JP2010224440A - プロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却液体により効率的に光学素子を冷却しつつ、投影画像の画質を安定に確保できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクター1は、冷却液体により光学素子を冷却する液冷装置4を備える。液冷装置4は、冷却液体を流入出可能に構成され、冷却液体と熱伝達可能に光学素子を保持する光学素子保持部5と、冷却液体を吸入及び圧送する液体圧送部6と、冷却液体を流入出可能に構成され、冷却液体を内部に一時的に蓄積するタンク7と、光学素子保持部5、液体圧送部6、及びタンク7を接続し、冷却液体を循環させるための流路Cを形成する複数の液体循環部材9とを備える。液体圧送部6、タンク7、及び光学素子保持部5は、流路Cを辿る冷却液体の流通方向に沿って、液体圧送部6、タンク7、及び光学素子保持部5の順に配設されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、プロジェクターに関する。
従来、プロジェクターにおいて、液晶パネル等の光学素子を効率的に冷却するために、冷却液体を用いて光学素子を冷却する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、冷却液体を流入出可能に構成され光学素子を保持する光学素子保持部と、冷却液体を強制的に循環させる液体圧送部と、これら各部材を接続し、冷却液体を循環させるための環状の流路を形成する複数の液体循環部材等を備える。そして、光学素子は、光学素子保持部を介して、環状の流路に沿って循環する冷却液体と熱交換することで冷却される。
特開2007−41412号公報
ところで、液体圧送部としてはいわゆるポンプで構成されているため、冷却液体は、液体圧送部から所定の周波数で間欠的に圧送されることとなる。すなわち、液体圧送部から圧送された冷却液体には、脈動が生じるものである。
ここで、特許文献1に記載のプロジェクターでは、液体循環部材を介して、液体圧送部から圧送された冷却液体を直接、光学素子保持部に流入させている。言い換えれば、脈動している冷却液体を直接、光学素子保持部に流入させている。
このように脈動している冷却液体が光学素子保持部に流入した場合には、冷却液体の脈動が光学素子保持部や光学素子に伝播することとなるため、投影画像の画質を安定に確保することが難しい、という問題がある。
本発明の目的は、冷却液体により効率的に光学素子を冷却しつつ、投影画像の画質を安定に確保できるプロジェクターを提供することにある。
本発明のプロジェクターは、冷却液体により光学素子を冷却する液冷装置を備えたプロジェクターであって、前記液冷装置は、冷却液体を流入出可能に構成され、冷却液体と熱伝達可能に前記光学素子を保持する光学素子保持部と、冷却液体を吸入及び圧送する液体圧送部と、冷却液体を流入出可能に構成され、冷却液体を内部に一時的に蓄積する液体蓄積部と、前記光学素子保持部、前記液体圧送部、及び前記液体蓄積部を接続し、冷却液体を循環させるための流路を形成する複数の液体循環部材とを備え、前記液体圧送部、前記液体蓄積部、及び前記光学素子保持部は、前記流路を辿る冷却液体の流通方向に沿って、前記液体圧送部、前記液体蓄積部、及び前記光学素子保持部の順に配設されていることを特徴とする。
本発明では、液冷装置は、光学素子保持部及び液体圧送部の他、冷却液体を内部に一時的に蓄積する液体蓄積部を備える。そして、液体圧送部、液体蓄積部、及び光学素子保持部は、冷却液体の流通方向に沿って、液体圧送部、液体蓄積部、及び光学素子保持部の順に配設されている。このことにより、液体圧送部から圧送され、脈動している冷却液体を、一旦、液体蓄積部に蓄積できる。すなわち、液体蓄積部をバッファとして機能させ、冷却液体の脈動を液体蓄積部にて吸収し、脈動のない冷却液体を光学素子保持部に流入させることができる。
したがって、冷却液体の脈動が光学素子保持部や光学素子に伝播することがなく、投影画像の画質を安定に確保できる。
