JP2008129440A - 偏光変換素子、照明光学装置及び液晶プロジェクタ - Google Patents

偏光変換素子、照明光学装置及び液晶プロジェクタ Download PDF

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Abstract


【課題】偏光変換素子の1/2波長板フィルムを液冷方式で冷却する。
【解決手段】偏光変換素子の遮光板34から液体によって外部に熱を輸送する熱輸送手段26を備え、遮光板34と偏光変換素子のプリズム32とを密着させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、偏光変換素子や、偏光変換素子を設けた照明光学装置や、照明光学系に偏光変換素子を設けた液晶プロジェクタに関する。
大画面の投射型表示装置として、液晶プロジェクタが普及している。液晶プロジェクタは、周知のように、光源からの出射光を照明光学系を介して液晶パネルに入射させ、液晶パネルで映像信号に応じて変調した光を、投射レンズによってスクリーンに投射するものである。
液晶プロジェクタの高輝度化を実現するためには、光源からの出射光量を増加させたり光の利用効率を高めるなどして、液晶パネルへの入射光量を増加させなければならない。しかし、液晶パネルへの入射光量が増加すると、液晶パネルの温度が上昇して、液晶プロジェクタの動作の信頼性に悪影響を及ぼすことがある。この液晶パネルの温度上昇を抑制するためには、液晶パネルを強制的に冷却することが必要となる。
従来の液晶プロジェクタでは、この液晶パネルを冷却するために、ファン(送風機)によって液晶パネルを空気で冷却するという方式が採られていた。
しかし、今日、液晶プロジェクタに対しては、高輝度化のニーズだけでなく静音性のニーズも大きくなっており、空冷方式では、ファンの騒音が発生することからこのニーズに十分に対応することができない。
そこで、静音性のニーズにも対応できる冷却方式として、冷却液で液晶パネルを冷却することも従来から提案されており、本出願人も液冷式液晶パネルについての発明を出願済みである(特許文献1)。
ところで、液晶プロジェクタでは、光の利用効率を高める方法の一つとして、照明光学系内に、偏光変換素子(またはPSコンバータ)と呼ばれる、自然光を直線偏光に変換する光学素子を設けることがある。これは、液晶パネルの表面にはP偏光,S偏光のうちのいずれか一方のみを液晶層に入射させるための偏光板が設けられることから、光源から出射した自然光を、この偏光板を通過する直線偏光に変換することによって光の利用効率を高めるものである。
図1は、照明光学系中のPSコンバータの位置を示す図である。光源側からみて、紫外線及び赤外線を遮断するUV・IRカットフィルタ51と、液晶パネルへの入射光量をパネル面全体で均一化するための第1,第2のフライアイレンズ52,53と、光を集光する集光レンズ54とが設けられ、このフライアイレンズ53と集光レンズ54との間にPSコンバータ61が設けられる。
図2及び図3は、従来のPSコンバータの構成を示す図であり、PSコンバータ,フライアイレンズには図1と同じ符号を付している。PSコンバータ61では、フライアイレンズ53の各レンズ53aと対応させるようにして、複数のプリズム62が、光の入射方向と直交する方向に貼り合わされている。
これらのプリズム62の貼り合わせ面には、フライアイレンズ53の各レンズ53aの中央部からの出射光中のP偏光成分,S偏光成分のうちの一方の直線偏光成分(一例としてP偏光成分とする)を通過させて他方の直線偏光成分(S偏光成分)を反射する偏光分離面(PBS面)62aと、PBS面62aで反射されたS偏光成分を、PBS面62aを通過したP偏光成分の出射方向と同じ方向に反射する反射面62bとが交互に形成されている。
