JP2010218356A - 記録制御装置、記録装置の制御方法、プログラム及び記録制御データ生成装置 - Google Patents

記録制御装置、記録装置の制御方法、プログラム及び記録制御データ生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インクを吐出してドットを形成する記録装置を、バーコードリーダーによる読み取り精度が高いバーコードを記録媒体に記録可能なように制御する。
【解決手段】記録ヘッド2からインクを吐出して記録媒体にドットを形成するインクジェットプリンター1を制御するホストコンピューター5において、ドットによってバーコードを記録するバーコード記録領域を検出するバーコード記録領域検出部30を備え、バーコード記録領域検出部30により検出したバーコード記録領域に含まれる各ドットを、記録ヘッド2によってインクを複数回重ねて吐出して形成させるようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクを吐出して記録媒体にドットを形成する記録装置を制御する記録制御装置、記録装置の制御方法、記録装置を制御するためのプログラム及び記録装置を制御するための記録制御データを生成する記録制御データ生成装置に関する。
従来、シート等の記録媒体にバーコードを記録するバーコード印刷システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開特開2002−150211号公報
上述したようなバーコード印刷システムにおいて、記録媒体にインクを吐出してドットを形成するインクジェット式の記録装置を用いて記録媒体にバーコードを記録する場合、バーコードの画像を構成する各ドットの面積が小さいと、バーコードの線幅が細り、バーコードリーダーによる読み取り精度が低くなる可能性がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、バーコードリーダーによる読み取り精度が高いバーコードを記録媒体に記録可能な記録制御装置、記録制御装置の制御方法、プログラム及び記録制御データ生成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にドットを形成する記録装置を制御する記録制御装置において、前記記録媒体にバーコードが記録されるバーコード記録領域を検出するバーコード記録領域検出部と、前記バーコード記録領域検出部により検出した前記バーコード記録領域に含まれる各ドットを、前記記録ヘッドによってインクを複数回重ねて吐出して形成させる記録制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、バーコード記録領域に含まれる各ドット、つまりバーコードの画像を構成する各ドットについて、インクが複数回重ねて吐出されて形成される。これにより、各ドットにおいてインクのにじみが促され、1回インクを吐出する場合と比較して、ドットの面積を大きくすることができる。これにより、バーコードの線幅を確保することができ、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
ここで、ドットを形成する際のインクの吐出量を大きくすることによってドットの面積を大きくすることを考えた場合、1回の吐出で大きなインクの吐出量を確保できるようなノズルを設計開発し、設けることが必要となるが、上記構成では、ノズルを設計開発し設けるためのコストを発生させることなく、バーコードの線幅を確保することができ、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
また、上記構成では、バーコードの画像を構成するドットを、インクを複数回重ねて吐出して形成する。このため、記録媒体に記録される全ての画像又はバーコードに係る画像以外の画像を含む画像を構成するドットを、インクを複数回重ねて吐出して形成した場合と比較して、バーコードの線幅を確保した上で画像の記録に必要なインクの吐出量を低減することができると共に、画像の記録にかかる時間を短縮できる。
ここで、上記発明の記録制御装置において、前記記録装置は、前記記録媒体を搬送方向に搬送する送り動作を行うと共に、前記記録ヘッドを主走査方向に走査させて、前記記録媒体にドットを形成し、前記記録制御部は、前記記録ヘッドに前記バーコード記録領域上を複数回走査させて、前記バーコード記録領域に含まれる各ドットを、前記記録ヘッドによってインクを複数回重ねて吐出して形成させるようにしてもよい。
この構成によれば、記録媒体を搬送方向に搬送する送り動作を行うと共に、記録ヘッドを主走査方向に走査させて、記録媒体にドットを形成する記録装置によって、確実に、バーコードの線幅を確保し、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
また、上記発明の記録制御装置において、前記バーコード記録領域検出部は、前記記録媒体に記録すべき画像のラスターデータから、前記バーコードの画像に係るラスターデータを検出し、検出した前記バーコードの画像に係るラスターデータに基づいて、前記バーコード記録領域を検出するようにしてもよい。
この構成によれば、バーコード記録領域検出部は、ラスターデータから、前記バーコードの画像に係るラスターデータを検出し、検出した前記バーコードの画像に係るラスターデータに基づいて、前記バーコード記録領域を検出することによって、好適にバーコード記録領域の検出ができる。
また、上記発明の記録制御装置において、前記記録媒体において前記バーコードが記録される領域についてユーザーが指示入力を行うための領域指示部を備え、前記バーコード記録領域検出部は、ユーザーによる前記領域指示部への指示入力に基づいて、前記バーコード記録領域を検出するようにしてもよい。
この構成によれば、ユーザーによる領域検出部への指示入力に基づいて、バーコード記録領域検出部は、確実かつ容易に、バーコード記録領域を検出することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にドットを形成する記録装置を制御して、前記記録媒体にバーコードが記録されるバーコード記録領域を検出し、検出した前記バーコード記録領域に含まれる各ドットを、前記記録ヘッドによってインクを複数回重ねて吐出して形成させる記録装置の制御方法を特徴とする。
この制御方法によれば、バーコード記録領域に含まれるドット、つまりバーコードの画像を構成する各ドットについて、インクが複数回重ねて吐出されて形成される。これにより、各ドットにおいてインクのにじみが促され、1回インクを吐出する場合と比較して、ドットの面積を大きくすることができる。これにより、バーコードの線幅を確保することができ、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にドットを形成する記録装置を制御するコンピューターにより実行されるプログラムであって、前記コンピューターを、前記記録媒体にバーコードが記録されるバーコード記録領域を検出するバーコード記録領域検出部と、前記バーコード記録領域検出部により検出した前記バーコード記録領域に含まれる各ドットを、前記記録ヘッドによってインクを複数回重ねて吐出して形成させる記録制御部と、として機能させることを特徴とする。
