JP2008089724A - プロジェクタ - Google Patents

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佳幸 柳沢
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泰長 百瀬
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Abstract

【課題】投影画像の画質を長期間安定して確保し、かつ、光学素子を効果的に冷却できるプロジェクタを提供する。
【解決手段】プロジェクタは、空気流通路を有する密閉構造内部に配置され複数の光学素子450および色合成光学装置455が一体化された光学装置本体45Aと、空気流通路の空気を循環させる循環ファンとを備える。密閉構造は、光学装置本体45Aを収納配置する光学部品用筐体と、光学部品用筐体内に空気を導く複数のダクト部材と、放熱装置75とを備える。放熱装置75は、密閉構造外部に配設される放熱ブロック751と、密閉構造内外を貫通する複数のヒートパイプ752とを備える。複数のヒートパイプ752は、複数の光学素子450にそれぞれ熱伝達可能に接続し、複数の光学素子450との接続部位752Aから離間し密閉構造外部に配置される各部位752Bが放熱ブロック751にそれぞれ熱伝達可能に接続する。
【選択図】図21

Description

本発明は、プロジェクタに関する。
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタが知られている。
光変調装置としては、例えば、1対の基板間に液晶が密閉封入された光変調素子(液晶パネル)が一般的に採用される。また、一般的に、光変調素子の光束入射側および光束射出側には、所定の偏光軸を有する光束を透過させる入射側偏光板および射出側偏光板がそれぞれ配置される。
上記のような光変調素子、入射側偏光板、および射出側偏光板等の光学素子を備えたプロジェクタでは、光源からの光束により、液晶層、ブラックマトリクス、および各種配線等による光吸収により光変調素子が温度上昇しやすく、また、偏光板にも熱が発生しやすい。また、光学素子の表面に塵埃、油煙等が付着すると、投影画像の画質が劣化してしまう。
そこで、投影画像の画質を長期間安定して確保しつつ、光学素子を冷却する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術は、液晶パネル等の光学素子を密閉された筺体内部に配置し、冷却ファンにより、筺体内部の空気を循環させている。また、筺体内部の空気の温度を低下させて筺体内部を循環する空気により光学素子を冷却するために、冷却フィンを介して筺体内部の空気の熱をヒートパイプの吸熱部(蒸発部)にて吸熱し、ヒートパイプの放熱部(凝縮部)から筺体外部に放熱している。
特開2001−312002号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、空気とヒートパイプの蒸発部(冷却フィン)との熱伝達の熱抵抗が大きく、筺体内部の空気の温度低減が難しいものであり、結果として、光学素子を効果的に冷却できない。
本発明の目的は、投影画像の画質を長期間安定して確保し、かつ、光学素子を効果的に冷却できるプロジェクタを提供することにある。
本発明のプロジェクタは、空気を流通可能とする環状の空気流通路を有する密閉構造内部に配置される光学装置と、前記環状の空気流通路の空気を循環させる循環ファンとを備えたプロジェクタであって、前記光学装置は、入射光束を光学的に変換して射出する複数の光学素子と、前記複数の光学素子を取り付けるための複数の光束入射側端面を有し、前記複数の光学素子から入射した光束を合成して射出する色合成光学装置とを備え、前記密閉構造は、前記光学装置を内部に収納配置するとともに、内部に空気を流入させるための流入口および外部に空気を流出させるための流出口を有する光学部品用筐体と、前記流入口を介して前記光学部品用筐体内部に空気を導くとともに、前記流出口を介して前記光学部品用筐体内部から外部に流出した空気を再度、前記流入口を介して前記光学部品用筐体内部に導く複数のダクト部材と、前記複数の光学素子の熱を前記密閉構造外部に放熱する放熱装置とを含んで構成され、前記放熱装置は、前記密閉構造外部に配設され熱伝導性材料から構成される放熱部材と、内部に毛細管構造を有する管状に形成されるとともに管内部には冷媒が収容され前記冷媒が管内部を還流することにより熱移動が行われ、前記密閉構造内外を貫通する複数のヒートパイプとを備え、前記複数のヒートパイプは、前記複数の光学素子にそれぞれ熱伝達可能に接続し、前記複数の光学素子との接続部位から離間し前記密閉構造外部に配置される各部位が前記放熱部材にそれぞれ熱伝達可能に接続することを特徴とする。
ここで、光学素子としては、光変調素子、入射側偏光板、射出側偏光板等の光学素子本体と、光学素子本体を保持する保持枠とを備えた構成や、保持枠を省略し、光学素子本体のみの構成が採用できる。
また、ヒートパイプの毛細管構造としては、種々の構造が採用でき、例えば、複数の細い銅線等で構成された極細線型ウィック、網目状の金属メッシュ型ウィック、管内部に複数の溝を形成したグルーブ型のウィック、あるいは、パウダー状の焼結型ウィック等が例示できる。
本発明によれば、密閉構造を構成する光学部品用筐体内部に光学装置が収納配置されているので、光学装置(複数の光学素子)に塵埃、油煙等が付着することを防止でき、プロジェクタから投射される投影画像の画質を長期間安定して確保できる。
また、ヒートパイプは、密閉構造内部に配置される所定の部位(例えば、一端側の部位(蒸発部))が光学素子に熱伝達可能に接続する。このことにより、従来の構成と比較して、ヒートパイプが光学素子との間に空気を介すことなく、直接、光学素子に接続しているので、光学素子〜ヒートパイプの熱伝達経路での熱抵抗を小さくできる。
さらに、ヒートパイプは、前記所定の部位から離間し密閉構造外部に配置される部位(例えば、他端側の部位(凝縮部))が放熱部材に熱伝達可能に接続している。このことにより、光学素子からヒートパイプの蒸発部にて吸熱された熱は、凝縮部から放熱部材に伝達されることとなる。このため、ヒートパイプにおいて、凝縮部の温度を低減して、蒸発部および凝縮部間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができる。
そして、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気による空冷構造に加えて、上述した放熱装置の放熱構造により、光学素子を効果的に冷却でき、光学素子の温度上昇を抑制して光学素子の熱劣化を効果的に防止できる。すなわち、プロジェクタからの投影画像を良好に維持できるとともに、長寿命化が図れる。
また、ヒートパイプの凝縮部をプロジェクタ内部における空きスペースまで引き回し、前記空きスペースに放熱部材を配設する構成とすれば、プロジェクタ内部において、放熱部材を種々の位置に配置でき、プロジェクタの設計の自由度を向上できる。
さらに、放熱装置は、複数のヒートパイプを備え、複数の光学素子にそれぞれ熱伝達可能に接続するので、複数の光学素子をそれぞれ効果的に冷却でき、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気を十分に低い温度状態で維持できる。すなわち、プロジェクタを長時間使用した場合であっても、複数の光学素子の温度上昇を効果的に抑制できる。
また、密閉構造内部の空気流通路を辿る空気による空冷構造、および放熱装置の放熱構造を併用しているので、循環ファンの回転数をそれほど増加させなくても複数の光学素子を十分に冷却でき、プロジェクタの低騒音化が図れる。
さらに、放熱装置は、色合成光学装置の各光束入射側端面に取り付けられる各光学素子の熱を放熱する構造であるので、すなわち、互いに近接配置された各光学素子の熱を放熱する構造であるので、各光学素子に熱伝達可能に接続する複数のヒートパイプも近接配置されることとなり、複数のヒートパイプの各凝縮部にそれぞれ放熱部材を接続する必要がなく、放熱部材を単体で構成でき、部材の省略から、プロジェクタの小型化および低コスト化が可能となる。
本発明のプロジェクタでは、前記放熱部材は、ブロック状に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、放熱部材は、ブロック状に形成されているので、放熱部材の熱容量を大きく設定できる。すなわち、ヒートパイプにおいて、光学素子から蒸発部にて吸熱した熱を凝縮部から熱容量の大きい放熱部材に伝達させることができ、凝縮部から放熱部材への熱伝達量を増加させることができる。このため、上述した凝縮部の温度を低減して、蒸発部および凝縮部間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができるという効果を好適に図れる。
本発明のプロジェクタでは、前記放熱部材は、複数のフィン状部を備えていることが好ましい。
本発明によれば、放熱部材は、複数のフィン状部を備えているので、放熱部材の表面積を大きく設定でき、放熱部材の放熱特性を良好なものにすることができる。すなわち、ヒートパイプにおいて、光学素子から蒸発部にて吸熱した熱を凝縮部から放熱特性の良好な放熱部材に伝達させることができ、凝縮部から放熱部材への熱伝達量を増加させることができる。このため、上述した凝縮部の温度を低減して、蒸発部および凝縮部間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができるという効果を好適に図れる。
本発明のプロジェクタでは、前記放熱装置は、吸熱面および放熱面を有する熱電変換素子を備え、前記熱電変換素子は、前記吸熱面を前記放熱部材に当接させた状態で配設されていることが好ましい。
本発明によれば、放熱部材には、熱電変換素子の吸熱面が当接しているので、放熱部材の熱を吸熱面に伝達させ、放熱部材の温度を効果的に低減できる。すなわち、ヒートパイプにおいて、光学素子から蒸発部にて吸熱した熱を凝縮部から温度の低減した放熱部材に伝達させることができ、凝縮部から放熱部材への熱伝達量をより増加させることができる。このため、凝縮部の温度をより低減して、蒸発部および凝縮部間の温度差をより大きく設定でき、管内部における熱の移動量をより増加させることができる。
本発明のプロジェクタでは、前記ヒートパイプの毛細管構造は、焼結型ウィックで構成されていることが好ましい。
ところで、ヒートパイプの毛細管構造をグルーブ型のウィックで構成した場合には、凝縮部から蒸発部への冷媒(液化した状態)の移動として、重力を利用した方がヒートパイプ内の熱移動が迅速に行われる。このため、ヒートパイプの毛細管構造をグルーブ型のウィックで構成した場合には、凝縮部を蒸発部よりも上方側に配設することが好ましい。しかしながら、このように構成した場合には、プロジェクタにおいて、正置き姿勢(机等の設置面上に載置した状態)から天吊り姿勢(正置き姿勢に対して上下が逆となるように天井等から吊下げた状態)に姿勢状態を変更した場合や、投影画像の位置を調整するために傾斜させた状態に姿勢状態を変更した場合等に、凝縮部が蒸発部よりも下方側に位置すると、ヒートパイプ内の熱移動が良好に実施されないこととなる。
本発明によれば、ヒートパイプの毛細管構造が焼結型ウィックで構成されているので、冷媒の移動に重力を利用する必要がないため、凝縮部および蒸発部の配設位置が限定されない。このため、プロジェクタにおいて、正置き姿勢、天吊り姿勢、投影画像の位置を調整するために傾斜させた状態等のあらゆるプロジェクタの姿勢状態に対応し、ヒートパイプ内の熱移動が良好に実施され、上述した光学素子を効果的に冷却でき、光学素子の温度上昇を抑制して光学素子の熱劣化を効果的に防止できるという効果を好適に図れる。
また、ヒートパイプの毛細管構造が焼結型ウィックで構成されているので、他のウィック(極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、グルーブ型のウィック等)と比較して、蒸発部と凝縮部との熱抵抗を十分に低いものとするとともに、ウィック自体の熱伝導性が良好であるため冷媒に熱を良好に伝達させることができ、ヒートパイプ内の熱移動をより素早く行い、光学素子の冷却効率をより向上させることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔1.外観構成〕
図1は、第1実施形態におけるプロジェクタ1の外観を示す斜視図である。具体的に、図1は、プロジェクタ1を前面上方側から見た斜視図である。なお、図1では、説明の便宜上、光学像の投射方向をZ軸とし、該Z軸に直交する2軸をそれぞれX軸(水平軸)およびY軸(垂直軸)とする。以下の図面も同様である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、略直方体状の外装筺体2、およびこの外装筺体2から露出する投射光学装置としての投射レンズ3を備える。
投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、プロジェクタ1の装置本体により画像情報に応じて変調された光学像を拡大投射する。この投射レンズ3は、複数のレンズの相対位置を変更するレバー3Aを備え、投射される光学像のフォーカス調整および倍率調整可能に構成されている。
外装筺体2は、合成樹脂製の筺体であり、プロジェクタ1の装置本体を収納する。この外装筺体2は、図1に示すように、装置本体の上部部分、前面部分の一部、側面部分の一部、および背面部分の一部を覆うアッパーケース21と、装置本体の下部部分、前面部分の一部、側面部分の一部、および背面部分の一部を覆うロアーケース22と、装置本体の前面部分の一部を覆うフロントケース23とを備える。
