JP2008204852A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体燃料を用いた燃料電池において、液体燃料の残存量の多少に関わらず、また燃料収容部の供給姿勢がどのようであっても、燃料電池セルに対して液体燃料を安定した十分な流量で供給する。
【解決手段】燃料電池1は、燃料極13と空気極16とこれらに挟持された電解質膜17とを有する膜電極接合体2を具備する。膜電極接合体2には、燃料収容部4と流路5を介して接続された燃料拡散供給部3から燃料が供給される。燃料収容部4は、液体燃料Fを収容する燃料タンク21と、燃料タンク21の液体燃料流出口23に一端が接続されて燃料タンク21内部に配置された吸液誘導部材22を備えている。吸液誘導部材22の他端部(非接続側の端部)は、リブ24により燃料タンク21の底部に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は液体燃料を用いた燃料電池に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用するために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料を補給すれば連続して長時間発電することが可能であるという特徴を有している。そのため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。
直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯用電子機器の電源として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、また燃料収容部内の液体燃料を電池内部で気化させて燃料極に供給する内部気化型等のパッシブ方式が知られている。
これらのうち、内部気化型等のパッシブ方式は、DMFCの小型化に対して特に有利である。パッシブ型DMFCにおいては、例えば燃料極、電解質膜および空気極を有する膜電極接合体(燃料電池セル)を、樹脂製の箱状容器からなる燃料収容部上に配置した構造が提案されている(例えば特許文献1参照)。燃料収容部から気化した燃料を直接燃料電池セルに供給する場合、燃料電池の出力の制御性を高めることが重要となるが、現状のパッシブ型DMFCでは必ずしも十分な出力制御性は得られていない。
一方、DMFCの燃料電池セルと液体燃料とを流路を介して接続することが検討されている(特許文献2〜特許文献4参照)。燃料収容部から供給された液体燃料を燃料電池セルに流路を介して供給することによって、流路の形状や径等に基づいて液体燃料の供給量を調整することができる。しかし、流路からの液体燃料の供給構造によっては、燃料電池セルに対する燃料の供給状態が不均一になり、燃料電池の出力が低下するおそれがある。例えば、溝状の流路に沿って液体燃料を流す場合、流路を液体燃料が流れるにつれて順次燃料が消費されていくため、流路出口側では燃料濃度が減少する。そのため、燃料電池セルの流路出口に近い部分では発電反応が低下し、その結果として出力の低下を招いてしまう。
また、特許文献3では燃料収容部から流路にポンプで液体燃料を供給している。特許文献3にはポンプに代えて、流路に電気浸透流を形成する電界形成手段を用いることも記載されている。特許文献4には電気浸透流ポンプを用いて液体燃料等を供給することが記載されている。
しかし、ポンプ等を用いて液体燃料を燃料電池セルに供給するようにした燃料電池においては、燃料収容部の配置や流出口の向き、傾きなどの姿勢によって、燃料電池セルに液体燃料を十分な流量で安定して供給することが難しかった。例えば、液体燃料の残存量が少なく、燃料収容部内の液体燃料の液面と流出口との間に気相が存在する場合、ポンプによる液体燃料の供給が困難になるという問題があった。
国際公開第2005/112172号パンフレット 特表2005−518646号公報 特開2006−085952号公報 米国特許公開第2006/0029851号公報
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、燃料収容部における液体燃料の残存量の多少に関わらず、また燃料収容部の配置や向き、傾きなどの供給姿勢がどのようであっても、燃料電池セルに対して液体燃料を安定した十分な流量で供給することができ、電池出力の安定化を図ることを可能にした燃料電池を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る燃料電池は、燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、前記膜電極接合体の前記燃料極側に配置され、前記燃料極に対して燃料を供給する燃料拡散供給部と、液体燃料を収容するとともに、前記燃料拡散供給部と流路を介して接続された燃料収容部とを備え、前記燃料収容部は、前記流路への前記液体燃料の流出口を有する収容部本体と、該収容部本体内に配置され、前記液体燃料の流出口に一端が接続された吸液誘導部材を具備することを特徴としている。
