JP2010222521A - 硬質ポリウレタンフォーム組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともポリイソシアネート(a)と、ポリオール(b)と、発泡剤とからなる硬質ポリウレタンフォーム組成物で、ポリオール(b)は、少なくともポリエステルポリオールを含有し、当該ポリオール(b)100重量部に対して0.05〜10重量部の有機修飾したモンモリロナイトを添加してなる。これにより、セルが大きくなることやセルの合一化が抑制され多数の微細なセルを形成できるようになる。
得られた硬質ポリウレタンフォームは、他の原料や設備等を変更することなく、微細なセルとなり、輻射を抑えて熱伝導率の向上を図ることで、優れた断熱性能が得られる。
【選択図】 なし
Description
しかし、前者のハイドロカーボンは従来のフロン化合物により発泡されたポリウレタンフォームと比較して断熱性能が劣ることが問題となっている。
また、後者の水を発泡剤として用い、イソシアネートとの反応により発生する二酸化炭素を発泡に利用する方法では、これまでの発泡剤に比較して著しく断熱性能が劣るという欠点がある。
フォーム中のセルを細かくする技術として、硬質ポリウレタンフォームを構成するポリオール成分にガスを導入することで撹拌効率を上げ、フォーム中のセルを均一で細かくする方法があるが、ガスの導入量には限界があり、現在の製造方法に適用しても、既に十分に微細化されているものには、ほとんど効果がない。
また、特許文献2の硬質ポリウレタンフォーム製造用原液組成物では、難燃性フィラーを安定に分散させることを主とするものであり、同様に、断熱性能に対する考察がなされていないという問題がある。
こうして得られた硬質ポリウレタンフォームは、他の原料や設備等を変更することなく、微細なセルが得られ、輻射を抑えて熱伝導率の向上を図ることができ、優れた断熱性能を得ることができることを見出し、本願発明を完成した。
こうして得られた硬質ポリウレタンフォームは、他の原料や設備等を変更することなく、微細なセルを得ることができ、輻射を抑えて熱伝導率の向上を図ることで、優れた断熱性能を得ることができる。
ここで、硬質ポリウレタンフォーム組成物とは、硬質ポリウレタンフォーム、ウレタン変性硬質ポリイソシアヌレートフォーム、硬質ポリイソシアヌレートフォーム、その他の硬質フォームの原料となる組成物をいう。
本発明による硬質ポリウレタンフォーム組成物は、少なくともポリイソシアネート(a)と、ポリオール(b)と、発泡剤とからなる硬質ポリウレタンフォーム組成物であって、前記ポリオール(b)は、少なくともポリエステルポリオールを含有するとともに、当該ポリオール(b)100重量部に対して0.05〜10重量部の有機修飾したモンモリロナイトを添加してなるものである。かかる硬質ポリウレタンフォーム組成物の少なくともイソシアネートとポリオールと発泡剤とを混合し、連続法又は非連続法等により製造することができる。
有機修飾したモンモリロナイトは市販品として、エスベンNZ(ホージュン社製)、エスベンNX(ホージュン社製)、 エスベンN012S(ホージュン社製)、ベントンSD-2(エレメンティス社製)などが挙げられる。これらの化合物は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
また、ポリオール(b)中には、ポリエステルポリオールが20〜100重量%含有するものが好ましい。かかる範囲のポリエステルポリオールを含有することで、セルが大きくなることやセルの合一化が抑制され、多数の微細なセルを形成することができる。
その中でも、地球温暖化係数が小さく、常温で液体であるペンタンが適しており、特に、得られる硬質ポリウレタンフォームの熱伝導率を低く抑えることができるシクロペンタンが好適である。発泡剤の使用量は、ポリオール100重量部当たり、5〜40重量部が好ましく、水を併用する場合は、水0〜3重量部とすることが好ましい。
また、本発明の硬質ポリウレタンフォーム組成物は、ポリイソシアネート(a)、ポリオール(b)、発泡剤の他に、触媒、整泡剤、その他の助剤を用いても良い。
なお、ここでいうポリオール成分とは、ポリオール、発泡剤、触媒、その他の助剤からなるものを指す。
ポリイソシアネート(a)
ポリイソシーネート:ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン(株)社製:MR200) NCO含量31%
ポリオール(b)
ポリオールA:無水フタル酸を開始剤とした水酸基価315mgKOH/gのポリエステルポリオール
ポリオールB:フタル酸を開始剤とした水酸基価250mgKOH/gのポリエステルポリオール
ポリオールC:トルエンジアミンを開始剤とした水酸基価450mgKOH/gのポリエーテルポリオール
ポリオールD:エチレンジアミンを開始剤とした水酸基価750mgKOH/gのポリエーテルポリオール
