JP2024054505A - プロジェクター - Google Patents

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靖晃 宮岡
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Abstract

Figure 2024054505000001
【課題】熱源の冷却効率を高めることが可能なプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクターは、白色光を出射する光源と、画像信号に基づいて白色光を変調してカラー画像光を出射する1つの光変調素子と、画像光を投射する投射レンズと、投射レンズと連結され、光源、光変調素子及び投射レンズを収容する第1筐体と、を備え、第1筐体は、光源、光変調素子及び投射レンズを密閉状態にて収容する収容室と、収容室の内部に露出した受熱面と、収容室の外部に露出して、受熱面にて受熱した熱を放熱する放熱面と、を有し、収容室の内部には、光源の熱及び光変調素子の熱を吸熱し、収容室を対流して受熱面に熱を伝達する冷却媒体が充填されている。
【選択図】図1

Description

本開示は、プロジェクターに関する。
従来、光源と、光源から出射された光を変調する光変調装置と、光変調装置によって変調された光を投射する投射レンズと、を備えるプロジェクターが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、光源及び光変調素子を冷却する冷却装置を備える。冷却装置は、光源に設けられた光源冷却部と、光変調装置を保持する保持枠と、光変調装置が収容される密閉筐体内に配置された熱交換器と、ラジエーターと、液体冷媒を循環させるポンプと、を備える。この他、冷却装置は、密閉筐体内に配置される複数のファンを備え、密閉筐体内には、ヘリウムガス等の気体が封入されている。
光源は、光源冷却部に流通する液体冷媒によって冷却される。光変調装置は、保持枠に流通する液体冷媒によって冷却される他、複数のファンによって密閉筐体内にて循環し、かつ、ラジエーターにて冷却された気体によって冷却される。
また、構成を簡略化した背面投射型プロジェクターが知られている(例えば特許文献2参照)。
特許文献2に記載の背面投射型プロジェクターでは、光源から出射された光は、第1の透過フレネルレンズを介して、液晶パネルに入射される。液晶パネルにて変調された光は、第2の透過フレネルレンズを介して投影レンズによって、筐体に取り付けられたスクリーンに投射される。第1の透過フレネルレンズ、液晶パネル、第2の透過フレネルレンズ及び投影レンズは、筐体内に設けられている。
特開2020-79950号公報 特開平7-319066号公報
近年、小型のプロジェクターにも、投射画像の高輝度化が要望されている。しかしながら、投射画像の輝度を高くするためには、光源の強度を高める必要がある。この場合、光源の温度が高くなりやすく、光源が劣化しやすくなる。この他、光変調素子として液晶パネルが採用されていると、液晶パネルに入射する光量が大きくなって、液晶パネルの温度が高くなり、液晶の動作に影響を及ぼす可能性がある。
これに対し、光源から液晶パネルに入射する光量を大きくして、投射画像の高輝度化を図りつつ、特許文献1に記載の冷却装置を採用して光源及び液晶パネルを液体冷媒によって冷却し、温度による光源の劣化を抑制するとともに、液晶パネルを安定して動作させることが考えられる。しかしながら、このような冷却装置を採用すると、特許文献2に記載のプロジェクターのように光学系の構成を簡略化しても、プロジェクターが大型になりやすいという問題がある。
このため、小型のプロジェクターであっても、熱源の冷却効率を高めることが可能な構成が要望されてきた。
本開示の一態様に係るプロジェクターは、白色光を出射する光源と、画像信号に基づいて前記白色光を変調してカラー画像光を出射する1つの光変調素子と、前記画像光を投射する投射レンズと、前記投射レンズと連結され、前記光源、前記光変調素子及び前記投射レンズを収容する第1筐体と、を備え、前記第1筐体は、前記光源、前記光変調素子及び前記投射レンズを密閉状態にて収容する収容室と、前記収容室の内部に露出された受熱面と、前記収容室の外部に露出されて、前記受熱面にて受熱した熱を放熱する放熱面と、を有し、前記収容室の内部には、前記光源の熱及び前記光変調素子の熱を吸熱し、前記収容室を対流して前記受熱面に熱を伝達する冷却媒体が充填されている。
第1実施形態におけるプロジェクターの構成を示す模式図。 第2実施形態におけるプロジェクターの構成を示す模式図。 第3実施形態におけるプロジェクターの構成を示す模式図。 第4実施形態におけるプロジェクターの構成を示す模式図。 第5実施形態におけるプロジェクターの構成を示す模式図。
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1Aの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Aは、画像情報に応じた画像光を投射する。プロジェクター1Aは、図1に示すように、第1筐体2A、画像投射ユニット3及び電源5を備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター1Aは、プロジェクター1Aの動作を制御する制御ユニットを備える。
第1筐体2Aは、画像投射ユニット3を収容する第1収容室2A1を有する。第1筐体2Aの詳しい構成については、後に詳述する。
[画像投射ユニットの構成]
画像投射ユニット3は、第1筐体2A内に収容され、画像信号に応じた画像光を投射する。画像投射ユニット3は、図1に示すように、光源31、受熱板32、リフレクター33、第1レンズ34、光変調素子35、第2レンズ36、光路変更部材37及び投射レンズ4を備える。
[光源及び受熱板の構成]
光源31は、白色光を出射する。光源31は、少なくとも1つの発光素子を備えて構成され、発光素子は、例えばLED(Light Emitting Diode)によって構成される。光源31は、プロジェクター1Aの熱源HSの1つであり、受熱板32に配置されている。なお、リフレクター33、第1レンズ34、光変調素子35、第2レンズ36及び光路変更部材37は、光源31から出射された白色光の光路上に配置されている。
受熱板32は、光源31を支持するとともに、光源31の熱を受熱する。受熱板32は、第1筐体2Aの内面に設けられた受熱面2A2の一部に接続され、光源31から受熱した熱を受熱面2A2に放熱する。
[リフレクター及び第1レンズの構成]
リフレクター33は、光源31から出射された光の進行方向を揃える。リフレクター33は、四角錐台形状のリフレクター、回転楕円面を有する楕円面リフレクター、及び、回転放物面を有する放物面リフレクターのうちの1つであってもよい。また、リフレクター33は、内部に空間が形成された中空のリフレクターであってもよく、内部に透光性材料が充填された中実のリフレクターであってもよい。
第1レンズ34は、光源31から出射されてリフレクター33を介して入射する光を集光する。第1レンズ34は、フレネルレンズによって構成されており、入射する光を短距離で効果的に拡径する。すなわち、第1レンズ34は、第1フレネルレンズである。第1レンズ34の光出射面342は、第1収容室2A1の内部に露出し、後述する冷却媒体は、光出射面342に接触可能である。
[光変調素子の構成]
光変調素子35は、第1レンズ34から入射する白色光を、図示しない制御ユニットから入力する画像信号に応じて変調して、カラー画像光を出射する。すなわち、光変調素子35は、光源31から出射された白色光を画像信号に基づいて変調して、フルカラーの画像光を出射する。本実施形態では、プロジェクター1Aは、1つの光変調素子35を備える。換言すると、画像投射ユニット3は、1つの光変調素子35を備える。
光変調素子35は、入射側偏光板351、液晶パネル352、出射側偏光板355を備える。
[入射側偏光板の構成]
入射側偏光板351は、第1収容室2A1の一部が存在するように、第1レンズ34から第1レンズ34の光出射側に離間して配置されている。更に、入射側偏光板351は、液晶パネル352から液晶パネル352の光入射側に離間して配置されている。入射側偏光板351の光入射面3511は、第1収容室2A1の内部に露出する。すなわち、入射側偏光板351において光入射面3511と、光入射面3511とは反対側の光出射面3512とは、第1収容室2A1内の冷却媒体と接触可能である。
入射側偏光板351は、第1レンズ34から入射する光のうち、第1直線偏光光を透過し、第2直線偏光光を吸収する。第1直線偏光光及び第2直線偏光光のうち、一方の直線偏光光はp偏光光であり、他方の直線偏光光はs偏光光である。
本実施形態では、プロジェクター1Aの構成の簡略化のため、光源31は、p偏光光及びs偏光光を含む光を出射する。このため、第2直線偏光光を吸収する入射側偏光板351は、光源31から出射された白色光が入射することによって発熱する。このように、入射側偏光板351は、プロジェクター1Aの熱源HSの1つである。