本発明のプロジェクターでは、前記液体圧送部及び前記液体蓄積部は、前記液体循環部材にて直接、接続されていることが好ましい。
ところで、液冷装置として、例えば、光学素子保持部、液体圧送部、及び液体蓄積部の他、後述する熱交換部等の他の部材を採用する。そして、前記他の部材を、液体圧送部及び液体蓄積部の間に配設する。このように構成した場合には、液体圧送部により生じた冷却液体の脈動が前記他の部材に伝播し、前記他の部材の機能を良好に維持することが難しい。
本発明では、液体圧送部及び液体蓄積部が液体循環部材にて直接、接続されているので、液体圧送部により生じた冷却液体の脈動を早い段階で抑えることができる。すなわち、液冷装置として、上述したように他の部材を採用した場合であっても、光学素子及び光学素子保持部の他、前記他の部材に冷却液体の脈動が伝播することを回避できる。このため、前記他の部材の機能を良好に維持できる。
本発明のプロジェクターでは、前記液冷装置は、冷却液体を流入出可能に構成され、冷却液体と熱交換する熱交換部と、吸熱面及び放熱面を有し、前記吸熱面が前記熱交換部に熱伝達可能に接続する熱電変換素子とを備え、前記液体蓄積部、前記熱交換部、及び前記光学素子保持部は、前記流通方向に沿って、前記液体蓄積部、前記熱交換部、及び前記光学素子保持部の順に配設されていることが好ましい。
本発明では、液冷装置が上述した熱交換部及び熱電変換素子を備えるので、熱電変換素子を駆動することで、熱交換部を冷却し、さらに、熱交換部に流入出する冷却液体を冷却できる。このため、温度の低い冷却液体を光学素子保持部に流通させることができるので、光学素子を効果的に冷却できる。
ところで、熱電変換素子の特性を考えると、吸熱面にて冷却する冷却液体(熱交換部)の温度が高い場合には、冷却液体の温度を効果的に低くする(例えば、雰囲気温度以下まで低くする)ことが難しいものである。
本発明では、液体蓄積部、熱交換部、及び光学素子保持部は、冷却液体の流通方向に沿って、液体蓄積部、熱交換部、及び光学素子保持部の順に配設されている。このことにより、光学素子保持部を流通する際に温められた冷却液体は、一旦、液体蓄積部に蓄積された後、熱電変換素子にて冷却されることとなる。すなわち、冷却液体を一旦、液体蓄積部に蓄積することで、冷却液体の熱を液体蓄積部内部で拡散させ、冷却液体の温度を低減させることができる。また、液体蓄積部にて温度の低減した冷却液体を熱電変換素子にて冷却することで、冷却液体の温度を効果的に低減させる(例えば、雰囲気温度以下まで低減させる)ことができる。したがって、効果的に温度が低減した冷却液体を光学素子保持部に流通させることで、光学素子をさらに効果的に冷却できる。
本発明のプロジェクターでは、前記熱交換部及び前記光学素子保持部は、前記液体循環部材にて直接、接続されていることが好ましい。
本発明では、熱交換部及び光学素子保持部が液体循環部材にて直接、接続されているので、熱電変換素子にて効果的に温度が低減した冷却液体を直接、光学素子保持部に流入させることができる。すなわち、熱電変換素子にて冷却された低い温度のままで、冷却液体を光学素子保持部に流入させることができるため、光学素子を一層効果的に冷却できる。
本発明のプロジェクターでは、前記光学素子保持部及び前記液体圧送部は、前記液体循環部材にて直接、接続されていることが好ましい。
ところで、液体圧送部としては、駆動時に熱が生じやすいものである。すなわち、冷却液体は、液体圧送部を流通する際に、液体圧送部により温められて温度が上昇しやすいものである。
本発明では、光学素子保持部及び液体圧送部が液体循環部材にて直接、接続されているので、冷却液体の流通方向に沿って見た場合に、光学素子保持部は、液体圧送部から最も離れた位置に配設されることとなる。このため、液体圧送部にて温められた高い温度のままで、冷却液体が光学素子保持部に流入することがなく、光学素子の冷却効率が低下することがない。