アッパーケース21の上面部分において、+X軸方向側(前方から見て右側)には、図1に示すように、外装筺体2の内部側に窪む凹部211が形成され、凹部211の底部分に内部と貫通する開口部211Aを有している。そして、この開口部211Aを介して、投射レンズ3のレバー3Aが露出し、レバー3Aの操作が可能となる。
また、アッパーケース21の上面部分において、平面視略中央部分には、図1に示すように、プロジェクタ1の起動・調整操作を実施する操作パネル212が左右方向に延びるように設けられている。操作パネル212の操作ボタン212Aを適宜押下すると、操作ボタン212A内部に配置される図示しない回路基板に実装されたタクトスイッチと接触し、所望の操作が可能となる。
なお、前述した操作パネル212の回路基板は、後述する制御基板と電気的に接続され、操作ボタン212Aの押下に伴う操作信号は、制御基板に出力される。
また、アッパーケース21の背面部分において、−X軸方向側(後方から見て右側)には、具体的な図示は省略するが、外装筺体2の内外を連通する電源用吸気口が形成されている。この電源用吸気口は、外装筺体2外部の冷却空気を外装筺体2内部に取り込むための開口であり、外装筐体2内部の装置本体を構成する後述する筐体内部冷却装置により、該電源用吸気口を介して外装筺体2外部の冷却空気が内部に導入され、装置本体を構成する電源ユニットに送風される。
図2は、ロアーケース22およびフロントケース23を前面下方側から見た斜視図である。
ロアーケース22の底面部分において、−X軸方向側には、図2に示すように、平面視矩形状の開口221が形成され、該開口221に着脱自在に平面視矩形板状の蓋体222が取り付けられている。
そして、具体的な図示は省略するが、蓋体222をロアーケース22から取り外した場合には、外装筺体2内部の装置本体を構成する後述する光源装置の一部が露出し、開口221を介して前記光源装置を交換可能とする。
また、ロアーケース22の底面部分において、開口221に対して−Z軸方向側(背面側)には、図2に示すように、外装筺体2の内外を連通する光源用吸気口223が形成されている。
この光源用吸気口223は、外装筺体2外部の冷却空気を外装筺体2内部に取り込むための開口であり、外装筺体2内部の装置本体を構成する後述する筐体内部冷却装置により、該光源用吸気口223を介して外装筺体2外部の冷却空気が内部に導入され、前記光源装置に送風される。
また、ロアーケース22における+X軸方向側の側面部分において、+Z軸方向側(前面側)には、図2に示すように、外装筺体2の内外を連通する冷却装置用吸気口224が形成されている。
この冷却装置用吸気口224は、外装筺体2外部の冷却空気を外装筺体2内部に取り込むための開口であり、外装筺体2内部の装置本体を構成する後述する密閉循環空冷ユニットにより、該冷却装置用吸気口224を介して外装筺体2外部の冷却空気が内部に導入され、前記密閉循環空冷ユニットを構成するペルチェユニットの放熱側に送風される。
また、ロアーケース22における背面部分において、−X軸方向側には、外装筺体2の内外を連通する電源用吸気口225(図3ないし図5参照)が形成されている。この電源用吸気口225は、アッパーケース21に形成された電源用吸気口と同様に、前記筺体内部冷却装置により、電源用吸気口225を介して外装筺体2外部の冷却空気を内部の前記電源ユニットに送風するための開口である。
フロントケース23において、+X軸方向側には、図1または図2に示すように、円孔231が形成され、円孔231を介して投射レンズ3の先端部分が露出する。すなわち、円孔231を介して投射レンズ3から光学像が拡大投射されてスクリーン上に投影される。
また、フロントケース23において、X軸方向略中央部分には、図1または図2に示すように、リモコン受光窓232が形成されている。そして、このリモコン受光窓232の内側には、図示しないリモートコントローラからの操作信号を受信する図示しないリモコン受光モジュールが配置されている。
なお、リモートコントローラには、前述した操作パネル212に設けられる起動スイッチ、調整スイッチ等と同様のものが設けられ、リモートコントローラを操作すると、この操作に応じた赤外線信号がリモートコントローラから出力され、赤外線信号は、リモコン受光窓232を介してリモコン受光モジュールで受光され、後述する制御基板で処理される。
さらに、フロントケース23において、−X軸方向側には、図1または図2に示すように、外装筺体2内部の空気を外部に排出するための排気口233が形成されている。この排気口233には、図1または図2に示すように、複数の整流板234Aが格子状に配列したルーバ234が設けられている。複数の整流板234Aは、図1または図2に示すように、その板面がYZ平面に対して投射レンズ3から離間する方向に所定角度、傾斜するように形成されている。そして、前記筺体内部冷却装置により、外装筺体2内部の空気が排気口233およびルーバ234を介して、投射レンズ3から離間する方向に整流されて排気される。
〔2.内部構成〕
図3ないし図6は、プロジェクタ1の内部構成を示す図である。具体的に、図3は、図1の状態からアッパーケース21を取り外した状態を示す図である。図4は、図3の状態から制御基板6を取り外した状態を示す図である。図5は、図4の状態を背面側から見た斜視図である。図6は、プロジェクタ1における制御基板6を除く装置本体を下方側から見た斜視図である。
外装筺体2の内部には、図3ないし図6に示すように、プロジェクタ1の装置本体が収容されており、この装置本体は、光学ユニット4と、電源ユニット5と、制御基板6(図3)と、密閉循環空冷ユニット7(図4〜図6)と、筺体内部冷却装置8とを備える。
〔2-1.光学ユニットの構成〕
図7ないし図9は、光学ユニット4の構成を示す図である。具体的に、図7は、図4の状態から筺体内部冷却装置8を構成するペルチェ放熱風排気ユニット81、密閉循環空冷ユニット7における流路後段側ダクト部材74および放熱装置75を取り外した状態を示す図である。図8は、図6の状態から密閉循環空冷ユニット7における流路前段側ダクト部材73を取り外した状態を示す図である。図9は、光学ユニット4の光学系を模式的に示す平面図である。
光学ユニット4は、制御基板6による制御の下、画像情報に応じて画像光を形成するものであり、図7に示すように、外装筺体2の前面側から背面側に向けてZ軸方向に延出し、−Z軸方向端部が+X軸方向に屈曲して延出し、さらに、+Z軸方向に屈曲して延出する平面視略U字形状を有している。この光学ユニット4は、図9に示すように、光源装置41と、均一照明光学装置42と、色分離光学装置43と、リレー光学装置44と、光学装置45と、光学部品用筐体46とを備える。
光源装置41は、光源ランプ411から放射された光束を一定方向に揃えて射出し、光学装置45を照明するものである。この光源装置41は、図9に示すように、光源ランプ411、リフレクタ412、およびこれらを保持するランプハウジング413(図8)を備えて構成される。この光源装置41は、光学部品用筐体46に接続する光源装置収納部4611(図8)に収納配置される。光源装置41は、光源装置収納部4611に収納配置されることで、光学部品用筐体46に対する所定位置(光源装置41から射出される光束の中心軸と光学部品用筐体46内に設定された照明光軸Aとが一致する位置)に位置決めされる。
光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、または高圧水銀ランプが用いられることが多い。
リフレクタ412としては、光源ランプ411から射出された光束を略平行化して反射するパラボラリフレクタを用いている。なお、リフレクタ412としては、パラボラリフレクタの他、平行化レンズと組み合わせて、光源ランプ411から射出された光束を所定位置に収束するように反射する楕円面リフレクタを用いてもよい。
均一照明光学装置42は、光源装置41から射出された光束を複数の部分光束に分割し、照明領域の面内照度を均一化する光学系である。この均一照明光学装置42は、図9に示すように、第1レンズアレイ421と、第2レンズアレイ422と、偏光変換素子423と、反射ミラー424と、重畳レンズ425とを備える。
第1レンズアレイ421は、光源装置41から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸Aと直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えて構成される。
第2レンズアレイ422は、上述した第1レンズアレイ421により分割された複数の部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ421と同様に照明光軸Aに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えた構成を有している。
偏光変換素子423は、第1レンズアレイ421により分割された各部分光束の偏光方向を略一方向の直線偏光に揃える偏光変換素子である。
この偏光変換素子423は、図示を略したが、照明光軸Aに対して傾斜配置される偏光分離膜および反射膜を交互に配列した構成を具備する。偏光分離膜は、各部分光束に含まれるP偏光光束およびS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過し、他方の偏光光束を反射する。反射された他方の偏光光束は、反射膜によって曲折され、一方の偏光光束の射出方向、すなわち照明光軸Aに沿った方向に射出される。射出された偏光光束のいずれかは、偏光変換素子423の光束射出面に設けられる位相差板によって偏光変換され、略全ての偏光光束の偏光方向が揃えられる。このような偏光変換素子423を用いることにより、光源装置41から射出される光束を、略一方向の偏光光束に揃えることができるため、光学装置45で利用する光源光の利用率を向上することができる。
重畳レンズ425は、第1レンズアレイ421、第2レンズアレイ422、偏光変換素子423、および反射ミラー424を経た複数の部分光束を集光して光学装置45の後述する3つの液晶パネルの画像形成領域上に重畳させる光学素子である。
色分離光学装置43は、図9に示すように、2枚のダイクロイックミラー431,432と、反射ミラー433とを備え、ダイクロイックミラー431,432により均一照明光学装置42から射出された複数の部分光束を、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を具備する。
ダイクロイックミラー431,432は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。そして、光路前段に配置されるダイクロイックミラー431は、青色光を反射し、その他の色光を透過するミラーである。また、光路後段に配置されるダイクロイックミラー432は、緑色光を反射し、赤色光を透過するミラーである。
リレー光学装置44は、図9に示すように、入射側レンズ441、リレーレンズ443、および反射ミラー442,444を備え、色分離光学装置43のダイクロイックミラー431,432を透過した赤色光を光学装置45まで導く機能を有している。なお、赤色光の光路にこのようなリレー光学装置44が設けられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。本実施形態においては赤色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが、青色光の光路の長さを長くしてリレー光学装置44を青色光の光路に用いる構成も考えられる。
上述したダイクロイックミラー431により分離された青色光は、反射ミラー433により曲折された後、フィールドレンズ426を介して光学装置45に供給される。また、ダイクロイックミラー432により分離された緑色光は、そのままフィールドレンズ426を介して光学装置45に供給される。さらに、赤色光は、リレー光学装置44を構成するレンズ441,443および反射ミラー442,444により集光、曲折されてフィールドレンズ426を介して光学装置45に供給される。なお、光学装置45の各色光の光路前段に設けられるフィールドレンズ426は、第2レンズアレイ422から射出された各部分光束を、各部分光束の主光線に対して平行な光束に変換するために設けられている。
光学装置45は、入射した光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものである。この光学装置45は、図9に示すように、光変調素子としての液晶パネル4511(図10、図11参照)を有する3つの光変調装置451(赤色光側の光変調装置を451R、緑色光側の光変調装置を451G、青色光側の光変調装置を451Bとする)と、各光変調装置451の光路前段側に配置される入射側偏光板452と、各光変調装置451の光路後段側に配置される視野角補償板453および射出側偏光板454と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム455とを備える。そして、これら各部材451〜455のうち、各光変調装置451、各視野角補償板453、各射出側偏光板454、およびクロスダイクロイックプリズム455が一体化されて光学装置本体45Aを構成する(図10、図11参照)。光学装置本体45Aの詳細な構成については後述する。なお、光学装置本体45Aとしては、これら各部材451,453〜455の他、各入射側偏光板452も一体化する構成を採用しても構わない。
