JP4860663B2 - 液晶ユニット部の冷却方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶パネルを用いて映像を投写表示する投射型表示装置に関し、特に液晶パネルと偏光板とを効果的に冷却する冷却機構、およびその冷却方法に関する。
投射型表示装置である液晶プロジェクタ装置は、ランプ発光効率の改善やライトバルブの高精細化・広開口率化、照明光学系の改良などにより、投写画像品質を飛躍的に向上させ、現在ではホームシアターから業務用プレゼンテーションにまで幅広く利用されている。
この液晶プロジェクタ装置の基本構成について説明する。図11は従来技術の一般的な液晶プロジェクタ装置の基本構成を示す模式図である。本願発明の液晶プロジェクタ装置もこの構成を基本として組み立てられているので共通の要素については同一の符号で表示する。この液晶プロジェクタ装置1の基本構成は、図11に示すように、1)照明光学系2、2)色分離光学系7、3)結像光学系12の3つブロックにより構成される。
このうち照明光学系2は超高圧水銀ランプのような高輝度ランプからなる光源3と、光源3の光を反射するリフレクタ4と、リフレクタ4からの反射光の照度分布を均一化させるための光インテグレータ5a、5b、およびランプからのランダム偏光を直線偏光に揃えるための偏光ビームスプリッタ(PBS)6、およびフィールドレンズ11aを有する。
照明光学系2に続く色分離光学系7は、フィールドレンズ11b、照明光学系2からの全光束を赤(R)・緑(G)・青(B)からなる各色光束に分離し、対応する各々の液晶パネルへ入射させるためのダイクロイックミラー8a、8b、反射ミラー9a、9b、9c、9d、およびリレーレンズ10a、10bを有する。
色分離光学系7に続く結像光学系12は、色分離光学系7から入射される各色光束を与えられた画像情報にしたがって変調する光変調部13と、変調された各色光束を合成する色合成プリズム14と、合成光をスクリーン上に投影する投写レンズ15とを有する。
このうち結像光学系12の光変調部13は、透過型表示デバイスである3個の液晶パネル16a、16b、16cと、それぞれの液晶パネルの入射面側に配置される入射側偏光板17a、17b、17cと、それぞれの液晶パネルの出射面側に配置される出射側偏光板18a、18b、18cとを有する。
TN(Twisted Nematic)液晶パネルは特定の直線偏光成分しか扱えないため、入射側偏光板17a、17b、17cにおいて色分離光学系7からの各色光束を所定の偏光方向(P偏光)に揃え、そのP偏光光は液晶パネル16a、16b、16cで変調されたのち、変調光のS偏光成分のみが出射側偏光板18a、18b、18cから透過される。
ここで説明する光学構成は、ランプ光を3原色に分離して3枚の液晶パネルで各々に変調を行う3板式の液晶プロジェクタであるが、1枚の液晶パネルのみを用いた低輝度で安価な単板式の液晶プロジェクタにおいても、同様の構成からなる光変調部が用意されている。
このような構成の光変調部13において、入射側偏光板17a、17b、17cと出射側偏光板18a、18b、18cは、各々1軸方向の偏光光のみを通過させ他の偏光光を遮蔽するため、吸光により発熱し易く、液晶パネル16a、16b、16cもまた各画素の境界にあるブラックマトリクスで透過光が遮光されるため、動作時に発熱を伴う。
これら液晶パネルや偏光板には有機材料を用いることも多く、長時間にわたって波長の短い光が照射されたり、高温環境に曝されたりすると、パネルの配向膜がダメージを受けたり、偏光選択特性が低下したりするなど、その機能が著しく損なわれてしまうことがある。その結果、製品寿命の低下に伴ってユニット交換によるランニングコストの増加を招いたり、各色光特性の変動による合成投写画像の劣化を引き起こしたりするため、これらの光変調部には熱対策が必要となる。
以下に、入射側偏光板や出射側偏光板および液晶パネル(以後、これらの部材の組み合わせの1組を液晶ユニットと呼称し、3個の液晶ユニットと色合成プリズムとが組み合わさった構成を液晶ユニット部と呼称する)の温度上昇を抑制するために、従来用いられている冷却方法について簡単に説明する。
図12は従来例1の強制空冷による液晶ユニット冷却方法の一例を示す模式図であり、(a)は斜視図、(b)は模式的断面図である。冷却ファン120は、図示せぬ液晶プロジェクタ筐体の吸気口から外気を取り入れ、パネルダクト121を介してファン出口から液晶ユニット部123の各液晶ユニット119直下のダクト開口部122a、122b、122cまで冷却風124を導風する。
このとき3個の液晶ユニット119のそれぞれを構成する入射側偏光板117、液晶パネル116、出射側偏光板118の各部材は、それぞれ離間して配置されているので、その間隙を下方から上方へ冷却風124が通過することにより、強制対流熱伝達で被冷却面から熱量を奪い排熱が行なわれる。
また、特許文献1および特許文献2には冷媒液を充填した冷媒容器を用いた液晶ユニット冷却機構が開示されている。図13は特許文献1に記載の従来例2の液晶ユニット冷却機構の模式的断面図であり、図14は特許文献2に記載の従来例3の液晶ユニット冷却機構の模式的斜視図である。
図13に示す従来例2では、液晶ユニット部223の出射側偏光板218とシールド基板244との間に冷媒容器243によって冷媒液233が充填されており、冷媒容器243を色合成プリズム214のホルダ部材228の側壁に固定しており、冷媒容器243の構成に特徴を持たせている。また図14に示す従来例3では、液晶ユニット部323の冷媒容器343によって冷媒液を充填させ、冷却の対象とする光学部材を出射側偏光板の他に液晶パネル316まで拡張したことを特徴としている。
