JP2010213878A - 眼科装置 - Google Patents

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Hiromichi Takano
博道 高野
Koji Hamada
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Abstract

【課題】操作者が所望する位置においてアライメント操作を行なうことを可能にすることにより、検査をスムースに行ない操作者及び被検者の負担を軽減することが可能な眼科装置を提供する。
【解決手段】検眼光学系を有する検眼手段と、被検眼を照明して光学的に観察する観察手段と、該観察手段で得られた観察像を表示する表示手段と、検眼手段と前記観察手段の移動を行なう駆動手段と、アライメント操作を行なうアライメント操作手段と、駆動手段を含めて装置全体の制御を行なう制御手段とを有する眼科装置において、アライメント操作手段を本体と独立あるいは着脱可能な操作ユニットとして構成するとともに、少なくとも操作ユニットから本体に向けて通信を行なう通信手段を設けた。
【選択図】図3

Description

本発明は、眼科医院等において光学系を使用して被検眼を検査する眼科装置に関するものである。
眼科検査においては、被検眼の像をモニタにより観察しながら検眼部を固定台に対して相対的に移動させ被検眼にアライメント(位置合わせ)を行なう据置型の装置が数多く利用されている。前述の装置では、図1のように検眼用光学系等が収納された検眼部13をはさんで被検者Hの顔部を固定する顎受けユニット12に顔部を当接している被検者Hと正対する位置(図1左外側)に、アライメントの際に操作者が使用する前述の観察用モニタや検眼部13の移動操作等を行なう手段が設けられていることが多い。
前述の装置の観察用モニタに表示される被検眼Eの像は、装置と被検眼Eが適切なアライメント状態に近付くにつれて鮮明に観察される(合焦となる)ように光学的に設計されているものがほとんどである。被検者Hが顔部を当接させた時点ではアライメント状態が適切でないため、モニタに表示される被検眼Eの像は不鮮明になる。被検眼Eの像が不鮮明であるほど適切なアライメント状態から離れていることは明確であるため、操作者は検眼部13を大きく移動させる操作を行なう。ただし、検査内容あるいは装置の形状によっては、適切なアライメント状態となる際に検眼部13と被検眼Eが非常に接近する場合があるため、操作者は検眼部13と被検眼E(被検者H)が接触しないように配慮した操作を求められる。しかし、モニタに表示される被検眼Eの像は正面方向から観察するものであるため、装置と被検眼Eの距離を正しく認識することは容易ではない。従って、ある程度適切なアライメント状態に近づくまではモニタではなく図1のような略横方向から直接検眼部13と被検眼Eを観察しながら粗いアライメント操作を行なうことがある。しかしながら、ほとんどの装置は前述の横方向からのアライメント操作を想定して開発されていないため、容易に操作を行なうことができない。
また、被検眼Eが適切に開瞼していないことで検査が再度必要となることや、被検眼Eの反射光に基づいて装置を駆動制御してアライメントを行なう近年の装置ではアライメントに時間を要して検査そのものが行なえない事態が生じることも少なくない。被検者Hが老人や子供の場合は検査が完了するまで開瞼状態を続けられないことが多いため、検査に際して操作者が開瞼補助を行なうことも少なくない。開瞼補助のために操作者は一方の手を使用して被検者Hの瞼とほおを押さえることが多い。検眼部13をはさんで被検者Hと正対する位置にアライメント操作に関わる機能が設けられている装置においては操作者と被検者H(被検眼E)が離れているため、操作者は腕を伸ばして開瞼補助を行なわなければならない。従って、他方の手により装置のアライメント操作を同時に行なうことが困難となる。さらに、検眼部13は障害物としてアライメント操作を一層困難としている。
上記の問題を解消するため、モニタやアライメント操作を行なう手段を側面に設け、被検者Hと操作者の距離を近づけた装置が製品化されている。この装置においては、装置と被検眼の距離関係を直接確認しながらアライメント操作を行なうことを想定しているため、前述の問題は解消される。しかしながら、操作者から見て常に同じ側に被検者Hが位置するため、操作者によってはアライメント操作を利き手で行なえない状況が生じてしまう。この問題はモニタやアライメント操作を行なう手段を操作者の利き手に合わせて配置した複数の仕様の装置を提供することで解決可能ではある。しかしながら、同一の装置を複数の操作者が兼用する場合は利き手が合わない操作者による使用もあり得るため、根本的な解決にはならない。また、配置が異なる複数の仕様の装置を製造する場合、仕様毎に専用の部品が増加する等により、価格の面でも不利となってしまう。