プリズム62の光の出射面のうち、反射面62bで反射されたS偏光成分が出射する箇所には、1/2波長板フィルム63が貼られている。これにより、フライアイレンズ53の各レンズ53aの中央部からの出射光のうち、P偏光成分はそのままPBS面62aを通過してプリズム62から出射し、S偏光成分はPBS面62a,反射面62bで反射された後1/2波長板フィルム63でP偏光に変換されてプリズム62から出射するので、自然光がP偏光に変換される。
なお、プリズム62の光の出射面のうち、PBS面62aを通過したP偏光成分が出射する箇所のほうに1/2波長板フィルム63を貼るようにした場合には、自然光をS偏光に変換することができる。
プリズム62の光の入射面側のうち、PBS面62aと対向していない箇所(すなわち、フライアイレンズ53の各レンズ53aの周辺部に対向する箇所)には、金属製の遮光板(アパーチャグリルと呼んでいる)64が配置されている。このアパーチャグリル64は、光路設計上は不要な光である迷光を遮断するためのものである。図3Aは、このアパーチャグリル64の全体の形状を示す斜視図である。
ところで、1/2波長板フィルム63は、有機フィルムであり、接着剤でプリズム62に貼られる。そして、そのフィルム基材や接着剤は、光源からの光や熱によって化学反応を起こして変色していく。そこで、液晶プロジェクタの製品寿命に見合うようにその化学反応速度を減速させる(=フィルムの寿命を伸ばす)ために、1/2波長板フィルム63を冷却することが必要である。
前述のように液晶パネルについては従来から液冷方式も提案されているが、PSコンバータの1/2波長板フィルムについては、その構造上液冷方式を採ることが困難とされ、ファン(例えばPSコンバータに専用の、比較的騒音の大きいシロッコファン)を用いた空冷方式を採らざるを得なかった。そのため、たとえ液晶プロジェクタの静音化のニーズに十分対応することは困難であった。
また、アパーチャグリル64は、薄い金属性で熱容量が小さいためPSコンバータ61の中でも特に温度が上昇しやすい。したがって、アパーチャグリル64をプリズム62に密着させると、アパーチャグリル64から1/2波長板フィルム63に熱が伝達されることにより フィルム基材や接着剤の化学反応速度が速くなってしまう。そのため、従来は、図3B(側面図)に示すように、アパーチャグリル64の周辺部をダボ立てし、アパーチャグリル64とプリズム62との間に隙間をあけることにより、アパーチャグリル64から1/2波長板フィルム63に熱が伝達されにくくしていた。
しかし、このような隙間をあけると、迷光がこの隙間からプリズム62に入射してしまう可能性が増す。したがって、画面のコントラストの点からは、こうした隙間をあけることは望ましくなかった。
特開2005−326660号公報
本発明は、上述の点に鑑み、PSコンバータの1/2波長板フィルムを液冷方式で冷却できるようにすることを課題とする。
この課題を解決するために、本発明に係る偏光変換素子は、
複数のプリズムが、光の入射方向と直交する方向に貼り合わされており、
このプリズムの貼り合わせ面に、
入射光中のP偏光成分,S偏光成分のうちの一方の直線偏光成分を通過させて他方の直線偏光成分を反射する偏光分離面と、
この偏光分離面で反射されたこの他方の直線偏光成分を、この偏光分離面を通過したこの一方の直線偏光成分の出射方向と同じ方向に反射する反射面と
が交互に形成されており、
このプリズムの光の出射面のうち、この偏光分離面を通過したこの一方の直線偏光成分が出射する箇所か、この反射面で反射されたこの他方の直線偏光成分が出射する箇所かのいずれか一方に1/2波長板フィルムが貼られており、
このプリズムの光の入射面側のうち、この偏光分離面と対向していない箇所に金属製の遮光板が配置された偏光変換素子において、
この遮光板から液体によって外部に熱を輸送する熱輸送手段
を備え、
この遮光板とこのプリズムとを密着させた
ことを特徴とする。
この偏光変換素子(PSコンバータ)は、金属製の遮光板(アパーチャグリル)から液体によって外部に熱を輸送する熱輸送手段を設けるとともに、この遮光板をプリズムとを密着させることにより、逆転の発想で、従来は偏光変換素子の中で特に温度が上昇していた金属製の遮光版を液冷方式で冷却し、この遮光板によって1/2波長板フィルムを積極的に冷却するようにしたものである。これにより、偏光変換素子の1/2波長板フィルムを液冷方式で冷却することができる。