[液晶パネルの構成]
液晶パネル352は、透過型液晶素子353及びカラーフィルター354を有する。
透過型液晶素子353は、入射側偏光板351から入射する光を画像信号に応じて変調することによって、画像信号に応じた画像光を形成する。詳述すると、透過型液晶素子353は、入射側偏光板351から入射する光の進行方向に沿って、形成した画像光を出射する。透過型液晶素子353は、入射側偏光板351から光が入射する光入射面3531と、光入射面3531とは反対側の光出射面3532と、を有する。透過型液晶素子353は、光出射面3532から画像光を出射する。
透過型液晶素子353は、光の入射及び電力の供給によって発熱する他、透過型液晶素子353が有する液晶は、熱によって劣化する。このため、透過型液晶素子353は、プロジェクター1Aにおいて冷却の必要がある熱源HSの1つである。
カラーフィルター354は、光出射面3532に配置されている。詳しい図示を省略するが、カラーフィルター354は、透過型液晶素子353によって構成される1つの画素に応じて配置されるフィルター要素を複数有する。フィルター要素は、赤用フィルター、緑用フィルター及び青用フィルターによって構成され、赤用フィルター、緑用フィルター及び青用フィルターは、対応する画素のサブ画素に応じて設けられる。なお、赤用フィルターは、赤色光を透過させるフィルターであり、緑用フィルターは、緑色光を透過させるフィルターであり、青用フィルターは、青色光を透過させるフィルターである。
しかしながら、このようなフィルターに限らず、カラーフィルター354は、各画素に応じて設けられる単色のフィルターであってもよい。
[出射側偏光板の構成]
出射側偏光板355は、液晶パネル352の光出射面3522に接して固定されている。すなわち、出射側偏光板355の光入射面3551は、カラーフィルター354の光出射面と接して固定されている。出射側偏光板355は、第1収容室2A1の一部が存在するように、第2レンズ36から第2レンズ36の光入射側に離間して配置されている。このため、出射側偏光板355の光出射面3552は、第1収容室2A1の内部に露出しており、光出射面3552には、第1収容室2A1内の冷却媒体が接触可能である。
出射側偏光板355の偏光透過軸と入射側偏光板351の偏光透過軸とが互いに直交している場合、出射側偏光板355は、液晶パネル352によって変調された光を透過させ、液晶パネル352によって変調されなかった光を吸収する。出射側偏光板355の偏光透過軸と入射側偏光板351の偏光透過軸とが互いに平行である場合、出射側偏光板355は、液晶パネル352によって変調された光を吸収し、液晶パネル352によって変調されなかった光を透過させる。このため、出射側偏光板355も、プロジェクター1Aの熱源HSの1つである。
[第2レンズ及び光路変更部材の構成]
第2レンズ36は、出射側偏光板355から出射された画像光を集光して、光路変更部材37に入射させる。第2レンズ36は、フレネルレンズによって構成されている。すなわち、第2レンズ36は、第2フレネルレンズである。第2レンズ36の光入射面361及び光出射面362は、第1収容室2A1の内部に露出し、後述する冷却媒体は、光入射面361及び光出射面362に接触可能である。
光路変更部材37は、画像光の光路において第2レンズ36と投射レンズ4との間に配置されている。すなわち、光路変更部材37は、画像光の光路において光変調素子35と投射レンズ4との間に配置されている。光路変更部材37は、反射ミラーによって構成されており、光入射面371に第2レンズ36から入射する画像光の進行方向を90°変更して、画像光を投射レンズ4に導く。
[投射レンズの構成]
投射レンズ4は、光路変更部材37から入射する画像光を投射する。図示を省略するが、投射レンズ4は、複数のレンズと、複数のレンズが収容される鏡筒とを備えた組レンズとして構成できる。投射レンズ4は、第1筐体2Aと連結されており、投射レンズ4における光出射側の部分は、第1筐体2Aの外部に露出する。
[電源の構成]
電源5は、第1筐体2Aの内部に配置され、外部から供給される電力を変圧し、変圧した電力をプロジェクター1Aの各構成に供給する。例えば、電源5は、光源31、液晶パネル352、及び、図示しない制御ユニットに電力を供給する。
このような電源5は、プロジェクター1Aの熱源HSの1つである。
[第1筐体の構成]
第1筐体2Aは、投射レンズ4と連結される略直方体形状の筐体であり、本実施形態では、プロジェクター1Aの外装を構成する外装筐体である。すなわち、第1筐体2Aは、プロジェクター1Aの外面を構成する。具体的に、投射レンズ4が露出される面を正面とし、プロジェクター1Aが設置される設置面と対向する面を底面とした場合、第1筐体2Aは、プロジェクター1Aの正面、背面、天面、底面、左側面及び右側面を構成する。
第1筐体2Aは、第1収容室2A1、受熱面2A2及び放熱面2A3を有する。
第1収容室2A1は、第1筐体の収容室に相当する。第1収容室2A1は、第1筐体2Aの内部に設けられる空間であり、画像投射ユニット3と、電源5と、図示しない制御ユニットとを密閉状態にて収容する。すなわち、第1筐体2Aは、少なくとも画像投射ユニット3を収容し、第1筐体2A内の気体が外部に漏れ出すことを規制する。なお、図1に示した第1筐体2Aは、投射レンズ4の一部を第1筐体2Aの外部に露出させる構成であるが、投射レンズ4の全てが第1筐体2A内に収容されてもよい。
第1収容室2A1には、冷却媒体が充填されている。冷却媒体としては、水素ガス及びヘリウムガス等の気体冷媒を例示できる他、ハイドロフルオロエーテル系の液体冷媒を例示できる。水素ガス、ヘリウムガス、及び、ハイドロフルオロエーテル系の液体冷媒のそれぞれの熱伝導率は、空気の熱伝導率よりも高い。
受熱面2A2は、第1収容室2A1の内部に露出している。詳述すると、受熱面2A2は、第1収容室2A1を内部に形成する第1筐体2Aの内面である。受熱面2A2の一部は、第1収容室2A1に充填された冷却媒体から受熱し、受熱面2A2の他の一部は、受熱板32から受熱する。
放熱面2A3は、第1収容室2A1の外部に露出している。詳述すると、放熱面2A3は、第1筐体2Aの外面であり、第1筐体2Aの外部に露出している。放熱面2A3は、受熱面2A2にて受熱した熱を、第1筐体2Aの外部に放熱する。
[冷却媒体による熱源の冷却]
第1筐体2Aが有する第1収容室2A1に充填された冷却媒体は、熱源HSである光源31、入射側偏光板351、液晶パネル352、出射側偏光板355及び電源5に接触して、これら熱源HSから吸熱する。これにより、光源31、入射側偏光板351、液晶パネル352、出射側偏光板355及び電源5は、密閉筐体である第1筐体2A内にて冷却される。
熱を帯びた冷却媒体は、熱を帯びていない冷却媒体との温度差によって第1収容室2A1内を対流し、第1収容室2A1内を撹拌する。冷却媒体は、冷却媒体が第1収容室2A1内を対流する過程にて、第1収容室2A1内に露出する受熱面2A2に到達し、受熱面2A2によって受熱される。すなわち、第1収容室2A1内の冷却媒体は、光源31の熱及び光変調素子35の熱を吸熱し、第1収容室2A1を対流して受熱面2A2に熱を伝達する。
受熱面2A2に伝達された熱は、第1収容室2A1の外部に露出する放熱面2A3に伝達される。そして、放熱面2A3に伝達された熱は、放熱面2A3から第1筐体2Aの外部に放熱される。
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Aは、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Aは、光源31、1つの光変調素子35、投射レンズ4及び第1筐体2Aを備える。光源31は、白色光を出射する。光変調素子35は、画像信号に基づいて、光源31から出射された白色光を変調してカラー画像光を出射する。投射レンズ4は、光変調素子35から出射された画像光を投射する。
第1筐体2Aは、投射レンズ4と連結され、光源31、光変調素子35及び投射レンズ4を収容する。第1筐体2Aは、第1収容室2A1、受熱面2A2及び放熱面2A3を有する。
第1収容室2A1は、収容室に相当する。第1収容室2A1は、光源31、光変調素子35及び投射レンズ4を密閉状態にて収容する。
受熱面2A2は、第1収容室2A1の内部に露出している。
放熱面2A3は、第1収容室2A1の外部に露出している。放熱面2A3は、受熱面2A2にて受熱した熱を放熱する。
第1収容室2A1の内部には、光源31の熱及び光変調素子35の熱を吸熱し、第1収容室2A1を対流して受熱面2A2に熱を伝達する冷却媒体が充填されている。
このような構成によれば、熱源HSである光源31及び光変調素子35は、第1筐体2Aにおいて密閉された第1収容室2A1に収容される。第1収容室2A1の内部に充填された冷却媒体は、光源31の熱及び光変調素子35の熱を吸熱し、第1収容室2A1内の温度差によって対流して第1収容室2A1内を撹拌する。そして、冷却媒体の熱は、冷却媒体が対流する過程にて、第1筐体2Aの受熱面2A2に伝達されることによって、光源31及び光変調素子35が冷却される。
