JP4017569B2 - 浴室建具のガラリ構造およびこれを備えた浴室建具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室の出入口として設けられる浴室ドア、浴室折戸、浴室引戸等に設けられる浴室建具のガラリ構造およびこれを備えた浴室建具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の浴室建具のガラリ構造として、浴室ドアの下框に換気ガラリを作り込んだものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このガラリ構造では、浴室側に垂下片を形成した最上位の下框構成材と、脱衣室側に立上げ片を形成した最下位の下框構成材との中間に、垂下片、立上げ片およびこれらを連結する傾斜片から成る隔壁様の複数の下框構成材を設け、これら下框構成材の各間隙に断面クランク状に延びる複数の換気通路を構成している。
また、上記中間の複数の下框構成材を回動自在に構成して、ダンパー機能を持たせた換気ガラリも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−153057号公報(第2頁、図2)
【特許文献2】
特開昭63−125793号公報(図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の浴室建具では、換気通路を構成する各下框構成材の内側、すなわち、各垂下片や各立上げ片の内側に、飛散した水や泡などが付着し、またこれに換気エアーの塵埃等が付着して汚れを生ずる。特に、上記前者のガラリ構造では、垂下片や立上げ片が固定的に設けられているため、建具自体を分解しない限りその内側を良好に清掃することができず、垂下片や立上げ片の内側の汚れが、カビの発生や臭気の原因となる問題があった。同様に、上記後者のガラリ構造でも、垂下片と立上げ片との重なり部分の内側は清掃することができず、カビの発生や臭気の原因となる問題があった。
【0005】
本発明は、換気通路を構成する下框構成材の内側を、簡単に清掃することができる浴室建具のガラリ構造およびこれを備えた浴室建具を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の浴室建具のガラリ構造は、建具枠に装着された建具本体の框体の下部にあって、浴室側に上垂下片を有する上側下框構成材と、脱衣室側に下立上げ片を有する下側下框構成材とを上下に配置し、両縦框間において、上側下框構成材と下側下框構成材との間隙に換気通路を構成すると共に、上側下框構成材と下立上げ片の上端部との間に脱衣室側換気口を、下側下框構成材と上垂下片の下端部との間に浴室側換気口をそれぞれ構成した浴室建具のガラリ構造において、上側下框構成材は、相互に別部材で構成された構成材本体と上垂下片とを有し、上側下框構成材の内側および下側下框構成材の内側を清掃するために、上垂下片は、構成材本体および両縦框の少なくとも一方に対し、換気通路を浴室側に開放し得るように可動可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、上側下框構成材の構成部品である上垂下片が、構成材本体および両縦框の少なくとも一方に対し、換気通路を浴室側に開放し得るように可動可能に取り付けられているため、上垂下片を可動させて換気通路を浴室側に開放することにより、換気通路を構成する上側下框構成材(上垂下片を含む)の内側および下側下框構成材の内側が、清掃可能になる。
【0008】
この場合、上垂下片は、構成材本体に対し、上端部を中心に浴室側に回動可能に取り付けられていることが、好ましい。
【0009】
この構成によれば、構成材本体に対し上垂下片を浴室側に回動させて、換気通路を浴室側に開放することにより、上垂下片は元より上側下框構成材の内側および下側下框構成材の内側が、清掃可能になる。
【0010】
同様に、上垂下片は、構成材本体に対し、着脱可能に取り付けられていることが、好ましい。
【0011】
この構成によれば、構成材本体に対し上垂下片を離脱させて、換気通路を浴室側に開放することにより、上垂下片は元より上側下框構成材の内側および下側下框構成材の内側が、清掃可能になる。
【0012】
これらの場合、上垂下片には、換気通路に臨むエアフィルタが設けられていることが、好ましい。
【0013】
この構成によれば、エアフィルタを介して浴室内のエアーを清浄化することができる。また、換気通路を浴室側に開放したときに、上垂下片の清掃と併せてエアフィルタを清掃することができる。
【0014】