3つの入射側偏光板452は、色分離光学装置43で分離された各色光のうち、偏光変換素子423で揃えられた偏光方向と略同一の偏光方向を有する偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透光性基板上に偏光膜が貼付されて構成されている。
3つの光変調装置451を構成する各液晶パネル4511は、具体的な図示は省略するが、ガラスなどからなる平面視矩形状の一対の基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。一対の基板のうち、光束射出側に配置される基板は、液晶を駆動するための駆動基板であり、互いに平行に配列形成される複数のデータ線と、複数のデータ線と直交する方向に配列形成される複数の走査線と、走査線およびデータ線の交差に対応してマトリクス状に配列形成される画素電極と、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子と、スイッチング素子を駆動する駆動部とを有している。また、一対の基板のうち、光束入射側に配置される基板は、駆動基板に対して所定間隔を空けて対向配置される対向基板であり、所定の電圧Vcomが印加される共通電極を有している。また、これら基板には、前記制御装置と電気的に接続し、前記走査線、前記データ線、前記スイッチング素子、および前記共通電極等に所定の駆動信号を出力する回路基板としてのFPCケーブル4511C(図10、図11参照)が接続されている。このFPCケーブル4511Cを介して前記制御装置から駆動信号を入力することで、所定の前記画素電極および前記共通電極との間に電圧が印加され、該画素電極および共通電極間に介在する液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板452から射出された偏光光束の偏光方向が変調される。
そして、この液晶パネル4511において、駆動基板の外形形状は、対向基板の外形形状よりも大きく設定される。すなわち、この液晶パネル4511は、光束入射側に向かうにしたがって、外形形状が小さくなる段付状に形成されている。
また、駆動基板の外面には、駆動基板の外形形状と略同一の外形形状を有し、熱伝導性を有する防塵ガラスが貼り付けられている。対向基板の外面にも同様に、対向基板の外形形状と略同一の外形形状を有し、熱伝導性を有する防塵ガラスが貼り付けられている。そして、これら防塵ガラスを貼り付けることで、液晶パネル4511外面に塵埃が付着しても、塵埃がフォーカス位置からずれた状態となり、該塵埃が投影画像上に影となって表示されることを防止できる。
3つの視野角補償板453は、各光変調装置451の光路後段側にそれぞれ配設され、平面視矩形状の透光性基板4531(図11参照)上に光学補償フィルム4532(図11参照)が貼付された構成を有する。
本実施形態では、透光性基板4531としては、熱伝導性を有する材料、例えば、水晶あるいはサファイア等により構成されている。
光学補償フィルム4532は、液晶パネル4511で生じる複屈折による常光と異常光との間に生じる位相差を補償し、液晶パネル4511の明視特性を改善するものである。この光学補償フィルム4532は、負の一軸性を有する光学異方体であり、その光学軸がフィルム面内の所定方向に向き、かつ、該フィルム面から面外方向に所定角度傾斜するように配向している。
この光学補償フィルム4532としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明支持体上に配向膜を介してディスコティック(円盤状)化合物層を形成したもので構成でき、WVフィルム(富士写真フィルム社製)を採用できる。
3つの射出側偏光板454は、入射側偏光板452と略同様の機能を有し、液晶パネル4511および視野角補償板453を介して射出された光束のうち、一定方向の偏光光を透過し、その他の光束を吸収する。これら射出側偏光板454は、図9に示すように、光束入射側に配置される第1射出側偏光板4541と、光束射出側に配置される第2射出側偏光板4542の2体でそれぞれ構成される。そして、第1射出側偏光板4541および第2射出側偏光板4542は、入射側偏光板452と同様に、平面視矩形状の透光性基板4541A,4542A(図11参照)上に偏光膜4542B(図11参照)が貼付されて構成されている。なお、図11において、第1射出側偏光板4541では、偏光膜が透光性基板4541Aの光束射出側端面に貼付されているため図示されていない。また、本実施形態では、透光性基板4541A,4542Aとしては、視野角補償板453の透光性基板4531と同様に、熱伝導性を有する材料、例えば、水晶あるいはサファイア等により構成されている。
第1射出側偏光板4541および第2射出側偏光板4542は、光吸収特性が異なるように構成されたものであり、それぞれの偏光軸は平行となるように配置されている。このように射出側偏光板454を、2体構成とすることで、例えば1体で構成する場合と比較して、射出側偏光板454にて吸収する熱を2体で按分でき、射出側偏光板454の熱劣化を防止できる。
なお、第1射出側偏光板4541および第2射出側偏光板4542は、偏光軸が平行となるように配置されるとともに、入射側偏光板452の偏光軸と略直交するように配置される。
クロスダイクロイックプリズム455は、射出側偏光板454から射出された色光毎に変調された各色光を合成してカラー画像を形成する。このクロスダイクロイックプリズム455は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、光変調装置451Gから射出され視野角補償板453および射出側偏光板454を介した色光を透過し、光変調装置451R,451Bから射出され視野角補償板453および射出側偏光板454を介した各色光を反射する。このようにして、各色光が合成されてカラー画像が形成される。そして、クロスダイクロイックプリズム455で形成されたカラー画像は、上述した投射レンズ3によりスクリーンへ拡大投射される。
光学部品用筐体46は、図9に示すように、平面視U字形状を有し、内部に所定の照明光軸Aが設定され、上述した各光学部品41〜45を照明光軸Aに対する所定位置に配置する。この光学部品用筐体46は、図7または図8に示すように、部品収納部材461と、蓋状部材462とを備える。
部品収納部材461は、図8に示すように、光源装置収納部4611と、部品収納部本体4612とで構成される。
光源装置収納部4611は、図8に示すように、光学部品用筐体46のU字形状一端側に位置し、−Y軸方向側(下方側)に開口部4611Aを有する容器状に形成され、開口部4611Aを介して内部に光源装置41を着脱自在に構成されている。
この光源装置収納部4611において、X軸方向に交差する各側面(光学部品用筐体46のU字形状内側および外側に面する側面)には、図8に示すように、開口部4611B(図8では、U字形状内側の側面に形成された開口部のみを図示)が形成されている。これら開口部4611Bにより、光源装置収納部4611内部に空気を流通可能とし、内部に配置される光源装置41を冷却可能とする。
部品収納部本体4612は、+Y軸方向側(上方側)に開口部(図示略)を有する容器状に形成され、前記開口部を介して、光源装置収納部4611と接続する一端側から順に均一照明光学装置42、色分離光学装置43、およびリレー光学装置44が収納配置され、前記一端側とは反対側の他端側に光学装置45が収納配置される。
この部品収納部本体4612において、−Y軸方向端面には、図8に示すように、光学装置45を構成する各光変調装置451R,451G,451Bの配置位置に対応した位置にそれぞれ開口部4612R,4612G,4612Bが形成されている。
また、部品収納部本体4612において、−Y軸方向端面には、図8に示すように、偏光変換素子423の配置位置に対応した位置に開口部4612Pが形成されている。
これら各開口部4612R,4612G,4612B,4612Pは、光学部品用筐体46内部における光学装置45(光学装置本体45A)の配置位置の空間Ar1(図9)、および偏光変換素子423の配置位置の空間Ar2(図9)に空気を流入させる流入口として機能する。
蓋状部材462は、図7に示すように、部品収納部本体4612の+Y軸方向側の開口部分を閉塞する部材であり、部品収納部本体4612の平面形状と略同一の平面形状を有する。
この蓋状部材462には、図7に示すように、光学装置45の配置位置に対応して、光学装置45を平面的に囲うようにコ字状の切り欠き4621が形成されている。
また、蓋状部材462には、図7に示すように、偏光変換素子423の配置位置に対応して開口部4622が形成されている。
これら切り欠き4621および開口部4622は、上述した各開口部4612R,4612G,4612B,4612Pを介して光学部品用筐体46内部における空間Ar1,Ar2に流入された空気を光学部品用筐体46外部に排出するための流出口として機能する。
なお、具体的な図示は省略したが、光学部品用筐体46内部において、空間Ar1は、部品収納部本体4612に形成されたリブや、入射側偏光板452およびフィールドレンズ426等の光学部品により、隣接する他の空間と連通しないように構成されている。また、同様に、光学部品用筐体46内部において、空間Ar2は、部品収納部本体4612に形成されたリブや、第2レンズアレイ422および重畳レンズ425等の光学部品により、隣接する他の空間と連通しないように構成されている。
〔2-1-1.光学装置本体の詳細な構成〕
図10および図11は、光学装置本体45Aの概略構成を示す図である。具体的に、図10は、光変調装置451G側(−Z軸方向側)から光学装置本体45Aを見た斜視図である。図11は、光学装置本体45Aの分解斜視図である。なお、図11では、光学装置本体45Aにおいて、光変調装置451G側のみを分解しているが、各光変調装置451R,451B側も光変調装置451G側と同様の構造を有しているものとする。
光学装置本体45Aは、上述した各光変調装置451、各視野角補償板453、各射出側偏光板454、およびクロスダイクロイックプリズム455の他、図10または図11に示すように、支持構造体456と、3つの光学素子保持体457とを備え、これら各部材451,453〜457が一体化されたものである。
なお、視野角補償板453、射出側偏光板454、および光学素子保持体457は、本発明に係る光学素子450(図10、図11)に相当するものである。
ここで、3つの射出側偏光板454において、各第2射出側偏光板4542は、図11に示すように、偏光膜4542Bが光束入射側に向いた状態でクロスダイクロイックプリズム455の各光束入射側端面にそれぞれ接着剤等により固定される。
また、光変調装置451は、上述した液晶パネル4511の他、図10または図11に示すように、液晶パネル4511を保持する保持枠4512を備える。
保持枠4512は、液晶パネル4511を収納保持する部材であり、図10または図11に示すように、光束入射側に配置される平面視矩形状の保持枠本体4512Aと、光束射出側に配置される平面視矩形状の遮光板(図示略)とを備える。
保持枠本体4512Aは、図10または図11に示すように、平面視略中央部分に液晶パネル4511の画像形成領域に対応した開口部4512A1を有している。
また、保持枠本体4512Aにおいて、光束射出側には、具体的な図示は省略するが、開口部4512A1の周縁部分に、液晶パネル4511における外形形状(段付状)に対応した凹部が形成され、該凹部にて液晶パネル4511を収納保持する。
さらに、保持枠本体4512Aにおいて、四隅角部分には、図10または図11に示すように、光束入射側端面および光束射出側端面を貫通し、光変調装置451を光学素子保持体457に固定するための固定用孔4512A2がそれぞれ形成されている。
前記遮光板は、平面視略中央部分に液晶パネル4511の画像形成領域に対応した開口部を有し、保持枠本体4512Aの光束射出側端面に接続することで、液晶パネル4511を透過した光が、視野角補償板453、射出側偏光板454、あるいはクロスダイクロイックプリズム455等で反射して液晶パネル4511の駆動部にあたり液晶パネル4511が誤動作することを防止している。
上述した保持枠4512は、熱伝導性を有する材料にて構成されている。
この熱伝導性を有する材料としては、例えば、インバーおよび42Ni−Fe等のニッケル−鉄合金、マグネシウム合金、アルミニウム合金、炭素鋼、ステンレス等の金属、または、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等のカーボンフィラーを混入させた樹脂(ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶樹脂等)等が例示できる。なお、保持枠4512としては、保持枠本体4512Aおよび前記遮光板を上述した材料のうち同一の材料で構成してもよく、異なる材料で構成してもよい。このように熱伝導性を有する材料で保持枠4512を構成することで、光束の照射により液晶パネル4511で生じた熱を効率的に保持枠4512に放熱することができる。
支持構造体456は、図10または図11に示すように、略直方体形状を有し、上面の所定位置にクロスダイクロイックプリズム455を載置し、光学装置本体45A全体を支持する部材である。