本発明の態様に係る燃料電池によれば、燃料収容部内に吸液誘導部材が配置されているので、この吸液誘導部材に液体燃料が吸上げられて流出口まで誘導されることにより、液体燃料の残量や燃料収容部の配置や向き、傾きなどの供給姿勢に関係なく、燃料電池セルに安定した十分な流量で液体燃料を供給することができる。したがって、燃料電池の小型化等を損なうことなく、出力の安定化を図ることが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態による燃料電池の構成を示す断面図である。図1に示す燃料電池1は、起電部を構成する燃料電池セル2と、この燃料電池セル2に燃料を供給する燃料拡散供給部3と、液体燃料を収容する燃料収容部4と、これら燃料拡散供給部3と燃料収容部4とを接続する流路5、およびこの流路5の途中に介挿されたポンプ6を備えている。
燃料電池セル2は、アノード触媒層11とアノードガス拡散層12とを有するアノード(燃料極)13と、カソード触媒層14とカソードガス拡散層15とを有するカソード(空気極/酸化剤極)16と、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17とから構成される膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を有している。
アノード触媒層11およびカソード触媒層14に含有される触媒としては、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。具体的には、アノード触媒層11にはメタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を、カソード触媒層14にはPtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒はこれらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
電解質膜17を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜17はこれらに限られるものではない。
アノード触媒層11に積層されるアノードガス拡散層12は、アノード触媒層11に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層11の集電体も兼ねている。カソード触媒層14に積層されるカソードガス拡散層15は、カソード触媒層14に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層14の集電体も兼ねている。アノードガス拡散層12およびカソードガス拡散層15は多孔質基材で構成されている。
また、アノードガス拡散層12やカソードガス拡散層15には、必要に応じて導電層(図示を省略。)が積層される。これら導電層としては、例えばAuのような導電性金属材料からなるメッシュ、多孔質膜、薄膜等が用いられる。電解質膜17と燃料拡散供給部3およびカバープレート18との間には、それぞれゴム製のOリング19が介在されており、これらによって燃料電池セル(MEA)2からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止している。
カバープレート18は、酸化剤である空気を取入れるための開口(図示を省略。)を有している。カバープレート18とカソード16との間には、必要に応じて保湿層や表面層が配置される。保湿層は、カソード触媒層14で生成された水の一部が含浸されて水の蒸散を抑制するとともに、カソード触媒層14への空気の均一拡散を促進するものである。表面層は、空気の取入れ量を調整するものであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複数の空気導入口を有している。
燃料電池セル2のアノード(燃料極)13側には、燃料拡散供給部3が配置されている。燃料拡散供給部3は、配管のような液体燃料の流路5を介して燃料収容部4と接続されている。燃料拡散供給部3には、燃料収容部4から流路5を介して液体燃料が導入される。流路5は、燃料拡散供給部3や燃料収容部4と独立した配管に限られるものではなく、燃料拡散供給部3と燃料収容部4とを繋ぐ液体燃料の流路であってもよい。
燃料収容部4は、収容部本体である燃料タンク21を有し、この燃料タンク21内に燃料電池セル2に対応した液体燃料Fが収容されている。液体燃料Fとしては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。液体燃料Fは必ずしもメタノール燃料に限られるものではなく、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。このような液体燃料Fを収容した燃料タンク21内に、吸液誘導部材22が設置され、燃料収容部4が構成されている。燃料収容部4の構成については後に詳述する。
燃料拡散供給部3は、液体燃料が流路5を介して流入する少なくとも1個の燃料注入口31と、液体燃料やその気化成分を排出する複数個の燃料排出口32とを有する燃料分配板33を備えている。燃料排出口32は、燃料電池セル2の全体に燃料を供給することが可能なように、燃料分配板33のアノード13と接する面に複数設けられている。燃料分配板33の内部には、燃料注入口31から導かれた液体燃料の通路となる空隙部34が設けられている。複数の燃料排出口32は、燃料通路として機能する空隙部34にそれぞれ直接接続されている。
