW905pkのオン、アナログスイッチSW905pl、905pmのオフによって、サミングノード904pの電圧は(−AinP+(1/2)・Vr)Vとなる。サミングノード904nに保存された電荷に対し、コンパレート第2フェイズ(図5中クロックφC2がH)においてアナログスイッチSW905nmのオン、アナログスイッチSW905nk、905nlのオフによって、サミングノード904nの電圧は(−AinN−(1/2)・Vr)Vとなる。
コンパレート第2フェイズにおいて、A/D変換回路902によって、サミングノード904pの電圧値(−AinP+(1/2)・Vr)Pとサミングノード904nの電圧値(−AinN−(1/2)・Vr)の差分値(−AinP+AinN+Vr)がデジタル出力信号d12に変換される。
デジタル出力信号d12は、図1に示したメモリ102に出力され、また、分岐されて多値出力回路307Apを介し、アナログスイッチSW905ph〜905pjに導かれ、また、分岐されて多値出力回路307Anを介し、アナログスイッチSW905nh〜905njに導かれる。
ここで、A/D変換回路902では公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d12の値が決定する。多値出力回路307Apでは、デジタル出力信号d12の値が10の場合、アナログスイッチSW905phがオン状態となり、アナログスイッチSW905pi、SW905pjがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d12の値が01の場合、アナログスイッチSW905piがオン状態となり、アナログスイッチSW905ph、SW905pjがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d12の値が00の場合、アナログスイッチSW905pjがオン状態となり、アナログスイッチSW905ph、SW905piがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。
多値出力回路307Anでは、デジタル出力信号d12の値が00の場合、アナログスイッチSW905nhがオン状態となり、アナログスイッチSW905ni、SW905njがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d12の値が01の場合、アナログスイッチSW905niがオン状態となり、アナログスイッチSW905nh、SW905njがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d12の値が10の場合、アナログスイッチSW905njがオン状態となり、アナログスイッチSW905nh、SW905niがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。ここでは、デジタル出力信号d12=00が出力されるアナログ差動連続入力信号AinP、AinNが入力されたとする。
ホールドフェイズ(図5中クロックφ2がH)では、アナログスイッチSW905pb、905nbのオンにより、アナログスイッチSW905pc、905ncはオフしているので、サミングノード904p、904nに保存された電荷に対し、サンプルキャップCap906pa、906pb、906pc、906na、906nb、906ncで公知の方法により演算が行われ、ステージS2に転送される。転送の結果、アナログ出力信号VoutP、VoutNが目標値としてステージ2に出力される。
次に、図5に示したt1〜t4のタイミングにおける本実施の形態のステージFS1の動作を順を追って説明する。
〈t1:サンプルフェイズ(Sample phase)〉
図9は、図5に示したt1のタイミング、すなわちサンプルフェイズにおけるステージ1の状態を表した図である。
このサンプルフェイズでは、アナログスイッチSW905pn、905pcがオンされてアナログ差動連続入力信号AinPがサンプルキャップCap906paに導かれる。また、アナログスイッチSW905pn、905pdがオンされて、アナログ差動連続入力信号AinPがサンプルキャップCap906pbに導かれる。
また、アナログスイッチSW905pn、905peがオンされて、アナログ差動連続入力信号AinPがサンプルキャップCap906pcに導かれる。さらに、アナログスイッチSW905paがオンするので、サンプルキャップCap906pa、906pb、906pcに電荷がチャージされてサンプル動作が行われる。
また、サンプルフェイズでは、アナログスイッチSW905nn、905ncがオンされてアナログ差動連続入力信号AinNがサンプルキャップCap906naに導かれる。また、アナログスイッチSW905nn、905ndがオンされて、アナログ差動連続入力信号AinNがサンプルキャップCap906nbに導かれる。
また、アナログスイッチSW905nn、905neがオンされて、アナログ差動連続入力信号AinNがサンプルキャップCap906ncに導かれる。さらに、アナログスイッチSW905naがオンするので、サンプルキャップCap906na、906nb、906ncに電荷がチャージされてサンプル動作が行われる。
〈t2:コンパレート第1フェイズ(Compare1 phase)〉
図11は、図5中t2のタイミング、すなわちコンパレート第1フェイズにおけるステージFS1の状態を表した図である。
このコンパレート第1フェイズでは、アナログスイッチSW905pa、905pd、905pe、905pnがオフされる。このため、サンプルキャップCap906pa、906pb、906pcにサンプリングされたアナログ差動連続入力信号AinPの電荷がサミングノード904pに保存、確定される。
また、アナログスイッチSW905po、905pf、905pgがオンされる。ここで、コンパレート第1フェイズにおいて、多値出力回路907Ap、907BpはそれぞれVCに接続されている。このため、サミングノード904pの電圧が−AinPVとなる。
また、このコンパレート第1フェイズでは、アナログスイッチSW905na、905nd、905ne、905nnがオフされる。このため、サンプルキャップCap906na、906nb、906ncにサンプリングされたアナログ差動連続入力信号AinNの電荷がサミングノード904nに保存、確定される。また、アナログスイッチSW905no、905nf、905ngがオンされる。
ここで、コンパレート第1フェイズにおいて、多値出力回路907An、907BnはそれぞれVCに接続されている。このため、サミングノード904nの電圧が−AinNVとなる。サミングノード904pの電圧値−AinPとサミングノード904nの電圧値−AinNとの差分値(−AinP+AinN)に対して、A/D変換回路902で公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d11の値が決定する。ここでは、d11=10が出力されるアナログ差動連続入力信号AinP、AinNが入力されたとする。
〈t3:コンパレート第2フェイズ(Compare2 phase)〉
図12は、図5中t3のタイミング、すなわちコンパレート第2フェイズにおけるステージFS1の状態を表した図である。
このコンパレート第2フェイズでは、デジタル出力信号d11の結果に基づき、多値出力回路907Bpの接続先が変更される。ここでは、デジタル出力信号d11=10なので、アナログスイッチSW905pkがオン状態、アナログスイッチSW905pl、905pmがオフ状態となる。このため、サミングノード904pの電圧が(−AinP+(1/2)・Vr)Vとなる。
また、このコンパレート第2フェイズでは、デジタル出力信号d11の結果に基づき、多値出力回路907_2nの接続先が変更される。ここでは、デジタル出力信号d11=10なので、アナログスイッチSW905nmがオン状態、アナログスイッチSW905nk、905nlがオフ状態となる。このため、サミングノード904nの電圧が(−AinN−(1/2)・Vr)Vとなる。