別の解決策として、被検眼Eの開瞼を行なう機構を顎受けユニット12に設けることにより、機械的に開瞼補助を行ない操作者による補助を不要とするものが提案されている(例えば特許文献1)。しかしながら、この方法は顎台ユニット12に対して被検者の顔部が確実に当接されていない状態あるいは被検者の顔部形状に開瞼機構が対応できない場合は有効に機能しないため、問題を根本的に解決するものではない。
特開平11−313798号公報
本発明は、上記の問題点に鑑み、装置と被検眼のアライメントが必要な据置型の眼科装置において、操作者の所望位置においてアライメント操作を行なうことを可能にすることにより、不要な検査が行なわれることを回避して操作者及び被検者の負担を軽減することが可能な眼科装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備えることを特徴とする。
本発明における眼科装置の第1の態様は、検眼光学系を有する検眼手段と、被検眼を照明して光学的に観察する観察手段と、該観察手段で得られた観察像を表示する表示手段と、前記検眼手段と前記観察手段の移動を行なう駆動手段と、アライメント操作を行なう複数のアライメント操作手段と、前記駆動手段を含めて装置の制御を行なう制御手段とを有する眼科装置において、前記複数のアライメント操作手段の少なくとも1つは前記制御手段と別に設けられた第2の制御手段とともに本体と独立した操作ユニットとして構成され、前記操作ユニットならびに前記本体の双方の制御手段の間には少なくとも前記操作ユニットから前記本体に向けて通信を行なうための通信手段が設けられていることを特徴とする。
本発明における眼科装置の第2の態様は、前記第1の態様に関わる眼科装置において、前記操作ユニットは前記表示手段と別の第2の表示手段を有するとともに、前記通信手段は前記本体から前記操作ユニットに向けた通信が可能であることを特徴とする。
本発明における眼科装置の第3の態様は、検眼光学系を有する検眼手段と、被検眼を照明して光学的に観察する観察手段と、該観察手段で得られた観察像を表示する表示手段と、前記検眼手段と前記観察手段の移動を行なう駆動手段と、アライメント操作を行なうアライメント操作手段と、前記駆動手段を含めて装置の制御を行なう制御手段とを有する眼科装置において、前記アライメント操作手段は前記制御手段と別に設けられた第2の制御手段とともに本体と着脱可能な操作ユニットとして構成され、前記操作ユニットならびに本体の双方の制御手段の間には少なくとも前記操作ユニットから前記本体に向けて通信を行なうための通信手段が設けられていることを特徴とする。
本発明における眼科装置の第4の態様は、前記第3の態様に関わる眼科装置において、前記操作ユニットは前記表示手段を含むように構成されているとともに、前記通信手段は前記本体から前記操作ユニットに向けた通信が可能であることを特徴とする。
本発明によれば、アライメント操作手段を本体から独立あるいは着脱可能とすることにより操作者の所望位置においてアライメント操作が可能となり、操作者は被検者の補助を行ないながら検査を進められるため、不適切な開瞼状態で検査が実施されることが回避されて操作者及び被検者の負担を軽減することが可能となる。
また、本発明によれば、本体から独立あるいは着脱可能とされたアライメント操作手段に被検眼の観察像あるいは検査結果の表示を行なう表示手段を設けることにより所望位置において被検眼のアライメント状態あるいは結果を確認可能となるため、結果確認等において予め設定されている表示位置へ移動することが不要となり操作者の負担を軽減することが可能となる。
さらに、本発明によれば、アライメント操作手段を着脱可能な構成とすることによりアライメント操作手段を複数設けることが不要となるため、構成部品の削減を図ることが可能となる。