この支持構造体456には、図10または図11に示すように、四隅角部分から外側に向けて延出し、光学部品用筐体46の部品収納部本体4612に接続する腕部4561が形成されている。そして、腕部4561を部品収納部本体4612に接続することで、光学装置本体45A全体が光学部品用筐体46に固定される。
3つの光学素子保持体457は、光変調装置451およびクロスダイクロイックプリズム455の間にそれぞれ配設され、各光変調装置451、各視野角補償板453、および各射出側偏光板454における各第1射出側偏光板4541をそれぞれ支持し、クロスダイクロイックプリズム455に対して固定する部材である。この光学素子保持体457は、図11に示すように、第1支持部4571と、第2支持部4572とを備える。なお、光学素子保持体457は、熱伝導性を有する材料にて構成されたものであり、例えば、保持枠4512と同一の材料を採用できる。
第1支持部4571は、図11に示すように、平面視略矩形状の板状部4571Aと、板状部4571Aの左右両端縁から光束入射側に向けて突出する突出部4571Bとで構成される。
板状部4571Aの略中央部分には、図11に示すように、光束を透過させるための平面視矩形状の開口部4571A1が形成されている。
各突出部4571Bには、図11に示すように、鉛直方向に沿って並列する3つの開口部4571B1がそれぞれ形成されている。これら開口部4571B1は、図11に示すように、各突出部4571Bの突出方向に沿って延びる平面視矩形形状を有している。
そして、第1支持部4571は、各突出部4571Bにて第2支持部4572を支持する。また、第1支持部4571は、クロスダイクロイックプリズム455の光束入射側端面に固定された第2射出側偏光板4542に対して、偏光膜4542Bが開口部4571A1に挿通した状態で板状部4571Aの光束射出側端面が透光性基板4542Aの光束入射側端面に接着剤等により固定される。透光性基板4542Aの光束入射側端面に板状部4571Aが固定されることで、偏光膜4542B〜透光性基板4542A〜第1支持部4571の熱伝達経路が形成される。
第2支持部4572は、光変調装置451、視野角補償板453、および射出側偏光板454における第1射出側偏光板4541をそれぞれ支持固定する部材である。この第2支持部4572は、図11に示すように、第2支持部本体4573と、一対の付勢部材4574とを備える。
第2支持部本体4573は、図11に示すように、平面視略矩形状の板状部4573Aと、板状部4573Aの左右両端縁から光束射出側に向けて突出する突出部4573Bとで構成され、第1支持部4571の各突出部4571B間に配設される。第1支持部4571の各突出部4571B間に第2支持部本体4573が配設されることで、第2支持部4572〜第1支持部4571の熱伝達経路が形成される。
板状部4573Aには、図11に示すように、図11中、下方側端縁から上方側に向けて切り欠かれ、光束を透過させるための平面視コ字形状の切り欠き4573A1が形成されている。
また、この板状部4573Aにおいて、四隅角部分には、図11に示すように、光変調装置451を固定するための固定用孔4573A2がそれぞれ形成されている。そして、4つの固定用孔4573A2のうち対角位置に形成された一対の固定用孔4573A2、および光変調装置451の保持枠4512に形成された4つの固定用孔4512A2のうち対角位置に形成された一対の固定用孔4512A2を介して、第2支持部本体4573および保持枠4512を各ねじ459(図11)にて接続することで、光変調装置451が第2支持部本体4573に固定される。
さらに、この板状部4573Aにおいて、左右両端縁の略中央部分には、図11に示すように、光束射出側に突出し、突出方向先端部分が板状部4573Aの板面に略平行に延出し、先端部分にて各突出部4573Bに接続する接続部4573A3がそれぞれ形成されている。
また、この板状部4573Aにおいて、図11中、上方側端部における各角隅部分には、光束射出側に突出し、第2支持部4572にて視野角補償板453を支持した状態で、視野角補償板453の上方側端部に当接し、視野角補償板453の鉛直方向の位置を規制する第1位置規制部4573A4がそれぞれ形成されている。
各突出部4573Bは、図11に示すように、先端部分4573B1が板状部4573Aと略平行となるように折曲され、互いに近接する方向に延出している。
また、各先端部分4573B1において、図11中、下方側端部には、光束入射側に突出し、第2支持部4572にて第1射出側偏光板4541を支持した状態で、第1射出側偏光板4541の下方側端部に当接し、第1射出側偏光板4541の鉛直方向の位置を規制する第2位置規制部4573B3がそれぞれ形成されている。
また、各突出部4573Bの基端部分4573B2の外側面には、図11に示すように、第1支持部4571の各開口部4571B1に対応して鉛直方向に並列する3つの凸部4573B4がそれぞれ形成されている。そして、これら凸部4573B4は、第1支持部4571の各突出部4571B間に第2支持部4572を配設した際に、各開口部4571B1に遊嵌状態で嵌合する。このような構成により、各開口部4571B1(第1支持部4571)に対して各凸部4573B4(第2支持部4572)を摺動させることが可能となり、すなわち、第2支持部4572に固定された光変調装置451(液晶パネル4511)をクロスダイクロイックプリズム455に対して近接隔離する方向に移動させ、フォーカス調整を可能とする。
一対の付勢部材4574は、図11に示すように、板ばねで構成され、略中央部分に位置する基部4574Aと、基部4574Aから略ハ字状にそれぞれ延出する一対の延出部4574Bとをそれぞれ備える。そして、一対の付勢部材4574は、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541の間に配設され、基部4574Aが視野角補償板453の光束射出側端面に当接し、一対の延出部4574Bの先端部分が第1射出側偏光板4541の光束入射側端面に当接し、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541を互いに離間する方向に付勢する。
そして、上述した第2支持部4572は、以下に示すように、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541を支持固定する。
すなわち、第2支持部本体4573における板状部4573Aおよび各突出部4573Bで囲まれる空間に、光学補償フィルム4532が光束入射側に向いた状態の視野角補償板453、一対の付勢部材4574、および偏光膜が光束射出側に向いた状態の第1射出側偏光板4541を配設する。この状態では、一対の付勢部材4574による付勢力により、視野角補償板453が光束入射側に押圧され、視野角補償板453における透光性基板4531の光束入射側端面が第2支持部4572における板状部4573Aの光束射出側端面に当接する。また、一対の付勢部材4574による付勢力により、第1射出側偏光板4541が光束射出側に押圧され、第1射出側偏光板4541における透光性基板4541Aの光束射出側端面が第2支持部4572における各突出部4573Bの各先端部分4573B1に当接する。以上のように、一対の付勢部材4574による付勢力により、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541が第2支持部4572に支持固定される。視野角補償板453および第1射出側偏光板4541が一対の付勢部材4574による付勢力により第2支持部本体4573に付勢固定されることで、視野角補償板453〜第2支持部4572の熱伝達経路、および第1射出側偏光板4541〜第2支持部4572の熱伝達経路が形成される。
〔2-2.電源ユニットの構成〕
電源ユニット5は、プロジェクタ1の装置本体を構成する各構成部材に電力を供給する。この電源ユニット5は、図8に示すように、外装筺体2における−X軸方向側の側面に沿って、背面側から前面側にかけて延びるように配置されている。この電源ユニット5は、具体的な図示は省略したが、電源ケーブルを通して外部から供給された電力を前記各構成部材に供給する電源ブロックと、前記電源ブロックから供給された電力に基づいて光源ランプ411を点灯させるランプ駆動ブロックとを備える。これら電源ブロックおよびランプ駆動ブロックは、図7または図8に示すように、両端が開口されたアルミニウム等の金属性のシールド部材51によって周囲を覆われている。そして、このシールド部材51により背面側から流入された空気が前面側に誘導されるとともに、前記電源ブロックや前記ランプ駆動ブロックで発生する電磁ノイズが外部へ漏れないように構成されている。
〔2-3.密閉循環空冷ユニットの構成〕
図12ないし図16は、密閉循環空冷ユニット7の構成を示す図である。具体的に、図12は、図4の状態から筺体内部冷却装置8を構成するペルチェ放熱風排気ユニット81を取り外した状態を示す図である。図13は、図12の状態から高熱伝導ダクト部742および放熱装置75を取り外した状態を示す図である。図14は、図6の状態からカバー部材7322を取り外した状態を示す図である。図15は、図14の状態からダクト本体732を取り外した状態を示す図である。図16は、図15の状態から循環ファン72を取り外した状態を示す図である。
密閉循環空冷ユニット7は、光学部品用筐体46とともに本発明に係る密閉構造を構成し、光学部品用筐体46における空間Ar1,Ar2を含む環状の空気流通路の空気を循環させ、空間Ar1,Ar2に配置される光学装置45(光学装置本体45A)や偏光変換素子423を冷却する。この密閉循環空冷ユニット7は、図12ないし図16に示すように、冷却装置71と、循環ファン72(図14、図15)と、流路前段側ダクト部材73(図14〜図16)と、流路後段側ダクト部材74(図12、図13)と、放熱装置75(図12)とを備える。
なお、以下では、空気流通路に沿って、空間Ar1,Ar2に対する上流側から順に説明する。また、循環ファン72の具体的な構成については、流路前段側ダクト部材73と同時に説明する。
〔2-3-1.冷却装置の構成〕
図17は、冷却装置71の構成を示す斜視図である。具体的に、図17は、+Z軸方向側から冷却装置71を見た斜視図である。
冷却装置71は、図12ないし図16に示すように、投射レンズ3の+X軸方向側に隣接配置され、前記密閉構造内部の空気流通路を辿る空気の熱を吸収し、前記密閉構造外部に放熱する装置である。この冷却装置71は、図17に示すように、ペルチェユニット711と、吸熱側ダクト712と、放熱側ダクト713と、冷却ファン714とを備える。
図18ないし図20は、ペルチェユニット711の構成を示す図である。具体的に、図18は、+X軸方向側(投射レンズ3に対して離間した側)から見たペルチェユニット711の分解斜視図である。図19は、−X軸方向側(投射レンズ3に対して近接した側)から見たペルチェユニット711の分解斜視図である。図20は、ペルチェユニット711の+Z軸方向側から見た断面図である。
ペルチェユニット711は、図18ないし図20に示すように、吸熱側熱伝導性部材7111と、段付ブロック7112と、ペルチェ素子7113と、熱伝達抑制部材7114と、放熱側熱伝導性部材7115とが、投射レンズ3側から順に積層配置されたものである。
ペルチェ素子7113は、具体的な図示は省略するが、p型半導体とn型半導体とを金属片で接合して構成した接合対を複数有しており、これら複数の接合対は電気的に直列に接続されている。
このような構成を有するペルチェ素子7113において、制御基板6による制御の下、所定の電圧が印加されると、図18ないし図20に示すように、ペルチェ素子7113の一方の面が熱を吸収する吸熱面7113Aとなり、他方の面が熱を放熱する放熱面7113Bとなる。なお、本実施形態では、ペルチェ素子7113は、前記所定の電圧の極性を変更した場合、すなわち、電流の向きを変えた場合には、吸熱面7113Aと放熱面7113Bとの切替が可能に構成されている。
吸熱側熱伝導性部材7111は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、ペルチェ素子7113の吸熱面7113Aと段付ブロック7112を介して熱伝達可能に接続する。この吸熱側熱伝導性部材7111は、図18ないし図20に示すように、矩形状の板体7111Aと、板体7111Aにおける−X軸方向端面(段付ブロック7112との接続面とは反対側の端面)から突出しY軸方向(上下方向)に延出する複数のフィン部材7111Bとを有する、いわゆるヒートシンクで構成されている。
段付ブロック7112は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、吸熱側熱伝導性部材7111の板体7111Aとペルチェ素子7113の吸熱面7113Aとの間に介在配置される。この段付ブロック7112は、図18ないし図20に示すように、板体状のブロック本体7112Aと、ブロック本体7112Aにおける+X軸方向端面(ペルチェ素子7113側の端面)から膨出しペルチェ素子7113の平面形状と略同一の平面形状を有する板体状の膨出部7112Bとを備える。そして、段付ブロック7112は、ブロック本体7112Aと吸熱側熱伝導性部材7111とが熱伝達可能に接続し、膨出部7112Bとペルチェ素子7113の吸熱面7113Aとが熱伝達可能に接続する。
本実施形態では、段付ブロック7112は、厚み寸法(ブロック本体7112Aの厚み寸法および膨出部7112Bの厚み寸法を加えた厚み寸法)が15mm以上30mm以下に設定されている。
