JP2010220145A - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム、及び、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム、及び、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】回転処理前後の印刷用画像データに基づく印刷画像において、階調性及び画質に差のない画像を形成可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置32は、回転用ディザスクリーンを予め記憶する記憶部110と、CMYKデジタル信号に対し、回転用ディザスクリーンを使用した階調再現処理を施して、印刷用画像データを生成する階調再現処理部109と、ユーザによって指定される回転角度を受付ける操作パネル36の回転キーと、印刷用画像データに対し、印刷用画像データに基づく印刷画像を受付けた回転角度で時計回りに回転させる回転処理を施す制御部とを含み、回転用ディザスクリーンは、回転処理前の印刷用画像データに基づく印刷画像と、回転処理後の印刷用画像データに基づく印刷画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像処理の技術に関し、特に、ドットゲインが画像品質にもたらす影響を低減するための画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム、及び、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体に関する。
従来、電子写真方式等を採用する画像形成装置には、ハーフトーン画像を含む画像を形成する際に、疑似中間調を再現するための階調再現処理(中間調生成処理)を行なうものがある。例えば、後掲の特許文献1には、主走査方向と副走査方向との出力解像度が異なる出力機器において、主走査方向と副走査方向との出力解像度が等しい出力機器と近似した良好な網点形状を実現するための、ディジタルハーフトーンスクリーン生成方法について開示されている。
また、階調再現処理を含む一連の画像処理によって生成される印刷用画像データをHDD等の記憶装置に記憶しておき、記憶した印刷用画像データに基づいて、再度印刷処理を行なうことができる画像形成装置がある。このような画像形成装置は、同一の原稿を繰返してスキャンする手間を省くことができるため、処理の高速化及び印刷システムの簡素化を達成できる。また、記憶した印刷用画像データに対し、画像の回転処理及び拡大縮小処理等を施し、これらの処理後の印刷用画像データに基づく印刷画像を出力することができる。
特開2005−204106号公報
従来の画像形成装置において、画像の回転処理を施した後の印刷用画像データに基づく印刷画像を出力する場合、回転処理前の印刷用画像データに基づく印刷画像と、回転処理後の印刷用画像データに基づく印刷画像との間にドットゲインの差が生じることによって、両印刷画像における階調性及び画質が異なるという問題が生じることがある。この問題が生じる原因は明らかではないが、LSU(Laser Scanning Unit)による静電潜像形成及び現像特性における微小な違い等が関係していると考えられる。上記した特許文献1に開示される技術は、出力解像度が異なる場合における画質の差を小さくする技術であり、上記問題を解決することはできない。
本発明の目的は、回転処理前後の印刷用画像データに基づく印刷画像において、階調性及び画質に差のない画像を形成可能な画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム、及び、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
本発明の第1の局面に係る画像処理装置は、回転用ディザスクリーンを予め記憶する記憶手段と、入力画像データに対し、回転用ディザスクリーンを使用した階調再現処理を施して、出力画像データを生成する階調再現処理手段と、ユーザによって指定される回転角度を受付ける受付手段と、出力画像データに対し、出力画像データに基づく出力画像を受付けた回転角度で時計回りに回転させる回転処理を施す画像回転手段と、を含む画像処理装置であって、回転用ディザスクリーンは、回転処理前の出力画像データに基づく出力画像と、回転処理後の出力画像データに基づく出力画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている。このように、回転処理前の出力画像データに基づく出力画像と、回転処理後の出力画像データに基づく出力画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている回転用ディザスクリーンを使用して階調再現処理を行なうので、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない出力画像を常に得ることができる。したがって、回転処理前後の出力画像データに基づく多種多様な出力画像において、階調性及び画質に差のない画像を常に形成できる。
好ましくは、受付手段は、90度、180度及び270度のうちのいずれかの回転角度を受付ける。これにより、回転用ディザスクリーンを作成し易くなるので、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない出力画像をより一層容易に得ることができる。また、回転処理時に画像回転手段にかかる負荷を低減することができるとともに、処理時間を短縮することができる。
より好ましくは、回転用ディザスクリーンは、回転用ディザスクリーンに基づくディザパターンにおける、ドットを記録する部分に相当する領域において主走査方向に並ぶ画素の数の順序が、所定の回転角度で時計回りに回転させた状態のディザパターンにおける画素の数の順序に対して、回転対称になるように設定される。これにより、回転処理前の出力画像データに基づく出力画像と、回転処理後の出力画像データに基づく出力画像との間に生じるドットゲインの差をより一層確実に減少させることができるので、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない出力画像をより一層確実に得ることができる。したがって、回転処理前後の出力画像データに基づく多種多様な出力画像において、階調性及び画質に差のない画像をより一層確実に形成できる。