眼科検査における据置型装置と被検者の関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態である眼科装置の外観図である。 本発明の第1の実施形態である操作ユニットの正面図である。 本発明の実施形態である眼科装置の検眼部に収納される光学系の一例である眼屈折力測定光学系を示す図である。 本発明の第1の実施形態である眼科装置の本体ならびに操作ユニットの制御を示すブロック図である。 本体の操作パネルの構成を示す図である。 本発明の実施形態である眼科装置の本体ならびに操作ユニットのモニタに表示される情報を示す図である。 2次元位置検出素子により検出される照明光源像の形状を示す図である。 本発明の第2の実施形態である眼科装置の外観図である。 本発明の第2の実施形態である操作ユニットの正面図ならびに背面図である。 本発明の第2の実施形態である眼科装置の本体ならびに操作ユニットの制御を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態である操作ユニットの表示ならび入力(検出)範囲の関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、第1の実施形態における眼屈折力測定装置の外観図であり、本体10と操作ユニット110により構成されている。11は架台部であり、架台部10には被検者の顔部を固定するための顎受けユニット12が設けられている。13は検眼用光学系等が収納された検眼部であり、14は検眼部13の移動操作を行なうためのジョイスティックである。ジョイスティック14は、架台部10に対して所定範囲内において傾斜および水平方向にスライド移動が可能なレバー部14A・水平方向にスライド移動可能なプレート部14B・回転可能なリング部14C・測定スイッチ15により構成されている。架台部10の内部には、前述の14A〜14Cの傾斜・スライド・回転による移動量を検出する検出手段と、移動量に応じて検眼部13を移動させる駆動手段が設けられており、ジョイスティック14の操作により、検眼部13は架台部10に対して前後方向(Z方向)、左右方向(X方向)ならびに上下方向(Y方向)に移動する。詳細については、本出願人による特開2006−130227号に記載されているので参照されたい。16は様々な設定等を行なうスイッチが集められた操作パネルである。17はアライメントならびに測定に関する情報を表示するモニタである。ここで、アライメントに関する情報には被検眼の観察像が含まれる。19は操作ユニット110と通信を行なうアンテナである。
図3は、操作ユニット110の正面図である。112は操作ユニットの起動/停止を行なう電源スイッチ、113は操作ユニットの通電状態を提示する通電表示LED、114Aは本体10の検眼部13を左右上下方向へ移動させるトラックボール、114Bは本体10の検眼部13を前後方向へ移動させる前後ローラ、115は測定を実施する測定スイッチ、117は被検眼Eの観察像等を表示するモニタ、119は本体10と通信を行なうアンテナである。ここで、トラックボール114A・前後ローラ114Bと測定スイッチ115はそれぞれ本体10におけるジョイスティック14と測定スイッチ15に該当する。
図4は、検眼部13に収納されている検眼部の例として、被検眼Eの屈折力を測定する光学系を示したものである。ここに示した光学系は、眼屈折力測定光学系30、被検眼Eを観察する観察光学系40、前述の観察光学系40から分岐してXYZ方向のアライメント状態を検出するためのアライメント光学系50、被検眼Eを注視させる視標を提示する視標光学系60により構成され、各光学系の光軸は被検眼Eの直前で同一軸O1上に結合されている。以下に、それぞれの光学系の構成について説明する。
眼屈折力測定光学系30は、被検眼Eの眼底に測定光を投影する測定光投影系30tと被検眼Eの眼底からの反射光を受光する眼底反射光受光系30rから構成されている。測定光投影系30tは、波長が赤外領域である測定光源31・レンズ32・リング絞り33・光分割ミラー34・レンズ35・測定光源31の波長を反射する特性である波長選択ミラー36により構成されており、測定光源31の光(測定光)を被検眼Eの眼底に導く。なお、波長選択ミラー36は後述する照明光源41ならびに視標光源61の波長を透過する特性となっている。
眼底反射光受光系30rは、測定光投影系30tと兼用される波長選択ミラー36・レンズ35・光分割ミラー34と、絞り37・レンズ38・光軸方向に移動可能な測定用CCD39により構成されており、被検眼Eの眼底で反射された測定光を測定用CCD39に導く。
観察光学系40は、光軸を挟んで被検眼Eを左右から照明する照明光源41(41L・41R)・レンズ42・照明光源41の波長を透過する特性である波長選択ミラー43・レンズ44・観察用CCD45により構成され、照明光源41にて照明された被検眼Eの像を観察用CCD46に導く。なお、照明光源41は測定光源31より短い波長であり、選択ミラー43は後述する視標光源61の波長を反射する特性となっている。
