JP2008122472A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】投影画像の画質を長期間安定して確保し、かつ、光学素子を効果的に冷却できるプロジェクタを提供する。
【解決手段】プロジェクタは、空気流通路を有する密閉構造内部に配置される光学素子450と、空気流通路の空気を循環させる循環ファンとを備える。密閉構造は、光学素子450を収納配置する光学部品用筐体と、光学部品用筐体内に空気を導く複数のダクト部材と、光学素子放熱装置86とを備える。複数のダクト部材のうち少なくとも何れかのダクト部材は、熱伝導性材料から構成される高熱伝導ダクト部を有する。光学素子放熱装置86は、密閉構造内外を貫通する光学素子放熱用ヒートパイプ862を備える。光学素子放熱用ヒートパイプ862は、光学素子450に熱伝達可能に接続し、光学素子450との接続部位862Aから離間し密閉構造外部に配置される部位862Bが高熱伝導ダクト部に熱伝達可能に接続する。
【選択図】図21

Description

本発明は、プロジェクタに関する。
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタが知られている。
光変調装置としては、例えば、1対の基板間に液晶が密閉封入された光変調素子(液晶パネル)が一般的に採用される。また、一般的に、光変調素子の光束入射側および光束射出側には、所定の偏光方向を有する光束を透過させる入射側偏光板および射出側偏光板がそれぞれ配置される。
上記のような光変調素子、入射側偏光板、および射出側偏光板等の光学素子を備えたプロジェクタでは、光源からの光束により、液晶層、ブラックマトリクス、および各種配線等による光吸収により光変調素子が温度上昇しやすく、また、偏光板にも熱が発生しやすい。また、光学素子の表面に塵埃、油煙等が付着すると、投影画像の画質が劣化してしまう。
そこで、投影画像の画質を長期間安定して確保しつつ、光学素子を冷却する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術は、液晶パネル等の光学素子を密閉された筺体内部に配置し、冷却ファンにより、筺体内部の空気を循環させている。また、筺体内部の空気の温度を低下させて筺体内部を循環する空気により光学素子を冷却するために、冷却フィンを介して筺体内部の空気の熱をヒートパイプの吸熱部(蒸発部)にて吸熱し、ヒートパイプの放熱部(凝縮部)から筺体外部に放熱している。
特開2001−312002号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、空気とヒートパイプの蒸発部(冷却フィン)との熱伝達の熱抵抗が大きく、筺体内部の空気の温度低減が難しいものであり、結果として、光学素子を効果的に冷却できない。
本発明の目的は、投影画像の画質を長期間安定して確保し、かつ、光学素子を効果的に冷却できるプロジェクタを提供することにある。
本発明のプロジェクタは、空気を流通可能とする環状の空気流通路を有する密閉構造内部に配置される光学素子と、前記環状の空気流通路の空気を循環させる循環ファンとを備えたプロジェクタであって、前記密閉構造は、前記光学素子を内部に収納配置するとともに、内部に空気を流入させるための流入口および外部に空気を流出させるための流出口を有する光学部品用筐体と、前記流入口を介して前記光学部品用筐体内部に空気を導くとともに、前記流出口を介して前記光学部品用筐体内部から外部に流出した空気を再度、前記流入口を介して前記光学部品用筐体内部に導く複数のダクト部材と、前記光学素子の熱を前記密閉構造外部に放熱する光学素子放熱装置とを含んで構成され、前記複数のダクト部材のうち少なくともいずれかのダクト部材は、熱伝導性材料から構成される高熱伝導ダクト部を有し、前記光学素子放熱装置は、内部に毛細管構造を有する管状に形成されるとともに管内部には冷媒が収容され前記冷媒が管内部を還流することにより熱移動が行われ、前記密閉構造内外を貫通する光学素子放熱用ヒートパイプを備え、前記光学素子放熱用ヒートパイプは、前記光学素子に熱伝達可能に接続し、前記光学素子との接続部位から離間し前記密閉構造外部に配置される部位が前記高熱伝導ダクト部に熱伝達可能に接続することを特徴とする。
ここで、光学素子としては、光変調素子、入射側偏光板、射出側偏光板等の光学素子本体と、光学素子本体を保持する保持部材とを備えた構成や、保持部材を省略し、光学素子本体のみの構成が採用できる。
また、光学素子放熱用ヒートパイプの毛細管構造としては、種々の構造が採用でき、例えば、複数の細い銅線等で構成された極細線型ウィック、網目状の金属メッシュ型ウィック、管内部に複数の溝を形成したグルーブ型のウィック、あるいは、パウダー状の焼結型ウィック等が例示できる。
本発明によれば、密閉構造を構成する光学部品用筐体内部に光学素子が収納配置されているので、光学素子に塵埃、油煙等が付着することを防止でき、プロジェクタから投射される投影画像の画質を長期間安定して確保できる。
また、光学素子放熱用ヒートパイプは、密閉構造内部に配置される所定の部位(例えば、一端側の部位(蒸発部))が光学素子に熱伝達可能に接続する。このことにより、従来の構成と比較して、光学素子放熱用ヒートパイプが光学素子との間に空気を介すことなく、光学素子に熱伝達可能に接続しているので、光学素子〜光学素子放熱用ヒートパイプの熱伝達経路での熱抵抗を小さくできる。
さらに、光学素子放熱用ヒートパイプは、前記所定の部位から離間し密閉構造外部に配置される部位(例えば、他端側の部位(凝縮部))が複数のダクト部材のうち少なくともいずれかのダクト部材が有する高熱伝導ダクト部に熱伝達可能に接続している。このことにより、光学素子から光学素子放熱用ヒートパイプの蒸発部にて吸熱された熱は、凝縮部から高熱伝導ダクト部における密閉構造外部に面する外面に伝達されることとなる。すなわち、凝縮部から放熱面積の大きい高熱伝導ダクト部に熱を伝達させることができるため、光学素子放熱用ヒートパイプにおいて、凝縮部の温度を低減して、蒸発部および凝縮部間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができる。
そして、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気による空冷構造に加えて、上述した光学素子放熱装置の放熱構造により、光学素子を効果的に冷却でき、光学素子の温度上昇を抑制して光学素子の熱劣化を効果的に防止できる。すなわち、プロジェクタからの投影画像を良好に維持できるとともに、長寿命化が図れる。
また、複数のダクト部材のうち少なくともいずれかのダクト部材が有する高熱伝導ダクト部を放熱部材として機能させることができるため、例えば、光学素子放熱用ヒートパイプの凝縮部に複数のダクト部材を除く他の放熱部材を熱伝達可能に接続する構成と比較して、部材を省略でき、プロジェクタの小型化、軽量化、低コスト化が図れる。
さらに、光学素子放熱用ヒートパイプの凝縮部を複数のダクト部材のうち少なくともいずれかのダクト部材が有する高熱伝導ダクト部に熱伝達可能に接続する構成であるので、光学素子放熱用ヒートパイプを不要に引き回す必要がない。このため、光学素子放熱用ヒートパイプによりプロジェクタ内部の空間が不要に占有されることがなくプロジェクタの小型化が図れるとともに、プロジェクタの組み立て作業を容易に実施できる。
さらにまた、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気による空冷構造、および光学素子放熱装置の放熱構造を併用しているので、循環ファンの回転数をそれほど増加させなくても光学素子を十分に冷却でき、プロジェクタの低騒音化が図れる。
本発明のプロジェクタでは、前記高熱伝導ダクト部は、前記複数のダクト部材のうち前記光学部品用筐体の前記流出口に接続する流路後段側ダクト部材における前記流出口に平面的に干渉する位置に設けられていることが好ましい。
本発明では、複数のダクト部材のうち流路後段側ダクト部材は、流出口に平面的に干渉する位置に高熱伝導ダクト部を有している。すなわち、流路後段側ダクト部材において、光学部品用筐体内部に収納配置された光学素子により温められた空気が流出口を介して吹き付けられる部分に、高熱伝導ダクト部が設けられている。このことにより、流路後段側ダクト部材を流通する空気の熱、すなわち、光学部品用筐体内部に収納配置された光学素子により温められた空気の熱を、高熱伝導ダクト部を介して、密閉構造外部に放熱できる。このため、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気の温度を十分に低い温度に設定でき、光学素子をより効率的に冷却できる。
また、光学素子放熱用ヒートパイプの凝縮部は、上述した位置に設けられた高熱伝導ダクト部に熱伝達可能に接続している。このことにより、複数のダクト部材において、高熱伝導ダクト部を、空気流通路を辿り光学素子により温められた直後の空気の熱を密閉構造外部に放熱する機能とともに、光学素子放熱用ヒートパイプにより光学素子から移動された熱を密閉構造外部に放熱する機能の双方の機能を持たせることが可能となる有効な位置に設けることができる。このため、高熱伝導ダクト部を上述した有効な位置に設けることで、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気による空冷構造、および光学素子放熱装置の放熱構造により、光学素子をさらに効果的に冷却できる。
本発明のプロジェクタでは、前記光学素子は、複数設けられ、前記複数の光学素子を取り付けるための複数の光束入射側端面を有し、前記複数の光学素子から入射した光束を合成して射出する色合成光学装置を備え、前記光学素子放熱装置は、前記色合成光学装置における前記複数の光束入射側端面に交差する端面に取り付けられ、前記複数の光学素子に熱伝達可能に接続する光学素子放熱用受熱部材を備え、前記光学素子放熱用ヒートパイプは、前記光学素子放熱用受熱部材を介して前記複数の光学素子に熱伝達可能に接続することが好ましい。
本発明では、光学素子放熱装置は、色合成光学装置の各光束入射側端面に取り付けられる各光学素子に熱伝達可能に接続する光学素子放熱用受熱部材を備える。そして、光学素子放熱用ヒートパイプは、光学素子放熱用受熱部材の熱を密閉構造外部に移動させる。このことにより、冷却対象となる光学素子が複数、存在している場合であっても、光学素子放熱用受熱部材にて複数の光学素子の熱を一括して受熱することができ、複数の光学素子に対応して光学素子放熱用ヒートパイプを複数設ける必要がない。このため、冷却対象となる光学素子が複数、存在している場合であっても、複数の光学素子を効率的に冷却できるとともに、光学素子放熱装置の構成部材の数を低減でき、部材の省略から、プロジェクタの小型化、軽量化、低コスト化が図れる。
本発明のプロジェクタでは、前記光学素子放熱用ヒートパイプは、前記光学素子に直接、熱伝達可能に接続することが好ましい。
本発明によれば、光学素子放熱用ヒートパイプは、光学素子に直接、熱伝達可能に接続しているので、光学素子放熱用ヒートパイプと光学素子との間に他の部材が介在することがなく、光学素子〜光学素子放熱用ヒートパイプの熱伝達経路での熱抵抗を小さくでき、光学素子を効果的に冷却できる。
本発明のプロジェクタでは、前記光学素子放熱用ヒートパイプは、前記光学素子に対して一対で構成され、前記光学素子における互いに対向する各側端部にそれぞれ直接、熱伝達可能に接続することが好ましい。
本発明によれば、光学素子放熱用ヒートパイプは、光学素子に対して一対で構成され、光学素子における互いに対向する各側端部にそれぞれ直接、熱伝達可能に接続しているので、例えば、光学素子のいずれかの側端部にのみ光学素子放熱用ヒートパイプが直接、熱伝達可能に接続する構成と比較して、光学素子における互いに対向する各側端部から各光学素子放熱用ヒートパイプに熱を放熱でき、光学素子の温度分布の均一化を図りつつ、光学素子を効果的に冷却できる。
本発明のプロジェクタでは、前記光学素子は、入射した光束を所定の直線偏光光束に変換する偏光変換素子であり、入射した光束を所定の直線偏光光束に変換する偏光変換素子本体と、熱伝導性材料から構成され前記偏光変換素子本体の光束入射側端面に一体的に配設され、入射した光束のうち不要光を遮断する遮光部材とを備え、前記光学素子放熱用ヒートパイプは、前記偏光変換素子本体および前記遮光部材のうち少なくともいずれかに直接、熱伝達可能に接続することが好ましい。
本発明では、冷却対象となる光学素子を偏光変換素子とし、光学素子放熱用ヒートパイプは、偏光変換素子を構成する偏光変換素子本体および遮光部材のうち少なくともいずれかに直接、熱伝達可能に接続する。このことにより、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気による空冷構造、および光学素子放熱装置の放熱構造により、偏光変換素子を効果的に冷却できる。このため、偏光変換素子を介して射出される直線偏光光束を安定に維持でき、かつ、偏光変換素子本体を構成する偏光分離膜、反射膜、および位相差板等を効率的に冷却して偏光分離膜、反射膜、および位相差板等の熱劣化を防止できる。
本発明のプロジェクタでは、前記密閉構造は、前記密閉構造内部に配置され前記密閉構造内部の空気の熱を受熱する循環空気放熱用受熱部材と、内部に毛細管構造を有する管状に形成されるとともに管内部には冷媒が収容され前記冷媒が管内部を還流することにより熱移動が行われ、前記密閉構造内外を貫通し、前記密閉構造内部に配置される一端側が前記循環空気放熱用受熱部材に熱伝達可能に接続し、前記循環空気放熱用受熱部材の熱を前記密閉構造外部に配置された他端側に導く循環空気放熱用ヒートパイプとを備える循環空気放熱装置を含んで構成され、前記循環空気放熱用受熱部材は、前記高熱伝導ダクト部に熱伝達可能に接続することが好ましい。
ここで、循環空気放熱用ヒートパイプの毛細管構造としては、種々の構造が採用でき、例えば、極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、グルーブ型のウィック、あるいは、焼結型ウィック等が例示できる。
本発明によれば、密閉構造を構成する循環空気放熱装置は、循環空気放熱用受熱部材および循環空気放熱用ヒートパイプを備え、循環空気放熱用受熱部材にて密閉構造内部の空気の熱を受熱し、循環空気放熱用ヒートパイプにより循環空気放熱用受熱部材にて受熱した熱を密閉構造内部から密閉構造外部に導く。このことにより、循環空気放熱装置により、密閉構造内部の空気の熱を密閉構造外部に移動させ、密閉構造内部の空気を良好に冷却できる。このため、光学素子をさらに効果的に冷却できる。
また、循環空気放熱用受熱部材は、高熱伝導ダクト部に熱伝達可能に接続している。このことにより、空気流通路を辿る空気から高熱伝導ダクト部に伝達された熱や、光学素子放熱装置により光学素子から高熱伝導ダクト部に移動された熱を、循環空気放熱装置により高熱伝導ダクト部から離間した位置に移動させ、高熱伝導ダクト部を低い温度状態で維持できる。このため、光学素子放熱用ヒートパイプにおいて、低温状態である高熱伝導ダクト部に熱伝達可能に接続する凝縮部の温度を低減して、蒸発部および凝縮部間の温度差をより大きく設定でき、管内部における熱の移動量をより増加させることができる。
本発明のプロジェクタでは、前記ヒートパイプの毛細管構造は、焼結型ウィックで構成されていることが好ましい。
ところで、ヒートパイプの毛細管構造をグルーブ型のウィックで構成した場合には、凝縮部から蒸発部への冷媒(液化した状態)の移動として、重力を利用した方がヒートパイプ内の熱移動が迅速に行われる。このため、ヒートパイプの毛細管構造をグルーブ型のウィックで構成した場合には、凝縮部を蒸発部よりも上方側に配設することが好ましい。しかしながら、このように構成した場合には、プロジェクタにおいて、正置き姿勢(机等の設置面上に載置した状態)から天吊り姿勢(正置き姿勢に対して上下が逆となるように天井等から吊下げた状態)に姿勢状態を変更した場合や、投影画像の位置を調整するために傾斜させた状態に姿勢状態を変更した場合等に、凝縮部が蒸発部よりも下方側に位置すると、ヒートパイプ内の熱移動が良好に実施されないこととなる。
本発明によれば、ヒートパイプ(光学素子放熱用ヒートパイプおよび循環空気放熱用ヒートパイプのうち少なくともいずれかのヒートパイプ)の毛細管構造が焼結型ウィックで構成されているので、冷媒の移動に重力を利用する必要がないため、凝縮部および蒸発部の配設位置が限定されない。このため、プロジェクタにおいて、正置き姿勢、天吊り姿勢、投影画像の位置を調整するために傾斜させた状態等のあらゆるプロジェクタの姿勢状態に対応し、ヒートパイプ内の熱移動が良好に実施され、上述した光学素子を効果的に冷却でき、光学素子の温度上昇を抑制して光学素子の熱劣化を効果的に防止できるという効果を好適に図れる。
また、ヒートパイプ(光学素子放熱用ヒートパイプおよび循環空気放熱用ヒートパイプのうち少なくともいずれかのヒートパイプ)の毛細管構造が焼結型ウィックで構成されているので、他のウィック(極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、グルーブ型のウィック等)と比較して、蒸発部と凝縮部との熱抵抗を十分に低いものとするとともに、ウィック自体の熱伝導性が良好であるため冷媒に熱を良好に伝達させることができ、ヒートパイプ内の熱移動をより素早く行い、光学素子の冷却効率をより向上させることができる。
本発明のプロジェクタでは、前記密閉構造は、互いに独立した空気流通路を有するように複数設けられていることが好ましい。
ここで、複数の密閉構造としては、それぞれ互いに独立した空気流通路を有するように設けられていればよく、各構成部材のうち少なくともいずれか(例えば、光学部品用筐体)を共通の部材として用いてもよいものである。
ところで、密閉構造内部において、同一の空気流通路中に、発熱量の異なる複数の光学素子が配置されている場合には、他の光学素子からの熱移動および熱干渉により、前記複数の光学素子をそれぞれ良好に冷却することが難しい。
本発明では、密閉構造は、複数設けられている。このことにより、各密閉構造における互いに独立した各空気流通路中に、発熱量が異なる複数の光学素子をそれぞれ配置することで、他の光学素子からの熱移動および熱干渉を防止でき、各空気流通路を辿る空気、および、各光学素子放熱装置により、前記複数の光学素子をそれぞれ効率的に冷却できる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔1.外観構成〕
図1および図2は、第1実施形態におけるプロジェクタ1の外観を示す斜視図である。具体的に、図1は、プロジェクタ1を前面上方側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を前面下方側から見た斜視図である。図1では、説明の便宜上、光学像の投射方向をZ軸とし、該Z軸に直交する2軸をそれぞれX軸(水平軸)およびY軸(垂直軸)とする。以下の図面も同様である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1または図2に示すように、略直方体状の外装筺体2、およびこの外装筺体2から露出する投射光学装置としての投射レンズ3を備える。