本発明の第2の局面に係る画像形成装置は、上記した画像処理装置と、入力画像データを作成し、作成した入力画像データを画像処理装置に対して入力する入力手段と、画像処理装置から出力される、回転処理前の出力画像データ又は回転処理後の出力画像データに基づく画像を出力する出力装置と、を含む。このように、画像形成装置は、上記した画像処理装置を含むので、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない出力画像を常に出力することができる。したがって、回転処理前後の出力画像データに基づく多種多様な出力画像において、階調性及び画質に差のない画像を常に形成できる。
本発明の第3の局面に係る画像処理方法は、回転用ディザスクリーンを予め記憶するステップと、入力画像データに対し、回転用ディザスクリーンを使用した階調再現処理を施して、出力画像データを生成するステップと、ユーザによって指定される回転角度を受付けるステップと、出力画像データに対し、出力画像データに基づく出力画像を受付けた回転角度で時計回りに回転させる回転処理を施すステップと、を含む画像処理方法であって、回転用ディザスクリーンは、回転処理前の出力画像データに基づく出力画像と、回転処理後の出力画像データに基づく出力画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている。このように、回転処理前の出力画像データに基づく出力画像と、回転処理後の出力画像データに基づく出力画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている回転用ディザスクリーンを使用して階調再現処理を行なうので、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない出力画像を常に得ることができる。したがって、回転処理前後の出力画像データに基づく多種多様な出力画像において、階調性及び画質に差のない画像を常に形成できる。
本発明の第4の局面に係るコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されると、回転用ディザスクリーンを予め記憶するステップと、入力画像データに対し、回転用ディザスクリーンを使用した階調再現処理を施して、出力画像データを生成するステップと、ユーザによって指定される回転角度を受付けるステップと、出力画像データに対し、出力画像データに基づく出力画像を受付けた回転角度で時計回りに回転させる回転処理を施すステップと、を含む画像処理方法において、回転用ディザスクリーンは、回転処理前の出力画像データに基づく出力画像と、回転処理後の出力画像データに基づく出力画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている、画像処理方法を実行するように当該コンピュータを動作させる。
このようなコンピュータプログラムを実行させることによって、コンピュータは、回転処理前の出力画像データに基づく出力画像と、回転処理後の出力画像データに基づく出力画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている回転用ディザスクリーンを使用して階調再現処理を行なうように動作するので、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない出力画像を常に得ることができる。したがって、回転処理前後の出力画像データに基づく多種多様な出力画像において、階調性及び画質に差のない画像を常に形成できる。また、上記画像処理方法を汎用的なものとすることができる。
本発明の第5の局面に係る記録媒体は、上記したコンピュータプログラムを記録した、コンピュータ読取り可能な記録媒体である。なお、上記記録媒体としては、例えば、コンピュータ内部の主記憶又は補助記憶を構成するRAM(Random Access Memory)、ROM(Read−Only Memory)、及び、補助記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD(Hard Disk Drive))等がある。
また、コンピュータの外部記憶装置としてプログラム読取装置が設けられ、この装置に挿入することで読取可能な記録媒体であってもよい。通常は、CPU(Central Processing Unit)が主記憶以外の記録媒体からコンピュータプログラムを読出し、この読出されたコンピュータプログラムを主記憶装置にロードして実行する。CPUは、インストールされたコンピュータプログラムに従って所定の処理を行なうようにコンピュータの各部を統括的に制御する。プログラム読取装置で読取可能な記録媒体としては、(1)磁気テープ及びカセットテープ等のテープ系、(2)フレキシブルディスク(FD)及びハードディスク(HD)等の磁気ディスク、若しくは、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、MO(Magneto Optical Disk)、MD(Mini Disk)及びDVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスクといったディスク系、(3)メモリカードを含むIC(Integrated Circuit)カード及び光カード等のカード系、又は、(4)マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリを含めた固定的にプログラムを記録する媒体等を例示することができる。これにより、上記の画像処理方法を記憶した記録媒体を自在に持ち運ぶことができる。また、上記プログラム読取装置が設けられた装置は、コンピュータプログラムのバージョンアップに対応することができるようになる。
さらに、コンピュータを、インターネットを含む通信ネットワークに接続可能な構成とし、通信ネットワークからコンピュータプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。このように通信ネットワークからコンピュータプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用プログラムは予めコンピュータに格納しておけばよい。また、他の記録媒体からインストールされてもよい。
本発明によれば、回転処理前の出力画像データに基づく出力画像と、回転処理後の出力画像データに基づく出力画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている回転用ディザスクリーンを使用して階調再現処理を行なうので、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない出力画像を常に得ることができる。したがって、回転処理前後の出力画像データに基づく多種多様な出力画像において、階調性及び画質に差のない画像を常に形成できる。