アライメント光学系50は、レンズ51・円柱レンズ52・2次元位置検出素子53により構成され、観察光学系40の光分割ミラー44により分割された被検眼Eの像を2次元位置検出素子53に導く。
視標光学系60は、少なくとも可視光領域の波長を含む視標光源61・光軸方向に移動可能な視標62・レンズ63・反射ミラー64により構成され、観察光学系40の波長選択ミラー43を介して視標像を被検眼Eに導く。視標光源61が可視光領域以外の波長を含む光を射出する場合は、フィルタを視標光学系内に配置する等により不要領域の波長の光が被検眼Eに照射されないようにする。
なお、光学系の配置が変わることにより光源および波長選択ミラーの波長特性を変更する必要があり、前述の波長特性の組合せに限定されないことは当業者において明白な事項である。
図5は、本体10ならびに操作ユニット110の制御のブロック構成を示している。
本体10は、マイクロプロセッサやプログラムを格納しているROM・周辺機器のインタフェイス等を有する制御回路70により制御される。制御回路70には、測定用CCD39ならびに観察用CCD46の画像信号を処理する画像処理回路71・ジョイスティック14・測定スイッチ15・操作パネル16・送受信回路74・モニタ17に表示する図形や文字を生成する図形表示回路72・測定光源31・照明光源41・視標光源61・駆動回路C75〜Z79が接続されている。それぞれの駆動回路には、測定用CCD39および視標52の軸方向や検眼部13の3次元方向の駆動を行なう駆動モータ81〜85が接続されている。また、送受信回路74はアンテナ19にも接続されている。
操作ユニット110は、マイクロプロセッサやプログラムを格納しているROM・測定結果等を記憶するメモリ・周辺機器のインタフェイス等を有する制御回路111により制御される。制御回路111には、トラックボール114A・前後ローラ114B・測定スイッチ115・モニタ117・通電表示LED113・送受信回路116が接続されている。また、送受信回路116はアンテナ119にも接続されている。なお、操作ユニット110は前述の回路を駆動するために電池等の電源を内蔵している。
以上の構成を有する本発明に関わる眼屈折力測定装置の動作について説明する。
本体10は、図示されない電源スイッチの操作により通電が開始されると、制御回路70内のROMに格納されている初期化プログラムが実行される。初期化が完了すると、観察用CCD46の受像情報がモニタ17に表示されるとともにジョイスティック14等の操作が可能となり、眼屈折力の測定を行なうことができる状態になる。続いて、本発明に関わる操作ユニット110の使用設定を操作パネル16により行なう。
図6は、操作パネル16の構成を示している。操作パネル16には、種々のスイッチ161〜166が設けられ、それぞれに機能を表すシンボルが描かれている。例えば、スイッチ165は梱包スイッチであり、梱包スイッチ165が操作されると検眼部13は予め設定された梱包位置に移動する。また、スイッチ166a・166bは顎受けユニット12の顎受け部を上下動させるための顎受け部上下操作スイッチであり、顎受け部上下操作スイッチ166a・166bを操作することで顎受け部の高さを調整することができる。
操作ユニットのシンボルが描かれたスイッチ164は操作ユニット使用設定スイッチであり、操作ユニット110に対するアンテナ19を介した通信の許可/禁止の選択を行なうものである。通信の許可/禁止は、送受信回路74からアンテナ19あるいは制御回路70に向かう信号を出力あるいは停止させることにより実現される。ここで、アンテナ19に出力される信号は合成回路73から送受信回路74に入力された信号であり、制御回路70に出力される信号はアンテナ19から送受信回路74に入力された信号である。選択されている許可/禁止の状態はモニタ17による表示等で確認可能とする。なお、常時通信を行なう仕様にすることで操作ユニット使用設定スイッチ164は不要となるが、当該装置以外の通信機器において外乱となりうる信号が操作ユニット110の未使用時もアンテナ19から送信され続ける状態となる。