このプログラムによれば、バーコード記録領域に含まれるドット、つまりバーコードの画像を構成する各ドットについて、インクが複数回重ねて吐出されて形成される。これにより、各ドットにおいてインクのにじみが促され、1回インクを吐出する場合と比較して、ドットの面積を大きくすることができる。これにより、バーコードの線幅を確保することができ、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録制御データに基づき記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にドットを形成する記録装置によって使用される前記記録制御データを生成する記録制御データ生成装置において、前記記録媒体にバーコードが記録されるバーコード記録領域を検出するバーコード記録領域検出部と、前記バーコード記録領域検出部により検出した前記バーコード記録領域に含まれる各ドットを、前記記録ヘッドによってインクを複数回重ねて吐出して形成させる前記記録制御データを生成する記録制御データ生成部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、バーコード記録領域に含まれるドット、つまりバーコードの画像を構成する各ドットについて、インクが複数回重ねて吐出されて形成される。これにより、各ドットにおいてインクのにじみが促され、1回インクを吐出する場合と比較して、ドットの面積を大きくすることができる。これにより、バーコードの線幅を確保することができ、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
本発明によれば、バーコードの画像を構成する各ドットの面積を大きくし、バーコードの線幅を確保することができ、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
インクジェットプリンターが備える記録ヘッドを模式的に示す図。 インクジェットプリンターが備える記録ヘッドを模式的に示す図。 インクジェットプリンター及びホストコンピューターのブロック図。 画像が記録された状態の記録媒体の一例を示す図。 記録媒体のピクセルと、このピクセルに形成されるドットを示す図。 ホストコンピューターの動作を示すフローチャート。 多重吐出用記録制御データの構成を模式的に示す図。 インクジェットプリンターの動作を示すフローチャート。 第2実施形態に係るインクジェットプリンターのブロック図。 インクジェットプリンターの動作を示すフローチャート。 画像が記録された状態の記録媒体の一例を示す図。 第3実施形態に係るホストコンピューターの表示部を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1及び図2は、印刷装置であるインクジェットプリンター1の基本的な動作を説明するため、インクジェットプリンター1が備える記録ヘッド2を記録媒体3と共に模式的に示す図である。
インクジェットプリンター1は、記録媒体3を搬送方向(図1(A)の矢印Y1が示す方向)に搬送する送り動作を行うと共に、記録ヘッド2から記録媒体3にインクを吐出しつつ、記録ヘッド2を搬送方向と直交する主走査方向(図1(A)の矢印Y2が示す方向)に走査させて、記録媒体3に文字や図形、絵柄等の画像を記録するインクジェット式の記録装置である。
このインクジェットプリンター1は、ホストコンピューター5(図3)に接続されており、このホストコンピューター5から入力された記録制御データに基づいて記録媒体3に画像の記録を行う。記録制御データの内容については後述する。
記録媒体3としては、ロール状に巻かれたロール紙や、所定長さに切断されたカットシート、複数枚のシートが連接された連続シート等が挙げられる。これらの記録媒体3は、普通紙や、複写紙、厚紙等の紙類、合成樹脂製等のシートであり、これらのシートにコーティングや浸潤等の加工を施したものを用いることもできる。また、カットシートの形態としては、例えば、PPC用紙や葉書等の定形サイズのカット紙に加え、通帳等の複数のシートを綴じた冊子形態のものや、封筒等の袋状に成形されたものが挙げられる。また、連続シートの形態としては、例えば、幅方向両端にスプロケットホールが穿設され、所定長さ毎に折り畳まれた連続紙が挙げられる。
インクジェットプリンター1は、図1及び図2に示すように、主走査方向に往復走査可能なキャリッジ6を備えている。このキャリッジ6には、インクを貯留したインクカートリッジ(不図示)が複数搭載されている。本実施形態では、キャリッジ6には、C(シアン)、K(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)の4色のインクをそれぞれ貯留した4個のインクカートリッジが搭載されている。
キャリッジ6には、記録媒体3に向かってインクを吐出する記録ヘッド2が搭載されている。記録ヘッド2の先端面には、図1及び図2に示すように、インクを微細なインク粒として吐出するノズル穴7が多数開口している。記録ヘッド2は、例えばピエゾ素子を用いて構成されるアクチュエーターによって、インクカートリッジから供給されるインクを記録媒体3へ向かって押し出して、ノズル穴7から微細なインク粒を吐出する。
ノズル穴7は、4列のノズル列8−11をなして配置されている。各ノズル列8−11は、記録ヘッド2において搬送方向に延在して形成されると共に、各ノズル列8−11は、主走査方向に所定間隔をあけて並んで形成されている。これら4つのノズル列8−11は、それぞれ異なるインクカートリッジからインクが供給され、それぞれ異なる色のインクを吐出する構成となっている。本実施形態では、ノズル列8はC(シアン)のインクカートリッジから、ノズル列9はK(ブラック)のインクカートリッジから、ノズル列10はY(イエロー)のインクカートリッジから、ノズル列11はM(マゼンタ)のカートリッジから供給されたインクを吐出する構成となっている。
なお、図1及び図2では、説明の便宜のため、ノズル穴7を明示している。
図3は、インクジェットプリンター1及びこのインクジェットプリンター1を制御するホストコンピューター5の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、インクジェットプリンター1は、プリンター側制御部15と、モーター駆動回路16と、キャリッジ駆動モーター17と、媒体送りモーター18と、ヘッド駆動回路19と、入力部20と、表示部21と、インターフェイス部22と、を備えている。
プリンター側制御部15は、インクジェットプリンター1の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。
モーター駆動回路16は、キャリッジ駆動モーター17に接続され、プリンター側制御部15の制御の下、キャリッジ駆動モーター17に対して駆動電流や駆動パルスを出力し、キャリッジ駆動モーター17を回転させる。このキャリッジ駆動モーター17の回転に応じて、キャリッジ6が主走査方向を往復走査する。
また、モーター駆動回路16は、媒体送りモーター18に接続され、プリンター側制御部15の制御の下、媒体送りモーター18に対して駆動電流や駆動パルスを出力し、媒体送りモーター18を所定方向に所定量だけ回転させる。この媒体送りモーター18の回転に応じて、記録媒体3が搬送方向に搬送される。
