JP2010222846A - 建具 - Google Patents

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【課題】メンテナンス性を確保しつつ意匠性を向上させることができる換気機能を有した建具を提供すること。
【解決手段】通気弁24が設けられた第3上枠23を浴室側に回動させることによって、通気弁24を大きく露出させることができ、通気弁24の清掃や部品交換などのメンテナンスを容易に行うことができる。一方、通常使用状態において、通気弁24は、脱衣室側や浴室側から見えにくい奥まった位置に設けられているので、通気弁24を目立たないようにすることができ、メンテナンス性を確保しつつドア1の意匠性を向上させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、建具に関し、詳しくは、仕切った空間同士を連通させて通気可能な建具に関する。
従来、建具として、枠体に支持された障子を備え、枠体のうちの上枠に形成した換気経路を介して浴室を換気可能とした浴室出入り口用建具がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された建具では、上枠を第1上枠と第2上枠とで構成し、これら第1および第2の上枠間に換気経路を形成するとともに、第1上枠に取り付けた換気弁によって換気経路を開閉することで、浴室の換気が行われるようになっている。
特開2008−231664号公報
ところで、特許文献1に記載されたような従来の建具では、換気弁が脱衣室側に露出して設けられているため、脱衣室側からの清掃性が良好であるものの意匠性が高めにくいという不都合がある。一方、換気弁の取付位置を換気経路の奥側に変更したり、通常見えにくい位置に換気経路を開口させたりして、換気弁を目立たなくするかあるいは見えなくすることは考えられるものの、このような奥まった位置に換気弁を設けると清掃しにくくなるなど、メンテナンス性が低下してしまうという不都合が生じる。
本発明の目的は、メンテナンス性を確保しつつ意匠性を向上させることができる換気機能を有した建具を提供することにある。
本発明の建具は、枠体および面材を有して一方の空間と他方の空間とを仕切る建具であって、前記枠体または面材を構成する枠材には、前記一方および他方の空間を連通する通気経路が設けられ、前記枠材は、枠材本体と、この枠材本体に着脱自在または移動自在に支持される副枠材と、この副枠材に支持されて前記通気経路を開閉可能な通気部材とを備えて構成され、前記副枠材を前記枠材本体から取り外すかまたは前記枠材本体に対して移動させることで前記通気部材が前記一方または他方の空間に露出可能に構成されていることを特徴とする。
このような本発明によれば、枠材本体に対して着脱自在または移動自在な副枠材に通気部材を支持させ、副枠材を枠材本体から取り外したり移動させたりして通気部材を露出させることで、通気部材の清掃や部品交換などのメンテナンスを容易に行うことができる。また、通気部材が通気経路の奥まった位置に設けられていいても、副枠材の取り外しや移動によって通気部材を露出させることができるので、通常の使用状態では通気部材が見えないあるいは目立たないようにすることができ、メンテナンス性を確保しつつ建具の意匠性を向上させることができる。
この際、本発明の建具では、前記枠材は、前記枠体を構成する上枠であって、この上枠は、前記一方の空間側にて内装材に固定される固定片を有して構成され、前記通気経路は、前記固定片よりも上方に立ち上がる第1経路と、この第1経路に連続して前記他方の空間側に延びる第2経路とを有して形成され、前記第2経路に前記通気部材が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、上枠の固定片よりも上方に立ち上がる第1経路と他方の空間側に延びる第2経路とを有して通気経路を形成することで、一方の空間側に開口する通気経路の開口部を目立たなくすることができる。さらに、第2経路に通気部材を設けることで、この通気部材が一方の空間側から見えなくでき、建具の意匠性をさらに向上させることができるとともに、通気部材に埃などが付着しにくくできて開閉動作の円滑さを確保することができる。また、他方の空間が浴室であれば、水等のかかりにくい上枠に通気経路を設けることで、通気経路内部への水の浸入が防止できる。