投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成あれ、プロジェクタ1の装置本体により画像情報に応じて変調された光学像を拡大投射する。この投射レンズ3は、複数のレンズの相対位置を変更するレバー3A(図1)を備え、投射される光学像のフォーカス調整および倍率調整可能に構成されている。
外装筺体2は、合成樹脂製の筺体であり、プロジェクタ1の装置本体を収納する。この外装筺体2は、図1または図2に示すように、装置本体の上部部分、前面部分の一部、側面部分の一部、および背面部分の一部を覆うアッパーケース21と、装置本体の下部部分、前面部分の一部、側面部分の一部、および背面部分の一部を覆うロアーケース22と、装置本体の前面部分の一部を覆うフロントケース23等を備える。
アッパーケース21の上面部分において、+X軸方向側(前方から見て右側)には、図1に示すように、外装筺体2の内部側に窪む凹部211が形成され、凹部211の底部分に内部と貫通する開口部211Aを有している。そして、この開口部211Aを介して、投射レンズ3のレバー3Aが露出し、レバー3Aの操作が可能となる。
また、アッパーケース21の上面部分において、平面視略中央部分には、図1に示すように、プロジェクタ1の起動・調整操作を実施する操作パネル212が左右方向に延びるように設けられている。操作パネル212の操作ボタン212Aを適宜押下すると、操作ボタン212A内部に配置される図示しない回路基板に実装されたタクトスイッチと接触し、所望の操作が可能となる。
なお、前述した操作パネル212の回路基板は、後述する制御基板と電気的に接続され、操作ボタン212Aの押下に伴う操作信号は、制御基板に出力される。
また、アッパーケース21の背面部分において、−X軸方向側(後方から見て右側)には、具体的な図示は省略するが、外装筺体2の内外を連通する電源用吸気口が形成されている。この電源用吸気口は、外装筺体2外部の冷却空気を外装筺体2内部に取り込むための開口であり、外装筺体2内部の装置本体を構成する後述する筐体内部冷却装置により、該電源用吸気口を介して外装筺体2外部の冷却空気が内部に導入され、装置本体を構成する電源ユニットに送風される。
さらに、アッパーケース21における+X軸方向側の側面部分において、+Z軸方向側(前面側)には、図2に示すように、外装筺体2の内外を連通する熱交換器用吸気口213が形成されている。この熱交換器用吸気口213は、外装筺体2外部の冷却空気を外装筺体2内部に取り込むための開口であり、外装筐体2内部の装置本体を構成する後述する熱交換器により、熱交換器用吸気口213を介して外装筺体2外部の冷却空気が内部に導入され、前記熱交換器を構成する熱交換器本体の放熱側に送風される。
また、アッパーケース21の前面部分において、+X軸方向側には、図1または図2に示すように、外装筺体2の内外を連通する第1の熱交換器用排気口214が形成されている。この第1の熱交換器用排気口214は、熱交換器用吸気口213を介して外装筺体2内部に導入され、前記熱交換器本体の放熱側に送風された空気を外装筺体2外部に排出するための開口である。
さらに、アッパーケース21の+X軸方向側の側面部分において、−Z軸方向側(背面側)には、図2に示すように、外装筺体2の内外を連通する第2の熱交換器用排気口215が形成されている。この第2の熱交換器用排気口215は、第1の熱交換器用排気口214と同様に、熱交換器用吸気口213を介して外装筺体2内部に導入され、前記熱交換器本体の放熱側に送風された空気を外装筺体2外部に排出するための開口である。
ロアーケース22の底面部分において、−X軸方向側には、図2に示すように、平面視矩形状の開口221が形成され、該開口221に着脱自在に平面視矩形板状の蓋体222が取り付けられている。
そして、具体的な図示は省略するが、蓋体222をロアーケース22から取り外した場合には、外装筺体2内部の装置本体を構成する後述する光源装置の一部が露出し、開口221を介して前記光源装置を交換可能とする。
また、ロアーケース22の底面部分において、開口221に対して−Z軸方向側には、図2に示すように、外装筐体2の内外を連通する光源用吸気口223が形成されている。この光源用吸気口223は、外装筺体2外部の冷却空気を外装筺体2内部に取り込むための開口であり、外装筐体2内部の装置本体を構成する後述する筐体内部冷却装置により、該光源用吸気口223を介して外装筺体2外部の冷却空気が内部に導入され、前記光源装置に送風される。
また、ロアーケース22における+X軸方向側の側面部分において、+Z軸方向側には、図2に示すように、外装筐体2の内外を連通する熱交換器用吸気口224が形成されている。この熱交換器用吸気口224は、アッパーケース21に形成された熱交換器用吸気口213と同様に、前記熱交換器により外装筺体2外部の冷却空気を外装筺体2内部に取り込むための開口である。
さらに、ロアーケース22の前面部分において、+X軸方向側には、図1または図2に示すように、外装筺体2の内外を連通する第1の熱交換器用排気口225が形成されている。この第1の熱交換器用排気口225は、アッパーケース21に形成された第1の熱交換器用排気口214と同様に、熱交換器用吸気口213,224を介して外装筺体2内部に導入され、前記熱交換器本体の放熱側に送風された空気を外装筺体2外部に排出するための開口である。
また、ロアーケース22の+X軸方向側の側面部分において、−Z軸方向側には、図2に示すように、外装筐体2の内外を連通する第2の熱交換器用排気口226が形成されている。この第2の熱交換器用排気口226は、アッパーケース21に形成された第2の熱交換器用排気口215と同様に、熱交換器用吸気口213,224を介して外装筺体2内部に導入され、前記熱交換器本体の放熱側に送風された空気を外装筺体2外部に排出するための開口である。
また、ロアーケース22における背面部分において、−X軸方向側には、外装筐体2の内外を連通する電源用吸気口227(図5参照)が形成されている。この電源用吸気口227は、アッパーケース21に形成された電源用吸気口と同様に、前記筺体内部冷却装置により、電源用吸気口227を介して外装筺体2外部の冷却空気を内部の前記電源ユニットに送風するための開口である。
フロントケース23において、+X軸方向側には、図1または図2に示すように、円孔231が形成され、円孔231を介して投射レンズ3の先端部分が露出する。すなわち、円孔231を介して投射レンズ3から光学像が拡大投射されてスクリーン上に投影される。
また、フロントケース23において、X軸方向略中央部分には、図1または図2に示すように、リモコン受光窓232が形成されている。このリモコン受光窓232の内側には、図示しないリモートコントローラからの操作信号を受信する図示しないリモコン受光モジュールが配置されている。
なお、リモートコントローラには、前述した操作パネル212に設けられる起動スイッチ、調整スイッチ等と同様のものが設けられ、リモートコントローラを操作すると、この操作に応じた赤外線信号がリモートコントローラから出力され、赤外線信号は、リモコン受光窓232を介してリモコン受光モジュールで受光され、後述する制御基板で処理される。
さらに、フロントケース23において、−X軸方向側には、図1または図2に示すように、外装筺体2内部の空気を外部に排出するための排気口233が形成されている。この排気口233には、図1または図2に示すように、複数の整流板234Aが格子状に配列したルーバ234が設けられている。複数の整流板234Aは、図1または図2に示すように、その板面がYZ平面に対して投射レンズ3から離間する方向に所定角度、傾斜するように形成されている。そして、前記筺体内部冷却装置により、外装筺体2内部の空気が排気口233およびルーバ234を介して、投射レンズ3から離間する方向に整流されて排気される。
〔内部構成〕
図3ないし図7は、プロジェクタ1の内部構成を示す図である。具体的に、図3は、図1の状態からアッパーケース21を取り外した状態を示す図である。図4は、図3の状態から制御基板6を取り外した状態を示す図である。図5は、図4の状態を背面側から見た斜視図である。図6は、プロジェクタ1における制御基板6を除く装置本体を前面下方側から見た斜視図である。図7は、図6の状態を背面側から見た斜視図である。
外装筺体2の内部には、図3ないし図7に示すように、プロジェクタ1の装置本体が収容されており、この装置本体は、光学ユニット4と、電源ユニット5と、制御基板6(図3)と、密閉循環空冷ユニット7と、筺体内部冷却装置10とを備える。
〔光学ユニットの構成〕
図8および図9は、光学ユニット4の構成を示す図である。具体的に、図8は、図4の状態から密閉循環空冷ユニット7の一部(各放熱装置85,86,94,95、各流路後段側ダクト部材84,93等)を取り外した状態を示す図である。図9は、光学ユニット4の光学系を模式的に示す平面図である。
光学ユニット4は、制御基板6による制御の下、画像情報に応じて画像光を形成するものであり、図8に示すように、外装筺体2の前面側から背面側に向けてZ軸方向に延出し、−Z軸方向端部が+X軸方向に屈曲して延出し、さらに、+Z軸方向に屈曲して延出する平面視略U字形状を有している。この光学ユニット4は、図9に示すように、光源装置41と、均一照明光学装置42と、色分離光学装置43と、リレー光学装置44と、光学装置45と、光学部品用筐体46とを備える。
光源装置41は、光源ランプ411から放射された光束を一定方向に揃えて射出し、光学装置45を照明するものである。この光源装置41は、図9に示すように、光源ランプ411、リフレクタ412、およびこれらを保持するランプハウジング413(図6、図7)を備えて構成される。この光源装置41は、光学部品用筐体46に接続する光源装置収納部4611(図6〜図8)に収納配置される。光源装置41は、光源装置収納部4611に収納配置されることで、光学部品用筐体46に対する所定位置(光源装置41から射出される光束の中心軸と光学部品用筐体46内に設定された照明光軸A(図9)とが一致する位置)に位置決めされる。
光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、または高圧水銀ランプが用いられることが多い。
リフレクタ412としては、光源ランプ411から射出された光束を略平行化して反射するパラボラリフレクタを用いている。なお、リフレクタ412としては、パラボラリフレクタの他、平行化レンズと組み合わせて、光源ランプ411から射出された光束を所定位置に収束するように反射する楕円面リフレクタを用いてもよい。
均一照明光学装置42は、光源装置41から射出された光束を複数の部分光束に分割し、照明領域の面内照度を均一化する光学系である。この均一照明光学装置42は、図9に示すように、第1レンズアレイ421と、第2レンズアレイ422と、光学素子としての偏光変換素子423と、反射ミラー424と、重畳レンズ425とを備える。
第1レンズアレイ421は、光源装置41から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸Aと直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えて構成される。
第2レンズアレイ422は、上述した第1レンズアレイ421により分割された複数の部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ421と同様に照明光軸Aに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えた構成を有している。
偏光変換素子423は、第1レンズアレイ421により分割された各部分光束の偏光方向を略一方向の直線偏光に揃える偏光変換素子である。この偏光変換素子423は、偏光変換素子本体4231(図24参照)と、遮光部材4232(図24参照)とを備える。
偏光変換素子本体4231は、具体的な図示は省略するが、平板状の偏光変換素子アレイと、前記偏光変換素子アレイの光束射出側に設置された位相差板とを備える。
前記偏光変換素子アレイは、偏光方向がランダムな入射光束を2種類の直線偏光光束に分離して射出する。より具体的に、前記偏光変換素子アレイは、入射光束に対して傾斜配置された複数の偏光分離膜と、各偏光分離膜の間に交互に並行配置された反射膜と、これらの偏光分離膜および反射膜の間に介在配置された板ガラスとを備える。
前記偏光分離膜は、ブリュースター角が略45°に設定された誘電体多層膜等で構成されている。そして、前記偏光分離膜は、入射光束において、偏光分離膜の入射面に対して平行な偏光方向を有する一方の直線偏光光束(S偏光光束)を反射し、このS偏光光束と直交する偏光方向を有する直線偏光光束(P偏光光束)を透過するものであり、入射光束を2種類の直線偏光光束に分離している。
前記反射膜は、例えば、高反射性を有するAl,Au,Ag,Cu,Cr等の単一金属材料や、これら複数種類の金属を含む合金等で構成され、前記偏光分離膜で反射された直線偏光光束(S偏光光束)を反射する。
前記板ガラスは、光束が内部を通過するものであり、通常、白板ガラス等から形成されている。
前記位相差板は、前記偏光分離膜を透過する直線偏光光束(P偏光光束)の偏光方向を90°回転させるものである。前記位相差板は、前記偏光変換素子アレイの光束射出側端面において、照明光軸に沿った方向(Z軸方向)で眺めた場合に、前記偏光分離膜に対応する位置に設けられている。
遮光部材4232は、ステンレス等の金属性の板状部材として構成され、偏光変換素子本体4231の光束入射側に配設され、偏光変換素子本体4231の光束入射側端面に熱伝達可能に接続する(図24参照)。
この遮光部材4232には、上下方向に延びる矩形状の開口部4232A(図24参照)が複数形成されている。これら開口部4232Aは、偏光変換素子本体4231と遮光部材4232とを組み合わせた状態で光束入射側から照明光軸に沿った方向(Z軸方向)に眺めた場合に、偏光変換素子本体4231の前記偏光分離膜に対応する位置(前記位相差板に対応する位置)に形成されている。換言すれば、遮光部材4232には、偏光変換素子本体4231と遮光部材4232とを組み合わせた状態で光束入射側から照明光軸に沿った方向に眺めた場合に、前記反射膜を遮蔽して、第2レンズアレイ422を介し前記反射膜に直接向かう光束(不要光)を遮断する遮光部4232B(図24参照)が形成されている。
ところで、偏光光束を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光束しか利用できないため、ランダムな偏光光束を発する光源装置41からの光の略半分を利用できない。このため、上述した偏光変換素子423を用いることで、光源装置41からの射出光を略1種類の偏光光束に変換し、光学装置45での光の利用効率を高めている。
重畳レンズ425は、第1レンズアレイ421、第2レンズアレイ422、偏光変換素子423、および反射ミラー424を経た複数の部分光束を集光して光学装置45の後述する3つの液晶パネルの画像形成領域上に重畳させる光学素子である。
色分離光学装置43は、図9に示すように、2枚のダイクロイックミラー431,432と、反射ミラー433とを備え、ダイクロイックミラー431,432により均一照明光学装置42から射出された複数の部分光束を、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を具備する。
ダイクロイックミラー431,432は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。そして、光路前段側に配置されるダイクロイックミラー431は、青色光を反射し、その他の色光を透過するミラーである。また、光路後段に配置されるダイクロイックミラー432は、緑色光を反射し、赤色光を透過するミラーである。
リレー光学装置44は、図9に示すように、入射側レンズ441、リレーレンズ443、および反射ミラー442,444を備え、色分離光学装置43のダイクロイックミラー431,432を透過した赤色光を光学装置45まで導く機能を有している。なお、赤色光の光路にこのようなリレー光学装置44が設けられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。本実施形態においては赤色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが、青色光の光路の長さを長くしてリレー光学装置44を青色光の光路に用いる構成も考えられる。
上述したダイクロイックミラー431により分離された青色光は、反射ミラー433により曲折された後、フィールドレンズ426を介して光学装置45に供給される。また、ダイクロイックミラー432により分離された緑色光は、そのまま、フィールドレンズ426を介して光学装置45に供給される。さらに、赤色光は、リレー光学装置44を構成するレンズ441,443および反射ミラー442,444により集光、曲折されてフィールドレンズ426を介して光学装置45に供給される。なお、光学装置45の各色光の光路前段に設けられるフィールドレンズ426は、第2レンズアレイ422から射出された各部分光束を、各部分光束の主光線に対して平行な光束に変換するために設けられている。
光学装置45は、入射した光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものである。この光学装置45は、図9に示すように、光変調素子としての液晶パネル4511(図10、図11参照)を有する3つの光変調装置451(赤色光側の光変調装置を451R、緑色光側の光変調装置を451G、青色光側の光変調装置を451Bとする)と、各光変調装置451の光路前段側に配置される入射側偏光板452と、各光変調装置451の光路後段側に配置される視野角補償板453および射出側偏光板454と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム455とを備える。そして、これら各部材451〜455のうち、各光変調装置451、各視野角補償板453、各射出側偏光板454、およびクロスダイクロイックプリズム455が一体化されて光学装置本体45Aを構成する(図10、図11参照)。光学装置本体45Aの詳細な構成については後述する。なお、光学装置本体45Aとしては、これら各部材451,453〜455の他、各入射側偏光板452も一体化する構成を採用しても構わない。
3つの入射側偏光板452は、色分離光学装置43で分離された各色光のうち、偏光変換素子423で揃えられた偏光方向と略同一の偏光方向を有する偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透光性基板上に偏光膜が貼付されて構成されている。