ヘッド駆動回路19は、記録ヘッド2に接続され、プリンター側制御部15の制御の下、記録ヘッド2のアクチュエーターを動作させることにより、ノズル列8−11のノズル穴7から所定量のインクを吐出させる。
入力部20は、インクジェットプリンター1の筐体に設けられた操作スイッチ等に接続され、ユーザーによる操作スイッチ等の操作を検出し、検出した操作に対応する操作信号をプリンター側制御部15に出力する。
表示部21は、インクジェットプリンター1の筐体に設けられたLEDや液晶表示パネル等に接続され、プリンター側制御部15の制御の下、LEDや液晶表示パネル等に各種情報を表示する。
インターフェイス部22は、信号伝送ケーブル等を介してホストコンピューター5に接続され、プリンター側制御部15の制御の下、ホストコンピューター5との間で各種信号を送受信する。
ホストコンピューター5は、ホスト側制御部25と、表示部26と、入力部27と、インターフェイス部28と、を備えている。
ホスト側制御部25は、ホストコンピューター5の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。ホスト側制御部25は、バーコード記録領域検出部30を備えているが、これについては、後述する。
表示部26は、液晶表示パネルを備え、ホスト側制御部25の制御の下、ホスト側制御部25から入力される映像信号に係る画像を液晶表示パネルに表示する。なお、表示部26は、液晶表示パネルではなく、有機ELパネルやCRTを備えていてもよい。
入力部27は、マウスやキーボード等の入力デバイスに接続され、ユーザーによる入力デバイスの操作を検出し、検出した操作に対応する操作信号をホスト側制御部25に出力する。
インターフェイス部22は、信号電線ケーブル等を介してインクジェットプリンター1に接続され、ホスト側制御部25の制御の下、インクジェットプリンター1との間で各種信号を送受信する。
このホストコンピューター5には、プリンタードライバー等のインクジェットプリンター1を制御するためのプリンター制御用プログラムが記憶されており、ホストコンピューター5のホスト側制御部25は、プリンター制御用プログラムを読み出して、実行することにより、インクジェットプリンター1を制御する。つまり、ホストコンピューター5は、プリンター制御用プログラムに基づいてインクジェットプリンター1を制御する記録制御装置として機能する。
また、ホストコンピューター5は、記録制御データ生成部によりインクジェットプリンター1を制御するための記録制御データを生成し、当該記録制御データをインクジェットプリンター1に出力することによって、インクジェットプリンター1を制御する。つまり、ホストコンピューター5は、記録制御データを生成する記録制御データ生成装置として機能する。
次いで、図1及び図2を用いて、ホストコンピューター5の制御の下、インクジェットプリンター1が、記録媒体3に画像を記録する際の基本的な動作について説明する。
ここで、ホストコンピューター5では、所定のアプリケーションプログラムが動作しているものとする。このアプリケーションプログラムは、記録媒体3に記録可能な画像を表示部26の液晶表示パネルに表示する機能を有すると共に、ユーザーが当該画像を参照しつつ、マウスやキーボード等の入力デバイスを操作して、記録媒体3への画像の記録の開始を指示した場合、当該画像の画像データを、プリンター制御用プログラムに出力する機能を有する。
ユーザーによって画像の記録の開始が指示されると、プリンター側制御部15は、画像データに解像度変換処理、色補正処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理の各処理を行い、記録媒体3に記録すべき画像全体のラスターデータを生成し、記録制御データを生成する。この記録制御データは、インクジェットプリンター1に画像の記録に係る動作を行わせるデータであり、記録開始コマンド、走査コマンド、記録用ラスターデータ、送りコマンド及び送り量データを含んでいる。
記録開始コマンドは、画像の記録の開始を指示するデータである。
走査コマンドは、記録ヘッド2を走査させることを指示するデータである。この走査コマンドが入力された場合、プリンター側制御部15は、モーター駆動回路16を制御して、キャリッジ駆動モーター17駆動し、図1(A)に示す位置P1から図1(B)に示す位置P2まで記録ヘッド2を走査した後、再び位置P2から位置P1へ記録ヘッド2を走査する。位置P1は、記録媒体3においてドットD(図5)を形成することが可能な最大の記録領域の左端にドットDを形成できる記録ヘッド2の位置よりも左側に位置し、位置P2は、当該記録領域の右端にドットDを形成できる記録ヘッド2の位置よりも右側に位置する。プリンター側制御部15は、位置P1から位置P2へ記録ヘッド2を走査する場合、記録用ラスターデータに基づいて、適宜ノズル穴7からインクを吐出し、ピクセルP(図5)ごとにドットDを形成する。
記録用ラスターデータは、記録ヘッド2が位置P1から位置P2に走査する際にドットDが形成されるピクセルP(図5)について、ピクセルPごとに、C(シアン)、K(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)の各インクの吐出量を階調データで示すものである。ここで、ピクセルPとは、画像を構成する最小単位の画素のことであり、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、1つのピクセルPに対し、記録ヘッド2の各色のノズル穴7からそれぞれ所定量のインクを吐出して、当該ピクセルP内に所望の色のドットDを形成する。インクの量は、例えば0−255の256段階の階調データで表される。階調データ「255」は、記録媒体3に対して吐出可能な最大のインクの量を示し、階調データ「0」は、インクを吐出しないことを示す。
送りコマンドとは、記録媒体3を搬送方向に所定量だけ送ることを指示するデータであり、送り量データとは、上述の所定量を示すデータである。送りコマンドデータ及び送り量データが入力された場合、プリンター側制御部15は、モーター駆動回路16を制御して、媒体送りモーター18を駆動し、送り量データが示す所定量だけ記録媒体3を搬送方向に搬送する。
ホスト側制御部25は、記録制御データを生成した後、当該記録制御データをプリンター側制御部15に出力する。
ホストコンピューター5から記録制御データが入力されると、プリンター側制御部15は、記録制御データに含まれる走査コマンド及び記録用ラスターデータに基づいて、ノズル穴7から所定量のインクを吐出しつつ、図1(A)の位置P1から図1(B)の位置P2へ記録ヘッド2を走査させ、再び、インクを吐出しない状態で位置P2から位置P1へ記録ヘッド2を走査させる。これにより、記録領域R1(図1(B))に含まれる各ピクセルPについて、記録媒体3に記録すべき画像に応じたドットDが形成される。この記録領域R1の搬送方向における長さは、各ノズル列8−11のノズル列長T1(図1(A))によって規定される。
なお、搬送方向に延在するノズル列8−11が形成された記録ヘッド2を主走査方向に走査して画像の記録を行うため、ノズル列8−11において搬送方向に形成されたノズル穴7のピッチが、記録媒体3において搬送方向にピクセルPが形成されるピッチとなる。