次に、本発明に係る照明光学装置は、
光源の側からみて、
第1のフライアイレンズと、
第2のフライアイレンズと、
複数のプリズムが、光の入射方向と直交する方向に貼り合わされており、このプリズムの貼り合わせ面に、この第2のフライアイレンズの各レンズの中央部からの出射光中のP偏光成分,S偏光成分のうちの一方の直線偏光成分を通過させて他方の直線偏光成分を反射する偏光分離面と、この偏光分離面で反射されたこの他方の直線偏光成分を、この偏光分離面を通過したこの一方の直線偏光成分の出射方向と同じ方向に反射する反射面とが交互に形成されており、このプリズムの光の出射面のうち、この偏光分離面を通過したこの一方の直線偏光成分が出射する箇所か、この反射面で反射されたこの他方の直線偏光成分が出射する箇所かのいずれか一方に1/2波長板フィルムが貼られており、このプリズムの光の入射面側のうち、この偏光分離面と対向していない箇所に金属製の遮光板が配置された偏光変換素子と、
この偏光変換素子からの出射光を集光する集光レンズと
が設けられた照明光学装置において、
この偏光変換素子のこの遮光板から液体によって外部に熱を輸送する熱輸送手段
を備え、
この偏光変換素子のこの遮光板とこのプリズムとを密着させた
ことを特徴とする。
この照明光学装置は、前述の本発明に係る偏光変換素子を用いたものであり、偏光変換素子の1/2波長板フィルムを液冷方式で冷却することができる。
次に、本発明に係る液晶プロジェクタは、
光源と、
この光源の側からみて、第1のフライアイレンズと、第2のフライアイレンズと、複数のプリズムが、光の入射方向と直交する方向に貼り合わされており、このプリズムの貼り合わせ面に、この第2のフライアイレンズの各レンズの中央部からの出射光中のP偏光成分,S偏光成分のうちの一方の直線偏光成分を通過させて他方の直線偏光成分を反射する偏光分離面と、この偏光分離面で反射されたこの他方の直線偏光成分を、この偏光分離面を通過したこの一方の直線偏光成分の出射方向と同じ方向に反射する反射面とが交互に形成されており、このプリズムの光の出射面のうち、この偏光分離面を通過したこの一方の直線偏光成分が出射する箇所か、この反射面で反射されたこの他方の直線偏光成分が出射する箇所かのいずれか一方に1/2波長板フィルムが貼られており、このプリズムの光の入射面側のうち、この偏光分離面と対向していない箇所に金属製の遮光板が配置された偏光変換素子と、この偏光変換素子からの出射光を集光する集光レンズとが設けられた照明光学系と、
この光源からの出射光がこの照明光学系を経て入射し、映像信号に応じてこの光を変調する空間光変調素子と、
この空間光変調素子で変調された光を投写する投写レンズと
を有する液晶プロジェクタにおいて、
この偏光変換素子のこの遮光板から液体によって外部に熱を輸送する熱輸送手段
を備え、
この偏光変換素子のこの遮光板とこのプリズムとを密着させた
ことを特徴とする。
この液晶プロジェクタは、前述の本発明に係る偏光変換素子を照明光学系に設けたものであり、偏光変換素子の1/2波長板フィルムを液冷方式で冷却することができる。
本発明によれば、偏光変換素子の1/2波長板フィルムを液冷方式で冷却することができるという効果が得られる。
以下、本発明を図面を用いて具体的に説明する。図4は、本発明を適用した液晶プロジェクタの光学系とPSコンバータの冷却機構とを例示する図である。この液晶プロジェクタは、3板式の反射型液晶プロジェクタであり、光源である放電ランプ1から出射した光が、UV・IRカットフィルタ2と、液晶パネルへの入射光量をパネル面全体で均一化するための第1,第2のフライアイレンズ3,4と、PSコンバータ5と、集光レンズ6とを経て、青色反射ダイクロイックミラー7及び緑赤色反射ダイクロイックミラー8に入射する。