3つの光変調装置451を構成する各液晶パネル4511は、具体的な図示は省略するが、ガラスなどからなる平面視矩形状の一対の基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。一対の基板のうち、光束射出側に配置される基板は、液晶を駆動するための駆動基板であり、互いに平行に配列形成される複数のデータ線と、複数のデータ線と直交する方向に配列形成される複数の走査線と、走査線およびデータ線の交差に対応してマトリクス状に配列形成される画素電極と、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子と、スイッチング素子を駆動する駆動部とを有している。また、一対の基板のうち、光束入射側に配置される基板は、駆動基板に対して所定間隔を空けて対向配置される対向基板であり、所定の電圧Vcomが印加される共通電極を有している。また、これら基板には、制御基板6と電気的に接続し、前記走査線、前記データ線、前記スイッチング素子、および前記共通電極等に所定の駆動信号を出力する回路基板としてのFPCケーブル4511C(図10、図11参照)が接続されている。このFPCケーブル4511Cを介して制御基板6から駆動信号を入力することで、所定の前記画素電極および前記共通電極との間に電圧が印加され、該画素電極および共通電極間に介在する液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板452から射出された偏光光束の偏光方向が変調される。
そして、この液晶パネル4511において、駆動基板の外形形状は、対向基板の外形形状よりも大きく設定される。すなわち、この液晶パネル4511は、光束入射側に向かうにしたがって外形形状が小さくなる段付状に形成されている。
また、駆動基板の外面には、駆動基板の外形形状と略同一の外形形状を有し、熱伝導性を有する防塵ガラスが貼り付けられている。対向基板の外面にも同様に、対向基板の外形形状と略同一の外形形状を有し、熱伝導性を有する防塵ガラスが貼り付けられている。そして、これら防塵ガラスを貼り付けることで、液晶パネル4511外面に塵埃が付着しても、塵埃がフォーカス位置からずれた状態となり、該塵埃が投影画像上に影となって表示されることを防止できる。
3つの視野角補償板453は、各光変調装置451の光路後段側にそれぞれ配設され、平面視矩形状の透光性基板4531(図11参照)上に光学補償フィルム4532(図11参照)が貼付された構成を有する。
本実施形態では、透光性基板4531としては、熱伝導性を有する材料、例えば、水晶あるいはサファイア等により構成されている。
光学補償フィルム4532は、液晶パネル4511で生じる複屈折による常光と異常光との間に生じる位相差を補償し、液晶パネル4511の明視特性を改善するものである。この光学補償フィルム4532は、負の一軸性を有する光学異方体であり、その光学軸がフィルム面内の所定方向に向き、かつ、該フィルム面から面外方向に所定角度傾斜するように配向している。
この光学補償フィルム4532としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明支持体上に配向膜を介してディスコティック(円盤状)化合物層を形成したもので構成でき、WVフィルム(富士写真フィルム社製)を採用できる。
3つの射出側偏光板454は、入射側偏光板452と略同様の機能を有し、液晶パネル4511および視野角補償板453を介して射出された光束のうち、一定方向の偏光光を透過し、その他の光束を吸収する。これら射出側偏光板454は、図9に示すように、光束入射側に配置される第1射出側偏光板4541と、光束射出側に配置される第2射出側偏光板4542の2体でそれぞれ構成される。そして、第1射出側偏光板4541および第2射出側偏光板4542は、入射側偏光板452と同様に、平面視矩形状の透光性基板4541A,4542A(図11参照)上に偏光膜4542B(図11参照)が貼付されて構成されている。なお、図11において、第1射出側偏光板4541では、偏光膜が透光性基板4541Aの光束射出側端面に貼付されているため図示されていない。また、本実施形態では、透光性基板4541A,4542Aとしては、視野角補償板453の透光性基板4531と同様に、熱伝導性を有する材料、例えば、水晶あるいはサファイア等により構成されている。
第1射出側偏光板4541および第2射出側偏光板4542は、光吸収特性が異なるように構成されたものであり、光束を透過するそれぞれの透過軸は平行となるように配置されている。このように射出側偏光板454を、2体構成とすることで、例えば1体で構成する場合と比較して、射出側偏光板454にて吸収する熱を2体で按分でき、射出側偏光板454の熱劣化を防止できる。
なお、第1射出側偏光板4541および第2射出側偏光板4542は、透過軸が平行となるように配置されるとともに、入射側偏光板452の透過軸と略直交するように配置される。
クロスダイクロイックプリズム455は、射出側偏光板454から射出された色光毎に変調された各色光を合成してカラー画像を形成する。このクロスダイクロイックプリズム455は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、光変調装置451Gから射出され視野角補償板453および射出側偏光板454を介した色光を透過し、光変調装置451R,451Bから射出され視野角補償板453および射出側偏光板454を介した各色光を反射する。このようにして、各色光が合成されてカラー画像が形成される。そして、クロスダイクロイックプリズム455で形成されたカラー画像は、上述した投射レンズ3によりスクリーンへ拡大投射される。
光学部品用筐体46は、図8または図9に示すように、平面視U字形状を有し、内部に所定の照明光軸A(図9)が設定され、上述した各部材41〜45を照明光軸Aに対する所定位置に配置する。この光学部品用筐体46は、図8に示すように、部品収納部材461と、蓋状部材462とを備える。
部品収納部材461は、図8に示すように、光源装置収納部4611と、部品収納部本体4612とで構成される。
光源装置収納部4611は、図6または図7に示すように、光学部品用筐体46のU字形状一端側に位置し、−Y軸方向側(下方側)に開口部4611Aを有する容器状に形成され、開口部4611Aを介して内部に光源装置41を着脱自在に構成されている。
この光源装置収納部4611において、X軸方向に交差する各側面(光学部品用筐体46のU字形状内側および外側に面する側面)には、図6に示すように、開口部4611B(図6では、U字形状内側の側面に形成された開口部のみを図示)が形成されている。これら開口部4611Bにより、光源装置収納部4611内部に空気を流通可能とし、内部に配置される光源装置41を冷却可能とする。
部品収納部本体4612は、+Y軸方向側(上方側)に開口部(図示略)を有する容器状に形成され、前記開口部を介して、光源装置収納部4611と接続する一端側から順に各部材42,43が収納配置され、前記一端側とは反対側の他端側に光学装置45が収納配置される。
この部品収納部本体4612において、−Y軸方向端面には、光学装置45を構成する各光変調装置451R,451G,451Bの配置位置に対応した位置にそれぞれ開口部4612R,4612G,4612B(図15、図16参照)が形成されている。
また、部品収納部本体4612において、−Y軸方向端面には、偏光変換素子423の配置位置に対応した位置に開口部4612P(図14〜図16参照)が形成されている。
これら各開口部4612R,4612G,4612B,4612Pは、光学部品用筺体46内部における光学装置45の配置位置の空間Ar1(図8、図9)、および偏光変換素子423の配置位置の空間Ar2(図8、図9)に空気を流入させる流入口として機能する。
蓋状部材462は、図8に示すように、部品収納部本体4612の+Y軸方向側の開口部分を閉塞する部材であり、部品収納部本体4612の平面形状と略同一の平面形状を有する。
この蓋状部材462には、図8に示すように、光学装置45の配置位置に対応して、光学装置45を平面的に囲うようにコ字状の切り欠き4621が形成されている。
また、蓋状部材462には、図8に示すように、偏光変換素子423の配置位置に対応して開口部4622が形成されている。
これら切り欠き4621および開口部4622は、上述した各開口部4612R,4612G,4612B,4612Pを介して光学部品用筐体46内部における空間Ar1,Ar2に流入された空気を光学部品用筐体46外部に排出するための流出口として機能する。
なお、具体的な図示は省略したが、光学部品用筐体46内部において、空間Ar1は、部品収納部本体4612に形成されたリブ、入射側偏光板452およびフィールドレンズ426等の光学部品、後述する突出部8415により、隣接する他の空間と連通しないように構成されている。また、同様に、光学部品用筐体46内部において、空間Ar2は、部品収納部本体4612に形成されたリブや、第2レンズアレイ422および重畳レンズ425等の光学部品により、隣接する他の空間と連通しないように構成されている。
〔光学装置本体の詳細な構成〕
図10および図11は、光学装置本体45Aの概略構成を示す図である。具体的に、図10は、光変調装置451G側(−Z軸方向側)から光学装置本体45Aを見た斜視図である。図11は、光学装置本体45Aの分解斜視図である。なお、図11では、光学装置本体45Aにおいて、光変調装置451G側のみを分解しているが、各光変調装置451R,451B側も光変調装置451G側と同様の構造を有しているものとする。
光学装置本体45Aは、上述した各光変調装置451、各視野角補償板453、各射出側偏光板454、およびクロスダイクロイックプリズム455の他、図10または図11に示すように、支持構造体456と、3つの光学素子保持体457とを備え、これら各部材451,453〜457が一体化されたものである。
なお、視野角補償板453、射出側偏光板454、および光学素子保持体457は、本発明に係る光学素子450(図10、図11)に相当するものである。
ここで、3つの射出側偏光板454において、各第2射出側偏光板4542は、図11に示すように、偏光膜4542Bが光束入射側に向いた状態でクロスダイクロイックプリズム455の各光束入射側端面にそれぞれ接着剤等により固定される。
また、光変調装置451は、上述した液晶パネル4511の他、図10または図11に示すように、液晶パネル4511を保持する保持枠4512を備える。
保持枠4512は、液晶パネル4511を収納保持する部材であり、図10または図11に示すように、光束入射側に配置される平面視矩形状の保持枠本体4512Aと光束射出側に配置される平面視矩形状の遮光板(図示略)とを備える。
保持枠本体4512Aは、図10または図11に示すように、平面視略中央部分に液晶パネル4511の画像形成領域に対応した開口部4512A1を有している。
また、保持枠本体4512Aにおいて、光束射出側には、具体的な図示は省略するが、開口部4512A1の周縁部分に、液晶パネル4511における外形形状(段付状)に対応した凹部が形成され、該凹部にて液晶パネル4511を収納保持する。
さらに、保持枠本体4512Aにおいて、四隅角部分には、図10または図11に示すように、光束入射側端面および光束射出側端面を貫通し、光変調装置451を光学素子保持体457に固定するための固定用孔4512A2がそれぞれ形成されている。
前記遮光板は、平面視略中央部分に液晶パネル4511の画像形成領域に対応した開口部を有し、保持枠本体4512Aの光束射出側端面に接続することで、液晶パネル4511を透過した光が、視野角補償板453、射出側偏光板454、あるいはクロスダイクロイックプリズム455等で反射して液晶パネル4511の駆動部にあたり液晶パネル4511が誤動作することを防止している。
上述した保持枠4512は、熱伝導性を有する材料にて構成されている。
この熱伝導性を有する材料としては、例えば、インバーおよび42Ni−Fe等のニッケル−鉄合金、マグネシウム合金、アルミニウム合金、炭素鋼、ステンレス等の金属、または、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等のカーボンフィラーを混入させた樹脂(ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶樹脂等)等が例示できる。なお、保持枠4512としては、保持枠本体4512Aおよび前記遮光板を上述した材料のうち同一の材料で構成してもよく、異なる材料で構成してもよい。このように熱伝導性を有する材料で保持枠4512を構成することで、光束の照射により液晶パネル4511で生じた熱を効率的に保持枠4512に放熱することができる。
支持構造体456は、図10または図11に示すように、略直方体形状を有し、上面の所定位置にクロスダイクロイックプリズム455を載置し、光学装置本体45A全体を支持する部材である。
この支持構造体456には、図10または図11に示すように、四隅角部分から外側に向けて延出し、光学部品用筐体46の部品収納部本体4612に接続する腕部4561が形成されている。そして、腕部4561を部品収納部本体4612に接続することで、光学装置本体45A全体が光学部品用筐体46に固定される。
3つの光学素子保持体457は、光変調装置451およびクロスダイクロイックプリズム455の間にそれぞれ配設され、各光変調装置451、各視野角補償板453、および各射出側偏光板454における各第1射出側偏光板4541をそれぞれ支持し、クロスダイクロイックプリズム455に対して固定する部材である。この光学素子保持体457は、図11に示すように、第1支持部4571と、第2支持部4572とを備える。なお、光学素子保持体457は、熱伝導性を有する材料にて構成されたものであり、例えば、保持枠4512と同一の材料を採用できる。
第1支持部4571は、図11に示すように、平面視矩形状の板状部4571Aと、板状部4571Aの左右両端縁から光束入射側に向けて突出する突出部4571Bとで構成される。
板状部4571Aの略中央部分には、図11に示すように、光束を透過させるための平面視矩形状の開口部4571A1が形成されている。
各突出部4571Bには、図11に示すように、鉛直方向に沿って並列する3つの開口部4571B1がそれぞれ形成されている。これら開口部4571B1は、図11に示すように、各突出部4571Bの突出方向に沿って延びる平面視矩形形状を有している。
そして、第1支持部4571は、各突出部4571Bにて第2支持部4572を支持する。また、第1支持部4571は、クロスダイクロイックプリズム455の光束入射側端面に固定された第2射出側偏光板4542に対して、偏光膜4542Bが開口部4571A1に挿通した状態で板状部4571Aの光束射出側端面が透光性基板4542Aの光束入射側端面に接着剤等により固定される。透光性基板4542Aの光束入射側端面に板状部4571Aが固定されることで、第1支持部4571〜透光性基板4542Aの熱伝達経路が形成される。
第2支持部4572は、光変調装置451、視野角補償板453、および射出側偏光板454における第1射出側偏光板4541をそれぞれ支持固定する部材である。この第2支持部4572は、図11に示すように、第2支持部本体4573と、一対の付勢部材4574とを備える。
第2支持部本体4573は、図11に示すように、平面視略矩形状の板状部4573Aと、板状部4573Aの左右両端縁から光束射出側に向けて突出する突出部4573Bとで構成され、第1支持部4571の各突出部4571B間に配設される。第1支持部4571の各突出部4571B間に第2支持部本体4573が配設されることで、第2支持部4572〜第1支持部4571の熱伝達経路が形成される。
板状部4573Aには、図11に示すように、図11中、下方側端縁から上方側に向けて切り欠かれ、光束を透過させるための平面視コ字形状の切り欠き4573A1が形成されている。
また、この板状部4573Aにおいて、四隅角部分には、図11に示すように、光変調装置451を固定するための固定用孔4573A2がそれぞれ形成されている。そして、4つの固定用孔4573A2のうち対角位置に形成された一対の固定用孔4573A2、および光変調装置451の保持枠4512に形成された4つの固定用孔4512A2のうち対角位置に形成された一対の固定用孔4512A2を介して、第2支持部本体4573および保持枠4512を各ねじ459(図11)にて接続することで、光変調装置451が第2支持部本体4573に固定される。
さらに、この板状部4573Aにおいて、左右両端縁の略中央部分には、図11に示すように、光束射出側に突出し、突出方向先端部分が板状部4573Aの板面に略平行に延出し、先端部分にて各突出部4573Bに接続する接続部4573A3がそれぞれ形成されている。
また、この板状部4573Aにおいて、図11中、上方側端部における各角隅部分には、光束射出側に突出し、第2支持部4572にて視野角補償板453を支持した状態で、視野角補償板453の上方側端部に当接し、視野角補償板453の鉛直方向の位置を規制する第1位置規制部4573A4がそれぞれ形成されている。
各突出部4573Bは、図11に示すように、先端部分4573B1が板状部4573Aと略平行となるように折曲され、互いに近接する方向に延出している。
また、各先端部分4573B1において、図11中、下方側端部には、光束入射側に突出し、第2支持部4572にて第1射出側偏光板4541を支持した状態で、第1射出側偏光板4541の下方側端部に当接し、第1射出側偏光板4541の鉛直方向の位置を規制する第2位置規制部4573B3がそれぞれ形成されている。
また、各突出部4573Bの基端部分4573B2の外側面には、図11に示すように、第1支持部4571の各開口部4571B1に対応して鉛直方向に並列する3つの凸部4573B4がそれぞれ形成されている。そして、これら凸部4573B4は、第1支持部4571の各突出部4571B間に第2支持部4572を配設した際に、各開口部4571B1に遊嵌状態で嵌合する。このような構成により、各開口部4571B1(第1支持部4571)に対して各凸部4573B4(第2支持部4572)を摺動させることが可能となり、すなわち、第2支持部4572に固定された光変調装置451(液晶パネル4511)をクロスダイクロイックプリズム455に対して近接隔離する方向に移動させ、フォーカス調整を可能とする。
一対の付勢部材4574は、図11に示すように、板ばねで構成され、略中央部分に位置する基部4574Aと、基部4574Aから略ハ字状にそれぞれ延出する一対の延出部4574Bとをそれぞれ備える。そして、一対の付勢部材4574は、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541の間に配設され、基部4574Aが視野角補償板453の光束射出側端面に当接し、一対の延出部4574Bの先端部分が第1射出側偏光板4541の光束入射側端面に当接し、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541を互いに離間する方向に付勢する。
そして、上述した第2支持部4572は、以下に示すように、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541を支持固定する。