本発明の一実施の形態に係る印刷システムの構成を示す図である。 画像処理の流れを示すブロック図である。 回転用ディザスクリーンに基づくディザパターンを示す図である。 回転角度が0度の印刷用画像データ及び回転角度が90度の印刷用画像データの一例を示す図である。 回転角度が0度の印刷用画像データ及び回転角度が90度の印刷用画像データの他の一例を示す図である。 階調再現処理を実現するためのプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。 第1印刷画像及び第2印刷画像を示す図である。
以下の説明及び図面においては、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明をその都度繰返すことはしない。
図1は、本発明の一実施の形態に係る印刷システム10の構成を示す図である。図1を参照して、印刷システム10は、電子写真方式を採用するデジタルカラー複写機(以下、単に「複写機」と記す。)22と、情報処理装置12とを含む。複写機22及び情報処理装置12は、LAN(Local Area Network)回線等からなるネットワーク20を介して互いに接続され、画像データを含む各種データを相互に送受できる。印刷システム10は、全体として画像形成装置として機能する。
情報処理装置12は、複写機22を利用するために一般のユーザによって操作される、例えば、PC(Personal Computer)等の端末装置である。なお、図1には情報処理装置12を1つのみ図示するが、実際には多数存在する。
印刷システム10において、例えば、情報処理装置12から複写機22に対して印刷処理の実行を命令する印刷指示信号と、印刷対象となる画像データとが送信されると、複写機22はその印刷指示信号に応答して、印刷処理を実行する。
〈ハードウェア構成〉
[複写機22]
複写機22は、制御部24、スキャナ部30、画像処理装置32、プリンタ部34、操作パネル36、NIC(Network Interface Card)38、及び、電源制御部39を含む。
制御部24は、実質的にコンピュータであって、CPU40、ROM42、RAM44及びHDD46を含む。CPU40には、BUSライン26が接続されており、このBUSライン26には、ROM42、RAM44及びHDD46が電気的に接続される。CPU40は、操作パネル36及び外部装置である情報処理装置12等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、複写機22の各部の動作及び情報処理装置12との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM42又はHDD46に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM42又はHDD46から読出されてRAM44に転送される。CPU40は、CPU40内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM44内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU40はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM44、HDD46及びCPU40内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
本実施の形態において、HDD46には、複写機22の一般的な動作を実現するためのコンピュータプログラムとともに、後述する階調再現処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。このコンピュータプログラムは、ネットワーク20及びNIC38を介して外部装置から提供される。なお、このコンピュータプログラムは、そのコンピュータプログラムが記録された、例えばDVD等の記録媒体によって提供されてもよい。すなわち、コンピュータプログラムの記録媒体としてのDVDが、複写機22内に内蔵されるDVDドライブ(図示せず。)に装着され、そのDVDからコンピュータプログラムが読出されてHDD46にインストールされてもよい。このコンピュータプログラムにおける、階調再現処理を実現するためのプログラム構造については後述する。
BUSライン26には、さらに、スキャナ部30、画像処理装置32、プリンタ部34、操作パネル36、NIC38、及び、電源制御部39が電気的に接続される。
スキャナ部30は、原稿検知センサ及びCCD(Charge−Coupled Device)ラインセンサ(以上いずれも図示せず。)を含む。原稿検知センサは、ユーザによって手動で、又は、自動原稿搬送装置(図示せず。)によって、原稿載置台(図示せず。)上に載置された原稿の画像表面に対し光源(図示せず。)から光を照射することによって得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させる。CCDラインセンサは、結像された反射光像を順次光電変換して画像データとして画像処理装置32に対して出力する。すなわち、スキャナ部30は、原稿のコピー時又はスキャン時に、原稿載置台に載置される原稿から原稿検知センサによって画像情報を読取り、読取った画像情報をCCDラインセンサによって電気信号に変換して画像データとして画像処理装置32に対して出力する。本実施の形態において、スキャナ部30から出力される画像データは、RGB(R:赤、G:緑、B:青)の各色に対応するRGBアナログ信号である。
画像処理装置32は、MPU(Micro Processing Unit、図示せず。)を含む。画像処理装置32は、スキャナ部30、又は、情報処理装置12から入力される画像データ(以下「入力画像データ」と記す場合がある。)に対して、領域分離処理及び階調再現処理等の各種画像処理を施して所定の階調の印刷用画像データを作成し、プリンタ部34に対して出力する。画像処理装置32の詳細な構成については後述する。