ダイクロイックミラー7及び8に入射した光のうちの赤色光成分は、ダイクロイックミラー8で反射され、全反射ミラー9で反射され、緑反射ダイクロイックミラー11を透過し、コンデンサーレンズ15を経てPBS(偏光ビームスプリッタ)18で反射され、1/4波長板16を経て赤色用の反射型液晶パネル17に入射する。
また、ダイクロイックミラー7及び8に入射した白色光のうちの緑色光成分は、ダイクロイックミラー8で反射され、全反射ミラー9で反射され、緑反射ダイクロイックミラー11で反射され、コンデンサーレンズ12を経てPBS19で反射され、1/4波長板14を経て緑色用の反射型液晶パネル13に入射する。
また、ダイクロイックミラー7及び8に入射した白色光のうちの青色光成分は、ダイクロイックミラー7で反射され、全反射ミラー10で反射され、コンデンサーレンズ20を経てPBS23で反射され、1/4波長板21を経て青色用の反射型液晶パネル22に入射する。
このようにして液晶パネル17,13,22に入射した赤色光,緑色光,青色光は、液晶層を通過した後背面側の反射層で反射され、再び液晶層を通過して液晶パネル17,13,22の前面から出射されるが、液晶層を通過する際にそれぞれR,G,Bの映像信号に応じて変調される。
そして、液晶パネル17,13,22によって変調された赤色光,緑色光,青色光が、それぞれPBS18,19,23を通過し、クロスプリズム24で合成されて、投射レンズ25からスクリーン(図示略)に投射される。
図5及び図6は、図4のPSコンバータ5の構成を示す図である。PSコンバータ5では、フライアイレンズ4の各レンズ4aと対応させるようにして、複数のプリズム32が、光の入射方向と直交する方向に貼り合わされている。
これらのプリズム32の貼り合わせ面には、フライアイレンズ4の各レンズ4aの中央部からの出射光中のP偏光成分,S偏光成分のうちの一方の直線偏光成分(一例としてP偏光成分とする)を通過させて他方の直線偏光成分(S偏光成分)を反射する偏光分離面(PBS面)32aと、PBS面32aで反射されたS偏光成分を、PBS面32aを通過したP偏光成分の出射方向と同じ方向に反射する反射面32bとが交互に形成されている。
プリズム32の光の出射面のうち、反射面32bで反射されたS偏光成分が出射する箇所には、1/2波長板フィルム33が貼られている。1/2波長板フィルム33は、有機フィルムであり、熱伝導性の高い接着剤でプリズム32に貼られている。
フライアイレンズ4の各レンズ4aの中央部からの出射光のうち、P偏光成分はそのままPBS面32aを通過してプリズム32から出射し、S偏光成分はPBS面32a,反射面32bで反射された後1/2波長板フィルム33でP偏光に変換されてプリズム32から出射するので、自然光がP偏光に変換される。
なお、プリズム32の光の出射面のうち、PBS面32aを通過したP偏光成分が出射する箇所のほうに1/2波長板フィルム33を貼るようにした場合には、自然光をS偏光に変換することができる。
プリズム32の光の入射面側のうち、PBS面32aと対向していない箇所(すなわち、フライアイレンズ4の各レンズ4aの周辺部に対向する箇所)には、金属製の遮光板(アパーチャグリル)34が配置されている。このアパーチャグリル34は、光路設計上は不要な光である迷光を遮断するためのものである。図6Aは、このアパーチャグリル34の全体の形状を示す斜視図である。
アパーチャグリル34は、図6B(側面図)に示すように全面をプリズム32と密着させるようにして、熱伝導性の高い接着剤でプリズム32に貼られている。また、図6Aに示すように、アパーチャグリル34には、プリズム32側とは反対側の面の周辺部に、冷却液を通すための金属製のパイプ26が、金属接合によって面接触させて取り付けられている。
図4に示すように、このパイプ26は、一端がポンプ27に連結され、他端が放熱用のラジエータ28に連結されている。そして、冷却液(水またはグリコール系の不凍液)の補給用のリザーブタンク29がパイプ30,31でそれぞれポンポンプ27,ラジエータ28に連結されることにより、冷却液を循環させる循環路が形成されている。
