JP2010219104A - 磁気メモリ素子、磁気メモリ、及びその製造方法 - Google Patents

磁気メモリ素子、磁気メモリ、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電流誘起磁壁移動現象を書き込み方法に採用したMRAMにおいて、磁壁移動の起こる磁性層に容易に磁壁を導入可能とする。
【解決手段】磁気メモリ素子70は、磁化自由層10と非磁性層20とリファレンス層30と磁化固定層群40と導電層50とを具備する。磁化自由層10は、垂直磁気異方性を有する強磁性体により構成され、第1磁化固定領域11aと、第2磁化固定領域11bと、第1磁化固定領域と第2磁化固定領域とに隣接した磁化自由領域12とを備える。第1磁化固定領域11a及び第2磁化固定領域11bは、互いに反平行方向に固定された磁化を有する。磁化固定層群40は、第1磁化固定領域11aと磁気的に結合した第1磁化固定層群40aと、第2磁化固定領域11bと磁気的に結合した第2磁化固定層群40bとを備える。導電層50は、第1磁化固定層群40aに隣接する。
【選択図】図1A

Description

本発明は、磁気メモリ素子、磁気メモリ、及びその製造方法に関する。特に本発明は磁壁移動を利用し、垂直磁気異方性を有する材料により構成された磁気メモリ素子、磁気メモリ、及びその製造方法に関する。
磁気メモリ、特に磁気ランダムアクセスメモリ(Magnetic Random Access Memory;MRAM)は高速動作、および無限回の書き換えが可能な不揮発性メモリとして動作することから一部で実用化が始まり、またより汎用性を高めるための開発が行われている。MRAMでは記憶素子として磁性体を用い、磁性体の磁化の向きに対応させて情報を記憶する。この磁性体の磁化をスイッチングさせる方法としていくつかの方式が提案されているが、いずれも電流を使う点では共通している。MRAMを実用化する上では、この書き込み電流をどれだけ小さくできるかが非常に重要であり、非特許文献1によれば0.5mA以下への低減、さらに好ましくは0.2mA以下への低減が求められている。これは書き込み電流が0.2mA程度まで低減されると、非特許文献1(IEEE Journal of Solid−State Circuits,vol.42,p.830(2007))で提案されている2T−1MTJ(two transistors−one magnetic tunnel junction)回路構成において最小レイアウトが可能となり、既存の揮発性メモリと同等以上のコストパフォーマンスを実現できるためである。
MRAMへの情報の書き込み方法のうちで最も一般的なのは、磁性記憶素子の周辺に書き込みのための配線を配置し、この配線に電流を流すことで発生する磁場によって磁性記憶素子の磁化の方向をスイッチングさせる方法である。この方法は磁場による磁化反転となるため、原理的には1ナノ秒以下での書き込みが可能であり、高速MRAMを実現する上では好適である。しかしながら熱安定性、外乱磁場耐性が確保された磁性体の磁化をスイッチングするための磁場は一般的には数10Oe(エールステッド)程度となり、このような磁場を発生させるためには数mA程度の電流が必要となる。この場合、チップ面積が大きくならざるを得ず、また書き込みに要する消費電力も増大するため、他のランダムアクセスメモリと比べて競争力で劣ることになる。これに加えて、素子が微細化されると、書き込み電流はさらに増大してしまい、スケーリングの点でも好ましくない。
近年このような問題を解決する手段として、以下の2つの方法が提案されている。一つ目はスピン注入磁化反転を用いる方法である。この方法は反転可能な磁化を有する第1の磁性層(磁化自由層)と、それに電気的に接続され、磁化が固定された第2の磁性層(リファレンス層)から構成された積層膜を用いる。この積層膜において、第2の磁性層(リファレンス層)と第1の磁性層(磁化自由層)の間で電流を流したとき、スピン偏極した伝導電子と第1の磁性層(磁化自由層)中の局在電子との間の相互作用を利用して第1の磁性層(磁化自由層)の磁化を反転させる方法である。読み出しの際には第1の磁性層(磁化自由層)と第2の磁性層(リファレンス層)との間で発現される磁気抵抗効果を利用する。従ってスピン注入磁化反転方式を用いたMRAMは2端子の素子となる。スピン注入磁化反転はある電流密度以上のときに起こることから、素子のサイズが小さくなれば、書き込みに要する電流は低減される。すなわちスピン注入磁化反転方式はスケーリング性に優れていると言うことができる。しかしながら、一般的に第1の磁性層(磁化自由層)と第2の磁性層(リファレンス層)の間には絶縁層が設けられている。そのため、書き込みの際には比較的大きな電流をこの絶縁層に流さなければならず、書き換え耐性や信頼性が課題となる。また、書き込みの電流経路と読み出しの電流経路が同じになることから、読み出しの際の誤書き込みも懸念される。このようにスピン注入磁化反転はスケーリング性には優れるものの、実用化にはいくつかの障壁がある。
一方で、二つ目の方法である電流誘起磁壁移動現象を利用した磁化反転方法は、スピン注入磁化反転の抱える上述のような問題を解決することができる。電流誘起磁壁移動現象を利用したMRAMは例えば特許文献1(特開2005−191032号公報)で開示されている。電流誘起磁壁移動現象を利用したMRAMは、一般的には反転可能な磁化を有する第1の磁性層(磁化自由層)において、その両端部の磁化が互いに略反平行となるように固定されている。このような磁化配置のとき、第1の磁性層内には磁壁が導入される。ここで、非特許文献2で報告されているように、磁壁を貫通する方向に電流を流したとき、磁壁は伝導電子の方向に移動することから、第1の磁性層(磁化自由層)内に電流を流すことにより書き込みが可能となる。情報を読み出す際には、磁壁が移動する領域に設けられる磁気トンネル接合を用い、磁気抵抗効果により読み出しを行う。従って、電流誘起磁壁移動方式を利用したMRAMは3端子の素子となり、上述の非特許文献1で提案されている2T−1MTJ構成とも整合する。電流誘起磁壁移動もある電流密度以上のときに起こることから、スピン注入磁化反転と同様にスケーリング性があると言える。これに加えて、電流誘起磁壁移動を利用したMRAM素子では、書き込み電流が磁気トンネル接合中の絶縁層を流れることはなく、また書き込み電流経路と読み出し電流経路は別となるため、スピン注入磁化反転で挙げられるような上述の問題は解決されることになる。
また非特許文献2(Physical Review Letters,vol.92,p.077205,(2004))では電流誘起磁壁移動に必要な電流密度として1×10[A/cm]程度を要している。この場合、例えば磁壁移動の起こる層(磁化自由層)の幅を100nm、膜厚を10nmとした場合の書き込み電流は1mAとなる。これは前述の書き込み電流に関する条件を満たすことができない。一方で、非特許文献3(Journal of Applied Physics,vol.103,p.07E718,(2008))で述べられているように、電流誘起磁壁移動が起こる強磁性層(磁化自由層)として垂直磁気異方性を有する材料を用いることによって、書き込み電流を十分小さく低減できることが報告されている。このようなことから、電流誘起磁壁移動を利用してMRAMを製造する場合、磁壁移動が起こる層(磁化自由層)としては垂直磁気異方性を有する強磁性体を用いることが好ましいと言える。
関連する技術として特開2006−73930号公報に磁壁移動を利用した磁気抵抗効果素子の磁化状態の変化方法及び該方法を用いた磁気メモリ素子、固体磁気メモリが開示されている。この磁気メモリ素子は、第一の磁性層と中間層と第二の磁性層とを有し、情報を第一の磁性層と、第二の磁性層との磁化の方向で記録する。磁気メモリ素子は、少なくとも一方の磁性層内に互いに反平行磁化となる磁区とそれらの磁区を隔てる磁壁を定常的に形成し、前記磁壁を磁性層内で移動させることで、隣り合う磁区の位置を制御して情報記録を行う。
また、特開2007−103663号公報に磁気素子、記録再生素子、論理演算素子および論理演算器が開示されている。この磁気素子は、第1の磁性層と、非磁性層と、第2の磁性層とを備える。第1の磁性層は、第1の方向と該第1の方向に対して反平行の第2の方向とのいずれかの方向に磁化可能な磁化可変領域を含み、自身の内部に電流を導入するための第1の電極を具備する。非磁性層は、前記第1の磁性層の前記磁化可変領域にその表面が接し、自身に所定の電位を付与するための第2の電極を具備する。第2の磁性層は、前記非磁性層の裏面に接し、その内部磁化が予め前記第1、第2の方向のいずれかの方向に固着しており、自身の電位を検出するための第3の電極を具備する。
特開2005−191032号公報 特開2006−73930号公報 特開2007−103663号公報
IEEE Journal of Solid−State Circuits,vol.42,p.830(2007). Physical Review Letters,vol.92,p.077205,(2004). Journal of Applied Physics,vol.103,p.07E718,(2008).
