JP2008089723A - 光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents

光学装置、およびプロジェクタ Download PDF

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泰長 百瀬
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Abstract

【課題】光学素子を効果的に冷却できる光学装置、およびプロジェクタを提供する。
【解決手段】光学装置本体45Aは、複数の光学素子450と、複数の光学素子450から入射した光束を合成して射出するクロスダイクロイックプリズムと、内部に毛細管構造を有する管状に形成されるとともに管内部には冷媒が収容され冷媒が管内部を還流することにより熱移動が行われる複数のヒートパイプ4582と、クロスダイクロイックプリズムにおける複数の光束入射側端面に交差する各端面のうち少なくともいずれかの端面に取り付けられ、熱伝導性材料から構成される放熱ブロック4581とを備える。複数のヒートパイプ4582は、複数の光学素子450にそれぞれ熱伝達可能に接続し、複数の光学素子450との接続部位4582Aから離間した部位4582Bが放熱ブロック4581にそれぞれ熱伝達可能に接続する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学装置、およびプロジェクタに関する。
従来、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタが知られている。
光変調装置としては、例えば、1対の基板間に液晶が密閉封入された光変調素子(液晶パネル)が一般的に採用される。また、一般的に、光変調素子の光束入射側および光束射出側には、所定の偏光軸を有する光束を透過させる入射側偏光板および射出側偏光板がそれぞれ配置される。
上記のような光変調素子、入射側偏光板、および射出側偏光板等の光学素子を備えたプロジェクタでは、光源からの光束により、液晶層、ブラックマトリクス、および各種配線等による光吸収により光変調素子が温度上昇しやすく、また、偏光板にも熱が発生しやすい。
このため、上記のような光学素子を内部に有するプロジェクタにおいて、ヒートパイプを用いて光学素子を冷却する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術は、液晶パネル等の光学素子から離間した位置にヒートパイプを配設し、ヒートパイプの吸熱部(蒸発部)に冷却フィンを熱的に接触させる。そして、液晶パネル等の光学素子近傍の空気の熱が冷却フィンに伝達され、ヒートパイプにより冷却フィンの熱が奪われ、ヒートパイプの放熱部(凝縮部)に搬送されて放熱される。
特開2001−312002号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、空気を介して光学素子を冷却する構造であるため、空気とヒートパイプの蒸発部(冷却フィン)との熱伝達の熱抵抗が大きく、空気の温度低減が難しいものであり、結果として、光学素子を効果的に冷却できない。
本発明の目的は、光学素子を効果的に冷却できる光学装置、およびプロジェクタに関する。
本発明の光学装置は、入射光束を光学的に変換して射出する複数の光学素子と、前記複数の光学素子を取り付けるための複数の光束入射側端面を有し、前記複数の光学素子から入射した光束を合成して射出する色合成光学装置と、内部に毛細管構造を有する管状に形成されるとともに管内部には冷媒が収容され前記冷媒が管内部を還流することにより熱移動が行われる複数のヒートパイプと、前記色合成光学装置における前記複数の光束入射側端面に交差する各端面のうち少なくともいずれかの端面に取り付けられ、熱伝導性材料から構成される放熱部材とを備え、前記複数のヒートパイプは、前記複数の光学素子にそれぞれ熱伝達可能に接続し、前記複数の光学素子との接続部位から離間した各部位が前記放熱部材にそれぞれ熱伝達可能に接続することを特徴とする。
ここで、光学素子としては、光変調素子、入射側偏光板、射出側偏光板等の光学素子本体と、光学素子本体を保持する保持枠とを備えた構成や、保持枠を省略し、光学素子本体のみの構成が採用できる。
また、ヒートパイプの毛細管構造としては、種々の構造が採用でき、例えば、複数の細い銅線等で構成された極細線型ウィック、網目状の金属メッシュ型ウィック、管内部に複数の溝を形成したグルーブ型のウィック、あるいは、パウダー状の焼結型ウィック等が例示できる。
本発明では、ヒートパイプは、所定の部位(例えば、一端側の部位(蒸発部))が光学素子に熱伝達可能に接続する。このことにより、従来の構成と比較して、ヒートパイプが光学素子との間に空気を介すことなく、直接、光学素子に接続しているので、光学素子〜ヒートパイプの熱伝達経路での熱抵抗を小さくできる。
また、ヒートパイプは、前記所定の部位から離間した部位(例えば、他端側(凝縮部))が放熱部材に熱伝達可能に接続している。このことにより、光学素子からヒートパイプの蒸発部にて吸熱された熱は、凝縮部から放熱部材に伝達されることとなる。このため、ヒートパイプにおいて、凝縮部の温度を低減して、蒸発部および凝縮部間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができる。
したがって、光学素子を効果的に冷却でき、光学素子の温度上昇を抑制して光学素子の熱劣化を効果的に防止できる。
また、放熱部材は、色合成光学装置における各光束入射側端面に交差する端面のうち少なくともいずれかの端面に取付けられている。すなわち、冷却対象である各光学素子と放熱部材とは、近接配置されている。このことにより、各ヒートパイプを不要に引き回す必要がなく、近接配置された各光学素子および放熱部材に各ヒートパイプを容易に接続できる。このため、各光学素子、色合成光学装置、および放熱装置(放熱部材および各ヒートパイプ)を一体化して光学装置を組み立てる作業を容易に実施できる。
さらに、各光学素子と放熱部材とが近接配置され、各ヒートパイプを不要に引き回す必要がないので、各ヒートパイプにより光学装置のサイズが大きくなることを抑制し、光学装置をコンパクトに纏め、光学装置の小型化が図れる。
本発明の光学装置では、前記放熱部材は、ブロック状に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、放熱部材は、ブロック状に形成されているので、放熱部材の熱容量を大きく設定できる。すなわち、ヒートパイプにおいて、光学素子から蒸発部にて吸熱した熱を凝縮部から熱容量の大きい放熱部材に伝達させることができ、凝縮部から放熱部材への熱伝達量を増加させることができる。このため、上述した凝縮部の温度を低減して、蒸発部および凝縮部間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができるという効果を好適に図れる。
本発明の光学装置では、前記放熱部材は、複数のフィン状部を備えていることが好ましい。
本発明によれば、放熱部材は、複数のフィン状部を備えているので、放熱部材の表面積を大きく設定でき、放熱部材の放熱特性を良好なものにすることができる。すなわち、ヒートパイプにおいて、光学素子から蒸発部にて吸熱した熱を凝縮部から放熱特性の良好な放熱部材に伝達させることができ、凝縮部から放熱部材への熱伝達量を増加させることができる。このため、上述した凝縮部の温度を低減して、蒸発部および凝縮部間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができるという効果を好適に図れる。