サミングノード904pの電圧値(−AinP+(1/2)・Vr)とサミングノード904nの電圧値(−AinN−(1/2)・Vr)の差分値(−AinP+AinN+Vr)に対して、A/D変換回路902で公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d12の値が決定する。ここでは、デジタル出力信号d12=00が出力されるアナログ差動連続入力信号AinP、AinNが入力されたとする。
以上、クロックφC1とクロックφC2によってステージ1は逐次比較動作を行い、アナログ差動入力信号AinP、AinNをデジタル出力信号d11、d12に変換する。
〈t4:ホールドフェイズ(Hold phase)〉
図13は、図5中t4のタイミング、すなわちホールドフェイズにおけるステージFS1の状態を表した図である。
このホールドフェイズでは、サミングノード904p、904nに保存された電荷に対し、サンプルキャップCap906pa、906pb、906pc、906na、906nb、906ncで公知の方法により演算が行われ、ステージS2に転送される。転送の結果、アナログ差動出力信号VoutP、VoutNが目標値としてステージS2に出力される。
以上、図9、図11、図12、図13はステージFS1が2個のデジタル出力信号d11、d12を出力する場合について説明した。したがって、ステージ1がm個のデジタル出力信号d11、d12、…d1mを出力する構造を持つ場合は、クロックφC1の立ち上がりとクロックφCの立ち上がりが同時であり、クロックφCmの立ち下がりとクロックφCの立ち下がりが同時であり、2つ以上Hとなる区間を持たないノンオーバーラップクロック、φC1、φC2、…、φCmを導入し、ステージFS1が逐次比較動作を行うコンパレートフェイズの中にそれぞれのクロックに対応する動作状態、コンパレート第1フェイズ、コンパレート第2フェイズ、…、コンパレートmフェイズを持たせる必要がある。
また、アナログスイッチSW905pd、905pfと、サンプルキャップCap906pbと、多値出力回路907Apを含む回路構成909Apと同型の回路構成を図中に示すノード908pとサミングノード904pの間に並列にm個接続し、回路構成909mpに含まれるサンプルキャップの容量は(2の(m−1)乗)・Cとしなければならない。
また、アナログスイッチSW905nd、905nfと、サンプルキャップCap906nbと、多値出力回路907Anを含む回路構成909Anと同型の回路構成を図中に示すノード908nとサミングノード904nの間に並列にm個接続し、回路構成909mnに含まれるサンプルキャップの容量は(2の(m−1)乗)・Cとしなければならない。
また、デジタル出力信号d11は多値出力回路907mp、907mnに接続し、デジタル出力信号d12は多値出力回路907(m−1)p、907(m−1)nに接続し、…、デジタル出力信号d1mは多値出力回路907Ap、907Anに接続しなければならない。
(第2の実施形態の効果)
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、サンプルホールドを必要としないため、消費電力の削減とレイアウトエリアの削減、およびノイズの削減を達成することができる。
また、本実施の形態によれば、ステージFS1の入力経路がAinPについてはサンプルキャップCap906pa、906pb、906pcの1経路となる効果、換言すれば、アナログ作動入力信号AinPをサンプリングするトリガがアナログスイッチSW905paのみとなる効果も得られる。
また、ステージFS1の入力経路がAinNについてはサンプルキャップ906na、906nb、906ncの1経路となる効果、換言すれば、アナログ連続入力信号AinNをサンプリングするトリガがアナログスイッチSW905naのみとなる効果も得られる。
また、ステージの出力として3値出力dijを出力するため、デジタル出力信号が冗長性を持つことになり、従来の冗長性無しの逐次比較A/D変換器に用いられるコンパレータよりも、A/D変換回路902に要求される判定精度が低くて済むという効果もある。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係るパイプライン型のA/D変換器100の第3の実施形態を図14〜図19を参照しながら説明する。
(全体構成)
図14は、本実施の形態に係るパイプライン型のA/D変換器100のブロック図である。
図示するようにこのA/D変換器100は、第1および第2の実施の形態と同様にアナログ連続入力信号AinをNビットのデジタル出力信号Doutに変換するものである。このため、各ビットを決定するための縦列接続されたk個のステージFS1、S2…Skと、各ステージにおいて決定された1桁のデジタル出力信号dij(iは1〜k、jは1〜n)を格納するメモリ1402と、このメモリ1402に格納されたデジタル出力信号dijに基づいてアナログ連続入力信号AinのA/D変換値をデジタル出力信号Doutを演算する演算回路1401と、を有している。
ステージFS1〜Skは直列に接続され、各々入力されるアナログ入力信号Vinに基づいて2桁のデジタル出力信号dijをメモリ1402に送出する。また、各ステージFS1〜Skでは、入力されたアナログ入力信号Vinが、デジタル出力信号dijのD/A変換結果に基づいて変換され、アナログ出力信号Voutとして次のステージに出力される。
メモリ1402は、k個のステージS1〜Skの各々から1桁のデジタル出力信号dijを入力し、格納する。このため、メモリ1402には、少なくとも、1ビットのアドレスを(k×n)個格納できる半導体メモリ等が用いられる。
演算回路1401は、メモリ1402に格納されたデジタル出力信号dijに基づいて演算し、N桁のデジタル出力信号Doutを出力する。デジタル出力信号Doutを算出するための演算は、次のように行われる。
すなわち、演算回路1401は、デジタル出力信号d11をDoutの最上位ビットとし、デジタル出力信号d12、d13と順番に並べていき、デジタル出力信号d1nの次の桁はd21となり、同様に並べていき最下位桁がdknとなる。足し合わされた最終的な結果は、デジタル出力信号Doutとして出力される。
図15は、以上述べたデジタル出力信号Doutを算出する演算を例示するための図である。図15の例では、4個のステージがあって、各ステージが、1桁のデジタル出力d11、d12、d21、d22、d31、d32、d41、d42をそれぞれ図14に示したメモリ1402に出力するものとする。より具体的には、デジタル出力d11、d12、d21、d22、d31、d32、d41、d42の値を、以下のように定める。
d11=0、d12=1、d21=0、d22=0、d31=1、d32=1、d41=0、d42=1
図15の例では、デジタル出力d11からデジタル出力d42まで最上位桁から最下位桁まで並べた結果、デジタル出力信号Doutとして、「01001101」の値が得られる。
(ステージFS1の回路構成)
図16は、本実施の形態に係る差動パイプライン型A/D変換器100のステージFS1の回路構成を示す図である。なお、図16に示したステージFS1〜Skの各々は、同一の回路構成を有しているから、図16によるステージの説明を、全てのステージFS1〜Skの説明に代えるものとする。ここで、ステージS2〜Skの入力は、図14においてアナログ連続入力信号Ainを、前段で離散化されたアナログ離散入力信号Vinに置き換えたものとする。また、任意のステージSkの回路構成に、従来技術と同じ構造を用いても良い。