ところで、電流誘起磁壁移動現象を書き込み方法に採用したMRAMにおいては、上述の磁壁が導入される磁化自由層の両端部の磁化を反平行方向に固定する必要がある。この反平行方向に磁化が固定された磁化自由層の両端部位をそれぞれ第1磁化固定領域、第2磁化固定領域と呼ぶことにする。このときこれらの固定領域の磁化を所定方向に固定する方法としては、固定領域に隣接させて新たな強磁性層(磁化固定層群)を積層させることが考えられる。また、ここで積層される強磁性層は、第1磁化固定領域に積層される強磁性層(以下、第1磁化固定層群と記す)と、第2磁化固定領域に積層される強磁性層(以下、第2磁化固定層群と記す)とが反平行方向に固定される必要がある。しかし、同一プロセスでこれら第1磁化固定層群及び第2磁化固定層群を作製した場合、同一の磁気特性となることから、これらの磁化固定層群の磁化を反平行方向に向けることは困難であると言える。
加えて、上述の2T−1MTJ回路構成を用いて電流誘起磁壁移動現象を書き込み方法に採用したMRAMを設計する場合、書き込みのための2端子は磁性記憶素子に対して基板側にとり、一方読み出しのための1端子は磁性記憶素子に対して基板とは反対側にとることがセル面積の低減という観点からは好ましい。これは書き込みのための2端子は書き込み用のセルトランジスタに接続され、そのセルトランジスタは磁性記憶素子に対して基板側に配置されるためである。このことから読み出しに用いる磁気トンネル接合は磁壁移動の起こる磁化自由層に対して基板とは反対側に設けられることが好ましく、従って磁化自由層の第1磁化固定領域、第2磁化固定領域に隣接して設けられる第1磁化固定層群、第2磁化固定層群は磁化自由層に対しては基板側に設けられることが好ましいことになる。ここで、第1磁化固定層群と第2磁化固定層群の磁気特性を異ならせるためにそれらの間に膜厚差を設けた場合、磁化自由層を堆積させる面を平滑に保ち、かつ下部の配線と良好な導通をとることはプロセスの複雑化を招く。また第1磁化固定層群と第2磁化固定層群とで磁気特性を異ならせるために、それらに用いる材料を異ならせることも、プロセスの複雑化を招くため、好ましくない。
本発明の目的は、電流誘起磁壁移動現象を書き込み方法に採用したMRAMにおいて、磁壁移動の起こる磁性層(磁化自由層)に容易に磁壁を導入することのできる磁気メモリ素子、磁気メモリ、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の磁気メモリ素子は、磁化自由層と、非磁性層と、非磁性層に隣接したリファレンス層と、磁化固定層群と、導電層とを具備する。磁化自由層は、垂直磁気異方性を有する強磁性体により構成され、第1磁化固定領域と、第2磁化固定領域と、第1磁化固定領域と第2磁化固定領域とに隣接した磁化自由領域とを備える。第1磁化固定領域及び第2磁化固定領域は、互いに反平行方向に固定された磁化を有する。磁化固定層群は、第1磁化固定領域と磁気的に結合した第1磁化固定層群と、第2磁化固定領域と磁気的に結合した第2磁化固定層群とを備える。導電層は、前記第1磁化固定層群に隣接する。
本発明の磁気メモリは、上記の複数の磁気メモリ素子を具備する。
本発明の磁気メモリの製造方法は、隣り合う第1ビア及び第2ビアのうち、前記第1ビア上に導電層を形成するプロセスと、前記導電層及び前記第2ビアを覆うように磁性層を形成するプロセスと、前記磁性層をパターニングして、前記導電層及び前記第2ビア上にそれぞれ第1磁化固定層群及び第2磁化固定層群を形成するプロセスと、前記導電層、前記第1磁化固定層群、及び前記第2磁化固定層群を絶縁層で埋め込むプロセスと、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により平坦化して、前記第1磁化固定層群及び前記第2磁化固定層群の頭出しを行うプロセスと、磁化自由層と、非磁性層と、リファレンス層とを形成するプロセスとを具備する。
本発明を用いることにより、電流誘起磁壁移動現象を書き込み方法に採用したMRAMにおいて、磁壁移動の起こる磁性層(磁化自由層)に容易に磁壁を導入することのできる磁気メモリ素子、磁気メモリ、及びその製造方法を提供することができる。
図1Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の主要な部分の構造の一例を模式的に示す斜視図である。 図1Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の主要な部分の構造の一例を模式的に示す断面図である。 図1Cは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の主要な部分の構造の一例を模式的に示す平面図である。 図2Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の“0”のメモリ状態における磁化の状態を模式的に示す断面図である。 図2Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の“1”のメモリ状態における磁化の状態を模式的に示す断面図である。 図3Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子への“1”の書き込み方法を模式的に示す断面図である。 図3Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子への“0”の書き込み方法を模式的に示す断面図である。 図4Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子からの情報の読み出し方法を模式的に示す断面図である。 図4Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子からの情報の読み出し方法を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリセルの1ビット分の回路の構成の一例を示す回路図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリの構成の一例を示すブロック図である。 図7Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の一例を示す断面図である。 図7Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の一例を示す断面図である。 図7Cは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の一例を示す断面図である。 図7Dは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の一例を示す断面図である。 図7Eは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の一例を示す断面図である。 図7Fは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の一例を示す断面図である。 図8Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の他の一例を示す断面図である。 図8Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の他の一例を示す断面図である。 図8Cは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の他の一例を示す断面図である。 図8Dは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の他の一例を示す断面図である。 図8Eは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の他の一例を示す断面図である。 図8Fは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を製造する方法の他の一例を示す断面図である。 図9Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を初期化する方法の一例を示す断面図である。 図9Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子を初期化する方法の一例を示す断面図である。 図10Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態の構造を示すx−z断面図である。 図10Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態を初期化する方法の一例を示す断面図である。 図10Cは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態を初期化する方法の一例を示す断面図である。 図11Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図11Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図11Cは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図11Dは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図11Eは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図11Fは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図12は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第2の形態の構造を示すx−z断面図である。 