JP2010212028A - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラズマ処理装置1は、対向配置された上部電極21および下部電極22と、第1、第2の被処理面101、102を有するワーク10を載置する載置部と、第1の被処理面101および第2の被処理面102に処理ガスを供給する処理ガス供給手段3と、上部電極21および下部電極22間へ通電する通電手段4とを有する。このようなプラズマ処理装置1は、第1の被処理面101側に発生したプラズマにより第1の被処理面101をプラズマ処理しつつ、第2の被処理面102側に発生したプラズマにより第2の被処理面102をプラズマ処理する。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載のプラズマ処理装置は、対向配置された上部電極および下部電極を有しており、上部電極および下部電極は、それぞれ、平板状をなしている。下部電極は、ワークを載置する載置部を兼ねており、この下部電極にワークを載置した状態で、上部電極とワークとの間に処理ガスを供給するとともに、上部電極および下部電極間に高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ、当該プラズマによりワークの上面をプラズマ処理する。
本発明のプラズマ処理装置は、対向配置された上部電極および下部電極と、
前記上部電極および前記下部電極間に、板状をなし、一方の面に第1の被処理面を有し、他方の面に第2の被処理面を有するワークを、前記第1の被処理面が前記上部電極と対向し、前記第2の被処理面が前記下部電極と対向するように載置する載置部と、
前記第1の被処理面および前記第2の被処理面に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記上部電極および前記下部電極間へ通電する通電手段とを有し、
前記処理ガス供給手段により前記第1の被処理面および前記第2の被処理面に前記処理ガスを供給するとともに、前記通電手段により前記上部電極および前記下部電極間へ通電し、前記処理ガスを活性化させてプラズマを発生させ、前記第1の被処理面側に発生した前記プラズマにより前記第1の被処理面をプラズマ処理しつつ、前記第2の被処理面側に発生した前記プラズマにより前記第2の被処理面をプラズマ処理するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、ワークの第1の被処理面と第2の被処理面とを同時にプラズマ処理することができるため、プラズマ処理の工程数削減および処理時間短縮を図ることができる。また、プラズマ処理中の第1の被処理面および第2の被処理面の温度差を少なくする(無くす)ことができるため、ワークの撓みを防止または抑制し、第1の被処理面および第2の被処理面に対して所望のプラズマ処理を行うことができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記上部電極および前記下部電極が互いに対向した状態を維持しつつ、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを相対的に移動する移動手段を有し、
前記移動手段により、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを相対的に移動することにより、前記第1の被処理面および前記第2の被処理面をプラズマ処理することが好ましい。
これにより、第1の被処理面および第2の被処理面を、それぞれ、局所的にかつ連続的にプラズマ処理することができる。そのため、第1の被処理面(第2の被処理面)上の複数の領域に対して、それぞれ、異なる条件でプラズマ処理することが可能となる。したがって、ワークに対するプラズマ処理精度が向上する。
本発明のプラズマ処理装置では、前記第1の被処理面に対するプラズマ処理条件と、前記第2の被処理面に対するプラズマ条件とを異ならせることができることが好ましい。
これにより、第1の被処理面と第2の被処理面とで異なるプラズマ処理を行うことができるため、ワークに対して幅広いプラズマ処理を行うことができ、プラズマ処理装置の利便性が向上する。
本発明のプラズマ処理装置では、前記移動手段は、前記プラズマ処理中に、前記上部電極と前記第1の被処理面との離間距離および前記下部電極と前記第2の被処理面との離間距離の少なくとも一方を変化させることができることが好ましい。