すなわち、第2支持部本体4573における板状部4573Aおよび各突出部4573Bで囲まれる空間に、光学補償フィルム4532が光束入射側に向いた状態の視野角補償板453、一対の付勢部材4574、および偏光膜が光束射出側に向いた状態の第1射出側偏光板4541を配設する。この状態では、一対の付勢部材4574による付勢力により、視野角補償板453が光束入射側に押圧され、視野角補償板453における透光性基板4531の光束入射側端面が第2支持部4572における板状部4573Aの光束射出側端面に当接する。また、一対の付勢部材4574による付勢力により、第1射出側偏光板4541が光束射出側に押圧され、第1射出側偏光板4541における透光性基板4541Aの光束射出側端面が第2支持部4572における各突出部4573Bの各先端部分4573B1に当接する。以上のように、一対の付勢部材4574による付勢力により、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541が第2支持部4572に支持固定される。視野角補償板453および第1射出側偏光板4541が一対の付勢部材4574による付勢力により第2支持部本体4573に付勢固定されることで、視野角補償板453〜第2支持部4572の熱伝達経路、および第1射出側偏光板4541〜第2支持部4572の熱伝達経路が形成される。
〔電源ユニットの構成〕
電源ユニット5は、プロジェクタ1の装置本体を構成する各構成部材に電力を供給する。この電源ユニット5は、図8に示すように、外装筺体2における−X軸方向側の側面に沿って、背面側から前面側にかけて延びるように配置されている。この電源ユニット5は、具体的な図示は省略したが、電源ケーブルを通して外部から供給された電力を前記各構成部材に供給する電源ブロックと、前記電源ブロックから供給された電力に基づいて光源ランプ411を点灯させるランプ駆動ブロックとを備える。これら電源ブロックおよびランプ駆動ブロックは、図3ないし図8に示すように、両端が開口されたアルミニウム等の金属性のシールド部材51によって周囲を覆われている。そして、このシールド部材51により背面側から流入された空気が前面側に誘導されるとともに、前記電源ブロックや前記ランプ駆動ブロックで発生する電磁ノイズが外部へ漏れないように構成されている。
〔密閉循環空冷ユニットの構成〕
図12ないし図16は、密閉循環空冷ユニット7の構成を示す図である。具体的に、図12は、密閉循環空冷ユニット7の略全体構成を前面上方側から見た斜視図である。図13は、図5の状態から密閉循環空冷ユニット7の一部(各放熱装置85,86,94,95、各高熱伝導ダクト部842,932等)を取り外した状態を示す図である。図14は、図6の状態から筺体内部冷却装置10の一部(光源冷却用ファン101等)、密閉循環空冷ユニット7の一部(カバー部材8322、循環ファン91、補助ダクト部材92、第2の流路後段側ダクト部材93等)を取り外した状態を示す図である。図15は、図14の状態から密閉循環空冷ユニット7の一部(ダクト本体832等)を取り外した状態を示す図である。図16は、図15の状態から密閉循環空冷ユニット7の一部(循環ファン82等)を取り外した状態を示す図である。
密閉循環空冷ユニット7は、光学部品用筐体46とともに本発明に係る密閉構造を構成し、光学部品用筐体46における空間Ar1を含む環状の第1の空気流通路の空気を循環させ空間Ar1に配置される光学装置45を冷却するとともに、光学部品用筐体46における空間Ar2を含む環状の第2の空気流通路の空気を循環させ空間Ar2に配置される偏光変換素子423を冷却する。
この密閉循環空冷ユニット7は、図12ないし図16に示すように、光学部品用筐体46とともに第1の密閉構造を構成し前記第1の密閉構造内部の第1の空気流通路の空気を循環させて光学装置45を冷却する第1の空冷ユニット8と、光学部品用筐体46とともに第2の密閉構造を構成し前記第2の密閉構造内部の第2の空気流通路の空気を循環させて偏光変換素子423を冷却する第2の空冷ユニット9とを備える。
〔第1の空冷ユニットの構成〕
第1の空冷ユニット8は、図4ないし図7、図12ないし図16に示すように、熱交換器81と、循環ファン82(図6、図7、図12、図14、図15)と、流路前段側ダクト部材83と、第1の流路後段側ダクト部材84(図4、図5、図12、図13)と、第1の循環空気放熱装置85(図6、図7、図12、図14〜図16)と、第1の光学素子放熱装置86(図4、図5)とを備える。
なお、以下では、第1の空気流通路に沿って、空間Ar1に対する上流側から順に説明する。また、循環ファン82の具体的な構成については、流路前段側ダクト部材83と同時に説明する。
〔熱交換器の構成〕
図17および図18は、熱交換器81の構成を示す斜視図である。具体的に、図17は、+Z軸方向側から熱交換器81を見た斜視図である。図18は、図17の分解斜視図である。なお、図17および図18では、説明の便宜上、熱交換器用排気ダクト815を省略している。
熱交換器81は、図13ないし図16に示すように、投射レンズ3の+X軸方向側に隣接配置され、前記第1の密閉構造内部の第1の空気流通路を辿る空気の熱を受熱し、前記第1の密閉構造外部に放熱する装置である。この熱交換器81は、図17または図18に示すように、熱交換器本体811と、受熱側ダクト812と、放熱側ダクト813と、冷却ファン814と、熱交換器用排気ダクト815(図3〜図5、図8、図12)とを備える。
熱交換器本体811は、図17または図18に示すように、受熱側熱伝導性部材8111と、放熱側熱伝導性部材8112とを備える。
受熱側熱伝導性部材8111は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、放熱側熱伝導性部材8112と熱伝達可能に接続する。この受熱側熱伝導性部材8111は、図17または図18に示すように、矩形状の板体8111Aと、板体8111Aにおける−X軸方向端面(放熱側熱伝導性部材8112との接続面とは反対側の端面)から突出しY軸方向(上下方向)に延出する板状の複数のフィン部材8111Bとを有する、いわゆるヒートシンクで構成されている。
放熱側熱伝導性部材8112は、受熱側熱伝導性部材8111と同様に、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図17または図18に示すように、板体8112Aおよび複数のフィン部材8112Bを有するヒートシンクで構成されている。ここで、複数のフィン部材8112Bは、図17または図18に示すように、受熱側熱伝導性部材8111における複数のフィン部材8111Bの延出方向と略直交する方向(Z軸方向)に延出するように形成されている。
受熱側ダクト812は、低熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図17または図18に示すように、受熱側熱伝導性部材8111の複数のフィン部材8111Bを囲みY軸方向に延出する断面略コ字形状を有する。また、受熱側ダクト812は、コ字状先端部分が受熱側熱伝導性部材8111の板体8111Aに接続可能に構成され、板体8111Aに接続することで、コ字状内側部分に複数のフィン部材8111Bが配置される。そして、図17に示すように、受熱側ダクト812により、複数のフィン部材8111Bの延出方向に沿って空気を流通可能とする流路C1が形成される。そして、この流路C1は、前記第1の密閉構造内部の第1の空気流通路の一部を構成する。すなわち、受熱側熱伝導性部材8111が前記第1の密閉構造内部に面し、放熱側熱伝導性部材8112が前記第1の密閉構造外部に面することとなる。そして、流路C1を辿る空気の熱が、複数のフィン部材8111B〜板体8111A〜板体8112A〜複数のフィン部材8112Bの熱伝達経路を辿って、放熱側熱伝導性部材8112に伝達される。
放熱側ダクト813は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図17または図18に示すように、放熱側熱伝導性部材8112の+X軸方向側に配置され、冷却ファン814から送風され放熱側熱伝導性部材8112を介した空気を所定方向に導く。より具体的に、放熱側ダクト813は、図17または図18に示すように、放熱側熱伝導性部材8112の+X軸方向側、および+Y軸方向側を囲む断面略L字形状を有している。そして、放熱側ダクト813には、図17または図18に示すように、+X軸方向側の面(フィン部材8112Bに対向する面)に切り欠き8131が形成されている。また、切り欠き8131周縁部分には、図17または図18に示すように、冷却ファン814を外装筺体2内部に設置するためのファン設置部材814Aと接続する接続部8132が形成されている。そして、放熱側ダクト813は、図17に示すように、冷却ファン814からフィン部材8112Bに吹き付けられる空気を、+Z軸方向側、および−Z軸方向側の2方向に導く。
冷却ファン814は、図17または図18に示すように、軸流ファンで構成され、外装筺体2に形成された熱交換器用吸気口213,224に対向するように配置され、制御基板6による制御の下、駆動することで、熱交換器用吸気口213,224を介して外装筐体2外部の空気を吸入し、放熱側熱伝導性部材8112における複数のフィン部材8112Bに空気を吐出する。すなわち、複数のフィン部材8111B〜板体8111A〜板体8112A〜複数のフィン部材8112Bの熱伝達経路を辿って複数のフィン部材8112Bに伝達された熱が、冷却ファン814により冷却される。
熱交換器用排気ダクト815は、冷却ファン814から放熱側熱伝導性部材8112に送風され放熱側ダクト813により−Z軸方向側に導かれた空気を、外装筺体2に形成された第2の熱交換器用排気口215,226に導くものである。この熱交換器用排気ダクト815は、図3〜図5、図8、または図12に示すように、空気を内部に導入する導入口8151から内部の空気を外部に排出する排出口8152にかけて、−Z軸方向に延出するとともに、延出方向先端部分が+X軸方向に所定角度、屈曲した形状を有する。そして、熱交換器用排気ダクト815は、図5に示すように、導入口8151が放熱側ダクト813の−Z軸方向側の端部に接続し、排出口8152が外装筺体2に形成された第2の熱交換器用排気口215,226に対向するように配置される。
したがって、冷却ファン814から放熱側熱伝導性部材8112に送風された空気のうち、放熱側ダクト813により−Z軸方向側に導かれた空気は、図5に示すように、熱交換器用排気ダクト815を介して第2の熱交換器用排気口215,226に導かれ、第2の熱交換器用排気口215,226を介して、外装筐体2外部に排出される。
また、冷却ファン814から放熱側熱伝導性部材8112に送風された空気のうち、放熱側ダクト813により+Z軸方向側に導かれた空気は、図5に示すように、外装筺体2に形成された第1の熱交換器用排気口214,225を介して、外装筺体2外部に排出される。
〔流路前段側ダクト部材の構成〕
流路前段側ダクト部材83は、低熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、流路C1を辿って熱交換器81を介した空気を循環ファン82に導くとともに、循環ファン82から吐出された空気を空間Ar1に導く部材である。この流路前段側ダクト部材83は、図6、図7、図12、図14ないし図16に示すように、ベース板831(図6、図7、図14〜図16)と、ダクト本体832(図6、図7、図12、図14)とを備える。
ベース板831は、図6、図7、図14ないし図16に示すように、光学部品用筐体46における部品収納部本体4612の−Y軸方向端面に所定の間隔(例えば、5〜10mm程度)を空けて取り付けられ、循環ファン82およびダクト本体832を支持する。このベース板831は、図15または図16に示すように、平面視略L字形状を有する。より具体的に、ベース板831は、投射レンズ3の下方側から光学部品用筐体46内部における光学装置45の配置位置に対応する位置にかけて−Z軸方向に延出するとともに、−Z軸方向端部が+X軸方向に延出する。
そして、ベース板831において、投射レンズ3の下方側に位置する部分は、図15または図16に示すように、循環ファン82を取り付けるための第1取付部8311として機能する。また、ベース板831において、光学装置45の配置位置に対応する位置から+X軸方向に延出した部分は、図15または図16に示すように、循環ファン82を取り付けるための第2取付部8312として機能する。
ここで、循環ファン82は、前記第1の密閉構造内部の環状の第1の空気流通路に沿って空気を循環させるものであり、図15に示すように、第1シロッコファン821および第2シロッコファン822で構成されている。そして、第1シロッコファン821は、図15に示すように、吸入口8211が−Y軸方向側に向き、吐出口8212が−Z軸方向側に向くように、ベース板831の第1取付部8311に取り付けられる。また、第2シロッコファン822は、図15に示すように、吸入口8221が−Y軸方向側に向き、吐出口8222が−Z軸方向に向きかつXY平面に対して−X軸方向側に向けて所定角度、傾斜した状態となるように、ベース板831の第2取付部8312に取り付けられる。
また、ベース板831において、光学装置45の配置位置に対応する位置には、図15または図16に示すように、光学部品用筐体46に形成された各開口部4612R,4612G,4612Bに対応した開口部8313R,8313G,8313Bがそれぞれ形成されている。
ダクト本体832は、ベース板831の−Y軸方向端面に取り付けられることで、流路C1を辿って熱交換器81を介した空気を循環ファン82に導くとともに、循環ファン82から吐出された空気を空間Ar1に導く。このダクト本体832は、図6、図7、図12、または図14に示すように、基体8321と、カバー部材8322(図6、図7、図12)とを備える。
基体8321は、図14に示すように、ベース板831の平面形状と略同一の平面形状を有し、第1ダクト部8321Aと第2ダクト部8321Bとが一体的に形成されたものである。
第1ダクト部8321Aは、流路C1を辿って熱交換器81を介した空気を循環ファン82に導くものである。この第1ダクト部8321Aは、図14に示すように、密閉循環空冷ユニット7を光学部品用筐体46に設置した状態で、熱交換器81の受熱側ダクト812、および循環ファン82を平面的に囲う障壁部8321A1を有し、−Y軸方向側に開口部8321A2を有する容器状に形成されている。
この第1ダクト部8321Aにおいて、熱交換器81の受熱側ダクト812に対応する位置には、図14に示すように、流路C1と連通する開口部8321A3が形成されている。
また、第1ダクト部8321Aにおいて、循環ファン82を構成する各シロッコファン821,822の各吸入口8211,8221に対応する位置には、図14に示すように、開口部8321A4,8321A5がそれぞれ形成されている。
さらに、第1ダクト部8321Aにおいて、各開口部8321A4,8321A5の間には、図14に示すように、障壁部8321A1から開口部8321A3に向けて延出する整流リブ8321A6が形成されている。
さらにまた、第1ダクト部8321Aにおいて、熱交換器81の放熱側ダクト813に対応する位置には、図14に示すように、障壁部8321A1から+X軸方向に延出する平面視矩形形状の放熱風規制部8321A7が形成されている。すなわち、第1の空冷ユニット8を組み立てた状態では、放熱風規制部8321A7と熱交換器81の放熱側ダクト813とが接続する。そして、放熱風規制部8321A7および放熱側ダクト813により、冷却ファン814から複数のフィン部材8112Bに吹き付けられる空気を、+Z軸方向側、および−Z軸方向側に導く。
また、第1ダクト部8321Aにおいて、開口部8321A4周縁部分は、図14に示すように、循環ファン82を構成する第1シロッコファン821を取り付けるための第1取付部8321A8として機能する。すなわち、第1シロッコファン821は、ベース板831の第1取付部8311、およびダクト本体832の第1取付部8321A8とで挟持固定される。
さらに、第1ダクト部8321Aにおいて、開口部8321A5周縁部分は、図14に示すように、循環ファン82を構成する第2シロッコファン821を取り付けるための第2取付部8321A9として機能する。すなわち、第2シロッコファン822は、ベース板831の第2取付部8312、およびダクト本体832の第2取付部8321A9とで挟持固定される。
カバー部材8322は、図6または図7に示すように、第1ダクト部8321Aにおける障壁部8321A1に取り付けられ、開口部8321A2を閉塞する部材である。
そして、第1ダクト部8321Aにカバー部材8322が取り付けられることで、図14に示すように、流路C1を辿った空気が開口部8321A3を介して第1ダクト部8321Aおよびカバー部材8322間に導入され、整流リブ8321A6により、前記空気を開口部8321A4(第1シロッコファン821)に導く流路C2と、前記空気を開口部8321A5(第2シロッコファン822)に導く流路C3とが形成される。これら流路C2,C3は、前記第1の密閉構造内部の第1の空気流通路の一部を構成する。
第2ダクト部8321Bは、各流路C2,C3を辿って各シロッコファン821,822に吸入・吐出された空気を光学部品用筐体46内部の空間Ar1に導くものである。この第2ダクト部8321Bは、図12に示すように、+Y軸方向側が開口した容器状に形成されている。
この第2ダクト部8321Bにおいて、図12に示すように、容器状の側壁部分には、第1シロッコファン821の吐出口8212と接続する切り欠き8321B1と、第2シロッコファン822の吐出口8222と接続する切り欠き(図示略)とが形成されている。
また、この第2ダクト部8321Bには、図12に示すように、第1シロッコファン821および第2シロッコファン822から吐出された空気を所定位置に導くための整流リブ8321B2が形成されている。なお、図12では、説明の便宜上、ベース板831を省略している。
そして、ダクト本体832をベース板831に取り付けることで、図15に示すように、流路C2を辿り第1シロッコファン821にて吸入・吐出された空気が第2ダクト部8321Bおよびベース板831間に導入され、整流リブ8321B2により、前記空気をベース板831の各開口部8313R,8313Bおよび光学部品用筐体46の各開口部4612R,4612Bを介して空間Ar1に導く流路C4が形成される。また、図15に示すように、流路C3を辿り第2シロッコファン822にて吸入・吐出された空気が第2ダクト部8321Bおよびベース板831間に導入され、整流リブ8321B2により、前記空気をベース板831の開口部8313Gおよび光学部品用筐体46の開口部4612Gを介して空間Ar1に導く流路C5が形成される。これら流路C4,C5は、前記第1の密閉構造内部の第1の空気流通路の一部を構成する。
〔第1の流路後段側ダクト部材の構成〕
図19および図20は、第1の流路後段側ダクト部材84の構成を示す図である。具体的に、図19は、図12の状態から第1の空冷ユニット8の一部(循環ファン82、流路前段側ダクト部材83等)を取り外した状態を背面下方側から見た図である。図20は、図19の状態から熱交換器81、および第2の空冷ユニット9の一部(補助ダクト部材92、低熱伝導ダクト部931等)を取り外した状態を示す図である。
第1の流路後段側ダクト部材84は、空間Ar1内部から空間Ar1外部に流出した空気を熱交換器81の受熱側ダクト812(流路C1)に導く部材である。この第1の流路後段側ダクト部材84は、図4、図5、図12、図13、図19、または図20に示すように、低熱伝導ダクト部841と、高熱伝導ダクト部842(図4、図5、図12、図19、図20)とを備える。
