JP2010225612A - 発光ダイオード用エピタキシャルウェハ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易に光取出効率を向上することができる発光ダイオード用エピタキシャルウェハ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】気相成長法を用いて、n型導電性基板1上に、少なくとも、AlGaInP系材料からなるn型クラッド層2、活性層3、p型クラッド層4を有する発光部6と、p型GaP電流分散層5と、を積層形成するAlGaInP系の発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法であって、GaP電流分散層5を形成する際に、GaP電流分散層5の表面側部で成長速度を高めることで、GaP電流分散層5の表面5cに凹凸を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】気相成長法を用いて、n型導電性基板1上に、少なくとも、AlGaInP系材料からなるn型クラッド層2、活性層3、p型クラッド層4を有する発光部6と、p型GaP電流分散層5と、を積層形成するAlGaInP系の発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法であって、GaP電流分散層5を形成する際に、GaP電流分散層5の表面側部で成長速度を高めることで、GaP電流分散層5の表面5cに凹凸を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、発光ダイオード用エピタキシャルウェハ及びその製造方法に関する。
高輝度発光ダイオード用エピタキシャルウェハを、MOVPE(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy:有機金属気相成長)法や、ハイドライドVPE法などの気相成長法によ
って作製する方法が知られている。
って作製する方法が知られている。
図4は、従来の発光ダイオード用エピタキシャルウェハを説明するための図である。図4に示された発光ダイオード用エピタキシャルウェハ40は、n型GaAs基板41上に、n型AlGaInPクラッド層42、AlGaInP活性層43、p型AlGaInPクラッド層44、p型GaP電流分散層45が、順に積層された構造を有する。GaP電流分散層45の表面(主表面)45cは、外部へ光を取り出すための光取出面となる。
上記発光ダイオード用エピタキシャルウェハ40の製造方法を説明する。
先ず、ヒータにより加熱された基板41上に、水素をキャリアガスとして、III族原料
となる、例えばTMG(トリメチルガリウム),TMA(トリメチルアルミニウム),TMI(トリメチルインジウム)を供給するとともに、V族原料となる、例えばPH3(ホスフィン)を供給する。基板41上には、それら原料ガスの熱分解反応により、エピタキシャル層が成長する。
先ず、ヒータにより加熱された基板41上に、水素をキャリアガスとして、III族原料
となる、例えばTMG(トリメチルガリウム),TMA(トリメチルアルミニウム),TMI(トリメチルインジウム)を供給するとともに、V族原料となる、例えばPH3(ホスフィン)を供給する。基板41上には、それら原料ガスの熱分解反応により、エピタキシャル層が成長する。
このように作製された発光ダイオード用エピタキシャルウェハの基板41の裏面側にn側電極を形成し、GaP電流分散層45上にp側電極等を形成し、ダイシングにより個々の素子ごとに分離することで、発光ダイオードのチップ(ベアチップ)が作製される。
上記GaP電流分散層45の結晶成長の際、電流分散性を高めるためにp型不純物となるMgをドープするが、Mgドーピング濃度は、キャリア濃度で2×1018cm−3以上に設定されることが多い。
上記GaP電流分散層45の結晶成長の際、電流分散性を高めるためにp型不純物となるMgをドープするが、Mgドーピング濃度は、キャリア濃度で2×1018cm−3以上に設定されることが多い。
このように形成されたGaP電流分散層45の表面45cは鏡面であり、極めて高い平坦性を有する。
ところが、活性層43から出力された光を全て外部へと取出すことは困難である。これは、活性層43から発せられた光が、結晶中を伝搬する際に結晶に吸収されたり、GaP電流分散層45の表面45cと外部の空気との界面で全反射して、外部へ放射されないからである。
特に、気相成長法によって製造されるGaP電流分散層45の表面45cは平坦性を有するので、GaP電流分散層45の表面45cと空気との界面で光の全反射が起こりやすい。このため、上記ウェハを用いた発光ダイオードでは、光の取出効率が低く、発光強度が低下する原因となっている。