熱伝達抑制部材7114は、低熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、吸熱側熱伝導性部材7111と放熱側熱伝導性部材7115との間で段付ブロック7112およびペルチェ素子7113を保持する部材である。
この熱伝達抑制部材7114には、図18ないし図20に示すように、+X軸方向側(冷却ファン714側)に窪み、段付ブロック7112のブロック本体7112Aを嵌合可能とする凹部7114Aが形成されている。この凹部7114Aの高さ寸法は、図20に示すように、ブロック本体7112Aの厚み寸法と略同一となるように設定されている。
また、熱伝達抑制部材7114において、凹部7114Aの底面部分には、図18ないし図20に示すように、段付ブロック7112の膨出部7112Bを嵌合可能とする開口部7114Bが形成されている。
さらに、熱伝達抑制部材7114には、開口部7114B周縁部分から+X軸方向側(冷却ファン714側)に突出する枠形状を有し、枠状内側部分にてペルチェ素子7113の外縁部分を保持する保持部7114Cが形成されている。この保持部7114Cにおいて、その突出寸法は、図20に示すように、膨出部7112Bの厚み寸法、およびペルチェ素子7113の厚み寸法を加えた寸法と略同一、または小さく設定されており、ペルチェ素子7113の両面7113A,7113Bが放熱側熱伝導性部材7115の板体7115Aと、段付ブロック7112の膨出部7112Bに確実に接触されている。
以上のような構成により、ペルチェユニット711を組み立てた状態では、図20に示すように、熱伝達抑制部材7114は、段付ブロック7112およびペルチェ素子7113の外縁を覆うように配置される。
放熱側熱伝導性部材7115は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、ペルチェ素子7113の放熱面7113Bと熱伝達可能に接続する。この放熱側熱伝導性部材7115は、図18ないし図20に示すように、吸熱側熱伝導性部材7111と同様に、板体7115Aおよび複数のフィン部材7115Bを有するヒートシンクで構成されている。ここで、複数のフィン部材7115Bは、図18ないし図20に示すように、吸熱側熱伝導性部材7111における複数のフィン部材7111Bの延出方向と略直交する方向(Z軸方向)に延出するように形成されている。
吸熱側ダクト712は、低熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図17に示すように、吸熱側熱伝導性部材7111の複数のフィン部材7111Bを囲みY軸方向に延出する断面略コ字形状を有する。また、吸熱側ダクト712は、コ字状先端部分が吸熱側熱伝導性部材7111の板体7111Aに接続可能に構成され、板体7111Aに接続することで、コ字状内側部分に複数のフィン部材7111Bが配置される。そして、図17に示すように、吸熱側ダクト712により、複数のフィン部材7111Bの延出方向に沿って空気を流通可能とする流路C1が形成される。この流路C1は、前記密閉構造内部の空気流通路の一部を構成する。すなわち、流路C1を辿る空気の熱が、複数のフィン部材7111B〜板体7111A〜段付ブロック7112〜ペルチェ素子7113の吸熱面7113Aの熱伝達経路を辿ってペルチェ素子7113の吸熱面7113Aに吸収される。
放熱側ダクト713は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図17に示すように、冷却ファン714とペルチェユニット711との間に介在配置され、冷却ファン714から送風されペルチェユニット711を介した空気を所定方向に導く。より具体的に、放熱側ダクト713は、図17では一部を省略しているが、放熱側熱伝導性部材7115の+Z軸方向側、+Y軸方向側、および+X軸方向側の三方を囲む形状を有している。そして、放熱側ダクト713には、図17に示すように、+X軸方向側の面(フィン部材7115Bに対向する面)に切り欠き7131が形成されている。また、切り欠き7131周縁部分には、図17に示すように、冷却ファン714を外装筺体2内部に設置するためのファン設置部材714Aと接続する接続部7132が形成されている。そして、放熱側ダクト713は、図17に示すように、冷却ファン714からフィン部材7115Bに吹き付けられる空気を、−Z軸方向側に導く。
冷却ファン714は、図17に示すように、軸流ファンで構成され、外装筺体2に形成された冷却装置用吸気口224に対向するように配置され、制御基板6による制御の下、駆動することで、冷却装置用吸気口224を介して外装筺体2外部の空気を吸入し、放熱側熱伝導性部材7115における複数のフィン部材7115Bに空気を吐出する。すなわち、ペルチェ素子7113の放熱面7113B〜板体7115A〜複数のフィン部材7115Bの熱伝達経路を辿って複数のフィン部材7115Bに伝達された熱が、冷却ファン714により冷却される。
〔2-3-2.流路前段側ダクト部材の構成〕
流路前段側ダクト部材73は、低熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、流路C1を辿って冷却装置71を介した空気を循環ファン72に導くとともに、循環ファン72から吐出された空気を空間Ar1,Ar2に導く部材である。この流路前段側ダクト部材73は、図6、図14ないし図16に示すように、ベース板731と、ダクト本体732(図6、図14)とを備える。
ベース板731は、図6、図14ないし図16に示すように、光学部品用筐体46における部品収納部本体4612の−Y軸方向端面に所定の間隔(例えば、5〜10mm程度)を空けて取り付けられ、循環ファン72およびダクト本体732を支持する。このベース板731は、図15または図16に示すように、平面視略T字形状を有する。より具体的に、ベース板731は、投射レンズ3の下方側から光学部品用筐体46内部における光学装置45の配置位置に対応する位置にかけてZ軸方向に延出するとともに、−Z軸方向端部が偏光変換素子423の配置位置に対応する位置、および偏光変換素子423の配置位置とは反対側にかけてX軸方向に延出する。
そして、ベース板731において、投射レンズ3の下方側に位置する部分は、図15または図16に示すように、循環ファン72を取り付けるための第1取付部7311として機能する。また、ベース板731において、光学装置45の配置位置に対応する位置から+X軸方向に延出した部分は、図15または図16に示すように、循環ファン72を取り付けるための第2取付部7312として機能する。
ここで、循環ファン72は、前記密閉構造内部の環状の空気流通路に沿って空気を循環させるものであり、図15に示すように、第1シロッコファン721および第2シロッコファン722で構成されている。そして、第1シロッコファン721は、図15に示すように、吸入孔7211が−Y軸方向側に向き、吐出口7212が−Z軸方向側に向くように、ベース板731の第1取付部7311に取り付けられる。また、第2シロッコファン722は、図15に示すように、吸入孔7221が−Y軸方向側に向き、吐出口7222が−Z軸方向に向きかつXY平面に対して−X軸方向側に向けて所定角度、傾斜した状態となるように、ベース板731の第2取付部7312に取り付けられる。
また、ベース板731において、光学装置45の配置位置に対応する位置には、図15または図16に示すように、光学部品用筐体46に形成された各開口部4612R,4612G,4612Bに対応した開口部7313R,7313G,7313Bがそれぞれ形成されている。
さらに、ベース板731において、偏光変換素子423の配置位置に対応する位置には、図15または図16に示すように、光学部品用筐体46に形成された開口部4612Pに対応した開口部7314Pが形成されている。
ダクト本体732は、ベース板731の−Y軸方向端面に取り付けられることで、流路C1を辿って冷却装置71を介した空気を循環ファン72に導くとともに、循環ファン72から吐出された空気を空間Ar1,Ar2に導く。このダクト本体732は、図6または図14に示すように、基体7321と、カバー部材7322(図6)とを備える。
基体7321は、図14に示すように、ベース板731の平面形状と略同一の平面形状を有し、第1ダクト部7321Aと第2ダクト部7321Bとが一体的に形成されたものである。
第1ダクト部7321Aは、流路C1を辿って冷却装置71を介した空気を循環ファン72に導くものである。この第1ダクト部7321Aは、図14に示すように、密閉循環空冷ユニット7を組み立てた状態で、冷却装置71の吸熱側ダクト712、および循環ファン72を平面的に囲う障壁部7321A1を有し、−Y軸方向側に開口部7321A2を有する容器状に形成されている。
この第1ダクト部7321Aにおいて、冷却装置71の吸熱側ダクト712に対応する位置には、図14に示すように、流路C1と連通する開口部7321A3が形成されている。
また、第1ダクト部7321Aにおいて、循環ファン72を構成する各シロッコファン721,722の各吸入孔7211,7221に対応する位置には、図14に示すように、開口部7321A4,7321A5がそれぞれ形成されている。
さらに、第1ダクト部7321Aにおいて、各開口部7321A4,7321A5の間には、図14に示すように、障壁部7321A1から開口部7321A3に向けて延出する整流リブ7321A6が形成されている。
さらにまた、第1ダクト部7321Aにおいて、冷却装置71の放熱側ダクト713に対応する位置には、図14に示すように、障壁部7321A1から+X軸方向に延出する平面視矩形形状の放熱風規制部7321A7が形成されている。すなわち、密閉循環空冷ユニット7を組み立てた状態では、放熱風規制部7321A7と冷却装置71の放熱側ダクト713とが接続する。そして、放熱風規制部7321A7および放熱側ダクト713により、冷却ファン714からフィン部材7115Bに吹き付けられる空気を−Z軸方向に導く。
また、第1ダクト部7321Aにおいて、開口部7321A4周縁部分は、図14に示すように、循環ファン72を構成する第1シロッコファン721を取り付けるための第1取付部7321A8として機能する。すなわち、第1シロッコファン721は、ベース板731の第1取付部7311、およびダクト本体732の第1取付部7321A8とで挟持固定される。
さらに、第1ダクト部7321Aにおいて、開口部7321A5周縁部分は、図14に示すように、循環ファン72を構成する第2シロッコファン721を取り付けるための第2取付部7321A9として機能する。すなわち、第2シロッコファン722は、ベース板731の第2取付部7312、およびダクト本体732の第2取付部7321A9とで挟持固定される。
カバー部材7322は、図6に示すように、第1ダクト部7321Aにおける障壁部7321A1に取り付けられ、開口部7321A2を閉塞する部材である。
そして、第1ダクト部7321Aにカバー部材7322が取り付けられることで、図14に示すように、流路C1を辿った空気が開口部7321A3を介して第1ダクト部7321Aおよびカバー部材7322間に導入され、整流リブ7321A6により、前記空気を開口部7321A4(第1シロッコファン721)に導く流路C2と、前記空気を開口部7321A5(第2シロッコファン722)に導く流路C3とが形成される。これら流路C2,C3は、前記密閉構造内部の空気流通路の一部を構成する。
第2ダクト部7321Bは、各流路C2,C3を辿って各シロッコファン721,722に吸入・吐出された空気を光学部品用筐体46内部の空間Ar1,Ar2に導くものである。この第2ダクト部7321Bは、図6または図14に示すように、光学装置45の配置位置に対応する位置から−Z軸方向に延出し、偏光変換素子423の配置位置に対応する位置にかけて−X軸方向に延出する平面視略L字形状を有し、+Y軸方向側が開口した容器状に形成されている。
この第2ダクト部7321Bにおいて、具体的な図示は省略するが、容器状の側壁部分には、第1シロッコファン721の吐出口7212と接続する切り欠きと、第2シロッコファン722の吐出口7222と接続する切り欠きとが形成されている。
また、この第2ダクト部7321Bには、具体的な図示は省略するが、第1シロッコファン721および第2シロッコファン722から吐出された空気を所定位置に導くための整流リブが形成されている。
そして、ダクト本体732をベース板731に取り付けることで、図15に示すように、流路C2を辿り第1シロッコファン721にて吸入・吐出された空気が第2ダクト部7321Bおよびベース板731間に導入され、前記整流リブにより、前記空気をベース板731の各開口部7313R,7313Bおよび光学部品用筐体46の各開口部4612R,4612Bを介して空間Ar1に導く流路C4が形成される。また、図15に示すように、流路C3を辿り第2シロッコファン722にて吸入・吐出された空気が第2ダクト部7321Bおよびベース板731間に導入され、前記整流リブにより、前記空気をベース板731の開口部7313Gおよび光学部品用筐体46の開口部4612Gを介して空間Ar1に導く流路C5と、前記空気をベース板731の開口部7314Pおよび光学部品用筐体46の開口部4612Pを介して空間Ar2に導く流路C6とが形成される。これら流路C4〜C6は、前記密閉構造内部の空気流通路の一部を構成する。
〔2-3-3.流路後段側ダクト部材の構成〕
流路後段側ダクト部材74は、空間Ar1,Ar2内部から空間Ar1,Ar2外部に流出した空気を冷却装置71の吸熱側ダクト712(流路C1)に導く部材である。この流路後段側ダクト部材74は、図12または図13に示すように、低熱伝導ダクト部741と、高熱伝導ダクト部742(図12)とを備える。
