JP2010211967A - 電子放出素子、電子放出装置、自発光デバイス、画像表示装置、冷却装置、および帯電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微粒子層4には、導電微粒子6と導電微粒子6の一次平均粒径より大きい一次平均粒径の絶縁体微粒子5とが含まれており、微粒子層4における導電微粒子6の凝集体の平均粒径は0.35μm以下である。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の電子放出素子の一実施形態の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態の電子放出素子1は、下部電極となる基板(電極基板)2と、上部電極(薄膜電極)3と、その間に挟まれて存在する電子加速層4とからなる。また、基板2と上部電極3とは電源7に繋がっており、互いに対向して配置された基板2と上部電極3との間に電圧を印加できるようになっている。電子放出素子1は、基板2と上部電極3との間に電圧を印加することで、基板2と上部電極3との間、つまり、電子加速層4に電流を流し、その一部を印加電圧の形成する強電界により弾道電子として、上部電極3を透過あるいは上部電極3の隙間から放出させる。なお、電子放出素子1と電源7とから電子放出装置10が成る。
本実施例では、本発明に係る電子放出素子を用いた電子放出実験、発光実験、粒径分布測定について図5〜11を用いて説明する。なお、これら実験等は実施の一例であって、本発明の内容を制限するものではない。まず初めに、実施例1、2の電子放出素子および、比較例1の電子放出素子を次のように作製した。まず、実施例1、2の電子放出素子の作製方法について説明する。
実施例1の電子放出素子は次のように作製した。まず、10mLの試薬瓶にヘキサン溶媒を3mL入れ、その中に絶縁体微粒子5として平均粒径110nmの球状シリカ粒子を0.5g投入し、試薬瓶を超音波分散器にかけ、シリカ粒子の分散を行った。次に導電微粒子6として応用ナノ粒子研究所製の銀ナノ粒子コロイド液(銀ナノ粒子の一次平均粒径4.5nm(納品時のメーカー測定データ)、微粒子固形分濃度37%のヘキサン分散溶液)を液体の状態で0.125g(固形分重量)追加投入し、同様に超音波分散処理を行って、微粒子分散液Aを得た。微粒子分散液Aに占める絶縁体微粒子5および導電微粒子6の総質量に対する絶縁体微粒子5の重量比率は80%であった。
実施例2の電子放出素子については、実施例1の電子放出素子と同様に作製した。ただし、実施例2が実施例1と異なる点は、銀ナノ粒子コロイド液中の凝集した銀ナノ粒子を用いている点である。まず、実施例1と同じである銀ナノ粒子コロイド液は、最初は銀微粒子の一次平均粒径4.5nm(納品時のメーカー測定データ)で良好に分散した、微粒子固形分濃度37%のヘキサン分散溶液である。ただし、これを放置すると時間の経過とともに銀ナノ粒子が凝集・沈殿する。実施例2では、約1ヶ月放置後の凝集・沈殿物を含む銀ナノ粒子を使用した。この凝集・沈殿物を含む銀ナノ粒子の粒径を測定した結果は、後述するように、348nmであった。なお、実施例1の銀ナノ粒子コロイド液では後述するように凝集体とはなっていない。
また、比較例1の電子放出素子は次のように作製した。まず、10mLの試薬瓶にトルエン溶媒を3mL入れ、その中に絶縁体微粒子5として平均粒径110nmの球状シリカ粒子を0.5gのシリカ粒子を投入し、試薬瓶を超音波分散器にかけ、シリカ粒子の分散を行った。次に、絶縁体物質を表面に付着させた導電微粒子6として、銀ナノ粒子(一次平均粒径10nm、うち絶縁被膜アルコラート1nm厚、ドライアップ品)を0.055g上記試薬瓶に追加投入し、同様に超音波分散処理を行う。こうして絶縁体微粒子(シリカ粒子)の配合割合(重量比率)が90%となる分散溶液Bが得られた。
上記のように作製した実施例1、2および比較例1の電子放出素子について、図5に示す実験系を用いて単位面積あたりの電子放出電流の測定実験を行った。図5に示す実験系では、電子放出素子1の上部電極3側に、絶縁体スペーサ9を挟んで対向電極8を配置させる。そして、電子放出素子1および対向電極8は、それぞれ、電源7に接続されており、電子放出素子1にはV1の電圧、対向電極8にはV2の電圧が印加されるようになっている。このような実験系を1×10−8ATMの真空中に配置して電子放出実験を行った。電子放出実験で、V2=100Vとした。また、絶縁体スペーサ9を挟んで、電子放出素子と対向電極との距離は5000μmであった。なお、真空中測定において、V2=50〜200Vで結果に大差ない。
さらに、図6および7に示す発光実験装置を用いて、実施例1,2および比較例1の電子放出素子について蛍光での発光実験を行った。図6に示す発光実験装置では、電子放出素子1の上部電極3側に、ITO付きガラス基板15を配置させる。ITO付きガラス基板15には、電子放出素子1と対向する面に蛍光体16が塗布してある。そして、ITO付きガラス基板15は電源と接続しており、ITO付きガラス基板15への印加電圧は、2000Vとした。また、電子放出素子1には、バイアス電源17に接続したバイアス電極から15Vの電圧を印加した。図7は、発光実験装置の上面図(写真)である。このような発光実験装置を1×10−8ATMの真空中に配置して電子放出実験を行った。