低熱伝導ダクト部841は、低熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図13に示すように、熱交換器81を構成する受熱側ダクト812の+Y軸方向側の開口部分、および光学部品用筐体46内部の光学装置45の配置位置を平面的に囲う障壁部8411を有し、+Y軸方向側に開口部8412を有する平面視略L字形状の容器状に形成されている。そして、この低熱伝導ダクト部841は、具体的な図示は省略するが、蓋状部材462の+Y軸方向端面に所定の間隔(例えば、5〜10mm程度)を空けて取り付けられる。
この低熱伝導ダクト部841において、受熱側ダクト812に対応する位置には、図13または図20に示すように、流路C1と連通する開口部8413が形成されている。
また、低熱伝導ダクト部841において、蓋状部材462の切り欠き4621に対応する位置には、図13、図19、または図20に示すように、切り欠き4621を介して空間Ar1に連通する開口部8414が形成されている。
さらに、低熱伝導ダクト部841において、開口部8414における+Z軸方向側の周縁部分には、図12、図13、図19、または図20に示すように、−Y軸方向に突出する平面視矩形状の突出部8415が形成されている。また、この突出部8415には、図12、図13、図19、または図20に示すように、平面視矩形状の開口部8415Aが形成されている。そして、第1の流路後段側ダクト部材84を光学部品用筐体46に設置した状態では、突出部8415は、蓋状部材462の切り欠き4621を介して光学部品用筐体46内部に設置された光学装置45と投射レンズ3との間に配置される。そして、光学装置45にて形成されたカラー画像は、突出部8415の開口部8415Aを介して投射レンズ3に入射する。すなわち、突出部8415は、光学部品用筐体46における投射レンズ3の設置位置の開口部分を閉塞する部材である。
高熱伝導ダクト部842は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図4、図5、図12、図19、または図20に示すように、低熱伝導ダクト部841における障壁部8411に取り付けられ、開口部8412を閉塞する板状部材である。
また、高熱伝導ダクト部842の内面(−Y軸方向端面)において、低熱伝導ダクト部841の開口部8413に対応する位置には、板状の複数のフィン部材8421が取付けられている(図22、図23参照)。これら複数のフィン部材8421は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、互いに平行してX軸方向に積層配置され、高熱伝導ダクト部842に熱伝達可能に接続している。そして、高熱伝導ダクト部842を低熱伝導ダクト部841に取り付けた状態では、複数のフィン部材8421は、低熱伝導ダクト部841の開口部8413を介して、受熱側ダクト812内部の受熱側熱伝導性部材8111近傍まで突出することとなる。
ここで、各フィン部材8421は、厚み寸法が0.3mm以上2.0mm以下に設定されているとともに、フィン部材8421毎の間隔が2.0mm以上10.0mm以下に設定されている。
さらに、高熱伝導ダクト部842には、図4、図5、または図12に示すように、各液晶パネル4511と制御基板6とを接続する各FPCケーブル4511Cを通すための孔8422が設けられている。そして、各孔8422と各FPCケーブル4511Cとの隙間は、第1の流路後段側ダクト部材84内部の密閉性が損なわれないように、ゴム、スポンジ等により封止されている。
さらにまた、高熱伝導ダクト部842には、図4、図5、または図12に示すように、第1の光学素子放熱装置86を構成する後述する第1の光学素子放熱用ヒートパイプを通すための孔8423が設けられている。そして、孔8423と前記ヒートパイプとの隙間は、第1の流路後段側ダクト部材84内部の密閉性が損なわれないように、ゴム、スポンジ等により封止されている。
そして、低熱伝導ダクト部841に高熱伝導ダクト部842が取り付けられることで、図13、図19、または図20に示すように、空間Ar1内部から空間Ar1外部に流出した空気が切り欠き4621および開口部8414を介して第1の流路後段側ダクト部材84内部に導入され、開口部8413を介して前記空気を受熱側ダクト812(流路C1)に導く流路C6が形成される。この流路C6は、前記第1の密閉構造内部の第1の空気流通路の一部を構成する。
すなわち、上述した流路C1〜C6、および空間Ar1により前記第1の密閉構造内部の環状の第1の空気流通路を構成する。そして、循環ファン82により、流路C1〜流路C2,C3〜流路C4,C5〜空間Ar1〜流路C6〜流路C1の環状の第1の空気流通路を辿って空気を流通させることで、空間Ar1内の光学装置45(液晶パネル4511、入射側偏光板452、射出側偏光板454等)が冷却される。
なお、具体的な図示は省略したが、光学部品用筐体46および第1の空冷ユニット8は、例えば、各部材間に弾性を有するシール部材等が介在されることで前記第1の空気流通路と外部とが連通しない密閉構造を構成している。
〔第1の光学素子放熱装置の構成〕
図21は、第1の光学素子放熱装置86の構成を示す図である。具体的に、図21は、図10の状態の光学装置本体45Aに対して第1の光学素子放熱装置86を取り付けた状態を示す図である。
第1の光学素子放熱装置86は、図21に示すように、前記第1の密閉構造内部の空間Ar1に配置される光学装置45を構成する3つの光学素子450に熱伝達可能に接続し、3つの光学素子450の熱を前記第1の密閉構造外部に放熱する装置である。この第1の光学素子放熱装置86は、図21に示すように、第1の光学素子放熱用受熱部材861と、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862とを備える。
第1の光学素子放熱用受熱部材861は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、平面形状(Y軸方向から見た形状)がクロスダイクロイックプリズム455の平面形状よりも若干大きい直方体形状を有するブロック状に形成されている。この第1の光学素子放熱用受熱部材861は、図21に示すように、クロスダイクロイックプリズム455における各光束入射側端面に交差する端面である上方側端面に固定される。そして、光学装置本体45Aに対して第1の光学素子放熱用受熱部材861を固定した状態では、第1の光学素子放熱用受熱部材861と各第2射出側偏光板4542の各透光性基板4542Aとが直接、接続するとともに、クロスダイクロイックプリズム455を介して第1の光学素子放熱用受熱部材861と各第2射出側偏光板4542とが間接的に接続する。すなわち、上述した状態では、各第2射出側偏光板4542〜第1の光学素子放熱用受熱部材861の熱伝達経路が形成される。
第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862は、内部に毛細管構造(ウィック)を有する環状に形成されるとともに、管内部には冷媒が収容され、冷媒が管内部を還流することにより、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862内での熱移動が行われる、いわゆるヒートパイプで構成されている。
ここで、具体的な図示は省略するが、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862の毛細管構造は、パウダー状の焼結型ウィックを有するヒートパイプで構成されている。また、冷媒としては、水を採用している。なお、前記毛細管構造としては、焼結型ウィックに限らず、その他のウィック、例えば、複数の細い銅線等で構成された極細線型ウィック、網目状の金属メッシュ型ウィック、あるいは、管内部に複数の溝を形成したグルーブ型のウィックとして構成しても構わない。また、冷媒としては、水に限らず、その他の冷媒、例えば、アルコール等を採用しても構わない。
この第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862は、プレス加工が施されることで、以下に示すような形状を有する。
すなわち、一端側の部位862Aは、図21に示すように、先端からクロスダイクロイックプリズム455における平面視矩形形状の対角方向に延出するとともに、基端部分が鉛直方向(+Y軸方向)に延出する平面視L字形状を有するように屈曲形成されている。また、一端側の部位862Aの先端部分は、図21に示すように、上方側端面および下方側端面が平坦状となる断面視略楕円形状を有するように形成されている。
また、他端側の部位862Bは、図21に示すように、一端側の部位862Aの基端部分から−X軸方向に延出するとともに、先端部分が−Z軸方向に延出する平面視L字形状を有するように屈曲形成されている。また、他端側の部位862Bは、図21に示すように、一端側の部位862Aの先端部分と同様に、上方側端面および下方側端面が平坦状となる断面視略楕円形状を有するように形成されている。
そして、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862は、図4または図5に示すように、一端側の部位862Aが第1の流路後段側ダクト部材84を構成する高熱伝導ダクト部842を、孔8423を介して貫通する。また、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862は、第1の空冷ユニット8を光学部品用筐体46に取り付けた状態で、一端側の部位862Aが第1の流路後段側ダクト部材84を構成する低熱伝導ダクト部841の開口部8414、および光学部品用筐体46を構成する蓋状部材462の切り欠き4621を介して空間Ar1に突出し、図21に示すように、一端側の部位862Aにおける先端部分の平坦状の下方側端面が第1の光学素子放熱用受熱部材861の上方側端面に熱伝達可能に接続する。また、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862は、図4または図5に示すように、他端側の部位862Bが前記第1の密閉構造外部に位置し、他端側の部位862Bにおける平坦状の下方側端面が高熱伝導ダクト部842の上方側端面に熱伝達可能に接続する。
なお、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862と、第1の光学素子放熱用受熱部材861および高熱伝導ダクト部842との接続構造としては、例えば、半田等により接続する構成、溶接して接続する構成、あるいは、熱伝導性を有する接着剤により接着固定する構成等を採用できる。
そして、上述した第1の光学素子放熱装置86は、以下に示すように、光束の照射による視野角補償板453や射出側偏光板454に生じた熱を放熱する。
視野角補償板453や射出側偏光板454に生じた熱は、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541〜第2支持部4572〜第1支持部4571〜第2射出側偏光板4542〜第1の光学素子放熱用受熱部材861の熱伝達経路、および第2射出側偏光板4542〜第1の光学素子放熱用受熱部材861の熱伝達経路を辿って、第1の光学素子放熱用受熱部材861に伝達される。
第1の光学素子放熱用受熱部材861に伝達された熱は、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862における一端側の部位862Aに伝達される。
ここで、一端側の部位862Aの内部では、伝達された熱により冷媒が熱せられて蒸発して気化し、このとき潜熱(気化熱)として熱が取り込まれる。すなわち、一端側の部位862Aは、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862における蒸発部として機能する。
そして、気化した冷媒は、蒸気流となって、一端側の部位862Aから離間した低温側である前記第1の密閉構造外部に位置する他端側の部位862Bに移動する。そして、他端側の部位862Bに移動した冷媒は、冷やされて液化し、熱を放出する(凝縮潜熱による熱放出)。すなわち、他端側の部位862Bは、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862における凝縮部として機能する。そして、凝縮部862Bの熱は、高熱伝導ダクト部842に伝達される。凝縮部862Bにて液化した冷媒は、毛細管構造(ウィック)を通って再度、蒸発部862Aに戻る。
〔第1の循環空気放熱装置の構成〕
図22および図23は、第1の循環空気放熱装置85の構成を示す図である。具体的に、図22は、図20の状態から低熱伝導ダクト部841を取り外した状態を示す図である。図23は、第1の循環空気放熱装置85を下方側から見た分解斜視図である。
第1の循環空気放熱装置85は、図19、図20、図22、または図23に示すように、第1の流路後段側ダクト部材84における高熱伝導ダクト部842に接続し、前記第1の密閉構造内部の第1の空気流通路(流路C6)を辿る空気の熱を受熱し、前記第1の密閉構造外部に放熱する装置である。この第1の循環空気放熱装置85は、図19、図20、図22、または図23に示すように、第1の循環空気放熱用受熱部材851と、第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852と、第1の放熱部材853と、冷却ファン854(図5〜図7)とを備える。
第1の循環空気放熱用受熱部材851は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図19、図20、図22、または図23に示すように、高熱伝導ダクト部842の内面(−Y軸方向端面)に熱伝達可能に接続し、流路C6を辿る空気の熱を受熱する。より具体的に、第1の循環空気放熱用受熱部材851は、高熱伝導ダクト部842の内面において、光学部品用筐体46に形成された切り欠き4621(光学装置45の配置位置)に平面的に干渉する位置に配置される。
この第1の循環空気放熱用受熱部材851は、図19、図20、図22、または図23に示すように、板状の複数のフィン部材8511を有し、互いに平行してZ軸方向に積層配置された構成を有している。すなわち、複数のフィン部材8511は、流路C6を辿る空気の流通方向(X軸方向)に延出するように配置されている。
また、複数のフィン部材8511において、光学部品用筐体46に形成された切り欠き4621(光学装置45の配置位置)に平面的に干渉する部位8511Aは、図19、図20、図22、または図23に示すように、−Y軸方向に突出し、平面視櫛歯形状を有している。すなわち、第1の空冷ユニット8を光学部品用筐体46に設置した状態では、複数のフィン部材8511における部位8511Aは、第1の流路後段側ダクト部材84の開口部8414、および光学部品用筐体46に形成された切り欠き4621を介して、光学装置45近傍まで突出することとなる。
ここで、各フィン部材8511は、厚み寸法が0.3mm以上2.0mm以下に設定されているとともに、フィン部材8511毎の間隔が2.0mm以上10.0mm以下に設定されている。
第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852は、上述した第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862と同様に、毛細管構造がパウダー状の焼結型ウィックで構成されたヒートパイプである。なお、第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852の毛細管構造としては、焼結型ウィックに限らず、その他のウィック、例えば、極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、あるいは、グルーブ型のウィックとして構成しても構わない。また、冷媒としては、水に限らず、その他の冷媒、例えば、アルコール等を採用しても構わない。
この第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852は、プレス加工が施されることで、図23に示すように、L字形状となるように屈曲形成されている。また、一端側の部位852Aは、図23に示すように、上方側端面および下方側端面が平坦状となる断面視略楕円形状を有するように形成されている。そして、第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852は、一端側の部位852A(蒸発部)が第1の流路後段側ダクト部材84における低熱伝導ダクト部841を貫通し、高熱伝導ダクト部842および第1の循環空気放熱用受熱部材851の間で平坦状の上方側端面および下方側端面が高熱伝導ダクト部842および第1の循環空気放熱用受熱部材851に熱伝達可能に接続する。また、第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852は、他端側の部位852B(凝縮部)が第1の放熱部材853に熱伝達可能に接続する。すなわち、第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852は、流路C6を辿る空気から直接、第1の循環空気放熱用受熱部材851に伝達された熱、流路C6を辿る空気から高熱伝導ダクト部842に伝達された熱、複数のフィン部材8421を介して高熱伝導ダクト部842に伝達された熱、および第1の光学素子放熱装置86から高熱伝導ダクト部842に伝達された熱を、前記第1の密閉構造外部に配置される第1の放熱部材853に伝達させる。
第1の放熱部材853は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図4または図5に示すように、外装筺体2における背面側に配設され、第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852を介して伝達された熱を放熱する。
この第1の放熱部材853は、図19、図20、図22、または図23に示すように、板状の複数のフィン部材8531を有し、互いに平行してX軸方向に積層配置された構成を有している。そして、第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852における凝縮部852Bは、図19、図20、または図22に示すように、+X軸方向側から−X軸方向側に向けて各フィン部材8531を貫通し、各フィン部材8531と熱伝達可能に接続する。
冷却ファン854は、図5ないし図7に示すように、シロッコファンで構成され、第1の放熱部材853の−Y軸方向側において、吸入口8541(図5、図7)が−Z軸方向側に向き、吐出口8542(図5、図7)が第1の放熱部材853に対向するように配設されている。そして、冷却ファン854は、制御基板6による制御の下、駆動することで、外装筺体2内部の空気を吸入し、第1の放熱部材853に空気を吐出する。すなわち、第1の循環空気放熱用受熱部材851および高熱伝導ダクト部842〜第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852〜第1の放熱部材853の熱伝達経路を辿って第1の放熱部材853に伝達された熱が、冷却ファン854により冷却される。