次に、プリンター側制御部15は、記録制御データに含まれる送り量データに基づいて、搬送方向に記録媒体3を搬送する。ここで、通常の画像の記録の実行時においては、送り量は、ノズル列長T1と同一の値である。
次に、プリンター側制御部15は、再び、記録制御データに含まれる記録用ラスターデータに基づいて、各色のノズル穴7から所定量のインクを吐出しつつ、図2(A)の位置P1から図2(B)の位置P2へ記録ヘッド2を走査させた後、インクを吐出しない状態で位置P2から位置P1へ記録ヘッド2を走査させる。これにより、記録領域R1と連続する記録領域R2に含まれる各ピクセルPについて、画像に応じたドットDが形成される。
以上のように、プリンター側制御部15は、ホストコンピューター5から入力された記録制御データに基づいて、記録ヘッド2の主走査方向への走査とインクの吐出、記録媒体3の搬送方向への搬送を交互に繰り返すことによって、記録媒体3に画像に応じたドットDを形成する。
次いで、ホスト側制御部25が備えるバーコード記録領域検出部30について説明する。
なお、バーコード記録領域検出部30の機能は、ホスト側制御部25が備えるCPUが、プリンター制御用プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
ここで、バーコードとは、記録媒体3に記録された後、バーコードリーダーによって光学的に読み取られる識別子のことである。バーコードの具体的な例としては、一方向に延びる複数の線分によって、黒と空白の2色の領域を形成し、情報を表示するバーコード(JANコード、EAN、UPC、ITFコード、CODE39、CODE128、NW-7等)、及び、水平方向と垂直方向に並ぶ黒領域と空白領域とにより情報を表示する2次元コード(QRコード(登録商標)、PDF417、CODE49等)等が挙げられる。
図4は、バーコードの画像を含む画像が記録された状態の記録媒体3の一例を示す図である。以下、図4を用いて、本実施形態に係るバーコード記録領域検出部30の動作の一例について説明する。
なお、本実施形態では、一方向に延びる複数の線分を有するバーコードが記録媒体3に記録されるものとする。そして、バーコードは、図4に示すように、その線分が主走査方向に延びた状態で記録媒体3に記録されるものとする。また、図4において、A3は、記録媒体3に記録すべき画像の記録が開始される画像記録開始位置であり、A4は、当該画像の記録が終了する画像記録終了位置である。
バーコード記録領域検出部30は、記録媒体3に記録すべき画像にバーコードの画像が含まれる場合、記録媒体3の記録領域の中から、当該バーコードの画像を記録すべきバーコード記録領域B1を検出すると共に、バーコード記録開始位置A1と、バーコード記録終了位置A2とを検出する。バーコード記録開始位置A1とは、図4に示すように、記録媒体3においてバーコードの画像の記録を開始すべき搬送方向の位置であり、バーコード記録終了位置A2とは、記録媒体3においてバーコードの画像の記録を終了すべき搬送方向の位置である。本実施形態では、バーコード記録開始位置A1とバーコード記録終了位置A2とで挟まれた記録領域には、バーコードの画像以外の画像は記録されず、従って、バーコード記録開始位置A1とバーコード記録終了位置A2とで挟まれた記録領域がバーコード記録領域B1となる。
バーコード記録領域検出部30は、記録媒体3に記録すべき画像全体のラスターデータを取得し、1行分のラスターデータを順次解析する。1行分のラスターデータとは、行方向(主走査方向)に延びるピクセルPの1行分のデータのことであり、各ピクセルPにおける各色の階調データを含んでいる。そして、バーコード記録領域検出部30は、バーコードの色に該当する色のドットDが形成されるピクセルPが、行方向(主走査方向)に所定の数以上連続して出現する1行分のラスターデータを取得する。なお、バーコードの色は、例えば黒色(K(ブラック)の階調データが「250」〜「255」であり、他の色の階調データが「0」)等、予め定められているものとする。
次いで、バーコード記録領域検出部30は、取得した全ての1行分のラスターデータに基づいて、記録媒体3の記録領域内に、バーコードに該当する色を有する線分であって、主走査方向に延びる線分が、搬送方向に間隔をあけた状態で複数連続して現れるような記録領域が存在するか否かを判別する。そして、このような領域が存在すると判別した場合、バーコード記録領域検出部30は、当該記録領域において、記録媒体3が搬送され送られる方向の一端のラスターデータの印字位置をバーコード記録開始位置A1とし、逆の方向の一端のラスターデータの印字位置をバーコード記録終了位置A2とする。
このように、本実施形態では、バーコード記録領域検出部30は、バーコードの特徴、具体的には、バーコードの色に係る特徴及び主走査方向に延びる線分が、搬送方向に間隔をあけた状態で複数連続して現れるという特徴に基づいて、記録媒体3に記録すべき画像からバーコードの画像を検出し、検出したバーコードの画像に基づいて、自動で、バーコード記録領域B1を検出する。
なお、バーコード記録領域検出部30によるバーコード記録領域B1の検出方法は、上述した方法に限らない。例えば、既知のパターンマッチング等の手法により、記録媒体3に記録すべき画像からバーコードの画像を検出し、バーコード記録領域B1を検出するようにしてもよい。
図5は、記録媒体3のピクセルPと、このピクセルPに形成されたドットDとを模式的に示す図である。
ところで、記録媒体3に記録されたバーコードの画像は、バーコードリーダーによって読み取られる画像である。ここで、従来のインクジェット式のプリンターでは、図5(A)に示すように、バーコードの画像について、バーコードの画像に係るピクセルPの面積に比してドットDの面積が小さい場合、バーコードの線幅が細り、バーコードリーダーによる読み取り精度が低くなる可能性があった。特に、解像度が低くなればなるほど、相対的にピクセルPの面積がドットDの面積より大きくなり、バーコードリーダーによる読み取り精度が低くなる傾向がある。
これを踏まえ、本実施形態に係るホストコンピューター5は、以下の動作を実行することにより、読み取り精度の向上を図っている。
図6は、ホストコンピューター5の動作を示すフローチャートである。
このフローチャートが示す動作中、ホストコンピューター5のホスト側制御部25は、記録制御部として機能する。
まず、ホストコンピューター5のホスト側制御部25は、ユーザーによって記録媒体3への画像の記録が指示されたか否かを監視する(ステップSA1)。記録媒体3への画像の記録の開始が指示された場合(ステップSA1:YES)、ホスト側制御部25は、画像データに基づいて記録制御データの生成を開始する(ステップSA2)。
次に、ホスト側制御部25は、画像データに、解像度変換処理、色補正処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理等の各処理を行い、記録媒体3に記録すべき画像全体のラスターデータを生成する(ステップSA3)。次に、バーコード記録領域検出部30は、ステップSA3で生成したラスターデータを用いて、バーコード記録開始位置A1及びバーコード記録終了位置A2を検出することにより、バーコード記録領域B1を検出する(ステップSA4)。