本発明の他の浴室建具のガラリ構造は、建具枠に装着された建具本体の框体の下部にあって、浴室側に上垂下片を有する上側下框構成材と、脱衣室側に下立上げ片を有する下側下框構成材とを上下に配置し、両縦框間において、上側下框構成材と下側下框構成材との間隙に換気通路を構成すると共に、上側下框構成材と下立上げ片の上端部との間に脱衣室側換気口を、下側下框構成材と上垂下片の下端部との間に浴室側換気口をそれぞれ構成した浴室建具のガラリ構造において、下側下框構成材は、相互に別部材で構成された構成材本体と下立上げ片とを有し、下立上げ片は、構成材本体および両縦框の少なくとも一方に対し、換気通路を脱衣室側に開放し得るように可動可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、下側下框構成材の構成部品である下立上げ片が、構成材本体および両縦框の少なくとも一方に対し、換気通路を脱衣室側に開放し得るように可動可能に取り付けられているため、下立上げ片を可動させて換気通路を脱衣室側に開放することにより、換気通路を構成する上側下框構成材の内側および下側下框構成材(下立上げ片を含む)の内側が、清掃可能になる。
【0016】
本発明の他の浴室建具のガラリ構造は、建具枠に装着された建具本体の框体の下部にあって、浴室側に上垂下片を有する上側下框構成材と、浴室側に中間垂下片を有すると共に脱衣室側に中間立上げ片を有する中間下框構成材と、脱衣室側に下立上げ片を有する下側下框構成材とを上下方向に配置し、両縦框間において、上側下框構成材と中間下框構成材との間隙に第1換気通路を、中間下框構成材と下側下框構成材との間隙に第2換気通路をそれぞれ構成すると共に、上側下框構成材と中間立上げ片の上端部との間および中間下框構成材と下立上げ片の上端部との間にそれぞれ第1脱衣室側換気口および第2脱衣室側換気口をそれぞれ構成し、且つ中間下框構成材と上垂下片の下端部との間および下側下框構成材と中間垂下片の下端部との間に第1浴室側換気口および第2浴室側換気口をそれぞれ構成した浴室建具のガラリ構造において、中間下框構成材は、両縦框に対し、第1換気通路を浴室側に且つ第2通気通路を脱衣室側に開放し得るように可動可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、中間垂下片および中間立上げ片を有する中間下框構成材が、両縦框に対し、第1換気通路を浴室側に且つ第2通気通路を脱衣室側に開放し得るように可動可能に取り付けられているため、中間下框構成材を可動させて第1・第2換気通路を開放することにより、換気通路を構成する上側下框構成材の内側、下側下框構成材の内側および中間下框構成材が、清掃可能になる。
【0018】
この場合、中間下框構成材は、両縦框に対し、浴室側または脱衣室側に辷出し可能に取り付けられていることが、好ましい。
【0019】
この構成によれば、両縦框に対し中間下框構成材を浴室側または脱衣室側に辷出させて、第1・第2換気通路を開放することにより、上側下框構成材の内側、下側下框構成材の内側および中間下框構成材が、清掃可能になる。
【0020】
同様に、中間下框構成材は、両縦框に対し、着脱可能に取り付けられていることが、好ましい。
【0021】
この構成によれば、両縦框に対し中間下框構成材を離脱させて、第1・第2換気通路を開放することにより、上側下框構成材の内側、下側下框構成材の内側および中間下框構成材が、清掃可能になる。
【0022】
これらの場合、中間下框構成材には、第1換気通路および第2換気通路にそれぞれ臨む一対のエアフィルタが設けられていることが、好ましい。
【0023】
この構成によれば、一対のエアフィルタを介して浴室内のエアーを清浄化することができる。また、第1・第2換気通路を浴室側に開放したときに、中間下框構成材と併せてエアフィルタを清掃することができる。
【0024】
なお、上記のエアフィルタが、抗菌フィルタで構成されていることが、好ましい。
【0025】
本発明の浴室建具は、上記した浴室建具のガラリ構造を備えたことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、通気通路を構成する下框構成材を簡単に清掃することできるため、衛生的な浴室建具を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る浴室建具のガラリ構造を浴室折戸に適用した場合について説明する。この浴室は、脱衣室との間に段差を無くしたバリアフリー設計となっており、ユニットバスで構成した浴室と脱衣室との間の出入口に、浴室折戸が取り付けられている。図1は浴室折戸の浴室側から見た姿図であり、同図に示すように、浴室折戸1は、出入口開口部を構成する折戸枠(建具枠)2と、折戸枠2に開閉自在に支持された扉体3(3a,3b)とで構成されている。