次に、操作ユニット110について説明する。操作ユニット110は、電源スイッチ22の操作により内蔵されている電池等の電源から電気供給が開始されると、制御回路111内のROMに格納されている初期化プログラムが実行され、通電表示LED113が点灯される。初期化が完了すると、トラックボール114A等の入力手段の操作ならびに送受信回路116・アンテナ119を介して本体10との通信等が可能な状態となる。制御回路111は、送受信回路116を介して本体10からの送信信号の検知を行ない、検知結果に基づいてモニタ117に情報を表示する。ここで、モニタ117に表示される情報は、信号が検知された場合は観察用CCD46により受像された画像が含まれた情報であり、信号が検知されない場合は受信できないことを示すメッセージとなる。本体10からの信号が受信されないメッセージが表示される場合は、本体10側の操作ユニット110の使用設定が有効となっているか確認を行ない、無効になっている場合は操作パネル16の操作ユニット使用設定スイッチ164を操作して設定を変更し、操作ユニット110のモニタ117に観察用CCD46により受像された画像が表示されることを確認する。これにより、本体10から操作ユニット110に向けた通信が成立することになる。また、操作ユニット110から本体10に向けた通信の確認は、操作ユニット110の初期化完了以降に定期的に信号を送信し、本体10側で検知させる仕様にすれば良い。本体10と操作ユニット110の間の双方向の通信が成立していることが確認されると、操作ユニット110による本体10のアライメントならびに測定等が可能となる。
図7は、モニタ117に表示される情報を示している。
図7(a)は、検眼部13の観察光学系40により取得される映像以外にモニタ27に表示される情報を示している。映像以外の情報として、観察対象である被検眼Eを基準位置(本例では表示画面中央)に誘導するための補助図形として水平ならびに垂直方向の中央線CLH・CLVと2本の中央線の交点を中心とする四角RM、アライメント光学系50の2次元位置検出素子53の検出範囲を示す円MIRが表示されている。下図は、表示画面と2次元位置検出素子の関係を示すもので、円MIRは2次元位置検出素子53においてMIR’に対応する。ここで、四角RMはアライメントの許容範囲を示している。
また、画面の左上および右下には文字による被検眼Eの情報DEならびに測定に関する設定情報DMが表示されている。また、DEに示される“R”は観察対象となっている眼が右眼であることを示し、DMに示される“Manu”はアライメント完了後の測定が手動にて行なわれる設定であることを示している。
図7(b)は、本体10の検眼部13を被検眼Eにアライメントを行なう過程において、被検眼Eならびに被検眼Eにより反射された照明光源41の像ILがモニタ117の表示画面の右上方向に観察されている状態を示している。操作者はトラックボール114Aを操作して被検眼Eの像を表示画面の中央に誘導するように検眼部13のアライメントを行なう。
トラックボール114Aと接続されている制御回路111は、トラックボール114Aが操作されたことを検出すると、本体10の検眼部13の移動制御信号を送受信回路116・アンテナ119を介して外部に向けて発信する。移動制御信号は操作が行なわれたトラックボール114Aに対応する移動方向の情報を含んでいる。アンテナ119から発信された移動制御信号が本体10のアンテナ19により受信されると、送受信回路74を介して制御回路70に出力される。制御回路70は移動制御信号を検出すると、検眼部13の移動を行なう駆動モータに接続された駆動回路に駆動制御信号を出力する。ここで、制御回路70からの駆動制御信号の出力先は、移動制御信号に含まれる移動方向の情報に基づいて駆動回路X77・Y78・Z79の中から選択される。制御回路70からの駆動制御信号を検出した駆動回路は、接続されている駆動モータを制御して検眼部13の移動を行なう。
なお、像ILは円MIR内に位置しているため、2次元位置検出素子53においても検出されている。
図7(c)は、図7(b)よりアライメントが進行した状態を示している。モニタ117の画面には被検眼Eとともに照明光源41L・41Rの2つの反射像IL・IRが観察される。この2つの反射像IL・IRが円MIR内に誘導されると、2次元位置検出素子53においてIL’・IR’として検出される。ここで、IL’・IR’中点MCI’を被検眼Eの角膜頂点位置に相当するものとして中点MCI’に対応する図形MCIをモニタ117の画面に表示させ、図形MCIを画面中央の四角RM内に誘導するようにトラックボール114Aの操作を行なうことで検眼部13と被検眼Eの左右上下方向のアライメントが完了される。また、2次元位置検出素子53により取得される中点MCI’の情報を利用することにより自動的にアライメント駆動を行なうことも可能であり、これについては後述する。