図13Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第2の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図13Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第2の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図13Cは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第2の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図13Dは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第2の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図13Eは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第2の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図13Fは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第2の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図14は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第3の形態の構造を示すx−z断面図である。 図15Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第3の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図15Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第3の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図15Cは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第3の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図15Dは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第3の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図15Eは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第3の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図15Fは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第3の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。 図16Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の第2の変形例の構造を模式的に示す斜視図である。 図16Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の第2の変形例の構造を模式的に示すx−z断面図である。 図16Cは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の第2の変形例の構造を模式的に示すy−z断面図である。 図16Dは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の第2の変形例の構造を模式的に示すx−y断面図である。 図17Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第2変形例での“0”のメモリ状態における磁化の状態を模式的に示す断面図である。 図17Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第2変形例での“1”のメモリ状態における磁化の状態を模式的に示す断面図である。 図18は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の第3の変形例の構造を模式的に示す断面図である。 図19は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の第3の変形例の構造を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の磁気メモリ素子、磁気メモリ、及びその製造方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。本発明に係る磁気メモリは、アレイ状に配置された複数の磁気メモリセルを有しており、各磁気メモリセルは磁気メモリ素子を有している。
1.磁気メモリ素子の構造
図1A〜図1Cは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の主要な部分の構造の一例を模式的に示している。図1Aはその斜視図を、図1Bは断面図を、図1Cは平面図である。なお、図に示されているx−y−z座標系において、z軸は基板垂直方向を示し、x−y軸は基板平面に平行であるものとする。この磁気メモリ素子70は、磁化自由層10と非磁性層20とリファレンス層30と磁化固定層群40と導電層50を具備する。
磁化自由層10は強磁性体から構成される。好適には磁化自由層10は垂直磁気異方性を有する強磁性体から構成される。非磁性層20は非磁性体から構成される。リファレンス層30は強磁性体から構成される。磁化固定層群40は強磁性体を有する。導電層50は導電体から構成される。
次に磁化自由層10、リファレンス層30、磁化固定層群40の磁化構造について説明する。図1B、図1Cでは各層の磁化方向の例が矢印等で示されている。
磁化自由層10は図1Cに示されているように第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、及び磁化自由領域12を有している。また第1磁化固定領域11aと第2磁化固定領域11bは互いに反平行方向に固定された磁化を有している。一方磁化自由領域12は反転可能な磁化を有している。従って磁化自由層10が垂直磁気異方性を有しているとき、磁化自由領域12の磁化は第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11bのいずれか一方の磁化と平行方向を向き、他方と反平行方向を向くことになる。このとき、磁化自由領域12と第1磁化固定領域11aの境界、または磁化自由領域12と第2磁化固定領域11bの境界のいずれか一方に磁壁が形成される。
なお、図では磁化自由領域12の一方の端部に第1磁化固定領域11aが接続されており、他方の端部に第2磁化固定領域11bが接続されているが、磁化自由層10における第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、磁化自由領域12の位置関係はこの限りではない。例えば第1磁化固定領域11a、及び第2磁化固定領域11bの両方が磁化自由領域12の同じ一端に並んで接続して三叉路を形成するようにして設けられてもよい。あるいは、第1磁化固定領域11a、及び第2磁化固定領域11bの両方が磁化自由領域12の隣り合う二辺に接続して設けられてもよい。
磁化固定層群40は第1磁化固定層群40a、及び第2磁化固定層群40bから構成されている。このうち第1磁化固定層群40aは磁化自由層10における第1磁化固定領域11aと磁気的に結合して設けられている。また第2磁化固定層群40bは磁化自由層10における第2磁化固定領域11bと磁気的に結合して設けられている。
磁化固定層群40は好適には垂直磁気異方性を有する強磁性体を含有する。そして第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bはいずれも所定方向に固定された磁化を有する。図1Bでは第1磁化固定層群40aが+z方向に固定されており、一方、第2磁化固定層群40bが−z方向に固定されている例が示されている。ただし磁化固定層群40には面内磁気異方性を有する強磁性体を用いても本発明を実施することは可能である。なお、磁化固定層群40は強磁性体のみで構成される必要はなく、他の材料を内包していても構わない。いくつかの例は後述される。
導電層50は第1磁化固定層群40aと第2磁化固定層群40bのいずれか一方に隣接して設けられている。図1A、図1Bではこのうち導電層50が第1磁化固定層群40aに隣接して設けられる例が示されている。なお、第1磁化固定層群40aと第2磁化固定層群40bの定義には任意性があるので、ここでは導電層50は第1磁化固定層群40aに隣接して設けられるものとして説明する。このとき本実施の形態においては、第1磁化自由層群40aの合計膜厚と導電層50の膜厚との和が第2磁化自由層群40bの合計膜厚と等しくなることが好ましい。
非磁性層20とリファレンス層30の位置には任意性がある。図1A、図1Bでは非磁性層20は磁化自由層10のうちの磁化自由領域12に隣接して設けられ、リファレンス層30は非磁性層20に隣接して磁化自由層10とは反対側に設けられている例が示されている。ここで非磁性層20が絶縁性の材料から構成されている場合は磁化自由層10(の磁化自由領域12)、非磁性層20、及びリファレンス層30で磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction;MTJ)が形成される。ただし非磁性層20、リファレンス層30は必ずしも磁化自由層10に隣接して設けられていなくてもよい。隣接しない実施例のうちの一つは後述される。
また、より好適には、導電層50、磁化固定層群40、磁化自由層10はこの順に基板側から積層される。すなわち、導電層50の上部に第1磁化固定層群40aが隣接し、積層されて設けられる。また、第1磁化固定層群40aと第2磁化固定層群40bの上部に磁化自由層10が隣接して、積層されて設けられる。そして、図1Bで示されているように、導電層50、第2磁化固定層群40bはビアを介して下部の配線へと接続され、またリファレンス層30はビアを介して上部の配線へと接続される。