次に、ホスト側制御部25は、ステップSA3で生成したラスターデータ、及び、ステップSA4で検出したバーコード記録開始位置A1及びバーコード記録終了位置A2に基づいて、以下のような記録制御データを生成し(ステップSA5)、生成した記録制御データをインクジェットプリンター1に出力する(ステップSA6)。
すなわち、記録制御データは、インクジェットプリンター1を、バーコード記録開始位置A1とバーコード記録終了位置A2とで囲まれたバーコード記録領域B1以外の記録領域に含まれるピクセルPついては、当該ピクセルPに対して対応するノズル穴7から1回ずつインクを吐出してドットDを形成するように動作させる一方、バーコード記録開始位置A1とバーコード記録終了位置A2とで囲まれるバーコード記録領域B1に含まれるピクセルPについては、当該ピクセルPに対して、対応するノズル穴7から、複数回重ねてインクを吐出してドットDを形成するように動作させるデータである。
なお、複数回重ねてインクを吐出してドットDを形成するとは、1つのピクセルPについて、当該ピクセルPに形成すべきドットDを形成するためのインクの吐出を、複数回繰り返して行うことを意味し、当該ピクセルPに形成すべきドットDを形成するために、各色のノズル穴7からそれぞれ1回ずつインクの吐出を行い、吐出したインクを重ねることを含まない。
なお、以下の説明では、上述したような動作をインクジェットプリンター1にさせるデータを含む記録制御データを、通常の画像の記録に係る動作をさせる記録制御データと区別して、「多重吐出用記録制御データ」という。
図7は、ステップSA5において生成された多重吐出用記録制御データの一例を模式的に示す図である。なお、図7に示す多重吐出用記録制御データは、記録媒体3に図4に示す画像を記録することを前提としたデータである。
図7に示すように、多重吐出用記録制御データは、第1コマンド群C1、第2コマンド群C2及び第3コマンド群C3の3つのコマンド群を備えている。
第1コマンド群C1は、インクジェットプリンター1に、記録媒体3の記録領域の内、バーコード記録領域B1に至る前の記録領域、すなわち、画像記録開始位置A3及びバーコード記録開始位置A1で囲まれた記録領域B2(図4)にドットDを形成させるコマンド群であり、上述した走査コマンド、記録用ラスターデータ、送りコマンド及び送り量データを含んでいる。
インクジェットプリンター1は、第1コマンド群C1に従って、上述のインクジェットプリンター1の基本的な動作で説明した動作を実行させて、記録領域B2に含まれるピクセルPに対して、対応するノズル穴7から1回ずつインクを吐出してドットDを形成させる。なお、図7に示すように、第1コマンド群C1に含まれる送り量データが示す送り量の値は「X」であるが、この「X」は、ノズル列長T1と同一の値である。
第2コマンド群C2は、インクジェットプリンター1に、バーコード記録開始位置A1とバーコード記録終了位置A2とで挟まれたバーコード記録領域B1に画像を記録させるコマンド群である。この第2コマンド群C2では、インクジェットプリンター1に、バーコード記録領域B1に含まれるピクセルPついて、各ピクセルPに対して、対応するノズル穴7から、複数回重ねてインクを吐出してドットDを形成するように動作させる。
ここで、当該動作の一例について図4を用いて説明する。なお、図4では、記録媒体3の左側に、記録媒体3に対するノズル列8−11の相対的な位置(位置P3〜位置P5)を模式的に示している。
ノズル列8−11が位置P3に対応する位置にあるとして、第2コマンド群C2は、記録領域D1に記録すべき画像に応じたドットDを形成するようインクを吐出させつつ、記録ヘッド2を走査させて、記録領域D1に画像に応じたドットDを形成させる。
次に、第2コマンド群C2は、ノズル列8−11が位置P4に対応する位置にくるよう記録媒体3を搬送させ、記録領域D2に記録すべき画像に応じたドットDを形成するようインクを吐出させつつ、記録ヘッド2を走査方向へ走査させる。位置P4は、ノズル列8−11の記録媒体3を送る方向の端部が、バーコード記録開始位置A1と重なるような、ノズル列8−11の位置である。この動作によって、記録領域D1と記録領域D2とが重なる記録領域に含まれるピクセルPについては、2回重ねてインクが吐出されてドットDが形成される。
次に、第2コマンド群C2は、ノズル列8−11が位置P5に対応する位置にくるよう記録媒体3を搬送し、記録領域D3に記録すべき画像に応じたドットDを形成するようインクを吐出させつつ、記録ヘッド2を走査方向へ走査させる。位置P5は、記録媒体3との相対的な位置関係において、ノズル列長T1分だけ記録媒体3が送られる方向と逆の方向に位置P3をずらした位置である。この動作によって、記録領域D2と記録領域D3とが重なる記録領域に含まれるピクセルPについて、2回重ねてインクが吐出されてドットDが形成される。なお、記録領域D2と記録領域D3とが重なる記録領域であって、バーコード記録終了位置A2よりも、記録媒体3が送られる方向と逆の方向の記録領域である記録領域D4については、インクの吐出を行わない。これにより、バーコード記録領域B1以外の記録領域に含まれるピクセルPについて、インクが複数回重ねて吐出されてドットDが形成されることが防止されている。
第2コマンド群C2に含まれる送り量データが示す送り量の値(図7の例では、「Y」や「Z」)は、インクジェットプリンター1にさせる動作に応じて適宜定められる。
第3コマンド群C3は、インクジェットプリンター1に、バーコード記録領域B1以降の記録領域、すなわち、バーコード記録終了位置A2及び画像記録終了位置A4で囲まれた記録領域B3にドットDを形成させるコマンド群である。この第3コマンド群C3は、第1コマンド群C1と同様のコマンド群であるため、その説明を省略する。
このように、バーコード記録領域B1に含まれるピクセルPについて、各ピクセルPにインクを複数回重ねて吐出してドットDを形成することにより、以下の効果を奏する。
すなわち、図5(B)に示すように、ピクセルP内においてインクのにじみが促され、1つのピクセルPに1回インクを吐出する場合と比較して、ピクセルPの面積に対するドットDの面積の相対的な大きさを大きくすることができる。これにより、バーコードの線幅を確保することができ、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
ここで、ドットDを形成する際のインクの吐出量を大きくすることによってドットDの面積を大きくすることを考えた場合、1回の吐出で大きなインクの吐出量を確保できるようなノズルを設計開発し、設けるためのコストが必要となるが、本実施形態では、上記のようなコストを発生させることなく、バーコードの線幅を確保することができ、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
また、本実施形態では、記録媒体3に記録される画像のうち、バーコードの画像に係るドットDのみを、インクを複数回重ねて吐出して形成する。このため、記録媒体3に記録される全ての画像、もしくは、バーコードに係る画像以外の画像を含む画像に係るドットDを、インクを複数回重ねて吐出して形成した場合と比較して、バーコードの線幅を確保した上で、画像の記録に必要なインクの吐出量を低減することができる。
次いで、ホストコンピューター5から多重吐出用記録制御データを含む記録制御データが入力されたインクジェットプリンター1の動作について図8を用いて説明する。