燃料注入口31から導入された液体燃料は空隙部34に入り、この空隙部34を介して複数の燃料排出口32にそれぞれ導かれる。複数の燃料排出口32には、例えば液体燃料の気化成分のみを透過し、液体成分は透過させない気液分離体(図示せず。)を配置してもよい。これによって、燃料電池セル2のアノード(燃料極)13に液体燃料の気化成分が供給される。液体燃料の気化成分は、複数の燃料排出口32からアノード13の複数個所に向けて排出される。また、燃料拡散供給部3は、前記燃料分配板33の燃料排出口32が配設された面全体が気液分離体(図示せず)により構成された構造とすることもできる。
燃料拡散供給部3から拡散されて供給された燃料は、上述したように燃料電池セル2のアノード(燃料極)13に供給される。燃料電池セル2内において、燃料はアノードガス拡散層12を拡散してアノード触媒層11に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層11で下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層14で生成した水や電解質膜17中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
CHOH+HO → CO+6H++6e- ………(1)
この反応で生成した電子(e-)は集電体を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、カソード(空気極)16に導かれる。また、(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は電解質膜17を経てカソード16に導かれる。カソード16には酸化剤として空気が供給される。カソード16に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e-+6H++(3/2)O → 3HO ………(2)
燃料拡散供給部3とアノード(燃料極)13との間には、さらに、多孔体(図示を省略。)を挿入することもできる。多孔体の構成材料としては各種樹脂が使用され、多孔質状態の樹脂フィルム等が用いられる。このような多孔体を配置することによって、燃料極13に対する燃料供給量をより一層平均化することができる。すなわち、燃料拡散供給部3の燃料排出口32から噴出した液体燃料は、一旦多孔体に吸収され、多孔体の内部で面内方向に拡散する。この後、多孔体から燃料極13に燃料が供給されるため、燃料供給量をより一層平均化することが可能となる。多孔体は複数の多孔膜を積層した構造としてもよい。
このような燃料拡散供給部3と燃料収容部4とを接続する流路5の途中には、ポンプ6が挿入されている。ポンプ6は燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部4から燃料拡散供給部3に液体燃料を送液する燃料供給ポンプである。このようなポンプ6で必要時に液体燃料を送液することによって、燃料供給量の制御性を高めることができる。
図1に示す実施形態の燃料電池において、燃料拡散供給部3から燃料電池セル2に供給された燃料は発電反応に使用され、その後に循環して燃料収容部4に戻されることはない。実施形態の燃料電池は、燃料を循環しないことから従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ6を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なるため、実施形態の燃料電池は例えばセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
ポンプ6の種類は特に限定されるものではないが、少量の液体燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。ロータリーベーンポンプは、モータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは、電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは、電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは、柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
実施形態の燃料電池においては、必要時にポンプ6を動作させて燃料収容部4から燃料拡散供給部3に液体燃料を供給することができる。なお、流路5にポンプ6を設置することなく、位置エネルギーのみにより燃料収容部4から燃料拡散供給部3へ液体燃料を供給するように構成することも可能である。また、燃料拡散供給部3から燃料電池セル2のMEAへの燃料供給が行われる構成であれば、ポンプ6に代えて燃料遮断バルブを配置する構成とすることも可能である。この場合、燃料遮断バルブは、流路による液体燃料の供給を制御するために設けられるものである。
燃料収容部4は、図2に拡大して示すように、内部に液体燃料Fを収容し、流路5への液体燃料流出口23を有する燃料タンク21と、液体燃料流出口23に一端が接続されて燃料タンク21の内部に配置された吸液誘導部材22を備えている。吸液誘導部材22の他端部(非接続側の端部)は、例えば、燃料タンク21の内部に突出・形成されたリブ24により、燃料タンク21の底部に配置されている。リブ44は燃料タンク21と同一の材料で一体成形により形成することが好ましい。
燃料タンク21は、内部に収容された液体燃料Fの容量を視認しやすいように、耐薬品性の透明樹脂により構成されている。耐薬品性の透明樹脂としては、環状オレフィンコポリマー(例えばポリプラスチック(株)製のTOPAS)等が挙げられる。