さらに、本発明の建具では、前記上枠における前記他方の空間側の見付け面が前記副枠材によって構成され、当該副枠材は、当該他方の空間側に向かって取り外し可能または移動可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、副枠材によって他方の空間側の見付け面を構成することで、他方の空間側からの意匠性も向上させることができるとともに、この見付け面を含んだ副枠材を他方の空間側に向かって取り外すか移動させることで、通気部材を他方の空間側に大きく露出させることができ、そのメンテナンス性を向上させることができる。
また、本発明の建具では、前記枠材本体は、第1枠材と第2枠材とを有して構成され、これら第1および第2の枠材間に前記通気経路が形成され、前記副枠材は、前記第1枠材に回動自在に支持されるとともに、前記第2枠材に係止されて保持されることが好ましい。
このような構成によれば、第1および第2の枠材間に通気経路を形成することで、複雑な断面形状を有する一体の枠材本体に通気経路を形成する場合と比較して、簡単な断面形状の枠材の組み合わせによって通気経路を形成することができる。そして、第1枠材に回動自在に支持した副枠材を第2枠材に係止させるようにしたことで、通常の使用状態における副枠材の取付状態を維持することができ、また係止を外して副枠材を回動させるだけで通気部材を露出させることができる。従って、使用状態における利便性とメンテナンス時の作業性の両方を向上させることができる。
また、本発明の建具では、前記通気部材は、前記副枠材に回動自在に支持され、前記一方および他方の空間の気圧差に伴って回動することで前記通気経路を開放可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、一方および他方の空間の気圧差に伴って通気部材が回動して通気経路を開放するようにしたことで、通気部材の開閉操作手段を設けなくても、換気扇などに連動させて自動的に通気を行うことができるようになり、枠材の構造や通気部材の構造を簡単化することができる。
以上のような本発明の建具によれば、通気経路の開口部を目立たなくしたり、通気経路の奥側に通気部材を設けたりした場合であっても、副枠材を枠材本体から取り外すか移動させて通気部材を露出させることにより、通気部材を清掃することができるので、メンテナンス性を確保しつつ意匠性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る建具を示す正面図である。 前記建具を示す縦断面図である。 前記建具の要部を拡大して示す縦断面図である。 本発明の変形例に係る建具の要部を拡大して示す縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本発明の建具としてのドア1は、一方の空間である脱衣室と他方の空間である浴室とを仕切る浴室出入り口用の建具であって、上枠2、下枠3および左右の縦枠4を枠組みした枠体としての建具枠5と、この建具枠5に支持されて浴室側に開閉可能に設けられる障子10とを備えて構成されている。障子10は、上框11、下框12および左右の縦框13と、これらを四周框組みした内部に支持される樹脂パネル14とを有して構成されている。そして、建具枠5の上枠2、下枠3には、それぞれ気密材2A,3Aが設けられ、左右の縦枠4にも図示しない気密材が設けられ、障子10を閉じた状態において、各気密材2A,3Aが上框11、下框12および左右の縦框13の脱衣室側側面に当接することで、脱衣室と浴室とが気密かつ水密に仕切られるようになっている。
上枠2は、脱衣室側の内装材である額縁材Gに固定されるとともに浴室の天井材Cと接続される第1上枠21(枠材本体であり、第1枠材)と、この第1上枠21の下側に対向して左右の縦枠4間に架設される第2上枠22(枠材本体であり、第2枠材)と、第1上枠21の浴室側に取り付けられる副枠材としての第3上枠23とを有して構成されている。第1上枠21は、額縁材Gに固定される固定面部(固定片)211と、この固定面部211から上方に立ち上がる立上り面部212と、この立上り面部212に連続して見込み方向浴室側に延びる見込み面部213と、見込み面部213の浴室側端部にて浴室の天井材Cに接続される第1中空部214とを有して形成されている。第2上枠22は、第1上枠21における立上り面部212の浴室側に対向するとともに見込み面部213の下方に対向する第2中空部221と、この第2中空部221の脱衣室側から下方に延びて気密材2Aを保持する垂下片部222と、第2中空部221の脱衣室側から上方に延びる突出片部223とを有して形成され、第2中空部221の下側に障子10を支持するヒンジ装置2Bが取り付けられている。