2.磁気メモリ素子のメモリ状態
図2A及び図2Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子の“0”、“1”それぞれのメモリ状態における磁化の状態を模式的に示す断面図である。図2Aは“0”状態における磁化の状態を、図2Bは“1”状態における磁化の状態を示している。なお、ここでは第1磁化固定領域11aの磁化は+z方向に固定され、第2磁化固定領域11bの磁化は−z方向に固定されているものとする。
いま、図2Aに示されるような“0”状態においては、磁化自由領域12の磁化は+z方向成分を有している。このとき第2磁化固定領域11bとの境界に磁壁DWが形成される。また、図2Bに示されるような“1”状態においては、磁化自由領域12の磁化は−z方向成分を有している。このとき、第1磁化固定領域11aとの境界に磁壁DWが形成される。ただし、図2A、図2Bで定義された磁化状態とメモリ状態の間の対応には任意性があり、この限りではないことは明らかである。
3.磁気メモリ素子への情報の書き込み方法
図3A及び図3Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子への情報の書き込み方法を模式的に示す断面図である。なお、図3A及び図3Bでは簡単のために非磁性層20、リファレンス層30は省略されている。いま、図2Aで定義された“0”状態において図3Aに矢印Iwriteで示された方向に書き込み電流を導入する。このとき伝導電子は第1磁化自由層10において第2磁化固定領域11bから磁化自由領域12を経由して第1磁化固定領域11aへと流れる。このとき第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界に形成された磁壁DWにはスピントランスファートルク(Spin Transfer Torque;STT)が働き、−x方向に移動する。すなわち電流誘起磁壁移動が起こる。ここで、第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12との境界よりも−x方向では、書き込み電流は、第1磁化固定層群40aへの流れ込みのために減少する。そのため、磁壁DWは第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12との境界で停止する。この状態は図2Bで定義された“1”状態に相当する。このようにして“1”書き込みを行うことができる。
また、図2Bで定義された“1”状態において図3Bに矢印Iwriteで示された方向に書き込み電流を導入する。このとき伝導電子は第1磁化自由層10において第1磁化固定領域11aから磁化自由領域12を経由して第2磁化固定領域11bへと流れる。このとき第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12との境界に形成された磁壁DWにはスピントランスファートルク(STT)が働き、+x方向に移動する。すなわち電流誘起磁壁移動が起こる。ここで、第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12との境界よりも+x方向では、書き込み電流は、第2磁化固定層群40bへの流れ込みのために減少する。そのため、磁壁DWは第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12との境界で停止する。この状態は図2Aで定義された“0”状態に相当する。このようにして“0”書き込みを行うことができる。
なお、“0”状態における“0”書き込み、及び“1”状態における“1”書き込みを行った場合には状態の変化は起こらない。すなわちオーバーライトが可能である。
4.磁気メモリ素子からの情報の読み出し方法
図4A及び図4Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子からの情報の読み出し方法を模式的に示す断面図である。本実施の形態においては主にトンネル磁気抵抗効果(Tunneling Magnetoresistive effect;TMR effect)を利用して情報の読み出しを行う。そのために第1磁化自由層10(の磁化自由領域12)、非磁性層20、及びリファレンス層30から構成される磁気トンネル接合(MTJ)を貫通する方向に電流Ireadを導入する。なおこのIreadの方向には任意性がある。
いま、図4Aに示されるように図2Aで定義された“0”状態において読み出し電流Ireadを導入したとき、当該MTJにおいて磁化は平行状態となっているので、低抵抗が実現される。また図4Bに示されるように図2Bで定義された“1”状態において読み出し電流Ireadを導入したとき、当該MTJにおいて磁化は反平行状態となっているので、高抵抗が実現される。このようにして、当該磁気メモリ素子に格納された情報は抵抗値の差として検出することができる。
5.磁気メモリセル及び磁気メモリの回路構成
図5は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリセルの1ビット分の回路の構成の一例を示す回路図である。この磁気メモリセル80の例では、磁気記憶素子70は3端子の素子であり、ワード線WL、グラウンド線GL、及びビット線対BLa、BLbに接続されている。例えば、リファレンス層30につながる端子は、読み出しのためのグラウンド線GLに接続されている。第1磁化固定層群40a、導電層50を経由して第1磁化固定領域11aにつながる端子は、トランジスタTRaのソース/ドレインの一方に接続され、ソース/ドレインの他方は、ビット線BLaに接続されている。第2磁化固定層群40bを経由して第2磁化固定領域11bにつながる端子は、トランジスタTRbのソース/ドレインの一方に接続され、ソース/ドレインの他方は、ビット線BLbに接続されている。トランジスタTRa、TRbのゲートは、共通のワード線WLに接続されている。
情報(データ)の書き込み動作時、ワード線WLはHighレベルに設定され、トランジスタTRa、TRbがONされる。また、ビット線対BLa、BLbのいずれか一方がHighレベルに設定され、他方がLowレベル(グラウンドレベル)に設定される。その結果、トランジスタTRa、TRb、及び第1磁化自由層10を経由して、ビット線BLaとビット線BLbとの間で書き込み電流が流れ、第1磁化自由層10に情報(データ)が書き込まれる。
情報(データ)の読み出し動作時、ワード線WLはHighレベルに設定され、トランジスタTRa、TRbがONされる。また、ビット線BLaはオープン状態に設定され、ビット線BLbはHighレベルに設定される。その結果、読み出し電流が、ビット線BLbからトランジスタTRb及び磁気メモリ素子70のMTJを貫通してグラウンド線GLへ流れる。これによって磁気抵抗効果を利用した読み出しが可能となる。
図6は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリの構成の一例を示すブロック図である。磁気メモリ90は、メモリセルアレイ91、Xドライバ92、Yドライバ93、コントローラ94を備えている。メモリセルアレイ91は、アレイ状に配置された複数の磁気メモリセル80を有している。磁気メモリセル80の各々は、図5に例示されるように、上述の磁気メモリ素子70を有している。各磁気メモリセル80は、ワード線WL、グラウンド線GL、及びビット線対BLa、BLbに接続されている。Xドライバ92は、複数のワード線WLに接続されており、それら複数のワード線WLのうちアクセス対象の磁気メモリセル80につながる選択ワード線を駆動する。Yドライバ93は、複数のビット線対BLa、BLbに接続されており、各ビット線をデータ書き込みあるいはデータ読み出しに応じた状態に設定する。コントローラ94は、データ書き込みあるいはデータ読み出しに応じて、Xドライバ92とYドライバ93のそれぞれを制御する。
6.磁気メモリ素子の製造方法
図7A〜図7Fは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子70を製造する方法の一例を示す断面図である。はじめに、層間絶縁層110に埋設され下配線へと接続されたビア(Via)が露出する基板上に、導電層50となる層50Aを堆積させる(図7A)。次に、成膜された層50Aをパターニングして導電層50を形成し、続いて磁化固定層群40となる層40Aを堆積させる(図7B)。このとき、導電層50が形成されているため、導電層50の上部は他の場所と比べて最表面の高さが高くなる。次に、成膜された層40Aをパターニングして第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bを形成し、続いて層間絶縁層120(例示:SiO)を堆積する。これにより、導電層50、第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bが層間絶縁層120に埋め込まれる(図7C)。
次に、図7Cの状態から化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)やイオンビームエッチング(Ion Beam Etching;IBE)によって研磨、エッチバックを行い、第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bの頭出しを行う。ここで注目すべきは、CMPを行うことによって平滑な表面が得られることである。これによって導電層50の膜厚と第1磁化固定層群40aの合計膜厚の和と、第2磁化固定層群40bの合計膜厚とを等しく形成することができる。また、平滑な平面により磁化自由層10の特性の劣化を防ぐことができ、信頼性を向上させることが可能となる。第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bの頭出しを行った後、磁化自由層10、非磁性層20、及びリファレンス層30となる層10A、20A、及び30Aを順次堆積させる(図7D)。次に、成膜された層30A及び20Aをパターニングしてリファレンス層30及び非磁性層20を形成し、続いて層間絶縁層130を堆積する(図7E)。最後に、成膜された層10Aを層間絶縁層130と共にパターニングして磁化自由層10を形成し、層間絶縁層140を堆積する(図7F)。以上の工程により、図1A〜図1Cに示されたような構造を形成することができる。