これにより、上部電極および第1の被処理面の離間距離と、下部電極および第2の被処理面の離間距離とを異ならせることができるため、比較的簡単に、第1の被処理面に対するプラズマ処理条件と、第2の被処理面に対するプラズマ処理条件とを異ならすことができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記移動手段は、前記上部電極と前記下部電極との離間距離を一定に保ったまま、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを前記ワークの厚さ方向に相対的に移動することにより、前記上部電極と前記第1の被処理面との離間距離および前記下部電極と前記第2の被処理面との離間距離を変化させることが好ましい。
これにより、特に、水晶等の結晶性材料で構成されたワークの薄肉化を行う際に、薄肉化を行いつつ、簡単に、ワークの上面と格子面(下面と格子面)のなす角を修正することができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記載置部は、前記ワークの縁部を支持するように構成されていることが好ましい。
これにより、簡単な構成でかつ確実に、第1の被処理面を上部電極側に露出させ、第2の被処理面を下部電極側に露出させた状態でワークを支持することができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記載置部は、誘電体材料を主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、上部電極と載置部との間で、不本意な放電(不安定な放電)が発生するのを防止することができる。そのため、第1の被処理面の全域を、所望の安定なプラズマによりプラズマ処理することができ、第1の被処理面に対するプラズマ処理精度が向上する。第2の被処理面についても、これと同様の効果が得られる。
図1は、本発明のプラズマ処理装置の好適な実施形態を示す図(断面図、側面図、ブロック図)、図2および図3は、それぞれ、図1に示すプラズマ処理装置のプラズマ処理を示す図である。
図1に示すプラズマ処理装置1は、対向配置された上部電極21および下部電極22(一対の電極21、22)と、ワーク10を載置する載置部7と、ワーク10に処理ガスを供給する処理ガス供給手段3と、上部電極21および下部電極22間へ通電する通電手段4と、上部電極21および下部電極22を移動する移動手段5と、処理ガス供給手段3、通電手段4および移動手段5等の作動を制御する制御手段6とを有している。
図1に示すように、上部電極21と下部電極22とが、z軸方向に対向配置されている。次いで、上部電極21および下部電極22の構成について説明するが、上部電極21および下部電極22は、互いに同様の構成をなしているため、上部電極21について代表して説明し、下部電極22については、その説明を省略する。
上部電極21の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウム、鉄、銀等の金属単体、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウム合金等の各種合金、金属間化合物、各種炭素材料等が挙げられる。
図1に示すように、載置部7は、ワーク10を一対の電極21、22間に位置するように載置(支持)する。このような載置部7は、ワーク10の縁部(非有効処理領域)を支持するように構成されている。具体的には、載置部7は、枠状をなしており、その内周形状がワーク10の外周形状とほぼ同じ形状で若干大きく設定されている。また、載置部7には、内周面から内側に向けて突出する枠状の突出部71が形成されている。そして、載置部7は、この突出部71によりワーク10を支持しつつ、内周面によりワーク10の位置を定めている(位置ずれを抑制している)。このような載置部7によれば、簡単な構成でかつ確実に、第1の被処理面101を上部電極21側に露出させ、第2の被処理面102を下部電極22側に露出させた状態でワーク10を所望の位置で支持することができる。
また、載置部7をワーク10の構成材料と同じ材料で構成することにより、載置部7の熱膨張率とワーク10の熱膨張率とが同じとなる。そのため、プラズマ処理中に発生する熱によって、載置部7とワーク10とが同程度膨張することとなり、ワーク10の撓みや破損等を防止することができる。具体的に説明すれば、仮に、ワーク10の膨張率の方が載置部7の膨張率よりも大きい場合には、熱による膨張過程で、ワーク10が載置部7の内周面により圧迫され、ワーク10が撓んだり破損したりするが、前述のように載置部7の熱膨張率とワーク10の熱膨張率とを同じとすれば、このようなワーク10の撓みや破損を防止することができる。