ポリオールE:ソルビトールを開始剤とした水酸基価450mgKOH/gのポリエーテルポリオール
有機修飾したモンモリロナイト
エスベンNZ(ホージュン社製)
エスベンNX(ホージュン社製)、
発泡剤
発泡剤:シクロペンタンと水
その他の添加剤
整泡剤:シリコーン(エボニック(株)社製:B−8466)
架橋剤:グリセリン
触媒:トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサトリアジン(エアプロダクツ(株)社製
:ポリキャット41)
難燃剤:トリスクロロプロピルフォスフェート(大八化学(株)社製:TMCPP)
実施例及び比較例に示す処方のポリオールとポリイソシアネートと有機修飾したモンモリロナイトと発泡剤などとを、ハンドミキサーを用いて、4500回転で4秒間撹拌した。これを250×150×300mmの木箱内に、自由発泡させ、硬質ポリウレタンフォームを製造した。なお、ポリイソシアネート及びポリオール成分は、液温30℃、NCO/OH当量比130とした。
以上のようにして得られた硬質ポリウレタンフォームのフォーム外観、セルサイズ、密度、脆性、熱伝導率、を以下の方法で評価し、この結果を実施例及び比較例に併せて示した。
フォーム外観:目視により、ボイド、セル荒れ、セルむらの有無を調べ、問題ないものを○、問題なものを×とした。
セルサイズ:得られた発泡樹脂断熱材の厚み方向において、1mm間隔で50箇所それぞれのセル(その各箇所における1mm2当たりに含まれる全てのセル)の縦径と横径とを市販の走査型電子顕微鏡(日本電子社製:JCM−5100)を用いて倍率30倍で測定した。
密度(kg/m3):100×100×100mmの試験片を採取し、JIS A9511に準拠して測定した。
脆性:25×25×25mmの試験片を採取し、JIS A9511に準拠して測定した。
熱伝導率(W/m・K):JIS A-1412に示される熱流計法により英弘精機社製オートλHC-074を用いて平均温度23℃で測定した。
ポリオールとしてポリオールAを60重量部、他のポリオールとしてポリオールCを30重量部、ポリオールDを10重量部用いた。これにより、ポリエステルポリオールは、全ポリオールに対して60重量%となる。
有機修飾したモンモリロナイトとしてエスベンNZを1重量部用いた。
難燃剤を15重量部、架橋剤を5重量部、整泡剤を3重量部、触媒を1.5重量部、さらに、発泡剤として水1重量部とシクロペンタンを21重量部混合してポリオール成分の処方とした。
得られたフォームは、表1に示したように、フォーム外観に優れ、セルサイズは251μm、密度は29.7kg/m3、脆性の問題はなく(○)、熱伝導率は0.019W/mkであった。
ポリオールとしてポリオールBを60重量部、他のポリオールとしてポリオールDを10重量部、ポリオールEを30重量部用いた。これにより、ポリエステルポリオールは、全ポリオールに対して60重量%となる。
これ以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表1に示したように、フォーム外観に優れ、セルサイズは272μm、密度は29.9kg/m3、脆性の問題はなく(○)、熱伝導率は0.020W/mkであり、実施例1とほぼ同等であった。
ポリオールとしてポリオールAを20重量部、他のポリオールとしてポリオールCを40重量部、ポリオールDを20重量部、ポリオールEを20重量部用いた。これにより、ポリエステルポリオールは、全ポリオールに対して20重量%となる。
これ以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表1に示したように、フォーム外観に優れ、セルサイズは277μm、密度は29.6kg/m3、脆性の問題はなく(○)、熱伝導率は0.020W/mkであり、実施例1とほぼ同等であった。
ポリオールとしてポリオールAを100重量部、他のポリオールは使用しなかった。これにより、ポリエステルポリオールは、全ポリオールに対して100重量%となる。
これ以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表1に示したように、フォーム外観に優れ、セルサイズは291μmとわずかに増大し、密度は31.7kg/m3とわずかに大きくなったが、脆性の問題はなく(○)、熱伝導率は0.020W/mkと実施例1とほぼ同等であった。
有機修飾したモンモリロナイトの含有量を0.05重量部に削減した以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表1に示したように、フォーム外観に優れ、セルサイズは283μmとわずかに増大し、密度は30.7kg/m3とわずかに大きくなったが、脆性の問題はなく(○)、熱伝導率は0.020W/mkと実施例1とほぼ同等であった。