低熱伝導ダクト部741は、低熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図12に示すように、冷却装置71を構成する吸熱側ダクト712の+Y軸方向側の開口部分、および光学部品用筐体46を構成する部品収納部本体4612を平面的に囲う障壁部7411を有し、+Y軸方向側に開口部7412を有する平面視略L字形状の容器状に形成されている。そして、この低熱伝導ダクト部741は、図13に示すように、吸熱側ダクト712の+Y軸方向端面および蓋状部材462の+Y軸方向端面に所定の間隔(例えば、5〜10mm程度)を空けて取り付けられる。
流路後段側ダクト部材74には、液晶パネル4511のFPCケーブル4511Cを通すための孔が設けられている。そして、前記孔とFPCケーブル4511Cとの隙間は、流路後段側ダクト部材74内部の密閉性が損なわれないように、ゴム、スポンジ等により封止されている。
この低熱伝導ダクト部741において、吸熱側ダクト712に対応する位置には、図13に示すように、流路C1と連通する開口部7413が形成されている。
また、低熱伝導ダクト部741において、蓋状部材462の切り欠き4621に対応する位置には、図13に示すように、切り欠き4621を介して空間Ar1に連通する開口部7414が形成されている。
さらに、低熱伝導ダクト部741において、蓋状部材462の開口部4622に対応する位置には、図13に示すように、開口部4622を介して空間Ar2に連通する開口部7415が形成されている。
さらにまた、低熱伝導ダクト部741には、図13に示すように、障壁部7411から開口部7412に向けて延出し、各開口部7414,7415を隔離する整流リブ7416が形成されている。
高熱伝導ダクト部742は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、図12に示すように、低熱伝導ダクト部741における障壁部7411に取り付けられ、開口部7412を閉塞する部材である。
そして、低熱伝導ダクト部741に高熱伝導ダクト部742が取り付けられることで、図13に示すように、空間Ar1内部から空間Ar1外部に流出した空気が切り欠き4621および開口部7414を介して流路後段側ダクト部材74内部に導入され、開口部7413を介して前記空気を吸熱側ダクト712(流路C1)に導く流路C7と、空間Ar2内部から空間Ar2外部に流出した空気が開口部4622および開口部7415を介して流路後段側ダクト部材74内部に導入され、開口部7413を介して前記空気を吸熱側ダクト712(流路C1)に導く流路C8とが形成される。これら流路C7,C8は、前記密閉構造内部の空気流通路の一部を構成する。
すなわち、上述した流路C1〜C8、および空間Ar1,Ar2により前記密閉構造内部の環状の空気流通路を構成する。そして、循環ファン72により、流路C1〜流路C2,C3〜流路C4,C5,C6〜空間Ar1,Ar2〜流路C7,C8〜流路C1の環状の空気流通路を辿って空気を流通させることで、空間Ar1,Ar2内の光学装置45(液晶パネル4511、入射側偏光板452、視野角補償板453、射出側偏光板454等)および偏光変換素子423が冷却される。
なお、具体的な図示は省略したが、光学部品用筐体46および密閉循環空冷ユニット7は、例えば、各部材間に弾性を有するシール部材等が介在されることで前記空気流通路と外部とが連通しない密閉構造を構成している。
〔2-3-4.放熱装置の構成〕
図21は、放熱装置75の構造、および放熱装置75と光学素子450との接続構造を示す斜視図である。
放熱装置75は、図21に示すように、前記密閉構造内部の空間Ar1に配置される光学装置45を構成する3つの光学素子450に熱伝達可能に接続し、3つの光学素子450の熱を前記密閉構造外部に放熱する装置である。この放熱装置75は、図21に示すように、放熱部材としての放熱ブロック751と、6つのヒートパイプ752とを備える。
なお、図21では、6つのヒートパイプ752のうち、光変調装置451R側の1つのヒートパイプの図示が省略されているが、各光変調装置451側にそれぞれ2つずつのヒートパイプが配設されているものとする。
放熱ブロック751は、高熱伝導材料(下記表1参照)で構成され、平面形状(Y軸方向から見た形状)がクロスダイクロイックプリズム455の平面形状と略同一となる直方体形状を有するブロック状に形成されている。この放熱ブロック751は、図12または図21に示すように、光学装置本体45Aの上方側に配設されるとともに、光学ユニット4および密閉循環空冷ユニット7を組み立てた状態で、前記密閉構造外部、すなわち、流路後段側ダクト部材74を構成する高熱伝導ダクト部742の上方側に配設される。
6つのヒートパイプ752は、同一の機能を有するものであり、内部に毛細管構造(ウィック)を有する断面視円形状の管状に形成されるとともに、管内部には冷媒が収容され、冷媒が管内部を還流することにより、該ヒートパイプ752内での熱移動が行われる。
ここで、具体的な図示は省略するが、ヒートパイプ752の毛細管構造は、パウダー状の焼結型ウィックで構成されている。また、冷媒としては、水を採用している。なお、前記毛細管構造としては、焼結型ウィックに限らず、その他のウィック、例えば、複数の細い銅線等で構成された極細線型ウィック、網目状の金属メッシュ型ウィック、あるいは、管内部に複数の溝を形成したグルーブ型のウィックとして構成しても構わない。また、冷媒としては、水に限らず、その他の冷媒、例えば、アルコール等を採用しても構わない。
このヒートパイプ752は、プレス加工が施されることで、図21に示すように、一端側の部位752Aが先端から光学素子保持体457における突出部4571Bに沿って鉛直方向(+Y軸方向)に延出するとともに、他端側の部位752Bが一端側の部位752Aの基端部分から左右方向(光変調装置451R,451B側の各ヒートパイプ752ではZ軸方向、光変調装置451G側の各ヒートパイプ752ではX軸方向)に延出する平面視L字形状を有するように屈曲形成されている。また、ヒートパイプ752は、他端側の部位752Bの先端部分が光束射出側に突出するように屈曲形成されている。ここで、一端側の部位752Aにおける鉛直方向(Y軸方向)の長さ寸法は、図21に示すように、光学素子保持体457における突出部4571Bの鉛直方向の長さ寸法よりも長くなるように形成されている。そして、ヒートパイプ752は、図12または図21に示すように、一端側の部位752Aが流路後段側ダクト部材74を構成する高熱伝導ダクト部742を貫通し、一端側の部位752Aの外面が光学素子保持体457における一方の突出部4571Bの外面に熱伝達可能に接続する。また、ヒートパイプ752は、図12または図21に示すように、他端側の部位752Bが前記密閉構造外部に位置し、他端側の部位752Bの先端部分が放熱ブロック751の側面(クロスダイクロイックプリズム455の光束入射側端面に沿う側面)に熱伝達可能に接続する。
なお、ヒートパイプ752と、光学素子保持体457および放熱ブロック751との接続構造としては、例えば、半田等により接続する構成、溶接して接続する構成、あるいは、熱伝導性を有する接着剤により接着固定する構成等を採用できる。
そして、放熱装置75と光学装置本体45Aとを接続した状態では、図21に示すように、1つの光学素子保持体457に対して、2つのヒートパイプ752がそれぞれ熱伝達可能に接続した状態となる。
そして、上述した放熱装置75は、以下に示すように、光束の照射による視野角補償板453や射出側偏光板454に生じた熱を放熱する。
視野角補償板453や射出側偏光板454に生じた熱は、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541〜第2支持部4572〜第1支持部4571の熱伝達経路、および第2射出側偏光板4542〜第1支持部4571の熱伝達経路を辿って、第1支持部4571に伝達され、第1支持部4571の一対の突出部4571Bに伝達される。
一対の突出部4571Bに伝達された熱は、ヒートパイプ752における一端側の部位752Aに伝達される。
ここで、一端側の部位752Aの内部では、伝達された熱により冷媒が熱せられて蒸発して気化し、このとき潜熱(気化熱)として熱が取り込まれる。すなわち、一端側の部位752Aは、ヒートパイプ752における蒸発部として機能する。
そして、気化した冷媒は、蒸気流となって、一端側の部位752Aから離間した低温側である前記密閉構造外部に位置する他端側の部位752Bに移動する。そして、他端側の部位752Bに移動した冷媒は、冷やされて液化し、熱を放出する(凝縮潜熱による熱放出)。すなわち、他端側の部位752Bは、ヒートパイプ752における凝縮部として機能する。そして、凝縮部752Bの熱は、放熱ブロック751に伝達され、外部に放熱される。凝縮部752Bにて液化した冷媒は、毛細管構造(ウィック)を通って再度、蒸発部752Aに戻る。
上述した高熱伝導材料および低熱伝導材料は、以下の表1に示す材料が例示できる。ここで、表1に示すように、高熱伝導材料としては、熱伝導率が42W/(m・K)以上の材料が好ましく、低熱伝導材料としては、熱伝導率が0.9W/(m・K)以下の材料が好ましい。
Figure 2008089724
〔2-4.筐体内部冷却装置の構成〕
筺体内部冷却装置8は、前記密閉構造外部の構成部材(制御基板6、流路後段側ダクト部材74、放熱ブロック751、光源装置41、電源ユニット5等)を冷却する。この筺体内部冷却装置8は、図4ないし図6に示すように、ペルチェ放熱風排気ユニット81(図4、図5)と、光源冷却用ファン82(図6)と、電源冷却用ファン83と、排気ファン84とを備える。
ペルチェ放熱風排気ユニット81は、冷却ファン714から放熱側ダクト713のフィン部材7115Bに吹き付けられた空気を制御基板6および流路後段側ダクト部材74の間に流通させるものである。このペルチェ放熱風排気ユニット81は、図4または図5に示すように、外部側ダクト部材811と、通風ガイド部812とを備える。
図22は、外部側ダクト部材811を示す斜視図である。
外部側ダクト部材811は、図22に示すように、空気を内部に導入する導入口8111と、内部の空気を外部に排出する導出口8112とが略直交するように形成され、導入口8111を介して内部に導入した空気を+Y軸方向に屈曲させて流通させ、さらに、導出口8112に向けて屈曲させて流通させる。そして、この外部側ダクト部材811は、具体的な図示は省略するが、導入口8111が、放熱側ダクト713の背面側端部および放熱風規制部7321A7の背面側端部と接続するように配設される。また、この外部側ダクト部材811は、図4または図5に示すように、導出口8112が、制御基板6(図4では図示略)の+X軸方向端部と流路後段側ダクト部材74における+X軸方向端部との間に位置するように配設される。すなわち、外部側ダクト部材811は、冷却ファン714からフィン部材7115Bに吹き付けられ、放熱風規制部7321A7および放熱側ダクト713により、−Z軸方向に導かれた空気を、導入口8111を介して内部に導入し、導出口8112を介して制御基板6および流路後段側ダクト部材74の間に+X軸方向側から−X軸方向側に向けて排出する。
通風ガイド部812は、外部側ダクト部材811から排出された空気を、制御基板6および流路後段側ダクト部材74の間で、流路後段側ダクト部材74における空間Ar1,Ar2に対向する部分に沿って流通させるものである。この通風ガイド部812は、図4または図5に示すように、第1ガイド部8121と、第2ガイド部8122とを備える。
第1ガイド部8121は、図4または図5に示すように、板状部材で構成され、一端側が外部側ダクト部材811の導出口8112の−Z軸方向端部に接続し、流路後段側ダクト部材74を構成する高熱伝導ダクト部742における−Z軸方向端縁および−X軸方向端縁に沿って他端側が光源装置収納部4611近傍まで延出するように、高熱伝導ダクト部742に立設されている。
第2ガイド部8122は、図4または図5に示すように、板状部材で構成され、一端側が外部側ダクト部材811の導出口8112の+Z軸方向端部に接続し、−X軸方向に延出して流路後段側ダクト部材74を構成する高熱伝導ダクト部742におけるL字状内側の端縁に沿って他端側が光源装置収納部4611近傍まで延出するように、高熱伝導ダクト部742に立設されている。
そして、通風ガイド部812を介して、流路後段側ダクト部材74の+Y軸方向側に制御基板6を配設することで、図4または図5に示すように、外部側ダクト部材811の導出口8112から排出された空気を空間Ar1に対向する部分から空間Ar2に対向する部分にかけて流通させる流路C11が形成される。そして、流路C11を辿って空気を流通させることで、高熱伝導ダクト部742、放熱ブロック751、および制御基板6が冷却される。
光源冷却用ファン82は、図6に示すように、シロッコファンで構成され、吸入口821が−Y軸方向側に向き、吐出口822が+Z軸方向側に向くように、部品収納部本体4612の−Y軸方向端面における光源装置収納部4611と接続する一端側に取り付けられている。そして、光源冷却用ファン82は、制御基板6による制御の下、駆動することで、ロアーケース22に形成された光源用吸気口223を介して外装筺体2外部の冷却空気を吸入し、+Z軸方向に吐出する。光源冷却用ファン82から吐出された空気は、図6に示すように、光源装置41のランプハウジング413に形成された空気導入部4131によりランプハウジング413内外を連通する流路C12を辿って、ランプハウジング413内部に導入され、光源ランプ411やリフレクタ412が冷却される。