【0028】
扉体3は、左扉体(建具本体)3aと、右扉体(建具本体)3bと、これらを突き合わせた状態で中折れ自在に連結する連結部材4とで構成されており、左扉体3aの戸尻側を中心に右扉体3bを折戸枠2に沿ってスライドさせながら浴室A内に折り込むことで開放され、また逆の手順で閉塞される。折戸枠2は、それぞれアルミニウムの形材等で構成した上枠11、下枠12および両縦枠13,13を枠組みして成り、ユニットバスに対し水密に接合されている。
【0029】
左右の各扉体3a,3bは、それぞれアルミニウムの形材等で構成した上框21、下框22、中桟23および両縦框24,24を框組みすると共に、この框体20に樹脂製の上下のパネル体25,25を組み込んで構成されている。中桟23には、脱衣室B側に引手部(図示省略)が一体に形成され、浴室A側に引手を兼ねるタオル掛け(右扉体3bのみ)26が取り付けられている。右扉体3bの連結側の縦框24にはラッチ機構が組み込まれ、また左扉体3aの連結側の縦框24には閉塞ロック機構27が組み込まれている。そして、各扉体3a,3bの框体20の下部である各下框22の部分には、換気ガラリ28が作り込まれている。
【0030】
次に、下框22の部分に作り込んだ換気ガラリ28のガラリ構造について説明する。図2に示すように、下框22は、両外端部を両縦框24,24に支持された上側構成材31、中間構成材32および下側構成材33を有し、これら構成材31,32,33は、いずれもアルミニウムの形材等で構成されている。上側構成材31と中間構成材32との間隙には上換気通路(第1換気通路)35が形成され、また中間構成材32と下側構成材33との間隙には下換気通路(第2換気通路)36が形成されている。そして、詳細は後述するが、中間構成材32が両縦框24,24に対し、浴室A側に辷出し形式で開放移動するようになっている。
【0031】
上側構成材31は、その本体を為す上向き「C」字状断面のパネル取付部41と、パネル取付部41の浴室A側下端から長く下垂した上垂下片42と、パネル取付部41の脱衣室B側下端から短く下垂した上開口縁片43と、で一体に形成されている。パネル取付部41は、内外の両側片41a,41aとこれを連結する下片41bとから成り、その内側に構成した呑込み溝44に上記パネル体25が装着されるようになっている。パネル取付部41の浴室A側の側片41aと上垂下片42とは面一に配設され、これと平行に位置するパネル取付部41の脱衣室B側の側片41aと上開口縁片43とは面一に配設されている。
【0032】
中間構成材32は、上下中間に位置する傾斜片47と、傾斜片47の浴室A側端から長く下垂した中間垂下片48と、傾斜片47の脱衣室B側端から長く立ち上がった中間立上げ片49と、で一体に形成されている。傾斜片47から中間立上げ片48に連なる部位は水返しの機能を有しており、傾斜片47は、浴室A側に下り傾斜となるように形成されている。また、中間立上げ片48の内側には一対の上突起50,50が形成され、同様に中間垂下片48の内側には一対の下突起51,51が形成されている。一方、詳細は後述するが、中間構成材32の両外端部には一対の支持枠37,37が設けられており、中間構成材32は、この両支持枠37,37を介して両縦框24,24に対し辷出し可能に取り付けられている。
【0033】
下側構成材33は、その本体を為す中空部54と、中空部54の脱衣室B側端から長く立ち上がる下立上げ片55と、中空部54の浴室A側下端から下方に延びる浴室側ボトム片56と、中空部54の脱衣室B側下端から下方に延びる脱衣室側ボトム片57と、で一体に形成されている。中空部54の上壁54aは、中間構成材32の傾斜片47と同様に浴室A側に傾斜しており、これに連なる下立上げ片55と共に水返しの機能を有している。中空部54の上下中間位置には隔壁58が設けられ、この隔壁58にはビスホール58aが形成されている。同様に、浴室側ボトム片56の先端部にも、ビスホール様のシール取付部56aが形成されている。
【0034】
上述したように、上側構成材31と中間構成材32との内側空間には、上換気通路35が構成され、且つ中間構成材32と下側構成材33との内側空間には、下換気通路36が構成されている。また、上側構成材31の上開口縁片43と中間構成材32の中間立上げ片49との間隙には、上脱衣室側換気口(第1脱衣室側換気口)61が形成され、中間構成材32の傾斜片(の脱衣室側)47と下側構成材33の下立上げ片55との間隙には、下脱衣室側換気口(第2脱衣室側換気口)62が形成されている。同様に、上側構成材31の上垂下片42と中間構成材32の傾斜片(の浴室側)47との間隙には、上浴室側換気口(第1浴室側換気口)63が形成され、中間構成材32の中間垂下片48と下側構成材33の中空部(の浴室側上端)54との間隙には、下浴室側換気口(第2浴室側換気口)64が形成されている。