そこで、従来、湿式のエッチングにより光取出面を粗面化する発光ダイオードの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この発光ダイオードでは、光取出面に粗面(凹凸)が形成されているので、光取出面と空気との界面における光の全反射が抑えられる。
しかし、上記特許文献1に記載された発光ダイオードの製造方法では、エピタキシャル成長後に、光取出面に湿式のエッチングにより粗面を形成するというプロセスを必要とし、工程が複雑となり、製造コストの増大を招く。
本発明は、簡易にGaP電流分散層の表面(光取出面)に凹凸を形成することができ、GaP電流分散層の表面における光の全反射を抑制して光の取出効率を向上することができる発光ダイオード用エピタキシャルウェハおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成されている。
本発明の第1の態様は、気相成長法を用いて、n型導電性基板上に、少なくとも、AlGaInP系材料からなるn型クラッド層、活性層、p型クラッド層を有する発光部と、p型GaP電流分散層と、を積層形成する発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法であって、前記GaP電流分散層を形成する際に、当該GaP電流分散層の基板側部の成長速度より表面側部の成長速度を高くし、前記GaP電流分散層の表面に凹凸を形成することを特徴とする発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法である。
本発明の第1の態様は、気相成長法を用いて、n型導電性基板上に、少なくとも、AlGaInP系材料からなるn型クラッド層、活性層、p型クラッド層を有する発光部と、p型GaP電流分散層と、を積層形成する発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法であって、前記GaP電流分散層を形成する際に、当該GaP電流分散層の基板側部の成長速度より表面側部の成長速度を高くし、前記GaP電流分散層の表面に凹凸を形成することを特徴とする発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様の発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法であって、前記GaP電流分散層の表面側部での成長速度は、4nm/sec以上8nm/sec以下であることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法において、前記GaP電流分散層の表面側部の厚さは、100nm以上200nm以下であることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかの発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法において、GaP電流分散層の成長温度は、700℃以上800℃以下であることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかの発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法において、前記n型導電性基板の表面は、当該n型導電性基板の基準となる結晶面に対して10°以上15°以下傾斜していることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかの発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法において、前記GaP電流分散層にMgがp型不純物としてドープされていることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第1から第6の態様のいずれかの発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法により製造されていることを特徴とする発光ダイオード用エピタキシャルウェハである。
本発明によれば、簡易にGaP電流分散層の表面に凹凸を形成でき、GaP電流分散層の表面からの光の取出効率を向上することができる高輝度の発光ダイオード用エピタキシャルウェハ及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るAlGInP系の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)用エピタキシャルウェハ及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るLED用エピタキシャルウェハ10の断面構造を示す図である。
本実施形態に係るAlGaInP系のLED用エピタキシャルウェハ10は、図1に示すように、n型導電性基板1上に、少なくとも、(AlxGa1−x)yIn1−yP(0≦x≦1,0<y≦1)からなるn型クラッド層2,活性層(発光層)3,p型クラッド層4を有する発光部6と、p型GaP電流分散層5と、が積層形成されている。発光部6は、n型クラッド層2とp型クラッド層4との間に活性層3を備えるダブルヘテロ構造を有する。