また、特許文献3にはヒートシンクを循環ダクト内に設けた液晶ユニット冷却機構が開示されている。図15は特許文献3に記載の従来例4の液晶ユニット冷却機構の模式的斜視図である。この従来例4では、入射側偏光板、液晶パネル、出射側偏光板を有する液晶ユニット部423を強制空冷で冷却する際に、ダクトを密閉循環型に設定して、閉じた系内を流れる空気流を冷却するためにヒートシンク438を密閉循環ダクト446の途中に設けている。
また、特許文献4にはベルチェ素子を介したヒートシンクをダクトに設けた液晶ユニット冷却機構が開示されている。図16は特許文献4に記載の従来例5の液晶ユニット冷却機構の模式的斜視図である。この従来例では、冷却ファン520からのダクト521の途中の通路にペルチェ素子539と接続された冷却用の第1のヒートシンク538aを嵌入し、ペルチェ素子539の発熱側に放熱用の第2のヒートシンク538bを接続して、液晶ユニット(図示せず)に送風する空気の温度を予め下げておくことにより、冷却効果を高める作用を狙っている。
特開2002−287244号公報 特開2003−195253号公報 特開平11−160793号公報 特開2000−269674号公報
近年の液晶プロジェクタに対する小型・高輝度化への要求は、ランプ出力の増加と表示デバイスの小型化を促進し、液晶ユニットへ入射される光束密度の増加による熱負荷の上昇を招いている。
たとえば2000lmクラスの液晶プロジェクタ装置(1.0型−XGA)では、液晶ユニットの総発熱量は15W前後で出射側偏光板熱流束は0.6W/cm2程度であるが、5000lmクラスの輝度になると液晶ユニットの総発熱量は35W以上、出射側偏光板熱流束は1.4W/cm2以上にまで到達する。
このような場合、従来例1のような強制空冷ではファンの送風量を増加させて発熱体の周りの風速を高め、熱伝達効率を改善して発熱体からの伝熱量を増加させることにより冷却性能を引き上げて、増大する熱負荷に対応してきた。
このファン送風量の増加には大口径ファンの採用や回転数の高速化といった手法が取られるが、液晶ユニットの冷却には、その実装構造上の制約により多くは後者が採用される。しかしながらファン回転数の上昇はそのまま騒音の増加に繋がるため、利用者の快適性を阻害し商品価値を下げることになる。そのため従来例2〜5のような色々な対策がとられてきた。
冷媒容器243、343によって充填した冷媒液を出射側偏光板や液晶パネル317に接触させて熱拡散を行って放熱する従来技術2および3には、以下のような問題がある。
第1の問題点は画像の品質である。液晶ユニット部材間(例えば上述の特許文献2に開示されているような液晶パネルと出射側偏光板との間)に冷媒液を充填することにより光透過空間に液層が介在するような場合、気泡の発生や熱輸送による冷媒密度の変動、およびそれに起因した対流揺らぎ等で液層を透過する光の偏光が乱れ、出射側偏光板118を通過する画像情報に乱れが生じ、投写画像品質が劣化する。
第2の問題点は信頼性と実装の難しさである。封止された冷媒液を介して液晶ユニット部223、323の液晶ユニット部材の放熱を行う場合、冷媒液は使用条件に応じて膨張収縮を繰り返す。これに対応するため冷媒容器には調圧機構が設けられているが、長期使用に伴って調圧部材の破損による液漏れの危険が発生する。また冷媒容器243、343の封止構造、調圧構造が複雑化すると液晶ユニットの組立性が阻害される。
本発明の目的は、低騒音で冷却効率の高い液晶ユニット冷却方法を提供することであり、これにより小型・高輝度化に対応した長寿命で静かな投射型表示装置を提供することにある。
本発明の液晶ユニットの冷却方法は、
複数の液晶パネルと、複数の液晶パネルの前後に配置された入射側偏光板および出射側偏光板と、色合成素子と、出射側偏光板および色合成素子を上下から保持する一対のホルダ部材と、を備えた液晶ユニット部の冷却方法に係る。この態様において、冷却風を作る冷却ファン、冷却風の経路を形成するダクト、冷媒液を冷却する冷媒液冷却手段、冷媒液の流路を有し外部から受け取った熱を該流路内の冷媒液へ移動させるジャケット部材、該冷媒液冷却手段と該ジャケット部の間で冷媒液を循環させる循環手段、および外部から熱を受け取って該熱を周囲に放出するフィン部材を用意する用意ステップと、冷却ファンを用いて入射側偏光板および液晶パネルに冷却風を吹き当てて入射側偏光板および液晶パネルを冷却することと、一対のホルダ部材のうちの一方のホルダ部材の、出射側偏光板および色合成素子を保持する面とは反対側の面にジャケット部材を設置して循環手段を用いて冷媒液を該ジャケット部材と冷媒液冷却手段との間で循環させることにより、出射側偏光板の熱をジャケット部材の流路中の冷媒液へ移動させて出射側偏光板を冷却することと、一対のホルダ部材のうちの他方のホルダ部材の、出射側偏光板および色合成素子を保持する面とは反対側の面にフィン部材を設置し、出射側偏光板の熱をフィン部材から外部に放出することにより出射側偏光板を冷却することと、冷却ファンからフィン部材までの間、および該フィン部材から入射側偏光板および色合成素子までの間にダクトを設置して、冷却ファンにより作られた冷却風をダクト内を通して入射偏光板および色合成素子に吹き当てる前にフィン部材に吹き当ててフィン部材を冷却して出射側偏光板を冷却し、フィン部材に吹き当てられた冷却風を入射側偏光板および液晶パネルに吹き当てて入射側偏光板および液晶パネルを冷却することと、を含む冷却ステップとを有する。