プリンタ部34は、画像メモリ48及び印字部50を含む。画像メモリ48は、RAMを含み、画像データをページ単位で一時的に記憶する。画像メモリ48は、制御部24等からの指示に応じて、印字部50に送信するための、例えば、画像処理装置32から入力される印刷用画像データをページ単位で一時的に記憶し、記憶した印刷用画像データを印字部50による画像形成に同期して、印字部50に対して出力する。印字部50は、感光体ドラム、帯電器、LSU、現像装置、転写装置、クリーニング装置及び定着装置(以上いずれも図示せず。)、並びに、複写機22に着脱自在に装着されるトナーカートリッジを含む。印字部50は、さらに、複写機22に着脱自在に装着される、手差し給紙トレイ、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイ(以上いずれも図示せず。)を含む。これらの給紙トレイは、この順で上下に並ぶように設置され、記録用紙を保持し、用紙搬送部(図示せず。)に記録用紙を送給する。手差し給紙トレイは、ユーザが手動により所望の記録用紙を設置するためのトレイであり、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイは、異なる大きさの記録用紙を保持するためのトレイである。印字部50は、制御部24等からの指示に応じて、上記給紙トレイのいずれかから用紙搬送部を介して搬送される記録用紙上に、画像メモリ48から送信される画像データに基づく画像を印刷する。以下、本明細書において、LSUの移動方向を主走査方向とし、主走査方向に対して垂直な方向を副走査方向とする。また、以下に示す図面において、紙面左右方向(X方向)は主走査方向であり、紙面上下方向(Y方向)は副走査方向であるものとする。
操作パネル36は、液晶ディスプレイからなる表示出力部と、操作ボタン及びタッチパネル等からなる操作インターフェイス部とを含む。表示出力部は、複写機22の状態及び各種処理の状態に関する情報等の各種情報をユーザに提供する。操作インターフェイス部は、ユーザが複写機22を操作するためのインターフェイスを提供する。操作パネル36は、また、液晶ディスプレイとタッチパネルとを重ねて構成される、ユーザに対して対話的な操作インターフェイスを提供する。この対話的な操作インターフェイスは、タッチパネルから複写機22全体の動作に対するユーザの指示を受付けて、その指示の内容を液晶ディスプレイに表示するとともに、その指示に応じた制御信号を制御部24又は画像処理装置32のMPUに対して出力する。操作パネル36は、電源オン指示及び電源オフ指示を入力するための電源ボタン、画質調整モードに対する指示を入力するための画質調整キー、及び、印刷処理を開始させるための印刷キーを含む。操作パネル36は、また、回転角度を指定して画像の回転処理を行なうための回転キーを含む。本実施の形態において、回転キーによって指定可能な回転角度は、90度、180度及び270度のうちのいずれかである。これらの回転角度は時計回りの角度を示す。操作パネル36は、さらに、画像処理装置32にて生成された印刷用画像データをHDD46に一時的に記憶させるための一時保存キーを含む。HDD46に一時保存された印刷用画像データは、操作パネル36からの入力操作によって読出すことができる。
NIC38は、ネットワーク20とのインターフェイスをとる。複写機22は、このNIC38を介して、ネットワーク20上の情報処理装置12等の外部装置と、所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を行なう。
電源制御部39は、外部電源52と電気的に接続される。電源制御部39は、複写機22の各部の動作に必要な電力を外部電源52から取得し、取得した電力を複写機22の各部に供給する。
複写機22は、上述した各部を動作させることによって、操作パネル36からのユーザの入力操作による指示又は情報処理装置12等からの指示に応じて、原稿画像を読取り記録用紙に画像を印刷するコピーモード、情報処理装置12等から送信される画像データを受信して記録用紙に画像を印刷するプリンタモード、原稿画像を読取り情報処理装置12等に画像データを送信するスキャナモード、及び、画像データをHDD46に保存するドキュメントファイリングモード等の各種のモードのいずれかを実行する。
〈画像処理系の構成〉
制御部24のCPU40及び画像処理装置32のMPUは、スキャナ部30、画像処理装置32及びプリンタ部34の動作を制御することで、以下のようにして、入力画像データの入力及び印刷用画像データの出力等を含む一連の画像処理を実行する。なお、ここでは、スキャナ部30を、画像処理装置32に対して入力画像データを入力する入力装置として説明するが、情報処理装置12が入力装置として機能してもよい。図2は、画像処理の流れを示すブロック図である。図2を参照して、複写機22において、スキャナ部30、画像処理装置32及びプリンタ部34は、画像処理を行なうための画像処理系として機能する。
スキャナ部30は、上述したように、原稿のコピー時又はスキャン時に、原稿載置台に載置される原稿の画像情報を読取り、読取った画像情報を電気信号に変換して得られるRGBアナログ信号を、入力画像データとして画像処理装置32に対して出力する。
画像処理装置32は、A/D(アナログ/デジタル)変換部100、シェーディング補正部101、原稿種別自動判別部102、入力階調補正部103、色補正部104、領域分離処理部105、黒生成下色除去部106、空間フィルタ処理部107、出力階調補正部108、階調再現処理部109、及び、記憶部110を含む。
画像処理装置32は、制御部24のCPU40及び画像処理装置32のMPUによって制御される。画像処理装置32のMPUは、BUSライン26を介して制御部24と電気的に接続される。このMPUは、BUSライン26を介してROM42又はHDD46に記憶されるコンピュータプログラムを読出し、読出したコンピュータプログラムに従って、上述した画像処理装置32の各部を統括的に制御して各種処理を実行する。例えば、画像処理装置32は、スキャナ部30から入力されるRGBアナログ信号を、A/D変換部100、シェーディング補正部101、原稿種別自動判別部102、入力階調補正部103、色補正部104、領域分離処理部105、黒生成下色除去部106、空間フィルタ処理部107、出力階調補正部108、及び、階調再現処理部109の順に送り、各部において一連の処理を施した後、印刷用画像データとしてプリンタ部34に対して出力する。本実施の形態において、画像処理装置32から出力される印刷用画像データは、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック)の各色に対応するCMYKデジタル信号である。
A/D変換部100は、スキャナ部30から画像処理装置32に入力されるRGBアナログ信号をRGBデジタル信号に変換する。シェーディング補正部101は、A/D変換部100から入力されるRGBデジタル信号に対して、スキャナ部30の照明系、結像系、及び、撮像系で生じる各種の歪みを取り除くためのシェーディング補正処理を行なう。