本発明の光学装置では、吸熱面および放熱面を有する熱電変換素子を備え、前記熱電変換素子は、前記吸熱面を前記放熱部材に当接させた状態で配設されていることが好ましい。
本発明によれば、放熱部材には、熱電変換素子の吸熱面が当接しているので、放熱部材の熱を吸熱面に伝達させ、放熱部材の温度を効果的に低減できる。すなわち、ヒートパイプにおいて、光学素子から蒸発部にて吸熱した熱を凝縮部から温度の低減した放熱部材に伝達させることができ、凝縮部から放熱部材への熱伝達量をより増加させることができる。このため、凝縮部の温度をより低減して、蒸発部および凝縮部間の温度差をより大きく設定でき、管内部における熱の移動量をより増加させることができる。
本発明の光学装置では、前記ヒートパイプの毛細管構造は、焼結型ウィックで構成されていることが好ましい。
ところで、ヒートパイプの毛細管構造をグルーブ型のウィックで構成した場合には、凝縮部から蒸発部への冷媒(液化した状態)の移動として、重力を利用した方がヒートパイプ内の熱移動が迅速に行われる。このため、ヒートパイプの毛細管構造をグルーブ型のウィックで構成した場合には、凝縮部を蒸発部よりも上方側に配設することが好ましい。しかしながら、このように構成した場合には、例えば、光学装置が搭載されるプロジェクタにおいて、正置き姿勢(机等の設置面上に載置した状態)から天吊り姿勢(正置き姿勢に対して上下が逆となるように天井等から吊り下げた状態)に姿勢状態を変更した場合や、投影画像の位置を調整するために傾斜させた状態に姿勢状態を変更した場合等に、凝縮部が蒸発部よりも下方側に位置すると、ヒートパイプ内の熱移動が良好に実施されないこととなる。
本発明によれば、ヒートパイプの毛細管構造が焼結型ウィックで構成されているので、冷媒の移動に重力を利用する必要がないため、凝縮部および蒸発部の配設位置が限定されない。このため、例えば、光学装置が搭載されるプロジェクタにおいて、正置き姿勢、天吊り姿勢、投影画像の位置を調整するために傾斜させた状態等のあらゆるプロジェクタの姿勢状態に対応し、ヒートパイプ内の熱移動が良好に実施され、上述した光学素子を効果的に冷却でき、光学素子の温度上昇を抑制して光学素子の熱劣化を効果的に防止できるという効果を好適に図れる。
また、ヒートパイプの毛細管構造が焼結型ウィックで構成されているので、他のウィック(極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、グルーブ型のウィック等)と比較して、蒸発部と凝縮部との熱抵抗を十分に低いものとするとともに、ウィック自体の熱伝導性が良好であるため冷媒に熱を良好に伝達させることができ、ヒートパイプ内の熱移動をより素早く行い、光学素子の冷却効率をより向上させることができる。
本発明のプロジェクタは、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、上述した光学装置を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクタは、上述した光学装置を備えているので、上述した光学装置と同様の作用および効果を享受できる。
また、プロジェクタは、光学素子を効果的に冷却できる光学装置を備えているので、光学素子の熱劣化を抑制し、投影画像を良好に維持できるとともに、長寿命化が図れる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの概略構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調してカラー画像(光学像)を形成し、このカラー画像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、略直方体状の外装筺体2と、投射光学装置としての投射レンズ3と、光学ユニット4等を備える。
なお、図1において、具体的な図示は省略したが、外装筺体2内において、投射レンズ3および光学ユニット4以外の空間には、プロジェクタ1内部の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、プロジェクタ1内部を冷却する冷却ファン等を備えた冷却ユニット、およびプロジェクタ1内部の各構成部材を制御する制御装置等が配置されるものとする。
投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、光学ユニット4にて形成されたカラー画像をスクリーン上に拡大投射する。
〔光学ユニットの詳細な構成〕
光学ユニット4は、前記制御装置による制御の下、画像情報に応じてカラー画像(画像光)を形成するものであり、図1に示すように、外装筺体2の前面側から背面側に向けて延出し、延出方向端部が背面に沿って屈曲して延出し、さらに、前面側に向けて屈曲して延出する平面視略U字形状を有している。この光学ユニット4は、図1に示すように、光源装置41と、均一照明光学装置42と、色分離光学装置43と、リレー光学装置44と、光学装置45と、光学部品用筐体46とを備える。
光源装置41は、光源ランプ411から放射された光束を一定方向に揃えて射出し、光学装置45を照明するものである。この光源装置41は、図1に示すように、光源ランプ411およびリフレクタ412を備えて構成される。
光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、または高圧水銀ランプが用いられることが多い。
リフレクタ412としては、光源ランプ411から射出された光束を略平行化して反射するパラボラリフレクタを用いている。なお、リフレクタ412としては、パラボラリフレクタの他、平行化レンズと組み合わせて、光源ランプ411から射出された光束を所定位置に収束するように反射する楕円面リフレクタを用いてもよい。
均一照明光学装置42は、光源装置41から射出された光束を複数の部分光束に分割し、照明領域の面内照度を均一化する光学系である。この均一照明光学装置42は、図1に示すように、第1レンズアレイ421と、第2レンズアレイ422と、偏光変換素子423と、反射ミラー424と、重畳レンズ425とを備える。
第1レンズアレイ421は、光源装置41から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸Aと直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えて構成される。
第2レンズアレイ422は、上述した第1レンズアレイ421により分割された複数の部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ421と同様に照明光軸Aに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えた構成を有している。
偏光変換素子423は、第1レンズアレイ421により分割された各部分光束の偏光方向を略一方向の直線偏光に揃える偏光変換素子である。
この偏光変換素子423は、図示を略したが、照明光軸Aに対して傾斜配置される偏光分離膜および反射膜を交互に配列した構成を具備する。偏光分離膜は、各部分光束に含まれるP偏光光束およびS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過し、他方の偏光光束を反射する。反射された他方の偏光光束は、反射膜によって曲折され、一方の偏光光束の射出方向、すなわち照明光軸Aに沿った方向に射出される。射出された偏光光束のいずれかは、偏光変換素子423の光束射出面に設けられる位相差板によって偏光変換され、略全ての偏光光束の偏光方向が揃えられる。このような偏光変換素子423を用いることにより、光源装置41から射出される光束を、略一方向の偏光光束に揃えることができるため、光学装置45で利用する光源光の利用率を向上することができる。