本実施形態におけるプロジェクターの概略構成を示す図。 本実施形態における液冷装置の構成を模式的に示す図。 本実施形態における光学素子保持部の構造を示す図。 本実施形態におけるタンクの構成を示す斜視図。 本実施形態における熱交換部の内部構造を模式的に示す断面図。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクターの構成〕
図1は、本実施形態におけるプロジェクター1の概略構成を示す図である。
プロジェクター1は、画像情報に応じた画像を形成してスクリーン(図示略)上に投射し、投影画像を表示する。このプロジェクター1は、図1に示すように、外装筐体2内部に光学ユニット3及び液冷装置4(図2参照)が収納された構成を有する。
〔光学ユニットの構成〕
光学ユニット3は、制御装置(図示略)による制御の下、画像情報に応じて画像を形成して投射する。
この光学ユニット3は、図1に示すように、一対の光源装置31A,31Bと、反射ミラー31Cと、レンズアレイ321,322、偏光変換素子323、及び重畳レンズ324を有する照明光学装置32と、ダイクロイックミラー331,332、及び反射ミラー333〜336を有する色分離光学装置33と、光変調素子としての3つの液晶パネル341(赤色光側の液晶パネルを341R、緑色光側の液晶パネルを341G、青色光側の液晶パネルを341Bとする)、3つの入射側偏光板342、3つの射出側偏光板343、及び色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム344を有する光学装置34と、投射光学装置としての投射レンズ35と、これら各部材31A,31B、32〜34を内部に収納する光学部品用筐体36とを備える。
ここで、一対の光源装置31A,31Bは、図1に示すように、同様の構成を有し、光源ランプ311及びリフレクター312を備える。そして、一対の光源装置31A,31Bは、反射ミラー31Cに向けて光束を射出するように反射ミラー31Cを挟んで対向配置されている。
そして、光学ユニット3では、上述した構成により、一対の光源装置31A,31Bから射出された光束は、反射ミラー31Cにより、光学部品用筐体36内部に設定された照明光軸Ax(図1)に沿って反射され、照明光学装置32に照射される。照明光学装置32に照射された光束は、照明光学装置32にて面内照度が均一化されるとともに、色分離光学装置33にてR,G,Bの3つの色光に分離される。分離された各色光は、各液晶パネル341にて画像情報に応じてそれぞれ変調され、色光毎の画像が形成される。色光毎の画像は、プリズム344にて合成され、投射レンズ35にてスクリーン(図示略)に投射される。
〔液冷装置の構成〕
図2は、液冷装置4の構成を模式的に示す図である。
液冷装置4は、環状の流路に沿って水やエチレングリコール等の冷却液体を循環させ、該冷却液体により光学素子としての液晶パネル341を冷却する。この液冷装置4は、図2に示すように、3つの光学素子保持部5と、液体圧送部6と、液体蓄積部としてのタンク7と、熱交換ユニット8と、複数の液体循環部材9とを備える。
複数の液体循環部材9は、内部に冷却液体を流通可能とする管状部材で構成され、各部材5〜8を接続し、環状の流路を形成する。
なお、液体循環部材9による各部材5〜8の接続構造については、後述する。
〔光学素子保持部の構成〕
図3は、光学素子保持部5の構造を示す図である。具体的に、図3は、光学素子保持部5を光束入射側から見た平面図である。
3つの光学素子保持部5は、3つの液晶パネル341をそれぞれ保持するとともに、内部に冷却液体が流入出し、該冷却液体により3つの液晶パネル341をそれぞれ冷却する。なお、各光学素子保持部5は、同様の構成であり、以下では1つの光学素子保持部5のみを説明する。この光学素子保持部5は、図3に示すように、液体流通管51と、光学素子支持枠52とを備える。
液体流通管51は、液晶パネル341の画像形成領域(光透過領域)を平面視で囲むように屈曲し、冷却液体を流入出させる各端部が上方側に平行して延出するように形成されている。