このステージFS1は、アナログ連続入力信号Ainを入力し、デジタル出力信号d11、d12、…d1nを出力すると共に、後段のステージS2にアナログ離散出力信号Voutを出力する回路である。
このためにステージFS1は、入力されたアナログ連続入力信号AinをサンプリングするサンプルキャップCap306a、306b、306cと、サンプルキャップCap306bの出力を所定の多値出力に振り分ける多値出力回路307Aと、サンプルキャップCap306cの出力を所定の多値出力に振り分ける多値出力回路307Bと、アナログ入力信号Ainをデジタル出力信号d11、d12、…d1nに変換し、また、Ainに基づいた値をデジタル出力信号d11、d12、…d1nの数nに応じた所定のゲインGで増幅する増幅器303と、を有している。パイプライン型A/D変換器では、増幅器303のゲインGを、デジタル出力信号dijの数がnのとき、2の(n−1)乗としなければならない。サンプルキャップCap306aと306bの容量は共にCであり、サンプルキャップCap306cはその容量が2Cである。
また、本実施の形態のステージFS1は、クロックφ1にしたがって開閉するアナログスイッチSW305c、クロックφ2にしたがって開閉するアナログスイッチSW305b、1605r、クロックφHにしたがって開閉するアナログスイッチSW305f、305g、クロックφSにしたがって開閉するアナログスイッチSW305a、305d、305e、305n、クロックφCにしたがって開閉するアナログスイッチSW305o、クロックφC1にしたがって開閉するアナログスイッチSW1605q、クロックφC2にしたがって開閉するアナログスイッチSW1605rを有している。
多値出力回路307Aに含まれるアナログスイッチSW305h、305i、305jの開閉は、デジタル出力信号d12にしたがって行われ、多値出力回路307Bに含まれるアナログスイッチSW305k、305l、305mの開閉は、デジタル出力信号d11にしたがって行われる。
なお、本実施の形態においても前記実施の形態と同様に制御回路301を有し、制御回路301によって7種類のクロックφ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2が図5に示すようなタイミングで出力されるものとする。
また、図中に符号304を付して示した箇所は、サミングノードであり、電荷を保存することができる。
また、多値出力回路307Aはデジタル出力信号d12をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能し、多値出力回路307Bはデジタル出力信号d11をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能する。
次に、増幅器303は、サンプリングトリガφC1の立ち上がりに同期してサミングノード304の電圧と、予め設定されている基準電圧VCとを比較し、結果をデジタル出力信号d11として出力する。
サミングノード304の電圧がVCより大きい場合はデジタル出力信号d11=0を出力し、サミングノード304の電圧がVCより小さい場合はデジタル出力信号d11=1を出力する。デジタル出力信号d11は、多値出力回路307Bに入力されてSW305k〜305mを制御する。
また、この増幅器303はサンプリングトリガφC2を入力し、サンプリングトリガφC2の立ち上がりに同期してサミングノード304の電圧と、予め設定されている基準電圧VCとを比較し、結果をデジタル出力信号d12として出力する。
サミングノード304の電圧がVCより大きい場合はデジタル出力信号d12=0を出力し、サミングノード304の電圧がVCより小さい場合はデジタル出力信号d12=1を出力する。デジタル出力信号d12は、多値出力回路307Aに入力されてSW305h〜305jを制御する。
また、図16〜図19中に示したクロックφ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2は、図5(a)〜(g)に示したクロックφ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2であり、その出力タイミングは図5のタイミングチャートに従って出力される。
(動作)
次に、本実施の形態に係るステージFS1の動作を説明する。
先ず、アナログ連続入力信号Ainは、アナログスイッチSW305n、305cのオンによってサンプルキャップ306aに導かれ、アナログスイッチSW305n、305dのオンによってサンプルキャップ306bに導かれ、アナログスイッチSW305n、305eのオンによってサンプルキャップ306cに導かれる。サンプルキャップ306a、306b、306cは、アナログ連続入力信号Ainの電荷をチャージしてサンプリングを行う。サンプリングされた電荷はサミングノード304に保存される。
次に、保存された電荷に対し、コンパレート第1フェイズ(図5中クロックφC1がH)においてアナログスイッチSW305o、305f、305gのオンによって、アナログスイッチSW305a、305d、305e、305nはオフしているので、サミングノード304の電圧は−AinVとなる。ここで、コンパレート第1フェイズにおいて、多値出力回路307A、307BはそれぞれVCに接続されている。
コンパレート第1フェイズにおいて、増幅器303によって、サミングノード304の電圧値−Ainがデジタル出力信号d11に変換される。コンパレート1フェイズにおいてSW1605qはオンしているので、デジタル出力信号d11は、図14に示したメモリ1402に出力され、また、分岐されて多値出力回路307Bを介し、スイッチ305k〜305mに導かれる。
ここで、増幅器303では公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d11の値が決定する。
多値出力回路307Bでは、デジタル出力信号d11の値が1の場合、SW305kがオン状態となり、アナログスイッチSW305l、SW305mがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d11の値が0の場合、SW305mがオン状態となり、アナログスイッチSW305k、SW305lがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。ここでは、デジタル出力信号d11=1が出力されるアナログ連続入力信号Ainが入力されたとする。
サミングノード304に保存された電荷に対し、コンパレート第2フェイズ(図5中クロックφC2がH)においてアナログスイッチSW305kのオン、SW305l、305mのオフによって、サミングノード304の電圧は(−Ain+(1/2)・Vr)Vとなる。
このコンパレート第2フェイズにおいて、増幅器303によって、サミングノード304の電圧値(−Ain+(1/2)・Vr)がデジタル出力信号d12に変換される。コンパレート2フェイズにおいてアナログスイッチSW1605rはオンしているので、デジタル出力信号d12は、図14に示したメモリ1402に出力され、また、分岐されて多値出力回路307Aを介し、アナログスイッチSW305h〜305jに導かれる。
ここで、増幅器303では公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d12の値が決定する。多値出力回路307Aでは、デジタル出力信号d12の値が1の場合、アナログスイッチSW305hがオン状態となり、アナログスイッチSW305i、SW305jがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d12の値が0の場合、アナログスイッチSW305jがオン状態となり、アナログスイッチSW305h、SW305iがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。ここでは、デジタル出力信号d12=0が出力されるアナログ連続入力信号Ainが入力されたとする。