重畳レンズ425は、第1レンズアレイ421、第2レンズアレイ422、偏光変換素子423、および反射ミラー424を経た複数の部分光束を集光して光学装置45の後述する3つの液晶パネルの画像形成領域上に重畳させる光学素子である。
色分離光学装置43は、図1に示すように、2枚のダイクロイックミラー431,432と、反射ミラー433とを備え、ダイクロイックミラー431,432により均一照明光学装置42から射出された複数の部分光束を、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を具備する。
ダイクロイックミラー431,432は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。そして、光路前段に配置されるダイクロイックミラー431は、青色光を反射し、その他の色光を透過するミラーである。また、光路後段に配置されるダイクロイックミラー432は、緑色光を反射し、赤色光を透過するミラーである。
リレー光学装置44は、図1に示すように、入射側レンズ441、リレーレンズ443、および反射ミラー442,444を備え、色分離光学装置43のダイクロイックミラー431,432を透過した赤色光を光学装置45まで導く機能を有している。なお、赤色光の光路にこのようなリレー光学装置44が設けられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。本実施形態においては赤色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが、青色光の光路の長さを長くしてリレー光学装置44を青色光の光路に用いる構成も考えられる。
上述したダイクロイックミラー431により分離された青色光は、反射ミラー433により曲折された後、フィールドレンズ426を介して光学装置45に供給される。また、ダイクロイックミラー432により分離された緑色光は、そのままフィールドレンズ426を介して光学装置45に供給される。さらに、赤色光は、リレー光学装置44を構成するレンズ441,443および反射ミラー442,444により集光、曲折されてフィールドレンズ426を介して光学装置45に供給される。なお、光学装置45の各色光の光路前段に設けられるフィールドレンズ426は、第2レンズアレイ422から射出された各部分光束を、各部分光束の主光線に対して平行な光束に変換するために設けられている。
光学装置45は、入射した光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものである。この光学装置45は、図1に示すように、光変調素子としての液晶パネル4511(図2、図3参照)を有する3つの光変調装置451(赤色光側の光変調装置を451R、緑色光側の光変調装置を451G、青色光側の光変調装置を451Bとする)と、各光変調装置451の光路前段側に配置される入射側偏光板452と、各光変調装置451の光路後段側に配置される視野角補償板453および射出側偏光板454と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム455とを備える。そして、これら各部材451〜455のうち、各光変調装置451、各視野角補償板453、各射出側偏光板454、およびクロスダイクロイックプリズム455が一体化されて光学装置本体45Aを構成する(図2、図3参照)。光学装置本体45Aの詳細な構成については後述する。なお、光学装置本体45Aとしては、これら各部材451,453〜455の他、各入射側偏光板452も一体化する構成を採用しても構わない。
3つの入射側偏光板452は、色分離光学装置43で分離された各色光のうち、偏光変換素子423で揃えられた偏光方向と略同一の偏光方向を有する偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透光性基板上に偏光膜が貼付されて構成されている。
3つの光変調装置451を構成する各液晶パネル4511は、具体的な図示は省略するが、ガラスなどからなる平面視矩形状の一対の基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有している。一対の基板のうち、光束射出側に配置される基板は、液晶を駆動するための駆動基板であり、互いに平行に配列形成される複数のデータ線と、複数のデータ線と直交する方向に配列形成される複数の走査線と、走査線およびデータ線の交差に対応してマトリクス状に配列形成される画素電極と、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子と、スイッチング素子を駆動する駆動部とを有している。また、一対の基板のうち、光束入射側に配置される基板は、駆動基板に対して所定間隔を空けて対向配置される対向基板であり、所定の電圧Vcomが印加される共通電極を有している。また、これら基板には、前記制御装置と電気的に接続し、前記走査線、前記データ線、前記スイッチング素子、および前記共通電極等に所定の駆動信号を出力する回路基板としてのFPCケーブル4511C(図2、図3参照)が接続されている。このFPCケーブル4511Cを介して前記制御装置から駆動信号を入力することで、所定の前記画素電極および前記共通電極との間に電圧が印加され、該画素電極および共通電極間に介在する液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板452から射出された偏光光束の偏光方向が変調される。
そして、この液晶パネル4511において、駆動基板の外形形状は、対向基板の外形形状よりも大きく設定される。すなわち、この液晶パネル4511は、光束入射側に向かうにしたがって、外形形状が小さくなる段付状に形成されている。
また、駆動基板の外面には、駆動基板の外形形状と略同一の外形形状を有し、熱伝導性を有する防塵ガラスが貼り付けられている。対向基板の外面にも同様に、対向基板の外形形状と略同一の外形形状を有し、熱伝導性を有する防塵ガラスが貼り付けられている。そして、これら防塵ガラスを貼り付けることで、液晶パネル4511外面に塵埃が付着しても、塵埃がフォーカス位置からずれた状態となり、該塵埃が投影画像上に影となって表示されることを防止できる。
3つの視野角補償板453は、各光変調装置451の光路後段側にそれぞれ配設され、平面視矩形状の透光性基板4531(図3参照)上に光学補償フィルム4532(図3参照)が貼付された構成を有する。
本実施形態では、透光性基板4531としては、熱伝導性を有する材料、例えば、水晶あるいはサファイア等により構成されている。
光学補償フィルム4532は、液晶パネル4511で生じる複屈折による常光と異常光との間に生じる位相差を補償し、液晶パネル4511の明視特性を改善するものである。この光学補償フィルム4532は、負の一軸性を有する光学異方体であり、その光学軸がフィルム面内の所定方向に向き、かつ、該フィルム面から面外方向に所定角度傾斜するように配向している。
この光学補償フィルム4532としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明支持体上に配向膜を介してディスコティック(円盤状)化合物層を形成したもので構成でき、WVフィルム(富士写真フィルム社製)を採用できる。