光学素子支持枠52は、具体的な図示は省略したが、光束射出側において、液晶パネル341の外形形状に対応して光束入射側に向けて窪む凹部を有し、前記凹部にて液晶パネル341を収納保持する。
また、前記凹部の底部分には、図3に示すように、液晶パネル341の画像形成領域に対応した開口部521が形成されている。
さらに、光学素子支持枠52には、具体的な図示は省略したが、前記凹部を囲むように貫通形成された平面視U字状の貫通孔が形成され、該貫通孔に液体流通管51が配設されている。
なお、具体的な図示は省略したが、光学素子支持枠52は、光束入射側及び光束射出側の2体に分割形成されており、該2体で液体流通管51を挟持するように構成されている。
以上のように、光学素子保持部5は、液体流通管51が液晶パネル341の側端部に対向するように配設され、液晶パネル341の熱を液晶パネル341〜光学素子支持枠52〜液体流通管51の熱伝達経路を辿って放熱させるように構成されている。
〔液体圧送部の構成〕
液体圧送部6は、冷却液体を吸入及び圧送するポンプであり、環状の流路に沿って冷却液体を循環させる。
この液体圧送部6は、例えば、中空部材内に羽根車が配置された構成を有し、前記羽根車が回転することで、冷却液体を吸入及び圧送する。
なお、液体圧送部6の構成としては、上述した羽根車を有する構成に限らず、ダイヤフラムを利用した他の構成を採用してもよい。
〔タンクの構成〕
図4は、タンク7の構成を示す斜視図である。
タンク7は、略直方体状の中空部材で構成され、流入した冷却液体を一時的に蓄積した後に流出する。
このタンク7において、上方側の端面には、図4に示すように、内部に連通し、タンク7に冷却液体を注入するための注入部71が設けられている。
すなわち、液冷装置4を組み立てた後、注入部71を介して冷却液体を注入することで、液冷装置4に冷却液体が充填されることとなる。
また、タンク7において、2つの側面部には、図4に示すように、内部に連通し、冷却液体を流入出するための流入部72及び流出部73が設けられている。
そして、上述したタンク7は、アルミニウム等の金属材料から構成されている。
〔熱交換ユニットの構成〕
熱交換ユニット8は、環状の流路に沿って流通する冷却液体の温度を低減する。この熱交換ユニット8は、図2に示すように、熱交換部81と、区画板82と、熱電変換素子としてのペルチェ素子83と、放熱側伝熱部材84とを備える。
図5は、熱交換部81の内部構造を模式的に示す断面図である。具体的に、図5は、熱交換部81を流路に直交する平面で切断した断面を示している。
熱交換部81は、略直方体状の中空部材で構成され、内部を流通する冷却液体と熱交換する。
この熱交換部81内部には、図5に示すように、冷却液体の流通方向に沿って延出する複数の板体811が該流通方向に直交する方向に並設されている。具体的に、これら板体811は、例えば、数10μm〜数100μm程度の厚み寸法を有し、互いに数10μm〜数100μm程度の間隔を空けて配設される。
以上の構成により、熱交換部81内部には、各板体811間に冷却液体が流通する複数の微細流路Cm(図5)が形成される。すなわち、熱交換部81は、いわゆる、マイクロチャンネル等の熱交換器で構成されている。
区画板82は、平面視矩形状の板体で構成され、熱交換部81及び放熱側伝熱部材84を区画するとともに、熱交換部81、ペルチェ素子83、及び放熱側伝熱部材84を一体化する。この区画板82は、熱伝導率が低い(例えば、0.9W/(m・K)以下)材料で構成されている。
この区画板82には、図2に示すように、熱交換部81の平面形状よりも小さい矩形形状を有し、ペルチェ素子83を嵌合可能とする開口部821が形成されている。
そして、熱交換部81は、区画板82における一方の板面において、開口部821を閉塞するように開口部821周縁部分に固定される。
ペルチェ素子83は、具体的な図示は省略したが、p型半導体とn型半導体とを金属片で接合して構成した接合対を複数有しており、これら複数の接合対は電気的に直接に接続されている。
このような構成を有するペルチェ素子83において、電力が供給されると、図2に示すように、ペルチェ素子83の一方の端面が熱を吸収する吸熱面831となり、他方の端面が熱を放熱する放熱面832となる。