第3上枠23は、第1上枠21の見込み面部213に沿って延びる第1延出面部231と、この第1延出面部231に略直交して当該上枠2の浴室側見付け面2Cを構成する第2延出面部232と、を有して全体略L字形に形成され、第1延出面部231と第2延出面部232との途中位置間に渡って補強の傾斜面部233が設けられている。この第3上枠23は、第1上枠21の第1中空部214に回動自在に支持されており、具体的には、第1中空部214の上部浴室側には、断面略半円筒状で浴室側に開口した係合溝215が形成され、第2延出面部232の上端部には、断面略円柱状の係合突条234が形成され、係合突条234が係合溝215に係合されるとともに係合溝215に回転可能に支持されることで、第3上枠23が回動可能に構成されている。また、第3上枠23の第1延出面部231の先端つまり脱衣室側の端部には、断面略半円筒状で下方に開口した支持溝235が形成され、この支持溝235には、通気部材としての通気弁24が回動自在に支持されている。
以上の上枠2において、第1上枠21および第3上枠23と第2上枠22との間には、脱衣室と浴室とを連通する通気経路Sが形成されている。この通気経路Sは、脱衣室側に開口するとともに第1上枠21の立上り面部212と第2上枠22との間を立ち上がる第1経路S1と、第1上枠21の見込み面部213および第3上枠23の第1延出面部231と第2上枠22との間で見込み方向に延びる第2経路S2と、第3上枠23の傾斜面部233および第2延出面部232と第2上枠22との間を立ち下がって浴室側に開口する第3経路S3とを有し、脱衣室から浴室に向かってクランク状に折れ曲がって形成されている。そして、第2経路S2は、第1上枠21の固定面部211よりも上方に形成されるとともに、通気弁24によって開閉可能に構成されている。具体的には、通気弁24の先端に設けたモヘヤ241が第2上枠22の突出片部223浴室側に当接することで、第2経路S2が閉塞されるようになっている。
一方、浴室内部に設けられた図示しない換気扇を作動させると、浴室内部が負圧となって脱衣室との間に気圧差が生じ、この気圧差によって通気弁24が浴室側に回動して第2経路S2が開放され、脱衣室と浴室とが通気経路Sを介して連通されるようになっている。そして、気圧差に伴って脱衣室側から第1経路S1を介して第2経路S2に空気が流れ込み、この空気は、第3経路S3を介して浴室内に流れ込むこととなり、浴室内部が換気できるようになっている。また、換気扇の作動を停止させれば、脱衣室と浴室との気圧差がなくなり、通気弁24が下方に垂れ下がるように回動し、第2上枠22の突出片部223に当接する閉塞位置に自動的に回動することで、通気経路Sが閉塞されるように構成されている。
次に、通気弁24が設けられた第3上枠23の動作について、図3も参照して説明する。
第3上枠23は、その係合突条234が第1上枠21の係合溝215に軸支されており、係合突条234を中心にして浴室側上方に回動可能に構成されている。この第3上枠23の長手方向左右両端部には、端部部材である端部キャップ236が固定されている。この端部キャップ236は、係合突条234を中心とした略1/4扇形の板状に形成されており、その円弧状の端縁部分には、径方向外側に突出する係止突起237が形成され、この係止突起237よりも内側には、当該端部キャップ236を貫通する円弧状の切欠き孔238が形成されている。そして、係止突起237は、第3上枠23を脱衣室側下方に回動させた通常使用状態において、第2上枠22の第2中空部221に係止されるようになっている。また、係止突起237を第2中空部221に係止させる際や係止を外す際に、切欠き孔238に向かって係止突起237が弾性的に進退することで、端部キャップ236を比較的容易に回動させることができるとともに、係止状態を良好に維持できるようになっている。
なお、第3上枠23は、図3に仮想線で示すように、係合突条234を係合溝215から外すことで、第1上枠21から取り外せるように構成されていてもよい。
以上のように、通気弁24が設けられた第3上枠23を浴室側に回動させるか、または取り外すことによって、通気弁24を大きく露出させることができ、通気弁24の清掃や部品交換などのメンテナンスを容易に行うことができるようになっている。一方、通常使用状態において、通気弁24は、脱衣室側や浴室側から見えにくい奥まった位置である第2経路S2に設けられているので、通気弁24を目立たないようにすることができ、メンテナンス性を確保しつつドア1の意匠性を向上させることができる。さらに、通気弁24が奥まった位置に設けられているので、通気弁24に埃などが付着しにくくできるとともに浴室からの水等がかかりにくくでき、通気弁24の開閉動作の円滑さを確保することができる。
