JP2010211958A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料タンクに収容された液体燃料をポンプで供給する燃料電池において、少量の液体燃料の安定的に供給することを可能にする。
【解決手段】燃料電池は、膜電極接合体を備える起電部と、液体燃料Fを収容する燃料タンク5と、膜電極接合体の燃料極に燃料を供給する燃料供給機構とを具備する。燃料供給機構は、燃料供給部と、燃料タンク5と燃料供給部との間に介在され、燃料タンク5内の液体燃料Fを燃料供給部に送液する燃料供給ポンプ25とを備える。燃料タンク5は空気を貯蔵するバッファタンク31を内蔵する。バッファタンク31はその内部に貯蔵された空気を燃料供給ポンプ5の起動時に燃料タンク5内に放出するように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は液体燃料を用いた燃料電池に関する。
直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯用電子機器の電源や充電器として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、また燃料収容部内の液体燃料を電池内部で気化させて燃料極に供給する内部気化型等のパッシブ方式が知られている。
パッシブ型DMFCにおいては、例えば燃料極、電解質膜および空気極を有する膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を備える起電部を、燃料収容部上に配置した構造が適用されている。このような構造では電池出力の制御性を高めることが難しいことから、DMFCの起電部に燃料を供給する燃料供給部と液体燃料を収容する燃料タンクとを流路を介して接続したり、さらに燃料供給部と燃料タンクとを接続する流路にポンプ(燃料供給ポンプ)を設置し、このポンプで燃料供給部に液体燃料を供給することが検討されている(特許文献1〜2参照)。
非循環式の燃料供給機構を適用した燃料電池においては、燃料供給ポンプの動作時に送液量に相当する空気を外部から燃料タンク内に取り込むことによって、燃料タンクの内圧を一定に保つ必要がある。これは燃料タンク内が負圧になると燃料供給ポンプによる液体燃料の吸込み効率が低下し、また場合によっては送液ができなくなるためである。燃料タンク内への外部空気の取り込みは、例えば燃料タンクに圧力調整弁を設置することで実施される。燃料タンク内が減圧した際に圧力調整弁を開放して外部空気を取り込むことによって、燃料供給ポンプによる送液量を安定に保つことができる。
燃料電池を携帯用電子機器の電源や充電器として用いる場合、燃料電池の小型化に伴って液体燃料の供給量自体も少量となることから、燃料供給ポンプには少量の液体燃料を安定して送液することが可能な動作圧力が低い小型のポンプが用いられる。しかしながら、圧力調整弁では小型ポンプの低動作圧力で生じる燃料タンク内の負圧を安定的に解消することができない。すなわち、圧力調整弁では小型ポンプの低動作圧力に対応させて燃料タンクの内圧を安定化させることが難しい。このため、燃料供給ポンプによる液体燃料の安定供給が損なわれ、また場合によっては送液自体が不可能になる。
特表2005−518646号公報 特開2006−085952号公報
本発明の目的は、燃料タンクに収容された液体燃料をポンプで供給するにあたって、液体燃料の送液量が少量となるような場合においても、液体燃料を安定的に供給することを可能にした燃料電池を提供することにある。
本発明の態様に係る燃料電池は、燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体を備える起電部と;液体燃料を収容する燃料タンクと;前記燃料極に燃料を供給する燃料供給部と、前記燃料タンクと前記燃料供給部との間に介在され、前記燃料タンク内の前記液体燃料を前記燃料供給部に送液する燃料供給ポンプとを備える燃料供給機構と;を具備し、前記燃料タンクは空気を貯蔵するバッファタンクを内蔵し、前記バッファタンクはその内部に貯蔵された空気を前記燃料供給ポンプの起動時に前記燃料タンク内に放出するように構成されていることを特徴としている。
本発明の態様に係る燃料電池によれば、燃料タンクに空気を貯蔵するバッファタンクを内蔵し、このバッファタンク内部の空気を燃料供給ポンプの起動時に燃料タンク内に放出しているため、燃料供給ポンプによる液体燃料の供給を安定化することができる。