このように、自然に対流する冷却媒体を、光源31及び光変調素子35が配置される第1収容室2A1内に充填することによって光源31及び光変調素子35を冷却できるので、部品点数を低減できる。従って、プロジェクター1Aを小型に維持しながら、光源31から出射されて光変調素子35に入射される光量を大きくでき、投射される画像光の輝度を高めることができる。
プロジェクター1Aでは、光変調素子35は、入射側偏光板351、液晶パネル352及び出射側偏光板355を備える。入射側偏光板351は、液晶パネル352の光入射側に配置されている。出射側偏光板355は、液晶パネル352の光出射側に配置されている。入射側偏光板351と液晶パネル352とは、第1収容室2A1の一部が存在するように互いに離間している。
ここで、液晶パネル352によって画像を形成する場合、液晶パネル352には、1種類の直線偏光光が入射される必要がある。このため、光源31から出射されて入射側偏光板351に入射する光が、1種類の偏光光に揃えられていない場合には、入射側偏光板351も熱源HSとなる。
これに対し、上記構成によれば、入射側偏光板351と液晶パネル352との間に、第1収容室2A1の一部が存在するので、入射側偏光板351と液晶パネル352との間に冷却媒体を流通させることができる。従って、入射側偏光板351と液晶パネル352とを効率よく冷却できる。
プロジェクター1Aでは、入射側偏光板351の光入射面3511は、第1収容室2A1の内部に露出している。
このような構成によれば、入射側偏光板351の光入射面3511及び光出射面3512のそれぞれは、冷却媒体と接触可能である。従って、入射側偏光板351を冷却媒体によって効率よく冷却できる。
プロジェクター1Aでは、出射側偏光板355は、液晶パネル352の光出射面3522に接して固定されている。出射側偏光板355の光出射面3552は、第1収容室2A1の内部に露出している。
このような構成によれば、出射側偏光板355の光出射面3552には、第1収容室2A1内の冷却媒体が接触可能である。このため、出射側偏光板355を冷却媒体によって冷却できる。
また、出射側偏光板355は、液晶パネル352の光出射面3522に固定されるので、出射側偏光板355が、液晶パネル352から離間して配置される場合に比べて、光変調素子35が大型化することを抑制できる。
プロジェクター1Aでは、液晶パネル352は、透過型液晶素子353及びカラーフィルター354を備える。透過型液晶素子353は、入射する光の進行方向に沿って画像光を出射する。カラーフィルター354は、透過型液晶素子353の光出射面3532に配置されている。
このような構成によれば、光変調素子35によって、画像信号に応じたフルカラーの画像光を形成できる。
プロジェクター1Aは、光源31の熱を受熱する受熱板32を備える。受熱板32は、受熱面2A2に接続され、受熱した熱を受熱面2A2に放熱する。
このような構成によれば、光源31の熱を、受熱板32を介して第1筐体2Aの受熱面2A2に放熱できる。従って、冷却媒体と第1筐体2Aとによって、光源31の冷却効率を高めることができる。
プロジェクター1Aは、光変調素子35と投射レンズ4との間に設けられる光路変更部材37を備える。
このような構成によれば、光路変更部材37に入射する光の入射方向と、光路変更部材37から出射された光の進行方向とによって定義される第1筐体2Aの面積を小さくしつつ、第1筐体2Aの内部における光変調素子35と投射レンズ4との間の光路長を長くできる。従って、光路変更部材37を備えないプロジェクターに比べて、投射レンズ4と、投射レンズ4によって画像光が投射される被投射面との間の距離が同じ場合に、より大きな画像を被投射面に投射できる。
プロジェクター1Aは、光源31から出射された白色光を集光して、光変調素子35に向けて出射する第1レンズ34を備える。第1レンズ34は、フレネルレンズである。
このような構成によれば、光源31と光変調素子35との間の光路長を小さくできる。従って、第1筐体2Aの小型化を図ることができ、ひいては、プロジェクター1Aの小型化を図ることができる。
プロジェクター1Aは、第1筐体2Aの内部に設けられ、光源31及び光変調素子35のうち少なくとも一方に電力を供給する電源5を備える。本実施形態では、電源5は、光源31及び光変調素子35のそれぞれに電力を供給する。
このような構成によれば、電源5が第1筐体2Aの内部に設けられていることによって、熱源HSの1つとなる電源5も、冷却媒体によって冷却できる。
プロジェクター1Aでは、冷却媒体は、ヘリウムガスと、水素ガスと、ハイドロフルオロエーテル系の液体冷媒とのうちのいずれかである。
このような構成によれば、熱源HSである光源31及び光変調素子35の冷却性能を高めることができる。
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成を備える他、第1放熱フィンを更に備える。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図2は、本実施形態に係るプロジェクター1Bの構成を示す模式図である。図2においては、複数のフィン2B2のうち、一部のフィン2B2についてのみ符号を付す。
本実施形態に係るプロジェクター1Bは、第1実施形態に係る第1筐体2Aに代えて、図2に示す第1筐体2Bを備える他は、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成及び機能を備える。
第1筐体2Bは、第1筐体2Aと同様に、投射レンズ4と連結されて、プロジェクター1Bの外装を構成する略直方体形状の外装筐体である。第1筐体2Bは、第1筐体2Aが備える第1収容室2A1、受熱面2A2及び放熱面2A3を備える他、複数のフィン2B2を有する第1放熱フィン2B1を更に備える。換言すると、第1筐体2Bは、第1放熱フィン2B1を構成する複数のフィン2B2を備える。
複数のフィン2B2は、受熱板32に対向する第1筐体2Aの外面に設けられている。詳述すると、第1放熱フィン2B1は、第1筐体2Bの外面のうち受熱板32に対向する外面において、受熱板32とは反対側に設けられた放熱フィンである。換言すると、第1放熱フィン2B1は、第1筐体2Bの外面に設けられた放熱面2A3のうち、受熱板32が接続される受熱面2A2とは反対側の放熱面2A3に設けられている。第1放熱フィン2B1は、受熱板32から受熱面2A2に伝達される光源31の熱を、第1筐体2Bの外部に放熱する。これにより、光源31を更に冷却できる。
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Bは、第1実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Bは、受熱板32に対向する第1筐体2Bの外面に設けられた複数のフィン2B2を備える。
このような構成によれば、第1筐体2Bの外面に設けられた複数のフィン2B2によって、受熱板32を介して伝達される光源31の熱を効果的に放熱できる。従って、光源31の冷却効率を高めることができる。
プロジェクター1Bでは、複数のフィン2B2は、放熱面2A3に設けられている。
このような構成によれば、複数のフィン2B2によって、第1収容室2A1の内部の冷却媒体から伝達された熱を効率よく放熱できる。
[第3実施形態]
次に、本開示の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第2実施形態に係るプロジェクター1Bと同様の構成を備えるが、第2放熱フィン及び駆動部を更に備える点で相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図3は、本実施形態に係るプロジェクター1Cの構成を示す模式図である。図3においては、複数のフィン2B2のうち、一部のフィン2B2についてのみ符号を付し、複数のフィン2C2のうち、一部のフィン2C2についてのみ符号を付す。
本実施形態に係るプロジェクター1Cは、図3に示すように、第1筐体2Bに代えて第1筐体2Cを備え、更に駆動部6を備える他は、第2実施形態に係るプロジェクター1Bと同様の構成及び機能を備える。
第1筐体2Cは、第2実施形態に係る第1筐体2Bと同様に、投射レンズ4と連結されて、プロジェクター1Cの外装を構成する外装筐体である。第1筐体2Cは、第2放熱フィン2C1を更に備える他は、第2実施形態に係る第1筐体2Bと同様の構成を備える。すなわち、第1筐体2Cは、第1収容室2A1、受熱面2A2、放熱面2A3、第1放熱フィン2B1及び第2放熱フィン2C1を備える。
第2放熱フィン2C1は、第1放熱フィン2B1と同様に、第1筐体2Cから外側に突出する複数のフィン2C2を有する。第2放熱フィン2C1は、第1収容室2A1に露出する受熱面2A2にて受熱した熱を第1筐体2Cの外部に放熱する。