電源冷却用ファン83は、図4ないし図6に示すように、軸流ファンで構成され、吸入口831が−Z軸方向側に向き、吐出口832が+Z軸方向側に向くように、外装筺体2内部における−Z軸方向側でかつ−X軸方向側の角隅部分に配設される。そして、電源冷却用ファン83は、制御基板6による制御の下、駆動することで、図4または図5に示すように、外装筺体2に形成された電源用吸気口225を介して外装筺体2外部の冷却空気を吸入し、+Z軸方向側に吐出する。電源冷却用ファン83から吐出された空気は、図4ないし図6に示すように、電源ユニット5のシールド部材51によりシールド部材51内外を連通する流路C13を辿って、シールド部材51の−Z軸方向側の開口部分からシールド部材51内部に導入され、前記電源ブロックや前記ランプ駆動ブロックが冷却される。
排気ファン84は、図4ないし図6に示すように、軸流ファンで構成され、吸入口841(図6)が−Z軸方向に向きかつXY平面に対して+X軸方向側に向けて所定角度、傾斜した状態となるように、外装筺体2内部の+Z軸方向側でかつ−X軸方向側の角隅部分に配設される。この排気ファン84は、制御基板6による制御の下、駆動することで、排気ファン84近傍の空気を吸入する。
例えば、排気ファン84は、図4または図5に示すように、ペルチェ放熱風排気ユニット81により流路C11を辿って光源装置収納部4611近傍に流通した空気を吸入する。
また、例えば、排気ファン84は、図5または図6に示すように、光源装置収納部4611における−X軸方向端面に形成された開口部(図示略)を介して、光源装置収納部4611内部の空気を吸入する。すなわち、光源冷却用ファン82により流路C12を辿ってランプハウジング413内部に導入され光源ランプ411やリフレクタ412にて温められた空気や、光源装置収納部4611における+X軸方向端面に形成された開口部4611Bを介して光源装置収納部4611内部に流通した空気が排気ファン84により吸入される。
さらに、例えば、排気ファン84は、図4ないし図6に示すように、シールド部材51における+Z軸方向側の開口部分を介してシールド部材51内部の空気を吸入する。すなわち、電源冷却用ファン83により流路C13を辿ってシールド部材51内部に導入され前記電源ブロックや前記ランプ駆動ブロックにて温められた空気が排気ファン84により吸入される。
そして、排気ファン84から吐出された空気は、外装筺体2の排気口233を介して、ルーバ234にて整流されて、外装筺体2外部に排出される。
〔2-5.制御基板の構成〕
制御基板6は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)等の回路素子が実装された回路基板として構成され、流路後段側ダクト部材74、放熱ブロック751、および通風ガイド部812を介して光学ユニット4の上方側に配置される。そして、制御基板6は、光学ユニット4(光源ランプ411、液晶パネル4511)、電源ユニット5、密閉循環空冷ユニット7(循環ファン72、ペルチェ素子7113、冷却ファン714)、筺体内部冷却装置8(光源冷却用ファン82、電源冷却用ファン83、排気ファン84)等を駆動制御する。
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態によれば、密閉構造を構成する光学部品用筐体46内部の空間Ar1に光学装置本体45Aが収納配置されているので、各光学素子450(視野角補償板453、射出側偏光板454)や各光変調装置451等に塵埃、油煙等が付着することを防止でき、プロジェクタ1から投射される投影画像の画質を安定に確保できる。
また、ヒートパイプ752は、密閉構造内部に配置される一端側の部位752A(蒸発部)が光学素子450に熱伝達可能に接続する。このことにより、従来の構成と比較して、ヒートパイプ752が光学素子450との間に空気を介すことなく、直接、光学素子450に接続しているので、光学素子450〜ヒートパイプ752の熱伝達経路での熱抵抗を小さくできる。
さらに、ヒートパイプ752は、蒸発部752Aから離間し密閉構造外部に配置される他端側の部位752B(凝縮部)が放熱ブロック751に熱伝達可能に接続している。このことにより、光学素子450からヒートパイプ752の蒸発部752Aにて吸熱された熱は、凝縮部752Bから放熱ブロック751に伝達されることとなる。このため、ヒートパイプ752において、凝縮部752Bの温度を低減して、蒸発部752Aおよび凝縮部752B間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができる。
そして、密閉構造内部の空気流通路C1〜C8,Ar1,Ar2を辿る空気による空冷構造に加えて、上述した放熱装置75による放熱構造により、光学素子450を効果的に冷却でき、光学素子450の温度上昇を抑制して光学素子450(視野角補償板453や射出側偏光板454)の熱劣化を効果的に防止できる。すなわち、プロジェクタ1からの投影画像を良好に維持できるとともに、長寿命化が図れる。
また、上述したような構成であれば、ヒートパイプ752の凝縮部752Bをプロジェクタ1内部における空きスペースまで引き回し、前記空きスペースに放熱ブロック751を配設することもでき、プロジェクタ1内部において、放熱ブロック751を種々の位置に配置でき、プロジェクタ1の設計の自由度を向上できる。
さらに、放熱装置75は、6つのヒートパイプ752を備え、3つの光学素子450にそれぞれ熱伝達可能に接続するので、3つの光学素子450をそれぞれ効果的に冷却でき、密閉構造内部の空気流通路C1〜C8,Ar1,Ar2を辿る空気を十分に低い温度状態で維持できる。すなわち、プロジェクタ1を長時間使用した場合であっても、3つの光学素子450の温度上昇を効果的に抑制できる。
また、密閉構造内部の空気流通路C1〜C8,Ar1,Ar2を辿る空気を十分に低い温度状態に維持できるため、空間Ar2に配置される偏光変換素子423も空気流通路C1〜C8,Ar1,Ar2を辿る空気により効果的に冷却できる。
また、密閉構造内部の空気流通路C1〜C8,Ar1,Ar2を辿る空気による空冷構造、および放熱装置75の放熱構造を併用しているので、循環ファン72の回転数をそれほど増加させなくても3つの光学素子450を十分に冷却でき、プロジェクタ1の低騒音化が図れる。
さらに、放熱装置75は、クロスダイクロイックプリズム455の各光束入射側端面に取り付けられる各光学素子450の熱を放熱する構造であるので、すなわち、互いに近接配置された各光学素子450の熱を放熱する構造であるので、各光学素子450に熱伝達可能に接続する6つのヒートパイプ752も近接配置されることとなり、6つのヒートパイプ752の各凝縮部752Bにそれぞれ放熱ブロックを接続する必要がなく、放熱ブロック751を単体で構成でき、部材の省略から、プロジェクタ1の小型化および低コスト化が可能となる。
また、放熱ブロック751は、光学装置本体45Aの上方側に配設されている。すなわち、冷却対象である各光学素子450と放熱ブロック751とは、近接配置されている。このことにより、各ヒートパイプ752を不要に引き回す必要がなく、近接配置された各光学素子450および放熱ブロック751に各ヒートパイプ752を容易に接続できる。
さらに、各光学素子450と放熱ブロック751とが近接配置され、各ヒートパイプ752を不要に引き回す必要がないので、各ヒートパイプ752がプロジェクタ1内部の空間を不要に占有することがなく、プロジェクタ1の小型化が図れる。
ここで、放熱ブロック751は、ブロック状に形成されているので、放熱ブロック751の熱容量を大きく設定できる。すなわち、ヒートパイプ752において、光学素子450から蒸発部752Aにて吸熱した熱を凝縮部752Bから熱容量の大きい放熱ブロック751に伝達させることができ、凝縮部752Bから放熱ブロック751への熱伝達量を増加させることができる。このため、上述した凝縮部752Bの温度を低減して、蒸発部752Aおよび凝縮部752B間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができるという効果を好適に図れる。
また、放熱ブロック751は、流路後段側ダクト部材74の高熱伝導ダクト部742の上方側に配設され、ペルチェ放熱風排気ユニット81により形成される流路C11を辿る空気により冷却されるので、放熱ブロック751の温度上昇を抑制できる。このため、ヒートパイプ752において、光学素子450から蒸発部752Aにて吸熱した熱を凝縮部752Bから温度の低減した放熱ブロック751に伝達させることができ、凝縮部752Bから放熱ブロック751への熱伝達量をより増加させることができる。
また、本実施形態では、ヒートパイプ752の毛細管構造は、焼結型ウィックで構成されている。このことにより、冷媒の移動に重力を利用する必要がなく、凝縮部752Bおよび蒸発部752Aの配設位置が限定されない。このため、例えば、プロジェクタ1において、正置き姿勢、天吊り姿勢、投影画像の位置を調整するために傾斜させた状態等のあらゆるプロジェクタ1の姿勢状態に対応し、ヒートパイプ752内の熱移動が良好に実施され、上述した光学素子450を効果的に冷却でき、光学素子450の温度上昇を抑制して光学素子450の熱劣化を効果的に抑制できるという効果を好適に図れる。
また、ヒートパイプ752の毛細管構造が焼結型ウィックで構成されているので、他のウィック(極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、グルーブ型のウィック等)と比較して、蒸発部752Aと凝縮部752Bとの熱抵抗を十分に低いものとするとともにウィック自体の熱伝導性が良好であるため冷媒に熱を良好に伝達させることができ、ヒートパイプ752内の熱移動をより素早く行い、光学素子450の冷却効率をより向上させることができる。
さらに、本実施形態では、密閉構造内部の空気流通路C1〜C8,Ar1,Ar2を辿る空気による空冷構造、および放熱装置75の放熱構造を併用することで、光学素子450を構成する射出側偏光板454を効果的に冷却する構成であるため、投影画像を全黒表示する際等に発熱比率が大きい射出側偏光板454の温度を低減することで、相乗的に液晶パネル4511や入射側偏光板452の温度も低減することができる。したがって、これら各部材4511,452〜454の熱劣化を効果的に防止できるので、プロジェクタ1からの投影画像を良好に維持できるとともに、長寿命化が図れる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図23は、第2実施形態における放熱装置85の構造、および放熱装置85と光学素子450との接続構造を示す斜視図である。
本実施形態は、前記第1実施形態に対して、図23に示すように、放熱装置85の構造が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
放熱装置85は、前記第1実施形態で説明した6つのヒートパイプ752の他、放熱部材としての放熱フィン851を備える。
放熱フィン851は、高熱伝導材料(上記表1)で構成され、図23に示すように、板体8511と、複数のフィン状部8512とを備え、板体8511および複数のフィン状部8512が一体的に形成されたものである。この放熱フィン851は、前記第1実施形態で説明した放熱ブロック751と同様に、光学装置本体45Aの上方側に配設されるとともに、光学ユニット4および密閉循環空冷ユニット7を組み立てた状態で、前記密閉構造外部、すなわち、流路後段側ダクト部材74を構成する高熱伝導ダクト部742の上方側に配設される(図24参照)。
板体8511は、平面形状(Y軸方向から見た形状)がクロスダイクロイックプリズム455の平面形状と略同一となるように形成された板状部材である。
図24は、複数のフィン状部8512の延出方向を示す図である。
複数のフィン状部8512は、板体8511の+Y軸方向端面から+Y軸方向に突出し、それぞれ板状に形成されたものであり、該板面が放熱フィン851近傍を流通する空気の流通方向に沿って延出するように形成されている。本実施形態では、複数のフィン状部8512は、図24に示すように、放熱フィン851近傍を流通する、ペルチェ放熱風排気ユニット81により形成される流路C11の流通方向(X軸方向、光変調装置451R,451Bの対向する方向)に延出するように形成されている。
なお、本実施形態は、上述したように放熱装置85における放熱フィン851の構造が前記第1実施形態と異なるのみであり、視野角補償板453や射出側偏光板454に生じた熱の放熱構造は、前記第1実施形態と同様のものである。
上述した第2実施形態においては、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、放熱フィン851は、複数のフィン状部8512を備えているので、放熱フィン851の表面積を大きく設定でき、放熱フィン851の放熱特性を良好なものとすることができる。すなわち、ヒートパイプ752において、光学素子450から蒸発部752Aにて吸熱した熱を凝縮部752Bから放熱特性の良好な放熱フィン851に伝達させることができ、凝縮部752Bから放熱フィン851への熱伝達量を増加させることができる。このため、凝縮部752Bの温度を低減して、蒸発部752Aおよび凝縮部752B間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができる。