以上、第1の実施の形態においてA/D変換回路302で行われていた比較動作が、増幅器303によってなされるものである。
ホールドフェイズ(図5中クロックφ2がH)では、アナログスイッチSW305b、1605pのオンにより、アナログスイッチSW305cはオフしているので、サミングノード304に保存された電荷に対し、サンプルキャップCap306a、306b、306cで公知の方法により演算が行われ、ステージS2に転送される。転送の結果、アナログ出力信号Voutが目標値としてステージS2に出力される。
次に、図5に示したt1〜t4のタイミングにおける本実施形態のステージFS1の動作を順を追って説明する。
〈t1:サンプルフェイズ(Sample phase)〉
図16は、図5に示したt1のタイミング、すなわちサンプルフェイズにおけるステージ1の状態を表した図である。
このサンプルフェイズでは、アナログスイッチSW305n、305cがオンされてアナログ連続入力信号AinがサンプルキャップCap306aに導かれる。また、アナログスイッチSW305n、305dがオンされて、アナログ連続入力信号AinがサンプルキャップCap306bに導かれる。また、アナログスイッチSW305n、305eがオンされて、アナログ連続入力信号AinがサンプルキャップCap306cに導かれる。さらに、アナログスイッチSW305aがオンするので、サンプルキャップCap306a、306b、306cに電荷がチャージされてサンプル動作が行われる。
〈t2:コンパレート第1フェイズ(Compare1 phase)〉
図17は、図5中t2のタイミング、すなわちコンパレート第1フェイズにおけるステージFS1の状態を表した図である。
このコンパレート第1フェイズでは、アナログスイッチSW305a、305d、305e、305nがオフされる。このため、サンプルキャップCap306a、306b、306cにサンプリングされたアナログ連続入力信号Ainの電荷がサミングノード304に保存、確定される。また、アナログスイッチSW305o、305f、305gがオンされる。ここで、コンパレート第1フェイズにおいて、多値出力回路307A、307BはそれぞれVCに接続されている。このため、サミングノード304の電圧が−AinVとなり、コンパレート第1フェイズにおいてアナログスイッチSW1605qがオンしているため、−AinVに対して増幅器303で公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d11の値が決定する。ここでは、デジタル出力信号dd11=1が出力されるアナログ連続入力信号Ainが入力されたとする。
〈t3:コンパレート第2フェイズ(Compare2 phase)〉
図18は、図5中t3のタイミング、すなわちコンパレート第2フェイズにおけるステージ1の状態を表した図である。
このコンパレート第2フェイズでは、デジタル出力信号d11の結果に基づき、多値出力回路307Bの接続先が変更される。ここでは、デジタル出力信号d11=1なので、アナログスイッチSW305kがオン状態、アナログスイッチSW305l、305mがオフ状態となる。このため、サミングノード304の電圧が(−Ain+(1/2)・Vr)Vとなり、コンパレート第2フェイズにおいてアナログスイッチSW1605rがオンしているため、(−Ain+(1/2)・Vr)Vに対して増幅器303で公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d12の値が決定する。ここでは、デジタル出力信号d12=0が出力されるアナログ連続入力信号Ainが入力されたとする。
以上、クロックφC1とクロックφC2によってステージFS1は逐次比較動作を行い、アナログ入力信号Ainをデジタル出力信号d11、d12に変換する。
〈t4:ホールドフェイズ(Hold phase)〉
図19は、図5中t4のタイミング、すなわちホールドフェイズにおけるステージFS1の状態を表した図である。
このホールドフェイズでは、サミングノード304に保存された電荷に対し、サンプルキャップCap306a、306b、306cで公知の方法により演算が行われ、ステージS2に転送される。転送の結果、アナログ出力信号Voutが目標値としてステージS2に出力される。
以上、図16、図17、図18、図19はステージFS1が2個のデジタル出力信号d11、d12を出力する場合について説明した。したがって、ステージFS1がm個のデジタル出力信号d11、d12、…d1mを出力する構造を持つ場合は、φC1の立ち上がりとφCの立ち上がりが同時であり、φCmの立ち下がりとφCの立ち下がりが同時であり、2つ以上Hとなる区間を持たないノンオーバーラップクロック、φC1、φC2、…φCmを導入し、ステージFS1が逐次比較動作を行うコンパレートフェイズの中にそれぞれのクロックに対応する動作状態、コンパレート第1フェイズ、コンパレート第2フェイズ、…、コンパレート第mフェイズを持たせる必要がある。また、アナログスイッチSW305d、305fと、サンプルキャップCap306bと、多値出力回路307Aを含む回路構成309Aと同型の回路構成を図中に示すノード308とサミングノード304の間に並列にm個接続し、回路構成309mに含まれるサンプルキャップの容量は(2の(m−1)乗)・Cとしなければならない。また、デジタル出力ノードd1mと増幅器303の出力ノードを繋ぐφCmによって駆動されるアナログスイッチがm個必要である。また、デジタル出力信号d11は多値出力回路307mに接続し、デジタル出力信号d12は多値出力回路307(m−1)に接続し、…、デジタル出力信号d1mは多値出力回路307Aに接続しなければならない。
以上は、ステージFS1の動作の時系列に沿った説明である。なお、図5に示したt5はクロックφ2の立ち上がり時刻であり、t5以降のホールドフェイズは、図1に示した後段のステージS2においてサンプルフェイズとなる。ステージS2、S4、…の偶数番目のステージは図16と同様の回路構成を持ち、そのアナログスイッチを駆動するクロックのタイミングチャートはφ1の立ち上がり時刻がt5となり、クロックφ2、φH、φS、φC、φC1、φC2のφ1に対する相対関係は全て図5と同様であるクロックによって駆動され、本実施の形態と同様に動作する。また、ステージS3、S5、…の奇数番目のステージは図16と同様の回路構成を持ち、そのアナログスイッチを駆動するクロックのタイミングチャートは全て図5と同様であるクロックによって駆動され、本実施の形態と同様に動作する。
(第3の実施形態の効果)
本実施の形態によれば、前記第1および第2の実施の形態と同様にサンプルホールドを必要としないため、消費電力の削減とレイアウトエリアの削減およびノイズの削減を達成することが可能となる。
また、本発明の構成により、ステージFS1の入力経路がサンプルキャップCap306a、306b、306cの1経路となる効果、換言すれば、アナログ連続入力信号AinをサンプリングするトリガがアナログスイッチSW305aのみとなる効果も得られる。
また、第1および第2の実施の形態と比べ、A/D変換回路302、902を必要としないため、さらなる電力削減、エリア削減が可能となる。
(第4の実施形態)
次に、本発明に係るパイプライン型のA/D変換器100の第4の実施形態を図20〜図23を参照しながら説明する。
本実施の形態は前述した第3の実施形態の変形例であり、第3の実施の形態がシングルエンド信号を扱うものであることに対し、本実施の形態では差動信号を扱うものである。そのため、本発明の第3の一実施形態とパイプライン型A/Dコンバータの構成は同じであり、入力信号Ainが差動入力信号AinPとAinNの差分と等しく、出力信号Voutが差動出力信号VoutPとVoutNの差分と等しくなる。
(ステージFS1の回路構成)