本発明の液晶ユニット部の冷却方法の他の態様は、複数の液晶パネルと、複数の液晶パネルの前後に配置された入射側偏光板および出射側偏光板と、色合成素子と、出射側偏光板および色合成素子を上下から保持する一対のホルダ部材と、を備えた液晶ユニット部の冷却方法であって、冷却風を作る冷却ファン、冷媒液を冷却する放熱フィンを有する空冷熱交換器、冷媒液の流路を有し外部から受け取った熱を該流路内の冷媒液へ移動させるジャケット部材、該空冷熱交換器と該ジャケット部の間で冷媒液を循環させる循環手段、および外部から熱を受け取って該熱を周囲に放出するフィン部材を用意する用意ステップと、冷却ファンを用いて入射側偏光板および液晶パネルに冷却風を吹き当てて入射側偏光板および液晶パネルを冷却することと、一対のホルダ部材のうちの一方のホルダ部材の、出射側偏光板および色合成素子を保持する面とは反対側の面にジャケット部材を設置して循環手段を用いて冷媒液を該ジャケット部材と空冷熱交換器との間で循環させることにより、出射側偏光板の熱をジャケット部材の流路中の冷媒液へ移動させて出射側偏光板を冷却することと、一対のホルダ部材のうちの他方のホルダ部材の、出射側偏光板および色合成素子を保持する面とは反対側の面にフィン部材を設置し、出射側偏光板の熱をフィン部材から外部に放出することにより出射側偏光板を冷却することと、放熱フィンを冷却ファンの空気取り入れ口の近傍に設けて冷却ファンの吸気によって放熱フィンを冷却して冷媒液を冷却することと、を含む冷却ステップとを有する。
冷却対象の内、液晶パネルと入射側偏光板は空冷方式で冷却するので位置設定の自由度を有し、位置固定可能な出射側偏光板は熱伝導率の高いフレーム部材を介して色合成プリズムの熱伝導率の高いホルダ部材と接続することにより固体間熱伝導によってホルダ部材に取り付けられた熱交換器に伝熱するので、空冷もしくは水冷で効率よく冷却できる。
上述した目的を達成するために、本発明の液晶プロジェクタ装置では、液晶ユニットの冷却機構を上述のような構成とすることで次のような作用が得られる。
すなわち、液晶ユニットを構成する液晶パネルと、入射側偏光板および出射側偏光板のうち、接合時に光軸に対してXYθの光学調整を要するために保持材との一体化が困難な液晶パネルと、その液晶パネルに対し偏光軸の調整を必要とする入射側偏光板とを強制空冷により冷却し、一方、調整の必要のない出射側偏光板は色合成プリズムを保持するホルダ部材を介して、固体間熱伝導によって水冷モジュールやヒートパイプといった外部熱交換器へ伝熱して冷却することができる。
この場合、強制空冷部は入射側偏光板と液晶パネルのみに送風を集約できるため、ファン風量を追加することなく高輝度化に対応した冷却を行うことができ、静音での冷却が可能になる。
一方、固体熱伝導部は色合成プリズムに近接する出射側偏光板に限定しているため、上述の空冷動作と干渉することなく、簡略化した保持構造により熱交換器への熱伝導が可能になる。
この際、出射側偏光板の固定においては、偏光板より熱伝導率の高い透光基板と色合成プリズムとの間に、空間を介さずに狭持する形で保持され、熱伝導性の高いフレーム部材で色合成プリズムの上下ホルダ部材に固定されることにより、色合成プリズムと透光基板の両面から偏光板の熱拡散が促進され、ヒートスポットの低減が図られるとともに、1)偏光板→色合成プリズム→ホルダ部材→熱交換器と、2)偏光板→透光基板→熱伝導性フレーム→ホルダ部材→熱交換器といった2つの経路から固体熱伝導が行われるので伝熱効率が高められる。
また出射側偏光板に熱接続されたホルダ部材のうちの強制空冷用パネルダクト側のホルダ部材にヒートシンクを設け、その放熱フィンを強制空冷用パネルダクトの内側に嵌入する構造を採用することによって、出射側偏光板の冷却機構を簡便化することができるとともに、もう片方の熱交換器の冷却負荷を半分にすることができるため、小型・低コストで組立性に優れた冷却方法となる。
さらに熱交換器のラジエータ部を、入射側偏光板および液晶パネル冷却用の強制空冷ファンの吸気口近傍に設けることによって、空冷用ファンの吸気の流れをラジエータ放熱に併用でき、冷却システム全体のファン実装容量を抑制することができ、より小型・低コストの冷却方法となる。
以上説明したように、本発明の投射型表示装置およびその液晶ユニット冷却機構は、入射側偏光板および液晶パネルを強制空冷により集中的に冷却し、出射側偏光板を固体熱伝導により熱交換器へ熱伝導させて冷却する構造を採用しているため、装置高輝度化にともなう吸光による発熱の増加に対して、ファン出力を増加させることなく冷却余裕を確保できるため、静音での冷却が可能になるという効果がある。
このとき出射側偏光板は、接触している熱伝導性に優れた透光基板と色合成プリズムとによって、入射側面および出射側面の双方から熱拡散の作用を受けながら上下のホルダ部材へ伝熱されるため、面内温度勾配の少ない効率的な冷却が可能となるという効果がある。
さらに下側のホルダ部材に接続する熱交換器をヒートシンクで代用し、ヒートシンクの放熱フィン部を、併用する強制空冷用のパネルダクト内部に嵌入して放熱させる構造を採用することにより、小型・低コストで組立性に優れた冷却システムを有する液晶プロジェクタ装置を提供することができるという効果がある。
また熱交換器のラジエータ部を、併用する強制空冷用の冷却ファンの吸気口近傍に設け、その吸気の流れを放熱に利用することで、冷却システム全体の小型実装と低騒音化および低コスト化を図ることが可能になるという効果がある。
以下に、本発明による液晶ユニット冷却機構の第1の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における液晶ユニット冷却機構の斜視図であり、図2は、図1の第1の実施の形態における液晶ユニット冷却機構の一部の分解図である。図3は、第1の実施の形態における出射側偏光板の保持構造を示した説明図であり、(a)は液晶ユニット冷却機構の部分断面図、(b)は出射側偏光板の保持構造の斜視図、(c)は出射側偏光板の保持構造の分解図である。図4は、本発明の第1の実施の形態における出射側偏光板の、その他の保持構造例を示した断面図である。図5は、本発明の第1の実施の形態の作用を示す断面図である。ここで、図11および図12を参照して従来技術で説明した一般的な液晶ユニット冷却機構と同一の機能を有する部分は同一の符号を付して説明する。