3つの射出側偏光板454は、入射側偏光板452と略同様の機能を有し、液晶パネル4511および視野角補償板453を介して射出された光束のうち、一定方向の偏光光を透過し、その他の光束を吸収する。これら射出側偏光板454は、図1に示すように、光束入射側に配置される第1射出側偏光板4541と、光束射出側に配置される第2射出側偏光板4542の2体でそれぞれ構成される。そして、第1射出側偏光板4541および第2射出側偏光板4542は、入射側偏光板452と同様に、平面視矩形状の透光性基板4541A,4542A(図3参照)上に偏光膜4542B(図3参照)が貼付されて構成されている。なお、図3において、第1射出側偏光板4541では、偏光膜が透光性基板4541Aの光束射出側端面に貼付されているため図示されていない。また、本実施形態では、透光性基板4541A,4542Aとしては、視野角補償板453の透光性基板4531と同様に、熱伝導性を有する材料、例えば、水晶あるいはサファイア等により構成されている。
第1射出側偏光板4541および第2射出側偏光板4542は、光吸収特性が異なるように構成されたものであり、それぞれの偏光軸は平行となるように配置されている。このように射出側偏光板454を、2体構成とすることで、例えば1体で構成する場合と比較して、射出側偏光板454にて吸収する熱を2体で按分でき、射出側偏光板454の熱劣化を防止できる。
なお、第1射出側偏光板4541および第2射出側偏光板4542は、偏光軸が平行となるように配置されるとともに、入射側偏光板452の偏光軸と略直交するように配置される。
クロスダイクロイックプリズム455は、射出側偏光板454から射出された色光毎に変調された各色光を合成してカラー画像を形成する。このクロスダイクロイックプリズム455は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、光変調装置451Gから射出され視野角補償板453および射出側偏光板454を介した色光を透過し、光変調装置451R,451Bから射出され視野角補償板453および射出側偏光板454を介した各色光を反射する。このようにして、各色光が合成されてカラー画像が形成される。そして、クロスダイクロイックプリズム455で形成されたカラー画像は、上述した投射レンズ3によりスクリーンへ拡大投射される。
光学部品用筐体46は、上述した各光学部品41〜45を内部に設定された照明光軸Aに対する所定位置に配置する部材であり、具体的な図示は省略したが、各光学部品41〜45を内部に収納配置する容器状の部品収納部と、前記部品収納部の開口部分を閉塞する蓋状部材とで構成されている。
〔光学装置本体の詳細な構成〕
図2および図3は、光学装置本体45Aの概略構成を示す図である。具体的に、図2は、光変調装置451G側から光学装置本体45Aを見た斜視図である。図3は、光学装置本体45Aの分解斜視図である。なお、図3では、光学装置本体45Aにおいて、光変調装置451G側のみを分解しているが、各光変調装置451R,451B側も光変調装置451G側と同様の構造を有しているものとする。
光学装置本体45Aは、上述した各光変調装置451、各視野角補償板453、各射出側偏光板454、およびクロスダイクロイックプリズム455の他、図2または図3に示すように、支持構造体456と、3つの光学素子保持体457と、放熱装置458とを備え、これら各部材451,453〜458が一体化されたものである。
なお、視野角補償板453、射出側偏光板454、および光学素子保持体457は、本発明に係る光学素子450(図2、図3)に相当するものである。
ここで、3つの射出側偏光板454において、各第2射出側偏光板4542は、図3に示すように、偏光膜4542Bが光束入射側に向いた状態でクロスダイクロイックプリズム455の各光束入射側端面にそれぞれ接着剤等により固定される。
また、光変調装置451は、上述した液晶パネル4511の他、図2または図3に示すように、液晶パネル4511を保持する保持枠4512を備える。
保持枠4512は、液晶パネル4511を収納保持する部材であり、図2または図3に示すように、光束入射側に配置される平面視矩形状の保持枠本体4512Aと、光束射出側に配置される平面視矩形状の遮光板(図示略)とを備える。
保持枠本体4512Aは、図2または図3に示すように、平面視略中央部分に液晶パネル4511の画像形成領域に対応した開口部4512A1を有している。
また、保持枠本体4512Aにおいて、光束射出側には、具体的な図示は省略するが、開口部4512A1の周縁部分に、液晶パネル4511における外形形状(段付状)に対応した凹部が形成され、該凹部にて液晶パネル4511を収納保持する。
さらに、保持枠本体4512Aにおいて、四隅角部分には、図2または図3に示すように、光束入射側端面および光束射出側端面を貫通し、光変調装置451を光学素子保持体457に固定するための固定用孔4512A2がそれぞれ形成されている。
前記遮光板は、平面視略中央部分に液晶パネル4511の画像形成領域に対応した開口部を有し、保持枠本体4512Aの光束射出側端面に接続することで、液晶パネル4511を透過した光が、視野角補償板453、射出側偏光板454、あるいはクロスダイクロイックプリズム455等で反射して液晶パネル4511の駆動部にあたり液晶パネル4511が誤動作することを防止している。
上述した保持枠4512は、熱伝導性を有する材料にて構成されている。
この熱伝導性を有する材料としては、例えば、インバーおよび42Ni−Fe等のニッケル−鉄合金、マグネシウム合金、アルミニウム合金、炭素鋼、ステンレス等の金属、または、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等のカーボンフィラーを混入させた樹脂(ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶樹脂等)等が例示できる。なお、保持枠4512としては、保持枠本体4512Aおよび前記遮光板を上述した材料のうち同一の材料で構成してもよく、異なる材料で構成してもよい。このように熱伝導性を有する材料で保持枠4512を構成することで、光束の照射により液晶パネル4511で生じた熱を効率的に保持枠4512に放熱することができる。
支持構造体456は、図2または図3に示すように、略直方体形状を有し、上面の所定位置にクロスダイクロイックプリズム455を載置し、光学装置本体45A全体を支持する部材である。
この支持構造体456には、図2または図3に示すように、四隅角部分から外側に向けて延出し、光学部品用筐体46の前記部品収納部に接続する腕部4561が形成されている。そして、腕部4561を光学部品用筐体46の前記部品収納部に接続することで、光学装置本体45A全体が前記部品収納部に固定される。
3つの光学素子保持体457は、光変調装置451およびクロスダイクロイックプリズム455の間にそれぞれ配設され、各光変調装置451、各視野角補償板453、および各射出側偏光板454における各第1射出側偏光板4541をそれぞれ支持し、クロスダイクロイックプリズム455に対して固定する部材である。この光学素子保持体457は、図3に示すように、第1支持部4571と、第2支持部4572とを備える。なお、光学素子保持体457は、熱伝導性を有する材料にて構成されたものであり、例えば、保持枠4512と同一の材料を採用できる。
第1支持部4571は、図3に示すように、平面視略矩形状の板状部4571Aと、板状部4571Aの左右両端縁から光束入射側に向けて突出する突出部4571Bとで構成される。