〔第2の空冷ユニットの構成〕
第2の空冷ユニット9は、図4〜図7、図12、図13、図19、図20、または図22に示すように、循環ファン91(図6、図7、図12)と、補助ダクト部材92(図6、図7、図12、図19)と、第2の流路後段側ダクト部材93(図6、図7、図12、図13、図19、図20、図22)と、第2の循環空気放熱装置94(図7、図12、図19、図20、図22)と、第2の光学素子放熱装置95(図4、図5)とを備える。
なお、以下では、第2の空気流通路に沿って、空間Ar2に対する上流側から順に説明する。
循環ファン91は、シロッコファンで構成され、前記第2の密閉構造内部の環状の第2の空気流通路に沿って空気を循環させるものである。そして、循環ファン91は、図6または図7に示すように、吸入口(図示略)が+Y軸方向側に向き、吐出口911が−X軸方向側に向くように、第2の流路後段側ダクト部材93の後述するファン取付部に取り付けられる。
〔補助ダクト部材の構成〕
補助ダクト部材92は、低熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、循環ファン91から吐出された空気を空間Ar2に導く部材である。この補助ダクト部材92は、略直方体形状を有し、互いに直交する側面に、内部に空気を導入する導入口921(図6、図7、図19)と、内部の空気を外部に排出する排出口(図示略)とがそれぞれ形成されている。そして、補助ダクト部材92は、空間Ar2の−Y軸方向側において、導入口921が循環ファン91の吐出口911に接続し、前記排出口が+Y軸方向側に向くように、第2の流路後段側ダクト部材93の後述する補助ダクト設置部に取り付けられる。補助ダクト部材92が前記補助ダクト設置部に取り付けられることで、図6、図7、図12、または図19に示すように、循環ファン91から吐出された空気を−X軸方向に流通させ、さらに、+Y軸方向に流通させて、空間Ar2に導く流路C11が形成される。この流路C11は、前記第2の密閉構造内部の第2の空気流通路の一部を構成する。
〔第2の流路後段側ダクト部材の構成〕
第2の流路後段側ダクト部材93は、空間Ar2内部から空間Ar2外部に流出した空気を循環ファン91の吸気口に導く部材である。この第2の流路後段側ダクト部材93は、図6、図7、図12、図13、図19、図20、または図22に示すように、低熱伝導ダクト部931(図6、図7、図12、図13、図19)と、高熱伝導ダクト部932(図12、図19、図20、図22)とを備える。
低熱伝導ダクト部931は、低熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図6、図7、図12、図13、図19に示すように、第1ダクト部9311(図12、図13、図19)と、第2ダクト部9312(図7、図12、図13、図19)と、第3ダクト部9313(図6、図7、図12、図19)と、補助ダクト設置部9314(図6、図7、図12)とが一体的に形成されたものである。そして、低熱伝導ダクト部931は、光学部品用筐体46の+Y軸方向側、−Z軸方向側、および−Y軸方向側の三方を囲むように光学部品用筐体46に所定の間隔(例えば、5〜10mm程度)を空けて取り付けられ、循環ファン91および補助ダクト部材92を支持する。
第1ダクト部9311は、図12、図13、または図19に示すように、空間Ar2の+Y軸方向側から−Z軸方向に延出し、空間Ar2内部から空間Ar2外部に流出した空気を導入して−Z軸方向に導く。
この第1ダクト部9311において、−Y軸方向端面には、図13または図19に示すように、光学部品用筐体46に形成された開口部4622に対応する位置に、開口部4622を介して空間Ar2に連通する開口部9311Aが形成されている。
また、第1ダクト部9311において、+Y軸方向端面には、図13に示すように、開口部9311Aに平面的に干渉する位置から−Z軸方向に延びる開口部9311Bが形成されている。
第2ダクト部9312は、図7、図12、図13、または図19に示すように、第1ダクト部9311の延出方向先端部分から−Y軸方向に延出し、第1ダクト部9311にて導かれた空気を−Y軸方向に導く。
第3ダクト部9313は、図6、図7、図12、または図19に示すように、第2ダクト部9312の延出方向先端部分から+X軸方向に延出し、延出方向先端部分が+Z軸方向に延出する平面視略L字形状を有している。
この第3ダクト部9313において、+Z軸方向に延出する部位9313Aの−Y軸方向端面は、図19に示すように、循環ファン91を取り付けるためのファン取付部9313A1として機能する。
また、この第3ダクト部9313において、部位9313Aには、図19に示すように、循環ファン91の吸入口に対応する位置に、開口部9313A2が形成されている。
補助ダクト設置部9314は、図6、図7、または図12に示すように、第3ダクト部9313におけるL字内側部分に形成された平面視矩形状の板状部材であり、−Y軸方向端面にて補助ダクト部材92を支持固定する。
この補助ダクト設置部9314には、図12に示すように、光学部品用筐体46に形成された開口部4612Pに対応する位置に、開口部4612Pを介して空間Ar2に連通する開口部9314Aが形成されている。そして、補助ダクト部材92は、補助ダクト設置部9314において、排出口(図示略)が開口部9314Aと接続するように配置される。すなわち、補助ダクト部材92内部の流路C11を辿る空気は、開口部9314Aおよび開口部4612Pを介して空間Ar2に流通する。
高熱伝導ダクト部932は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図12または図19に示すように、低熱伝導ダクト部931における第1ダクト部9311の+Y軸方向端面に取り付けられ、第1ダクト部9311の開口部9311Bを閉塞する板状部材である。
また、高熱伝導ダクト部932には、図4、図5、図12、または図22に示すように、第2の光学素子放熱装置95を構成する後述する第2の光学素子放熱用ヒートパイプを通すための孔9321が設けられている。そして、孔9321と前記ヒートパイプとの隙間は、第2の流路後段側ダクト部材93内部の密閉性が損なわれないように、ゴム、スポンジ等により封止されている。
そして、低熱伝導ダクト部931に高熱伝導ダクト部932が取り付けられることで、図12、図13、または図19に示すように、空間Ar2内部から空間Ar2外部に流出した空気が開口部4622および開口部9311Aを介して低熱伝導ダクト部931(第1ダクト部9311)内部に導入され、第1ダクト部9311〜第2ダクト部9312〜第3ダクト部9313の流路C12を辿った後、第3ダクト部9313の開口部9313A2を介して循環ファン91に吸入される。この流路C12は、前記第2の密閉構造内部の第2の空気流通路の一部を構成する。
すなわち、上述した流路C11,C12、および空間Ar2により前記第2の密閉構造内部の環状の第2の空気流通路を構成する。そして、循環ファン91により、流路C11〜空間Ar2〜流路C12〜流路C11の環状の第2の空気流通路を辿って空気を流通させることで、空間Ar2内の偏光変換素子423が冷却される。
なお、具体的な図示は省略したが、光学部品用筐体46および第2の空冷ユニット9は、例えば、各部材間に弾性を有するシール部材等が介在されることで前記第2の空気流通路と外部とが連通しない密閉構造を構成している。
〔第2の光学素子放熱装置の構成〕
図24は、第2の光学素子放熱装置95の構成を示す図である。具体的に、図24は、偏光変換素子423に対して第2の光学素子放熱装置95を取り付けた状態を光路前段側から見た斜視図である。
第2の光学素子放熱装置95は、図24に示すように、前記第2の密閉構造内部の空間Ar2に配置される偏光変換素子423に熱伝達可能に接続し、偏光変換素子423の熱を前記第2の密閉構造外部に放熱する装置である。この第2の光学素子放熱装置95は、図24に示すように、上述した第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862と同様に、パウダー状の焼結型ウィックを有する第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951で構成されている。なお、第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951が有する毛細管構造としては、焼結型ウィックに限らず、その他のウィック、例えば、極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、あるいは、グルーブ型のウィックとして構成しても構わない。また、冷媒としては、水に限らず、その他の冷媒、例えば、アルコール等を採用しても構わない。
この第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951は、プレス加工が施されることで、以下に示すような形状を有する。
すなわち、一端側の部位951Aは、図24に示すように、先端から偏光変換素子423の上方側端面に沿って延出するとともに、基端部分が鉛直方向(+Y軸方向)に延出する平面視L字形状を有するように屈曲形成されている。また、一端側の部位951Aの先端部分は、図24に示すように、上方側端面および下方側端面が平坦状となる断面視略楕円形状を有するように形成されている。
また、他端側の部位951Bは、図24に示すように、一端側の部位951Aの基端部分から−X軸方向に延出するとともに、先端部分が−Z軸方向に延出する平面視L字形状を有するように屈曲形成されている。また、他端側の部位951Bは、図24に示すように、一端側の部位951Aの先端部分と同様に、上方側端面および下方側端面が平坦状となる断面視略楕円形状を有するように形成されている。
そして、第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951は、図4または図5に示すように、一端側の部位951Aが第2の流路後段側ダクト部材93を構成する高熱伝導ダクト部932を、孔9321を介して貫通する。また、第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951は、第2の空冷ユニット9を光学部品用筐体46に取り付けた状態で、一端側の部位951Aが第2の流路後段側ダクト部材93を構成する低熱伝導ダクト部931の開口部9311A、および光学部品用筐体46を構成する蓋状部材462の開口部4622を介して空間Ar2に突出し、図24に示すように、偏光変換素子423における上方側端面に熱伝達可能に接続する。具体的に、一端側の部位951Aにおける先端部分(蒸発部)は、図24に示すように、平坦状の下方側端面が偏光変換素子本体4231の上方側端面に熱伝達可能に接続するとともに、側面部分が遮光部材4232の上端側における光束射出側端面に熱伝達可能に接続する。また、第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951は、図4または図5に示すように、他端側の部位951B(凝縮部)が前記第2の密閉構造外部に位置し、他端側の部位951Bにおける平坦状の下方側端面が高熱伝導ダクト部932の上方側端面に熱伝達可能に接続する。
なお、第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951と、偏光変換素子423および高熱伝導ダクト部932との接続構造としては、例えば、半田等により接続する構成、溶接して接続する構成、あるいは、熱伝導性を有する接着剤により接着固定する構成等を採用できる。
そして、第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951は、上述したような偏光変換素子423および高熱伝導ダクト部932との接続構造により、偏光変換素子423に生じた熱(偏光分離膜、反射膜、位相差板、遮光部材4232等に生じた熱)を一端側の部位951Aの先端部分(蒸発部)にて取り込み、一端側の部位951Aから離間した低温側である前記第2の密閉構造外部に位置する他端側の部位951B(凝縮部)に移動させ、高熱伝導ダクト部932に伝達する。
〔第2の循環空気放熱装置の構成〕
図25は、第2の循環空気放熱装置94の構成を示す図である。具体的に、図25は、第2の循環空気放熱装置94を下方側から見た分解斜視図である。
第2の循環空気放熱装置94は、図19、図20、図22、または図25に示すように、第2の流路後段側ダクト部材93の高熱伝導ダクト部932に接続し、前記第2の密閉構造内部の第2の空気流通路(流路C12)を辿る空気の熱を受熱し、前記第2の密閉構造外部に放熱する装置である。この第2の循環空気放熱装置94は、図19、図20、図22、または図25に示すように、第2の循環空気放熱用受熱部材941と、第2の循環空気放熱用ヒートパイプ942(図25)と、第1の放熱部材853と、冷却ファン854(図5〜図7)とを備える。なお、本実施形態では、図5〜図7、図19、図20、または図22に示すように、第1の循環空気放熱装置85を構成する放熱部材および冷却ファンと、第2の循環空気放熱装置94を構成する放熱部材及び冷却ファンとを、第1の放熱部材853および冷却ファン854としてそれぞれ共通化して用いている。
第2の循環空気放熱用受熱部材941は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図19、図20、図22、または図25に示すように、高熱伝導ダクト部932の内面(−Y軸方向端面)に熱伝達可能に接続し、流路C12を辿る空気の熱を受熱する。より具体的に、第2の循環空気放熱用受熱部材941は、高熱伝導ダクト部932の内面において、光学部品用筐体46に形成された開口部4622(偏光変換素子423の配置位置)に平面的に干渉する位置に配置される。
この第2の循環空気放熱用受熱部材941は、図20、図22、または図25に示すように、板状の複数のフィン部材9411を有し、互いに平行してX軸方向に積層配置された構成を有している。すなわち、複数のフィン部材9411は、第1ダクト部9311内部の流路C12を辿る空気の流通方向(Z軸方向)に延出するように配置されている。
また、複数のフィン部材9411において、光学部品用筐体46に形成された開口部4622(偏光変換素子423の配置位置)に平面的に干渉する部位9411Aは、図19、図20、図22、または図25に示すように、−Y軸方向に突出し、平面視櫛歯形状を有している。すなわち、第2の空冷ユニット9を光学部品用筐体46に設置した状態では、複数のフィン部材9411における部位9411Aは、第1ダクト部9311の開口部9311A、および光学部品用筐体46に形成された開口部4622を介して、偏光変換素子423近傍まで突出することとなる。
さらに、複数のフィン部材9411において、第2ダクト部9312に対応する部位9411Bは、図19、図20、図22、または図25に示すように、−Y軸方向に突出している。すなわち、第2の空冷ユニット9を組み立てた状態では、複数のフィン部材9411における部位9411Bは、第2ダクト部9312の延出方向に沿って突出することとなる。
ここで、各フィン部材9411は、厚み寸法が0.3mm以上2.0mm以下に設定されているとともに、フィン部材9411毎の間隔が2.0mm以上10.0mm以下に設定されている。
第2の循環空気放熱用ヒートパイプ942は、上述した第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862と同様に、パウダー状の焼結型ウィックを有するヒートパイプで構成されている。なお、第2の循環空気放熱用ヒートパイプ942が有する毛細管構造としては、焼結型ウィックに限らず、その他のウィック、例えば、極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、あるいは、グルーブ型のウィックとして構成しても構わない。また、冷媒としては、水に限らず、その他の冷媒、例えば、アルコール等を採用しても構わない。
この第2の循環空気放熱用ヒートパイプ942は、プレス加工が施されることで、図25に示すように、L字形状となるように屈曲形成されているとともに、L字状の一端側の部位942Aが平面視コ字状を有するように屈曲形成されている。また、一端側の部位942Aは、図25に示すように、上方側端面および下方側端面が平坦状となる断面視略楕円形状を有するように形成されている。そして、第2の循環空気放熱用ヒートパイプ942は、一端側の部位942A(蒸発部)が第2の流路後段側ダクト部材93における低熱伝導ダクト部931を貫通し、高熱伝導ダクト部932および第2の循環空気放熱用受熱部材941の間で平坦状の上方側端面および下方側端面が高熱伝導ダクト部932および第2の循環空気放熱用受熱部材941に熱伝達可能に接続する。また、第2の循環空気放熱用ヒートパイプ942は、他端側の部位942B(凝縮部)が−X軸方向側から+X軸方向側に向けて第1の放熱部材853における各フィン部材8531を貫通し、各フィン部材8531と熱伝達可能に接続する。すなわち、第2の循環空気放熱用ヒートパイプ942は、流路C12を辿る空気から直接、第2の循環空気放熱用受熱部材941に伝達された熱、流路C12を辿る空気から高熱伝導ダクト部842に伝達された熱、および第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951から高熱伝導ダクト部842に伝達された熱を、前記第2の密閉構造外部に配置される第1の放熱部材853に伝達させる。
そして、第1の循環空気放熱用受熱部材851および高熱伝導ダクト部842〜第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852〜第1の放熱部材853の熱伝達経路を辿って第1の放熱部材853に伝達された熱、第2の循環空気放熱用受熱部材941および高熱伝導ダクト部932〜第2の循環空気放熱用ヒートパイプ942〜第1の放熱部材853の熱伝達経路を辿って第1の放熱部材853に伝達された熱の双方が、冷却ファン854により冷却される。
上述した高熱伝導材料および低熱伝導材料は、以下の表1に示す材料が例示できる。ここで、表1に示すように、高熱伝導材料としては、熱伝導率が42W/(m・K)以上の材料が好ましく、低熱伝導材料としては、熱伝導率が0.9W/(m・K)以下の材料が好ましい。
〔表1〕
Figure 2008122472
〔筺体内部冷却装置の構成〕
筺体内部冷却装置10は、前記第1の密閉構造および前記第2の密閉構造外部の構成部材(制御基板6、光源装置41、電源ユニット5等)を冷却する。この筺体内部冷却装置10は、図3ないし図7に示すように、光源冷却用ファン101(図6、図7)と、電源冷却用ファン102と、排気ファン103(図3〜図6)とを備える。