原稿種別自動判別部102は、シェーディング補正部101から入力されるRGBデジタル信号(RGBの反射率信号)に対し、濃度信号等の、画像処理装置32に採用されている画像処理システムが扱いやすい信号に変換する処理を施すとともに、RGBデジタル信号を補色反転することで、CMYの各色に対応するCMYデジタル信号に変換する処理を施す。
原稿種別自動判別部102は、また、原稿画像が文字原稿であるか、写真原稿(印刷写真又は印画紙写真)であるか、又は、それらが組合さった文字/写真原稿であるかを判別する原稿種別判別処理を行なうとともに、原稿種別判別処理の結果に基づいて、原稿の種別を示す原稿種別判別信号を、入力階調補正部103、色補正部104、黒生成下色除去部106、空間フィルタ処理部107、及び、階調再現処理部109に対して出力する。
入力階調補正部103は、原稿種別自動判別部102から入力されるCMYデジタル信号に対し、カラーバランスを整える処理を施すとともに、原稿種別判別信号に基づいて、下地濃度の除去、及び、コントラスト等の画質調整処理を施す。上記した画質調整処理は、例えば、ユーザ等による操作パネル36の画質調整キーからの入力操作によって指示される画質調整モードにおける各設定内容に従って行なわれる。
色補正部104は、入力階調補正部103から入力されるCMYデジタル信号に対して、色を忠実に再現するために、不要吸収成分を含むトナー等のCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取除く色補正処理を行なう。
領域分離処理部105は、色補正部104から入力されるCMYデジタル信号に対して、画像データ中の画素毎に、文字領域、網点領域、及び、写真領域等の複数の領域に分離する領域分離処理を行なうとともに、領域分離処理の結果に基づいて、各画素がどの領域に属するのかを示す領域識別信号を、黒生成下色除去部106、空間フィルタ処理部107、及び、階調再現処理部109に対して出力する。
黒生成下色除去部106は、色補正部104から入力される、色補正処理後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成処理を行なう一方、元のCMYデジタル信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMYデジタル信号を生成する下色除去処理を行なう。これらの黒生成処理及び下色除去処理の結果、CMYの3色信号はCMYKの4色信号(以下「CMYKデジタル信号」と記す。)に変換される。
空間フィルタ処理部107は、黒生成下色除去部106から入力されるCMYKデジタル信号に対して、領域識別信号に基づいてデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行なうことで、空間周波数特性を補正して出力画像のぼやけ及び粒状性劣化を防ぐ。空間フィルタ処理部107は、領域分離処理部105において、黒文字又は場合によっては色文字として抽出され文字領域と判別されたCMYKデジタル信号に対して鮮鋭度強調処理を施して高域周波数成分における強調量を大きくすることで、黒文字又は色文字の再現性を高める。また、網点領域と判別されたCMYKデジタル信号に対してローパス・フィルタ処理を施すことで、入力網点成分を除去する。
出力階調補正部108は、空間フィルタ処理部107から入力されるCMYKデジタル信号に含まれる濃度信号等に対して、プリンタ部34の特性値である網点面積率を示す信号に変換する出力階調補正処理を行なう。この網点面積率は、原稿画像の画像濃度に相当する値である。
階調再現処理部109は、出力階調補正部108から入力されるCMYKデジタル信号に対して、領域識別信号に基づいて最終的に画像を画素に分割してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成処理)を施して印刷用画像データを生成する。階調再現処理部109は、例えば、領域分離処理部105において文字領域と判別されたCMYKデジタル信号に対して、高周波数再現に適した高解像のスクリーンでの二値化処理又は多値化処理を施す。また、網点領域であると判別されたCMYKデジタル信号に対して、階調再現性及び回転画像におけるドットゲインの差の減少を重視した、後述する回転用ディザスクリーンでの二値化処理又は多値化処理を施す。階調再現処理が施された印刷用画像データは、操作パネル36の一時保存キーが押下された場合には、HDD46に記憶され、押下されていない場合には、プリンタ部34に対して出力される。
記憶部110は、RAMを含むメモリからなる。記憶部110は、階調再現処理時に使用するための、回転用ディザスクリーンを含む各種スクリーンを記憶する。
図3は、回転用ディザスクリーンに基づくディザパターン300,310を示す図である。以下、画像濃度に対応する個々のディザパターンを区別する場合には、アルファベットa〜oを参照符号の末尾にそれぞれ付し、総称する場合は参照符号のみで表す。また、ディザパターン300の右側及びディザパターン310の下方に示す数値は、LSUの主走査方向(X方向)に対して並ぶ画素数を示す。
図3を参照して、ディザパターン300a〜300oは、アルファベット順に、対応する原稿画像の画像濃度が大きくなるように配置されている。ディザパターン310a〜310oは、これらのディザパターン300a〜300oを時計回りに90度回転したものである。例えば、ディザパターン300dは、LSUの主走査方向(X方向)に対して、1画素分、3画素分、及び、2画素分の着色画素がこの順に並んでおり、ディザパターン310dは、LSUの主走査方向(X方向)に対して、2画素分、3画素分、及び、1画素分の着色画素がこの順に並んでいる。この着色画素は、階調再現処理によってドットを記録する部分であると判定される画素を示し、感光体ドラム表面に静電潜像が形成される部分に相当する。すなわち、ディザパターン300は、静電潜像が形成される部分に相当する領域において、LSUの主走査方向(X方向)に並ぶ画素の数の順序が、ディザパターン310における画素の数の順序に対して、逆になるように設定されている。なお、ディザパターン300を時計回りに180度回転した場合のディザパターンにおける上記した画素の数の順序はディザパターン310と同じであり、ディザパターン300を時計回りに270度回転した場合のディザパターンにおける上記した画素の数の順序は、ディザパターン300と同じである。このようなディザパターン300を形成する回転用ディザスクリーンによって階調再現処理がなされた印刷画像は、異なる回転角度が指定された場合においても、互いにドットゲインにほとんど差のない状態で出力される。