p型GaP電流分散層5は、図1に示すように、発光部6側に通常の成長速度(比較的低速)で形成される結晶性の良好な低速成長層5aと、表面側部で成長速度を高めることで表面5cに凹凸(粗面)が形成された高速成長層5bとからなる。
次に、LED用エピタキシャルウェハ10の製造方法を説明する。本実施形態では、MOVPE法によりLED用エピタキシャルウェハ10を作製する。
先ず、MOVPE装置内にn型導電性基板1を配置する。このn型導電性基板1としては、例えばn型GaAs基板が用いられる。n型導電性基板1は、そのn型導電性基板1の基準となる結晶面(例えば、GaAs基板の(100)面)に対して10°から15°傾斜した表面(成長面)を有するものが好ましい。
n型導電性基板1に上記角度の傾斜面を採用するのは、p型ドーパントのドーピング効率を良好とするためである。
続いて、ヒータにより約650℃加熱されたn型導電性基板1上に、III族原料ガス、
V族原料ガス、キャリアガス(水素ガスなど)、およびドーパント原料ガスを必要に応じて供給して、AlGaInP系材料からなるn型クラッド層2と、活性層3と、p型クラッド層4とを順次エピタキシャル成長させる。
p型ドーパントとしては、Zn、Mg、Cなどを挙げることができる。また、n型ドーパントとしては、Se、Si、Teなどを挙げることができる。
n型導電性基板1に上記角度の傾斜面を採用するのは、p型ドーパントのドーピング効率を良好とするためである。
続いて、ヒータにより約650℃加熱されたn型導電性基板1上に、III族原料ガス、
V族原料ガス、キャリアガス(水素ガスなど)、およびドーパント原料ガスを必要に応じて供給して、AlGaInP系材料からなるn型クラッド層2と、活性層3と、p型クラッド層4とを順次エピタキシャル成長させる。
p型ドーパントとしては、Zn、Mg、Cなどを挙げることができる。また、n型ドーパントとしては、Se、Si、Teなどを挙げることができる。
続いて、p型クラッド層4上にp型GaP電流分散層5をエピタキシャル成長させる。p型GaP電流分散層5には、例えばMgがp型不純物としてドープされる。
p型GaP電流分散層5をp型クラッド層4上に形成する際に、GaP電流分散層5の表面側部の成長速度を、初期の成長速度と比べて高めることで、GaP電流分散層5の表面5cに故意に凹凸(粗面)を形成する。
p型GaP電流分散層5をp型クラッド層4上に形成する際に、GaP電流分散層5の表面側部の成長速度を、初期の成長速度と比べて高めることで、GaP電流分散層5の表面5cに故意に凹凸(粗面)を形成する。
詳細には、GaP電流分散層5を形成する際、初期の段階では、成長温度をp型クラッド層4の成長温度より高い温度(例えば700°以上800°以下、本実施形態では約750℃)、初期の成長速度を比較的に低い成長速度2.5nm/secにそれぞれ設定する。この成長条件では、原料であるGaとPが結晶表面に吸着すると、結晶表面上を移動(マイグレーション)するため、結晶性が良好なGaPの低速成長層5aが形成される。この低速成長層5aの表面は平坦性(鏡面)を有する。
続いて、GaP電流分散層5の表面側部を形成する際、成長速度を初期の成長速度2.
5nm/secより高める。具体的には成長速度を例えば4.0nm/sec以上にする
と、表面5cが凹凸形状の高速成長層5bが形成される。
続いて、GaP電流分散層5の表面側部を形成する際、成長速度を初期の成長速度2.
5nm/secより高める。具体的には成長速度を例えば4.0nm/sec以上にする
と、表面5cが凹凸形状の高速成長層5bが形成される。
上記GaP電流分散層5の表面側部での成長速度を高める方法としては、例えば、III
族原料(Ga)及びV族原料(P)を含む供給ガス中のIII族原料(Ga)の供給量を増
加させる。
族原料(Ga)及びV族原料(P)を含む供給ガス中のIII族原料(Ga)の供給量を増
加させる。
なお、GaP電流分散層5の表面側部での高速成長層5aの表面5cの成長速度が8.0nm/secより大きいと、GaP電流分散層5の曇りが強くなってプロセス上、問題となる。このため、GaP電流分散層5の表面側部での成長速度は、8.0nm/sec以下であることが好ましい。
この高速成長層5bの表面5cに形成された凹凸(粗面)を観察すると、白濁した表面状態となっている。これは、上記成長速度4.0nm/sec以上8.0nm/sec以下でエピタキシャル成長させると、原料であるGaとPが、結晶表面に吸着した際に、結晶表面上で十分に移動(マイグレーション)することができず、GaP電流分散層5の表面5cに凹凸が生じるためである。
この高速成長層5bの表面(光取出面)5cに形成された凹凸(粗面)は、詳細には、緻密かつ均一な凹凸を備えた表面状態であり、光学的に適度な乱反射面となっており、光の全反射を抑制することが可能である。