そして、ペルチェ素子83は、区画板82の開口部821に嵌合され、吸熱面831が熱交換部81に熱伝達可能に接続する。
放熱側伝熱部材84は、図2に示すように、矩形状の板体841と、板体841から突出する複数のフィン部材842とを有する、いわゆるヒートシンクで構成されている。そして、放熱側伝熱部材84は、区画板82の他方の板面において、開口部821を閉塞するように開口部821周縁部分に固定される。この状態では、放熱側伝熱部材84は、ペルチェ素子83の放熱面832に熱伝達可能に接続する。
すなわち、区画板82にて各部材81,83,84を一体化した状態では、熱交換部81〜ペルチェ素子83〜放熱側伝熱部材84の熱伝達経路が形成される。
このため、ペルチェ素子83の駆動により、熱交換部81は、吸熱面831から熱が吸収され、冷却される。また、ペルチェ素子83の放熱面832に生じる熱は、放熱側伝熱部材84を介して外部に放熱される。
〔液体循環部材による接続構造〕
次に、液体循環部材9による各部材5〜8の接続構造について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、図2に示すように、3つの光学素子保持部5のうち、赤色光側の液晶パネル341Rを保持する光学素子保持部を赤色光変調素子保持部5R、緑色光側の液晶パネル341Gを保持する光学素子保持部を緑色光変調素子保持部5G、青色光側の液晶パネル341Bを保持する光学素子保持部を青色光変調素子保持部5Bとする。
液体循環部材9は、図2に示すように、第1〜第6液体循環部材9A〜9Fの6本で構成されている。
具体的に、第1液体循環部材9Aは、流入側及び流出側が赤色光変調素子保持部5R及び緑色光変調素子保持部5Gにおける各液体流通管51の一方の端部にそれぞれ接続される。
第2液体循環部材9Bは、流入側が緑色光変調素子保持部5Gにおける液体流通管51の他方の端部に接続され、流出側が青色光変調素子保持部5Bにおける液体流通管51の一方の端部に接続される。
第3液体循環部材9Cは、流入側が青色光変調素子保持部5Bにおける液体流通管51の他方の端部に接続され、流出側が液体圧送部6に接続される。
第4液体循環部材9Dは、流入側及び流出側が液体圧送部6及びタンク7における流入部72にそれぞれ接続される。
第5液体循環部材9Eは、流入側及び流出側がタンク7における流出部73及び熱交換部81にそれぞれ接続される。
第6液体循環部材9Fは、流入側及び流出側が熱交換部81及び赤色光変調素子保持部5Rにおける液体流通管51の他方の端部に接続される。
以上のような液体循環部材9による接続構造により、赤色光変調素子保持部5R〜緑色光変調素子保持部5G〜青色光変調素子保持部5B〜液体圧送部6〜タンク7〜熱交換部81を辿り、再度、赤色光変調素子保持部5Rに戻る環状の流路Cが形成される。
そして、上述した液冷装置4により、以下に示すように液晶パネル341が冷却される。
すなわち、液晶パネル341にて生じた熱は、光学素子保持部5を介して冷却液体に伝達される。
光学素子保持部5から流出した冷却液体は、流路Cを辿って熱交換部81に流入する。
ここで、熱交換部81は、ペルチェ素子83の駆動により、吸熱面831から熱が吸収されることで冷却されている。このため、熱交換部81に流入した冷却液体は、内部の微細流路Cmを流通する際、熱交換部81との間で熱交換が行われ、冷却される。
そして、熱交換部81にて冷却された冷却液体は、再度、光学素子保持部5に流入する。
上述した本実施形態においては、以下の効果がある。
本実施形態では、液冷装置4は、光学素子保持部5及び液体圧送部6の他、冷却液体を内部に一時的に蓄積するタンク7を備える。そして、液体圧送部6、タンク7、及び光学素子保持部5は、冷却液体の流通方向に沿って、液体圧送部6、タンク7、及び光学素子保持部5の順に配設されている。このことにより、液体圧送部6から圧送され、脈動している冷却液体を、一旦、タンク7に蓄積できる。すなわち、タンク7をバッファとして機能させ、冷却液体の脈動をタンク7にて吸収し、脈動のない冷却液体を光学素子保持部5に流入させることができる。