光源冷却用ファン101は、図6または図7に示すように、シロッコファンで構成され、吸入口1011が−Y軸方向側に向き、吐出口1012が+Z軸方向側に向くように、部品収納部本体4612の−Y軸方向端面における光源装置収納部4611と接続する一端側に取り付けられている。そして、光源冷却用ファン101は、制御基板6による制御の下、駆動することで、ロアーケース22に形成された光源用吸気口223を介して外装筺体2外部の冷却空気を吸入し、+Z軸方向に吐出する。光源冷却用ファン101から吐出された空気は、図6または図7に示すように、光源装置41のランプハウジング413に形成された空気導入部4131(図6)および開口部4132(図7)によりランプハウジング413内外を連通する流路C21を辿って、ランプハウジング413内部に導入され、光源ランプ411やリフレクタ412が冷却される。
電源冷却用ファン102は、図3ないし図7に示すように、軸流ファンで構成され、吸入口1021が−Z軸方向側に向き、吐出口1022が+Z軸方向側に向くように、外装筺体2内部における−Z軸方向側でかつ−X軸方向側の角隅部分に配設される。そして、電源冷却用ファン102は、制御基板6による制御の下、駆動することで、図4または図5に示すように、外装筺体2に形成された電源用吸気口227を介して外装筺体2外部の冷却空気を吸入し、+Z軸方向側に吐出する。電源冷却用ファン102から吐出された空気は、図4または図5に示すように、電源ユニット5のシールド部材51によりシールド部材51内外を連通する流路C22を辿って、シールド部材51の−Z軸方向側の開口部分からシールド部材51内部に導入され、前記電源ブロックや前記ランプ駆動ブロックが冷却される。
排気ファン103は、図3ないし図6に示すように、軸流ファンで構成され、吸入口1031(図6)が−Z軸方向に向きかつXY平面に対して+X軸方向側に向けて所定角度、傾斜した状態となるように、外装筺体2内部の+Z軸方向側でかつ−X軸方向側の角隅部分に配設される。この排気ファン103は、制御基板6による制御の下、駆動することで、排気ファン103近傍の空気を吸入する。
例えば、排気ファン103は、図4またはず5に示すように、各循環空気放熱装置85,94における冷却ファン854にて送風され、第1の放熱部材853を介し、さらに、制御基板6や高熱伝導ダクト部842,932等を介して、これら各部材853,6,842,932等を冷却した後に光源装置収納部4611近傍に流通した空気を吸入する。
また、例えば、排気ファン103は、図5または図6に示すように、光源装置収納部4611における−X軸方向端面に形成された開口部(図示略)を介して、光源装置収納部4611内部の空気を吸入する。すなわち、光源冷却用ファン101により流路C21を辿ってランプハウジング413内部に導入され光源ランプ411やリフレクタ412にて温められた空気や、光源装置収納部4611における+X軸方向端面に形成された開口部4611Bを介して光源装置収納部4611内部に流通した空気が排気ファン103により吸入される。
さらに、例えば、排気ファン103は、図4または図5に示すように、シールド部材51における+Z軸方向側の開口部分を介してシールド部材51内部の空気を吸入する。すなわち、電源冷却用ファン102により流路C22を辿ってシールド部材51内部に導入され前記電源ブロックや前記ランプ駆動ブロックにて温められた空気が排気ファン103により吸入される。
そして、排気ファン103から吐出された空気は、外装筺体2の排気口233を介して、ルーバ234にて整流されて、外装筺体2外部に排出される。
〔制御基板の構成〕
制御基板6は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)等の回路素子が実装された回路基板として構成され、各高熱伝導ダクト部842,932を介して光学ユニット4の上方側に配置される。そして、制御基板6は、光学ユニット4(光源ランプ411、液晶パネル4511)、電源ユニット5、密閉循環空冷ユニット7(循環ファン82,91、冷却ファン854)、筺体内部冷却装置10(光源冷却用ファン101、電源冷却用ファン102、排気ファン103)等を駆動制御する。
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、第1の密閉構造および第2の密閉構造をそれぞれ構成する光学部品用筐体46内部の空間Ar1,Ar2に3つの光学素子450を含む光学装置本体45Aおよび偏光変換素子423が収納配置されているので、各光学素子450,423に塵埃、油煙等が付着することを防止でき、プロジェクタ1から投射される投影画像の画質を長期間安定して確保できる。よってプロジェクタ1の長寿命化が図れる。
また、第1の密閉構造を構成する第1の光学素子放熱装置86は、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862を含んで構成される。そして、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862は、第1の密閉構造内部に配置される一端側の部位862A(蒸発部)が第1の光学素子放熱用受熱部材861を介して各光学素子450に熱伝達可能に接続する。第2の密閉構造を構成する第2の光学素子放熱装置95も同様に、第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951の一端側の部位951Aが第2の密閉構造内部に配置され偏光変換素子423に熱伝達可能に接続する。このことにより、従来の構成と比較して、各光学素子放熱用ヒートパイプ862,951が各光学素子450,423との間に空気を介すことなく、各光学素子450,423に熱伝達可能に接続しているので、各光学素子450,423〜各光学素子放熱用ヒートパイプ862,951の熱伝達経路での熱抵抗を小さくできる。
さらに、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862は、蒸発部862Aから離間し第1の密閉構造外部に配置される他端側の部位862B(凝縮部)が第1の密閉構造を構成する第1の流路後段側ダクト部材84の高熱伝導ダクト部842の外面に熱伝達可能に接続している。同様に、第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951は、蒸発部951Aから離間し第2の密閉構造外部に配置される他端側の部位951B(凝縮部)が第2の密閉構造を構成する第2の流路後段側ダクト部材93の高熱伝導ダクト部932の外面に熱伝達可能に接続している。このことにより、各光学素子450,423から各光学素子放熱用ヒートパイプ862,951の各蒸発部862A,951Aにて吸熱された熱は、各凝縮部862B,951Bから各高熱伝導ダクト部842,932における各密閉構造外部に面する外面に伝達されることとなる。すなわち、各凝縮部862B,951Bから放熱面積の大きい各高熱伝導ダクト部842,932に熱を伝達させることができるため、各光学素子放熱用ヒートパイプ862,951において、各凝縮部862B,951Bの温度を低減して、各蒸発部862A,951Aおよび各凝縮部862B,951B間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができる。
そして、各密閉構造内部の第1の空気流通路C1〜C6,Ar1、第2の空気流通路C11,C12,Ar2を辿る空気による空冷構造に加えて、上述した各光学素子放熱装置86,95による放熱構造により、各光学素子450,423を効果的に冷却でき、各光学素子450,423の温度上昇を抑制して各光学素子450(視野角補償板453や射出側偏光板454),423の熱劣化を効果的に防止できる。すなわち、プロジェクタ1からの投影画像を良好に維持できるとともに、長寿命化が図れる。
また、各流路後段側ダクト部材84,93が有する各高熱伝導ダクト部842,932を放熱部材として機能させることができるため、例えば、各光学素子放熱用ヒートパイプ862,951の各凝縮部862B,951Bに別途、他の放熱部材を熱伝達可能に接続する構成と比較して、部材を省略でき、プロジェクタ1の小型化、軽量化、低コスト化が図れる。
さらに、各光学素子放熱用ヒートパイプ862,951の各凝縮部862B,951Bを各高熱伝導ダクト部842,932に熱伝達可能に接続する構成であるので、各光学素子放熱用ヒートパイプ862,951を不要に引き回す必要がない。このため、各光学素子放熱用ヒートパイプ862,951によりプロジェクタ1内部の空間が不要に占有されることがなくプロジェクタ1の小型化が図れるとともに、プロジェクタ1の組み立て作業を容易に実施できる。
さらにまた、各密閉構造内部の第1の空気流通路C1〜C6,Ar1、第2の空気流通路C11,C12,Ar2を辿る空気による空冷構造、および各光学素子放熱装置86,95の放熱構造を併用しているので、各循環ファン82,91の回転数をそれほど増加させなくても各光学素子450,423を十分に冷却でき、プロジェクタ1の低騒音化が図れる。
また、本実施形態では、各流路後段側ダクト部材84,93は、切り欠き4621および開口部4622に平面的に干渉する位置に各高熱伝導ダクト部842,932を有している。すなわち、各流路後段側ダクト部材84,93において、光学部品用筐体46内部に収納配置された各光学素子450,423により温められた空気が切り欠き4621および開口部4622を介して吹き付けられる部分に、各高熱伝導ダクト部842,932が設けられている。このことにより、各流路後段側ダクト部材84,93を流通する空気の熱、すなわち、光学部品用筐体46内部に収納配置された各光学素子450,423により温められた空気の熱を、各高熱伝導ダクト部842,932を介して各密閉構造外部に放熱できる。このため、各密閉構造内部の各空気流通路を辿る空気の温度を十分に低い温度に設定でき、各光学素子450,423をより効率的に冷却できる。
また、各光学素子放熱用ヒートパイプ862,951の各凝縮部862B,951Bは、上述した位置に設けられた高熱伝導ダクト部842,932に熱伝達可能に接続している。このことにより、各ダクト部材83,84,92,93において、高熱伝導ダクト部842,932を、各空気流通路を辿り各光学素子450,423により温められた直後の空気の熱を各密閉構造外部に放熱する機能とともに、各光学素子放熱用ヒートパイプ862,951により各光学素子450,423から移動された熱を各密閉構造外部に放熱する機能の双方の機能を持たせることが可能となる有効な位置に設けることができる。このため、各高熱伝導ダクト部842,932を上述した有効な位置に設けることで、各密閉構造内部の各空気流通路を辿る空気による空冷構造、および各光学素子放熱装置86,95の放熱構造により、各光学素子450,423をさらに効果的に冷却できる。
また、本実施形態では、第1の光学素子放熱装置86は、クロスダイクロイックプリズム455の各光束入射側端面に取り付けられる3つの光学素子450に熱伝達可能に接続する第1の光学素子放熱用受熱部材861を備える。そして、第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862は、第1の光学素子放熱用受熱部材861の熱を第1の密閉構造外部に移動させる。このことにより、冷却対象となる光学素子450が複数、存在している場合であっても、第1の光学素子放熱用受熱部材861にて各光学素子450の熱を一括して受熱することができ、各光学素子450に対応して第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862を複数設ける必要がない。このため、冷却対象となる光学素子450が複数、存在している場合であっても、各光学素子450を効率的に冷却できるとともに、第1の光学素子放熱装置86の構成部材の数を低減でき、部材の省略から、プロジェクタ1の小型化、軽量化、低コスト化が図れる。
また、本実施形態では、第2の光学素子放熱装置95は、第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951にて構成され、冷却対象となる偏光変換素子423に直接、熱伝達可能に接続する。このことにより、第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951と偏光変換素子423との間に他の部材が介在することがなく、偏光変換素子423〜第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951の熱伝達経路での熱抵抗を小さくでき、偏光変換素子423を効果的に冷却できる。このため、偏光変換素子423を介して射出される直線偏光光束を安定に維持でき、かつ、偏光変換素子本体4231を構成する偏光分離膜、反射膜、および位相差板等を効率的に冷却して偏光分離膜、反射膜、および位相差板等の熱劣化を防止できる。
また、本実施形態では、第1の密閉構造を構成する第1の循環空気放熱装置85は、第1の循環空気放熱用受熱部材851および第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852を備え、第1の循環空気放熱用受熱部材851にて第1の密閉構造内部の空気の熱を受熱し、第1の循環空気放熱用ヒートパイプ852により第1の循環空気放熱用受熱部材851にて受熱した熱を第1の密閉構造内部から第1の密閉構造外部に導く。第2の密閉構造を構成する第2の循環空気放熱装置94も同様に、第2の循環空気放熱用ヒートパイプ942により第2の循環空気放熱用受熱部材941にて受熱した熱を第2の密閉構造内部から第2の密閉構造外部に導く。このことにより、各循環空気放熱装置85,94により、各密閉構造内部の空気の熱を各密閉構造外部に移動させ、各密閉構造内部の空気を良好に冷却できる。このため、各光学素子450,423をさらに効果的に冷却できる。
また、各循環空気放熱用受熱部材851,941は、各高熱伝導ダクト部842,932に熱伝達可能に接続している。このことにより、各空気流通路を辿る空気から各高熱伝導ダクト部842,932に伝達された熱や、各光学素子放熱装置86,95により各光学素子450,423から各高熱伝導ダクト部842,932に移動された熱を、各循環空気放熱装置85,94により各高熱伝導ダクト部842,932から離間した位置に移動させ、各高熱伝導ダクト部842,932を低い温度状態で維持できる。このため、各光学素子放熱用ヒートパイプ862,951において、低温状態である各高熱伝導ダクト部842,932に熱伝達可能に接続する各凝縮部862B,951Bの温度を低減して、各蒸発部862A,951Aおよび各凝縮部862B,951B間の温度差をより大きく設定でき、管内部における熱の移動量をより増加させることができる。
また、本実施形態では、各ヒートパイプ852,862,942,951の毛細管構造は、焼結型ウィックで構成されている。このことにより、冷媒の移動に重力を利用する必要がなく、凝縮部852B,862B,942B,951Bおよび蒸発部852A,862A,942A,951Aの配設位置が限定されない。このため、例えば、プロジェクタ1において、正置き姿勢、天吊り姿勢、投影画像の位置を調整するために傾斜させた状態等のあらゆるプロジェクタ1の姿勢状態に対応し、各ヒートパイプ852,862,942,951内の熱移動が良好に実施され、上述した各光学素子450,423を効果的に冷却でき、各光学素子450,423の温度上昇を抑制して各光学素子450,423の熱劣化を効果的に抑制できるという効果を好適に図れる。
また、各ヒートパイプ852,862,942,951の毛細管構造が焼結型ウィックで構成されているので、他のウィック(極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、グルーブ型ウィック等)と比較して、各蒸発部852A,862A,942A,951Aと各凝縮部852B,862B,942B,951Bとの熱抵抗を十分に低いものとするとともにウィック自体の熱伝導性が良好であるため冷媒に熱を良好に伝達させることができ、各ヒートパイプ852,862,942,951内の熱移動をより素早く行い、各光学素子450,423の冷却効率をより向上させることができる。
また、本実施形態では、冷却対象となる各光学素子450と偏光変換素子423とに対応して2つの密閉構造が設けられている。このことにより、各密閉構造における互いに独立した各空気流通路中に、発熱量の異なる各光学素子450と偏光変換素子423とをそれぞれ配置することで、他の光学素子からの熱移動および熱干渉を防止でき、各空気流通路を辿る空気、および各光学素子放熱装置86,95により、各光学素子450,423をそれぞれ効率的に冷却できる。
また、本実施形態では、冷却対象である光学素子450を構成する射出側偏光板454を効果的に冷却する構成であるため、投影画像を全黒表示する際等に特に発熱比率が大きい射出側偏光板454の温度を低減することで、相乗的に液晶パネル4511や入射側偏光板452の温度も低減することができる。したがって、これら各部材4511,452〜454の熱劣化を効果的に防止できるので、プロジェクタ1からの投影画像を良好に維持できるとともに、長寿命化が図れる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図26および図27は、第2実施形態における第1の光学素子放熱装置860の構成を示す図である。具体的に、図26は、図10の状態の光学装置本体45Aに対して第1の光学素子放熱装置860を取り付けた状態を示す図である。図27は、高熱伝導ダクト部842に対して第1の光学素子放熱装置860が接続した状態を示す図である。
前記第1実施形態では、第1の光学素子放熱装置86は、3つの光学素子450(視野角補償板453、射出側偏光板454、および光学素子保持体457)の熱を第1の光学素子放熱用受熱部材861にて一括して受熱し、第1の光学素子放熱用受熱部材861の熱を第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862を介して前記第1の密閉構造外部に放熱している。
これに対して第2実施形態では、冷却対象となる光学素子として光変調装置451(本実施形態では、光変調装置451B)を採用する。また、第1の光学素子放熱装置860は、一対の第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620を備え、一対の第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620が直接、光変調装置451Bに熱伝達可能に接続し、各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620にて光変調装置451Bの熱を前記第1の密閉構造外部に放熱する。第1の光学素子放熱装置860以外の構成は、前記第1実施形態と同様の構成である。
具体的に、第1の光学素子放熱装置860を構成する一対の第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620は、前記第1実施形態で説明した第1の光学素子放熱用ヒートパイプ862と同様に、パウダー状の焼結型ウィックを有するヒートパイプで構成されている。なお、各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620が有する毛細管構造としては、焼結型ウィックに限らず、その他のウィック、例えば、極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、あるいは、グルーブ型のウィックとして構成しても構わない。また、冷媒としては、水に限らず、その他の冷媒、例えば、アルコール等を採用しても構わない。