なお、本実施の形態は上記製造方法に限定されるものではない。例えば、図8A〜図8Fは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子70を製造する方法の他の一例を示す断面図である。はじめに、層間絶縁層110に埋設され下配線へと接続されたビア(Via)が露出する基板上に、導電層50となる層50Aを堆積させる(図8A)。次に、成膜された層50Aをパターニングして導電層50を形成し、続いて磁化固定層群40となる層40Aを堆積させる(図8B)。このとき、導電層50が形成されているため、導電層50の上部は他の場所と比べて最表面の高さが高くなる。次に、成膜された層40Aをパターニングして第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bを形成し、続いて層間絶縁層120(例示:SiO)を堆積する。これにより、導電層50、第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bが層間絶縁層120に埋め込まれる(図8C)。ここで、図8A〜図8Fの示される方法では、図7A〜図7Fに示される方法とは異なり、第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bを大きめに形成する。
次に、図8Cの状態から化学機械研磨(CMP)やイオンビームエッチング(IBE)によって研磨、エッチバックを行い、第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bの頭出しを行う。この後、磁化自由層10、非磁性層20、及びリファレンス層30となる層10A、20A、及び30Aを順次堆積させる(図8D)。次に、成膜された層30A及び20Aをパターニングしてリファレンス層30及び非磁性層20を形成し、続いて層間絶縁層130を堆積する(図8E)。最後に、成膜された層10Aを層間絶縁層130と共にパターニングして磁化自由層10を形成し、層間絶縁層140を堆積する(図8F)。ここで、磁化自由層10のパターニングを行う際、第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bも同形状でパターニングを行う。すなわち例えば磁化自由層10をIBEによってパターニングする場合、磁化自由層10のエッチングに続いて第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bもエッチングする。この場合も図1に示されたような構造を形成することができる。また、図8A〜図8Fに示された構造では磁化自由層10の外側まで第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bとオーバーラップするようにして形成することができる。
なお、本実施の形態では、図7A〜図7F、図8A〜図8Fを用いて本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子70の製造方法について説明したが、これ以外の方法を用いても磁気メモリ素子70を形成することは可能で有る。
7.磁気メモリ素子の初期化方法
図1A〜図1C、図2A〜図2Bで説明されたように、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子70では磁化自由層10に単一の磁壁DWを導入する必要がある。図9A及び図9Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子70を初期化する方法の一例を示す断面図である。ただし、図9A及び図9Bでは磁気メモリ素子70のうち、非磁性層20、リファレンス層30は分かり易さのために省略されている。
図7A〜図7Fまたは図8A〜図8Fに示された方法によって製造された磁気メモリ素子70においては、導電層50の膜厚と第1磁化固定層群40aの合計膜厚の和は第2磁化固定層群40bの合計膜厚と等しくなる。そのため、第1磁化固定層群40aの膜厚と第2磁化固定層群40bの膜厚との間には差が生ずる。本実施の形態においては、この第1磁化固定層群40aの膜厚と第2磁化固定層群40bの膜厚との差を用いてメモリ状態の初期化を行うことができる。
図9A及び図9Bは、そのうちの一つの例を示している。ここで、第1磁化固定層群40aと第2磁化固定層群40bとは単一の強磁性体から構成され、それらが垂直磁気異方性を有するとする。このとき、膜厚の差によって、磁気特性に差が生ずる。磁気特性の差の生じ方は材料によって異なるが、ここでは膜厚が厚いほど反転磁界が大きいケースを考えることとする。いま、初めに−z方向(基板下向き)に十分大きな磁界H1を印加する。このとき全領域の磁界は−z方向を向く。この状態が図9Aに示されている。次に、この状態から適当な大きさの磁界H2(<H1)を+z方向(基板上向き)に印加する。このとき、反転磁界の小さな磁化自由領域12、第1磁化固定層群40a、及び第1磁化固定領域11aは磁化反転し、磁化は上方向を向くが、第2磁化固定層群40bは反転磁界が大きいので下向き方向を維持し、第2磁化固定層群40bと磁気的に結合した第2磁化固定領域11bも下方向の磁化を維持することになる。この状態が図9Bに示されている。この場合、図9Bに示されるように磁化自由領域12と第2磁化固定領域11bとの境界に磁壁DWが導入されている。これは図2Aで説明した“0”状態に対応する。このようにして磁気メモリ素子70のメモリ状態を初期化することができる。
なお、ここで説明された方法は一例であって、これ以外の方法でも第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bの合計膜厚の違いを利用して外部磁界を利用することによりメモリ状態を初期化することができる。他の例のいくつかは後述される。
8.材料
次に磁化自由層10、非磁性層20、リファレンス層30、磁化固定層群40、及び導電層50に用いる材料について説明する。
磁化自由層10は前述の通り垂直磁気異方性を有する強磁性体により構成されることが好ましい。具体的にはFe−Pt合金、Fe−Pd合金、Co−Pt合金、Co−Pd合金、Tb−Fe−Co合金、Gd−Fe−Co合金、Tb−Fe合金、Tb−Co合金、Gd−Fe合金、Gd−Co合金、Co−Cr−Pt合金、Co−Re−Pt合金、Co−Ru−Pt合金、Co−W合金などの合金系材料のほか、Co/Pt積層膜、Co/Pd積層膜、Co/Ni積層膜、Co/Cu積層膜、Co/Ag積層膜、Co/Au積層膜、Fe/Pt積層膜、Fe/Pd積層膜、Fe/Au積層膜などの交互積層膜が例示される。この中で特に発明者らはCo/Ni積層膜を用いて制御性の高い電流誘起磁壁移動が実現できることを実験的に確認しており(Applied Phisics Express,vol.1,p.101303(2008))、この点でCo/Ni積層膜が磁化自由層10の好適な材料として挙げられる。
非磁性層20は絶縁性材料により構成されることが好ましい。具体的にはMg−O、Al−O、Al−N、Ti−Oなどが例示される。また、図1A〜図1Cに示されたような構成例の場合、非磁性層20と磁化自由層10との界面、及び、非磁性層20とリファレンス層30との界面、の少なくとも一方にスピン分極率の高い材料が挿入されてもよい。スピン分極率の高い材料としてはCo−Fe合金、Co−Fe−B合金などが例示される。
リファレンス層30は強磁性体から構成される。特に図1A〜図1Cに示されるような構成例ではリファレンス層30は垂直磁気異方性を有する強磁性体から構成され、かつその磁気特性はハードであることが好ましい。具体的に用いることのできる材料は磁化自由層10と同様であるので省略するが、上述の例のうちとくに磁気特性がハードであることが好ましいという観点からすると、Fe−Pt合金やCo/Pt積層膜、Co/Pd積層膜が好ましい。なお、図1A〜図1Cではリファレンス層30は単層の強磁性体から構成されるものとして描かれているが、複数の強磁性層や非磁性層を含んでいてもよい。例えば2層の強磁性層の間にRuを挟みこみ、RKKY相互作用によって反平行方向に磁化を結合させて固定してもよい。あるいはPtMnなどの反強磁性材料を隣接させて、磁化の固定をより強固にしてもよい。
磁化固定層群40は強磁性体を含有する。このうち図1A〜図1Cに示されるように磁化固定層群40が第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bから構成され、第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bがいずれも単一の強磁性体から構成される場合の例として、その材料は垂直磁気異方性を有する強磁性体により構成されてもよい。具体的に用いることのできる材料は、リファレンス層30と同様に磁化自由層10で例示した材料と重複するので省略する。
導電層50は導電性の材料であればあらゆる材料を用いることができる。具体的にはTa、W、Ti、Ru、Cu、Alなどが例示される。この他導電層50は強磁性体や反強磁性体により構成してもよい。強磁性体としてはFe、Co、Ni、及びこれらを含有する合金が例示される。また反強磁性体としてはPt−Mnなどが例示される。
9.効果
次に、本実施の形態で得られる効果について説明する。本実施の形態においては、電流誘起磁壁移動現象を書き込み方法に用いたMRAMにおいて、磁化自由層10に磁壁を容易に導入するために、磁化固定層群40として第1磁化固定層群40aと第2磁化固定層群40bとが設けられる。さらに第1磁化固定層群40aに隣接して導電層50が設けられる。そして導電層50の膜厚と第1磁化固定層群40aの合計膜厚との和は第2磁化固定層群40bの合計膜厚と等しく形成される。またこの構成を製造する際にCMPが用いられる。これによって下部配線との間で良好なコンタクトが得られると同時に磁化自由層10の成膜面は平滑に形成でき、加えて第1磁化固定層群40aと第2磁化固定層群40bの間で磁気特性を異ならせることができるため、磁化自由層10に容易に磁壁を導入することができる。