このような第2放熱フィン2C1は、第1筐体2Cにおいて第1放熱フィン2B1が設けられる外面とは反対側の外面に設けられている。例えば、投射レンズ4が露出する外面を第1筐体2Cの正面とし、第1放熱フィン2B1が第1筐体2Cの右側面に設けられている場合には、第2放熱フィン2C1は、第1筐体2Cの左側面に設けられている。しかしながら、これに限らず、第2放熱フィン2C1が配置される第1筐体2Cの外面は、他の外面であってもよい。例えば、第2放熱フィン2C1は、第1筐体2Cの外面のうち、第1放熱フィン2B1が設けられる外面に交差する外面であってもよい。例えば第2放熱フィン2C1がプロジェクター1Cの右側面に設けられている場合には、第2放熱フィン2C1は、プロジェクター1Cの天面、底面、正面及び背面のうち少なくともいずれかの外面に設けられていてもよい。また、第2放熱フィン2C1は、第1筐体2Cにおける複数の外面に設けられていてもよい。
駆動部6は、第1筐体2C内に配置されている。詳述すると、駆動部6は、光路変更部材37における光入射面371とは反対側の面372と、第1筐体2Cの内面のうち面372に対向する内面との間に配置されている。
駆動部6は、第1収容室2A1に充填されて対流する冷却媒体の流通を補助する。具体的に、駆動部6は、第1収容室2A1内の冷却媒体を吸引し、吸引した冷却媒体を熱源HSである光源31、入射側偏光板351、液晶パネル352及び出射側偏光板355に送出して、熱源HSに冷却媒体を流通させる。
駆動部6としては、冷却媒体が気体冷媒である場合にはファンを採用可能であり、冷却媒体が液体冷媒である場合にはポンプを採用可能である。
[冷却媒体の冷却]
駆動部6が駆動されると、駆動部6近傍の冷却媒体が光源31側に送出される。駆動部6によって送出された冷却媒体のうち、一部の冷却媒体は、光源31と第1レンズ34との間を、光源31及び第1レンズ34のそれぞれの表面に沿って流通する。
同様に、他の一部の冷却媒体は、第1レンズ34と入射側偏光板351との間を流通し、更に他の一部の冷却媒体は、入射側偏光板351と液晶パネル352との間、詳しくは入射側偏光板351と透過型液晶素子353との間を流通する。更に他の一部の冷却媒体は、出射側偏光板355と第2レンズ36との間を流通する。
このように流通する冷却媒体によって、光源31、入射側偏光板351、液晶パネル352及び出射側偏光板355が冷却される。
光源31、入射側偏光板351、液晶パネル352及び出射側偏光板355に沿って流通した冷却媒体は、電源5に向かって流通し、電源5を冷却する。
上記した熱源HSを冷却した冷却媒体は、第1筐体2Cの内面に沿って流通する。第1筐体2Cの内面は受熱面2A2である。このため、冷却媒体は、受熱面2A2に沿って流通する過程にて受熱面2A2によって受熱されて冷却される。受熱面2A2によって受熱された熱は、放熱面2A3に伝達され、更に放熱面2A3に設けられた第2放熱フィン2C1によって、第1筐体2Cの外部に放熱される。
受熱面2A2に沿って流通して冷却された冷却媒体は、駆動部6によって再び吸引され、光源31側に送出される。
このように、第1収容室2A1にて、冷却媒体は循環し、これにより、各熱源HSが冷却される。
[第3実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Cは、第1及び第2実施形態に係るプロジェクター1A,1Bと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Cは、第1筐体2Cの内部に設けられ、冷却媒体を流通させる駆動部6を備える。
このような構成によれば、駆動部6によって、第1収容室2A1内における冷却媒体の流通を補助できる。従って、光源31及び光変調素子35の冷却効率を高めることができる。
[第4実施形態]
次に、本開示の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第3実施形態に係るプロジェクター1Cと同様の構成を備えるが、第1筐体を収容する外装筐体と、外装筐体内に配置されたファンと、を更に備える点で、プロジェクター1Cと相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図4は、本実施形態に係るプロジェクター1Dの構成を示す模式図である。詳述すると、図4は、側方から見たときのプロジェクター1Dの構成を示す模式図である。すなわち、図4の図面視で、下側が鉛直方向であり、上側が鉛直方向とは反対方向である。また、図4においては、複数のフィン2B2のうち、一部のフィン2B2についてのみ符号を付し、複数のフィン2C2のうち、一部のフィン2C2についてのみ符号を付す。
本実施形態に係るプロジェクター1Dは、図4に示すように、外装筐体2D及び冷却ファン7を更に備える他は、第3実施形態に係るプロジェクター1Cと同様の構成及び機能を備える。
[外装筐体の構成]
外装筐体2Dは、プロジェクター1Cの外装を構成し、第1筐体2Cを収容する。すなわち、本実施形態では、第1筐体2Cは、プロジェクター1Cの外装を構成しない。外装筐体2Dは、導入口2D1及び排出口2D2を有する。
導入口2D1は、図4における白抜きの矢印にて示すように、外装筐体2Dの外部の気体を冷却気体として外装筐体2Dの内部に導入する。詳述すると、導入口2D1は、外装筐体2Dの外部の気体を、冷却気体として外装筐体2Dの内面と第1筐体2Cの放熱面2A3との間に導入する。
排出口2D2は、図4における白抜きの矢印にて示すように、外装筐体2Dの内部の冷却気体を外装筐体2Dの外部に排出する。具体的に、排出口2D2は、外装筐体2Dの内部に導入されて、第1筐体2Cの放熱面2A3、第1放熱フィン2B1及び第2放熱フィン2C1を流通した冷却気体を排出する。
このような導入口2D1を介する冷却気体の導入、及び、排出口2D2を介する冷却気体の排出は、冷却ファン7の駆動によって行われる。
本実施形態に係るプロジェクター1Cは、外装筐体2Dを構成する側面部のうち、第1放熱フィン2B1に対向する側面部の外面2D3が、プロジェクター1Cが載置される載置面SFと対向するように配置可能である。
このように、外面2D3が載置面SFと対向するようにプロジェクター1Cが配置された場合、外面2D3は、下方を向く外面であり、第1放熱フィン2B1に対向する側面部の外面2D4は、上方を向く外面となる。このときのプロジェクター1Cの姿勢を第1姿勢とする。プロジェクター1の姿勢が第1姿勢である場合、導入口2D1は、排出口2D2に対して上方に配置される。
なお、外面2D3には、載置面SFと接触する脚部2D5が設けられているが、脚部2D5は無くてもよい。
[冷却ファンの構成]
冷却ファン7は、外装筐体2D内に設けられている。冷却ファン7は、導入口2D1から導入された冷却気体を第1筐体2Cに沿って流通させる。具体的に、冷却ファン7は、外装筐体2Dにおいて導入口2D1から導入されて排出口2D2から排出される冷却気体の流路における略中央に配置されている。
冷却ファン7は、導入口2D1を介して外装筐体2Dの内部に冷却気体を冷却ファン7が吸引する過程にて、第1筐体2Cの放熱面2A3及び第2放熱フィン2C1に冷却気体を流通させる。なお、第2放熱フィン2C1が複数のフィン2C2を有することを表すため、図4の例では、複数のフィン2C2のそれぞれは、導入口2D1から導入された冷却気体の流通方向に対して交差する方向に延出している。しかしながら、正しくは、複数のフィン2C2のそれぞれは、冷却気体の流通方向に沿って延出している。
また、冷却ファン7は、吸引した冷却気体を送出することによって、第1筐体2Cの放熱面2A3及び第1放熱フィン2B1に冷却気体を流通させる。なお、第1放熱フィン2B1が複数のフィン2B2を有することを表すため、図4の例では、複数のフィン2B2のそれぞれは、排出口2D2から排出される冷却気体の流通方向に対して交差する方向に延出している。しかしながら、正しくは、複数のフィン2B2のそれぞれは、冷却気体の流通方向に沿って延出している。
放熱面2A3及び第1放熱フィン2B1に沿って流通した冷却気体は、排出口2D2から外装筐体2Dの外部に排出される。
なお、図4の例では、冷却ファン7は、外装筐体2D内に1つ設けられている。しかしながら、これに限らず、冷却ファン7は、外装筐体2D内に複数設けられていてもよい。例えば、プロジェクター1Dは、導入口2D1に応じて設けられる冷却ファン7と、排出口2D2に応じて設けられる冷却ファン7と、を備えていてもよい。
[第1姿勢での冷却媒体の流通]
上記のように、第1収容室2A1に充填された冷却媒体のうち、一部の冷却媒体は、光源31、入射側偏光板351、液晶パネル352及び出射側偏光板355から吸熱する。このため、当該一部の冷却媒体の温度は上昇する。冷却媒体の温度が上昇すると、冷却媒体は、上方に移動する。
ここで、プロジェクター1Cの姿勢が第1姿勢である場合、第2放熱フィン2C1は、第1筐体2Cの放熱面2A3のうち、上方を向く放熱面2A3に配置される。このため、温度が上昇した冷却媒体が上方に移動することによって、当該冷却媒体は、第2放熱フィン2C1が設けられた放熱面2C3の内面に設けられた受熱面2A2に接触しやすくなり、冷却媒体が受熱面2A2に熱を伝達しやすくなる。これにより、冷却媒体の冷却効率を高めることができる。