また、処理ガスは、一般に、上記処理ガスとキャリアガスとからなる混合ガスが用いられる。なお、「キャリアガス」とは、放電開始と放電維持のために導入するガスのことを言う。
キャリアガスとしては、He、Ne、Ar、Xe等の希ガスを用いることができる。これらは、単独でも2種以上を混合した形態でも用いることができる。また、処理ガスの解離促進のためにO2を混合ガスに混ぜてもよい。
高周波電源41は、制御手段6によりその作動が制御される図示しない電力調整部を有しており、制御手段6の制御により、供給する電力の大きさ(電力値)を変更し得るようになっている。また、図示されていないが、供給する電力に対する整合回路(インピーダンスマッチング回路)や、高周波電源41の周波数を変える周波数調整手段(回路)や、高周波電源41の印加電圧の最大値(振幅)を変える電圧調整手段(回路)などが必要に応じて設置されている。これにより、ワーク10に対するプラズマ処理の処理条件を適宜調整することができる。
移動手段5は、一対の電極21、22がz軸方向に対向した状態を維持しつつ、一対の電極21、22をx軸方向およびy軸方向に2次元的に移動することができるとともに、一対の電極21、22をそれぞれz軸方向に移動することができる。すなわち、移動手段5は、一対の電極21、22を、x軸方向およびy軸方向へは連動して、z軸方向へは独立して移動することができる。
そのため、移動手段5によれば、上部電極21は、第1の被処理面101の上方の空間において、第1の被処理面101に対して、相対的にxyzの3次元空間内で任意の位置(座標)に移動可能となり、下部電極22は、第2の被処理面102の下方の空間において、第2の被処理面102に対して、相対的にxyzの3次元空間内で任意の位置に移動可能となる。移動手段5の作動は、制御手段6により制御されている。
なお、移動手段5としては、本実施形態のものに限定されず、例えば、x軸方向、y軸方向への一対の電極21、22とワーク10との相対的な移動は、ワーク10をx軸方向およびy軸方向に移動することにより行ってもよい。
図1に示すように、このプラズマ処理装置1は、入力等の各操作を行う操作部(入力手段)11と、記憶手段12と、プラズマ処理装置1の全体の作動(駆動)を制御する制御手段6と、目標形状データ入力部13と、形状測定器14とを備えている。
操作部11としては、例えば、キーボード、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えたタッチパネル等を用いることができ、この場合は、操作部11は、各種の情報を表示(報知)する表示手段(報知手段)を兼ねるものでもよい。
形状測定器14は、ワーク10の形状(厚さ、第1の被処理面101の形状、第2の被処理面の形状)の形状を検出する検出部と、その検出結果に基づいて、ワーク10の形状を示す形状データを作成するデータ作成部とを有している。ワーク10の形状データは、形状測定器14から制御手段6に入力される。
制御手段6は、プラズマ処理後のワーク10の形状が目標形状データの形状と一致するように、所定のプログラムに従ってワーク10の加工計画データを作成する。この加工計画データには、例えば、一対の電極21、22の移動パターン(xy平面における2次元的な移動ルート)や、この移動ルート中の各点での一対の電極21、22間印加する高周波電圧の強さ、一対の電極21、22の電極間距離、第1の被処理面101と上部電極21との離間距離、第2の被処理面102と下部電極22との離間距離、処理ガスの種類(濃度)および供給量等の各種条件が含まれている。そして、制御手段6は、作成された加工計画データに基づいて、プラズマ処理装置1の各部の作動、例えば、処理ガス供給手段3、通電手段4、移動手段5等の作動をそれぞれ制御する。
以上、プラズマ処理装置1の各部について詳細に説明した。
さらに、プラズマ処理装置1では、第1の被処理面101に対するプラズマ処理条件(例えばエッチングレート)と、第2の被処理面102に対するプラズマ処理条件(例えばエッチングレート)とを異ならせることができる。これにより、第1の被処理面101と第2の被処理面102とで異なるプラズマ処理を行うことができるため、ワーク10に対して幅広いプラズマ処理を行うことができ、その結果、プラズマ処理装置1の利便性が向上する。
なお、以下では、第1の被処理面101および第2の被処理面102が、互い平行な平坦面をなすワーク10を薄肉化するプラズマ処理について代表して説明する。
[1]まず、第1の被処理面101に対するプラズマ処理条件(エッチングレート)と、第2の被処理面102に対するプラズマ処理条件(エッチングレート)とが同じ場合について説明する。
