JP2010287818A - 半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体発光素子用エピタキシャルウェハの電流拡散層における結晶欠陥の発生を抑制し、該エピタキシャルウェハの表面平坦性を向上させたAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハを提供する。
【解決手段】本発明に係るAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法は、n型GaAs単結晶基板上に、n型AlGaInP系クラッド層、AlGaInP系活性層、p型AlGaInP系活性層およびGaP系電流拡散層を少なくとも有する半導体発光素子用エピタキシャルウェハを有機金属気相成長法で製造する方法であって、前記GaP系電流拡散層を形成する工程は、V族原料ガスとIII族原料ガスのモル比(V/III比)を1以上100未満に制御して第1のGaP系電流拡散層を成長する工程と、その後に前記V/III比を100以上300以下に制御して第2のGaP系電流拡散層を成長する工程とからなることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係るAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法は、n型GaAs単結晶基板上に、n型AlGaInP系クラッド層、AlGaInP系活性層、p型AlGaInP系活性層およびGaP系電流拡散層を少なくとも有する半導体発光素子用エピタキシャルウェハを有機金属気相成長法で製造する方法であって、前記GaP系電流拡散層を形成する工程は、V族原料ガスとIII族原料ガスのモル比(V/III比)を1以上100未満に制御して第1のGaP系電流拡散層を成長する工程と、その後に前記V/III比を100以上300以下に制御して第2のGaP系電流拡散層を成長する工程とからなることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法に関し、特に電流拡散層の成長方法を改良したAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法に関する。
半導体発光素子(発光ダイオード、LED)は、高輝度の発光が得られ、半導体の種類を適宜選択することにより発光波長を制御できる特長を有することから、産業用や民生用の表示素子として広く用いられている。半導体発光素子の一つとして、可視光領域で発光するAlGaInP系半導体発光素子の研究が進められている。
半導体発光素子用エピタキシャルウェハは、有機金属気相成長法(MOVPE法)を用いて作製されることが多い。MOVPE法とは、気相成長装置内に設置した基板を加熱し、そこにIII族原料ガス、V族原料ガス、及びドーパント原料ガスをキャリヤガスと共に供給し、炉内で混合ガスを熱分解させて基板上に結晶膜をエピタキシャル成長させる方法である。
MOVPE法を用いてAlGaInP系半導体発光素子を作製する従来方法は、例えば、n型GaAs単結晶基板上に、n型AlGaInP系クラッド層と、発光部となるアンドープAlGaInP系活性層と、p型AlGaInP系クラッド層と、p型電流分散層とを積層させてエピタキシャルウェハを作製する。こうして作製したエピタキシャルウェハに対し、p型電流分散層の表面の一部に円形の表面側電極を形成し、n型GaAs単結晶基板の裏面全体に裏面側電極を形成した後、該ウェハを切断して発光ダイオードチップを作製している。
特許文献1では、高輝度半導体発光素子用エピタキシャルウェハおよび製造方法が提案されている。具体的には、GaAsを基板とし、その上にGaAsと格子整合するAlGaInP系の材料からなる下部クラッド層、活性層および上部クラッド層を有し、さらにGaAsとは格子整合しないAlGaInP系の中間バンドギャップ層および2層以上の電流拡散層を有するエピタキシャルウェハにおいて、該活性層に最も近い電流拡散層のキャリヤ密度が1〜3×1018 cm-3以下であり、該活性層に最も遠い電流拡散層のキャリヤ密度が従来技術よりも高い1〜2×1019 cm-3であるエピタキシャルウェハが開示されている。
特許文献1によると、電流拡散層のキャリヤ密度を従来よりも高めることによって電流を十分に拡散させることができ、これにより無効電流を減少させ発光効率を高めることができるとしている。また、製造方法において、中間バンドギャップ層と電流拡散層の成長温度を活性層やクラッド層の成長温度よりも高くし、かつ成長速度を下げることで電流拡散層成長初期に発生する欠陥密度が少なくなり、電流拡散層を最上層まで表面状態よく形成することができるとしている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された高輝度半導体発光素子用エピタキシャルウェハは、電流拡散層の材料としてGaPを使用し、p型クラッド層の材料としてAlGaInPを用いているが、この両材料は格子定数の差が大きい。そのため、両層の界面には格子不整合が発生しやすい。格子不整合の発生は、上層のピタキシャル層(この場合、GaPからなる電流分散層)に結晶欠陥が発生することを意味し、エピタキシャルウェハ表面に凹凸を生じさせる。これは、発光ダイオードチップにおける光取り出し効率の低下につながり、製品歩留まりが低下してしまうという問題が生じる。
以上のような背景の下、本発明の目的は、上記の問題を解決できる新たな半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、n型GaAs単結晶基板上に、n型AlGaInP系クラッド層、AlGaInP系活性層、p型AlGaInP系活性層およびGaP系電流拡散層を少なくとも有する半導体発光素子用エピタキシャルウェハを有機金属気相成長法で製造する方法であって、
前記GaP系電流拡散層を形成する工程は、V族原料ガスとIII族原料ガスのモル比(V/III比)を1以上100未満に制御して第1のGaP系電流拡散層を成長する工程と、その後に前記V/III比を100以上300以下に制御して第2のGaP系電流拡散層を成長する工程とからなることを特徴とするAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法を提供する。
前記GaP系電流拡散層を形成する工程は、V族原料ガスとIII族原料ガスのモル比(V/III比)を1以上100未満に制御して第1のGaP系電流拡散層を成長する工程と、その後に前記V/III比を100以上300以下に制御して第2のGaP系電流拡散層を成長する工程とからなることを特徴とするAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法を提供する。
また本発明は上記目的を達成するため、上記の本発明に係るAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(1)前記V/III比の制御は、V族原料ガスの投入量を一定としIII族原料ガスの投入量を調整することによって行う。
(2)前記第1のGaP系電流拡散層の膜厚が10 nm以上となるように制御する。
(1)前記V/III比の制御は、V族原料ガスの投入量を一定としIII族原料ガスの投入量を調整することによって行う。