各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620は、プレス加工が施されることで、図26に示すように、先端部分から+Y軸方向に延出し、屈曲して+X軸方向に延出するL字形状となるように屈曲形成されている。また、L字状の各一端側の部位8620Aは、図26に示すように、Z軸方向に交差する各端面が平坦状となる断面視略楕円形状を有するように形成されている。さらに、L字状の各他端側の部位8620Bは、図26に示すように、上方側端面および下方側端面が平坦状となる断面視略楕円形状を有するように形成されている。
そして、各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620は、図27に示すように、一端側の部位8620Aが第1の流路後段側ダクト部材84を構成する高熱伝導ダクト部842を、孔8423Aを介して貫通する。また、各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620は、第1の空冷ユニット8を光学部品用筐体46に取り付けた状態で、各一端側の部位8620Aが第1の流路後段側ダクト部材84を構成する低熱伝導ダクト部841の開口部8414、および光学部品用筐体46を構成する蓋状部材462の切り欠き4621を介して空間Ar1に突出し、図26に示すように、各一端側の部位8620AにおけるZ軸方向に交差する平坦状の各端面が光変調装置451Bにおける保持枠4512の互いに対向する各側端部(Z軸方向両端部)に熱伝達可能に接続する。また、各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620は、図27に示すように、各他端側の部位8620Bが前記第1の密閉構造外部に位置し、各他端側の部位8620Bにおける平坦状の下方側端面が高熱伝導ダクト部842の上方側端面に熱伝達可能に接続する。
なお、各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620と、光変調装置451Bおよび高熱伝導ダクト部842との接続構造としては、例えば、半田等により接続する構成、溶接して接続する構成、あるいは、熱伝導性を有する接着剤により接着固定する構成等を採用できる。
そして、各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620は、上述したような光変調装置451Bおよび高熱伝導ダクト部842との接続構造により、液晶パネル4511に生じ保持枠4512に伝達された熱を各一端側の部位8620A(蒸発部)にて取り込み、各一端側の部位8620Aから離間した低温側である前記第1の密閉構造外部に位置する各他端側の部位8620B(凝縮部)に移動させ、高熱伝導ダクト部842に伝達する。
上述した第2実施形態においては、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、第1の光学素子放熱装置860は、一対の第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620で構成され、一対の第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620が冷却対象となる光変調装置451Bに直接、熱伝達可能に接続する。このことにより、各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620と光変調装置451Bとの間に他の部材が介在することがなく、光変調装置451B〜各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620の熱伝達経路での熱抵抗を小さくでき、光変調装置451Bを効果的に冷却できる。
また、一対の光学素子放熱用ヒートパイプ8620は、光変調装置451Bにおける互いに対向する各側端部にそれぞれ直接、熱伝達可能に接続している。このことにより、例えば、光変調装置451Bのいずれかの側端部にのみ第1の光学素子放熱用ヒートパイプが直接、熱伝達可能に接続する構成と比較して、光変調装置451Bにおける互いに対向する各側端部から各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620に熱を放熱でき、光変調装置451B(液晶パネル4511)の温度分布の均一化を図りつつ、光変調装置451Bを効果的に冷却できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、それぞれ互いに独立した空気流通路を有する2つの密閉構造を設けていたが、これに限らず、密閉構造を1つのみ(空気流通路を1つのみ)設けた構成としてもよく、あるいは、密閉構造を3つ以上(それぞれ互いに独立した空気流通路を3つ以上)設けた構成としても構わない。また、密閉構造を1つのみ設けた構成とした場合には、該密閉構造に1つのみの光学素子を配置する構成としてもよく、あるいは、複数の光学素子を配置する構成としても構わない。また、密閉構造を3つ以上設けた構成とした場合には、各密閉構造にそれぞれ1つずつの光学素子を配置する構成としてもよく、あるいは、各密閉構造にそれぞれ2つ以上の光学素子を配置する構成としても構わない。さらに、前記各実施形態においても、第1の密閉構造内部に、各光学素子450や光変調装置451B以外の他の光学素子を配置してもよく、第2の密閉構造内部に、偏光変換素子423以外の他の光学素子を配置してもよい。
また、冷却対象となる光学素子としては、各光学素子450、光変調装置451、および偏光変換素子423に限らず、その他の光学素子(例えば、入射側偏光板452等)を採用しても構わない。
前記各実施形態において、高熱伝導ダクト部842,932の配置位置は、前記各実施形態で説明した配置位置に限らず、各ダクト部材83,84,92,93のうち少なくともいずれかのダクト部材が高熱伝導ダクト部を有していれば、その配置位置はいずれの位置でも構わない。
前記各実施形態では、第1の光学素子放熱装置86,860は、光学素子保持体457や保持枠4512を介して、視野角補償板453および射出側偏光板454や、液晶パネル4511に熱伝達可能に接続していたが、これに限らず、視野角補償板453および射出側偏光板454や、液晶パネル4511に直接、熱伝達可能に接続する構成としても構わない。
前記各実施形態において、第2の光学素子放熱装置95(第2の光学素子放熱用ヒートパイプ951)は、偏光変換素子423を構成する偏光変換素子本体4231および遮光部材4232の双方に熱伝達可能に接続していたが、偏光変換素子本体4231および遮光部材4232のいずれかに熱伝達可能に接続する構成としてもよく、また、その接続位置は特に限定されない。
前記各実施形態において、各ヒートパイプ852,862,942,951の形状は、前記各実施形態で説明した形状に限らず、その他の形状で構成しても構わない。
例えば、前記第1実施形態において、第1の光学素子放熱用ヒートパイプや第2の光学素子放熱用ヒートパイプを平面視コ字形状となるように屈曲形成し、コ字状基端部分を各光学素子450や偏光変換素子423に熱伝達可能に接続し、一対のコ字状先端部分を各密閉構造外部に配置し各高熱伝導ダクト部842,932に熱伝達可能に接続する構成としても構わない。
また、例えば、前記第2実施形態において、一対の第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620における各蒸発部8620Aの先端部分を接続し、平面視コ字形状を有する単体のヒートパイプとして構成しても構わない。
また、各ヒートパイプ852,862,942,951の断面形状は、断面視円形状、断面視矩形形状、断面視三角形状、断面視半円形状等、種々の断面形状で構成しても構わない。
前記第2実施形態では、第1の光学素子放熱装置860の冷却対象として光変調装置451Bを採用していたが、これに限らず、光変調装置451R,451Gを冷却対象として構成しても構わない。また、光変調装置451に限らず、前記第1実施形態と同様に、光学素子450を冷却対象として構成しても構わない。例えば、光学素子450を冷却対象として構成する場合には、各第1の光学素子放熱用ヒートパイプ8620の蒸発部8620Aを光学素子保持体457の各突出部4571Bの外面に熱伝達可能に接続する。
前記各実施形態において、各密閉構造の構成は、前記各実施形態で説明した構成に限らない。例えば、熱交換器81や第1の循環空気放熱装置85を省略した構成や、第2の循環空気放熱装置94を省略した構成としても、本発明の目的を十分に達成できる。
前記各実施形態では、光源装置41は、放電発光型の光源装置で構成していたが、これに限らず、レーザダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を採用してもよい。
また、前記各実施形態では、光源装置41を1つのみ用い色分離光学装置43にて3つの色光に分離していたが、色分離光学装置43を省略し、3つの色光をそれぞれ射出する3つの前記固体発光素子を光源装置として構成してもよい。
前記各実施形態では、プロジェクタ1は、液晶パネル4511を3つ備える三板式のプロジェクタで構成していたが、これに限らず、液晶パネルを1つ備える単板式のプロジェクタで構成しても構わない。また、液晶パネルを2つ備えるプロジェクタや、液晶パネルを4つ以上備えるプロジェクタとして構成しても構わない。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記各実施形態では、光変調素子(光学素子)として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調素子(光学素子)を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の入射側偏光板452および射出側偏光板454は省略できる。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、投影画像の画質を長期間安定して確保し、かつ、光学素子を効果的に冷却できるため、プレゼンテーションやホームシアタに用いられるプロジェクタとして利用できる。
第1実施形態におけるプロジェクタの外観を示す斜視図。 前記実施形態におけるプロジェクタの外観を示す斜視図。 前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を示す図。 前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を示す図。 前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を示す図。 前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を示す図。 前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を示す図。 前記実施形態における光学ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における光学ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態における密閉循環空冷ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における密閉循環空冷ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における密閉循環空冷ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における密閉循環空冷ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における密閉循環空冷ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における熱交換器の構成を示す斜視図。 前記実施形態における熱交換器の構成を示す斜視図。 前記実施形態における第1の流路後段側ダクト部材の構成を示す図。 前記実施形態における第1の流路後段側ダクト部材の構成を示す図。 前記実施形態における第1の光学素子放熱装置の構成を示す図。 前記実施形態における第1の循環空気放熱装置の構成を示す図。 前記実施形態における第1の循環空気放熱装置の構成を示す図。 前記実施形態における第2の光学素子放熱装置の構成を示す図。 前記実施形態における第2の循環空気放熱装置の構成を示す図。 第2実施形態における第1の光学素子放熱装置の構成を示す図。 前記実施形態における第1の光学素子放熱装置の構成を示す図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、46・・・光学部品用筐体、82,91・・・循環ファン、83・・・流路前段側ダクト部材、84,93・・・流路後段側ダクト部材、85,94・・・循環空気放熱装置、86,95,860・・・光学素子放熱装置、92・・・補助ダクト部材、423・・・偏光変換素子(光学素子)、450・・・光学素子、451・・・光変調装置(光学素子)、455・・・クロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)、842,932・・・高熱伝導ダクト部、851,941・・・循環空気放熱用受熱部材、852,942・・・循環空気放熱用ヒートパイプ、861・・・光学素子放熱用受熱部材、862,951,8620・・・光学素子放熱用ヒートパイプ、4231・・・偏光変換素子本体、4232・・・遮光部材、4612R,4612G,4612B,4612P・・・開口部(流入口)、4621・・・切り欠き(流出口)、4622・・・開口部(流出口)。

Claims (9)

  1. 空気を流通可能とする環状の空気流通路を有する密閉構造内部に配置される光学素子と、前記環状の空気流通路の空気を循環させる循環ファンとを備えたプロジェクタであって、
    前記密閉構造は、
    前記光学素子を内部に収納配置するとともに、内部に空気を流入させるための流入口および外部に空気を流出させるための流出口を有する光学部品用筐体と、
    前記流入口を介して前記光学部品用筐体内部に空気を導くとともに、前記流出口を介して前記光学部品用筐体内部から外部に流出した空気を再度、前記流入口を介して前記光学部品用筐体内部に導く複数のダクト部材と、
    前記光学素子の熱を前記密閉構造外部に放熱する光学素子放熱装置とを含んで構成され、
    前記複数のダクト部材のうち少なくともいずれかのダクト部材は、熱伝導性材料から構成される高熱伝導ダクト部を有し、
    前記光学素子放熱装置は、
    内部に毛細管構造を有する管状に形成されるとともに管内部には冷媒が収容され前記冷媒が管内部を還流することにより熱移動が行われ、前記密閉構造内外を貫通する光学素子放熱用ヒートパイプを備え、
    前記光学素子放熱用ヒートパイプは、前記光学素子に熱伝達可能に接続し、前記光学素子との接続部位から離間し前記密閉構造外部に配置される部位が前記高熱伝導ダクト部に熱伝達可能に接続することを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記高熱伝導ダクト部は、前記複数のダクト部材のうち前記光学部品用筐体の前記流出口に接続する流路後段側ダクト部材における前記流出口に平面的に干渉する位置に設けられていることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記光学素子は、複数設けられ、
    前記複数の光学素子を取り付けるための複数の光束入射側端面を有し、前記複数の光学素子から入射した光束を合成して射出する色合成光学装置を備え、
    前記光学素子放熱装置は、
    前記色合成光学装置における前記複数の光束入射側端面に交差する端面に取り付けられ、前記複数の光学素子に熱伝達可能に接続する光学素子放熱用受熱部材を備え、
    前記光学素子放熱用ヒートパイプは、前記光学素子放熱用受熱部材を介して前記複数の光学素子に熱伝達可能に接続することを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記光学素子放熱用ヒートパイプは、前記光学素子に直接、熱伝達可能に接続することを特徴とするプロジェクタ。
  5. 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
    前記光学素子放熱用ヒートパイプは、前記光学素子に対して一対で構成され、前記光学素子における互いに対向する各側端部にそれぞれ直接、熱伝達可能に接続することを特徴とするプロジェクタ。
  6. 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
    前記光学素子は、入射した光束を所定の直線偏光光束に変換する偏光変換素子であり、入射した光束を所定の直線偏光光束に変換する偏光変換素子本体と、熱伝導性材料から構成され前記偏光変換素子本体の光束入射側端面に一体的に配設され、入射した光束のうち不要光を遮断する遮光部材とを備え、
    前記光学素子放熱用ヒートパイプは、前記偏光変換素子本体および前記遮光部材のうち少なくともいずれかに直接、熱伝達可能に接続することを特徴とするプロジェクタ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記密閉構造は、
    前記密閉構造内部に配置され前記密閉構造内部の空気の熱を受熱する循環空気放熱用受熱部材と、内部に毛細管構造を有する管状に形成されるとともに管内部には冷媒が収容され前記冷媒が管内部を還流することにより熱移動が行われ、前記密閉構造内外を貫通し、前記密閉構造内部に配置される一端側が前記循環空気放熱用受熱部材に熱伝達可能に接続し、前記循環空気放熱用受熱部材の熱を前記密閉構造外部に配置された他端側に導く循環空気放熱用ヒートパイプとを備える循環空気放熱装置を含んで構成され、
    前記循環空気放熱用受熱部材は、前記高熱伝導ダクト部に熱伝達可能に接続することを特徴とするプロジェクタ。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記ヒートパイプの毛細管構造は、焼結型ウィックで構成されていることを特徴とするプロジェクタ。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記密閉構造は、互いに独立した空気流通路を有するように複数設けられていることを特徴とするプロジェクタ。
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