PSコンバータ5のアパーチャグリル34(図5,図6)は、このポンプ27からパイプ26を通して送られる冷却液により、パイプ26を通してラジエータ28に熱を輸送されて冷却される。そして、アパーチャグリル34が冷却されることにより、アパーチャグリル34と密着しているプリズム32が冷却されるので、プリズム32に貼られている1/2波長板フィルム33(図5)が冷却される。
このようにして、この液晶プロジェクタでは、PSコンバータ5の1/2波長板フィルム33を、液冷方式で冷却して、そのフィルムの寿命を伸ばす(放電ランプ1からの光や熱によるフィルムや接着剤の化学反応速度を減速させる)ことができる。これにより、従来のように空冷方式でPSコンバータの1/2波長板フィルムを冷却していた(例えばPSコンバータに専用の比較的騒音の大きいシロッコファンで冷却していた)場合と比較して、液晶プロジェクタの静音性を高めることができる。
また、空冷方式でPSコンバータの1/2波長板フィルムを冷却する場合には、空気中の埃がPSコンバータに付着することによって投影画像の輝度が劣化する可能性があるが、そうした原因による輝度の劣化を防止することができる。
また、アパーチャグリル34をプリズム32と密着させている(図6B)ので、従来のようにこの両者の間に隙間をあけている(図3B)場合と比較して、迷光を一層よく遮断することができる。
なお、図4のラジエータ28は、放熱性能が十分である場合には自然対流によって放熱させてよいが、放熱性能が十分でない場合には、軸流ファンで風を送って放熱させるようにしてもよい。その場合でも、従来のようにシロッコファンを用いる場合よりも騒音を低減させることが可能である。
また、図4の例ではPSコンバータ5のみを液冷する循環路を形成しているが、PSコンバータ5と液晶プロジェクタ内の他の部品(例えば液晶パネル17,13,22)とを併せて液冷する循環路を形成するようにしてもよい。
また、図4の例では3板式の反射型液晶プロジェクタに本発明を適用しているが、単板式の反射型液晶プロジェクタや、3板式または単板式の透過型液晶プロジェクタにも本発明を適用してよい。また、本発明に係る偏光変換素子は、液晶プロジェクタ以外の照明光学装置にも設けてよい。
最後に、アパーチャグリルから液体によって熱を輸送する熱輸送手段を備えたPSコンバータの別の構成例を、いくつか説明する。
図7は、別の構成例の一つを示す図であり。図6Aと同一の部分には同一符号を付している。この例では、図6Aに示したような冷却液を通すパイプの代わりに、ヒートパイプ41の一端が、アパーチャグリル34の側面に金属接合によって面接触させて取り付けられている。
ヒートパイプは、周知のとおり、内部に細管が形成されて両端が閉じたパイプであり、細管の中に作動液が入っている。パイプの一端が温められると、そこで作動液が蒸発して熱を吸収する。蒸発した気体は、パイプの中を拡散し、他端(低温部)で潜熱を放出して凝縮する。凝縮した液体は、毛細管現象によって再び高温部へ戻っていく。こうして、パイプの高温端から低温端へ熱が輸送される。
図7に示すように、ヒートパイプ41の他端にはヒートシンク42が取り付けられている。この構成例によれば、アパーチャグリル34の温度が上昇すると、ヒートパイプ41によってヒートシンク42に熱が輸送されて、アパーチャグリル34が冷却される。そして、アパーチャグリル34が冷却されることにより、アパーチャグリル34と密着しているプリズム32(図5)が冷却されるので、プリズム32に貼られている1/2波長板フィルム33(図5)が冷却される。
図8は、さらに別の構成例を示す図であり。図6Aと同一の部分には同一符号を付している。この例では、アパーチャグリル34そのものを、ヒートパイプとして構成している。すなわち、アパーチャグリル34の、実際に光を遮断するストライプ状の1本1本の細長い金属板34aの内部に細管を形成し、その細管の中に作動液を入れている。図8の上側には、この金属板34aの断面形状を示している。金属板34aの内部に溝43が形成されており、この溝43がヒートパイプの蒸発部として機能する。