また、複数のフィン状部8512は、ペルチェ放熱風排気ユニット81により形成される流路C11の流通方向に延出するように形成されているので、複数のフィン状部8512全体に亘って空気を送風することができ、放熱フィン851から流路C11を辿る空気への熱交換効率を高めることができ、放熱フィン851の温度を効果的に低減できる。このため、光学素子450から蒸発部752Aにて吸熱した熱を凝縮部752Bから温度の低減した放熱フィン851に伝達させることができ、凝縮部752Bから放熱フィン851への熱伝達量をより増加させることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図25および図26は、第3実施形態における放熱装置95の構造、および放熱装置95と光学素子450との接続構造を示す斜視図である。具体的に、図25は、−Z軸方向側から見た斜視図である。図26は、放熱装置95の要部を分解した分解斜視図である。
本実施形態は、前記第1実施形態に対して、図25または図26に示すように、放熱装置95の構造が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
放熱装置95は、前記第1実施形態で説明した放熱ブロック751および6つのヒートパイプ752の他、熱電変換素子としてのペルチェ素子953および冷却ファン954を備える。
ペルチェ素子953は、前記第1実施形態で説明したペルチェ素子7113と同様のものであり、制御基板6による制御の下、所定の電圧が印加されると、図26に示すように、ペルチェ素子953の一方の面が熱を吸収する吸熱面953Aとなり、他方の面が熱を放熱する放熱面953Bとなる。
そして、ペルチェ素子953は、図25または図26に示すように、吸熱面953Aを放熱ブロック751の上面(+Y軸方向端面)に当接させた状態で配設される。
冷却ファン954は、前記第1実施形態で説明した冷却ファン714、電源冷却用ファン83、および排気ファン84と同様に軸流ファンで構成され、図25または図26に示すように、空気を吸入する吸入口954Aが放熱ブロック751の上面に配設されたペルチェ素子953の放熱面953Bに対向するようにペルチェ素子953上に配設される。
なお、本実施形態は、上述したように放熱装置95においてペルチェ素子953および冷却ファン954を設けた点が前記第1実施形態と異なるのみであり、視野角補償板453や射出側偏光板454に生じた熱の放熱構造は、前記第1実施形態と略同様である。
上述した第3実施形態においては、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、放熱ブロック751には、ペルチェ素子953の吸熱面953Aが当接しているので、放熱ブロック751の熱を吸熱面953Aに伝達させ、放熱ブロック751の温度を効果的に低減できる。すなわち、ヒートパイプ752において、光学素子450から蒸発部752Aにて吸熱した熱を凝縮部752Bから温度の低減した放熱ブロック751に伝達させることができ、凝縮部752Bから放熱ブロック751への熱伝達量をより一層増加させることができる。このため、凝縮部752Bの温度をより低減して、蒸発部752Aおよび凝縮部752B間の温度差をより一層大きく設定でき、管内部における熱の移動量をより一層増加させることができる。
また、ペルチェ素子953上に冷却ファン954が配設され、冷却ファン954にてペルチェ素子953の放熱面953B近傍の空気が吸入されて放熱面953Bが冷却されるため、ペルチェ素子953の消費電力に対する放熱ブロック751から吸熱する吸熱量の比率(吸熱効率)を向上することができ、放熱ブロック751を効率的に冷却できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態において、放熱ブロック751および放熱フィン851は、流路後段側ダクト部材74の高熱伝導ダクト部742の上方側に配設されていたが、その配設位置は特に限定されず、密閉構造外部であればいずれの配設位置を採用しても構わない。
前記各実施形態では、放熱装置75,85,95は、光学素子450(視野角補償板453や射出側偏光板454)の熱を放熱していたが、これに限らず、その他の光学素子、例えば、偏光変換素子423、入射側偏光板452、光変調装置451(液晶パネル4511)等の熱を放熱するように構成しても構わない。
前記各実施形態では、ヒートパイプ752は、光学素子保持体457を介して、視野角補償板453や射出側偏光板454に熱伝達可能に接続していたが、これに限らず、視野角補償板453や射出側偏光板454に直接、熱伝達可能に接続する構成としても構わない。
前記各実施形態では、ヒートパイプ752は、断面視円形状を有していたが、これに限らず、プレス加工により断面形状を変更し、光学素子450との接続部位を例えば平坦状に形成して光学素子450(光学素子保持体457の突出部4571B)に面接触させる構成としても構わない。また、ヒートパイプ752の断面形状は特に限定されず、その他の形状、例えば、断面視矩形形状、断面視三角形状、断面視半円形状を有する構成としても構わない。
前記各実施形態では、ヒートパイプ752は、平面視L字形状を有していたが、これに限らず、その他の形状を有するように形成しても構わない。例えば、光学素子保持体457の一対の突出部4571Bにそれぞれ接続された2つのヒートパイプ752の各他端側の部位752Bを互いに接続して平面視コ字形状を有する1つのヒートパイプとする。そして、前記ヒートパイプにおけるコ字形状の基端部分を放熱部材(放熱ブロック751、放熱フィン851)に熱伝達可能に接続する。この場合には、前記コ字形状の基端部分は、ヒートパイプにおける凝縮部として機能する。
前記各実施形態では、ヒートパイプ752は、6つ用いられ、3つの光学素子450にそれぞれ熱伝達可能に接続していたが、その数は6つに限らず、7つ以上でも、6つ以下でも構わない。また、3つの光学素子450のうち発熱量の大きい光学素子450にのみヒートパイプ752を用いる構成としても構わない。
前記各実施形態において、密閉構造の構成は、前記各実施形態で説明した構成に限らない。例えば、冷却装置71を省略した構成等や、空気流通路として空間Ar2を省略し、流路C1〜C8,Ar1の流路とする構成としても構わない。
前記各実施形態では、光源装置41は、放電発光型の光源装置で構成していたが、これに限らず、レーザダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を採用してもよい。
また、前記各実施形態では、光源装置41を1つのみ用い色分離光学装置43にて3つの色光に分離していたが、色分離光学装置43を省略し、3つの色光をそれぞれ射出する3つの前記固体発光素子を光源装置として構成してもよい。
前記各実施形態では、プロジェクタ1は、液晶パネル4511を3つ備える三板式のプロジェクタで構成していたが、これに限らず、液晶パネルを1つ備える単板式のプロジェクタで構成しても構わない。また、液晶パネルを2つ備えるプロジェクタや、液晶パネルを4つ以上備えるプロジェクタとして構成しても構わない。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、投影画像の画質を長期間安定して確保し、かつ、光学素子を効果的に冷却できるため、プレゼンテーションやホームシアタに用いられるプロジェクタとして利用できる。
第1実施形態におけるプロジェクタの外観を示す斜視図。 前記実施形態におけるロアーケースおよびフロントケースを前面下方側から見た斜視図。 前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を示す図。 前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を示す図。 前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を示す図。 前記実施形態におけるプロジェクタの内部構成を示す図。 前記実施形態における光学ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における光学ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における光学ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態における密閉循環空冷ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における密閉循環空冷ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における密閉循環空冷ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における密閉循環空冷ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における密閉循環空冷ユニットの構成を示す図。 前記実施形態における冷却装置の構成を示す斜視図。 前記実施形態におけるペルチェユニットの構成を示す図。 前記実施形態におけるペルチェユニットの構成を示す図。 前記実施形態におけるペルチェユニットの構成を示す図。 前記実施形態における放熱装置の構造、および放熱装置と光学素子との接続構造を示す斜視図。 前記実施形態における外部側ダクト部材811を示す斜視図。 第2実施形態における放熱装置の構造、および放熱装置と光学素子との接続構造を示す斜視図。 前記実施形態における複数のフィン状部の延出方向を示す図。 第3実施形態における放熱装置の構造、および放熱装置と光学素子との接続構造を示す斜視図。 前記実施形態における放熱装置の構造、および放熱装置と光学素子との接続構造を示す斜視図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、45・・・光学装置、46・・・光学部品用筐体、72・・・循環ファン、73・・・流路前段側ダクト部材、74・・・流路後段側ダクト部材、75,85,95・・・放熱装置、450・・・光学素子、455・・・クロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)、751・・・放熱ブロック(放熱部材)、752・・・ヒートパイプ、851・・・放熱フィン(放熱部材)、953・・・ペルチェ素子(熱電変換素子)、953A・・・吸熱面、953B・・・放熱面、4612R,4612G,4612B・・・開口部(流入口)、4621・・・切り欠き(流出口)。

Claims (5)

  1. 空気を流通可能とする環状の空気流通路を有する密閉構造内部に配置される光学装置と、前記環状の空気流通路の空気を循環させる循環ファンとを備えたプロジェクタであって、
    前記光学装置は、入射光束を光学的に変換して射出する複数の光学素子と、前記複数の光学素子を取り付けるための複数の光束入射側端面を有し、前記複数の光学素子から入射した光束を合成して射出する色合成光学装置とを備え、
    前記密閉構造は、
    前記光学装置を内部に収納配置するとともに、内部に空気を流入させるための流入口および外部に空気を流出させるための流出口を有する光学部品用筐体と、
    前記流入口を介して前記光学部品用筐体内部に空気を導くとともに、前記流出口を介して前記光学部品用筐体内部から外部に流出した空気を再度、前記流入口を介して前記光学部品用筐体内部に導く複数のダクト部材と、
    前記複数の光学素子の熱を前記密閉構造外部に放熱する放熱装置とを含んで構成され、
    前記放熱装置は、
    前記密閉構造外部に配設され熱伝導性材料から構成される放熱部材と、
    内部に毛細管構造を有する管状に形成されるとともに管内部には冷媒が収容され前記冷媒が管内部を還流することにより熱移動が行われ、前記密閉構造内外を貫通する複数のヒートパイプとを備え、
    前記複数のヒートパイプは、前記複数の光学素子にそれぞれ熱伝達可能に接続し、前記複数の光学素子との接続部位から離間し前記密閉構造外部に配置される各部位が前記放熱部材にそれぞれ熱伝達可能に接続することを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記放熱部材は、ブロック状に形成されていることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記放熱部材は、複数のフィン状部を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記放熱装置は、吸熱面および放熱面を有する熱電変換素子を備え、
    前記熱電変換素子は、前記吸熱面を前記放熱部材に当接させた状態で配設されていることを特徴とするプロジェクタ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記ヒートパイプの毛細管構造は、焼結型ウィックで構成されていることを特徴とするプロジェクタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013213967A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Seiko Epson Corp プロジェクター
JP2020060613A (ja) * 2018-10-05 2020-04-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 冷却装置、及び投写型映像表示装置

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