本発明の実施形態による燃料電池の構成を示す断面図である。 図1に示す燃料電池の燃料タンクを拡大して示す図である。 図1に示す燃料電池の燃料供給部の一例を示す斜視図である。 図3に示す燃料供給部の平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態による燃料電池の構成を示す断面図である。図1に示す燃料電池1は、膜電極接合体(MEA)を備える起電部2と、起電部2に燃料を供給する燃料供給部3を備える燃料供給機構4と、液体燃料を収容する燃料タンク5とから主として構成されている。
起電部2は、アノード触媒層6とアノードガス拡散層7とを有するアノード(燃料極)8と、カソード触媒層9とカソードガス拡散層10とを有するカソード(空気極/酸化剤極)11と、アノード触媒層6とカソード触媒層9とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜12とから構成される膜電極接合体(MEA)13を備えている。
アノード触媒層6やカソード触媒層9に含有される触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層6にはメタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層9にはPtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒はこれらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。触媒は炭素材料等の導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
アノード触媒層6に積層されるアノードガス拡散層7は、アノード触媒層6に燃料を均一に供給すると同時に、アノード触媒層6の集電機能を有するものである。カソード触媒層9に積層されるカソードガス拡散層10は、カソード触媒層9に酸化剤を均一に供給すると同時に、カソード触媒層9の集電機能を有するものである。アノードガス拡散層7やカソードガス拡散層10は、燃料や空気を流通させることが可能な導電性の多孔質基材、例えばカーボンペーパーやカーボンクロス等のカーボン多孔質基材で構成される。
電解質膜12はプロトン伝導性材料で構成されている。電解質膜12を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜12はこれらの材料に限られるものではない。
起電部2はMEA13をアノード集電体14とカソード集電体15とで挟み込むことで構成されている。アノード集電体14はアノードガス拡散層7と積層され、カソード集電体15はカソードガス拡散層10と積層される。集電体14、15は燃料や空気を流通させる貫通孔を有している。集電体14、15にはAuやNi等の導電性金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)や箔体、あるいはステンレス鋼のような導電性金属材料にAu等の良導電性金属を被覆した複合材等が用いられる。起電部2はOリング等のシール部材16でシールされており、MEA13からの燃料漏れや酸化剤漏れが防止されている。
起電部2は燃料供給部3上に配置されている。燃料供給部3は、燃料拡散室17を形成する容器18と、容器18内に配置された燃料拡散材19とを有している。容器18は上部が開口された箱状の形状を有している。このような容器18の開口部側にMEA13のアノード8が位置するように起電部2が配置されている。燃料拡散材19は板状の多孔質材料等で形成されており、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等からなる樹脂製多孔質板が用いられる。燃料供給部3はアノード8の面方向に燃料を分散並びに拡散させつつ、アノード8に燃料を供給するものである。
そして、燃料拡散材19が配置された容器18上に起電部2と保湿層20とを積層し、さらにその上から例えばステンレス製のカバープレート21を被せて全体を保持することによって、この実施形態の燃料電池(DMFC)1の発電ユニットが構成されている。保湿層20はカソード触媒層9で生成された水の一部が含浸されて水の蒸散を抑制すると共に、カソード触媒層9への空気の均一拡散を促進するものである。
カバープレート21は空気取入れ用の開口部22を有している。カソード(空気極)11には開口部22を介して自然吸気により空気が取り込まれる。なお、保湿層20とカバープレート21との間には必要に応じて表面層が配置される。表面層は空気の取入れ量を調整するものであって、自然吸気による空気の取入れ量に応じて個数や大きさが調整された複数の空気導入口を有するものである。