【0035】
一方、図3ないし図5に示すように、上記の各支持枠37は、ほぼ中間構成材32の断面形状に倣った外観形状を有しており、樹脂等で形成されている。各支持枠37の内側(内端面)には、上下方向に略クランク形状に延在する差込み溝71が形成されると共に、上下一対の横掛止片72が形成されている。この差込み溝71には、中間構成材32の長手方向の外端部が差し込まれ、この状態で上側の横掛止片72が中間立上げ片49の一対の上突起50,50間に、且つ下側の横掛止片72が中間垂下片48の一対の下突起51,51間にそれぞれ掛止されている。また、各支持枠37の外側(外端面)には、上下の両端部に上ガイドピン73および下ガイドピン74がそれぞれ埋め込まれている。そして、外側に突出したこの上下両ガイドピン73,74が、各縦框24の内側に取り付けたガイドアタッチメント38にスライド自在に係合している。
【0036】
図3、図5および図6に示すように、ガイドアタッチメント38は樹脂等で一体に形成されており、縦框24の呑込み溝(図示省略:下框22の呑込み溝44と類似形状)に内接されるベース部77と、ベース部77から突出すると共に上側構成材31と下側構成材33で囲まれた領域に嵌合するアタッチメント本体78と、ベース部77の脱衣室B側上端から上方に延びる上フック部79と、ベース部77の脱衣室B側中間位置に形成した下フック部80とを有している。
【0037】
ガイドアタッチメント38は、そのベース部77が縦框24の呑込み溝に嵌入し、アタッチメント本体78が上垂下片42および下立上げ片55に挟み込まれることにより、前後左右が位置決め固定され、アタッチメント本体78の上端がパネル取付部41に当接し且つ上フック部79がパネル取付部41の側片(脱衣室側)41aにフッキングすると共に、アタッチメント本体78の下端が中空部54の上壁54aに当接し且つ下フック部80が下立上げ片55にフッキングすることにより、上下位置決め固定されている(図6参照)。
【0038】
アタッチメント本体78の正面には、その上半部の脱衣室B寄り位置に上ガイドピン73が係合するガイド溝81が形成され、下部に下ガイドピン74が係合する長溝82が形成され、さらにガイド溝81と長溝82との間に支持枠37が着座するようにして係合する係合突部83が形成されている。ガイド溝81は、上下方向に幾分傾斜して延在しており、これに係合する上ガイドピン73の上下方向のスライド移動をガイドする。長溝82は、上下に延在し、その上部に浴室A側に開放した開放溝部82aを有している。係合突部83は、中間構成材32の傾斜片47および中間垂下片48に倣った形状に形成され、支持枠37を脱衣室B側から受け得るようになっている。
【0039】
図6に示すように、中間構成材32の両外端部には、それぞれ支持枠37が取り付けられており、両ガイドアタッチメント38に装着した状態では、各支持枠37の屈曲部分が各ガイドアタッチメント38の係合突部83に当接し、且つ上ガイドピン73がガイド溝81の上端よりわずかに下位置に、且つ下ガイドピン74が長溝82の下端位置にそれぞれ係合している。この状態から、中間構成材(および両支持枠37)32を浴室A側に辷出すように開放する場合には、先ず中間構成材32を幾分上方に移動させた後(慳貪の要領)、下ガイドピン74を長溝82の開放溝部82aから浴室A側に離脱させる。次に、中間構成材32を下動させながら上ガイドピン73を中心に上方に回動(開放)させてゆく。このとき、上ガイドピン73は、回動しながらガイド溝81内を下方にスライド移動してゆき、中間構成材32が完全開放した状態でガイド溝81の下端部に達する。このように、中間構成材32が浴室A側に辷出し形式で開放される。また、逆の手順で、中間構成材32は、両ガイドアタッチメント38に装着される。
【0040】
このように、中間構造材32を両縦枠24に対し、辷出し形式で移動させて上下両換気通路35,36を開放するようにしているため、中間構造材32を浴室A側に開放するとことで、上垂下片42や下立上げ片55が露出し、その清掃が可能になる。また、中間構造材32自身も下框24から浴室A側に大きく持ち出されるため、その清掃が可能になる。なお、ガイド溝81および長溝82を上下逆に設けることにより、中間構造材32を脱衣室B側に辷出すよう構成することもできる。また、中間構造材32を、両縦枠(両ガイドアタッチメント38)24に対し着脱自在に構成してもよい。言うまでもないが、中間構造材が複数ある場合には、これら複数の中間構造材が辷出し可能に或いは着脱可能(可動可能)に構成されていることが、好ましい。