図8は、インクジェットプリンター1の動作を示すフローチャートである。
まず、インクジェットプリンター1のプリンター側制御部15は、ホストコンピューター5から記録制御データが入力されたか否かを監視する(ステップSB1)。記録制御データが入力された場合(ステップSB1:YES)、プリンター側制御部15は、走査コマンドによって記録ヘッド2の走査に伴う画像の記録が指示されているか否かを判別する(ステップSB2)。走査コマンドによって画像の記録が指示されている場合(ステップSB2:YES)、プリンター側制御部15は、記録制御データに含まれる記録用ラスターデータに基づいて、適宜ノズル穴7からインクを吐出しつつ記録ヘッド2を走査し、記録媒体3に記録すべき画像に対応するドットDを形成して、記録媒体3に画像を記録する(ステップB3)。一方、走査コマンドによって画像の記録が指示されていない場合(ステップSB2:NO)、プリンター側制御部15は、処理手順をステップSB4へ移行する。
ステップSB4では、プリンター側制御部15は、送りコマンドによって記録媒体3の搬送方向への搬送が指示されているか否かを判別する(ステップSB4)。送りコマンドによって記録媒体3の搬送方向への搬送が指示されている場合、プリンター側制御部15は、記録制御データに含まれる送り量データが示す送り量分、記録媒体3を搬送方向へ搬送する(ステップSB5)。一方、送りコマンドによって記録媒体3の搬送方向への搬送が指示されていない場合(ステップSB4:NO)、プリンター側制御部15は、処理手順をステップSB6へ移行する。
ステップSB6では、プリンター側制御部15は、画像の記録が終了したか否かを判別する。プリンター側制御部15は、さらに走査コマンドや送りコマンドによって画像の記録や送り動作の実行が指示されていれば、画像の記録が終了していないと判別し、そうでない場合は、画像の記録が終了していると判別する。画像の記録が終了していない場合(ステップSB6:NO)、プリンター側制御部15は、処理をステップSB2へ戻す。一方、画像の記録が終了している場合(ステップSB6:YES)、プリンター側制御部15は、処理を終了する。
ここで、ホストコンピューター5からインクジェットプリンター1に多重吐出用記録制御データが入力された場合、当該多重吐出用記録制御データに基づいて、図8のフローチャートに示す動作が実行されることにより、バーコード記録領域B1に含まれるピクセルPについて、各ピクセルPにインクを複数回重ねて吐出してドットDが形成される。
以上説明したように、本実施形態に係るホストコンピューター5は、記録ヘッド2からインクを吐出して記録媒体3にドットDを形成するインクジェットプリンター1を制御する。そして、ホストコンピューター5は、記録媒体3においてドットDによってバーコードを記録するバーコード記録領域B1を検出するバーコード記録領域検出部30を備え、インクジェットプリンター1に、バーコード記録領域検出部30により検出したバーコード記録領域B1に含まれる各ドットDを、記録ヘッド2によってインクを複数回重ねて吐出して形成させるという動作を行わせるための制御データを生成し、当該制御データをインクジェットプリンター1に出力し、当該動作をインクジェットプリンター1に行わせる。
これによれば、1つのピクセルPにインクを複数回重ねて吐出することによって、ピクセルP内においてインクのにじみが促され、1つのピクセルPに1回インクを吐出する場合と比較して、ピクセルPの面積に対するドットDの面積の相対的な大きさを大きくすることができる。これにより、バーコードの線幅を確保することができ、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
ここで、ドットDを形成する際のインクの吐出量を大きくすることによってドットDの面積を大きくすることを考えた場合、1回の吐出で大きなインクの吐出量を確保できるようなノズルを設計開発し、設けるためのコストが必要となるが、本実施形態では、上記のようなコストを発生させることなく、バーコードの線幅を確保することができ、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
また、本実施形態では、記録媒体3に記録される画像のうち、バーコードの画像に係るドットDを、インクを複数回重ねて吐出して形成する。このため、バーコードの線幅を確保した上で、記録媒体3に記録される全ての画像、もしくは、バーコードに係る画像以外の画像を含む画像に係るドットDを、インクを複数回重ねて吐出して形成した場合と比較して、画像の記録に必要なインクの吐出量を低減することができ、さらに、画像の記録にかかる時間を短縮化できる。
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、記録媒体3を搬送方向に搬送する送り動作を行うと共に、記録ヘッド2を主走査方向に走査させて、記録媒体3にドットDを形成し、ホスト側制御部25は、記録ヘッド2にバーコード記録領域B1上を複数回走査させて、バーコード記録領域B1に含まれる各ドットDを、記録ヘッド2によってインクを複数回重ねて吐出して形成させる。
この構成によれば、上述した構成を有するインクジェットプリンター1によって、確実に、バーコードの線幅を確保し、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができる。
また、本実施形態では、バーコード記録領域検出部30は、記録媒体3に記録すべき画像のラスターデータから、バーコードの画像に係るラスターデータを検出し、検出したバーコードの画像に係るラスターデータに基づいて、バーコード記録領域B1を検出する。具体的には、バーコード記録領域検出部30は、記録媒体3に記録すべき画像全体のラスターデータを取得し、1行分のラスターデータを順次解析する。そして、バーコード記録領域検出部30は、バーコードの色に該当する色のドットDが形成されるピクセルPが、行方向(主走査方向)に所定の数以上連続して出現する1行分のラスターデータを取得する。次に、バーコード記録領域検出部30は、取得した全ての1行分のラスターデータに基づいて、記録媒体3の記録領域内に、バーコードに該当する色を有する線分であって、主走査方向に延びる線分が、搬送方向に間隔をあけた状態で複数連続して現れるような記録領域が存在するか否かを判別する。そして、このような記録領域が存在すると判別した場合、バーコード記録領域検出部30は、当該記録領域において、記録媒体3が搬送され送られる方向の一端のラスターデータの印字位置をバーコード記録開始位置A1とし、逆の方向の一端のラスターデータの印字位置をバーコード記録終了位置A2とする。そして、このバーコード記録開始位置A1とバーコード記録終了位置A2とで挟まれた記録領域がバーコード記録領域B1である。
この構成によれば、バーコード記録領域検出部30は、好適にバーコード記録領域B1の検出ができる。