図20は、本実施形態に係る差動パイプライン型A/D変換器100のステージFS1の回路構成図である。なお、図14に示したステージFS1〜Skの各々は、同一の回路構成を有しているから、図20によるステージの説明を、全てのステージFS1〜Skの説明に代えるものとする。ここで、ステージS2〜Skの入力は、図20においてアナログ差動連続入力信号AinP、AinNを、前段で離散化されたアナログ離散入力信号VinP、VinNに置き換えたものとする。また、任意のステージSkの回路構成に従来技術と同じ構造を用いても良い。
このステージFS1は、アナログ差動連続入力信号AinP、AinNを入力し、デジタル出力信号d11、d12、…d1nを出力すると共に、後段のステージS2にアナログ差動離散出力信号VoutP、VoutNを出力する回路である。
このためにこのステージFS1は、入力されたアナログ差動連続入力信号AinPをサンプリングするサンプルキャップCap906pa、906pb、906pcと、入力されたアナログ差動連続入力信号AinNをサンプリングするサンプルキャップCap906na、906nb、906ncと、サンプルキャップCap906pbの出力を所定の多値出力に振り分ける多値出力回路907Apと、サンプルキャップCap906pcの出力を所定の多値出力に振り分ける多値出力回路907Bpと、サンプルキャップCap906nbの出力を所定の多値出力に振り分ける多値出力回路907Anと、サンプルキャップCap906ncの出力を所定の多値出力に振り分ける多値出力回路907Bnとを有している。さらに、このステージFS1は、アナログ差動入力信号AinPとアナログ差動入力信号AinNの差分AinP−AinNをデジタル出力信号d11、d12、…d1nに変換し、アナログ差動入力信号AinPとアナログ差動入力信号AinNの差分AinP−AinNに基づいた値をA/D変換回路902のデジタル出力のビット数に応じた所定のゲインGで増幅する増幅器903を有している。パイプライン型A/D変換器では、増幅器903のゲインGを、入力されたA/D変換回路902のデジタル出力信号dijの数がnのとき、2の(n−1)乗としなければならない。サンプルキャップCap906paと906naと906pbと906nbの容量は全てCであり、サンプルキャップCap906pcと906ncの容量は共に2Cである。
また、本実施の形態のステージFS1は、クロックφ1にしたがって開閉するアナログスイッチSW905pc、905nc、クロックφ2にしたがって開閉するアナログスイッチSW905pb、905nb、2005pp、クロックφHにしたがって開閉するアナログスイッチSW905pf、905pg、905nf、905ng、クロックφSにしたがって開閉するアナログスイッチSW905pa、905pd、905pe、905pn、905na、905nd、905ne、905nn、クロックφCにしたがって開閉するアナログスイッチSW905po、905no、クロックφC1にしたがって開閉するアナログスイッチSW2005pq、クロックφC2にしたがって開閉するアナログスイッチSW2005prを有している。
多値出力回路907Apに含まれるアナログスイッチSW905ph、905pi、905pjの開閉は、デジタル出力d12にしたがって行われ、多値出力回路907Anに含まれるアナログスイッチSW905nh、905ni、905njの開閉は、デジタル出力d12にしたがって行われる。
また、多値出力回路907Bpに含まれるアナログスイッチSW905pk、905pl、905pmの開閉は、デジタル出力d11にしたがって行われ、多値出力回路907_2nに含まれるアナログスイッチSW905nk、905nl、905nmの開閉は、デジタル出力d11にしたがって行われる。
なお、本実施の形態では、さらに制御回路301を有し、この制御回路301によってクロックφ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2が出力されるものとする。
また、図中に符号904p、904nを付して示した箇所は、それぞれサミングノードであり、電荷を保存することができる。
また、多値出力回路907Apはデジタル出力信号d12をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能し、多値出力回路907Bpはデジタル出力信号d11をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能する。また、多値出力回路907Anはデジタル出力信号d12をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能し、多値出力回路907Bnはデジタル出力信号d11をアナログ信号に変換する構成であって、D/Aサブコンバータとして機能する。
次に、図20の増幅器903の比較動作を説明する。
増幅器903はサンプリングトリガφC1の立ち上がりに同期してサミングノード904pの電圧と、サミングノード904nの電圧とを比較し、結果をデジタル出力信号d11として出力する。
サミングノード904pの電圧がサミングノード904nの電圧より大きい場合はデジタル出力信号d11=0を出力し、サミングノード904pの電圧がサミングノード904nの電圧より小さい場合はデジタル出力信号d11=1を出力する。
デジタル出力信号d11は、多値出力回路907Bpに入力されてアナログスイッチSW905pk〜905pmを制御し、また、デジタル出力信号d11は、多値出力回路907Bnに入力されてアナログスイッチSW905nk〜905nmを制御する。
また、増幅器303はサンプリングトリガφC2を入力し、サンプリングトリガφC2の立ち上がりに同期してサミングノード904pの電圧と、サミングノード904nの電圧とを比較し、結果をデジタル出力信号d12として出力する。
サミングノード904pの電圧がサミングノード904nの電圧より大きい場合はデジタル出力信号d12=0を出力し、サミングノード904pの電圧がサミングノード904nの電圧より小さい場合はデジタル出力信号d12=1を出力する。
デジタル出力信号d12は、多値出力回路307Apに入力されてアナログスイッチSW905ph〜905pjを制御し、また、デジタル出力信号d12は、多値出力回路307Anに入力されてアナログスイッチSW905nh〜905njを制御する。
また、図20〜図23中に示したクロックφ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2は、図5(a)〜(g)に示したクロックφ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2であり、その出力タイミングは図5のタイミングチャートに従って出力される。
(動作)
次に、本実施の形態に係るステージFS1の動作を説明する。
先ず、一方のアナログ差動連続入力信号AinPは、アナログスイッチSW905pn、905pcのオンによってサンプルキャップCap906paに導かれ、アナログスイッチSW905pn、905pdのオンによってサンプルキャップCap906pbに導かれ、アナログスイッチSW905pn、905peのオンによってサンプルキャップCap906pcに導かれる。サンプルキャップCap906pa、906pb、906pcは、アナログ差動連続入力信号AinPの電荷をチャージしてサンプリングを行う。
他方のアナログ差動連続入力信号AinNは、アナログスイッチSW905nn、905ncのオンによってサンプルキャップCap906naに導かれ、アナログスイッチSW905nn、905ndのオンによってサンプルキャップCap906nbに導かれ、アナログスイッチSW905nn、905neのオンによってサンプルキャップCap906ncに導かれる。サンプルキャップCap906na、906nb、906ncは、アナログ差動連続入力信号AinNの電荷をチャージしてサンプリングを行う。