燃料拡散材19は容器18に設けられた燃料注入部23と接している。燃料注入部23は配管のような液体燃料の流路24を介して燃料タンク5と接続されている。燃料タンク5にはMEA13に応じた液体燃料Fが収容されている。液体燃料Fには各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が用いられる。液体燃料Fはこれに限られるものではなく、エタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。
流路24にはポンプ25が介在されている。ポンプ25は燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料タンク5から燃料供給部3に液体燃料Fを送液する燃料供給ポンプである。燃料供給部3からMEA13に供給された燃料は発電反応に使用され、その後に循環して燃料タンク5に戻されることはない。燃料電池1は非循環式の燃料供給機構4を備えるものであり、従来のアクティブ方式とは異なるものである。液体燃料Fの供給にポンプ25を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。燃料電池1はセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
ポンプ25の種類は特に限定されるものではないが、少量の液体燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。ロータリーベーンポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。
ポンプ25の送液能力は燃料電池1の主たる対象物が小型電子機器であるため、10μL/分〜1mL/分の範囲であることが好ましい。送液能力が1mL/分を超えると一度に送液される液体燃料の量が多くなりすぎて、全運転期間に占めるポンプ25の停止時間が長くなる。このため、MEA13への燃料の供給量の変動が大きくなり、その結果として出力の変動が大きくなる。ポンプ25の送液能力が10μL/分未満であると、装置立ち上げ時(起動時)のように燃料の消費量が増える場合に供給能力不足を招くおそれがある。ポンプ25の送液能力は10〜200μL/分の範囲であることがより好ましい。
燃料供給部3から放出された燃料はMEA13のアノード(燃料極)8に供給される。MEA13内において、燃料はアノードガス拡散層7を拡散してアノード触媒層6に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層6では下記の式(1)に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、例えばカソード触媒層9で生成した水や電解質膜12中の水をメタノールと反応させて式(1)の内部改質反応を生起させる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は集電体14を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、集電体15を経由してカソード(空気極)11に導かれる。式(1)の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は電解質膜12を経てカソード11に導かれる。カソード11には酸化剤として空気が供給される。カソード11に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層9で空気中の酸素と下記の式(2)にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
ところで、ポンプ25を動作させて燃料タンク5内の液体燃料Fの送液を開始すると、燃料タンク5内に液体燃料Fの送液量に応じた負圧が発生する。そのままではポンプ25による液体燃料Fの吸込み効率が低下したり、また場合によっては送液ができなくなるため、液体燃料Fの送液量に相当する空気を外部から取り込む必要がある。燃料タンク5内への外部空気の取り込みについては、例えば燃料タンク5に圧力調整弁を設置し、燃料タンク5内が減圧した際に圧力調整弁を開放して空気を取り込むことが考えられる。
ポンプ25の起動時においては、ポンプ25から燃料タンク5までの流路24に大気圧の空気が存在している。このような状態において、ポンプ25は空気圧縮による運転モードとなり、動作圧力が最小値を示す。ポンプ25の起動時においては、ポンプ25から燃料タンク5までの流路24の容量に相当する負圧が燃料タンク5内に発生する。この負圧を速やかに解消することができないと、燃料タンク5内がポンプ25の動作圧力の上限に達し、液体燃料Fを送液することができなくなる。ポンプ25の動作圧力は起動時に最小値となるため、ポンプ25が送液不能な状態となりやすい。