【0041】
次に、図7を参照して、本発明の第2実施形態に係るガラリ構造について説明する。この実施形態では、同図(a)の第1変形例および同図(b)の第2変形例のいずれにあっても、上垂下片42A(42)および中間垂下片48A(48)が浴室A側に回動して、上下両換気通路35,36を開放するようになっている。
【0042】
図7(a)の第1変形例では、上側構造材31が、相互に別体で構成された構造材本体86と上垂下片42Aとから成り、上垂下片42Aが、その上端部で構造材本体86に回動自在に取り付けられている。構造材本体86は、上記のパネル取付部41および上開口縁片43に加え、パネル取付部41から下方に延びるJ字片87を、一体に有している。一方、上垂下片42Aの上端部は、J字片87の外周面に添う摺動円弧片88と、J字片87の内側に係合する「へ」字状の抜止め片89とを、一体に有している。すなわち、構造材本体86のJ字片87に対し、上垂下片42Aの摺動円弧片88および抜止め片89が回動自在に係合している。
【0043】
同様に、中間構造材48Aは、相互に別体で構成された構造材本体90と中間垂下片48Aとから成り、中間垂下片48Aが、その上端部で構造材本体90に回動自在に取り付けられている。構造材本体90は、上記の傾斜片47および中間立上げ片49に加え、傾斜片47の浴室A側に連なるJ字片87を、一体に有している。一方、中間垂下片48Aは、その上端部に、J字片87の外周面に添う摺動円弧片88と、J字片87の内側に係合する「へ」字状の抜止め片89とを、一体に有している。この場合も、構造材本体90のJ字片87に対し、中間垂下片48Aの摺動円弧片88および抜止め片89が回動自在に係合している。
【0044】
上垂下片42Aおよび中間垂下片48Aは、特に図示しないが、その下端部で両縦框24にスナップイン形式で掛止固定されるようになっており、この状態から下部を、浴室A側に跳ね上げるようにして回動させることにより、上垂下片42Aは上換気通路35を浴室A側に開放し、また中間垂下片48Aは上換気通路36を浴室A側に開放する。なお、この実施形態の上垂下片42Aおよび中間垂下片48Aは、小口側からJ字片87に装着される構造となっている。また、スナップイン形式の掛止金具に代えて、ユリアネジ等でネジ止めするようにしてもよい。
【0045】
図7(b)の第2変形例では、上側構造材31は上記の第1変形例と同一の構造を有している。一方、中間構造材32は、その構造材本体91が傾斜片47および中間立上げ片49に加え、傾斜片47の浴室A側に連なる角J字片92を、一体に有している。一方、中間垂下片48Aは、その上端部に、角J字片92の下面に添う水平突片93と、角J字片92の内側に係合する逆「L」字状の抜止め片94とを、一体に有している。すなわち、構造材本体91の角J字片92に対し、中間垂下片48Aの水平突片93および抜止め片94が回動自在に係合している。この場合も、上記と同様に、上垂下片42Aおよび中間垂下片48Aは、その下部を、浴室A側に跳ね上げるようにして回動させることにより、上垂下片42Aは上換気通路35を開放し、また中間垂下片48Aは上換気通路36を開放する。
【0046】
次に、図8および図9を参照して、本発明の第3実施形態に係るガラリ構造について説明する。この実施形態では、図8(a)の第1変形例、図8(b)のむ第2変形例および図9の第3変形例のいずれにあっても、上垂下片42B(42)および中間垂下片48B(48)が浴室A側に離脱して、上下両換気通路35,36を開放するようになっている。
【0047】
図8(a)の第1変形例では、上側構造材31が、相互に別体で構成された構造材本体96と上垂下片42Bとから成り、上垂下片42Bが、その上端部で構造材本体96に着脱自在に取り付けられている。構造材本体96は、上記のパネル取付部41および上開口縁片43に加え、パネル取付部41から下方に延びる小J字片97を、一体に有している。一方、上垂下片42Bの上端部は、小J字片97の外周面に添う小円弧片98と、小J字片97の内側に係合する小係止片99とを、一体に有している。すなわち、構造材本体96の小J字片97に対し、上垂下片42Bの小円弧片98および小係止片99が、浴室A側に大きく回動させた状態で着脱可能に係合している。
【0048】