アパーチャグリル34は、液体の蒸発・凝縮と毛細管力を利用した熱輸送デバイスであるベーパーチャンバー44(もしくは平板ヒートパイプであってもよい)と一体になっている。ベーパーチャンバー44には、ヒートシンク45が取り付けられている(あるいは、はんだ付けによってベーパーチャンバー44に直接フィンを立てるようにしてもよい)。これにより、アパーチャグリル34からヒートシンク45に熱を輸送してアパーチャグリル34を冷却することができるので、アパーチャグリル34と密着しているプリズム32(図5)を冷却して、プリズム32に貼られている1/2波長板フィルム33(図5)を冷却することができる。
図7,図8には、ヒートパイプを用いたり、アパーチャグリルそのものをヒートパイプとして構成した例を示したが、ヒートパイプの代わりに、ヒートパイプとは異なる作動原理による熱輸送技術であるヒートレーンを用いたり、アパーチャグリルそのものをヒートレーンとして構成するようにしてもよい。
照明光学系中のPSコンバータの位置を示す図である。 従来のPSコンバータの構成を示す図である。 従来のPSコンバータの構成を示す図である。 本発明を適用した液晶プロジェクタの光学系とPSコンバータの冷却機構とを例示する図である。 図4のPSコンバータの構成を示す図である。 図4のPSコンバータの構成を示す図である。 本発明を適用したPSコンバータの別の構成例を示す図である。 本発明を適用したPSコンバータの別の構成例を示す図である。
符号の説明
1 放電ランプ、 3,4 フライアイレンズ、 4a フライアイレンズの個々のレンズ、 5 PSコンバータ、 6 集光レンズ、 26 パイプ、 27 ポンプ、 28 ラジエータ、 29 リザーブタンク、 32 プリズム、 32a PBS面(偏光分離面)、 32b 反射面、 33 1/2波長板フィルム、 34 アパーチャグリル(遮光板)、 41 ヒートパイプ、 42 ヒートシンク、 43 溝、 44 ベーパーチャンバー、 45 ヒートシンク

Claims (7)

  1. 複数のプリズムが、光の入射方向と直交する方向に貼り合わされており、
    前記プリズムの貼り合わせ面に、
    入射光中のP偏光成分,S偏光成分のうちの一方の直線偏光成分を通過させて他方の直線偏光成分を反射する偏光分離面と、
    前記偏光分離面で反射された前記他方の直線偏光成分を、前記偏光分離面を通過した前記一方の直線偏光成分の出射方向と同じ方向に反射する反射面と
    が交互に形成されており、
    前記プリズムの光の出射面のうち、前記偏光分離面を通過した前記一方の直線偏光成分が出射する箇所か、前記反射面で反射された前記他方の直線偏光成分が出射する箇所かのいずれか一方に1/2波長板フィルムが貼られており、
    前記プリズムの光の入射面側のうち、前記偏光分離面と対向していない箇所に金属製の遮光板が配置された偏光変換素子において、
    前記遮光板から液体によって外部に熱を輸送する熱輸送手段
    を備え、
    前記遮光板と前記プリズムとを密着させた
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  2. 請求項1に記載の偏光変換素子において、
    前記熱輸送手段は、前記遮光板に接触させて取り付けられた、冷却液を通す金属製のパイプである
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  3. 請求項1に記載の偏光変換素子において、
    前記熱輸送手段は、前記遮光板に接触させて取り付けられたヒートパイプである
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  4. 請求項1に記載の偏光変換素子において、
    前記熱輸送手段は、前記遮光板の内部に形成されたヒートパイプを含む
    ことを特徴とする偏光変換素子。
  5. 光源の側からみて、
