JP2010220409A - 非接触エネルギー伝送装置の1次側コア、非接触エネルギー伝送装置の1次側コア決定方法、非接触充電用電子時計の充電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】貫通孔を含む凸部102bと、凸部102bの底部から延在した延在部102aとを有し、その端部において立設して設けられ、凸部102bの周面を内包する周壁部が設けられた1次側コア102と、凸部102bに巻装された1次側コイル101とを備え、1次側コイル101は、1次側コア102とともに磁束を発生させて、1次側コア102に対向して配置された2次側コア205を介して電力または情報を2次側コイルに伝送する非接触エネルギー伝送装置の1次側コア102であって、1次側コア102の凸部102bを1次側コイル101の巻き高さと略同等の高さに設定すると共に、1次側コイル101の底面と延在部102aとが接しないようにした。
【選択図】 図13
Description
まず、解析シミュレーションで取り扱った非接触エネルギー伝送装置のモデル構成を図1に示す。図1において、充電器100側は1次側コイル101、1次側コア102で構成されており、電子時計200側としては、ムーブメント201、電池202、文字板203、ケース204、2次側コア205、2次側コイル206、金属製の裏蓋207で構成されている。また、電子時計200および充電器100は左右対称とみなし、解析モデルとしては片側半分のモデルで解析を行った。なお、解析シミュレーションの結果としてアウトプットされる数値は、図1に示す電子時計200の、左側側面(図1の点線で示す部分)を中心軸として、円筒状に回転させたモデルとしての出力が、アウトプットされるように設定してある。解析シミュレーションの出力とは、投入電流、出力電流、出力電圧等があり、また、投入電力を設定することによって解析を行った。
コイル線径 :コイル線の太さ
コイル種 :マグネットワイヤ種(0〜3)
断面積比 :1次側コイル101と2次側コイル206の対向する面の面積比(2次側コイル206を1としたときの比率)
巻数比 :1次側コイル101と2次側コイル206の巻数の比 (2次側コイル206を1としたときの比率)
凝縮巻き係数 :コイルを構成する場合、そのコイルは図2のように巻いて構成することが一般的である。ところが、図3のように、コイル線110をややずらして巻くことで、同じ巻数とした場合、コイルそのものの形状を小さく構成することのできる巻き方が知られている。本解析の因子として設定している凝縮巻き係数は、このことを示しており、図2の巻き方で構成できるコイルの外径を基準としたときに、凝縮巻きによって、概ねその基準に対し、0.7〜1.0倍の外径で構成することができる。この0.7〜1.0内で設定しているのが凝縮巻き係数である。
底部厚み :図4のAの寸法
底部幅 : 図4のBの部分 (2次側コア206の低部の幅H:10.5に対する比率)
羽部厚み :図4のCの寸法を示している。
2次側コア空芯:1次側コア空芯=1:X・・・これは図5のA部分で、2次側コア205の空芯部分における面積と、それに対向する1次側コア102の空芯部分の面積比を示している。(2次側コア205の空芯を1としたときの比率)
2次コア断面積:1次凸部断面積=1:X・・・これは図5のB部分で、2次側コア205の低部の面積を1としたときの、それに対向する1次側コア102の凸部の上面との面積比を示している。
凸部−1次側コイル内径(幅Gap)・・・・これは、図5のD部分で、凸部から、1次側コイル101の内径までのギャップを示している。
1次側コイル断面積:コア空芯(大)断面積=1:X・・・これは、図6のB部分で、1次側コイル101の底面の面積を1としたときの、その底面に対向する、1次側コア102の凸部から周壁部内側までの面との断面積比を示している。
側面部幅・・・これは図6のC部分で、側面部の横方向の厚みを示している。
2次コア上面−1次コア上面・・・これは、図6のD部分で、2次側コア205の上面と、1次側コア102の拡幅部の上面とのギャップを示している。なお、後述する水準が0の場合、ギャップは0(同じ高さ)であり、1の場合、2次側コア205の上面が、1次側コア102の拡幅部の上面と比べて1mm高いことを示す。
2次側コア厚み:拡幅部厚み=1:X・・・これは図6のE部分で、2次側コア205の羽部205aの厚みを1としたときの、1次側コア拡幅部の厚みの寸法比を示している。
伝送効率η=出力エネルギー/投入エネルギー×100