以下、図4及び図5を用いて、回転用ディザスクリーンを使用することによって上記した効果が得られる理由について説明する。なお、図4及び図5に示す印刷用画像データは、一般的に使用される従来のディザスクリーンを使用して得られるものである。図4及び図5に示す印刷用画像データにおいて、着色された画素は、階調再現処理によってドットを記録する部分であると判定された画素を示す。印刷用画像データの右側に示す数値は、LSUの主走査方向(X方向)に対して並ぶ画素数を示す。
図4は、回転角度が0度の印刷用画像データ400及び回転角度が90度の印刷用画像データ410の一例を示す図である。図4を参照して、印刷用画像データ400,410は、3×3行列を形成して並ぶ9つの画素からなる。印刷用画像データ400は、回転角度が0度の場合、すなわち、回転角度が指定されていない場合にプリンタ部34に対して出力される印刷用画像データであって、第2行目に並ぶ3つの画素が着色されている。この印刷用画像データ400に基づく印刷画像を出力する場合、感光体ドラム表面には、LSUの主走査方向(X方向)に対して直線状に並ぶ3画素分の静電潜像が形成される。一方、印刷用画像データ410は、回転角度が90度の場合にプリンタ部34に対して出力される印刷用画像データであって、第2列目に並ぶ3つの画素が着色されている。この印刷用画像データ410に基づく印刷画像を出力する場合、感光体ドラム表面には、LSUの副走査方向(Y方向)に対して直線状に並ぶ3画素分の静電潜像が形成される。
すなわち、印刷用画像データ400に基づく静電潜像を形成する場合には、LSUの主走査方向(X方向)に対して、0画素分、3画素分、及び、0画素分の静電潜像がこの順に形成されるのに対し、印刷用画像データ410に基づく静電潜像を形成する場合には、LSUの主走査方向(X方向)に対して、1画素分、1画素分、及び、1画素分の静電潜像がこの順に形成される。このような印刷用画像データ400,410に基づく印刷画像は、LSUによる静電潜像形成及び現像特性における微小な違い等のために、同一の入力画像データに基づいて作成された印刷画像であるにもかかわらず、ドットゲインが大きく異なった状態で出力される。
図5は、回転角度が0度の印刷用画像データ500及び回転角度が90度の印刷用画像データ510の他の一例を示す図である。図5を参照して、印刷用画像データ500,510は、3×3行列を形成して並ぶ9つの画素からなる。印刷用画像データ500は、回転角度が0度の場合、すなわち、回転角度が指定されていない場合にプリンタ部34に対して出力される印刷用画像データであって、第2行目に並ぶ2つの画素と、第3行目における1つの画素とが着色されている。この印刷用画像データ500に基づく印刷画像を出力する場合、感光体ドラム表面には、LSUの主走査方向(X方向)に対して、直線状に並ぶ2画素分の静電潜像と、1画素分の静電潜像とがこの順に形成される。一方、印刷用画像データ510は、回転角度が90度の場合にプリンタ部34に対して出力される印刷用画像データであって、第2行目における1つの画素と、第3行目に並ぶ2つの画素とが着色されている。この印刷用画像データ510に基づく印刷画像を出力する場合、感光体ドラム表面には、LSUの主走査方向(X方向)に対して、1画素分の静電潜像と、直線状に並ぶ2画素分の静電潜像とがこの順に形成される。
すなわち、印刷用画像データ500に基づく静電潜像を形成する場合には、LSUの主走査方向(X方向)に対して、0画素分、2画素分、及び、1画素分の静電潜像がこの順に形成されるのに対し、印刷用画像データ510に基づく静電潜像を形成する場合には、LSUの主走査方向(X方向)に対して、0画素分、1画素分、及び、2画素分の静電潜像がこの順に形成される。このような印刷用画像データ500,510に基づく印刷画像は、ドットゲインにほとんど差のない状態で出力される。
上記したように、ドットゲインの差は、静電潜像が形成される部分において、LSUの主走査方向(X方向)に並ぶ画素の数の順序に関係して生じるものと考えられる。すなわち、静電潜像が形成される部分において、LSUの主走査方向(X方向)に並ぶ画素の数の順序が互いに逆になる場合に、ドットゲインの差が小さくなる。
図3に示したように、ディザパターン300は、静電潜像が形成される部分に相当する領域において、LSUの主走査方向(X方向)に並ぶ画素の数の順序が、90度、180度、及び、270度のうちのいずれかの回転角度で時計回りに回転させた状態のディザパターンにおける上記した画素の数の順序に対して、同一又は逆、すなわち回転対称になるように設定される15個のディザパターン300a〜300oからなる。したがって、ディザパターン300を形成する回転用ディザスクリーンを使用して階調再現処理を行なうことによって、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない印刷画像を常に得ることができる。
〈ソフトウェア構成〉
図6は、階調再現処理を実現するためのプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。上述したように、HDD46に記憶されるコンピュータプログラムは、階調再現処理を実行するようにプログラミングされている。このプログラムは、制御部24を実質的に構成するCPU40を含むコンピュータ及び画像処理装置32のMPUが、上記コンピュータプログラムに従って、複写機22の各部の動作を制御することによって、ハードウェアとコンピュータプログラムとの協働により実現する、階調再現処理機能等によって実行される。なお、階調再現処理機能とは、CMYKデジタル信号に対し、回転用ディザスクリーンを使用した階調再現処理を施して、印刷用画像データを生成する機能のことである。
階調再現処理を実現するためのプログラムは、出力階調補正部108にて生成されたCMYKデジタル信号が、階調再現処理部109に対して入力されることによって起動される。図6を参照して、このプログラムは、回転用ディザスクリーンを含む各種スクリーンを記憶部110から読出すステップS101と、読出した各種スクリーンを使用して階調再現処理を行なうステップS102とを含む。ステップS102において、領域分離処理部105において文字領域と判別されたCMYKデジタル信号に対しては、高周波数再現に適した高解像のスクリーンでの二値化処理又は多値化処理が施され、網点領域であると判別されたCMYKデジタル信号に対しては、回転用ディザスクリーンでの二値化処理又は多値化処理が施される。