また、GaP電流分散層5の高速成長層5bの厚さは、200nm以下であることが好ましい。高速成長層5bの厚さを200nm以下とするのは次の理由からである。
GaP電流分散層の全てにおいて、成長速度を高めて成長することで、GaP電流分散層を白濁させ、均一な凹凸表面を作り出すことは可能である。しかしながら、このようにして作製したLED用エピタキシャルウェハから得られるLEDの発光強度は低く、通電試験を行うと、発光強度が通電時間の経過とともに短時間で低下する。つまりLEDの信頼性が悪化する。これは、上記成長速度でGaP電流分散層の全てを形成すると、結晶の質が低下し、ドープされたMgがGaP層に留まらずに活性層3へ拡散し、発光強度が低下してしまうと共に、信頼性も悪化するものと考えられる。そこで、本実施形態のGaP電流分散層5では先ず、結晶性の高い低速成長層5aを形成し、その上に厚さ200nm以下の高速成長層5bを形成している。このため、高い結晶性を有する低速成長層5aで、p型ドーパント(Mg)の拡散を抑制することが可能であり、発光強度や信頼性の低下を抑制することが可能である。
GaP電流分散層の全てにおいて、成長速度を高めて成長することで、GaP電流分散層を白濁させ、均一な凹凸表面を作り出すことは可能である。しかしながら、このようにして作製したLED用エピタキシャルウェハから得られるLEDの発光強度は低く、通電試験を行うと、発光強度が通電時間の経過とともに短時間で低下する。つまりLEDの信頼性が悪化する。これは、上記成長速度でGaP電流分散層の全てを形成すると、結晶の質が低下し、ドープされたMgがGaP層に留まらずに活性層3へ拡散し、発光強度が低下してしまうと共に、信頼性も悪化するものと考えられる。そこで、本実施形態のGaP電流分散層5では先ず、結晶性の高い低速成長層5aを形成し、その上に厚さ200nm以下の高速成長層5bを形成している。このため、高い結晶性を有する低速成長層5aで、p型ドーパント(Mg)の拡散を抑制することが可能であり、発光強度や信頼性の低下を抑制することが可能である。
また、GaP電流分散層5の高速成長層5bの厚さは、成長条件などを考慮すると、100nm以上が好ましい。従って、GaP電流分散層5の高速成長層5bの厚さは、100nm以上200nm以下が好ましい。
続いて、n型導電性基板1の裏面とGaP電流分散層5上にそれぞれn側電極,p側電極を形成し、チップ作製プロセス等によりLED(ベアチップ)を作製する。
本実施形態では、MOVPE法によりGaP電流分散層5を形成する際、GaP電流分散層5の成長速度を表面側部で高めることで、例えば、チップ化後に湿式エッチングにより粗面化処理を施す場合と比べて、簡易にGaP電流分散層5の表面(光取出面)5cに凹凸(粗面)を形成することができる。
つまり、GaP電流分散層5の結晶成長プロセス中、GaP電流分散層5の表面側部を形成する際に、凹凸(粗面)が形成される成長速度に変更するだけで、表面5cに凹凸(粗面)を形成することができ、製造工程を大幅に簡素化することができる。
つまり、GaP電流分散層5の結晶成長プロセス中、GaP電流分散層5の表面側部を形成する際に、凹凸(粗面)が形成される成長速度に変更するだけで、表面5cに凹凸(粗面)を形成することができ、製造工程を大幅に簡素化することができる。
また、本実施形態では、GaP電流分散層5の表面(光取出面)5cに、MOVPE法により凹凸(粗面)が形成されているので、光取出面における光の全反射を抑制することが可能であり、光の取出効率を高めることができる。すなわち、高輝度のLEDが得られる。
次に、本発明に係る一実施例を説明する。
図2は、本発明の一実施例に係るAlGaInP系のLED用エピタキシャルウェハ20の断面構造を示す図である。
本実施例に係るAlGaInP系のLED用エピタキシャルウェハ20は、基板1とn型クラッド層2との間にバッファ層7が形成されており、それ以外の構成は図1に示されたLED用エピタキシャルウェハ10と同様である。
図2は、本発明の一実施例に係るAlGaInP系のLED用エピタキシャルウェハ20の断面構造を示す図である。
本実施例に係るAlGaInP系のLED用エピタキシャルウェハ20は、基板1とn型クラッド層2との間にバッファ層7が形成されており、それ以外の構成は図1に示されたLED用エピタキシャルウェハ10と同様である。
(実施例1)
Siドープのn型GaAs基板1をヒータによって650°に加熱しながら、GaAs基板1にキャリアガスとして水素を用いて、III族原料のTMG(トリメチルガリウム)
、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)、V族原料のPH3(ホスフィン)、ドーパント原料のH2Se(セレン化水素)、Cp2Mg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)を、必要に応じて供給して、Siドープのn型GaAs基板1上に、Seドープのn型GaAsバッファ層7、Seドープのn型AlGaInPクラッド層2、アンドープのAlGaInP活性層3、Mgドープのp型AlGaInPクラッド層4を順に形成した。GaAs基板1には、その表面(成長面)が(100)面に対して15°傾斜したものを用いた。