左右上下方向のアライメント完了に続いて前後方向のアライメントを行なう。前後方向への移動は、操作ユニット110の前後ローラ114Bを操作して行なわれる。操作者は、モニタ117において被検眼Eの像が鮮明に観察される位置に検眼部13を移動させる。このとき、2次元位置検出素子53が検出する前述のIL’・IR’はシリンドリカルレンズ52の影響を受けて移動とともに形状が変化する。
図8は、シリンドリカルレンズ52と2次元位置検出素子53の関係を示したものである。図8(a)に示すように、レンズ51を通過した光束はシリンドリカルレンズ52の円柱軸に対する方向により合焦位置が異なり、円柱軸に平行な方向(実線表記)ではHfpで合焦となり、垂直な方向(点線表記)ではVfpが合焦となる。それぞれの合焦位置における光束は互いに直交する細長い形状となり、2次元位置検出素子53が配置された位置では光束が略円形となる。この位置に2次元位置検出素子53を配置することにより、図8(b)に示すように検出される光束の形状から被検眼Eと検眼部13の前後方向の位置関係が把握されるため、前述した左右前後方向と同様に自動的なアライメント駆動が可能となる。なお、形状の把握は光量分布情報に基づいて行なえば良い。
以上の手順を経て被検眼Eに対する検眼部13のアライメントが完了すると、操作ユニット110の測定スイッチ115を操作して被検眼Eの眼屈折力の測定を行なう。測定スイッチ115と接続されている制御回路111は、測定スイッチ115が操作されたことを検出すると、測定実施信号を送受信回路116・アンテナ119を介して外部に向けて発信する。アンテナ11から発信された測定実施信号が本体10のアンテナ19により受信されると、送受信回路74を介して制御回路70に出力される。
制御回路70は測定実施信号を検出すると、眼屈折力測定光学系30の測定光投影系30tの測定光源31および視標光学系60の視標光源61を点灯する。測定光は測定光投影系30tを経由してリング状の光束として被検眼Eの眼底に照射される。同時に、視標光源61に照射された視標52の光は視標光学系60・観察光学系40・測定光学系30を経由して被検眼Eの眼底に導かれ、測定中に固視目標となる視標が被検眼Eに提示される。また、測定中は被検眼Eを雲霧させるため、制御回路70は駆動回路F76を介して視標駆動モータ82を制御して軸方向に視標52を移動させる。
被検眼Eに照射された測定光は眼底において反射され眼底反射光受光系30rを経由して測定用CCD39に導かれる。なお、被検眼Eの眼屈折力により眼底反射光の合焦位置が変動するため、制御回路70は駆動回路C75を介して測定用CCD駆動モータを軸方向に移動させて合焦状態の眼底反射光の像を検出可能としている。このようにして測定用CCD39により検出されたリング像(眼底反射光)は被検眼Eの眼屈折力に応じて大きさが変化するものであり、リング像の大きさを検出することにより眼屈折力が求められる。測定用CCD39で検出されるリング像の大きさと眼屈折力の関係については本出願人による特開2003−102687号公報に記載があり本発明との関係も薄いため説明は省略する。
求められた眼屈折力は、制御回路70により図形表示回路72・合成回路73を介して本体10のモニタ17に表示される。また、合成回路73から送受信回路74・アンテナ19・アンテナ119・送受信回路116・制御回路111を経由して、操作ユニット110のモニタ117に表示を行なわせても良い。この場合、操作者が結果確認のために本体10のモニタ17の正面位置まで移動することが不要となり、測定を繰り返し行なう場合の移動を減らすことが可能となる。
以上に示した第1の実施形態の操作ユニット110では、検眼部13に対する被検眼Eの位置関係の把握を容易とするため、観察光学系40の観察用CCD46が取得する検眼部13に対する被検眼Eをモニタ117により観察可能な構成としているが、検眼部13から被検眼Eに向けて照射された光束を直接観察することにより被検眼Eと検眼部13の位置関係を把握可能であればモニタ117および本体10から操作ユニット110へ向けた送信機能は必ずしも必要でない。この場合はモニタ117の省略等によるコスト削減が可能となるが、前述の結果確認が不可能となるためモニタを付属するか否かは装置の仕様により適宜選択することが望ましい。
図9は、第2の実施形態における装置の外観を示したもので、操作ユニット120は本体10のモニタが含まれる形で本体10と着脱可能になっている。なお、操作ユニット120の着脱は、モニタ部を前後方向にスライドさせて行なわれる。
図10は操作ユニットを示したものである。