ここでは、上述のように1組の入射側偏光板や出射側偏光板および液晶パネルの組み合わせを液晶ユニット19と呼称し、3個の液晶ユニットに色合成プリズムと保持材とが組み合わさった構成を液晶ユニット部23と呼称する。
図1および図2において、本発明の液晶ユニット冷却機構25aは、液晶ユニット部23aと、空冷モジュール26aと、熱交換器として用いられる液冷モジュール27aとから構成されている。
このうち液晶ユニット部23aは、従来例の図11および図12で詳述したように、各色光に対応した3個の液晶パネル16と、3個の入射側偏光板17と、3個の出射側偏光板18と、色合成プリズム14と、色合成プリズム14を上下から保持する一対のホルダ部材28a、28bとから構成されており、3個の出射側偏光板18は、図3および図4(a)に示すように、色合成プリズム14とそれぞれの透光基板29に狭持され、それぞれのフレーム部材30によって上下のホルダ部材28a、28bに押圧固定されている。
このときホルダ部材28a、28bは、例えばアルミやマグネシウム合金といった、熱伝導性に優れ、加工性の良好な材質で形成されており、色合成プリズム14はUV接着等の手段によりホルダ部材28a、28bで上下から固定される。このためホルダ部材28a、28bの上下いずれか一方の中央部にはUV照射用の貫通穴31aが設けられている。
フレーム部材30もまた、熱伝導性と加工性に優れた材質で形成されるが、その形状はパネル透過光を遮蔽せず、出射側偏光板18と光学補償フィルム32をその両面に貼付した透光基板29を確実に保持し、かつホルダ部材28a、28bと熱的に接続できるものであればよい。必要に応じてフレーム部材30とホルダ部材28a、28bとの界面に高熱伝導性シートやシリコングリス、相変化シート等のサーマルインターフェイスを介して接触熱抵抗をより小さく設計するようにしてもよい。
一方、液冷モジュール27aは、パソコンにおけるCPU冷却に採用されている汎用の水冷モジュールを想定している。すなわち液冷モジュール27aは、プロピレンアルコールやエチレングリコールを組成にもつ冷媒液33を循環させるポンプ34と、内部に流路が設けられたジャケット部35a、35bと、接続チューブの繊維孔からの揮発による液量減少を補償するとともに、熱膨張による内圧上昇を緩和するためのリザーブタンク36と、吸熱して高温になった冷媒液33を外気へ放熱させるためのラジエータ37とから構成されている。
このとき一対のジャケット部35a、35bは、それぞれホルダ部材28a、28bの色合成プリズム14の接着面とは反対側の面に接続され、出射側偏光板18a、18b、18cで発生する熱を、ホルダ部材28a、28b、28cを介して受熱し、冷媒液33をラジエータ37へ循環して放熱する構造となっている。
また液晶ユニット部23aの下方には、冷却ファン20bとパネルダクト21bとからなる空冷モジュール26aが配置されており、液晶パネル16a、17b、16cと、入射側偏光板17a、17b、17cのみに集中してファン風量を送るようにダクト開口部22d、22e、22fが設定されている。
次に図5を用いて液晶ユニット部23aの冷却動作について説明する。従来と同様の光学配置に設定された入射側偏光板17a、17b、17cと液晶パネル16a、17b、16cとは、空冷モジュール26aのパネルダクト21bからの冷却風24bと面接触し、熱伝達により吸光発熱の強制空冷が行われる。
このときパネルダクト21bのダクト開口部22d、22e、22fは、入射側偏光板17a、17b、17cと液晶パネル16a、16b、16cのみに限定して開口されているため、従来の入射側偏光板、液晶パネル、出射側偏光板の各々を強制空冷する場合に比べ、出射側偏光板の冷却を考慮する必要がなくなり、
1)冷却風量を入射側偏光板と液晶パネルに集中できるので強制空冷の冷却効率を上げられ、
2)空冷対象となる総発熱量を減少できるので冷却余裕を確保できる、
といったメリットを得ることができる。換言すれば、高輝度化に伴う吸光発熱の増加に対して、ファン出力を増加することなく対応できるため動作騒音の上昇を抑制することが可能になる。
一方、出射側偏光板18a、18b、18cに対しては、上述したように、色合成プリズム14と透光基板29a、29b、29cとによって空間を介さずに狭持され、フレーム部材30a、30b、30cによりホルダ部材28a、28bと接続(押圧固定)される構成となっている。
このとき出射側偏光板18a、18b、18cで生じた吸光発熱は、透光基板29a、29b、29cおよび色合成プリズム14との接触により、光透過面の入射側および出射側の双方から熱拡散されつつ、色合成プリズム14とフレーム部材30a、30b、30cとの両方の経路を通って上下に配置されたホルダ部材28a、28bへと伝熱される(図5黒矢印参照)。
上下のホルダ部材28a、28bへ伝達された熱量は、ホルダ部材28a、28bの色合成プリズム接着面とは反対側に接続された液冷モジュール27aのジャケット部35a、35bにより吸熱され、冷媒液33の循環によりラジエータ37へ熱輸送されて外気に放熱される。
このときフレーム部材30とホルダ部材28とを構成する部材としては、アルミニウムやマグネシウムといった熱伝導性の高い材質を用いるのが熱抵抗設計の観点から望ましく、一方、透光基板29や色合成プリズム14に対しても、例えばサファイアや水晶といった出射側偏光板18よりも熱伝導率の高い光透過部材で構成するのが、熱拡散効果を高めてヒートスポットを低減し、偏光板温度を抑制して寿命を確保するといった観点から望ましい。