(2)前記第1のGaP系電流拡散層の膜厚が10 nm以上となるように制御する。
本発明によれば、GaP系電流拡散層における結晶欠陥の発生を抑制しエピタキシャルウェハの表面を平坦化させることが可能で、発光ダイオードチップにおける光取り出し効率が向上するAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハを提供することができる。
本発明者らは、GaP系電流拡散層をMOVPE法で成長する際に、原料ガスのV/III比を変化させながら成膜することによってGaP系電流拡散層中の結晶欠陥発生を抑制できることを見出し、鋭意研究の結果、本発明を完成させた。以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施の形態に限定されるものではない。
本発明に係るAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法の1例について説明する。製造方法における全体の流れとしては、通常のMOVPE法と同様であるが、GaP系電流拡散層を形成する際に、原料ガスのV/III比を変化させて第1のGaP系電流拡散層と第2のGaP系電流拡散層とを成長させる点に特徴がある。図1は、本発明に係るAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの構造例を示す断面模式図である。550〜750℃に加熱したn型GaAs単結晶基板1上に、MOVPE法を用いてGaAsバッファ層2、n型AlGaInP系クラッド層3、AlGaInP系活性層4、p型AlGaInP系活性層5、第1のGaP系電流拡散層6(低V/III比成膜部分)、第2のGaP系電流拡散層7(高V/III比成膜部分)を順次積層する。
III族原料ガスとしては、例えば、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)を用いることができ、V族原料ガスとしては、例えばAsH3(アルシン)、PH3(ホスフィン)を用いることができる。ドーパント原料ガスとしては、例えばH2Se(セレン化水素)を必要に応じて供給する。また、キャリヤガスとしては水素(H2)を用いることができる。
本発明に係る製造方法によって製造されたAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハにおける表面平坦性の向上および光取り出し効率の向上の効果を確認するため、以下のような実験を行った。
上述した製造方法に従って評価用のエピタキシャルウェハを作製した(実施例1)。このとき、第1のGaP系電流拡散層の成長はV/III比を50として成膜し、第2のGaP系電流拡散層の成長はV/III比を200として成膜した。V/III比の制御は、V族原料ガスの投入量を一定としIII族原料ガスの投入量を調整することにより実施した。また比較として、GaP電流拡散層成長時のV/III比を一定にして単一のGaP系電流拡散層を有するエピタキシャルウェハも作製した(比較例1)。このとき、GaP系電流拡散層成長時のV/III比は100とし、その他の条件は実施例1と同じとした。
実施例1および比較例1の各ウェハ表面(電流拡散層表面)において、表面平坦度を測定した。測定には表面粗さ測定装置(サーフェススキャン)を用い、指標としてはHAZE(表面の曇り具合を示す、単位はppm)を用いた。実施例1および比較例1の表面平坦度の結果を表1に示す。表1から判るように、実施例1の表面平坦度は比較例1のそれよりも改善が見られた。
また、実施例1および比較例1で作製した半導体発光素子用エピタキシャルウェハから、それぞれ発光ダイオードチップを作製し発光強度を測定した。発光強度の測定結果を表2に示す。この結果から、実施例1は比較例1よりも発光強度が向上しており強度分布も小さいことが確認された。
以上のことから、GaP系電流拡散層として、V/IIIを1以上100未満に制御して第1のGaP系電流拡散層を成膜し、次にV/III比を100以上300以下に制御して第2のGaP系電流拡散層を成膜することにより、GaP系電流拡散層の表面平坦性が向上することが実証された。また、該エピタキシャルウェハを用いた発光ダイオードチップは、光取りだし効率が向上することが実証された。
1…n型GaAs単結晶基板、2…GaAsバッファ層、3…n型AlGaInP系クラッド層、
4…AlGaInP系活性層、5…p型AlGaInP系活性層、
6…第1のGaP系電流拡散層、7…第2のGaP系電流拡散層、
10…AlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハ。
4…AlGaInP系活性層、5…p型AlGaInP系活性層、
6…第1のGaP系電流拡散層、7…第2のGaP系電流拡散層、
10…AlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハ。
Claims (3)
- n型GaAs単結晶基板上に、n型AlGaInP系クラッド層、AlGaInP系活性層、p型AlGaInP系活性層およびGaP系電流拡散層を少なくとも有する半導体発光素子用エピタキシャルウェハを有機金属気相成長法で製造する方法であって、
前記GaP系電流拡散層を形成する工程は、V族原料ガスとIII族原料ガスのモル比(V/III比)を1以上100未満に制御して第1のGaP系電流拡散層を成長する工程と、その後に前記V/III比を100以上300以下に制御して第2のGaP系電流拡散層を成長する工程とからなることを特徴とするAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。 - 請求項1に記載のAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、
前記V/III比の制御は、V族原料ガスの投入量を一定としIII族原料ガスの投入量を調整することによって行うことを特徴とするAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載のAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、
前記第1のGaP系電流拡散層の膜厚が10 nm以上となるように制御することを特徴とするAlGaInP系半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。
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JP2009142009A JP2010287818A (ja) | 2009-06-15 | 2009-06-15 | 半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法 |
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CN105914265A (zh) * | 2016-05-05 | 2016-08-31 | 厦门市三安光电科技有限公司 | 一种GaAs基发光二极管及其制作方法 |
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2009
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