サンプリングされた電荷はサミングノード904p、904nに保存される。サミングノード904pに保存された電荷に対し、コンパレート第1フェイズ(図5中クロックφC1がH)においてアナログスイッチSW905po、905pf、905pgのオンによって、アナログスイッチSW905pa、905pd、905pe、905pnはオフしているので、サミングノード904pの電圧は−AinPVとなる。ここで、コンパレート第1フェイズにおいて、多値出力回路907Ap、907BpはそれぞれVCに接続されている。
サミングノード904nに保存された電荷に対し、コンパレート1フェイズ(図5中クロックφC1がH)においてアナログスイッチSW905no、905nf、905ngのオンによって、アナログスイッチSW905na、905nd、905ne、905nnはオフしているので、サミングノード904nの電圧は−AinNVとなる。ここで、コンパレート第1フェイズにおいて、多値出力回路907An、907BnはそれぞれVCに接続されている。
コンパレート第1フェイズにおいてSW2005pqがオンしているので、増幅器903によって、サミングノード904pの電圧値−AinPとサミングノード904nの電圧値−AinNの差分値(−AinP+AinN)がデジタル出力信号d11に変換される。デジタル出力信号d11は、図14に示したメモリ1402に出力され、また、分岐されて多値出力回路907Bpを介し、アナログスイッチSW905pk〜905pmに導かれ、また、分岐されて多値出力回路907Bnを介し、アナログスイッチSW905nk〜905nmに導かれる。
ここで、増幅器903では公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d11の値が決定する。多値出力回路907Bpでは、デジタル出力信号d11の値が1の場合、アナログスイッチSW905pkがオン状態となり、アナログスイッチSW905pl、SW905pmがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d11の値が0の場合、アナログスイッチSW905pmがオン状態となり、アナログスイッチSW905pk、SW905plがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。
多値出力回路907Bnでは、デジタル出力信号d11の値が0の場合、アナログスイッチSW905nkがオン状態となり、アナログスイッチSW905nl、SW905nmがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d11の値が1の場合、アナログスイッチSW905nmがオン状態となり、アナログスイッチSW905nk、SW905nlがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。ここでは、デジタル出力信号d11=1が出力されるアナログ差動連続入力信号AinP、AinNが入力されたとする。
サミングノード904pに保存された電荷に対し、コンパレート第2フェイズ(図5中クロックφC2がH)においてアナログスイッチSW905pkのオン、アナログスイッチSW905pl、905pmのオフによって、サミングノード904pの電圧は(−AinP+(1/2)・Vr)Vとなる。サミングノード904nに保存された電荷に対し、コンパレート第2フェイズ(図5中クロックφC2がH)においてアナログスイッチSW905nmのオン、アナログスイッチSW905nk、905nlのオフによって、サミングノード904nの電圧は(−AinN−(1/2)・Vr)Vとなる。
コンパレート第2フェイズにおいてアナログスイッチSW2005prがオンしているので、増幅器903によって、サミングノード904pの電圧値(−AinP+(1/2)・Vr)Pとサミングノード904nの電圧値(−AinN−(1/2)・Vr)の差分値(−AinP+AinN+Vr)がデジタル出力信号d12に変換される。
デジタル出力信号d12は、図14に示したメモリ1402に出力され、また、分岐されて多値出力回路307Apを介し、アナログスイッチSW905ph〜905pjに導かれ、また、分岐されて多値出力回路307Anを介し、アナログスイッチSW905nh〜905njに導かれる。
ここで、増幅器903では公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d12の値が決定する。多値出力回路307Apでは、デジタル出力信号d12の値が1の場合、アナログスイッチSW905phがオン状態となり、アナログスイッチSW905pi、SW905pjがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d12の値が0の場合、アナログスイッチSW905pjがオン状態となり、アナログスイッチSW905ph、SW905piがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。
多値出力回路307Anでは、デジタル出力信号d12の値が0の場合、アナログスイッチSW905nhがオン状態となり、アナログスイッチSW905ni、SW905njがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC+Vr)Vを出力する端子と接続される。
また、デジタル出力信号d12の値が1の場合、アナログスイッチSW905njがオン状態となり、アナログスイッチSW905nh、SW905niがそれぞれオフ状態となり、電圧値(VC−Vr)Vを出力する端子と接続される。ここでは、デジタル出力信号d12=0が出力されるアナログ差動連続入力信号AinP、AinNが入力されたとする。
以上、第2の実施形態においてA/D変換回路902で行われていた比較動作が、増幅器903によってなされるものである。
ホールドフェイズ(図5中クロックφ2がH)では、アナログスイッチSW905pb、905nb、2005ppのオンにより、アナログスイッチSW905pc、905ncはオフしているので、サミングノード904p、904nに保存された電荷に対し、サンプルキャップCap906pa、906pb、906pc、906na、906nb、906ncで公知の方法により演算が行われ、ステージS2に転送される。転送の結果、アナログ出力信号VoutP、VoutNが目標値としてステージS2に出力される。
次に、図5に示したt1〜t4のタイミングにおける本実施の形態のステージFS1の動作を順を追って説明する。
〈t1:サンプルフェイズ(Sample phase)〉
図20は、図5に示したt1のタイミング、すなわちサンプルフェイズにおけるステージ1の状態を表した図である。
このサンプルフェイズでは、アナログスイッチSW905pn、905pcがオンされてアナログ差動連続入力信号AinPがサンプルキャップCap906paに導かれる。また、アナログスイッチSW905pn、905pdがオンされて、アナログ差動連続入力信号AinPがサンプルキャップCap906pbに導かれる。また、アナログスイッチSW905pn、905peがオンされて、アナログ差動連続入力信号AinPがサンプルキャップ906pcに導かれる。さらに、アナログスイッチSW905paがオンするので、サンプルキャップCap906pa、906pb、906pcに電荷がチャージされてサンプル動作が行われる。
また、サンプルフェイズでは、アナログスイッチSW905nn、905ncがオンされてアナログ差動連続入力信号AinNがサンプルキャップCap906naに導かれる。また、アナログスイッチSW905nn、905ndがオンされて、アナログ差動連続入力信号AinNがサンプルキャップCap906nbに導かれる。また、アナログスイッチSW905nn、905neがオンされて、アナログ差動連続入力信号AinNがサンプルキャップCap906ncに導かれる。さらに、アナログスイッチSW905naがオンするので、サンプルキャップCap906na、906nb、906ncに電荷がチャージされてサンプル動作が行われる。