このプログラムはさらに、操作パネル36の一時保存キーが押下されたか否かを判定するステップS103と、ステップS103において、一時保存キーが押下されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、階調再現処理後の印刷用画像データを、HDD46に記憶させるステップS104と、ステップS103において、一時保存キーが押下されていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、階調再現処理後の印刷用画像データを、プリンタ部34に対して出力するステップS105とを含む。
〈動作〉
図1〜図6を参照して、印刷システム10の複写機22は、以下のように動作する。なお、以下に示す動作を除く複写機22の一般的な動作は、従来の複写機の動作と同じである。
ユーザは、スキャナ部30の原稿載置台に所望の原稿を載置し、操作パネル36の一時保存キーを押下する。一時保存キーが押下されると、スキャナ部30は、原稿載置台に載置された原稿から画像情報を読取り、読取った画像情報に基づくRGBアナログ信号を入力画像データとして、画像処理装置32に対して出力する。画像処理装置32は、入力されたRGBアナログ信号を、A/D変換部100、シェーディング補正部101、原稿種別自動判別部102、入力階調補正部103、色補正部104、領域分離処理部105、黒生成下色除去部106、空間フィルタ処理部107、及び、出力階調補正部108の順に送ることで、各部において一連の画像処理を行なわせるとともに、生成したCMYKデジタル信号を階調再現処理部109に対して出力する。
階調再現処理部109は、回転用ディザスクリーンを含む各種スクリーンを記憶部110から読出し(S101)、読出した各種スクリーンを使用して階調再現処理を行なう(S102)。このとき、領域分離処理部105において文字領域と判別されたCMYKデジタル信号に対しては、高周波数再現に適した高解像のスクリーンでの二値化処理又は多値化処理が施され、網点領域であると判別されたCMYKデジタル信号に対しては、回転用ディザスクリーンでの二値化処理又は多値化処理が施される。
階調再現処理部109は、操作パネル36の一時保存キーが押下されたと判定し(S103にてYES)、階調再現処理後の印刷用画像データを、HDD46に記憶させる(S104)。
ユーザは、操作パネル36からの入力操作によってHDD46に記憶された印刷用画像データを読出すとともに、回転角度を指定せずに印刷キーを押下する。印刷キーが押下されると、制御部24は、読出された印刷用画像データをプリンタ部34に対して出力する。プリンタ部34は、用紙搬送部を介して搬送される記録用紙上に、印刷用画像データに基づく画像(以下「第1印刷画像」と記す。)を印刷する。
上記した印刷処理の実行後、ユーザは、再度、操作パネル36からの入力操作によってHDD46に記憶された印刷用画像データを読出すとともに、回転キーからの入力操作によって回転角度を90度に指定する。回転角度の指定後、ユーザは印刷キーを押下する。印刷キーが押下されると、制御部24は、読出された印刷用画像データに対し、指定された回転角度に応じた回転処理を施した後、回転処理後の印刷用画像データをプリンタ部34に対して出力する。プリンタ部34は、用紙搬送部を介して搬送される記録用紙上に、回転処理後の印刷用画像データに基づく画像(以下「第2印刷画像」と記す。)を印刷する。
図7は、第1印刷画像700及び第2印刷画像710を示す図である。図7を参照して、第1印刷画像700及び第2印刷画像710は、回転用ディザスクリーンを使用して階調再現処理が行なわれているので、ディザパターン300a〜300oのみからなる画像である。したがって、互いにドットゲインの差がなく、良好に中間調が再現されている。
〈作用・効果〉
上記実施の形態によれば、画像処理装置32は、回転用ディザスクリーンを予め記憶する記憶部110と、CMYKデジタル信号に対し、回転用ディザスクリーンを使用した階調再現処理を施して、印刷用画像データを生成する階調再現処理部109と、ユーザによって指定される回転角度を受付ける操作パネル36の回転キーと、印刷用画像データに対し、印刷用画像データに基づく印刷画像を受付けた回転角度で時計回りに回転させる回転処理を施す制御部24とを含み、回転用ディザスクリーンは、回転処理前の印刷用画像データに基づく印刷画像と、回転処理後の印刷用画像データに基づく印刷画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている。このように、回転処理前の印刷用画像データに基づく印刷画像と、回転処理後の印刷用画像データに基づく印刷画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている回転用ディザスクリーンを使用して階調再現処理を行なうので、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない印刷画像を常に得ることができる。したがって、回転処理前後の印刷用画像データに基づく多種多様な印刷画像において、階調性及び画質に差のない画像を常に形成できる。
また上記実施の形態によれば、操作パネル36の回転キーは、90度、180度及び270度のうちのいずれかの回転角度を受付ける。これにより、回転用ディザスクリーンを作成し易くなるので、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない印刷画像をより一層容易に得ることができる。また、回転処理時に制御部24にかかる負荷を低減することができるとともに、処理時間を短縮することができる。
また上記実施の形態によれば、回転用ディザスクリーンは、回転用ディザスクリーンに基づくディザパターン300における、ドットを記録する部分に相当する領域において主走査方向に並ぶ画素の数の順序が、所定の回転角度で時計回りに回転させた状態のディザパターン310における画素の数の順序に対して、回転対称になるように設定される。これにより、回転処理前の印刷用画像データに基づく印刷画像と、回転処理後の印刷用画像データに基づく印刷画像との間に生じるドットゲインの差をより一層確実に減少させることができるので、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない印刷画像をより一層確実に得ることができる。したがって、回転処理前後の印刷用画像データに基づく多種多様な印刷画像において、階調性及び画質に差のない画像をより一層確実に形成できる。