したがって、冷却液体の脈動が光学素子保持部5や液晶パネル341に伝播することがなく、投影画像の画質を安定に確保できる。
また、液体圧送部6及びタンク7が第4液体循環部材9Dにて直接、接続されているので、液体圧送部6により生じた冷却液体の脈動を早い段階で抑えることができる。すなわち、液冷装置4として、光学素子保持部5、液体圧送部6、及びタンク7の他、熱交換ユニット8を採用した場合であっても、光学素子保持部5及び液晶パネル341の他、熱交換ユニット8に冷却液体の脈動が伝播することを回避できる。このため、熱交換ユニット8の機能を良好に維持できる。
さらに、液冷装置4は熱交換ユニット8を備えるので、ペルチェ素子83を駆動することで、熱交換部81を冷却し、さらに、熱交換部81に流入出する冷却液体を冷却できる。このため、温度の低い冷却液体を光学素子保持部5に流通させることができるので、液晶パネル341を効果的に冷却できる。
ここで、熱交換部81は、内部に複数の微細流路Cmを有するいわゆるマイクロチャンネル等の熱交換器で構成されている。すなわち、冷却液体と熱交換部81との熱交換効率を向上させることができ、熱交換部81に流入出する冷却液体を効果的に冷却できる。
また、タンク7、熱交換部81、及び光学素子保持部5は、冷却液体の流通方向に沿って、タンク7、熱交換部81、及び光学素子保持部5の順に配設されている。このことにより、光学素子保持部5を流通する際に温められた冷却液体は、一旦、タンク7に蓄積された後、熱交換ユニット8(ペルチェ素子83)にて冷却されることとなる。すなわち、冷却液体を一旦、タンク7に蓄積することで、冷却液体の熱をタンク7内部で拡散させ、冷却液体の温度を低減させることができる。また、タンク7にて温度の低減した冷却液体を熱交換ユニット8(ペルチェ素子83)にて冷却することで、冷却液体の温度を効果的に低減させる(例えば、雰囲気温度以下まで低減させる)ことができる。したがって、効果的に温度が低減した冷却液体を光学素子保持部5に流通させることで、液晶パネル341をさらに効果的に冷却できる。
ここで、タンク7が金属製材料から構成されているので、タンク7内部に拡散された熱をタンク7外部に効果的に放熱できる。すなわち、タンク7に冷却液体が一時的に蓄積されることで、冷却液体の温度がより低減することとなる。
さらに、熱交換部81及び光学素子保持部5が第6液体循環部材9Fにて直接、接続されているので、熱交換ユニット8にて効果的に温度が低減した冷却液体を直接、光学素子保持部5に流入させることができる。すなわち、熱交換ユニット8にて冷却された低い温度のままで、冷却液体を光学素子保持部5に流入させることができるため、液晶パネル341をより一層効果的に冷却できる。
また、光学素子保持部5及び液体圧送部6が第3液体循環部材9Cにて直接、接続されているので、冷却液体の流通方向に沿って見た場合に、光学素子保持部5は、液体圧送部6から最も離れた位置に配設されることとなる。このため、液体圧送部6自体の発熱により液体圧送部6にて温められた高い温度のままで、冷却液体が光学素子保持部5に流入することがなく、液晶パネル341の冷却効率が低下することがない。
また、液体圧送部6にて温められた冷却液体は、上述したように、一旦、タンク7に蓄積されることで温度が低減するので、高い温度のままで熱交換部81に流入することもない。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態において、冷却対象である光学素子として、液晶パネル341を採用していたが、これに限らず、光源装置31A,31B、偏光変換素子323、入射側偏光板342、射出側偏光板343等の他の光学素子を冷却対象としても構わない。
前記実施形態は、各光学素子保持部5は、冷却液体の流通方向に沿って、赤色光変調素子保持部5R、緑色光変調素子保持部5G、青色光変調素子保持部5Bの順に、第1〜第3液体循環部材9A,9Bにて直列に接続されていたが、この接続順序は、これに限らず、他の接続順序で接続しても構わない。
