JP5419785B2 - 建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された建具では、建具枠における上枠が複数の部材を組み合わせて中空状に形成され、この中空空間が換気経路とされるとともに、換気経路を閉塞または開放可能な弁部材が回動自在に上枠に支持されることで、障子を閉じていても脱衣室からの空気を浴室に取り込んで換気できるようになっている。
このような本発明によれば、第1上枠と第2上枠との間から切除部を介して浴室と脱衣室とを連通させる換気経路を形成したことで、この換気経路による浴室の換気を実施することができ、浴室の快適性を確保することができる。そして、第1上枠に面材保持部を形成するとともに、この面材保持部を切除して形成した切除部によって換気経路を構成することで、従来のように別体とした第1上枠と面材保持部材とを係合させる必要がなくなり、部材種別を少なくすることができ、製造や加工、組立に要する手間を軽減させることができる。
また、浴室側に設けた第3上枠の垂下片部によって、換気経路の浴室側開口を下向きに形成することで、浴室側に取り込む空気を下向きに流入させて面材に沿って浴室に導入することができ、利用者に直接当たらないようにして快適性を向上させることができる。さらに、換気経路の浴室側開口が下向きに形成されることで、浴室側から見た場合に換気経路が垂下片部によって覆われることになり、換気経路への水の浸入が防止できるとともに、利用者から換気経路が見えないことで浴室側からの意匠性も良好にすることができる。
ここで、弁部材は、重力によって閉塞側に回動しかつ浴室の換気扇等による負圧によって開放側に回動するものであってもよいし、手動によって回動されるものであってもよいし、さらには適宜な駆動手段によって回動されるものであってもよい。
このような構成によれば、上枠の略全長に渡って弁部材を設ける、すなわち換気経路の脱衣室側開口の略全幅を弁部材で覆うことで、脱衣室側から換気経路内部を見えなくすることができ、建具の意匠性を高めることができるとともに、浴室に向かって吸気側となる脱衣室側の開口幅を拡げることができる。さらに、上枠の略全長に渡って弁部材を設けることで、従来のように別体とした閉鎖部材が不要にでき、部材種別をさらに少なくして製造や組立に要する手間をより一層軽減させることができる。
このような構成によれば、第1上枠の中間部が縦骨に支持されるとともに、第1上枠の第1係合部に第2上枠の第1被係合部を係合させることで、第1および第2の上枠を縦骨で支持して上枠の強度を高めることができ、枠体の剛性を確保することができる。また、第1係合部および第1被係合部は、開閉可能に支持された面材と固定面材との間の部分を利用して形成されているため、見込み方向においてコンパクトな上枠とすることができる。
図1〜図3において、片引き戸1は、繊維強化プラスチック製の浴槽(不図示)や浴室床(防水パン)、浴室壁W等からなる浴室ユニットで構成された浴室と、この浴室に隣接して洗面台や洗濯パン等(不図示)が設置される脱衣室との出入り口に用いられる建具である。この片引き戸1は、上枠2、下枠3および左右の縦枠4,5を枠組みした枠体としての建具枠6と、この建具枠6の内部に片引き形式に開閉可能に支持された1枚の面材である障子10とを備えて構成されている。
上枠2は、それぞれアルミ形材製の第1上枠21、第2上枠22および第3上枠23を有して構成され、第1上枠21は、左右の縦枠4,5間に架設されるとともに当該第1上枠21の中間部が縦骨7に支持され、第2上枠22は、上レール2Aを有するとともに第1上枠21の下側に沿って左右の縦枠4,5間に架設され、第3上枠23は、開口部6Aにおいて第1上枠21の浴室側に対向するとともに縦枠4と縦骨7との間に架設されている。さらに、上枠2は、第1上枠21と第2上枠22との間に設けられて後述する切除部214を介して浴室と脱衣室とを連通させる換気経路24と、当該上枠2の略全長に渡って設けられて換気経路24を開閉可能な弁部材としての換気弁25とを有して構成されている。
すなわち、開口部6Aにおいて第1上枠21の面材保持部213を切除して切除部214を形成し、この切除部214を介した換気経路24によって浴室と脱衣室とを連通させることで、開口部6Aと戸袋部6Bとで別部材を用いなくてもよくなり、上枠2を構成する部材種別を少なくして製造や加工、組立に要する手間を軽減させることができる。そして、第1上枠21の第1係合部216と第2上枠22の第1被係合部226とを係合させるとともに、第1上枠21の第2係合部218と第3上枠23の第2被係合部233とを係合させて上枠2が組み立てられることで、上枠2の剛性や強度を高めることができ、建具枠6全体の剛性を確保しつつ組立時の固着箇所を削減することができる。