板状部4571Aの略中央部分には、図3に示すように、光束を透過させるための平面視矩形状の開口部4571A1が形成されている。
各突出部4571Bには、図3に示すように、鉛直方向に沿って並列する3つの開口部4571B1がそれぞれ形成されている。これら開口部4571B1は、図3に示すように、各突出部4571Bの突出方向に沿って延びる平面視矩形形状を有している。
そして、第1支持部4571は、各突出部4571Bにて第2支持部4572を支持する。また、第1支持部4571は、クロスダイクロイックプリズム455の光束入射側端面に固定された第2射出側偏光板4542に対して、偏光膜4542Bが開口部4571A1に挿通した状態で板状部4571Aの光束射出側端面が透光性基板4542Aの光束入射側端面に接着剤等により固定される。透光性基板4542Aの光束入射側端面に板状部4571Aが固定されることで、偏光膜4542B〜透光性基板4542A〜第1支持部4571の熱伝達経路が形成される。
第2支持部4572は、光変調装置451、視野角補償板453、および射出側偏光板454における第1射出側偏光板4541をそれぞれ支持固定する部材である。この第2支持部4572は、図3に示すように、第2支持部本体4573と、一対の付勢部材4574とを備える。
第2支持部本体4573は、図3に示すように、平面視略矩形状の板状部4573Aと、板状部4573Aの左右両端縁から光束射出側に向けて突出する突出部4573Bとで構成され、第1支持部4571の各突出部4571B間に配設される。第1支持部4571の各突出部4571B間に第2支持部本体4573が配設されることで、第2支持部4572〜第1支持部4571の熱伝達経路が形成される。
板状部4573Aには、図3に示すように、図3中、下方側端縁から上方側に向けて切り欠かれ、光束を透過させるための平面視コ字形状の切り欠き4573A1が形成されている。
また、この板状部4573Aにおいて、四隅角部分には、図3に示すように、光変調装置451を固定するための固定用孔4573A2がそれぞれ形成されている。そして、4つの固定用孔4573A2のうち対角位置に形成された一対の固定用孔4573A2、および光変調装置451の保持枠4512に形成された4つの固定用孔4512A2のうち対角位置に形成された一対の固定用孔4512A2を介して、第2支持部本体4573および保持枠4512を各ねじ459(図3)にて接続することで、光変調装置451が第2支持部本体4573に固定される。
さらに、この板状部4573Aにおいて、左右両端縁の略中央部分には、図3に示すように、光束射出側に突出し、突出方向先端部分が板状部4573Aの板面に略平行に延出し、先端部分にて各突出部4573Bに接続する接続部4573A3がそれぞれ形成されている。
また、この板状部4573Aにおいて、図3中、上方側端部における各角隅部分には、光束射出側に突出し、第2支持部4572にて視野角補償板453を支持した状態で、視野角補償板453の上方側端部に当接し、視野角補償板453の鉛直方向の位置を規制する第1位置規制部4573A4がそれぞれ形成されている。
各突出部4573Bは、図3に示すように、先端部分4573B1が板状部4573Aと略平行となるように折曲され、互いに近接する方向に延出している。
また、各先端部分4573B1において、図3中、下方側端部には、光束入射側に突出し、第2支持部4572にて第1射出側偏光板4541を支持した状態で、第1射出側偏光板4541の下方側端部に当接し、第1射出側偏光板4541の鉛直方向の位置を規制する第2位置規制部4573B3がそれぞれ形成されている。
また、各突出部4573Bの基端部分4573B2の外側面には、図3に示すように、第1支持部4571の各開口部4571B1に対応して鉛直方向に並列する3つの凸部4573B4がそれぞれ形成されている。そして、これら凸部4573B4は、第1支持部4571の各突出部4571B間に第2支持部4572を配設した際に、各開口部4571B1に遊嵌状態で嵌合する。このような構成により、各開口部4571B1(第1支持部4571)に対して各凸部4573B4(第2支持部4572)を摺動させることが可能となり、すなわち、第2支持部4572に固定された光変調装置451(液晶パネル4511)をクロスダイクロイックプリズム455に対して近接隔離する方向に移動させ、フォーカス調整を可能とする。
一対の付勢部材4574は、図3に示すように、板ばねで構成され、略中央部分に位置する基部4574Aと、基部4574Aから略ハ字状にそれぞれ延出する一対の延出部4574Bとをそれぞれ備える。そして、一対の付勢部材4574は、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541の間に配設され、基部4574Aが視野角補償板453の光束射出側端面に当接し、一対の延出部4574Bの先端部分が第1射出側偏光板4541の光束入射側端面に当接し、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541を互いに離間する方向に付勢する。
そして、上述した第2支持部4572は、以下に示すように、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541を支持固定する。
すなわち、第2支持部本体4573における板状部4573Aおよび各突出部4573Bで囲まれる空間に、光学補償フィルム4532が光束入射側に向いた状態の視野角補償板453、一対の付勢部材4574、および偏光膜が光束射出側に向いた状態の第1射出側偏光板4541を配設する。この状態では、一対の付勢部材4574による付勢力により、視野角補償板453が光束入射側に押圧され、視野角補償板453における透光性基板4531の光束入射側端面が第2支持部4572における板状部4573Aの光束射出側端面に当接する。また、一対の付勢部材4574による付勢力により、第1射出側偏光板4541が光束射出側に押圧され、第1射出側偏光板4541における透光性基板4541Aの光束射出側端面が第2支持部4572における各突出部4573Bの各先端部分4573B1に当接する。以上のように、一対の付勢部材4574による付勢力により、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541が第2支持部4572に支持固定される。視野角補償板453および第1射出側偏光板4541が一対の付勢部材4574による付勢力により第2支持部本体4573に付勢固定されることで、視野角補償板453〜第2支持部4572の熱伝達経路、および第1射出側偏光板4541〜第2支持部4572の熱伝達経路が形成される。
放熱装置458は、図2または図3に示すように、3つの光学素子450(視野角補償板453、射出側偏光板454、光学素子保持体457)に熱伝達可能に接続し、光学素子450の熱を放熱する部材である。この放熱装置458は、図2または図3に示すように、放熱部材としての放熱ブロック4581と、6つのヒートパイプ4582とを備える。
放熱ブロック4581は、熱伝導性を有する材料、例えばアルミニウム等の金属材料から構成され、直方体形状を有するブロック状に形成されている。この放熱ブロック4581は、平面形状(図2または図3中、上方側から見た形状)がクロスダイクロイックプリズム455の平面形状と略同一となるように形成され、クロスダイクロイックプリズム455における各光束入射側端面に交差する端面である上面に支持固定される。