燃料タンク5内への空気の取り込みを圧力調整弁のみで実施した場合、圧力調整弁はポンプ25の起動時に発生する負圧に速やかに対応する必要がある。ここで、ポンプ25には液体燃料Fの少量の送液量に対応した送液能力が求められることから、吐出量(吸込量)が微量の小型ポンプが用いられる。しかし、圧力調整弁では小型ポンプの低動作圧力で生じる負圧を安定的に解消することができない。すなわち、圧力調整弁では小型ポンプの低動作圧力に対応させて燃料タンク5の内圧を安定化させることが難しい。
そこで、この実施形態の燃料電池1においては、図2に示すように、燃料タンク5に空気を貯蔵するバッファタンク31を内蔵している。バッファタンク31は気液分離膜32を介して燃料タンク5の内部と連通している。従って、バッファタンク31はその内部に貯蔵された空気を燃料タンク5内に放出することが可能とされていると共に、燃料タンク5内の液体燃料Fがバッファタンク31内に流入することを防止している。このような機構は気液分離膜32に限られるものではなく、燃料タンク5とバッファタンク31とを逆止弁を介して連通させることによっても実現可能である。
バッファタンク31を内蔵する燃料タンク5には、ポンプ25の流路24の先端に設けられた燃料吸込み部33が設置されている。燃料吸込み部33は多孔質体等からなり、液体燃料F内に配置されている。ポンプ25の動作前の状態において、燃料吸込み部33は液体燃料F内に配置されているため、その内部には液体燃料Fが充填されているが、燃料タンク5からポンプ25までの流路24には大気圧の空気が存在している。
ポンプ25の起動時においては、ポンプ25から燃料タンク5までの流路24内に存在する大気圧の空気を吸込むことになるため、この流路24の容量に相当する燃料タンク5の負圧を速やかに解消する必要がある。このような点に対し、実施形態の燃料電池1ではポンプ25を起動させて燃料タンク5内に負圧が生じると、この負圧に基づいてバッファタンク31内に貯蔵された空気が燃料タンク5内に放出される。従って、燃料タンク5内の減圧レベルが下がった状態となりポンプ25が送液不能となることが防止される。
バッファタンク31にはポンプ25の起動時に生じる負圧に対応する空気を貯蔵することが求められる。ポンプ25の起動時にはポンプ25から燃料タンク5までの流路24内に存在する大気圧の空気が問題となる。このような状態において、所定の吸上げ圧力で燃料タンク5からポンプ25まで確実に液体燃料Fを供給するためには、流路24の容積に応じた空気の貯蔵量を有するバッファタンク31が求められる。すなわち、ポンプ25の吸上げ圧力に基づいてポンプ25から燃料タンク5までの流路24の容積に応じた空気の貯蔵量を有するバッファタンク31を使用することによって、ポンプ25の起動時に燃料タンク5からポンプ25まで確実に液体燃料Fを送液することが可能となる。
ここで、ポンプ25から燃料タンク5までの流路24の容量をV1、大気圧をP1(約100kPa)、ポンプ25の吸上げ圧力をP2としたとき、圧力Pと体積Vの積は一定(PV=一定)であるため、バッファタンクの容量V2が[V2≧P1・V1/P2]を満足することによって、ポンプ25の起動時に燃料タンク5からポンプ25まで確実に液体燃料Fを送液することができる。吸上げ圧力P2が5kPaのポンプ25を使用した場合、バッファタンクの容量V2がV2≧20V1を満足すれば、燃料タンク5が100%充填時においても液体燃料Fを吸上げることができる。
例えば、ポンプ25から燃料タンク5までの流路24に、内径が1mmで長さが50mmの配管を使用した場合、流路24の容量V1は40μLとなる。さらに、大気圧P1を100kPa、ポンプ25の吸上げ圧力P2を5kPaとする。このような場合においては、バッファタンクが0.8mLの容量V2(=100(kPa)×40(μL)/5(kPa))を有していれば、燃料タンク5が100%充填時においても、ポンプ25の起動時に燃料タンク5からポンプ25まで確実に送液することができる。
バッファタンクの容量V2が[V2=P1・V1/P2]であれば、上記したようにポンプ25の起動時に燃料タンク5からポンプ25まで液体燃料Fを吸上げることができる。バッファタンクの容量V2はそれ以上であってもよいが、バッファタンクの容量V2をあまり大きくしすぎると、その分だけ燃料タンク5の容量(液体燃料Fの収容量)が減るために製品上好ましくない。
