JP2010216564A - ヒンジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒンジケース20と、ヒンジケース20に収容されるとともに、ヒンジケース20の筒軸方向に摺動可能なスライダ40と、スライダ40をヒンジケース20の下部から上部に向かって付勢するバネ30と、スライダ40に当接するカム面53aを有するカム部53を備えるとともにヒンジケース20の上部に回動可能に支持される回動アーム50と、を具備し、回動アーム50は、回動中心Cから等距離となる許容周面54aを有する基部54を備え、スライダ40は、カム部53がスライダ40に当接しない位置まで回動アーム50が回動したときに基部54の許容周面54aに当接する当接面42aを有し、当接面42aが許容周面54aに当接することにより筒軸方向の摺動を規制する摺動規制突起部42を備える。
【選択図】図1
Description
このようなヒンジが組み込まれる事務機器等の多くは、その本体の上面に原稿読み取り部(コンタクトガラス)が設けられるとともに、当該原稿読み取り部を覆う原稿圧着板が設けられる。
原稿圧着板は、原稿読み取り部に載置された原稿を原稿読み取り部に密着させるとともに原稿読み取り部に対する原稿の位置を保持するものであり、一般的には原稿圧着板の端部がヒンジにより事務機器等の本体の上面の端部に回動可能に連結される。
事務機器等の本体の上面の端部に連結されるヒンジとして、例えば、特許文献1のようなヒンジが開示されている。
ヒンジケースは、筒状に形成される。ヒンジケースは、ヒンジケースの筒軸方向(以下単に「筒軸方向」という)において、どちらか一方を閉塞するとともに、他方を開口する。
スライダはヒンジケースに収容され、スライダの側面は筒軸方向に沿って摺動可能にヒンジケースの内周面に当接する。また、バネは、その一端部がヒンジケースの閉塞されている方の端部に当接するとともに他端部がスライダに当接した状態でヒンジケースに収容される。すなわち、スライダは、バネによって筒軸方向の他方側へ(ヒンジケースにおいて開口している方の端部に向かって)付勢される。
回動アームはピンを介してヒンジケースに回動可能に支持され、閉じた位置から開いた位置に向かって(閉じた状態から開いた状態となるように)回動する方向にスライダを介してバネに付勢される。
このような場合において、特許文献1に開示されたヒンジでは、回動アームがヒンジケースの一方側に干渉し、回動アームの回動は規制される。このように回動アームの開放角度が90°程度しかないヒンジでは、組み立ておよびメンテナンス時の作業性が良くないという問題を有する。
また、上記開放角度を90°よりも大きく設定する方法としてはヒンジケースの開口している方の端部に適宜回動アームとの干渉を回避するための溝等を形成する方法が考えられるが、単にこのような溝を形成した場合には、回動アームが大きく回動したときにヒンジケースの開口部が大きく開いた状態となってしまい、スライダがバネの付勢力により当該開口部から飛び出してしまい、ヒンジを破損する恐れがある。
すなわち、本発明によれば、ヒンジの組込み作業やヒンジが適用された所定の装置のメンテナンス作業に際して、それぞれ効率的に作業ができる角度まで回動できるため、効率的に作業ができる。
摺動規制突起部42が突設された形状を有する。また、図1および図3に示す如く、スライダ40の前後方向の長さ(スライダ40の前面から後面までの距離)およびスライダ40の左右方向の長さ(スライダ40の左側面から右側面までの距離)は、ヒンジケース20に摺動可能に収容されるように、ヒンジケース20の内周面の形状に合わせて設定される。
スライダ40は、バネ30の上部と当接した状態で、ヒンジケース20に収納される。
図1に示す如く、スライダ40の下部は、バネ30の上部を収容可能に開口されている。
本実施形態では、基部54、載置部51、およびカム部53は一体成形され、載置部51およびカム部53は基部54に延設される。
載置部51は、前述した板状の部材等(事務機器の原稿圧着板等)を載置固定するための扁平な面である載置面51aを有する。