しかしながら、製造コストの制約により高熱伝導性部材の色合成プリズムへの適用が困難な場合には、上述の図4(a)に示す構成ではなく、図4(b)で示したように、2つのパーツから構成される高熱伝導性のフレーム部材30d、30eで、出射側偏光板18bおよび光学補償フィルム32bが貼付された透光基板29dを密着保持して、色合成プリズム14とは離間した状態で、上下のホルダ部材28a、28bへ接続する構成を代用してもよい。
あるいは図4(c)に示したように、出射側偏光板18bを2枚の透光基板29e、29fで挟み、入射側および出射側の両面で熱拡散作用を促しつつ、同じく2つのパーツから構成される熱伝導性の高いフレーム部材30f、30gにより、出射側偏光板18bと光学補償フィルム32b、32eが積層された透光基板29e、29fを密着保持して、色合成プリズム14とは離間した状態で、上下のホルダ部材28a、28bへ接続する構成で代用することも可能である。
このような出射側偏光板の冷却機構を採用することにより、次のようなメリットを得ることができる。すなわち、
1)液冷モジュールの冷却対象を出射側偏光板に限定することで、受熱構造をコンパクトにできる。
2)冷却負荷を軽減できるためラジエータ部の小型・低騒音化が容易になる。
3)上述の空冷モジュールとの干渉を最小限に抑制した実装が可能になる。
4)出射側偏光板の入射面および出射面の双方から熱拡散し上下から吸熱を行う構造により、偏光板の冷却効率が高く、また面内温度分布を均一に設定できるため、寿命設計や画像品質の向上に寄与できる。
次に、本発明による液晶ユニット冷却機構の第2の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態を示す液晶ユニット冷却機構の斜視図であり、図7は、同じく本発明の第2の実施の形態を示す液晶ユニット冷却機構の分解図である。図8は、本発明の第2の実施の形態の液晶ユニット部を示す斜視図である。図9は、本発明の第2の実施の形態の液晶ユニット冷却機構の作用を示す断面図である
上述した第1の実施の形態における液晶ユニット冷却機構25aでは、液冷モジュール27aのジャケット部35a、35bをホルダ部材28a、28bの上下に一対設置する構造のため、以下のような問題が考えられる。すなわち、
1)マルチジャケット構成が液冷ユニットのコスト増加を招く。
2)同じくマルチジャケット構成により冷媒循環流路の圧力損失が大きくなるため、システムとしての熱抵抗が悪化する。
3)液晶ユニットの実装寸法がジャケットの厚みに相当する分高くなる。
4)装置組立が複雑になり、生産性が低下する。
5)配管数が増えるため、樹脂チューブ長の延長による冷媒揮発量の増加(それに伴うリザーブタンクの大型化)や、さらにはリークの可能性のある箇所の増加といった装置信頼性を損なう要因が増える。
さらにはジャケット部35を接続するホルダ部材28には、通常、色合成プリズム14の接着を目的としてUV照射用の貫通穴31aが上下いずれかの中央部に用意される。この貫通穴31aの所在が、ジャケット内の水路設計を制約し、またジャケット接続面積を制限するため、受熱性能を著しく低下させる要因となる。
本発明による液晶ユニット冷却機構の第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態における問題への対応が考慮された形態となっている。図6および図7において、本発明の液晶ユニット冷却機構25bは、液晶ユニット部23bと、空冷モジュール26bと、熱交換器として用いられる液冷モジュール27bとから構成されている。
このうち液晶ユニット部23bは、上述した第1の実施の形態と共通の構成を採用しており、色合成プリズム下側のホルダ部材28dには上述したUV照射用の貫通穴31bが設けられている。
一方、液冷モジュール27bは、上述した第1の実施の形態において使用した液冷モジュール27aからジャケット部を1つ省略し、シングルジャケット構成としたものが採用されている。
このジャケット部35cは、液晶ユニット部23bにおける上側のホルダ部材28cの色合成プリズム接着側とは反対面に接合されており、UV照射用貫通穴31bが用意されている下側ホルダ部材28dには、ピンフィンタイプのヒートシンク38が、後述するパネルダクト21cの内部に向かって放熱フィンを伸長する方向に接続されている(図8参照)。
他方、液晶ユニット部23bの下方には、上述した第1の実施の形態と同様に、冷却ファン20bとパネルダクト21cからなる空冷モジュール26bが配置されているが、このときパネルダクト21cのヒートシンク投影面には切り欠き部39が用意されており、実装時に下側のホルダ部材28dと接続されたヒートシンク38がパネルダクト21c内に嵌入し、ダクト内部において、入射側偏光板および液晶パネル冷却用の冷却風24c(図9)を受けて放熱が行われる構造になっている。
次に図9を用いて第2の実施の形態における液晶ユニットの冷却動作について説明する。出射側偏光板18a、18b、18cの保持構成に関しては、上述した第1の実施の形態を踏襲しており、出射側偏光板18で生じた吸光発熱は、同じく透光基板29a、29b、29cと色合成プリズム14により、光透過面から熱拡散されつつ、色合成プリズム14およびフレーム部材30a、30b、30cを経由して、上下に配置されたホルダ部材28c、28dへ伝熱される(図9黒色矢印参照)。
上側のホルダ部材28cへ伝達された熱量は、第1の実施の形態と同様に、ホルダ部材28cの色合成プリズム接着面とは反対側に接続された液冷モジュール27bのジャケット部35cにより吸熱され、冷媒循環によりラジエータ37へ熱輸送され外気に放熱される。
他方、下側のホルダ部材28dへ伝達された熱量は、ホルダ部材28dの色合成プリズム接着面とは反対側に接続されたヒートシンク38に伝熱され、パネルダクト21c内部の冷却風24cをフィン部で受けて強制空冷により放熱される。このときヒートシンク38のフィン形状はプレートフィンタイプでもピンフィンタイプでもよく、パネルダクト内部の空気流れの特性にマッチした形状のものが選択されればよい。