一方、冷却媒体から受熱面2A2に伝達された熱は、当該受熱面2A2の外面である放熱面2A3に設けられた第2放熱フィン2C1に伝達され、導入口2D1から外装筐体2D内に導入された冷却気体に放熱される。
このように、プロジェクター1Cの姿勢が第1姿勢である場合には、冷却媒体に伝達された熱を速やかに第2放熱フィン2C1に伝達できる。従って、冷却媒体の温度を低く維持しやすくできる。
[第4実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Dは、第3実施形態に係るプロジェクター1Cと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Dは、プロジェクター1Dの外装を構成して、第1筐体2Cを収容する外装筐体2Dを備える。外装筐体2Dは、導入口2D1及び排出口2D2を備える。
導入口2D1は、外装筐体2Dの内面と第1筐体2Cの外面との間に外装筐体2Dの外部の気体を導入する。排出口2D2は、外装筐体2Dの内部の気体を外装筐体2Dの外部に排出する。
このような構成によれば、外装筐体2Dの外部から内部に導入され、外装筐体2Dの内部を流通した後に外装筐体2Dの外部に排出される気体を、外装筐体2Dの内部に収容された第1筐体2Cに流通させることができる。従って、第1筐体2Cの内部に配置された熱源HSの熱を、第1筐体2Cに流通する気体に伝達させることができるので、熱源HSの冷却効率を高めることができる。
プロジェクター1Dは、外装筐体2Dの内部に設けられ、導入口2D1から導入された気体を第1筐体2Cに沿って流通させる冷却ファン7を備える。
このような構成によれば、冷却ファン7によって、外装筐体2D内に導入した冷却気体を第1筐体2Cに効率よく流通させることができる。従って、第1筐体2C内の熱源HSの冷却効率を高めることができる。
[第5実施形態]
以下、本開示の第5実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第3実施形態に係るプロジェクター1Cと同様の構成を備えるが、第1筐体と組み合わされて、第1筐体とともに外装筐体を構成する第2筐体を備える点で相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図5は、本実施形態に係るプロジェクター1Eの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Eは、図5に示すように、第1筐体2C及び冷却ファン7に代えて、外装筐体2E、冷却ファン7E及び放熱部材8を備える他は、第3実施形態に係るプロジェクター1Cと同様の構成及び機能を備える。すなわち、プロジェクター1Eは、外装筐体2E、画像投射ユニット3、電源5、駆動部6、冷却ファン7E、放熱部材8、及び、図示しない制御ユニットを備える。
[外装筐体の構成]
外装筐体2Eは、第1筐体2F及び第2筐体2Gを備え、第1筐体2Fと第2筐体2Gとが組み合わされて構成されている。
[第1筐体の構成]
第1筐体2Fは、第3実施形態に係る第1筐体2Cと同様に、投射レンズ4と連結されて、画像投射ユニット3を内部に収容する。第1筐体2Fは、第1筐体2Cと同様に、第1収容室2F1、受熱面2F2及び放熱面2F3を有する。
第1収容室2F1は、収容室に相当し、投射レンズ4と連結される第1筐体2Fの内部に形成される。第1収容室2F1は、画像投射ユニット3を収容する。すなわち、第1収容室2F1は、光源31、光変調素子35及び投射レンズ4を密閉状態にて収容する。第1収容室2F1の内部には、上記した冷却媒体が充填されている。
受熱面2F2は、第1収容室2F1の内部に露出している。すなわち、受熱面2F2は、内部に第1収容室2F1を形成する第1筐体2Fの内面の少なくとも一部である。本実施形態では、受熱面2F2は、第1筐体2Fの内面である。
放熱面2F3は、第1収容室2F1の外部に露出している。詳述すると、放熱面2F3は、第1筐体2Fの外面であり、外装筐体2Eの外部に露出している。放熱面2F3は、受熱面2F2にて受熱した熱を、外装筐体2Eの外部に放熱する。
なお、放熱面2F3のうち、光源31に対して駆動部6に近接する放熱面2F3には、第2放熱フィン2C1が設けられている。一方、図5では、第1放熱フィン2B1は図示されていないが、第1筐体2Fは、第1放熱フィン2B1を備えていてもよい。
第1筐体2Fは、凹部2F4を更に備える。
凹部2F4は、第1筐体2Fにおいて投射レンズ4が露出される外面から、投射レンズ4による画像光の投射方向とは反対方向に凹んだ部分である。第2筐体2Gは凹部2F4に組み合わされる。換言すると、外装筐体2Eは、第1筐体2Fによって形成される第1収容室2F1と、第2筐体2Gによって形成される第2収容室2G1とを区画する区画部2E1を備える。
[第2筐体の構成]
第2筐体2Gは、第1筐体2Fと組み合わされて、略直方体形状の外装筐体2Eを構成する。第2筐体2Gは、第2収容室2G1、導入口2G2及び排出口2G3を有する。
第2収容室2G1の内部には、電源5、受熱板32の一部、冷却ファン7E、及び、放熱部材8が配置される。
導入口2G2は、外装筐体2Eの外部の気体を冷却気体として第2筐体2Gの内部に導入する。導入口2G2は、第2筐体2Gの外面において投射レンズ4側の部分に設けられている。
排出口2G3は、第2筐体2Gの内部を流通した冷却気体を外装筐体2Eの外部に排出する。排出口2G3は、第2筐体2Gの外面において投射レンズ4とは反対側の部分に設けられている。
本実施形態では、受熱板32は、第1筐体2Fと第2筐体2Gとに跨って配置されており、受熱板32の一端は、第2収容室2G1内に配置され、受熱板32の他部は、第1収容室2F1内に配置されている。図5の例では、受熱板32は、受熱面2F2と接続されていないが、受熱面2F2と接続されていてもよい。例えば、受熱板32は、第1放熱フィン2B1が設けられる放熱面2F3に対応する受熱面2F2に接続されていてもよい。
放熱部材8は、第2収容室2G1内に配置され、受熱板32の一端と接続されている。放熱部材8は、受熱板32から伝達される光源31の熱を放熱する。このような放熱部材8は、冷却ファン7Eによって流通する冷却気体に熱を伝達するヒートシンクによって構成できる。
冷却ファン7Eは、導入口2G2から第2収容室2G1に導入された冷却気体を放熱部材8に流通させる。冷却ファン7Eが駆動されると、冷却ファン7Eの吸引力によって、導入口2G2から外装筐体2Eの外部の冷却気体が第2収容室2G1に導入される。第2収容室2G1に導入された冷却気体は、冷却ファン7Eによって放熱部材8に送出され、放熱部材8に流通する。これにより、放熱部材8に伝達された光源31の熱が冷却気体に伝達され、ひいては、光源31が更に冷却される。
放熱部材8を流通して熱を帯びた冷却気体は、排出口2G3から外装筐体2Eの外部に排出される。
なお、第1収容室2F1に充填された冷却媒体は、第3及び第4実施形態に係る第1収容室2A1に充填された冷却媒体と同様に、駆動部6によって、光源31、入射側偏光板351、液晶パネル352及び出射側偏光板355に流通して、光源31、入射側偏光板351、液晶パネル352及び出射側偏光板355を冷却する。これら熱源HSを冷却した冷却媒体は、第1筐体2Fの内面に沿って流通し、投射レンズ4に到達する。
投射レンズ4に到達した冷却媒体は、受熱面2F2に沿って流通し、受熱面2F2に熱を伝達する。これにより、冷却媒体が冷却される。冷却された冷却媒体は、駆動部6によって吸引され、再び、光源31、入射側偏光板351、液晶パネル352及び出射側偏光板355に流通する。
一方、受熱面2F2によって受熱された冷却媒体の熱は、第2放熱フィン2C1によって外装筐体2Eの外部に放熱される。
[第5実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Eは、第3実施形態に係るプロジェクター1Cと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Eは、第1筐体2Fに隣接し、第1筐体2Fとともにプロジェクター1Eの外装筐体2Eの一部を成す第2筐体2Gを備える。第2筐体2Gは、導入口2G2及び排出口2G3を備える。導入口2G2は、第2筐体2Gの外部の気体を第2筐体2Gの内部に導入する。排出口2G3は、第2筐体2Gの内部の気体を第2筐体2Gの外部に排出する。
このような構成によれば、第1筐体2F内の構成と、第2筐体2G内の構成とを分離できる。従って、第2筐体2G内の構成を、第1筐体2F内の構成から独立して冷却できる。
プロジェクター1Eは、第2筐体2Gの内部に設けられ、導入口2G2から導入された気体を第2筐体2Gの内部にて流通させる冷却ファン7Eを備える。
このような構成によれば、第2筐体2Gの内部に第2筐体2Gの外部の気体を流通させやすくすることができる。