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、浴室出入り口用の建具としてのドア1を例示して説明したが、本発明の建具は、浴室出入り口用の建具に限らず、建物の窓や出入り口に用いられるものでもよく、建物内部の部屋同士や部屋と廊下とを仕切るものであってもよい。また、前記実施形態では、浴室側に開閉可能な障子10を有したドア1について説明したが、これに限らず、本発明の建具は、スライド開閉可能に設けられた1枚の障子を有した片引き形式の引き戸でもよく、また2枚以上の障子が開閉自在に支持された二枚建てや三枚建ての引き戸でもよいし、一対の障子が屈伸可能に設けられた折れ戸であってもよい。
また、前記実施形態では、通気経路Sを上枠2に形成したが、これに限らず、上枠2と上框11との間に通気経路が設けられていてもよく、下枠3あるいは下枠3と下框12との間に通気経路が設けられていてもよいし、縦枠4あるいは縦枠4と縦框13の間に通気経路が設けられていてもよい。さらに、縦骨を有する枠体であれば、この縦骨に通気経路が設けられていてもよいし、縦骨と縦框の間に通気経路が設けられていてもよい。また、障子10の上框11や下框12、縦框13に通気経路が設けられていてもよいし、中桟を有する障子であれば、中桟に通気経路が設けられていてもよい。
また、前記実施形態では、副枠材である第3上枠23が回動自在に設けられていたが、副枠材は、次の図4に示すように、スライド自在に設けられていてもよい。
すなわち、図4において、第3上枠23の第1延出面部231は、その両端部が第1上枠21の見込み面部213と縦枠4の突起4Aとの間に支持されており、図4(B)に示すように、第3上枠23が浴室側に向かってスライド移動可能になっている。このように第3上枠23を浴室側にスライドさせることで、通気弁24を露出させることができ、通気弁24の清掃や部品交換などのメンテナンスを容易に行うことができるようになっている。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1…ドア(建具)、2…上枠、2C…見付け面、5…建具枠(枠体)、10…障子(面材)、21…第1上枠(枠材本体、第1枠材)、22…第2上枠(枠材本体、第2枠材)、23…第3上枠(副枠材)、24…通気弁(通気部材)、211…固定面部(固定片)、G…額縁材(内装材)、S…通気経路、S1…第1経路、S2…第2経路。

Claims (5)

  1. 枠体および面材を有して一方の空間と他方の空間とを仕切る建具であって、
    前記枠体または面材を構成する枠材には、前記一方および他方の空間を連通する通気経路が設けられ、
    前記枠材は、枠材本体と、この枠材本体に着脱自在または移動自在に支持される副枠材と、この副枠材に支持されて前記通気経路を開閉可能な通気部材とを備えて構成され、
    前記副枠材を前記枠材本体から取り外すかまたは前記枠材本体に対して移動させることで前記通気部材が前記一方または他方の空間に露出可能に構成されている建具。
  2. 前記枠材は、前記枠体を構成する上枠であって、この上枠は、前記一方の空間側にて内装材に固定される固定片を有して構成され、
    前記通気経路は、前記固定片よりも上方に立ち上がる第1経路と、この第1経路に連続して前記他方の空間側に延びる第2経路とを有して形成され、前記第2経路に前記通気部材が設けられている請求項1に記載の建具。
  3. 前記上枠における前記他方の空間側の見付け面が前記副枠材によって構成され、当該副枠材は、当該他方の空間側に向かって取り外し可能または移動可能に構成されている請求項2に記載の建具。
  4. 前記枠材本体は、第1枠材と第2枠材とを有して構成され、これら第1および第2の枠材間に前記通気経路が形成され、
    前記副枠材は、前記第1枠材に回動自在に支持されるとともに、前記第2枠材に係止されて保持される請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
  5. 前記通気部材は、前記副枠材に回動自在に支持され、前記一方および他方の空間の気圧差に伴って回動することで前記通気経路を開放可能に構成されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の建具。
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