Siドープのn型GaAs基板1をヒータによって650°に加熱しながら、GaAs基板1にキャリアガスとして水素を用いて、III族原料のTMG(トリメチルガリウム)
、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)、V族原料のPH3(ホスフィン)、ドーパント原料のH2Se(セレン化水素)、Cp2Mg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)を、必要に応じて供給して、Siドープのn型GaAs基板1上に、Seドープのn型GaAsバッファ層7、Seドープのn型AlGaInPクラッド層2、アンドープのAlGaInP活性層3、Mgドープのp型AlGaInPクラッド層4を順に形成した。GaAs基板1には、その表面(成長面)が(100)面に対して15°傾斜したものを用いた。
次に、ヒータによりGaAs基板1の基板温度を750°に昇温した状態で、Mgドープのp型GaP電流分散層5の低速成長層5aを形成した。初期の成長速度は、2.5nm/secに設定した。
続いて、そのGaP電流分散層5の表面側部で成長速度を4.0nm/secに高めることで、高速成長層5bを形成した。高速成長層5bの表面5cには、凹凸(粗面)が形成された。
続いて、そのGaP電流分散層5の表面側部で成長速度を4.0nm/secに高めることで、高速成長層5bを形成した。高速成長層5bの表面5cには、凹凸(粗面)が形成された。
上記実施例に係るLED用エピタキシャルウェハ20の製造方法により形成されたエピタキシャルウェハ20及び各エピタキシャル層のキャリア濃度,膜厚等は以下の通りである。
Siドープのn型GaAs基板1は、キャリア濃度1.0×1018cm−3であり、SeドープのGaAsバッファ層7は、膜厚100nm,キャリア濃度1.0×1018cm−3であり、Seドープのn型AlGaInPクラッド層2は、膜厚1000nm,キャリア濃度6.0×1017cm−3であり、アンドープのAlGaInP活性層3は膜厚5.0nmであり、Mgドープのp型AlGaInPクラッド4は、膜厚1000nm,キャリア濃度7.0×1017cm−3であり、MgドープのGaP電流分散層5の低速成長層5aは、膜厚8000nm,キャリア濃度3.5×1018であり、Mgドー
プのGaP電流分散層5の高速成長層5bは膜厚200nmであり、キャリア濃度7.0×1018cm −3である。
Siドープのn型GaAs基板1は、キャリア濃度1.0×1018cm−3であり、SeドープのGaAsバッファ層7は、膜厚100nm,キャリア濃度1.0×1018cm−3であり、Seドープのn型AlGaInPクラッド層2は、膜厚1000nm,キャリア濃度6.0×1017cm−3であり、アンドープのAlGaInP活性層3は膜厚5.0nmであり、Mgドープのp型AlGaInPクラッド4は、膜厚1000nm,キャリア濃度7.0×1017cm−3であり、MgドープのGaP電流分散層5の低速成長層5aは、膜厚8000nm,キャリア濃度3.5×1018であり、Mgドー
プのGaP電流分散層5の高速成長層5bは膜厚200nmであり、キャリア濃度7.0×1018cm −3である。
このようにして作製されたGaP電流分散層5の表面5cを肉眼にて観察すると白濁していた。顕微鏡で観察すると、GaP電流分散層5の高速成長層5bの表面5cに、均一で微小な凹凸(粗面)が形成されていた。
上述したように作製されたエピタキシャルウェハ20の基板1の裏面にn側電極を形成し、GaP電流分散層5上にp側電極を形成し、チップ作製プロセス等によりLEDチップを作製した。そのLEDチップに20mAの電流を流して発光させると、表1に示すように、発光強度が135mcdであった。
上述したように作製されたエピタキシャルウェハ20の基板1の裏面にn側電極を形成し、GaP電流分散層5上にp側電極を形成し、チップ作製プロセス等によりLEDチップを作製した。そのLEDチップに20mAの電流を流して発光させると、表1に示すように、発光強度が135mcdであった。
(実施例2)
実施例2では、GaP電流分散層5の表面側部の高速成長層5bを形成する際に、成長速度を5.0nm/secに設定した以外は、実施例1と同じ条件でエピタキシャルウェハ20を作製した。GaP電流分散層5の高速成長層5bの表面5cには凹凸(粗面)が形成された。そして、実施例1と同様にLEDチップを作製して、20mAの電流を流して発光させると、表1に示すように、発光強度が132mcdであった。