また下記に説明される本実施の形態の変形例を用いることによって、更に磁壁導入が容易な構成を比較的容易に製造することができる。すなわち、以上で説明された磁気メモリは以下のような変形例を用いても実施することができる。
10.第1の変形例
図10A〜図10C、図11A〜図11F、図12、図13A〜図13F、図14、図15A〜図15F(いずれも後述)は本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子70の第1の変形例の構造、及びそれらの製造方法を模式的に示している。第1の変形例は磁化固定層群40の膜構成、構造に係る。
図10Aは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態の構造を示すx−z断面図である。この第1の形態の磁気メモリ素子70においては、第1磁化固定層群40aは単一の強磁性体から構成され、一方第2磁化固定層群40bは第1強磁性層40b−1、第2強磁性層40b−2、及びそれらに挟まれた結合層40b−3から構成される。好適には第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bを構成する強磁性体は垂直磁気異方性を有する。第1磁化固定層群40aには導電層50が隣接している。導電層50の膜厚と第1磁化固定層群40aの合計膜厚との和は、第2磁化固定層群40bの合計膜厚に等しくなるように形成される。第1磁化固定層群40aは磁化自由層10における第1磁化固定領域10aと磁気的に結合している。第2磁化固定層群40bのうちの最上層である第1強磁性層40b−1は磁化自由層10における第2磁化固定領域10bと磁気的に結合している。第2磁化固定層群40bにおいて、第1強磁性層40b−1と第2強磁性層40b−2とは結合層40b−3を介して磁気的に結合している。この磁気結合の様式には任意性があり、図10Aでは反平行結合(フェリ結合)している状態が示されている。
図10Aに示された構造を用いることで、以下に示すように、磁壁の導入、すなわちメモリ状態の初期化がより容易になる。図10B及び図10Cは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態を初期化する方法の一例を示す断面図である。なお、ここでは第2磁化固定層群40bにおいて第1強磁性層40b−1と第2強磁性層40b−2とが反平行結合している場合を考える。また図10B及び図10Cにおいては非磁性層20及びリファレンス層30は省略して描かれており、また各強磁性層の磁化の方向は矢印で示されている。
はじめに、上方向(+z方向)に十分大きな磁界H1を印加する。このとき磁化自由層10、第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bを構成するいずれの強磁性層も+z方向を向く。この状態が図10Bに示されている。次に、この+z方向の磁界を緩やかに立ち下げる。このとき第1磁化固定領域11a、磁化自由領域12、第1磁化固定層群40aは+z方向の磁化を維持する。しかし第2磁化固定層群40bにおいては第1強磁性層40b−1と第2強磁性層40b−2が反平行結合をしているので、いずれか一方の層が−z方向を向く。ここで第1強磁性層40b−1は磁化自由層10における第2磁化固定領域11bと磁気的に結合しているので、第1強磁性層40b−1が反転するときには第2磁化固定領域11bも同時に反転する。ここで第1強磁性層40b−1、第2強磁性層40b−2、磁化自由層10の材料や膜厚を適切に調整することで、第1強磁性層40b−1と磁化自由層10における第2磁化固定領域11bが−z方向に反転するように設計することができる。このとき、磁化状態は図10Cに矢印で示されているようになり、磁化自由領域12と第2磁化固定領域11bとの境界に磁壁DWが導入できることがわかる。
第2磁化固定層群40bにおける結合層40b−3に用いることのできる材料としては様々な導電性の材料が考えられるが、第1強磁性層40b−1と第2強磁性層40b−2を反平行結合させるためにはRuなどのRKKY相互作用を発現する材料を用いることが好ましい。
次に、図10Aに示された構造の製造方法について説明する。図11A〜図11Fは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第1の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。図10Aに示されるような構造は図11A〜図11Fに示されるインテグレーションプロセスによって製造することができる。はじめに、層間絶縁層110に埋設され下配線へと接続されたビア(Via)が露出する基板上に、導電層50となる層50Aを堆積させる(図11A)。次に、成膜された層50Aをパターニングして導電層50を形成し、続いて磁化固定層群40となる層40−2A、40−3A、40−1Aを順次堆積させる(図11B)。このとき、導電層50が形成されているため、導電層50の上部は他の場所と比べて最表面の高さが高くなる。次に、成膜された層40−2A、40−3A、40−1Aをパターニングして第1磁化固定層群40a(第2強磁性層40a−2、結合層40a−3、第1強磁性層40a−1)、第2磁化固定層群40b(第2強磁性層40b−2、結合層40b−3、第1強磁性層40b−1)を形成し、続いて層間絶縁層120(例示:SiO)を堆積する。これにより、導電層50、第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bが層間絶縁層120に埋め込まれる(図11C)。
次に、図11Cの状態から化学機械研磨(CMP)やイオンビームエッチング(IBE)によって研磨、エッチバックを行い、第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bの頭出しを行う。ここで注目すべきは、CMPを行うことによって平滑な表面が得られることである。これによって導電層50の膜厚と第1磁化固定層群40aの合計膜厚との和と、第2磁化固定層群40bの合計膜厚とを等しく形成することができる。また、第1の変形例の第1の形態においては特に、第1磁化固定層群40aの部分のみは単一の強磁性層(第2磁化固定層群40bにおける強磁性層40b−2に相当)となるようにエッチバックを行う(第2磁化固定層群40bにおける結合層40b−3、第1強磁性層40b−1に相当する層はエッチングにより除去される)。これによって第1磁化固定層群40aは単一の強磁性層となり、一方で第2磁化固定層群40は第1強磁性層40b−1、第2強磁性層40b−2、結合層40b−3から構成される構造を形成することができる。第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bの頭出しを行った後、磁化自由層10、非磁性層20、リファレンス層30となる層10A、20A、及び30Aを順次堆積させる(図11D)。次に、成膜された層30A及び20Aをパターニングしてリファレンス層30及び非磁性層20を形成し、続いて層間絶縁層130を堆積する(図11E)。最後に、成膜された層10Aを層間絶縁層130と共にパターニングして磁化自由層10を形成し、層間絶縁層140を堆積する(図11F)。以上の工程により、図10Aに示されたような構造を形成することができる。
次に、図12は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第2の形態の構造を示すx−z断面図である。この第2の形態の磁気メモリ素子70においては、第1磁化固定層群40aは単一の強磁性層で構成されるが、第2磁化固定層群40bは第1強磁性層40b−1と第2強磁性層40b−2から構成される。導電層50の膜厚と第1磁化固定層群40aの合計膜厚との和は、第2磁化固定層群40bの合計膜厚と等しくなるように形成される。第1の変形例の第1の形態との相違点は、結合層40b−3が無いことである。そのため、第1強磁性層40b−1と第2強磁性層40b−2は隣接して設けられ、その間では例えば強磁性的な磁気結合が働いている。
この場合も第1磁化固定層群40a、磁化自由層10、第2磁化固定層群40bにおける第1強磁性層40b−1、第2強磁性層40b−2の材料、膜厚を適切に設計することによって磁化自由層10に磁壁を容易に導入することができる。例えば第1強磁性層40b−1と第2強磁性層40b−2から構成される第2強磁性層群40bが第1強磁性層群40aに比べて十分ハードになるように設計してもよいし、逆にソフトになるように設計してもよい。いずれの場合も磁壁の導入手順、すなわち初期化方法は図9A及び図9Bを用いて説明した方法と同様であるので省略する。
次に、図12に示された構造の製造方法について説明する。図13A〜図13Fは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第2の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。図12に示されるような構造は図13A〜図13Fに示されるインテグレーションプロセスによって製造することができる。はじめに、層間絶縁層110に埋設され下配線へと接続されたビア(Via)が露出する基板上に、導電層50となる層50Aを堆積させる(図13A)。次に、成膜された層50Aをパターニングして導電層50を形成し、続いて磁化固定層群40となる層40−2A、40−1Aを順次堆積させる(図13B)。このとき、導電層50が形成されているため、導電層50の上部は他の場所と比べて最表面の高さが高くなる。次に、成膜された層40−2A、40−1Aをパターニングして第1磁化固定層群40a(第2強磁性層40a−2、第1強磁性層40a−1)、第2磁化固定層群40b(第2強磁性層40b−2、第1強磁性層40b−1)を形成し、続いて層間絶縁層120(例示:SiO)を堆積する。これにより、導電層50、第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bが層間絶縁層120に埋め込まれる(図13C)。