支持孔52は、基部54に形成され、基部54の左右方向に貫通された孔である。
また、図2に示す如く、ヒンジケース20の左上部および右上部には左右一対の貫通孔21・21が形成される。図1および図2に示す如く、支持孔52および左右一対の貫通孔21・21にはピン60が挿通される。かかるピン60には、左右一対の貫通孔21・21より抜けないような適宜の加工が施される(例えば、ピン60の左右端部にかしめ加工が施される)。
また、図1および図3に示す如く、スライダ40には、カム部53と当接するための回動規制突起部41が備えられる。回動規制突起部41は、スライダ40の上面の前半部において上方に向かって突出し、その側面視形状は上に凸の略半楕円状である。また、回動規制突起部41は、カム部53と当接するための面として形成される当接面41aを有する。
図1に示す如く、回動アーム50が閉じた状態である場合において、回動規制突起部41の当接面41aとカム部53のカム面53aとは当接する。
図1に示す如く、「回動アーム50が閉じた状態」では、回動アーム50の載置部51の載置面51aが上方向を向いた状態(載置部51の長手方向が前後方向に平行な状態)となる。このように「回動アーム50が閉じた状態」を、以下において「閉鎖状態」とする。
なお、以下において、回動アーム50が回動するときに中心となる位置を「回動中心C」とする(図1参照)。本実施形態では、回動中心Cは、ピン60の軸心および支持孔52の中心に一致する。
摺動規制突起部42は、基部54と当接するための面として形成される当接面42aを有する。当接面42aは、摺動規制突起部42の上面に扁平状に形成された面である。
このような摺動規制突起部42は、図5に示す如く、回動中心Cより筒軸方向の下方に配置される。
このため、摺動規制突起部42は、回動アーム50の回動に際して、カム部53と干渉しない範囲であれば、「平面視U字状」および「側面視直角三角形」よりずれていても構わない。つまり、摺動規制突起部42は、「平面視略U字状」であるとともに、「側面視略直角三角形」であるような形状を有する。
また、スライダ40は、ヒンジケース20に収容されている(ヒンジケース20より飛び出さない)状態である。
なお、以下において、基部54の許容周面54aと、摺動規制突起部42の当接面42aとが当接している状態を「許容周面当接状態」とする。
許容周面54aは、前述のように、回動中心Cから等距離となる周面である。このため、許容周面54aが回動したとき、スライダ40は筒軸方向の上側への摺動しない。つまり、回動アーム50を大きく回動する(例えば、図7に示すような約180°まで回動する)とき、スライダ40がヒンジケース20より飛び出すことを防止できる。
このように、規制周面54bと切欠部22とが当接して、回動アーム50が開放された状態を、以下において、「開放状態」とする。
図8に示す如く、回動アーム50は約225°まで回動したときに、切欠部22と当接する。言い換えれば、本実施形態におけるヒンジ10は、約225°まで回動可能な構成である。
このように構成することにより、ヒンジ10の組込み作業やヒンジ10が適用された所定の装置のメンテナンス作業に際して、効率的に作業ができる。
このように構成することにより、ヒンジ10を閉じる際に、回動アーム50に対して、回動規制突起部41が干渉することがない。このため、確実にヒンジ10を閉じることができる。
以下において、この許容周面54aと当接面42aとの当接点(図7符号P1参照)を「基部当接点P1」とする。
また、基部当接点P1における共通接線(図7符号T1参照)を「基部接線T1」とする。
そして、基部当接点P1および回動中心Cを結ぶ直線(図7符号L1参照)を「中心線L1」とする。
すなわち、基部接線T1と中心線L1とは、許容周面当接状態となる回動角度の範囲内においては、常に直交している。
このように構成することにより、ヒンジ10の組込み作業やヒンジ10が適用された所定の装置のメンテナンス作業を行う際に、それぞれ効率的に作業が行える角度まで回動できるとともに、効率的に作業が行える角度で保持できるため、効率的に作業を行える。