制御手段6は、第1のプラズマ生成領域S1および第2のプラズマ生成領域S2にプラズマを発生させた後、移動手段5の作動を制御し、一対の電極21、22を前記加工計画データ中の移動パターンに従って、開始位置Psから終了位置Pfへ等速度で移動する。当該移動中に、第1のプラズマ生成領域S1で生成されたプラズマが第1の被処理面101に局所的かつ連続的に接触するとともに、第2のプラズマ生成領域S2で生成されたプラズマが第2の被処理面102に局所的かつ連続的に接触し、これにより、第1の被処理面101および第2の被処理面102の全域に対して所望のプラズマ処理が行われる。その結果、図2(b)に示すように、ワーク10が目標形状にエッチングされる(薄肉化される)。
図3(a)中の点線で示す形状は、ワーク10の目標形状を示している。図3(b)に示すように、ワーク10を目標形状とするために必要なエッチング量(エッチング深さ)は、第1の被処理面101では一対の電極21、22の移動方向(開始位置Psから終了位置Pf)に向けて漸増しているのに対し、第2の被処理面102では一対の電極21、22の移動方向に向けて漸減している。
具体的には、制御手段6は、一対の電極21、22間距離を一定に維持しつつ、移動パターンの開始位置Psから終了位置Pfに向けて、上部電極21と第1の被処理面101との離間距離が漸減し、反対に、下部電極22と第2の被処理面102との離間距離が漸増するような移動パターンを生成する(その他の条件については、第1の被処理面101側と第2の被処理面102側とで同様である)。
以上、本発明のプラズマ処理装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
Claims (7)
- 対向配置された上部電極および下部電極と、
前記上部電極および前記下部電極間に、板状をなし、一方の面に第1の被処理面を有し、他方の面に第2の被処理面を有するワークを、前記第1の被処理面が前記上部電極と対向し、前記第2の被処理面が前記下部電極と対向するように載置する載置部と、
前記第1の被処理面および前記第2の被処理面に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記上部電極および前記下部電極間へ通電する通電手段とを有し、
前記処理ガス供給手段により前記第1の被処理面および前記第2の被処理面に前記処理ガスを供給するとともに、前記通電手段により前記上部電極および前記下部電極間へ通電し、前記処理ガスを活性化させてプラズマを発生させ、前記第1の被処理面側に発生した前記プラズマにより前記第1の被処理面をプラズマ処理しつつ、前記第2の被処理面側に発生した前記プラズマにより前記第2の被処理面をプラズマ処理するよう構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記上部電極および前記下部電極が互いに対向した状態を維持しつつ、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを相対的に移動する移動手段を有し、
前記移動手段により、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを相対的に移動することにより、前記第1の被処理面および前記第2の被処理面をプラズマ処理する請求項1に記載のプラズマ処理装置。 - 前記第1の被処理面に対するプラズマ処理条件と、前記第2の被処理面に対するプラズマ条件とを異ならせることができる請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
- 前記移動手段は、前記プラズマ処理中に、前記上部電極と前記第1の被処理面との離間距離および前記下部電極と前記第2の被処理面との離間距離の少なくとも一方を変化させることができる請求項3に記載のプラズマ処理装置。
- 前記移動手段は、前記上部電極と前記下部電極との離間距離を一定に保ったまま、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを前記ワークの厚さ方向に相対的に移動することにより、前記上部電極と前記第1の被処理面との離間距離および前記下部電極と前記第2の被処理面との離間距離を変化させる請求項4に記載のプラズマ処理装置。
- 前記載置部は、前記ワークの縁部を支持するように構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記載置部は、誘電体材料を主材料として構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
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