実施例2では、GaP電流分散層5の表面側部の高速成長層5bを形成する際に、成長速度を5.0nm/secに設定した以外は、実施例1と同じ条件でエピタキシャルウェハ20を作製した。GaP電流分散層5の高速成長層5bの表面5cには凹凸(粗面)が形成された。そして、実施例1と同様にLEDチップを作製して、20mAの電流を流して発光させると、表1に示すように、発光強度が132mcdであった。
(比較例1から比較例4)
図3は、比較例1から比較例4に係るAlGaInP系のLED用エピタキシャルウェハ30の断面構造を示す図である。
GaP電流分散層35の表面側部の高速成長層5bの成長速度を、表1に示すように、比較例1では1.5nm/secに設定し、比較例2では2.0nm/secに設定し、比較例3では成長速度を2.5nm/secに設定し、比較例4では成長速度を3.5nm/secに設定した。これ以外は、実施例1と同じ条件でAlGaInP系のLED用エピタキシャルウェハ30を作製した。GaP電流分散層35の表面35cには、図3に示すように、鏡面が形成された。
図3は、比較例1から比較例4に係るAlGaInP系のLED用エピタキシャルウェハ30の断面構造を示す図である。
GaP電流分散層35の表面側部の高速成長層5bの成長速度を、表1に示すように、比較例1では1.5nm/secに設定し、比較例2では2.0nm/secに設定し、比較例3では成長速度を2.5nm/secに設定し、比較例4では成長速度を3.5nm/secに設定した。これ以外は、実施例1と同じ条件でAlGaInP系のLED用エピタキシャルウェハ30を作製した。GaP電流分散層35の表面35cには、図3に示すように、鏡面が形成された。
続いて、上記比較例1〜比較例4それぞれにおいて、実施例1,実施例2と同様にLEDを作製して、20mAの電流を流して発光させて、発光強度を測定した。その結果、表1に示すように、比較例1,比較例2,比較例3,比較例4,では、それぞれ発光強度が100mcd,110mcd,110mcd,112mcdとなった。
上述したように実施例1及び実施例2に係るLED用エピタキシャルウェハ10を用いて作製されたLEDでは、GaP電流分散層5の高速成長層5bの表面(光取出面)5cに凹凸(粗面)が形成されているので、全反射を低減することができ、発光強度が比較例1〜比較例4と比べて約15%〜30%程度大きい。
1 n型GaAs基板(n型導電性基板)
2 n型AlGaInPクラッド層
3 AlGaInP活性層
4 p型AlGaInPクラッド層
5 p型GaP電流分散層
5a GaP低速成長層
5b GaP高速成長層
5c 凹凸形状の表面
6 発光部
7 バッファ層
10,20 AlGaInP系のLED用エピタキシャルウェハ
2 n型AlGaInPクラッド層
3 AlGaInP活性層
4 p型AlGaInPクラッド層
5 p型GaP電流分散層
5a GaP低速成長層
5b GaP高速成長層
5c 凹凸形状の表面
6 発光部
7 バッファ層
10,20 AlGaInP系のLED用エピタキシャルウェハ
Claims (7)
- 気相成長法を用いて、n型導電性基板上に、少なくとも、AlGaInP系材料からなるn型クラッド層、活性層、p型クラッド層を有する発光部と、p型GaP電流分散層と、を積層形成する発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法であって、
前記GaP電流分散層を形成する際に、当該GaP電流分散層の基板側部の成長速度より表面側部の成長速度を高くし、前記GaP電流分散層の表面に凹凸を形成することを特徴とする発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法。 - 前記GaP電流分散層の表面側部での成長速度は、4nm/sec以上8nm/sec以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法。
- 前記GaP電流分散層の表面側部の厚さは、100nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法。
- 前記GaP電流分散層の成長温度は、700℃以上800℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法。
- 前記n型導電性基板の表面は、当該n型導電性基板の基準となる結晶面に対して10°以上15°以下傾斜していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法。
- 前記GaP電流分散層にMgがp型不純物としてドープされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の発光ダイオード用エピタキシャルウェハの製造方法により製造されていることを特徴とする発光ダイオード用エピタキシャルウェハ。
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