プロジェクター1Eは、第2筐体2Gの内部に設けられ、光源31及び光変調素子35のうち少なくとも一方に電力を供給する電源5を備える。本実施形態では、電源5は、光源31及び光変調素子35のそれぞれに電力を供給する。
このような構成によれば、電源5を、第1筐体2Fから隔離することによって、電源5の熱が第1筐体2F内の画像投射ユニット3に影響を及ぼすことを抑制できる。従って、第1筐体2F内の温度上昇を抑制でき、プロジェクター1E全体の冷却効率を維持できる。
[実施形態の変形]
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記各実施形態では、画像投射ユニット3は、光源31及び光変調素子35の他、受熱板32、リフレクター33、第1レンズ34、第2レンズ36、光路変更部材37及び投射レンズ4を備えるとした。しかしながら、これに限らず、画像投射ユニット3は、少なくとも光源31、光変調素子35及び投射レンズ4を備えればよく、受熱板32、リフレクター33、第1レンズ34、第2レンズ36及び光路変更部材37のうち、少なくとも1つの光学部品は無くてもよい。例えば、プロジェクターは、光路変更部材37を備えなくてもよい。また例えば、プロジェクターは、第1レンズ34及び第2レンズ36のうち、少なくとも一方のレンズを備えていなくてもよく、第1レンズ34及び第2レンズ36のうち、少なくとも一方のレンズは、フレネルレンズでなくてもよい。更に例えば、画像投射ユニット3は、上記光学部品の他、他の光学部品を含んでいてもよい。
また、第1筐体2A,2B,2C,2Fは、必ずしも投射レンズ4と連結されなくてもよい。すなわち、本開示の第1筐体は、投射レンズ全体を内部に収容していてもよい。
上記第1~第4実施形態では、受熱面2A2は、第1筐体2A,2B,2Cの内面であるとした。上記第5実施形態では、受熱面2F2は、第1筐体2Fの内面であるとした。しかしながら、これに限らず、受熱面2A2は、第1筐体2A,2B,2Cの内面のうち、冷却媒体と接触可能な内面の一部であってもよい。受熱面2F2も同様である。
上記第1~第4実施形態では、放熱面2A3は、第1筐体2A,2B,2Cの外面であるとした。上記第5実施形態では、放熱面2F3は、第1筐体2Fの外面であるとした。しかしながら、これに限らず、放熱面2A3は、第1筐体2A,2B,2Cの外面のうちの一部であってもよい。放熱面2F3も同様である。
上記各実施形態では、光変調素子35は、入射側偏光板351、液晶パネル352及び出射側偏光板355を備えるとした。しかしながら、これに限らず、光変調素子35は、入射光を変調して画像情報に応じた画像光を形成可能であれば、液晶パネルに代えて他の光変調パネルを備えるものであってもよい。
また例えば、光変調素子35に入射される光が、一種類の直線偏光光である場合には、入射側偏光板351を省略してもよい。
上記各実施形態では、液晶パネル352は、透過型液晶素子353と、透過型液晶素子353の光出射面3532に配置されたカラーフィルター354と、を備えるとした。しかしながら、これに限らず、液晶パネル352は、透過型液晶素子353に代えて、光の入射方向とは反対方向に画像光を出射する反射型液晶素子を備えていてもよい。
また、液晶パネル352は、カラーフィルター354を備えていなくてもよく、カラーフィルター354は、上記のように単色のカラーフィルターであってもよい。
上記各実施形態では、入射側偏光板351の光入射面3511は、第1収容室2A1,2F1の内部に露出しているとした。すなわち、入射側偏光板351の光入射面3511は、第1収容室2A1,2F1に充填された冷却媒体と接触可能であるとした。しかしながら、これに限らず、入射側偏光板351の光入射面3511は、第1収容室2A1,2F1の内部に露出せず、冷却媒体と接触可能でなくてもよい。入射側偏光板351の光出射面3512も同様である。
上記各実施形態では、出射側偏光板355は、液晶パネル352の光出射面3522に接して固定されているとした。しかしながら、これに限らず、出射側偏光板355と液晶パネル352とは、互いに離間して配置されていてもよい。この場合、出射側偏光板355の光入射面3551は、第1収容室2A1,2F1の内部に露出していてもよく、露出していなくてもよい。
また、出射側偏光板355の光出射面3552は、第1収容室2A1,2F1の内部に露出しているとした。しかしながら、これに限らず、出射側偏光板355の光出射面3552は、第1収容室2A1,2F1の内部に露出せず、冷却媒体と接触可能でなくてもよい。
上記各実施形態では、画像投射ユニット3は、光源31の熱を受熱する受熱板32を備え、受熱板32は、受熱面2A2に接続され、受熱した熱を受熱面2A2に放熱するとした。しかしながら、これに限らず、受熱板32は無くてもよい。
上記第2~第4実施形態では、第1筐体2B,2Cは、放熱面2A3に設けられる第1放熱フィン2B1を備え、第1放熱フィン2B1は、複数のフィン2B2を有するとした。上記第2、第3及び第5実施形態では、第1筐体2C,2Fは、放熱面2A3に設けられる第2放熱フィン2C1を備え、第2放熱フィン2C1は、複数のフィン2C2を有するとした。しかしながら、これに限らず、第1放熱フィン2B1及び第2放熱フィン2C1のうち、少なくとも一方は無くてもよい。
また、第1放熱フィン2B1及び第2放熱フィン2C1は、放熱面2A3に設けられるとした。しかしながら、第1筐体の外面の全てが放熱面2A3でない場合等においては、第1放熱フィン2B1及び第2放熱フィン2C1のうち、少なくとも一方の放熱フィンは、放熱面2A3に設けられていなくてもよい。
更に、放熱フィン2B1,2C1のうち少なくとも1つの放熱フィンは、複数のフィンに代えて、複数のピンを備えていてもよい。
上記第3~第5実施形態では、プロジェクター1C,1D,1Eは、第1筐体2C,2F内に配置される駆動部6を備えるとした。しかしながら、これに限らず、プロジェクター1C,1D,1Eは、駆動部6を備えなくてもよい。なお、上記のように、冷却媒体が気体冷媒であれば、駆動部6はファンを備える構成とすることができ、冷却媒体が液体冷媒であれば、駆動部6はポンプを備える構成とすることができる。
上記各実施形態では、プロジェクター1A,1B,1C,1D,1Eは、第1筐体2A,2B,2Cの内部又は第2筐体2Gの内部に配置される電源5を備えるとした。しかしながら、電源5は、第1筐体の内部又は第2筐体の内部に必ずしも配置されていなくてもよい。また、プロジェクターは、光源31に電力を供給する第1電源と、光変調素子35に電力を供給する第2電源とを備えていてもよい。この場合、第1電源及び第2電源のうち、一方の電源が、第1筐体の内部に配置され、他方の電源が、第2筐体の内部に配置されていてもよい。
上記第4実施形態では、プロジェクター1Dは、外装筐体2Dの内部に配置され、導入口2D1から外装筐体2Dの外部の気体を外装筐体2Dの内部に冷却気体として導入し、導入した冷却気体を、第1放熱フィン2B1及び第2放熱フィン2C1に流通させる冷却ファン7を備えるとした。しかしながら、これに限らず、冷却ファン7は無くてもよい。
また、上記のように、外装筐体2D内に設けられる冷却ファン7の数は、適宜変更可能である。
上記第5実施形態では、プロジェクター1Eは、第2筐体2Gの内部に配置され、導入口2G2から外装筐体2Eの外部の気体を第2筐体2Gの内部に冷却気体として導入し、導入した冷却気体を、電源5及び放熱部材8に流通させる冷却ファン7Eを備えるとした。しかしながら、これに限らず、冷却ファン7Eは無くてもよい。
また、第2筐体2G内に設けられる冷却ファン7Eの数は、適宜変更可能である。
上記各実施形態では、冷却媒体は、ヘリウムガスと、水素ガスと、ハイドロフルオロエーテル系の液体冷媒とのうちのいずれかであるとした。しかしながら、これに限らず、冷却媒体の種類は、適宜変更可能であり、複数種類の冷媒を混合させて筐体内に充填させてもよい。
上記第4実施形態では、プロジェクター1Dの姿勢が第1姿勢である場合、図4に示したように、光源31から出射された光は、鉛直方向とは反対方向に進行し、光路変更部材37によって反射されて水平方向に沿って進行するとした。しかしながら、これに限らず、第1筐体2Cにおける画像投射ユニット3のレイアウトは適宜変更可能である。例えば、光源31は、水平方向に沿って出射してもよく、投射レンズ4は、上方又は下方に画像光を投射してもよい。このような場合でも、第1筐体2Cの外面のうち、鉛直方向とは反対方向を向く外面、すなわち、上方を向く外面に第2放熱フィン2C1が設けられていることが好ましい。
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[付記1]
白色光を出射する光源と、
画像信号に基づいて前記白色光を変調してカラーの画像光を出射する1つの光変調素子と、
前記画像光を投射する投射レンズと、
前記投射レンズと連結され、前記光源、前記光変調素子及び前記投射レンズを収容する第1筐体と、を備え、
前記第1筐体は、
前記光源、前記光変調素子及び前記投射レンズを密閉状態にて収容する収容室と、