次に、図13Cの状態から化学機械研磨(CMP)やイオンビームエッチング(IBE)によって研磨、エッチバックを行い、第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bの頭出しを行う。ここで注目すべきは、CMPを行うことによって平滑な表面が得られることである。これによって導電層50の膜厚と第1磁化固定層群40aの合計膜厚との和と、第2磁化固定層群40bの合計膜厚とを等しく形成することができる。また、第1の変形例の第2の形態においては特に、第1磁化固定層群40aの部分のみは単一の強磁性層(第2磁化固定層群40bにおける強磁性層40b−2に相当)となるようにエッチバックを行う(第2磁化固定層群40bにおける第1強磁性層40b−1に相当する層はエッチングにより除去される)。これによって第1磁化固定層群40aは単一の強磁性層となり、一方で第2磁化固定層群40は第1強磁性層40b−1、第2強磁性層40b−2から構成される構造を形成することができる。第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bの頭出しを行った後、磁化自由層10、非磁性層20、リファレンス層30となる層10A、20A、及び30Aを順次堆積させる(図13D)。次に、成膜された層30A及び20Aをパターニングしてリファレンス層30及び非磁性層20を形成し、続いて層間絶縁層130を堆積する(図13E)。最後に、成膜された層10Aを層間絶縁層130と共にパターニングして磁化自由層10を形成し、層間絶縁層140を堆積する(図13F)。以上の工程により、図12に示されたような構造を形成することができる。
次に、図14は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第3の形態の構造を示すx−z断面図である。この第3の形態の磁気メモリ素子70においては、図1Aで示された形態と同じく、第1磁化固定層群40aも第2磁化固定層群40bも単一の強磁性体により構成される。ただし、第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bのうちのいずれか一方でx−z断面において突出部が設けられる。図14では、第2磁化固定層群40bに突出部40b−zが設けられる例が示されている。また、導電層50の断面形状には任意性があるが、ここにも図示されているように突出部50−zが設けられてもよい。なお、この場合も導電層50の膜厚と第1磁化固定層群40aの合計膜厚との和が、第2磁化固定層群40bの合計膜厚と等しくなるように形成されることが好ましい。
図14に示されるような第1磁化固定層群40aと第2磁化固定層群40bのいずれか一方に突出部が設けられる構造を用いることによっても磁化自由層10に磁壁を容易に導入することができる。このメカニズムは以下のようにして説明される。すなわち第2磁化固定層群40bに突出部40b−zが設けられるとき、この突出部40b−zは磁気的にソフトになる。従って図14に示された構造において、初めに+z方向に十分大きな磁界Hを印加して第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40b、磁化自由層10のすべてを+z方向に磁化した後、適当な大きさの磁界(<H)を−z方向に印加すると、突出部40b−zの磁化は−z方向に磁化反転が起こり、これにつられて第2磁化固定層群40bの残りの部分も−z方向に磁化反転が起こる。厳密に言うと、はじめに突出部40b−zで磁化反転が起こり、突出部40b−zと残りの部分の間で磁壁が形成された後、その磁壁が残りの部分を伝播して第2磁化固定層群40b全体が−z方向へと反転する。次に、第2磁化固定層群40bが反転すると、第2磁化固定層群40bと磁気的に結合している磁化自由層10における第2磁化固定領域11bの磁化が反転し、磁化自由層10において磁化自由領域12と第2磁化固定領域11bの境界に磁壁が形成される。
次に、図14に示された構造の製造方法について説明する。図15A〜図15Fは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第1の変形例の第3の形態を製造する方法の一例を示す断面図である。図14に示されるような構造は図15A〜図15Fに示されるインテグレーションプロセスによって製造することができる。、層間絶縁層110に埋設され下配線へと接続されたビア(Via)が露出する基板上に、導電層50となる層50Aを堆積させる(図15A)。次に、成膜された層50Aをパターニングして導電層50を形成し、続いて磁化固定層群40となる層40Aを堆積させる(図15B)。このとき導電層50が形成されているため、導電層50の上部は他の場所と比べて最表面の高さが高くなる。次に、成膜された層40Aをパターニングして第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bを形成し、続いて層間絶縁層120(例示:SiO)を堆積する。これにより、導電層50、第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bが層間絶縁層120に埋め込まれる(図15C)。なお、第3の形態においては第1磁化固定層群40aと第2磁化固定層群40bの形状は最終的なサイズに比べて大きく形成しておく。
次に、図15Cの状態から化学機械研磨(CMP)やイオンビームエッチング(IBE)によって研磨、エッチバックを行い、第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bの頭出しを行う。ここで注目すべきは、CMPを行うことによって平滑な表面が得られることである。これによって導電層50の膜厚と第1磁化固定層群40aの合計膜厚との和と、第2磁化固定層群40bの合計膜厚とを等しく形成することができる。第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bの頭出しを行った後、磁化自由層10、非磁性層20、リファレンス層30となる層10A、20A、及び30Aを順次を堆積させる(図15D)。次に、成膜された層30A及び20Aをパターニングしてリファレンス層30及び非磁性層20を形成し、続いて層間絶縁層130を堆積する(図15E)。最後に、成膜された層10Aを層間絶縁層130と共にパターニングして磁化自由層10を形成し、層間絶縁層140を堆積する(図13F)。ここで磁化自由層10のパターニングを行う際、第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bも同形状でパターニングを行う。すなわち例えば磁化自由層10をIBEによってパターニングする場合には、磁化自由層10のエッチングに続いて第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bもエッチングする。そしてこのエッチングの際、第2磁化固定層群40bに突出部40b−zが形成されるようにエッチングを途中でストップする。以上の工程により、図14に示されたような構造を形成することができる。
11.第2の変形例
図16A〜図16Dは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子70の第2の変形例の構造を模式的に示している。図16Aはその斜視図を、図16Bはx−z断面図を、図16Cはy−z断面図を、図16Dはx−y断面図をそれぞれ示している。第2の変形例は当該磁気メモリ素子70の読み出し方法に関する。
この第2の変形例の磁気メモリ素子70は、磁化自由層10と非磁性層20とリファレンス層30と磁化固定層群40と第1導電層50と第2導電層60と補助磁化自由層10aとを具備する。磁化自由層10、磁化固定層群40の構造、磁化構造は図1A〜図1Cを用いて説明された形態と同一であるので説明は省略する。また第1導電層50は図1A〜図1Cにおける導電層50と同一であるのでこれも説明は省略する。
この第2の変形例の磁気メモリ素子70においては、非磁性層20とリファレンス層30が磁化自由層10に対して離れて設けられ、その間に第2導電層60と補助磁化自由層10aが挿入されることを特徴とする。補助磁化自由層10aは面内磁気異方性を有する強磁性体により構成される。また補助磁化自由層10aは反転可能な磁化を有する。そして補助磁化自由層10aはx−y面内において磁化自由層10における磁化自由領域12からずれるようにして設けられる。図16Dでは、このズレの方向は+y方向であるものとして描かれている。一般的には補助磁化自由層10aは磁化自由領域12に対して、x−y面内の任意の第1の方向にずれるようにして設けられる。非磁性層20は非磁性体から構成され、好適には非磁性の絶縁体から構成される。またリファレンス層30は強磁性体から構成される。なお、第2の変形例においてはリファレンス層30は面内磁気異方性を有する強磁性体により構成される。またリファレンス層30は面内の一方向において固定された磁化を有する。この磁化の固定方向は補助磁化自由層10aの磁化自由領域12からのズレの方向である第1の方向に平行であることが好ましく、少なくとも第1の方向成分を有している必要がある。第2導電層60は導電性の材料により構成される。そして好適には磁化自由層10、第2導電層60、補助磁化自由層10a、非磁性層20、リファレンス層30はこの準に積層して設けられる。補助磁化自由層10a、非磁性層20、リファレンス層30により磁気トンネル接合(MTJ)が形成される。
第2の変形例においては補助磁化自由層10aの磁化は磁化自由領域12の磁化と磁気的に結合している。言い換えると補助磁化自由層10aは磁化自由領域12の磁化方向に応じてその向きを変えることができる。そして補助磁化自由層10aの磁化の方向を補助磁化自由層10a、非磁性層20、リファレンス層30から構成されるMTJを用いて読み出すことができる。すなわち補助磁化自由層10aは磁化自由領域12のセンサーとして機能する。