また本実施の形態では、下側のホルダ部材28dとヒートシンク38とを別部材で構成しているが、簡略化のために一体構成とすることも可能である。ただしその場合、UV照射用の貫通穴31bの所在にあわせてフィン部も開放する必要があり、放熱性能が低下するため設計には注意が必要である。
一方、入射側偏光板17a、17b、17cと液晶パネル16a、17b、16cの冷却においては、第1の実施の形態と同様に、空冷モジュール26bのパネルダクト21cからのファン送風を受け、強制空冷が行われる。
このとき入射側偏光板17と液晶パネル16への冷却風24cは、ダクト内部においてヒートシンク38からの放熱の仕事を行っているため、温度上昇の影響を受ける。
しかしながら、
1)ヒートシンク放熱量は出射側偏光板18の吸光発熱が対象であり、そのうち下側ホルダ部材28dから伝熱される熱量(約1/2)に限定され、
2)熱伝導性の高い透光基板29や色合成プリズム14、フレーム部材30、ホルダ部材28等で熱拡散されているため、ヒートシンク38のベース部はそれほど高温にならず、フィン放熱によるダクト内部の温度上昇も抑制されるため、入射側偏光板17と液晶パネル16の冷却への影響はほとんど無視できる範囲に収まり、従って余り大きな影響は受けない。
本実施の形態に示すような液晶ユニット冷却機構25bを採用することにより、第1の実施の形態における優位性に加えて、液冷モジュール27bのジャケット部の数量を減らして簡略化できるため、
1)コストの低減を図れ、
2)ジャケット実装が上側ホルダ部材に限定されるため組立性が向上し、
3)循環系が短縮されるため流路抵抗が減り、液冷モジュールのシステム熱抵抗設計が容易になり、
4)液冷モジュールの冷却負荷が約半分になるためラジエータの小型・静音化が図られ、
5)配管系の簡略化も同時に行われるため、樹脂チューブからの冷媒揮発量を抑制でき、リザーブタンクの小型化が図られ、
6)同じく配管系の簡略化により装置信頼性が向上し、
7)下側ホルダ部材接続用ジャケットに相当するヒートシンクは、実質的にパネルダクト内部に収容されるため実装高さを抑制できる、
といったメリットが得られる。
次に、本発明による液晶ユニット冷却機構の第3の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図10は、本発明の第3の実施の形態を示す液晶ユニット冷却機構を説明するための図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は作用を示す模式的部分断面上面図である。
図10に示す本実施の形態は、第1あるいは第2の実施の形態と組み合わされて実施される。以下では、第2の実施の形態と組み合わせた場合を想定して説明を行う。
すなわち、第2の実施の形態では、入射側偏光板17および液晶パネル16の強制空冷を行う空冷モジュール26b(図6および図7参照)と、出射側偏光板18の熱伝導冷却を行う熱交換器(その実施の形態においては液冷モジュール27bで説明)とを組み合わせているが、第3の実施の形態では、このとき熱交換器の放熱用ラジエータ37を、空冷モジュール26bの空冷ファン20bの吸気口40に近接した位置に配置し、冷却ファン20bの吸気による流動空気41をラジエータ部37の強制対流熱伝達による放熱に利用している。
このときラジエータ37は、空冷ファン20bの吸気抵抗を考慮してスタックフィン形状を採用しているが、ファン吸気を妨げず、十分な放熱効果が得られるものであればこれに限定するものではない。
この場合においても、第2の実施の形態と同様に、入射側偏光板17と液晶パネル16の強制空冷用の空気取り入れ口(冷却ファン20bの吸気口40)において、ラジエータ37の放熱が行われているため、ファン送風(冷却風24c)は温度上昇の影響を被ることになる。
しかしながら、例えば第1および第2の実施の形態で示した液冷モジュールでは、受熱部(ジャケット部35c)の冷媒温度に対して、放熱部(ラジエータ37)の冷媒温度は、発熱量とシステム熱抵抗設計に依存するが、約10℃程度低く、ラジエータ表面温度ではそこからさらに5℃程度低くなるため、ラジエータ37の放熱による冷却ファン20bの吸気温度上昇はそれほど大きくなく(発熱量30W、システム熱抵抗0.5℃/Wの場合)、さらにファン吸い込み側の気流は指向性が低いので、冷却ファン20bは、ラジエータ37の周囲の放熱に用いられていない空気も同時に吸気するため、吸気温度上昇はさらに緩和され、入射側偏光板18と液晶パネル17の強制空冷に対する冷却性能への影響もまた、ほとんど無視できる範囲に止まる。
本実施の形態に示すような熱交換器のラジエータ配置を行うことにより、ラジエータ放熱用のファンを省略できるため、冷却システム全体の低コスト化と静音化を図れるとともに、実装容積の縮小による装置小型化を実現することができる。
なお、第1、第2および第3の実施の形態では熱交換器として液冷モジュールを採用しているが、ヒートパイプやベーパチャンバーといった他の熱交換器を用いても、同様の効果を得ることができることは明白である。
最後に、先に用いた図13から図16を用いて、開示されている液晶ユニット冷却方法と本発明との相違を説明する。
図13に示す従来例2の液晶ユニット冷却機構は、液晶ユニット部223の出射側偏光板218を冷媒液233を充填した冷媒容器243に接触させ、冷媒容器243を色合成プリズム214のホルダ部材228の側壁に固定しており、冷媒容器143の構成に特徴を持たせている。また図14に示す従来例3では、充填した冷媒液に接触させる光学部材を、出射側偏光板の他に液晶パネル316まで拡張した冷媒容器343を構成することを特徴としている。