前記収容室の内部に露出した受熱面と、
前記収容室の外部に露出して、前記受熱面にて受熱した熱を放熱する放熱面と、を有し、
前記収容室の内部には、前記光源の熱及び前記光変調素子の熱を吸熱し、前記収容室を対流して前記受熱面に熱を伝達する冷却媒体が充填されている、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、熱源である光源及び光変調素子は、第1筐体において密閉された収容室に収容される。収容室の内部に充填された冷却媒体は、光源の熱及び光変調素子の熱を吸熱し、収容室内の温度差によって対流して収容室内を撹拌する。そして、冷却媒体の熱は、冷却媒体が対流する過程にて、第1筐体の受熱面に伝達されることによって、光源及び光変調素子が冷却される。
このように、自然に対流する冷却媒体を、光源及び光変調素子が配置される収容室内に充填することによって光源及び光変調素子を冷却できるので、部品点数を低減できる。従って、プロジェクターを小型に維持しながら、光源から出射されて光変調素子に入射される光量を大きくでき、ひいては、投射される画像光の輝度を高めることができる。
[付記2]
付記1に記載のプロジェクターにおいて、
前記光変調素子は、
液晶パネルと、
前記液晶パネルの光入射側に配置された入射側偏光板と、
前記液晶パネルの光出射側に配置された出射側偏光板と、を備え、
前記入射側偏光板と前記液晶パネルとは、前記収容室の一部が存在するように互いに離間している、ことを特徴とするプロジェクター。
ここで、液晶パネルによって画像を形成する場合、液晶パネルには、1種類の直線偏光光が入射される必要がある。このため、光源から出射されて入射側偏光板に入射する光が、1種類の偏光光に揃えられていない場合には、入射側偏光板も熱源となる。
これに対し、上記構成によれば、入射側偏光板と液晶パネルとの間に、収容室の一部が存在するので、入射側偏光板と液晶パネルとの間に冷却媒体を流通させることができる。従って、入射側偏光板と液晶パネルとを効率よく冷却できる。
[付記3]
付記2に記載のプロジェクターにおいて、
前記入射側偏光板の光入射面は、前記収容室の内部に露出する、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、入射側偏光板の光入射面及び光出射面のそれぞれが冷却媒体と接触可能である。従って、入射側偏光板を冷却媒体によって効率よく冷却できる。
[付記4]
付記2又は付記3に記載のプロジェクターにおいて、
前記出射側偏光板は、前記液晶パネルの光出射面に接して固定され、
前記出射側偏光板の光出射面は、前記収容室の内部に露出する、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、出射側偏光板の光出射面には、冷却媒体が接触可能である。このため、出射側偏光板を冷却媒体によって冷却できる。
また、出射側偏光板は、液晶パネルの光出射面に固定されるので、光変調素子が大型化することを抑制できる。
[付記5]
付記1から付記4のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記液晶パネルは、
入射する光の進行方向に沿って前記画像光を出射する透過型液晶素子と、
前記透過型液晶素子の光出射面に配置されたカラーフィルターと、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、光変調素子によって、画像信号に応じたフルカラーの画像光を形成できる。
[付記6]
付記1から付記5のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記光源の熱を受熱する受熱板を備え、
前記受熱板は、前記受熱面に接続され、受熱した熱を前記受熱面に放熱する、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、光源の熱を、受熱板を介して第1筐体の受熱面に放熱できる。従って、冷却媒体と第1筐体とによって、光源の冷却効率を高めることができる。
[付記7]
付記6に記載のプロジェクターにおいて、
前記受熱板に対向する前記第1筐体の外面に設けられた複数のフィンを備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1筐体の外面に設けられた複数のフィンによって、受熱板を介して伝達される光源の熱を効果的に放熱できる。従って、光源の冷却効率を高めることができる。
[付記8]
付記7に記載のプロジェクターにおいて、
前記複数のフィンは、前記放熱面に設けられている、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、複数のフィンによって、収容室の内部の冷却媒体から伝達された熱を効率よく放熱できる。
[付記9]
付記1から付記8のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記第1筐体の内部に設けられ、前記冷却媒体を流通させる駆動部を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、駆動部によって、収容室内における冷却媒体の流通を補助できる。従って、光源及び光変調素子の冷却効率を高めることができる。
[付記10]
付記1から付記9のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記光変調素子と前記投射レンズとの間に設けられる光路変更部材を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、光路変更部材に入射する光の入射方向と、光路変更部材から出射された光の進行方向とによって定義される第1筐体の面積を小さくしつつ、第1筐体の内部における光変調素子と投射レンズとの間の光路長を長くできる。従って、光路変更部材を備えないプロジェクターに比べて、投射レンズと、投射レンズによって画像光が投射される被投射面との間の距離が同じ場合に、より大きな画像を被投射面に投射できる。
[付記11]
付記1から付記10のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記光源から出射された前記白色光を集光して、前記光変調素子に向けて出射するフレネルレンズを備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、光源と光変調素子との間の光路長を小さくできる。従って、第1筐体の小型化を図ることができ、ひいては、プロジェクターの小型化を図ることができる。
[付記12]
付記1から付記11のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記第1筐体の内部に設けられ、前記光源及び前記光変調素子のうち少なくとも一方に電力を供給する電源を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、電源が第1筐体の内部に設けられていることによって、熱源となる電源も、冷却媒体によって冷却できる。
[付記13]
付記1から付記11のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記プロジェクターの外装を構成し、前記第1筐体を収容する外装筐体を備え、
前記外装筐体は、
前記外装筐体の内面と前記第1筐体の外面との間に前記外装筐体の外部の気体を導入する導入口と、
前記外装筐体の内部の気体を前記外装筐体の外部に排出する排出口と、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、外装筐体の外部から内部に導入され、外装筐体の内部を流通した後に外装筐体の外部に排出される気体を、外装筐体の内部に収容された第1筐体に流通させることができる。従って、第1筐体の内部に配置された熱源の熱を、第1筐体に流通する気体に伝達させることができるので、熱源の冷却効率を高めることができる。
[付記14]
付記13に記載のプロジェクターにおいて、
前記外装筐体の内部に設けられ、前記導入口から導入された気体を前記第1筐体に沿って流通させる冷却ファンを備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、冷却ファンによって、外装筐体内に導入した気体を第1筐体に効率よく流通させることができる。従って、第1筐体内の熱源の冷却効率を高めることができる。
[付記15]
付記1から付記11のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記第1筐体に隣接し、前記第1筐体とともに前記プロジェクターの外装筐体の一部を成す第2筐体を備え、
前記第2筐体は、
前記第2筐体の外部の気体を前記第2筐体の内部に導入する導入口と、