〈t2:コンパレート第1フェイズ(Compare1 phase)〉
図21は、図5中t2のタイミング、すなわちコンパレート第1フェイズにおけるステージ1の状態を表した図である。
このコンパレート第1フェイズでは、アナログスイッチSW905pa、905pd、905pe、905pnがオフされる。このため、サンプルキャップCap906pa、906pb、906pcにサンプリングされたアナログ差動連続入力信号AinPの電荷がサミングノード904pに保存、確定される。また、アナログスイッチSW905po、905pf、905pgがオンされる。
ここで、コンパレート第1フェイズにおいて、多値出力回路907Ap、907BpはそれぞれVCに接続されている。このため、サミングノード904pの電圧が−AinPVとなる。また、コンパレート第1フェイズでは、アナログスイッチSW905na、905nd、905ne、905nnがオフされる。このため、サンプルキャップCap906na、906nb、906ncにサンプリングされたアナログ差動連続入力信号AinNの電荷がサミングノード904nに保存、確定される。また、アナログスイッチSW905no、905nf、905ngがオンされる。
ここで、コンパレート1フェイズにおいて、多値出力回路907An、907BnはそれぞれVCに接続されている。このため、サミングノード904nの電圧が−AinNVとなる。また、コンパレート第1フェイズではSW2005pqがオンしているため、サミングノード904pの電圧値−AinPとサミングノード904nの電圧値−AinNとの差分値(−AinP+AinN)に対して、増幅器903で公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d11の値が決定する。ここでは、デジタル出力信号d11=1が出力されるアナログ差動連続入力信号AinP、AinNが入力されたとする。
〈t3:コンパレート第2フェイズ(Compare2 phase)〉
図22は、図5中t3のタイミング、すなわちコンパレート第2フェイズにおけるステージFS1の状態を表した図である。
このコンパレート2フェイズでは、デジタル出力信号d11の結果に基づき、多値出力回路907Bpの接続先が変更される。ここでは、デジタル出力信号d11=1なので、アナログスイッチSW905pkがオン状態、アナログスイッチSW905pl、905pmがオフ状態となる。このため、サミングノード904pの電圧が(−AinP+(1/2)・Vr)Vとなる。
また、コンパレート第2フェイズでは、デジタル出力信号d11の結果に基づき、多値出力回路907Bnの接続先が変更される。ここでは、デジタル出力信号d11=1なので、アナログスイッチSW905nmがオン状態、アナログスイッチSW905nk、905nlがオフ状態となる。このため、サミングノード904nの電圧が(−AinN−(1/2)・Vr)Vとなる。
コンパレート第2フェイズではアナログスイッチSW2005prがオンしているため、サミングノード904pの電圧値(−AinP+(1/2)・Vr)とサミングノード904nの電圧値(−AinN−(1/2)・Vr)の差分値(−AinP+AinN+Vr)に対して、増幅器903で公知の方法によって演算がされ、デジタル出力信号d12の値が決定する。ここでは、デジタル出力信号d12=0が出力されるアナログ差動連続入力信号AinP、AinNが入力されたとする。
以上、クロックφC1とクロックφC2によってステージ1は逐次比較動作を行い、アナログ差動入力信号AinP、AinNをデジタル出力信号d11、d12に変換する。
〈t4:ホールドフェイズ(Hold phase)〉
図23は、図5中t4のタイミング、すなわちホールドフェイズにおけるステージFS1の状態を表した図である。
このホールドフェイズでは、サミングノード904p、904nに保存された電荷に対し、サンプルキャップCap906pa、906pb、906pc、906na、906nb、906ncで公知の方法により演算が行われ、ステージFS2に転送される。転送の結果、アナログ差動出力信号VoutP、VoutNが目標値としてステージFS2に出力される。
以上、図20、図21、図22、図23はステージFS1が2個のデジタル出力信号d11、d12を出力する場合について説明した。
したがって、ステージFS1がm個のデジタル出力信号d11、d12、…d1mを出力する構造を持つ場合は、φC1の立ち上がりとφCの立ち上がりが同時であり、φCmの立ち下がりとφCの立ち下がりが同時であり、2つ以上Hとなる区間を持たないノンオーバーラップクロック、φC1、φC2、…φCmを導入し、ステージFS1が逐次比較動作を行うコンパレートフェイズの中にそれぞれのクロックに対応する動作状態、コンパレート1フェイズ、コンパレート2フェイズ、…コンパレートmフェイズを持たせる必要がある。
また、アナログスイッチSW905pd、905pfと、サンプルキャップCap906pbと、多値出力回路907Apを含む回路構成909Apと同型の回路構成を図中に示すノード908pとサミングノード904pの間に並列にm個接続し、回路構成909mpに含まれるサンプルキャップの容量は(2の(m−1)乗)・Cとしなければならない。
また、アナログスイッチSW905nd、905nfと、サンプルキャップCap906nbと、多値出力回路907Anを含む回路構成909Anと同型の回路構成を図中に示すノード908nとサミングノード904nの間に並列にm個接続し、回路構成909mnに含まれるサンプルキャップの容量は(2の(m−1)乗)・Cとしなければならない。
また、デジタル出力ノードd1mと図示する増幅器903の出力ノード2010pを繋ぐφCmによって駆動されるアナログスイッチがm個必要である。また、デジタル出力信号d11は多値出力回路907mp、907mnに接続し、デジタル出力信号d12は多値出力回路907(m−1)p、907(m−1)nに接続し、…デジタル出力信号d1mは多値出力回路907Ap、907Anに接続しなければならない。
以上は、ステージFS1の動作の時系列に沿った説明である。なお、図5に示したt5はφ2の立ち上がり時刻であり、t5以降のホールドフェイズは、図1に示した後段のステージ2においてサンプルフェイズとなる。ステージS2、S4、…の偶数番目のステージは図20と同様の回路構成を持ち、そのアナログスイッチを駆動するクロックのタイミングチャートはφ1の立ち上がり時刻がt5となり、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2のφ1に対する相対関係は全て図5と同様であるクロックによって駆動され、本実施の形態と同様に動作する。また、ステージS3、S5、…の奇数番目のステージは図20と同様の回路構成を持ち、そのアナログスイッチを駆動するクロックのタイミングチャートは全て図5と同様であるクロックによって駆動され、本実施形態と同様に動作する。
(第4の実施形態の効果)
本実施の形態によれば、前記第1〜第3の実施の形態と同様にサンプルホールドを必要としないため、消費電力の削減とレイアウトエリアの削減、およびノイズの削減を達成することができる。
また、本実施の形態によれば、ステージFS1の入力経路がAinPについてはサンプルキャップCap906pa、906pb、906pcの1経路となる効果、換言すれば、アナログ作動入力信号AinPをサンプリングするトリガがアナログスイッチSW905paのみとなる効果も得られる。