    第1のフライアイレンズと、
    第2のフライアイレンズと、
    複数のプリズムが、光の入射方向と直交する方向に貼り合わされており、前記プリズムの貼り合わせ面に、前記第2のフライアイレンズの各レンズの中央部からの出射光中のP偏光成分,S偏光成分のうちの一方の直線偏光成分を通過させて他方の直線偏光成分を反射する偏光分離面と、前記偏光分離面で反射された前記他方の直線偏光成分を、前記偏光分離面を通過した前記一方の直線偏光成分の出射方向と同じ方向に反射する反射面とが交互に形成されており、前記プリズムの光の出射面のうち、前記偏光分離面を通過した前記一方の直線偏光成分が出射する箇所か、前記反射面で反射された前記他方の直線偏光成分が出射する箇所かのいずれか一方に1/2波長板フィルムが貼られており、前記プリズムの光の入射面側のうち、前記偏光分離面と対向していない箇所に金属製の遮光板が配置された偏光変換素子と、
    前記偏光変換素子からの出射光を集光する集光レンズと
    が設けられた照明光学装置において、
    前記偏光変換素子の前記遮光板から液体によって外部に熱を輸送する熱輸送手段
    を備え、
    前記偏光変換素子の前記遮光板と前記プリズムとを密着させた
    ことを特徴とする照明光学装置。
  6. 光源と、
    前記光源の側からみて、第1のフライアイレンズと、第2のフライアイレンズと、複数のプリズムが、光の入射方向と直交する方向に貼り合わされており、前記プリズムの貼り合わせ面に、前記第2のフライアイレンズの各レンズの中央部からの出射光中のP偏光成分,S偏光成分のうちの一方の直線偏光成分を通過させて他方の直線偏光成分を反射する偏光分離面と、前記偏光分離面で反射された前記他方の直線偏光成分を、前記偏光分離面を通過した前記一方の直線偏光成分の出射方向と同じ方向に反射する反射面とが交互に形成されており、前記プリズムの光の出射面のうち、前記偏光分離面を通過した前記一方の直線偏光成分が出射する箇所か、前記反射面で反射された前記他方の直線偏光成分が出射する箇所かのいずれか一方に1/2波長板フィルムが貼られており、前記プリズムの光の入射面側のうち、前記偏光分離面と対向していない箇所に金属製の遮光板が配置された偏光変換素子と、前記偏光変換素子からの出射光を集光する集光レンズとが設けられた照明光学系と、
    前記光源からの出射光が前記照明光学系を経て入射し、映像信号に応じて前記光を変調する空間光変調素子と、
    前記空間光変調素子で変調された光を投写する投写レンズと
    を有する液晶プロジェクタにおいて、
    前記偏光変換素子の前記遮光板から液体によって外部に熱を輸送する熱輸送手段
    を備え、
    前記偏光変換素子の前記遮光板と前記プリズムとを密着させた
    ことを特徴とする液晶プロジェクタ。
  7. 請求項6に記載の液晶プロジェクタにおいて、
    前記熱輸送手段は、前記遮光板に接触させて取り付けられた、冷却液を通す金属製のパイプであり、
    前記遮光板と放熱用のラジエータとの間でポンプによって冷却液を循環させる循環路が、前記パイプを用いて形成されている
    ことを特徴とする液晶プロジェクタ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010224440A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Seiko Epson Corp プロジェクター
JP2010224224A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Seiko Epson Corp プロジェクター
JP2020008719A (ja) * 2018-07-09 2020-01-16 セイコーエプソン株式会社 光源装置およびプロジェクター

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