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態に係るインクジェットプリンター1Bの機能的構成を示すブロック図である。なお、図9において、図3に示す構成要素と同じものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態に係るインクジェットプリンター1Bのプリンター側制御部15は、バーコード記録領域検出部30を備えている。そして、インクジェットプリンター1Bには、例えば、インターフェイス部22を介して接続されたスキャナーやコンピューター等の外部機器から、直接、画像データが入力される。インクジェットプリンター1Bは、入力された画像データに対し、第1実施形態におけるホストコンピューター5と同様、解像度変換処理、色補正処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理の各処理を行うと共に、バーコード記録領域B1を検出する。そして、インクジェットプリンター1Bのプリンター側制御部15は、インクジェットプリンター1Bの各部を制御して、第1実施形態と同様、バーコード記録領域B1に含まれるピクセルPについて、各ピクセルPにインクを複数回重ねて吐出してドットDを形成する。
このように、ホストコンピューター5の制御によることなく、インクジェットプリンター1B単独でバーコード記録領域B1に含まれるピクセルPについて、各ピクセルPにインクを複数回重ねて吐出してドットDを形成した場合であっても、第1実施形態で挙げた効果と同様の効果を奏することができる。
以下、図10及び図11を用いて、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の動作の一例について説明する。
図10は、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の動作を示すフローチャートである。図11は、図10のフローチャートが示す動作の説明に用いる図であり、画像が記録された状態の記録媒体3を示すと共に、記録媒体3の左側に、記録媒体3に対するノズル列8−11の相対的な位置を模式的に示している。
なお、図10のフローチャートの開始時点では、プリンター側制御部15に対し、画像データが入力され、当該画像データに対し、記録媒体3に画像を記録するための各種処理が実行され、当該画像に係るラスターデータが生成されているものとする。
まず、プリンター側制御部15は、変数Bstartに記録媒体3におけるバーコード記録開始位置A1を示す値を格納すると共に、変数dataLengthに、記録媒体3の画像の画像記録終了位置A4を示す値を格納する(ステップSC1)。
次に、プリンター側制御部15は、正の整数を格納する変数nに「1」を格納する(ステップSC2)。
次に、プリンター側制御部15は、ノズル列長T1に変数nを乗じたものが、変数Bstartを下回るか否かを判別する(ステップSC3)。ノズル列長T1に変数nを乗じたものが変数Bstartを下回る場合(ステップSC3:YES)、プリンター側制御部15は、ラスターデータに基づいてノズル穴7からインクを吐出しつつ、記録ヘッド2を走査させて、記録媒体3に記録すべき画像に対応するドットDを形成し(ステップSC4)、記録媒体3を搬送方向にノズル列長T1分搬送する(ステップSC5)。次に、プリンター側制御部15は、変数nに「1」を加算し(ステップSC6)、ステップSC3へ戻る。このステップSC3〜ステップSC6の一連の動作によって、記録ヘッド2がバーコードの画像を記録する位置に至る前に記録すべき画像について、通常の記録動作によって記録が行われる。図11の例では、ステップSC3〜ステップSC6の処理によって、記録領域D4及び記録領域D5の画像について記録媒体3への記録が行われる。
ステップSC3において、ノズル列長T1に変数nを乗じたものが、変数Bstartを上回る場合(ステップSC3:NO)、プリンター側制御部15は、ラスターデータに基づいてノズル穴7からインクを吐出しつつ、記録ヘッド2を走査させて、記録媒体3に記録すべき画像に対応するドットDを形成する(ステップSC7)。図11の例では、記録領域D6の画像について記録媒体3への記録が行われる。この記録領域D6の画像には、バーコードの画像の一部が含まれている。
次に、プリンター側制御部15は、式「ノズル列長T1×(変数n−「1」)−変数Bstart」によって得られる値分だけ、搬送方向に記録媒体3を搬送する(ステップSC8)。これにより、バーコード記録開始位置A1に、各ノズル列8−11の記録媒体3を送る方向の先端が位置する。図11の例では、位置P6に対応する位置に、ノズル列8−11が位置する。次に、プリンター側制御部15は、ラスターデータに基づいてインクを吐出しつつ記録ヘッド2を主走査方向に走査させて、記録媒体3に記録すべき画像に対応するドットDを形成する(ステップSC9)。図11の例では、記録領域D7の画像について記録媒体3への記録が行われる。
次に、プリンター側制御部15は、式「ノズル列長T1−{ノズル列長T1×(変数n−「1」)−変数Bstart}」によって得られる値分だけ、搬送方向に記録媒体3を搬送する(ステップSC10)。これにより、ステップSC7において、画像の記録を実行したときのノズル列8−11の位置からノズル列長T1分だけ移動した位置にノズル列8−11が位置する。図11の例では、位置P7に対応する位置に記録ヘッド2が位置する。
次に、プリンター側制御部15は、ラスターデータに基づいてノズル穴7からインクを吐出しつつ記録ヘッド2を走査させて、記録媒体3に記録すべき画像に対応するドットDを形成する(ステップSC11)。図11の例では、記録領域D8の画像について記録媒体3への記録が行われる。なお、プリンター側制御部15は、記録領域D7と記録領域D8とが重なる記録領域であって、バーコード記録終了位置A2よりも、記録媒体3が送られる方向と逆の方向の記録領域である記録領域D10については、インクの吐出を行わない。これにより、バーコード記録領域B1以外の記録領域に含まれるピクセルPについて、インクが複数回重ねて吐出されてドットDが形成されることが防止されている。
次に、プリンター側制御部15は、記録媒体3を搬送方向にノズル列長T1分搬送する(ステップSC12)。図4の例では、位置P8に対応する位置にノズル列8−11が位置する。次に、プリンター側制御部15は、変数nに「1」を加算する(ステップSC13)。
次に、プリンター側制御部15は、ノズル列長T1に変数nを乗じたものが変数dataLengthを下回るか否かを判別する(ステップSC14)。ノズル列長T1に変数nを乗じたものが変数dataLengthを下回る場合(ステップSC14:YES)、プリンター側制御部15は、ラスターデータに基づいてノズル穴7からインクを吐出しつつ記録ヘッド2を走査させて、ラスターデータに対応するドットDを形成し(ステップSC15)、記録媒体3を搬送方向にノズル列長T1分搬送する(ステップSC16)。次に、プリンター側制御部15は、変数nに「1」を加算し(ステップSC17)、ステップSC14へ戻る。
このステップSC14〜ステップSC17の一連の動作によって、記録ヘッド2がバーコードの画像を記録する位置を通過した後に記録すべき画像について、通常の記録動作によって記録が行われる。図11の例では、ステップSC14〜ステップSC17の処理によって、記録領域D9の画像について記録媒体3への記録が行われる。