6つのヒートパイプ4582は、同一の機能を有するものであり、内部に毛細管構造(ウィック)を有する断面視円形状の管状に形成されるとともに、管内部には冷媒が収容され、冷媒が管内部を還流することにより、該ヒートパイプ4582内での熱移動が行われる。
ここで、具体的な図示は省略するが、ヒートパイプ4582の毛細管構造は、パウダー状の焼結型ウィックで構成されている。また、冷媒としては、水を採用している。なお、前記毛細管構造としては、焼結型ウィックに限らず、その他のウィック、例えば、複数の細い銅線等で構成された極細線型ウィック、網目状の金属メッシュ型ウィック、あるいは、管内部に複数の溝を形成したグルーブ型のウィックとして構成しても構わない。また、冷媒としては、水に限らず、その他の冷媒、例えば、アルコール等を採用しても構わない。
このヒートパイプ4582は、プレス加工が施されることで、図2または図3に示すように、一端側の部位4582Aが先端から光学素子保持体457における突出部4571Bに沿って鉛直方向に延出するとともに、他端側の部位4582Bが一端側の部位4582Aの基端部分から左右方向に延出する平面視L字形状を有するように屈曲形成されている。さらに、他端側の部位4582Bの先端部分は、光束射出側に突出するように屈曲形成されている。ここで、一端側の部位4582Aにおける鉛直方向の長さ寸法は、図2または図3に示すように、光学素子保持体457における突出部4571Bにおける鉛直方向の長さ寸法と略同一となるように形成されている。そして、ヒートパイプ4582は、図2または図3に示すように、一端側の部位4582Aの外面が光学素子保持体457における一方の突出部4571Bの外面に熱伝達可能に接続し、一端側の部位4582Aから離間した他端側の部位4582Bの先端部分が放熱ブロック4581の側面(クロスダイクロイックプリズム455の光束入射側端面に沿う側面)に熱伝達可能に接続する。
なお、ヒートパイプ4582と、光学素子保持体457および放熱ブロック4581との接続構造としては、例えば、半田等により接続する構成、溶接して接続する構成、あるいは、熱伝導性を有する接着剤により接着固定する構成等を採用できる。
そして、光学装置本体45Aを一体化した状態では、図2に示すように、1つの光学素子保持体457に対して、2つのヒートパイプ4582がそれぞれ熱伝達可能に接続した状態となる。
次に、光束の照射による視野角補償板453や射出側偏光板454に生じた熱の放熱構造を説明する。
視野角補償板453や射出側偏光板454に生じた熱は、視野角補償板453および第1射出側偏光板4541〜第2支持部4572〜第1支持部4571の熱伝達経路、および第2射出側偏光板4542〜第1支持部4571の熱伝達経路を辿って、第1支持部4571に伝達され、第1支持部4571の一対の突出部4571Bに伝達される。
一対の突出部4571Bに伝達された熱は、ヒートパイプ4582における一端側の部位4582Aに伝達される。
ここで、一端側の部位4582Aの内部では、伝達された熱により冷媒が熱せられて蒸発して気化し、このとき潜熱(気化熱)として熱が取り込まれる。すなわち、一端側の部位4582Aは、ヒートパイプ4582における蒸発部として機能する。
そして、気化した冷媒は、蒸気流となって、一端側の部位4582Aから離間した低温側である他端側の部位4582Bに移動する。そして、他端側の部位4582Bに移動した冷媒は、冷やされて液化し、熱を放出する(凝縮潜熱による熱放出)。すなわち、他端側の部位4582Bは、ヒートパイプ4582における凝縮部として機能する。そして、凝縮部4582Bの熱は、放熱ブロック4581に伝達され、外部に放熱される。凝縮部4582Bにて液化した冷媒は、毛細管構造(ウィック)を通って再度、蒸発部4582Aに戻る。
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
本実施形態では、ヒートパイプ4582は、一端側の部位4582A(蒸発部)が光学素子450(視野角補償板453、射出側偏光板454、および光学素子保持体457)に熱伝達可能に接続する。このことにより、従来の構成と比較して、ヒートパイプ4582が光学素子450との間に空気を介すことなく、直接、光学素子450に接続しているので、光学素子450〜ヒートパイプ4582の熱伝達経路での熱抵抗を小さくできる。
また、ヒートパイプ4582は、他端側の部位4582B(凝縮部)が放熱ブロック4581に熱伝達可能に接続している。このことにより、光学素子450からヒートパイプ4582の蒸発部4582Aに吸熱された熱は、凝縮部4582Bから放熱ブロック4581に伝達されることとなる。このため、ヒートパイプ4582において、凝縮部4582Bの温度を低減して、蒸発部4582Aおよび凝縮部4582B間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができる。
したがって、光学素子450を効果的に冷却でき、光学素子450の温度上昇を抑制して光学素子450(視野角補償板453、射出側偏光板454)の熱劣化を効果的に防止できる。すなわち、プロジェクタ1からの投影画像を良好に維持できるとともに、長寿命化が図れる。
また、放熱ブロック4581は、クロスダイクロイックプリズム455の上面に取付けられている。すなわち、冷却対象である各光学素子450と放熱ブロック4581とは、近接配置されている。このことにより、各ヒートパイプ4582を不要に引き回す必要がなく、近接配置された各光学素子450および放熱ブロック4581に各ヒートパイプ4582を容易に接続できる。このため、各部材451,453〜458を一体化して光学装置本体45Aを組み立てる作業を容易に実施できる。
さらに、各光学素子450と放熱ブロック4581とが近接配置され、各ヒートパイプ4582を不要に引き回す必要がないので、各ヒートパイプ4582により光学装置本体45Aのサイズが大きくなることを抑制し、光学装置本体45Aをコンパクトに纏め、光学装置本体45Aの小型化が図れる。
ここで、放熱ブロック4581は、ブロック状に形成されているので、放熱ブロック4581の熱容量を大きく設定できる。すなわち、ヒートパイプ4582において、光学素子450から蒸発部4582Aにて吸熱した熱を凝縮部4582Bから熱容量の大きい放熱ブロック4581に伝達させることができ、凝縮部4582Bから放熱ブロック4581への熱伝達量を増加させることができる。このため、上述した凝縮部4582Bの温度を低減して、蒸発部4582Aおよび凝縮部4582B間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができるという効果を好適に図れる。
また、本実施形態では、ヒートパイプ4582の毛細管構造は、焼結型ウィックで構成されている。このことにより、冷媒の移動に重力を利用する必要がなく、凝縮部4582Bおよび蒸発部4582Aの配設位置が限定されない。このため、例えば、プロジェクタ1において、正置き姿勢、天吊り姿勢、投影画像の位置を調整するための傾斜させた状態等のあらゆるプロジェクタ1の姿勢状態に対応し、ヒートパイプ4582内の熱移動が良好に実施され、上述した光学素子450を効果的に冷却でき、光学素子450の温度上昇を抑制して光学素子450の熱劣化を効果的に抑制できるという効果を好適に図れる。
また、ヒートパイプ4582の毛細管構造が焼結型ウィックで構成されているので、他のウィック(極細線型ウィック、金属メッシュ型ウィック、グルーブ型のウィック等)と比較して、蒸発部4582Aと凝縮部4582Bとの熱抵抗を十分に低いものとするとともに、ウィック自体の熱伝導性が良好であるため冷媒に熱を良好に伝達させることができ、ヒートパイプ4582内の熱移動をより素早く行い、光学素子450の冷却効率をより向上させることができる。