図10(a)は操作ユニット120の正面図である。123は操作ユニットの通電状態を提示する通電表示LED、127はモニタ、129は本体10と通信を行なうアンテナ、130はモニタ127の表面に設けられたタッチセンサである。また、図示しないが操作ユニット110には本体10からの離脱時に通電表示LED123やモニタ127等に電気を供給するための電池が内蔵されている。
図10(b)は操作ユニット120の背面図である。122は本体10への装着時に本体10と電気的に接続するコネクタである。また、アンテナ129は本体10への装着時に障害とならないように回転させて収納することが可能となっている。
図11は、本体10ならびに操作ユニット120の制御のブロック構成を示している。
本体10はマイクロプロセッサやプログラムを格納しているROM・周辺機器のインタフェイス等を有する制御回路70により制御される。制御回路70には、測定用CCD39ならびに観察用CCD46の画像信号を処理する画像処理回路71・ジョイスティック14・測定スイッチ15・操作パネル16・受信回路74・モニタ17に表示する図形や文字を生成する図形表示回路72・測定光源31・照明光源41・視標光源61・駆動回路C75〜Z79が接続されている。それぞれの駆動回路には、測定用CCD39および視標52の軸方向や検眼部13の3次元方向の駆動を行なう駆動モータ81〜85が接続されている。また、受信回路74はアンテナ19にも接続されている。
操作ユニット120はマイクロプロセッサやプログラムを格納しているROM・測定結果等を記憶するメモリ・周辺機器のインタフェイス等を有する制御回路121により制御される。制御回路121には、タッチセンサ130・通電表示LED23・モニタ127・送受信回路126が接続されている。また、送受信回路126はアンテナ129に接続されている。ここで、タッチセンサ130は第1の実施形態におけるトラックボール114A・前後ローラ114B・測定スイッチ115に該当する。
以上に示した本実施形態は、図11を図5と比較すれば入力手段あるいは装着時の信号処理を除いては第1の実施形態とほぼ同一の構成で実現されることが明白である。従って、以下の説明は第1の実施形態と異なる部分に限定して行なう。また、通電から初期化までの手順は第1の実施形態と同じであるため省略する。
本体10と操作ユニット120が装着している場合、操作ユニット120はコネクタ122と図示しない本体10側のコネクタにより本体10と電気的に接続され、タッチセンサ130の操作により生じる信号や合成回路73から出力される映像信号は通信手段を介さず直接本体10の制御回路70へ伝達されるようになり、信号の欠落等による誤動作が回避される。
なお、コネクタ122を介する接続に操作ユニット120の着脱検知用の回線を設け、制御回路70に検知を行なわせても良い。例えば、装着により閉回路が形成される回線を設け、制御回路70から出力した信号が制御回路70自身に戻る構成とすることにより制御回路70は操作ユニット120の着脱状態を検知でき、着脱状態に応じて通信の許可/禁止の制御を自動で行なうことが可能となるため、本体10に装着時に不要な通信が行なわれるのを回避できる。
操作ユニット120のモニタ127には、検眼部13の観察光学系40の観察用CCD46による被検眼Eの観察像が表示される。操作者は、モニタ127の表面に貼付けられたタッチセンサ130に触れることによりアライメント操作信号を入力する。
図11は、モニタ127の表示とタッチセンサ130の入力領域の関係を示したものである。
図11(a)はモニタ127に表示される情報である。中央部には被検眼Eの観察像が表示される。ここでは、図7(b)と同じ表示状態となっているため、以降の説明において図7の符号を流用する。被検眼Eの観察像の周辺部にはアライメントの駆動方向や機能を示す文字あるいは図形が表示される。124B・124Fの矢印は前後方向への駆動、125の”M”は測定、128の”A/M”は自動測定モード切替のスイッチを示すものである。図11(b)は、モニタ127の表面に貼付けられたタッチセンサ130の入力領域である。図に示された各領域A・B・C1・C2・Dは、モニタ127に表示される観察像表示領域ならびに文字・図形が表示される位置に対応して設定されている。領域Aは、触れられた位置情報をそのまま出力する。ここで出力される位置情報はコネクタ部を介して本体10の制御回路70に送られ、制御回路70は中央部にCPとして示される基準位置との位置関係から左右上下方向のアライメント駆動を制御する。例えば、図11(a)の被検眼Eの角膜頂点TPに該当するタッチセンサ130のTP’の位置に触れることによりTP’の位置情報が制御回路70に送られ、制御回路70はCP’とTPの位置関係を取得する。