このような基部接線T2は、中心線L2に対して直交している。つまり、回動アーム50を付勢するバネ30の付勢力は、回動に要するトルクとして機能しない。このため、ヒンジ10は、開放状態となる角度まで回動した状態で保持できる。
このような基部接線は、基部当接点と回動中心Cとを結ぶ直線である中心線に対して直交する。
つまり、基部54の許容周面54aは、摺動規制突起部42の当接面42aとの当接点から回動中心Cまでの距離が等距離となるように形成すればよい。
以下において、このカム面53aと当接面41aとの当接点(図5符号P3参照)を「カム部当接点P3」とする。
また、カム部当接点P3における共通接線(図5符号T3参照)を「カム部接線T3」とする。
また、カム部当接点P3および回動中心Cを結ぶ直線(図7符号L3参照)を「中心線L3」とする。
このように構成することにより、ヒンジ10を閉鎖状態で保持できる。
20 ヒンジケース(収容部材)
30 バネ(付勢部材)
40 スライダ(摺動部材)
41 回動規制突起部
41a 当接面(カム部のカム面に当接する当接面)
42 摺動規制突起部
42a 当接面(基部の周面に当接する当接面)
50 回動アーム(回動部材)
53 カム部
53a カム面
54 基部
54a 許容周面(回動中心から等距離となる周面)
54b 規制周面
C 回動中心
L1 中心線(基部の周面と摺動規制突起部の当接面との当接点および回動中心を結ぶ直線)
L3 中心線(カム部のカム面と摺動規制突起部の当接面との当接点および回動中心を結ぶ直線)
P1 基部当接点(基部の周面と摺動規制突起部の当接面との当接点)
P3 カム部当接点(カム部のカム面と回動規制突起部の当接面との当接点)
T1 基部接線(基部の周面と摺動規制突起部の当接面との当接点における共通接線)
T3 カム部接線(回動規制突起部の当接面とカム部のカム面の当接点における共通接線)
Claims (4)
- 頂部が開口されるとともに、底部が閉塞される収容部材と、
該収容部材に収容されるとともに、収容部材の軸方向に摺動可能な摺動部材と、
前記収容部材に収容され、一端部が前記収容部材の底部に当接するとともに他端部が前記摺動部材に当接し、前記摺動部材を前記収容部材の底部から頂部に向かって付勢する付勢部材と、
前記摺動部材に当接するカム面を有するカム部を備えるとともに前記収容部材の頂部に回動可能に支持される回動部材と、
を具備し、
前記回動部材は、
前記収容部材との回動中心から等距離となる周面を有する基部を備え、
前記摺動部材は、
前記カム部が前記摺動部材に当接しない位置まで前記回動部材が回動したときに前記基部の周面に当接する当接面を有し、該当接面が前記周面に当接することにより前記軸方向の摺動を規制する摺動規制突起部を備える、
ことを特徴とするヒンジ。 - 前記回動部材の基部の周面と前記摺動部材の摺動規制突起部の当接面との当接点における共通接線は、前記回動部材の基部の周面と前記摺動部材の摺動規制突起部の当接面との当接点および前記回動中心を結ぶ直線に対して直交する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のヒンジ。 - 前記摺動部材には前記回動部材が閉じているときに前記回動部材のカム部のカム面に当接する当接面を有する回動規制突起部が形成され、
前記摺動部材の回動規制突起部の当接面と前記回動部材のカム部のカム面の当接点における共通接線は、前記摺動部材の回動規制突起部の当接面と前記回動部材のカム部のカム面との当接点および前記回動中心を結ぶ線に対して直交する、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のヒンジ。 - 前記摺動規制突起部は、平面視略U字状でかつ側面視略直角三角形の形状を有し、
前記回動部材のカム部の左右両端部は、前記摺動規制突起部の干渉を回避する切欠を有する、
ことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒンジ。
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