さらに、本実施形態では、冷却対象である光学素子450を構成する射出側偏光板454を効果的に冷却する構成であるため、投影画像を全黒表示する際等に特に発熱比率が大きい射出側偏光板454の温度を低減することで、相乗的に液晶パネル4511や入射側偏光板452の温度も低減することができる。したがって、これら各部材4511,452〜454の熱劣化を効果的に防止できるので、プロジェクタ1からの投影画像を良好に維持できるとともに、長寿命化が図れる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図4は、第2実施形態における光学装置本体55Aの概略構成を示す図である。
本実施形態は、前記第1実施形態に対して、図4に示すように、光学装置本体55Aにおいて、放熱装置558の構造が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
放熱装置558は、前記第1実施形態で説明した6つのヒートパイプ4582の他、放熱部材としての放熱フィン5581を備える。
放熱フィン5581は、熱伝導性を有する材料、例えばアルミニウム等の金属材料から構成され、平面視矩形形状を有する板体(図示略)と、前記板体の板面から該板面に略直交して突出する複数のフィン状部5581Aとを備え、前記板体および複数のフィン状部5581Aが一体的に形成されたものである。
前記板体は、平面形状(図4中、上方側から見た形状)がクロスダイクロイックプリズム455の平面形状と略同一となるように形成され、複数のフィン状部5581Aが形成された板面とは反対側の板面がクロスダイクロイックプリズム455における各光束入射側端面に交差する端面である上面に固定される。
複数のフィン状部5581Aは、図4に示すように、それぞれ板状に形成されたものであり、本実施形態では、光学装置本体55Aから射出される光束の光軸に略直交する方向(光変調装置451R,451Bの対向する方向)に延出するように形成されている。
なお、本実施形態は、上述したように放熱装置558における放熱フィン5581の構造が前記第1実施形態と異なるのみであり、視野角補償板453や射出側偏光板454に生じた熱の放熱構造は、前記第1実施形態と同様のものである。
上述した第2実施形態においては、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、放熱フィン5581は、複数のフィン状部5581Aを備えているので、放熱フィン5581の表面積を大きく設定でき、放熱フィン5581の放熱特性を良好なものにすることができる。すなわち、ヒートパイプ4582において、光学素子450から蒸発部4582Aにて吸熱した熱を凝縮部4582Bから放熱特性の良好な放熱フィン5581に伝達させることができ、凝縮部4582Bから放熱フィン5581への熱伝達量を増加させることができる。このため、凝縮部4582Bの温度を低減して、蒸発部4582Aおよび凝縮部4582B間の温度差を大きく設定でき、管内部における熱の移動量を増加させることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図5および図6は、第3実施形態における光学装置本体65Aの概略構成を示す図である。具体的に、図5は、光変調装置451G側から光学装置本体65Aを見た斜視図である。図6は、光学装置本体65Aの要部を分解した分解斜視図である。
本実施形態は、前記第1実施形態に対して、図5または図6に示すように、光学装置本体65Aにおいて、放熱装置658の構造が異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
放熱装置658は、前記第1実施形態で説明した放熱ブロック4581および6つのヒートパイプ4582の他、熱電変換素子としてのペルチェ素子6583および冷却ファン6584を備える。
ペルチェ素子6583は、具体的な図示は省略するが、p型半導体素子とn型半導体素子とを金属片で接合して構成した接合対を複数有しており、これら複数の接合対は電気的に直列に接続されている。
このような構成を有するペルチェ素子6583において、プロジェクタ1の前記制御装置による制御の下、所定の電圧が印加されると、図6に示すように、ペルチェ素子6583の一方の面が熱を吸収する吸熱面6583Aとなり、他方の面が熱を放熱する放熱面6583Bとなる。
そして、ペルチェ素子6583は、図5または図6に示すように、吸熱面6583Aを放熱ブロック4581の上面に当接させた状態で配設される。
冷却ファン6584は、図5または図6に示すように、空気の吸入方向と空気の吐出方向とが同一となる軸流ファンである。そして、冷却ファン6584は、図5または図6に示すように、空気を吸入する吸入孔6584Aが放熱ブロック4581の上面に配設されたペルチェ素子6583の放熱面6583Bに対向するようにペルチェ素子6583上に配設される。
なお、本実施形態は、上述したように放熱装置658においてペルチェ素子6583および冷却ファン6584を設けた点が前記第1実施形態と異なるのみであり、視野角補償板453や射出側偏光板454に生じた熱の放熱構造は、前記第1実施形態と略同様である。
上述した第3実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果の他、以下の効果がある。
本実施形態では、放熱ブロック4581には、ペルチェ素子6583の吸熱面6583Aが当接しているので、放熱ブロック4581の熱を吸熱面6583Aに伝達させ、放熱ブロック4581の温度を効果的に低減できる。すなわち、ヒートパイプ4582において、光学素子450から蒸発部4582Aにて吸熱した熱を凝縮部4582Bから温度の低減した放熱ブロック4581に伝達させることができ、凝縮部4582Bから放熱ブロック4581への熱伝達量をより増加させることができる。このため、凝縮部4582Bの温度をより低減して、蒸発部4582Aおよび凝縮部4582B間の温度差をより大きく設定でき、管内部における熱の移動量をより増加させることができる。
また、ペルチェ素子6583上に冷却ファン6584が配設され、冷却ファン6584にてペルチェ素子6583の放熱面6583B近傍の空気が吸入されて放熱面6583Bが冷却されるため、ペルチェ素子6583の消費電力に対する放熱ブロック4581から吸熱する吸熱量の比率(吸熱効率)を向上することができ、放熱ブロック4581を効率的に冷却できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態において、放熱ブロック4581および放熱フィン5581は、クロスダイクロイックプリズム455の上面に取付けられていたが、これに限らず、クロスダイクロイックプリズム455における各光束入射側端面に交差する端面のうち少なくともいずれかの端面に取付けられていればよい。すなわち、放熱ブロック4581や放熱フィン5581をクロスダイクロイックプリズム455の下面に取り付ける構成としてもよく、あるいは、放熱ブロック4581や放熱フィン5581をクロスダイクロイックプリズム455の上下面にそれぞれ取り付ける構成としても構わない。放熱ブロック4581や放熱フィン5581をクロスダイクロイックプリズム455の上下面にそれぞれ取り付ける構成とした場合には、図2ないし図6において、ヒートパイプ4582の一端側の部位4582Aの先端をさらに下方側に延出させ、その先端をクロスダイクロイックプリズム455の下面に取り付けられた放熱ブロック4581や放熱フィン5581に熱伝達可能に接続する。このようにヒートパイプを構成した場合には、各放熱ブロック4581や各放熱フィン5581に接続した部位が凝縮部として機能し、光学素子450に接続した部位が蒸発部として機能する。