また、前後方向については124B・124Fに該当する領域C1あるいはC2に触れることで、制御回路70に検眼部13を離反・接近させる駆動を指示することになる。これは、領域BあるいはDについても同様である。従って、操作ユニット120における操作が本体10の制御回路70に伝達され、第1の実施形態と同様な動作が行なわれる。なお、モニタに貼付けられたタッチセンサに基づくアライメント操作ならびに制御に関しては本出願人による特開2006−288610号公報に詳細な記載があるため参照されたい。
なお、操作ユニット120は駆動用の電気を必要であるため、操作ユニット120は内部に電池等の内臓電源を有するが、本体10に装着され状態においては駆動用の電気を本体10から供給する仕様にすることにより電池の消耗が防止される。また、内蔵する電池を充電型のものを採用し、装着時は本体10から供給される電気の一部を充電用に割当てるようにすることで一層電池の消耗を抑えることが可能となる。
また、本実施形態ではモニタ127のみ兼用する構成を示したが、モニタ127に貼付けられたタッチセンサ130は本体10に装着された状態においてもアライメント操作に使用可能であるため、本体10に設けられているジョイスティック14ならびに測定スイッチ15を削減してもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって何等限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様についても本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
例えば、実施例は眼屈折力測定装置に採用したものであるが、被検眼の観察像を取得ならびに画面表示する手段とモータ等の駆動手段により検眼部の移動を行なう機構を設けて被検眼に対するアライメントを行なう様々な装置において本発明を採用することが可能である。
10…本体
11…架台部
12…顎受けユニット
13…検眼部
14…ジョイスティック
15、115…測定スイッチ
16…操作パネル
17、117、127…モニタ
19、119、129…アンテナ
110、120…操作ユニット
130…シートセンサ

Claims (4)

  1. 検眼光学系を有する検眼手段と、被検眼を照明して光学的に観察する観察手段と、該観察手段で得られた観察像を表示する表示手段と、前記検眼手段と前記観察手段の移動を行なう駆動手段と、アライメント操作を行なう複数のアライメント操作手段と、前記駆動手段を含めて装置の制御を行なう制御手段とを有する眼科装置において、
    前記複数のアライメント操作手段の少なくとも1つは前記制御手段と別に設けられた第2の制御手段とともに本体と独立した操作ユニットとして構成され、前記操作ユニットならびに前記本体の双方の制御手段の間には少なくとも前記操作ユニットから前記本体に向けて通信を行なうための通信手段が設けられていることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記操作ユニットは前記表示手段と別の第2の表示手段を有するとともに、前記通信手段は前記本体から前記操作ユニットに向けた通信が可能であることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 検眼光学系を有する検眼手段と、被検眼を照明して光学的に観察する観察手段と、該観察手段で得られた観察像を表示する表示手段と、前記検眼手段と前記観察手段の移動を行なう駆動手段と、アライメント操作を行なうアライメント操作手段と、前記駆動手段を含めて装置の制御を行なう制御手段とを有する眼科装置において、
    前記アライメント操作手段は前記制御手段と別に設けられた第2の制御手段とともに本体と着脱可能な操作ユニットとして構成され、前記操作ユニットならびに本体の双方の制御手段の間には少なくとも前記操作ユニットから前記本体に向けて通信を行なうための通信手段が設けられていることを特徴とする眼科装置。
  4. 前記操作ユニットは前記表示手段を含むように構成されるとともに、前記通信手段は前記本体から前記操作ユニットに向けた通信が可能であることを特徴とする請求項3に記載の眼科装置。
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