これらに対し、本発明の第1の実施の形態では、出射側偏光板18の発熱を色合成プリズム14のホルダ部材28へ熱伝導して冷却する点では共通であるが、間に冷媒液ではなく、透光基板29や色合成プリズム14を介して熱拡散を促進し、固体熱伝導により熱量の移送を行っている点で異なっている。
充填した冷媒液233を出射側偏光板218や液晶パネル316に接触させて熱拡散を行い放熱する従来例2および従来例3には上述のような問題があるが、本発明のように固体熱伝導を利用して、熱拡散を促進し熱交換器へ伝熱させる構造の場合、上述の問題点は克服される。さらに固体熱伝導に色合成プリズムを利用することにより、組立構造を簡略化して、強制空冷側(入射側偏光板と液晶パネルの冷却側)の空気流れ空間(隙間)を拡張させて流速増加による熱伝達効率の改善を図ることも可能になる。
また出射側偏光板の放熱に関しても、色合成プリズムの上下ホルダに熱交換器を接続して、発熱体から離間した位置でラジエータから放熱させている点で異なっており、より効果的な冷却が行えるような構造となっている。
さらに上述の従来例2および3では、色合成プリズム215の上側のホルダ部材228に放熱フィン242を設けて放熱効果を求めているが、本発明の第2の実施の形態では、下側ホルダに空冷フィン(ヒートシンク)を設け、かつ併用する空冷モジュールの空冷ダクト内部にフィン部を嵌入させることにより、十分な強制対流熱伝達によるフィン放熱効果が得られるように設定している点で異なる。
加えて本発明の第1および第2の実施の形態では、併用する空冷モジュールを入射側偏光板と液晶パネルにのみに集約して送風するように設定することで、強制空冷の冷却余裕を稼いでいる点でも異なっている。
図15に示す従来例4の液晶ユニット冷却構造は、液晶ユニット部423(入射側偏光板、液晶パネル、出射側偏光板)を強制空冷で冷却する際に、ダクトを密閉循環型に設定して、閉じた系内を流れる空気流を冷却するためにヒートシンク438を密閉循環ダクト446の途中に設定している。これに対して本発明の第2の実施の形態では、ヒートシンクを固体熱伝導による出射側偏光板の熱量を放熱するために、色合成プリズムの下側のホルダ部に用意し、また放熱フィンも開示例とは反対に、ダクト内部へ伸長するように設定してダクト内でヒートシンクの放熱を行うように設定しており、ダクト内の循環空気の熱量を外へ放熱する構成の従来例4とは、その構造も作用も異なっている。
図16に示す従来例5では、ダクト521の途中通路にペルチェ素子539と接続された第1のヒートシンク538a(冷却用)を嵌入し、同じくペルチェ素子539の発熱側に第2のヒートシンク(放熱用)538bを接続して、液晶ユニット(図示せず)に送風する空気の温度を予め下げておくことにより、冷却効果を高める作用を狙っている。この場合においても、従来例4の場合と同様に、本発明の第2の実施の形態における下側ホルダ部材のヒートシンク構造とは、その接続構成と作用および効果が異なっている。すなわち従来例5は、ダクト内空気流の冷却が目的であり、そのために液晶パネルへと導風するダクト521の途中に冷却機構(ヒートシンク538+ペルチェ素子539)を設置しているのに対して、本発明の第2の実施の形態ではダクト内空気流への放熱が目的であり、そのために出射側偏光板の吸熱構造(フレーム部材+ホルダ部材28+ヒートシンク38)を設け、液晶ユニット部の直下に放熱フィンを配置する構造を採用している点で相違する。
本発明の第1の実施の形態における液晶ユニット冷却機構の斜視図である。 図1の第1の実施の形態における液晶ユニット冷却機構の一部の分解図である。 第1の実施の形態における出射側偏光板の保持構造を示した説明図であり、(a)は液晶ユニット冷却機構の部分断面図、(b)は出射側偏光板の保持構造の斜視図、(c)は出射側偏光板の保持構造の分解図である。 本発明の第1の実施の形態における出射側偏光板の、その他の保持構造例を示した断面図である。 本発明の第1の実施の形態の作用を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態を示す液晶ユニット冷却機構の斜視図である。 本発明の第2の実施の形態を示す液晶ユニット冷却機構の分解図である。 本発明の第2の実施の形態の液晶ユニット部を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態の液晶ユニット冷却機構の作用を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す液晶ユニット冷却機構を説明するための図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は作用を示す模式的部分断面上面図である。 従来技術の一般的な液晶プロジェクタ装置の基本構成を示す模式図である。 従来例1の強制空冷による液晶ユニット冷却方法の一例を示す模式図であり、(a)は斜視図、(b)は模式的断面図である。 特許文献1に記載の従来例2の液晶ユニット冷却機構の模式的断面図である。 特許文献2に記載の従来例3の液晶ユニット冷却機構の模式的斜視図である。 特許文献3に記載の従来例4の液晶ユニット冷却機構の模式的斜視図である。 特許文献4に記載の従来例5の液晶ユニット冷却機構の模式的斜視図である。
符号の説明
1 液晶プロジェクタ装置
2 照明光学系
3 光源
4 リフレクタ
5a、5b 光インテグレータ
6 偏光ビームスプリッタ
7 色分離光学系
8a、8b ダイクロイックミラー
9a、9b、9c、9d 反射ミラー
10a、10b リレーレンズ
11a、11b フィールドレンズ
12 結像光学系
13 光変調部
14、114、214 色合成プリズム
15 投写レンズ
16a、16b、16c、116a、116c、216、316 液晶パネル