実施例3の電子放出素子は次のように作製した。まず、10mLの試薬瓶にエタノール溶媒2.0gとメチルトリメトキシシランKBM−13(信越化学工業株式会社製)0.5gを入れ、絶縁体微粒子5として平均粒径12nmの球状シリカ粒子AEROSIL R8200(エボニックエグサジャパン株式会社製)を0.5g投入し、試薬瓶を超音波分散器にかけ、絶縁体物質含有樹脂バインダー分散液Cを調製した。分散液Cに占める絶縁体微粒子5の含有率は17重量%であった。
図13に、実施の形態1で説明した本発明に係る電子放出素子1を用いた本発明に係る帯電装置90の一例を示す。帯電装置90は、電子放出素子1とこれに電圧を印加する電源7とからなり、感光体11を帯電させるものである。本発明に係る画像形成装置は、この帯電装置90を具備している。本発明に係る画像形成装置において、帯電装置90を成す電子放出素子1は、被帯電体である感光体11に対向して設置され、電圧を印加することにより、電子を放出させ、感光体11を帯電させる。なお、本発明に係る画像形成装置では、帯電装置90以外の構成部材は、従来公知のものを用いればよい。ここで、帯電装置90として用いる電子放出素子1は、感光体11から、例えば3〜5mm隔てて配置するのが好ましい。また、電子放出素子1への印加電圧は25V程度が好ましく、電子放出素子1の電子加速層の構成は、例えば、25Vの電圧印加で、単位時間当たり1μA/cm2の電子が放出されるようになっていればよい。
図14〜16に、実施の形態1で説明した本発明に係る電子放出素子1を用いた本発明に係る自発光デバイスの例をそれぞれ示す。
図18及び図19に、実施の形態1で説明した本発明に係る電子放出素子1を用いた本発明に係る冷却装置の例をそれぞれ示す。なお、冷却装置を送風装置として利用してもよい。
2 基板(電極基板)
3 上部電極(薄膜電極)
4 微粒子層(電子加速層)
5 絶縁体微粒子
6 導電微粒子
7 電源(電源部)
8 対向電極
9 絶縁体スペーサ
10 電子放出装置
11 感光体
21 加速電極
22 レジスト
31,31’,31” 自発光デバイス
32,32’ 蛍光体
33 ITO膜
34 ガラス基板
35 電源
36 発光部
41 被冷却体
42 送風ファン
51 開口部
90 帯電装置
100 電子線硬化装置
140 画像表示装置
150 冷却装置
160 冷却装置
330 液晶パネル
Claims (12)
- 電極基板と薄膜電極と該電極基板および該薄膜電極に挟持された電子加速層とを有し、上記電極基板と上記薄膜電極との間に電圧が印加されると、上記電子加速層で電子を加速させて、上記薄膜電極から該電子を放出させる電子放出素子であって、
上記電子加速層には、導電微粒子と該導電微粒子の一次平均粒径より大きい一次平均粒径の絶縁体微粒子とが含まれており、
上記電子加速層において上記導電微粒子の凝集体の平均粒径は、0.35μm以下となっていることを特徴とする電子放出素子。 - 上記導電微粒子は、抗酸化力が高い導電体であることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
- 上記導電微粒子は、貴金属であることを特徴とする請求項2に記載の電子放出素子。
- 上記導電微粒子の一次平均粒径は、3〜10nmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子放出素子。
- 電極基板と、薄膜電極と、該電極基板および該薄膜電極に挟持され、導電微粒子と該導電微粒子の一次平均粒径より大きい一次平均粒径の絶縁体微粒子とを含む電子加速層と、を有し、上記電極基板と上記薄膜電極との間に電圧が印加されると、上記電子加速層で電子を加速させて、上記薄膜電極から該電子を放出させる電子放出素子の製造方法であって、
上記電極基板上に、上記導電微粒子のナノコロイド液を液体の状態で用いて上記電子加速層を形成する電子加速層形成ステップを含むことを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 上記導電微粒子はコロイド状態での平均粒径が0.35μm以下となっている請求項5に記載の電子放出素子の製造方法。
- 上記電子加速層形成ステップでは、上記導電微粒子のナノコロイド液と上記絶縁体微粒子とを分散した溶媒とを混合し、上記電極基板上に塗布することを特徴とする請求項5または6に記載の電子放出素子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子放出素子と、上記電極基板と上記薄膜電極との間に電圧を印加する電源部と、を備えたことを特徴とする電子放出装置。
- 請求項8に記載の電子放出装置と発光体とを備えたことを特徴とする自発光デバイス。
- 請求項9に記載の自発光デバイスを備えたことを特徴とする画像表示装置。
- 請求項2に記載の電子放出素子と、上記電極基板と上記薄膜電極との間に電圧を印加する電源部と、を有する電子放出装置を備え、該電子放出装置から電子を放出させて被冷却体を冷却させることを特徴とする冷却装置。
- 請求項2に記載の電子放出素子と、上記電極基板と上記薄膜電極との間に電圧を印加する電源部と、を有する電子放出装置を備え、該電子放出装置から電子を放出させて感光体を帯電させることを特徴とする帯電装置。
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