このように、燃料タンク5に空気を貯蔵するバッファタンク31を内蔵し、さらにバッファタンク31の内部に貯蔵された空気をポンプ25の起動時に燃料タンク5内に放出させることによって、動作圧力が低い小型のポンプ25を用いた場合においても、ポンプ25の起動時に液体燃料Fを燃料タンク5からポンプ25まで送液することができる。ポンプ25に液体燃料Fが到達すると、ポンプ25は起動時に比べて数倍の吸上げ圧力を発生させるため、その後は安定して液体燃料Fを送液することができる。
従って、起動時の動作圧力が低い小型のポンプ25を用いた場合においても、燃料タンク5から燃料供給部3まで液体燃料Fを安定して送液することができる。すなわち、液体燃料Fを安定供給することで、出力特性やその安定性に優れる燃料電池1を提供することが可能となる。なお、ポンプ25の継続動作に伴って燃料タンク5内に発生する負圧に関しては、燃料タンク5に圧力調整弁を付設して解消してもよい。この実施形態の燃料電池1において、燃料タンク5には圧力調整弁34が付設されている。
なお、上述した実施形態の燃料電池1においては、燃料をアノード8の面方向に分散させつつ供給する燃料供給部3として、燃料拡散室17内に配置した燃料拡散材19を適用しているが、燃料供給部3の構成はこれに限られるものではない。燃料供給部3は例えば図3および図4に示すように、燃料注入口41と複数の燃料排出口42とを細管43のような燃料通路で接続した燃料分配板44で構成することも可能である。
図3および図4に示す燃料供給部3は、液体燃料が流入する少なくとも1個の燃料注入口41と、液体燃料もしくはその気化成分を排出する複数個の燃料排出口42とを有する燃料分配板44を備えている。燃料分配板44の内部には、液体燃料の通路として機能する細管43が形成されている。細管43の一端(始端部)には燃料注入口41が設けられている。細管43は途中で複数に分岐しており、これら分岐した細管43の各終端部に燃料排出口42がそれぞれ設けられている。
本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではなく、MEAに供給される燃料の全てが液体燃料の蒸気、全てが液体燃料、または一部が液体状態で供給される液体燃料の蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組合せたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除する等、種々の変形が可能である。
1…燃料電池、2…起電部、3…燃料供給部、4…燃料供給機構、5…燃料タンク、6…アノード触媒層、7…アノードガス拡散層、8…アノード(燃料極)、9…カソード触媒層、10…カソードガス拡散層、11…カソード(空気極)、12…電解質膜、13…MEA、14,15…集電体、20…保湿層、21…カパープレート、24…流路、25…ポンプ、31…バッファタンク、32…気液分離膜。

Claims (4)

  1. 燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体を備える起電部と;
    液体燃料を収容する燃料タンクと;
    前記燃料極に燃料を供給する燃料供給部と、前記燃料タンクと前記燃料供給部との間に介在され、前記燃料タンク内の前記液体燃料を前記燃料供給部に送液する燃料供給ポンプとを備える燃料供給機構と;を具備し、
    前記燃料タンクは空気を貯蔵するバッファタンクを内蔵し、前記バッファタンクはその内部に貯蔵された前記空気を前記燃料供給ポンプの起動時に前記燃料タンク内に放出するように構成されていることを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、
    前記バッファタンクは前記燃料タンクの内部と気液分離膜または逆止弁を介して連通されていることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1または請求項2記載の燃料電池において、
    前記燃料供給部は前記燃料タンクと流路を介して接続されており、前記燃料供給ポンプは前記流路に設置されていることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項3記載の燃料電池において、
    大気圧をP1、前記燃料供給ポンプの吸上げ圧力をP2、前記燃料供給ポンプから前記燃料タンクまでの前記流路の容量をV1としたとき、前記バッファタンクの容量V2は[V2≧P1・V1/P2]を満足することを特徴とする燃料電池。
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