また上記実施の形態によれば、複写機22は、画像処理装置32と、入力画像データを作成し、作成した入力画像データを画像処理装置32に対して入力するスキャナ部30及び情報処理装置12と、画像処理装置32から出力される、回転処理前の印刷用画像データ又は回転処理後の印刷用画像データに基づく画像を出力するプリンタ部34とを含む。このように、複写機22は、画像処理装置32を含むので、指定された回転角度に影響されることなく、ドットゲインに差を生じない印刷画像を常に出力することができる。したがって、回転処理前後の印刷用画像データに基づく多種多様な印刷画像において、階調性及び画質に差のない画像を常に形成できる。
なお、上記実施の形態においては、入力装置として、スキャナ部30及び情報処理装置12が使用されたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、フラッドベッドスキャナ、フィルムスキャナ、又は、デジタルカメラが使用されてもよい。また、印刷システム10の一部として電子写真方式のデジタルカラー複写機22が使用されたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、インクジェット方式のものが使用されてもよいし、プリンタ機能のみを有するプリンタ、又は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を併せ持つデジタル複合機が使用されてもよい。また、モノクロ画像を形成する複写機が使用されてもよい。
また上記実施の形態においては、網点領域であると判別されたCMYKデジタル信号に対して回転用ディザスクリーンを使用した階調再現処理が行なわれたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、写真領域又は文字エッジ領域であると判別されたCMYKデジタル信号に対して行なわれてもよい。
また上記実施の形態においては、回転用ディザスクリーンに基づくディザパターン300は15個のディザパターンからなるものであったが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、30個のディザパターンからなるものであってもよい。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
10 印刷システム
12 情報処理装置
20 ネットワーク
22 デジタルカラー複写機
24 制御部
26 BUSライン
30 スキャナ部
32 画像処理装置
34 プリンタ部
36 操作パネル
38 NIC
39 電源制御部
100 A/D変換部
101 シェーディング補正部
102 原稿種別自動判別部
103 入力階調補正部
104 色補正部
105 領域分離処理部
106 黒生成下色除去部
107 空間フィルタ処理部
108 出力階調補正部
109 階調再現処理部
110 記憶部

Claims (7)

  1. 回転用ディザスクリーンを予め記憶する記憶手段と、
    入力画像データに対し、前記回転用ディザスクリーンを使用した階調再現処理を施して、出力画像データを生成する階調再現処理手段と、
    ユーザによって指定される回転角度を受付ける受付手段と、
    前記出力画像データに対し、前記出力画像データに基づく出力画像を受付けた前記回転角度で時計回りに回転させる回転処理を施す画像回転手段と、を含む画像処理装置において、
    前記回転用ディザスクリーンは、前記回転処理前の出力画像データに基づく出力画像と、前記回転処理後の出力画像データに基づく出力画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている、画像処理装置。
  2. 前記受付手段は、90度、180度及び270度のうちのいずれかの回転角度を受付ける、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記回転用ディザスクリーンは、前記回転用ディザスクリーンに基づくディザパターンにおける、ドットを記録する部分に相当する領域において主走査方向に並ぶ画素の数の順序が、所定の回転角度で時計回りに回転させた状態の前記ディザパターンにおける前記画素の数の順序に対して、回転対称になるように設定される、請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の画像処理装置と、
    入力画像データを作成し、作成した入力画像データを前記画像処理装置に対して入力する入力手段と、
    前記画像処理装置から出力される、回転処理前の出力画像データ又は回転処理後の出力画像データに基づく画像を出力する出力装置と、を含む、画像形成装置。
  5. 回転用ディザスクリーンを予め記憶するステップと、
    入力画像データに対し、前記回転用ディザスクリーンを使用した階調再現処理を施して、出力画像データを生成するステップと、
    ユーザによって指定される回転角度を受付けるステップと、
    前記出力画像データに対し、前記出力画像データに基づく出力画像を受付けた前記回転角度で時計回りに回転させる回転処理を施すステップと、を含む画像処理方法において、
    前記回転用ディザスクリーンは、前記回転処理前の出力画像データに基づく出力画像と、前記回転処理後の出力画像データに基づく出力画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている、画像処理方法。
  6. コンピュータにより実行されると、
    回転用ディザスクリーンを予め記憶するステップと、
    入力画像データに対し、前記回転用ディザスクリーンを使用した階調再現処理を施して、出力画像データを生成するステップと、
    ユーザによって指定される回転角度を受付けるステップと、
    前記出力画像データに対し、前記出力画像データに基づく出力画像を受付けた前記回転角度で時計回りに回転させる回転処理を施すステップと、を含む画像処理方法において、
    前記回転用ディザスクリーンは、前記回転処理前の出力画像データに基づく出力画像と、前記回転処理後の出力画像データに基づく出力画像との間に生じるドットゲインの差を減少させるように設定されている、画像処理方法を実行するように当該コンピュータを動作させる、コンピュータプログラム。
  7. 請求項6に記載のコンピュータプログラムを記録した、コンピュータ読取り可能な記録媒体。
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