同様に、中間構造材48Bは、相互に別体で構成された構造材本体101と中間垂下片48Bとから成り、中間垂下片48Bが、その上端部で構造材本体101に回動自在に取り付けられている。構造材本体101は、上記の傾斜片47および中間立上げ片49に加え、傾斜片47の浴室A側に連なる小J字片97を、一体に有している。一方、中間垂下片48Bは、その上端部に、小J字片97の外周面に添う小円弧片98と、小J字片97の内側に係合する小係止片99とを、一体に有している。この場合も、構造材本体101の小J字片97に対し、中間垂下片48Bの小円弧片98および小係止片99が、浴室A側に大きく回動させた状態で着脱可能に係合している。
【0049】
上記と同様に、上垂下片42Bおよび中間垂下片48Bは、特に図示しないが、両縦框24にスナップイン形式で掛止固定されるようになっており、この状態から下部を、浴室A側にいったん跳ね上げるようにして回動させてから、離脱させることにより、上垂下片42Bは上換気通路35を浴室A側に開放し、また中間垂下片48Bは上換気通路36を浴室A側に開放する。
【0050】
図8(b)の第2変形例では、上側構造材31の上垂下片42Bが、その上端部で構造材本体103に着脱自在に取り付けられている。上記と同様に、構造材本体103は、パネル取付部41から下方に屈曲して延びる挟込み片104を、一体に有している。一方、上垂下片42Bの上端部は、挟込み片104とパネル取付部41との間に差し込まれる差込み突片105と、挟込み片104の下面に当接すると共に上開口縁片43の下端内向き部位43aに掛止される掛止突片106とを、一体に有している。すなわち、構造材本体103の挟込み片104および上開口縁片43に対し、上垂下片42Bの差込み突片105および掛止突片106が着脱自在に係合している。この場合、上垂下片42Bは、両縦框24にスナップイン形式で掛止固定されるようになっており、この状態から浴室A側に引き抜くように離脱させることにより、上換気通路35を開放する。
【0051】
また、中間構造材32は、その中間垂下片48Bが、その上端部で構造材本体108に回動自在に取り付けられている。構造材本体108は、傾斜片47の浴室A側に連なる上向き片109および中間立上げ片49の基部に突設した内向き傾斜突片110を、一体に有している。一方、中間垂下片48Bは、その上端部に、傾斜片47の下側に当接する当接片111と、上向き片109の上端に当接すると共に内向き傾斜突片110および傾斜片47の部分に係合する傾斜クランク状片112とを、一体に有している。すなわち、構造材本体108の上向き片109、傾斜片47および内向き傾斜突片110に対し、中間垂下片48Bの当接片111および傾斜クランク片状112が着脱自在に係合している。
【0052】
この場合も、中間垂下片48Bは、両縦框24にスナップイン形式で掛止固定されるようになっており、この状態から浴室A側に跳ね上げるように幾分回動させた後、離脱させることにより、下換気通路36を浴室側に開放する。なお、この場合も、スナップイン形式の掛止金具に代えて、ユリアネジ等を用いることができる。
【0053】
図9の第3変形例では、上側構造材31の上垂下片42Bが、その上端部で構造材本体113に押縁形式で着脱自在に取り付けられている。上記と同様に、構造材本体113は、パネル取付部41の浴室A側から下方に短く延びる第1内向き係止片114と、脱衣室B側から下方に短く延びると共に上開口縁片43に代わる第2内向き係止片115を、一体に有している。一方、上垂下片42Bの上端部は、第1内向き係止片114に係止する第1外向き係止片116と、第1外向き係止片115の下方から脱衣室B側に略クランク上に延び、第2内向き係止片115に係止する第2外向き係止片117とを、一体に有している。すなわち、構造材本体113の第1内向き係止片114および第2内向き係止片115に対し、上垂下片42Bの第1外向き係止片116および第2外向き係止片117が、いわゆる押縁形式で着脱自在に係止している。この場合には、上垂下片42Bの下部を脱衣室B側に押し、第1内向き係止片114から第1外向き係止片116を離脱させてから、上垂下片42Bを浴室A側に引き出すようにする。これにより、上換気通路35を開放する。また、逆の手順で上垂下片42Bを構造材本体113に装着する。
【0054】