有機修飾したモンモリロナイトの含有量を10重量部に増大した以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表1に示したように、フォーム外観に優れ、セルサイズは264μm、密度は29.2kg/m3、脆性がわずかに変化した (△) が、熱伝導率は0.019W/mkと実施例1とほぼ同等であった。
有機修飾したモンモリロナイトとして、エスベンNZを用い、その含有量を1重量部とした以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表1に示したように、フォーム外観に優れ、セルサイズは263μm、密度は30.1kg/m3、脆性の問題はなく (○) が、熱伝導率は0.020W/mkと実施例1とほぼ同等であった。
有機修飾したモンモリロナイトを添加せずにポリオール成分の処方とした以外は、実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表2に示したように、セルサイズは330μm、密度は30.2kg/m3、熱伝導率は0.021W/mkといずれも実施例1に比較し増大した。なお、フォーム外観および脆性は、実施例1とほぼ同等であった。
ポリオールとしてポリエステルポリオールを使用せず、他のポリオールとしてポリオールCを60重量部、ポリオールDを20重量部、ポリオールEを20重量部用いた。
これ以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表2に示したように、セルサイズは352μm、密度は31.0kg/m3、熱伝導率は0.022W/mkといずれも実施例1に比較してさらに増大した。なお、フォーム外観および脆性は、実施例1とほぼ同等であった。
有機修飾したモンモリロナイトの含有量を12重量部と過大に添加した以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表2に示したように、フォーム外観および脆性は、いずれも実施例1に比較して悪化した。なお、セルサイズは258μm、密度は29.2kg/m3、熱伝導率は0.019W/mkと実施例1とほぼ同等であった。
有機修飾したモンモリロナイトの含有量を0.01重量部と過少に添加した以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表2に示したように、セルサイズは334μm、密度は30.6kg/m3、熱伝導率は0.021W/mkといずれも実施例1に比較して増大した。なお、フォーム外観および脆性は、実施例1とほぼ同等であった。
有機修飾しない単なるモンモリロナイト(クニミネ工業(株):クニピアーF)を用い、その含有量を1重量部添加した以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表2に示したように、セルサイズは343μm、熱伝導率は0.022W/mkといずれも実施例1に比較して増大した。なお、フォーム外観、密度は29.2kg/m3、および脆性は、実施例1とほぼ同等であった。
有機修飾したモンモリロナイトに代えてナノ粒子としてSiO2(CABOT社製:TLD201)を1重量部添加した以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表2に示したように、セルサイズは349μm、熱伝導率は0.022W/mkといずれも実施例1に比較して増大した。なお、フォーム外観、密度は29.5kg/m3、および脆性は、実施例1とほぼ同等であった。
有機修飾したモンモリロナイトに代えてナノ粒子としてTiO2(日本アエロジル社製:二酸化チタンP25)を1重量部添加した以外の処方は実施例1と同一とした。
得られたフォームは、表2に示したように、セルサイズは311μm、熱伝導率は0.021W/mkといずれも実施例1に比較して増大した。なお、フォーム外観、密度は29.4kg/m3、および脆性は、実施例1とはぼ同等であった。
Claims (3)
- 少なくともポリイソシアネート(a)と、ポリオール(b)と、発泡剤とからなる硬質ポリウレタンフォーム組成物であって、
前記ポリオール(b)は、少なくともポリエステルポリオールを含有するとともに、当該ポリオール(b)100重量部に対して0.05〜10重量部の有機修飾したモンモリロナイトを添加してなることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム組成物。 - 前記ポリオール(b)中には、前記ポリエステルポリオールが20〜100重量%含有することを特徴とする請求項1記載の硬質ポリウレタンフォーム組成物。
- 前記硬質ポリウレタンフォーム組成物の発泡剤がハイドロカーボンであり、好ましくはペンタンであることを特徴とする請求項1または2記載の硬質ポリウレタンフォーム組成物。
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