例えば、前記実施形態では、浴室出入り口用の建具として、片引き戸1を例示して説明したが、本発明の建具は、1枚の面材(障子)を有したものに限らず、2枚以上の面材が片引き形式に開閉自在に支持されたものでもよく、2枚の面材が各々逆方向に片引き形式に支持されて左右両側に面材収納部が形成された引き分け開放形式のものでもよい。また、可動面材(可動障子)の枚数が複数枚ある場合には、その枚数に応じて上レールが複数本設けられていればよい。
また、第1上枠21の第1係合部216と第2上枠22の第1被係合部226との係合形状は実施形態に限らず、第1係合部216をC字溝状とし、第1被係合部226を断面略T字形としてもよい。これと同様に、第1上枠21の第2係合部218をC字溝状とし、第3上枠23の第2被係合部233を断面略T字形としてもよい。さらに、係合部および被係合部の形状は、前述した形状以外であっても構わない。
また、前記実施形態では、第1上枠21の切除部214を開口部6Aの内法全幅つまり縦枠4と縦骨7との間隔全体に設けたが、切除部214の幅寸法としては、開口部6Aの内法幅の範囲で任意に設定することが可能であり、必要な換気量に応じて適宜に設定することができる。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (3)
- 上枠と左右の縦枠とを有した枠体と、この枠体に開閉可能に支持された少なくとも1枚の面材とを備え、浴室と脱衣室との出入り口に用いられる建具であって、
前記枠体には、前記左右の縦枠間にて上下に延びる縦骨が架設されるとともに、この縦骨と前記左右の縦枠の一方の縦枠との間に設けられる開口部と、前記縦骨と前記左右の縦枠の他方の縦枠との間に設けられる戸袋部とが形成され、この戸袋部には固定面材が支持され、
前記上枠は、前記左右の縦枠間に架設される第1上枠と、この第1上枠に沿って前記左右の縦枠間に架設される第2上枠と、前記開口部において前記第1上枠の浴室側に位置する第3上枠とを有して構成され、
前記一方の縦枠は、前記他方の縦枠に比べて見込み寸法が大きく設定されて前記他方の縦枠よりも浴室側に突出して設けられ、
前記縦骨は、前記第2上枠の浴室側に配置され、
前記戸袋部に支持された固定面材の浴室側には浴室壁が配置され、
前記第1上枠は、前記左右の縦枠間に延びる第1上枠本体と、前記戸袋部において前記第1上枠本体から下方に延びかつ前記固定面材の上端縁を保持する面材保持部と、この面材保持部に形成される第1係合部と、前記開口部において前記面材保持部が切除された切除部とを有して構成され、
前記第2上枠は、前記面材を左右に案内する上レールと、前記第1上枠本体と間隔を介して対向する延出面部と、この延出面部に形成されて前記第1係合部に係合される第1被係合部とを有して構成され、
前記第1上枠と第2上枠との間には、前記切除部を介して前記浴室と脱衣室とを連通させる換気経路が形成され、
前記第3上枠は、前記一方の縦枠と前記縦骨とに渡って架設される第3上枠本体と、前記第1上枠の切除部に係合される第2被係合部と、前記第2上枠の浴室側に所定の隙間を介して対向する垂下片部とを有して形成され、この垂下片部と前記第2上枠との隙間に前記換気経路が延長されかつ当該換気経路の浴室側開口が下向きに形成されている建具。 - 前記上枠における第1上枠と第2上枠との間には、当該上枠の略全長に渡って前記換気経路を閉塞可能な弁部材が設けられ、この弁部材は、前記第1上枠本体に回動自在に支持されるとともに、前記第2上枠に当接することで前記換気経路を閉塞可能かつ浴室側に回動することで当該換気経路を開放可能に構成されている請求項1に記載の建具。
- 前記第1上枠は、長手方向中間部が前記縦骨に支持され、
前記面材保持部は、前記第1上枠本体の浴室側端部から下方に延びて形成され、
前記第1係合部は、前記面材保持部の脱衣室側側面に形成され、
前記延出面部は、前記上レールよりも見込み方向浴室側に延びて形成され、
前記第1被係合部は、前記延出面部の浴室側端部に形成されている請求項1または請求項2に記載の建具。
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