同様に、中間構造材32は、その中間垂下片48Bが、その上端部で構造材本体118に回動自在に取り付けられている。構造材本体118は、傾斜片47に相当する平坦部119に、その浴室A側から下方に短く延びる第1内向き係止片114と、脱衣室B側から下方に短く延びる第2内向き係止片115を、一体に有している。一方、中間垂下片48Bの上端部は、第1内向き係止片114に係止する第1外向き係止片116と、第1外向き係止片115の下方から脱衣室B側に略クランク上に延び、第2内向き係止片115に係止する第2外向き係止片117とを、一体に有している。すなわち、構造材本体118の第1内向き係止片114および第2内向き係止片115に対し、中間垂下片48Bの第1外向き係止片116および第2外向き係止片117が、いわゆる押縁形式で着脱自在に係止している。この場合も、中間垂下片48Bの下部を脱衣室B側に押し、第1内向き係止片114から第1外向き係止片116を離脱させてから、中間垂下片48Bを浴室A側に引き出すようにする。これにより、下換気通路36を開放する。また、逆の手順で中間垂下片48Bを構造材本体118に装着する。なお、これら他の実施形態において、上垂下片42や中間垂下片48に代えて、中間立上げ片49や下立上げ片55を可動(回動或いは着脱)とする構成としてもよい。
【0055】
次に、図10を参照して、本発明の第4実施形態に係るガラリ構造について説明する。この実施形態では、中間構造材32に、上換気通路35に臨む上エアフィルタ121および下換気通路36に臨む下エアフィルタ122がそれぞれ設けられている。中間構造材32の中間立上げ片49には、その外端部に上向きに延びる一対の上フィルタ取付片(図示省略)が取り付けられており、この一対の上フィルタ取付片に上エアフィルタ121が取り付けられている。すなわち、上エアフィルタ121は、内側から上脱衣室側換気口61を覆うように設けられている。同様に、中間構造材32の中間垂下片48には、その外端部に下向きに延びる一対の下フィルタ取付片(図示省略)が取り付けられており、この一対の下フィルタ取付片に下エアフィルタ122が取り付けられている。すなわち、下エアフィルタ122は、内側から下浴室側換気口64を覆うように設けられている。
【0056】
上エアフィルタ121および下エアフィルタ122は、例えばポリプロピレン(PP)の不織布に銀または酸化チタンを含浸させた抗菌フィルタで構成されており、それぞれ上フィルタ取付片および下フィルタ取付片に張設されている。そして、上下両エアフィルタ121,122を取り付けた中間構造材32は、両縦框24に固定した一対の取付ブロック125に着脱自在に取り付けられている。すなわち、清掃のために中間構造材32を、取付ブロック125から離脱させて取り出すことにより、上下両エアフィルタ121,122の清掃或いは交換が可能になる。なお、上エアフィルタ121を、中間立上げ片49の中間位置から内向き(浴室側に向く)に設け、且つ下エアフィルタ122を、中間垂下片48の中間位置から内向き(脱衣室側に向く)に設けるようにしてもよい。
【0057】
なお、本願発明のガラリ構造は、上垂下片や中間垂下片等を、扉体自体を分解することなく可動(回動或いは着脱)可能に構成されていればよく、回動構造或いは着脱構造は、自由である。また、上記の浴室折戸の他、浴室ドアや浴室引戸等にも適用できることは、いうまでもない。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、浴室建具のガラリ構造および浴室建具によれば、上側下框構成材の上垂下片や上側下框構成材の下立上げ片、或いは中間下框構成材が、換気通路を開放し得るように取り付けられているため、換気通路を開放することにより、上側下框構成材、中間下框構成材および下側下框構成材が、その内側まで清掃可能になる。したがって、浴室建具を衛生的な状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る浴室折戸の浴室側から見た姿図である。
【図2】第1実施形態に係るガラリ構造を表した下框の縦断面図である。
【図3】下框の中間構造材廻りの斜視図である。
【図4】支持枠の正面図(a)および側面図(b)である。
【図5】ガイドアタッチメントおよび支持枠の分解斜視図である。
【図6】第1実施形態に係るガラリ構造において、中間構造材の可動状態を表した縦断面図である。
【図7】第2実施形態に係るガラリ構造を表した下框の縦断面図である。
【図8】第3実施形態に係るガラリ構造を表した下框の縦断面図である。
【図9】第3実施形態の第3変形例に係るガラリ構造を表した下框の縦断面図である。
【図10】第4実施形態に係るガラリ構造を表した下框の縦断面図である。
【符号の説明】
1 浴室折戸、2 折戸枠、3 扉体、3a 左扉体、3b 右扉体、20 框体、22 下框、24 縦框、28 換気ガラリ、31 上側構造材、32 中間構造材、33 下側構造材、35 上換気通路、36 下換気通路、37 支持枠、38 ガイドアタッチメント、42,42A,42B 上垂下片、48,48A,48B 中間垂下片、49 中間立上げ片、55 下立上げ片、61上脱衣室側換気口、62 下脱衣室側換気口、63 上浴室側換気口、64 下浴室側換気口、86,91,96,101,108、構成材本体、121 上エアフィルタ、122 下エアフィルタ、A 浴室、B 脱衣室