17a、17b、17c、117a、117c、217 入射側偏光板
18a、18b、18c、118a、118c、218 出射側偏光板
19a、19b、19c 液晶ユニット
20a、20b、120、220、520 冷却ファン
21a、21b、21c、121 パネルダクト
22d、22e、22f、22g、22h、22i、122a、122b、122c ダクト開口部
23a、23b、123、223、323、423 液晶ユニット
24b、24c、124a、124c 冷却風
25a、25b 液晶ユニット冷却機構
26a、26b 空冷モジュール部
27a、27b 液冷モジュール
28a、28b、28c、28d、228 ホルダ部材
29a、29b、29c、29d、29e、29f 透光基板
30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g フレーム部材
31a、31b 貫通穴
32a、32b、32c、32d、32e 光学補償フィルム
33、233 冷媒液
34 ポンプ
35a、35b、35c ジャケット
36 リザーブタンク
37 ラジエータ
38、238、338 ヒートシンク
39 切り欠き部
40 吸気口
41 流動空気
48 伝熱経路
242、342 放熱フィン
243、343 冷媒容器
244 シールド基板
445 循環ファン
446 密閉循環ダクト
521 ダクト
538a 第1のヒートシンク
538b 第2のヒートシンク
539 ベルチェ素子

Claims (3)

  1. 複数の液晶パネルと、前記複数の液晶パネルの前後に配置された入射側偏光板および出射側偏光板と、色合成素子と、前記出射側偏光板および前記色合成素子を上下から保持する一対のホルダ部材と、を備えた液晶ユニット部の冷却方法であって、
    冷却風を作る冷却ファン、冷却風の経路を形成するダクト、冷媒液を冷却する冷媒液冷却手段、冷媒液の流路を有し外部から受け取った熱を該流路内の冷媒液へ移動させるジャケット部材、該冷媒液冷却手段と該ジャケット部の間で冷媒液を循環させる循環手段、および外部から熱を受け取って該熱を周囲に放出するフィン部材を用意する用意ステップと、
    前記冷却ファンを用いて前記入射側偏光板および前記液晶パネルに冷却風を吹き当てて前記入射側偏光板および前記液晶パネルを冷却することと、
    前記一対のホルダ部材のうちの一方のホルダ部材の、前記出射側偏光板および前記色合成素子を保持する面とは反対側の面に前記ジャケット部材を設置して前記循環手段を用いて冷媒液を該ジャケット部材と前記冷媒液冷却手段との間で循環させることにより、前記出射側偏光板の熱を前記ジャケット部材の流路中の冷媒液へ移動させて前記出射側偏光板を冷却することと、
    前記一対のホルダ部材のうちの他方のホルダ部材の、前記出射側偏光板および前記色合成素子を保持する面とは反対側の面に前記フィン部材を設置し、前記出射側偏光板の熱を前記フィン部材から外部に放出することにより前記出射側偏光板を冷却することと、
    前記冷却ファンから前記フィン部材までの間、および該フィン部材から前記入射側偏光板および前記色合成素子までの間に前記ダクトを設置して、前記冷却ファンにより作られた冷却風を前記ダクト内を通して前記入射偏光板および前記色合成素子に吹き当てる前に前記フィン部材に吹き当てて前記フィン部材を冷却して前記出射側偏光板を冷却し、前記フィン部材に吹き当てられた冷却風を前記入射側偏光板および前記液晶パネルに吹き当てて前記入射側偏光板および前記液晶パネルを冷却することと、を含む冷却ステップとを有する、液晶ユニット部の冷却方法。
  2. 複数の液晶パネルと、前記複数の液晶パネルの前後に配置された入射側偏光板および出射側偏光板と、色合成素子と、前記出射側偏光板および前記色合成素子を上下から保持する一対のホルダ部材と、を備えた液晶ユニット部の冷却方法であって、
    冷却風を作る冷却ファン、冷媒液を冷却する放熱フィンを有する空冷熱交換器、冷媒液の流路を有し外部から受け取った熱を該流路内の冷媒液へ移動させるジャケット部材、該空冷熱交換器と該ジャケット部の間で冷媒液を循環させる循環手段、および外部から熱を受け取って該熱を周囲に放出するフィン部材を用意する用意ステップと、
    前記冷却ファンを用いて前記入射側偏光板および前記液晶パネルに冷却風を吹き当てて前記入射側偏光板および前記液晶パネルを冷却することと、
    前記一対のホルダ部材のうちの一方のホルダ部材の、前記出射側偏光板および前記色合成素子を保持する面とは反対側の面に前記ジャケット部材を設置して前記循環手段を用いて冷媒液を該ジャケット部材と前記空冷熱交換器との間で循環させることにより、前記出射側偏光板の熱を前記ジャケット部材の流路中の冷媒液へ移動させて前記出射側偏光板を冷却することと、
    前記一対のホルダ部材のうちの他方のホルダ部材の、前記出射側偏光板および前記色合成素子を保持する面とは反対側の面に前記フィン部材を設置し、前記出射側偏光板の熱を前記フィン部材から外部に放出することにより前記出射側偏光板を冷却することと、
    前記放熱フィンを前記冷却ファンの空気取り入れ口の近傍に設けて前記冷却ファンの吸気によって前記放熱フィンを冷却して前記冷媒液を冷却することと、を含む冷却ステップとを有する、液晶ユニット部の冷却方法。
  3. 前記用意ステップにおいて、前記冷媒液冷却手段として、放熱フィンを有する空冷熱交換器を用意し、
    前記冷却ステップにおいて、前記放熱フィンを前記冷却ファンの空気取り入れ口の近傍に設けて前記冷却ファンの吸気によって前記放熱フィンを冷却して前記冷媒液を冷却する、請求項1に記載の液晶ユニットの冷却方法。
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