前記実施形態では、各光学素子保持部5を直列に接続していたが、これに限らず、各光学素子保持部5を並列に接続する構成としても構わない。すなわち、例えば、冷却液体の流通方向に沿って赤色光変調素子保持部5R及び青色光変調素子保持部5Bを直列に接続するとともに、赤色光変調素子保持部5R及び青色光変調素子保持部5Bと緑色光変調素子保持部5Gとを並列に接続しても構わない。
前記実施形態では、液晶パネル341は、3つ設けられていたが、その数は3つに限らず、1つ、2つ、あるいは、4つ以上であっても構わない。
前記実施形態において、光変調素子としては、透過型または反射型の液晶パネルの他、マイクロミラーを用いたデバイス等、液晶以外の光変調素子を採用しても構わない。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクターの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクターにも適用可能である。
本発明のプロジェクターは、冷却液体により効率的に光学素子を冷却しつつ、投影画像の画質を安定に確保できるため、プレゼンテーションやホームシアターに用いられるプロジェクターとして利用できる。
1・・・プロジェクター、4・・・液冷装置、5・・・光学素子保持部、6・・・液体圧送部、7・・・タンク(液体蓄積部)、9・・・液体循環部材、81・・・熱交換部、83・・・ペルチェ素子(熱電変換素子)、C・・・流路。

Claims (5)

  1. 冷却液体により光学素子を冷却する液冷装置を備えたプロジェクターであって、
    前記液冷装置は、
    冷却液体を流入出可能に構成され、冷却液体と熱伝達可能に前記光学素子を保持する光学素子保持部と、
    冷却液体を吸入及び圧送する液体圧送部と、
    冷却液体を流入出可能に構成され、冷却液体を内部に一時的に蓄積する液体蓄積部と、
    前記光学素子保持部、前記液体圧送部、及び前記液体蓄積部を接続し、冷却液体を循環させるための流路を形成する複数の液体循環部材とを備え、
    前記液体圧送部、前記液体蓄積部、及び前記光学素子保持部は、
    前記流路を辿る冷却液体の流通方向に沿って、前記液体圧送部、前記液体蓄積部、及び前記光学素子保持部の順に配設されている
    ことを特徴とするプロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
    前記液体圧送部及び前記液体蓄積部は、
    前記液体循環部材にて直接、接続されている
    ことを特徴とするプロジェクター。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
    前記液冷装置は、
    冷却液体を流入出可能に構成され、冷却液体と熱交換する熱交換部と、
    吸熱面及び放熱面を有し、前記吸熱面が前記熱交換部に熱伝達可能に接続する熱電変換素子とを備え、
    前記液体蓄積部、前記熱交換部、及び前記光学素子保持部は、
    前記流通方向に沿って、前記液体蓄積部、前記熱交換部、及び前記光学素子保持部の順に配設されている
    ことを特徴とするプロジェクター。
  4. 請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
    前記熱交換部及び前記光学素子保持部は、
    前記液体循環部材にて直接、接続されている
    ことを特徴とするプロジェクター。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロジェクターにおいて、
    前記光学素子保持部及び前記液体圧送部は、
    前記液体循環部材にて直接、接続されている
    ことを特徴とするプロジェクター。
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