以上のように、図10のフローチャートが示す動作を実行することによって、インクジェットプリンター1は、バーコード記録領域B1に含まれるピクセルPについて、記録ヘッド2からインクを複数回重ねて吐出してドットDを形成する。図11の例では、記録領域D6及び記録領域D7の重なった記録領域、及び、記録領域D7及び記録領域D8の重なった記録領域(記録領域D10を除く)に、バーコード記録領域B1が位置することとなり、バーコード記録領域B1に含まれる各ピクセルPについて、ドットDが、記録ヘッド2からインクが複数回重ねて吐出されて形成される。これにより、図5(B)を用いて上述したように、各ピクセルP内においてインクのにじみが促され、1つのピクセルPに1回インクを吐出する場合と比較して、ピクセルPの面積に対するドットDの面積の相対的な大きさを大きくすることができる。これにより、バーコードの線幅を確保することができ、バーコードリーダーによる読み取り精度を向上することができるほか、第1実施形態で挙げた効果と同様の効果を奏することができる。
<第3実施形態>
次いで、上述した第3実施形態について説明する。
図12は、ホストコンピューター5の表示部21が備える液晶表示パネルに表示された情報の一例を示す図である。
上述した第1実施形態では、ホスト側制御部25のバーコード記録領域検出部30は、ラスターデータに基づいて、バーコード記録領域B1を検出していた。一方、本実施形態では、バーコード記録領域検出部30は、ユーザーの指示に基づいて、バーコード記録領域B1を検出する。
図12を用いて一例を挙げると、液晶表示パネルに記録媒体3に記録する画像のプレビューを表示すると共に、入力デバイスの操作によって、表示されたプレビューからバーコードの画像の領域を指定できるような機能(指示入力部としての機能)を、ホストコンピューター5に持たせる。図8の例では、プレビューが表示された画面上に、入力デバイスの操作に伴って画面上を移動するポインター40と、このポインター40によって位置、大きさを変更することができる指定枠41を表示し、ユーザーが入力デバイスを操作して、バーコードの画像の領域を指定枠41で囲むことによって、バーコードの画像の領域を指定できるようにする。そして、ホストコンピューター5のホスト側制御部25は、指定されたバーコードの画像の領域をバーコード記録領域B1として検出し、検出したバーコード記録領域B1に基づいて、上述した実施形態と同様、インクを複数回重ねて吐出して、バーコードの画像のドットDを形成する。
本実施形態では、ホストコンピューター5は、記録媒体3においてバーコードの画像が記録される領域についてユーザーが指示入力を行うための機能を備え、バーコード記録領域検出部30は、ユーザーによるホストコンピューター5への指示入力に基づいて、バーコード記録領域B1を検出する。
これによれば、ホストコンピューター5への指示入力に基づいて、バーコード記録領域検出部30は、確実かつ容易に、バーコード記録領域B1を検出することができる。
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
上述した実施形態では、インクを2回重ねて吐出して、バーコードの画像を構成するドットDを形成していたが、インクを吐出する回数は2回に限らない。
また、上述した実施形態では、記録ヘッド2を、バーコード記録領域B1上を複数回走査させることによって、インクを複数回重ねて吐出して、バーコードの画像を構成するドットDを形成していたが、インクを複数回重ねて吐出する方法はこれに限らず、例えば、バーコード記録領域B1上で、記録ヘッド2を止めた後、記録媒体3に対してインクを複数回重ねて吐出するようにしてもよい。
1…インクジェットプリンター(記録装置)、2…記録ヘッド、3…記録媒体、5…ホストコンピューター(記録制御装置、記録制御データ生成装置)、25…ホスト側制御部(記録制御部)、30…バーコード記録領域検出部、D…ドット。

Claims (7)

  1. 記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にドットを形成する記録装置を制御する記録制御装置において、
    前記記録媒体にバーコードが記録されるバーコード記録領域を検出するバーコード記録領域検出部と、
    前記バーコード記録領域検出部により検出した前記バーコード記録領域に含まれる各ドットを、前記記録ヘッドによってインクを複数回重ねて吐出して形成させる記録制御部と、を備えることを特徴とする記録制御装置。
  2. 前記記録装置は、前記記録媒体を搬送方向に搬送する送り動作を行うと共に、前記記録ヘッドを主走査方向に走査させて、前記記録媒体にドットを形成し、
    前記記録制御部は、前記記録ヘッドに前記バーコード記録領域上を複数回走査させて、前記バーコード記録領域に含まれる各ドットを、前記記録ヘッドによってインクを複数回重ねて吐出して形成させること、を特徴とする請求項1に記載の記録制御装置。
  3. 前記バーコード記録領域検出部は、前記記録媒体に記録すべき画像のラスターデータから、前記バーコードの画像に係るラスターデータを検出し、検出した前記バーコードの画像に係るラスターデータに基づいて、前記バーコード記録領域を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録制御装置。
  4. 前記記録媒体において前記バーコードが記録される領域についてユーザーが指示入力を行うための領域指示部を備え、
    前記バーコード記録領域検出部は、ユーザーによる前記領域指示部への指示入力に基づいて、前記バーコード記録領域を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録制御装置。
  5. 記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にドットを形成する記録装置を制御して、
    前記記録媒体にバーコードが記録されるバーコード記録領域を検出し、検出した前記バーコード記録領域に含まれる各ドットを、前記記録ヘッドによってインクを複数回重ねて吐出して形成させることを特徴とする記録装置の制御方法。
  6. 記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にドットを形成する記録装置を制御するコンピューターにより実行されるプログラムであって、
    前記コンピューターを、
    前記記録媒体にバーコードが記録されるバーコード記録領域を検出するバーコード記録領域検出部と、
    前記バーコード記録領域検出部により検出した前記バーコード記録領域に含まれる各ドットを、前記記録ヘッドによってインクを複数回重ねて吐出して形成させる記録制御部と、として機能させるためのプログラム。
  7. 記録制御データに基づき記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にドットを形成する記録装置によって使用される前記記録制御データを生成する記録制御データ生成装置において、
    前記記録媒体にバーコードが記録されるバーコード記録領域を検出するバーコード記録領域検出部と、
    前記バーコード記録領域検出部により検出した前記バーコード記録領域に含まれる各ドットを、前記記録ヘッドによってインクを複数回重ねて吐出して形成させる前記記録制御データを生成する記録制御データ生成部と、を備えることを特徴とする記録制御データ生成装置。
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