前記各実施形態では、放熱装置458,558,658は、光学素子450(視野角補償板453や射出側偏光板454)を冷却していたが、これに限らず、その他の光学素子、例えば、偏光変換素子423、入射側偏光板452、光変調装置451(液晶パネル4511)等を冷却するように構成しても構わない。
前記各実施形態では、ヒートパイプ4582は、光学素子保持体457を介して、視野角補償板453や射出側偏光板454に熱伝達可能に接続していたが、これに限らず、視野角補償板453や射出側偏光板454に直接、熱伝達可能に接続する構成としても構わない。
前記各実施形態では、ヒートパイプ4582は、断面視円形状を有していたが、これに限らず、プレス加工により断面形状を変更し、光学素子450との接続部位を例えば平坦状に形成して光学素子450(光学素子保持体457の突出部4571B)に面接触させる構成としても構わない。また、ヒートパイプ4582の断面形状は特に限定されず、その他の形状、例えば、断面視矩形形状、断面視三角形状、断面視半円形状を有する構成としても構わない。
前記各実施形態では、ヒートパイプ4582は、平面視L字形状を有していたが、これに限らず、その他の形状を有するように形成しても構わない。例えば、光学素子保持体457の一対の突出部4571Bにそれぞれ接続された2つのヒートパイプ4582の各他端側の部位4582Bを互いに接続して平面視コ字形状を有する1つのヒートパイプとする。そして、前記ヒートパイプにおけるコ字形状の基端部分を放熱部材(放熱ブロック4581、放熱フィン5581)に熱伝達可能に接続する。この場合には、前記コ字形状の基端部分は、ヒートパイプにおける凝縮部として機能する。
前記各実施形態では、ヒートパイプ4582は、6つ用いられ、3つの光学素子450にそれぞれ熱伝達可能に接続していたが、その数は6つに限らず、7つ以上でも、6つ以下でも構わない。また、3つの光学素子450のうち発熱量の大きい光学素子450にのみヒートパイプ4582を用いる構成としても構わない。
前記各実施形態において、以下の構成を採用しても構わない。
すなわち、光学部品用筐体の構造として、光学装置本体45Aが配設される空間に空気を流入させるための流入口、および外部に空気を流出させるための流出口を形成する。また、前記流入口を介して光学部品用筐体内部の前記空間に空気を導くとともに、前記流出口を介して光学部品用筐体内部の前記空間から外部に流出した空気を再度、前記流入口を介して光学部品用筐体内部の前記空間に導く複数のダクト部材を設ける。すなわち、光学部品用筐体および前記複数のダクト部材により、空気を流通可能とする環状の空気流通路を有する密閉構造を構成する。そして、前記密閉構造内に循環ファンを配設して、前記環状の空気流通路の空気を循環させる。このような構成では、放熱装置458,558,658による放熱構造とともに、前記環状の空気流通路を流通する空気によって、光学素子450をより効果的に冷却できる。また、前記密閉構造内に光学装置本体45A,55A,65Aが配設されるので、光変調装置451(液晶パネル4511)等の光学部品の表面に塵埃、油煙等が付着することを防止でき、プロジェクタから投射される投影画像の画質を長期間安定して確保できる。
前記各実施形態では、光源装置41は、放電発光型の光源装置で構成していたが、これに限らず、レーザダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を採用してもよい。
また、前記各実施形態では、光源装置41を1つのみ用い色分離光学装置43にて3つの色光に分離していたが、色分離光学装置43を省略し、3つの色光をそれぞれ射出する3つの前記固体発光素子を光源装置として構成してもよい。
前記各実施形態では、プロジェクタ1は、液晶パネル4511を3つ備える三板式のプロジェクタで構成していたが、これに限らず、液晶パネルを1つ備える単板式のプロジェクタで構成しても構わない。また、液晶パネルを2つ備えるプロジェクタや、液晶パネルを4つ以上備えるプロジェクタとして構成しても構わない。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、光学素子を効果的に冷却できるため、プレゼンテーションやホームシアタに用いられるプロジェクタとして利用できる。
第1実施形態におけるプロジェクタの概略構成を模式的に示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 第2実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 第3実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、3・・・投射レンズ(投射光学装置)、41・・・光源装置、45・・・光学装置、450・・・光学素子、451・・・光変調装置、455・・・クロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)、4581・・・放熱ブロック(放熱部材)、4582・・・ヒートパイプ、5581・・・放熱フィン(放熱部材)、5581A・・・フィン状部、6583・・・ペルチェ素子(熱電変換素子)、6583A・・・吸熱面、6583B・・・放熱面。

Claims (6)

  1. 入射光束を光学的に変換して射出する複数の光学素子と、
    前記複数の光学素子を取り付けるための複数の光束入射側端面を有し、前記複数の光学素子から入射した光束を合成して射出する色合成光学装置と、
    内部に毛細管構造を有する管状に形成されるとともに管内部には冷媒が収容され前記冷媒が管内部を還流することにより熱移動が行われる複数のヒートパイプと、
    前記色合成光学装置における前記複数の光束入射側端面に交差する各端面のうち少なくともいずれかの端面に取り付けられ、熱伝導性材料から構成される放熱部材とを備え、
    前記複数のヒートパイプは、前記複数の光学素子にそれぞれ熱伝達可能に接続し、前記複数の光学素子との接続部位から離間した各部位が前記放熱部材にそれぞれ熱伝達可能に接続することを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記放熱部材は、ブロック状に形成されていることを特徴とする光学装置。
  3. 請求項1に記載の光学装置において、
    前記放熱部材は、複数のフィン状部を備えていることを特徴とする光学装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学装置において、
    吸熱面および放熱面を有する熱電変換素子を備え、
    前記熱電変換素子は、前記吸熱面を前記放熱部材に当接させた状態で配設されていることを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学装置において、
    前記ヒートパイプの毛細管構造は、焼結型ウィックで構成されていることを特徴とする光学装置。
  6. 光源装置と、前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学装置を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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