Claims (11)
- 建具枠に装着された建具本体の框体の下部にあって、
浴室側に上垂下片を有する上側下框構成材と、脱衣室側に下立上げ片を有する下側下框構成材とを上下に配置し、
両縦框間において、前記上側下框構成材と前記下側下框構成材との間隙に換気通路を構成すると共に、前記上側下框構成材と前記下立上げ片の上端部との間に脱衣室側換気口を、前記下側下框構成材と前記上垂下片の下端部との間に浴室側換気口をそれぞれ構成した浴室建具のガラリ構造において、
前記上側下框構成材は、相互に別部材で構成された構成材本体と前記上垂下片とを有し、
前記上側下框構成材の内側および前記下側下框構成材の内側を清掃するために、前記上垂下片は、前記構成材本体および前記両縦框の少なくとも一方に対し、前記換気通路を浴室側に開放し得るように可動可能に取り付けられていることを特徴とする浴室建具のガラリ構造。 - 前記上垂下片は、前記構成材本体に対し、上端部を中心に浴室側に回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の浴室建具のガラリ構造。
- 前記上垂下片は、前記構成材本体に対し、着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の浴室建具のガラリ構造。
- 前記上垂下片には、前記換気通路に臨むエアフィルタが設けられていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の浴室建具のガラリ構造。
- 建具枠に装着された建具本体の框体の下部にあって、
浴室側に上垂下片を有する上側下框構成材と、脱衣室側に下立上げ片を有する下側下框構成材とを上下に配置し、
両縦框間において、前記上側下框構成材と前記下側下框構成材との間隙に換気通路を構成すると共に、前記上側下框構成材と前記下立上げ片の上端部との間に脱衣室側換気口を、前記下側下框構成材と前記上垂下片の下端部との間に浴室側換気口をそれぞれ構成した浴室建具のガラリ構造において、
前記下側下框構成材は、相互に別部材で構成された構成材本体と前記下立上げ片とを有し、
前記下立上げ片は、前記構成材本体および前記両縦框の少なくとも一方に対し、前記換気通路を脱衣室側に開放し得るように可動可能に取り付けられていることを特徴とする浴室建具のガラリ構造。 - 建具枠に装着された建具本体の框体の下部にあって、
浴室側に上垂下片を有する上側下框構成材と、浴室側に中間垂下片を有すると共に脱衣室側に中間立上げ片を有する中間下框構成材と、脱衣室側に下立上げ片を有する下側下框構成材とを上下方向に配置し、
両縦框間において、前記上側下框構成材と前記中間下框構成材との間隙に第1換気通路を、前記中間下框構成材と前記下側下框構成材との間隙に第2換気通路をそれぞれ構成すると共に、
前記上側下框構成材と前記中間立上げ片の上端部との間および前記中間下框構成材と前記下立上げ片の上端部との間にそれぞれ第1脱衣室側換気口および第2脱衣室側換気口をそれぞれ構成し、且つ前記中間下框構成材と前記上垂下片の下端部との間および前記下側下框構成材と前記中間垂下片の下端部との間に第1浴室側換気口および第2浴室側換気口をそれぞれ構成した浴室建具のガラリ構造において、
前記中間下框構成材は、前記両縦框に対し、前記第1換気通路を浴室側に且つ前記第2通気通路を脱衣室側に開放し得るように可動可能に取り付けられていることを特徴とする浴室建具のガラリ構造。 - 前記中間下框構成材は、前記両縦框に対し、浴室側または脱衣室側に辷出し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の浴室建具のガラリ構造。
- 前記中間下框構成材は、前記両縦框に対し、着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の浴室建具のガラリ構造。
- 前記中間下框構成材には、前記第1換気通路および前記第2換気通路にそれぞれ臨む一対のエアフィルタが設けられていることを特徴とする請求項6、7または8に記載の浴室建具のガラリ構造。
- 前記エアフィルタが、抗菌フィルタで構成されていることを特徴とする請求項4または9に記載の浴室建具のガラリ構造。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載の浴室建具のガラリ構造を備えたことを特徴とする浴室建具。
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