前記第2筐体の内部の気体を前記第2筐体の外部に排出する排気口と、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1筐体内の構成と、第2筐体内の構成とを分離できる。従って、第2筐体内の構成を、第1筐体内の構成から独立して冷却できる。
[付記16]
付記15に記載のプロジェクターにおいて、
前記第2筐体の内部に設けられ、前記導入口から導入された気体を前記第2筐体の内部にて流通させる冷却ファンを備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第2筐体の内部に第2筐体の外部の気体を流通させやすくすることができる。
[付記17]
付記15又は付記16に記載のプロジェクターにおいて、
前記第2筐体の内部に設けられ、前記光源及び前記光変調素子のうち少なくとも一方に電力を供給する電源を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、電源を、第1筐体から隔離することによって、電源の熱が第1筐体内の構成に影響を及ぼすことを抑制できる。従って、第1筐体内の温度上昇を抑制でき、プロジェクター全体の冷却効率を維持できる。
[付記18]
付記1から付記17のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記冷却媒体は、ヘリウムガスと、水素ガスと、ハイドロフルオロエーテル系の液体冷媒とのうちのいずれかである、ことを特徴とするプロジェクター。
冷却媒体として、上記に列挙した熱伝導性が高い冷却媒体又は比熱の高い冷却媒体を用いることによって、熱源である光源及び光変調素子の冷却性能を高めることができる。
1A,1B,1C,1D,1E…プロジェクター、2A,2B,2C,2F…第1筐体、2A1…第1収容室(収容室)、2A2…受熱面、2A3…放熱面、2B1…第1放熱フィン、2B2…フィン、2C1…第2放熱フィン、2C2…フィン、2D,2E…外装筐体、2D1…導入口、2D2…排出口、2D3,2D4…外面、2D5…脚部、2G…第2筐体、2G1…第2収容室、2G2…導入口、2G3…排出口、3…画像投射ユニット、31…光源、32…受熱板、33…リフレクター、34…第1レンズ、342…光出射面、35…光変調素子、351…入射側偏光板、3511…光入射面、3512…光出射面、352…液晶パネル、3522…光出射面、353…透過型液晶素子、3531…光入射面、3532…光出射面、354…カラーフィルター、355…出射側偏光板、3551…光入射面、3552…光出射面、36…第2レンズ、361…光入射面、362…光出射面、37…光路変更部材、371…光入射面、372…面、4…投射レンズ、5…電源、6…駆動部、7,7E…冷却ファン、8…放熱部材、HS…熱源、SF…載置面。

Claims (18)

  1. 白色光を出射する光源と、
    画像信号に基づいて前記白色光を変調してカラーの画像光を出射する1つの光変調素子と、
    前記画像光を投射する投射レンズと、
    前記投射レンズと連結され、前記光源、前記光変調素子及び前記投射レンズを収容する第1筐体と、を備え、
    前記第1筐体は、
    前記光源、前記光変調素子及び前記投射レンズを密閉状態にて収容する収容室と、
    前記収容室の内部に露出した受熱面と、
    前記収容室の外部に露出して、前記受熱面にて受熱した熱を放熱する放熱面と、を有し、
    前記収容室の内部には、前記光源の熱及び前記光変調素子の熱を吸熱し、前記収容室を対流して前記受熱面に熱を伝達する冷却媒体が充填されている、ことを特徴とするプロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
    前記光変調素子は、
    液晶パネルと、
    前記液晶パネルの光入射側に配置された入射側偏光板と、
    前記液晶パネルの光出射側に配置された出射側偏光板と、を備え、
    前記入射側偏光板と前記液晶パネルとは、前記収容室の一部が存在するように互いに離間している、ことを特徴とするプロジェクター。
  3. 請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
    前記入射側偏光板の光入射面は、前記収容室の内部に露出する、ことを特徴とするプロジェクター。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
    前記出射側偏光板は、前記液晶パネルの光出射面に接して固定され、
    前記出射側偏光板の光出射面は、前記収容室の内部に露出する、ことを特徴とするプロジェクター。
  5. 請求項2又は請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
    前記液晶パネルは、
    入射する光の進行方向に沿って前記画像光を出射する透過型液晶素子と、
    前記透過型液晶素子の光出射面に配置されたカラーフィルターと、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記光源の熱を受熱する受熱板を備え、
    前記受熱板は、前記受熱面に接続され、受熱した熱を前記受熱面に放熱する、ことを特徴とするプロジェクター。
  7. 請求項6に記載のプロジェクターにおいて、
    前記受熱板に対向する前記第1筐体の外面に設けられた複数のフィンを備える、ことを特徴とするプロジェクター。
  8. 請求項7に記載のプロジェクターにおいて、
    前記複数のフィンは、前記放熱面に設けられている、ことを特徴とするプロジェクター。
  9. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記第1筐体の内部に設けられ、前記冷却媒体を流通させる駆動部を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
  10. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記光変調素子と前記投射レンズとの間に設けられる光路変更部材を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
  11. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記光源から出射された前記白色光を集光して、前記光変調素子に向けて出射するフレネルレンズを備える、ことを特徴とするプロジェクター。
  12. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記第1筐体の内部に設けられ、前記光源及び前記光変調素子のうち少なくとも一方に電力を供給する電源を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
  13. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記プロジェクターの外装を構成し、前記第1筐体を収容する外装筐体を備え、
    前記外装筐体は、
    前記外装筐体の内面と前記第1筐体の外面との間に前記外装筐体の外部の気体を導入する導入口と、
    前記外装筐体の内部の気体を前記外装筐体の外部に排出する排出口と、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
  14. 請求項13に記載のプロジェクターにおいて、
    前記外装筐体の内部に設けられ、前記導入口から導入された気体を前記第1筐体に沿って流通させる冷却ファンを備える、ことを特徴とするプロジェクター。
  15. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記第1筐体に隣接し、前記第1筐体とともに前記プロジェクターの外装筐体の一部を成す第2筐体を備え、
    前記第2筐体は、
    前記第2筐体の外部の気体を前記第2筐体の内部に導入する導入口と、
    前記第2筐体の内部の気体を前記第2筐体の外部に排出する排気口と、を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
  16. 請求項15に記載のプロジェクターにおいて、
    前記第2筐体の内部に設けられ、前記導入口から導入された気体を前記第2筐体の内部にて流通させる冷却ファンを備える、ことを特徴とするプロジェクター。
  17. 請求項15に記載のプロジェクターにおいて、
    前記第2筐体の内部に設けられ、前記光源及び前記光変調素子のうち少なくとも一方に電力を供給する電源を備える、ことを特徴とするプロジェクター。
  18. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記冷却媒体は、ヘリウムガスと、水素ガスと、ハイドロフルオロエーテル系の液体冷媒とのうちのいずれかである、ことを特徴とするプロジェクター。
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