また、ステージFS1の入力経路がAinNについてはサンプルキャップCap906na、906nb、906ncの1経路となる効果、換言すれば、アナログ連続入力信号AinNをサンプリングするトリガがアナログスイッチSW905naのみとなる効果も得られる。
また、第2の実施形態と比べ、A/D変換回路902を必要としないため、さらなる電力削減、エリア削減が可能となる。
100…A/D変換器
101…演算回路
102…メモリ
301…制御回路
302…A/D変換回路
303…増幅器
304…サミングノード
307A、307B…多値出力回路
308…ノード
401a,401b…コンパレータ
SW305a〜SW305o…アナログスイッチ
Cap306a〜306c…サンプルキャップ
Ain…アナログ入力信号
d11〜dk2…デジタル出力信号
FS1…初段のステージ
S2〜Sk…ステージ
φ1、φ2、φH、φS、φC、φC1、φC2…クロック

Claims (7)

  1. ステージを複数多段に備え、
    前記ステージは、アナログ入力信号を入力してデジタル信号に変換して出力すると共に、当該デジタル信号と前記アナログ入力信号とによって生成されたアナログ出力信号を後段の他のステージに出力する、A/D変換器であって、
    前記複数のステージのうち少なくとも初段のステージは、
    前記アナログ入力信号をサンプリングキャパシタにサンプリングするサンプリング回路と、
    前記サンプリング回路のサンプリング動作タイミングを決定するタイミング切替スイッチと、
    前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を反転する反転回路と、
    前記反転した値を第1のデジタル信号に変換して出力するA/D変換回路と、
    前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を、前記第1のデジタル信号の値に応じて調整する第1のサンプリング値調整回路と、を備え、
    かつ前記A/D変換回路は、前記第1のサンプリング値調整回路による調整後の信号を第2のデジタル信号に変換するようになっており、
    さらに前記第1のサンプリング値調整回路による調整後の信号を前記第2のデジタル信号の値に応じて調整する第2のサンプリング値調整回路と、
    前記第2のサンプリング値調整回路による調整後の信号を前記後段の他のステージに出力する転送スイッチと、を備えることを特徴とするA/D変換器。
  2. 前記初段のステージは、前記サンプリングキャパシタが接続され、前記サンプリング回路によってサンプリングされた前記アナログ入力信号を保存するサミングノードをさらに含み、
    前記A/D変換回路は、前記サミングノードにかかる電圧をA/D変換することを特徴とする請求項1に記載のA/D変換器。
  3. 前記反転回路は、サンプリング時は前記アナログ入力信号を前記サンプリング回路に入力し、反転時は基準電圧を前記サンプリング回路に入力して、前記サンプリングキャパシタの電荷を反転させることを特徴とする請求項1または2に記載のA/D変換器。
  4. 前記後段のステージの構成は、前記初段のステージの構成と同じであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のA/D変換器。
  5. ステージを複数多段に備え、
    前記ステージは、アナログ入力信号を入力してデジタル信号に変換して出力すると共に、当該デジタル信号と前記アナログ入力信号とによって生成されたアナログ出力信号を後段の他のステージに出力する、A/D変換器であって、
    前記複数のステージのうち少なくとも初段のステージは、
    前記アナログ入力信号をサンプリングキャパシタにサンプリングするサンプリング回路と、
    前記サンプリング回路のサンプリング動作タイミングを決定するタイミング切替スイッチと、
    前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を反転する反転回路と、
    増幅器を含み、前記反転した値を第1のデジタル信号に変換して出力するA/D変換部と、
    前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を前記第1のデジタル信号の値に応じて調整する第1のサンプリング値調整回路と、を備え、
    かつ、前記A/D変換部は、前記第1のサンプリング値調整回路による調整後の信号を第2のデジタル信号に変換するようになっており、
    さらに前記第1のサンプリング値調整回路による調整後の信号を前記第2のデジタル信号の値に応じて調整する第2のサンプリング値調整回路と、
    前記第2のサンプリング値調整回路による調整後の信号を前記後段の他のステージに出力する転送スイッチと、を備え、
    かつ、前記増幅器は、前記第2のサンプリング値調整回路による調整後の信号を前記後段の他のステージに出力する際にその信号をバッファリングすることを特徴とするA/D変換器。
  6. A/D変換とD/A変換を行うステージを複数多段に備えたパイプライン型のA/D変換器の制御方法であって、
    前記ステージのうち少なくとも初段のステージにおける処理を、
    アナログ入力信号をタイミング切替スイッチによりサンプリング回路のサンプリングキャパシタにサンプリングするサンプルフェイズと、
    前記サンプリングキャパシタにサンプリングした前記アナログ入力信号を反転回路で反転すると共に、反転した値をA/D変換回路で第1のデジタル出力信号に変換して出力するコンパレート第1フェイズと、
    前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を第1のサンプリング値調整回路によって第1のデジタル信号の値に応じて調整すると共に、調整した第1のデジタル信号を前記A/D変換回路で第2のデジタル出力信号に変換して出力するコンパレート第2フェイズと、
    前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を第2のサンプリング値調整回路によって前記第2のデジタル信号の値に応じて調整すると共に、調整したアナログ信号を後段の他のステージに出力するホールドフェイズとの順に切り替えて繰り返し行うことを特徴とするA/D変換器の制御方法。
  7. A/D変換とD/A変換を行うステージを複数多段に備えたパイプライン型のA/D変換器の制御方法であって、
    前記ステージのうち少なくとも初段のステージにおける処理を、
    アナログ入力信号をタイミング切替スイッチによりサンプリング回路のサンプリングキャパシタにサンプリングするサンプルフェイズと、
    前記サンプリングキャパシタにサンプリングした前記アナログ入力信号を反転回路で反転すると共に、反転した値をA/D変換回路で第1のデジタル出力信号に変換して出力するコンパレート第1フェイズと、
    前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を第1のサンプリング値調整回路によって第1のデジタル信号の値に応じて調整すると共に、調整した第1のデジタル信号を前記A/D変換回路で第2のデジタル出力信号に変換して出力するコンパレート第2フェイズと、
    前記サンプリング回路においてサンプリングされた前記アナログ入力信号の値を第2のサンプリング値調整回路によって前記第2のデジタル信号の値に応じて調整すると共に、調整したアナログ信号を後段の他のステージに出力するホールドフェイズとの順に切り替えて繰り返し行い、
    かつ、前記第2のサンプリング値調整回路による調整後のアナログ信号を後段の他のステージに出力する際に前記A/D変換回路の増幅器でその信号をバッファリングすることを特徴とするA/D変換器の制御方法。
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