ST=Y12+Y22+Y32+Y42
Sm(Y1+Y2+Y3+Y4)2
Se=ST−Sm
Ve=Se/3
感度=10*LOG((Sm−Ve)/4/Ve)
SN比=10*LOG(((Sm−Ve)/4))
第1の実施の形態に記載した方法で解析を行ったところ、1次側コイル101の、寸法、面積比、およびその比率に応じて1次側コア102を構成した場合、良好な伝送効率を確保できることを見出した。特徴ある因子を整理すると、図9に示す、Q,R,Sがそれにあたり、これは前述した説明のとおりである。
R:1次側コア102の凸部102bから、1次側コイル101の内径までのギャップ(寸法)
S:1次側コイル101の底面の面積と、それに対向する1次側コア102の延在部102aとの面積比を示している。
ところで、1次側コア102の凸部の高さ(図13で示す1.1H)であるが、本例では、電子時計を含む、小型の携帯機器の充電を想定していたため、あまり大きな寸法は設定せず、14〜40mmの範囲で解析シミュレーションを行っている。このような範囲において、解析シミュレーションを継続して行ったところ、以下の関係があることを見出した。
このような課題に鑑みて、本発明の発明者はこれまで行ってきた解析シミュレーションの結果から、SN比(安定性)と水準の関係図を作成したところ、1次側コア102を構成するその底部と、周壁部の厚みを、ある特定の厚みで構成することで、特にSN比を良好に保てることを見出した。
101 1次側コイル
102 1次側コア
102a 延在部
102b 凸部
103 カットモデル
200 電子時計
201 ムーブメント
202 電池
203 文字板
204 ケース
205 2次側コア
206 2次側コイル
207 裏蓋
Claims (9)
- 貫通孔を含む凸部を有し、前記凸部の底部から延在した延在部を有し、その端部において立設して設けられ、前記凸部の周面を内包する周壁部が設けられた1次側コアと、前記凸部に巻装された1次側コイルとを備え、前記1次側コイルは、前記1次側コアとともに磁束を発生させることにより、前記1次側コアに対向して配置された2次側コアを介して電力または情報を2次側コイルに伝送する非接触エネルギー伝送装置の1次側コアであって、
前記1次側コアの凸部を前記1次側コイルの巻き高さと略同等の高さに設定すると共に、前記1次側コイルの底面と前記延在部とが接しないようにしたことを特徴とする非接触エネルギー伝送装置の1次側コア。 - 前記延在部の面積を、対向する1次側コイルの面積の1.2〜1.3倍の面積に設定することを特徴とする請求項1に記載の非接触エネルギー伝送装置の1次側コア。
- 前記凸部は、前記1次側コイルの内径から、0.5〜0.9mmのギャップを有することを特徴とする請求項1または2に記載の非接触エネルギー伝送装置の1次側コア。
- 前記1次側コアの凸部の高さを、前記延在部の断面における長さの1〜4.4倍の高さに設定することを特徴とする請求項1、2または3に記載の非接触エネルギー伝送装置の1次側コア。
- 前記凸部を、14〜40mmの高さに設定することを特徴とする請求項4に記載の非接触エネルギー伝送装置の1次側コア。
- 前記1次側コアの底部の厚みを12〜15mmに設定し、かつ、周壁部の厚みを4〜6.5mmで設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の非接触エネルギー伝送装置の1次側コア。
- 貫通孔を含む凸部を有し、前記凸部の底部から延在した延在部を有し、その端部において立設して設けられ、前記凸部の周面を内包する周壁部が設けられた1次側コアと、前記凸部に巻装された1次側コイルとを備え、前記1次側コイルは、前記1次側コアとともに磁束を発生させることにより、前記1次側コアに対向して配置された2次側コアを介して電力または情報を2次側コイルに伝送する非接触エネルギー伝送装置の1次側コア決定方法であって、
前記1次側コアを構成する因子の水準と、利得の関係から、前記1次側コアの形状を決定する工程を含むことを特徴とする非接触エネルギー伝送装置の1次側コア決定方法。 - 前記因子は、前記1次側コイルに対する寸法および面積、ないし寸法および面積の比率からなることを特徴とする請求項7に記載の非接触エネルギー伝送装置の1次側コア決定方法。
- 請求項1〜8のいずれか一つ以上に記載の非接触エネルギー伝送装置の1次側コアを用いることを特徴とする非接触充電用電子時計の充電装置。
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