図17A及び図17Bは、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子における第2変形例での“0”、“1”それぞれのメモリ状態における磁化の状態を模式的に示す断面図である。図17A及び図17Bのように補助磁化自由層10aが+y方向にずれて設けられる場合を考える。ここで、図17Aのように磁化自由領域12が+z方向に磁化している場合(“0”状態)、補助磁化自由層10aの位置においては磁化自由領域12からの漏洩磁界は+y方向となる。従って、補助磁化自由層10aの磁化は+y方向成分をとることになる。逆に、図17Bのように磁化自由領域12が−z方向に磁化している場合(“1”状態)、補助磁化自由層10aの位置においては磁化自由領域12からの漏洩磁界は−y方向となる。従って、補助磁化自由層10aの磁化は−y方向成分をとることになる。ここで、リファレンス層30がこの場合の第1の方向である+y方向に固定されていれば、図17A、図17Bの状態においてMTJの磁化配置はそれぞれ平行、反平行となるので、低抵抗状態、高抵抗状態として読み出すことができる。
上述のように、本実施の形態においては磁化自由層10は垂直磁気異方性を有する材料で構成されることが好ましいが、第2の変形例で説明したように磁化自由層10において垂直方向の磁化として格納された情報を面内磁気異方性を有するMTJによって読み出すことも可能である。
面内磁気異方性を有するMTJによって情報を読み出すことにより、読み出し信号強度となるTMR比として大きな値を得ることができる。これは近年Co−Fe−B/MgO系のMTJにおいて500%を超えるTMR比が報告されているが、このような高TMR比を発現することのできる材料を用いることができるためである。
次に、第2の実施の形態において用いることのできる材料について説明する。補助磁化自由層10aには面内磁気異方性を有する強磁性体を用いることができ、具体的にはCo−Fe−B合金などが例示される。また非磁性層20には非磁性体を用いることができ、Mg−Oなどが例示される。リファレンス層30には面内磁気異方性を有する強磁性体を用いることができ、具体的にはCo−Fe−B合金などが例示される。第2導電層60には導電性の材料を用いることができ、具体的にはTa、W、Ti、Ru、Cu、Alなどが例示される。
また、図16A〜図16D、図17A〜図17Bでは、第2導電層60、補助磁化自由層10a、非磁性層20、及びリファレンス層30は、磁化自由層10に対して+z方向、すなわち基板と反対側に設けられる例が示されているが、これは−z方向、すなわち基板側に設けられてもよい。また補助磁化自由層10aの磁化自由領域12に対するズレの方向である第1の方向は+y方向として描かれているが、これはx−y面内においてどの方向であっても構わない。
12.第3の変形例
図18及び図19は、本発明の実施の形態に係る磁気メモリ素子70の第3の変形例の構造を模式的に示す断面図である。本実施の形態においては磁化自由層10における第1磁化固定領域11aと第2磁化固定領域11bとはそれぞれ第1磁化固定層群40aと第2磁化固定層群40bと磁気的に結合していることを説明した。ここで、磁化自由層10と第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bは隣接していなくてもよい。具体的には図18に示されているように磁化自由層10の下面に隣接して下地層15が設けられてもよい。また、図19に示されているように磁化固定層群40の上面に隣接してキャップ層41が設けられていてもよい。
磁化自由層10、磁化固定層群40に隣接させて下地層15、キャップ層41を設けることによって、磁気特性を保護し、その特性を向上することができる。
下地層15には様々な材料を用いることができ、また複数の材料の積層膜として構成されてもよい。ここで先に磁化自由層10にCo/Ni積層膜を用いることで制御性の高い電流誘起磁壁移動を実現できることを述べたが、Co/Ni積層膜に良好な垂直磁気異方性を発現させるためには、その下地層としてTa/Pt積層膜を用いることが好ましい。つまり下地層15の好適な材料の一つとしてTa/Ptが例示される。
またキャップ層41は過度に抵抗が大きくない限り、様々な材料を用いることができる。具体的にはTaなどが例示される。
なお、これまで説明された実施の形態及びその各変形例の全ての技術は、技術的矛盾が発生しない限り、その一つ又は複数を組み合わせて実施の形態や他の変形例に適用することが可能である。
本発明の産業上の利用可能性として、携帯電話、モバイルパソコンやPDAに使用される不揮発性の半導体メモリ装置や、自動車などに使用される不揮発性メモリ内蔵のマイコンが挙げられる。
以上説明されたように、本発明では電流誘起磁壁移動現象を書き込み方法に採用したMRAMにおいて、第1磁化固定層群40a及び第2磁化固定層群40bの構成、あるいはその周辺構成を工夫することにより、磁壁移動の起こる磁性層(磁化自由層)に容易に磁壁を導入することが可能となる。特に、磁壁移動の起こる磁性層(磁化自由層10)に対して下側に前述の第1磁化固定層群40a、第2磁化固定層群40bを設ける構成において、下部の配線と良好なコンタクトを保ち、また磁化自由層10を堆積させる面を平滑に保った上で、磁化自由層10に容易に磁壁を導入することが可能となる。
本発明は上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。
10 磁化自由層
10A、20A、30A、40A、40−1A、40−2A、40−3A、50A 層
11a 第1磁化固定領域
11b 第2磁化固定領域
12 磁化自由領域
15 下地層
20 非磁性層
30 リファレンス層
40 磁化固定層群
40a 第1磁化固定層群
40b 第2磁化固定層群
40b−1、40a−1 第1強磁性層
40b−2、40a−2 第2強磁性層
40b−3、40a−3 結合層
41 キャップ層
50 (第1)導電層
60 第2導電層
70 磁気メモリ素子
80 磁気メモリセル
90 磁気メモリ
91 メモリセルアレイ
92 Xドライバ
93 Yドライバ
94 コントローラ
110、120、130、140 層間絶縁層

Claims (11)

  1. 磁化自由層と、
    非磁性層と、
    前記非磁性層に隣接したリファレンス層と、
    磁化固定層群と、
    導電層とを具備し、
    前記磁化自由層は、
    垂直磁気異方性を有する強磁性体により構成され、
    第1磁化固定領域と、
    第2磁化固定領域と、
    前記第1磁化固定領域と前記第2磁化固定領域とに隣接した磁化自由領域とを備え、
    前記第1磁化固定領域及び前記第2磁化固定領域は、互いに反平行方向に固定された磁化を有し、
    前記磁化固定層群は、
    前記第1磁化固定領域と磁気的に結合した第1磁化固定層群と、
    前記第2磁化固定領域と磁気的に結合した第2磁化固定層群とを備え、
    前記導電層は、前記第1磁化固定層群に隣接する
    磁気メモリ素子。
  2. 請求項1記載の磁気メモリ素子であって、
    前記導電層の膜厚と前記第1磁化固定層群の合計膜厚との和は、前記第2磁化固定層群の合計膜厚に等しい
    磁気メモリ素子。
  3. 請求項2記載の磁気メモリ素子であって、
    前記導電層、前記磁化固定層群、前記磁化自由層が基板側からこの順に積層して設けられる
    磁気メモリ素子。
  4. 請求項3記載の磁気メモリ素子であって、
    前記磁化固定層群が垂直磁気異方性を有する強磁性体を含有する
    磁気メモリ素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気メモリ素子であって、
    前記第1磁化固定層群と前記第2磁化固定層群の少なくとも一方は、
    第1強磁性層と、
    第2強磁性層と、
    前記第1強磁性層と前記第2強磁性層とに隣接した結合層とを含む
    磁気メモリ素子。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気メモリ素子であって、
    前記第1磁化固定層群と前記第2磁化固定層群の少なくとも一方は、
    第1強磁性層と、
    前記第1強磁性層に隣接した第2強磁性層とを含む
    磁気メモリ素子。
  7. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気メモリ素子であって、
    前記第1磁化固定層群と前記第2磁化固定層群のいずれか一方は、突出部を有する
    磁気メモリ素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の磁気メモリ素子であって、
    前記非磁性層は、前記磁化自由領域に隣接して設けられ、
    前記リファレンス層は、前記非磁性層に隣接して前記磁化自由領域とは反対側に設けられる
    磁気メモリ素子。
  9. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の磁気メモリ素子であって、
    前記磁化自由領域から基板平行平面において第1の方向にずれるようにして設けられた補助磁化自由層を更に具備し、
    前記非磁性層は、前記補助磁化自由層に隣接して設けられ、
    前記リファレンス層は、前記非磁性層に隣接して前記補助磁化自由層とは反対側に設けられる
    磁気メモリ素子。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の複数の磁気メモリ素子を具備する磁気メモリ。
  11. 隣り合う第1ビア及び第2ビアのうち、前記第1ビア上に導電層を形成するプロセスと、
    前記導電層及び前記第2ビアを覆うように磁性層を形成するプロセスと、
    前記磁性層をパターニングして、前記導電層及び前記第2ビア上にそれぞれ第1磁化固定層群及び第2磁化固定層群を形成するプロセスと、
    前記導電層、前記第1磁化固定層群、及び前記第2磁化固定層群を絶縁層で埋め込むプロセスと、
    CMP(Chemical Mechanical Polishing)により平坦化して、前記第1磁化固定層群及び前記第2磁化固定層群の頭出しを行うプロセスと、
    磁化自由層と、非磁性層と、リファレンス層とを形成するプロセスとを具備する
    磁気メモリの製造方法。
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