吸液誘導部材22は、燃料タンク21内に収容された液体燃料Fを毛管力で吸上げるとともに部材内部を浸透・拡散させて、液体燃料流出口23まで誘導する働きをするものである。吸液誘導部材22は、耐薬品性の樹脂製多孔体により形成することが好ましい。耐薬品性の樹脂製多孔体としては、例えばポリエチレン多孔体が挙げられる。
吸液誘導部材22の形状および燃料タンク21内での設置態様としては、非接続側の端部(液体燃料流出口23に接続された端部と反対側の端部)が、燃料タンク21の液体燃料流出口43が開口された面(例えば上面)と対向する面(例えば底面)にまで延出されており、かつその端部において、十分な長さの吸液浸透部22aを有する形状が挙げられる。
より具体的には、吸液誘導部材22の好ましい形状として、燃料タンク21の正面側から見てL字形の形状が挙げられる。そして、このL字形の吸液誘導部材22を、L字の縦棒が液面に対して垂直に立設されるように配置し、L字の縦棒の上端部に相当する端部が燃料タンク21の上面端部に開口された液体燃料流出口23に挿入・接続されるように構成する。この設置態様では、L字の横棒部分が十分な長さを有する吸液浸透部22aとなり、リブ24により燃料タンク21の底面に配置されている。
吸液誘導部材22の形状は、図3に示すように、燃料タンク21の正面側から見て逆T字形の形状としてもよい。この形状の吸液誘導体22では、燃料タンク21の上面の中央部に液体燃料流出口23が開口される。そして、吸液誘導部材22の逆T字の縦棒の上端部に相当する端部が、液体燃料流出口43に接続されるとともに、逆T字の横棒部分が十分な長さを有する吸液浸透部22aとなり、リブ44により燃料タンク21の底面に配置されている。なお、図3および後述する図4においては、吸液誘導部材22の形状および燃料タンク21内での配置のみを示した。
吸液誘導部材22の形状および設置態様を図2および図3に示すようにした場合には、液体燃料Fの残量や燃料タンク21の配置や向き、傾きなどの姿勢に関係なく、吸液誘導部材22の少なくとも一部が液体燃料Fに浸漬されるので、浸漬部から毛管力で液体燃料Fを吸上げ、部材内部での浸透・拡散により液体燃料流出口23まで誘導することができる。したがって、燃料電池セル2に安定した十分な流量で液体燃料Fを供給することができる。また、これらの形状の吸液誘導部材22は、燃料タンク21の正面側の視認性を邪魔することが少ないので、液体燃料Fの残量の見易さが損なわれにくい。
さらに、吸液誘導部材22の形状は、図4Aおよび図4Bにそれぞれ示すように、燃料タンク21の側面側から見てI字形とし、正面側から見た場合は帯状を呈するようにしてもよい。このような形状の吸液誘導部材22を配置した場合には、燃料タンク21内の見易さはいく分損なわれるが、液体燃料Fの残量や燃料タンク21の配置や向き、傾きなどの姿勢に関係なく、液体燃料Fを液体燃料流出口23まで良好に拡散・誘導することができ、安定した十分な流量で供給することができる。なお、このような形状の吸液誘導部材22を設置する場合には、液体燃料流出口23の開口位置は、燃料タンク21の上面の中央部でも端部でもよい。
本発明の実施形態において、このような吸液誘導部材22を有する燃料収容部4に、内部の圧力を外気とバランスさせるバランスバルブ25を装着することができる。バランスバルブ25としては、内部の液体燃料Fの気化成分を放出して、燃料タンク21内の圧力を調整する安全弁を挙げることができる。このような安全弁の設置により、異常環境下での燃料タンク21内部の液体燃料Fの蒸気圧上昇による不具合を解消することができる。
また、バランスバルブ25として、外気を燃料タンク21内に導入して内圧を外気と等しくする調整弁を装着することもできる。このような調整弁の設置により、液体燃料Fの供給に伴って燃料タンク21内の内圧低下が生じた場合にも、ポンプの吸込み不足に起因する送液量の変動を抑制することができる。
さらに、実施形態の燃料収容部4においては、必要に応じて、燃料タンク21の主面の内側に補強用リブ26を形成することができる。補強用リブ26の形成により、液体燃料Fの蒸気圧のような内部からの変形要因に十分に耐えることができる。また、落下衝撃など外部からの変形要因に対しても、燃料タンク41は十分な強度を有している。なお、符号27は、燃料タンク21の補強用リブ26形成部に設けられた固定用部材の通し穴を示す。必要に応じて、この穴に固定用のピン等を挿入し、燃料タンク21を固定することができる。また、符号28は液体燃料Fの供給口を示す。
このように構成される燃料収容部4を有する実施形態の燃料電池においては、燃料収容部4の燃料タンク21内に配置された吸液誘導部材22により、液体燃料Fの残量や燃料タンク21の配置状態や向き、傾きなどの姿勢に関係なく、ポンプ6により燃料電池セル2に安定した十分な流量で液体燃料Fを供給することができる。したがって、燃料電池の小型化等を損なうことなく、出力の安定化を図ることが可能となる。
本発明の実施形態の具体例(実施例)として、吸液誘導部材22を燃料タンク21内に設置したセミパッシブ型DMFCにおいて、燃料収容部4の姿勢による液体燃料Fの流量の経時変化を測定した。測定は以下に示すようにして行った。
すなわち、吸液誘導部材22として、ポリエチレン多孔体(フィルタレン(株)製焼結成型品;商品名Filteren XUHDPE;密度0.309g/cm、吸水量0.545mg/mm)のL字形部材を使用した。この吸液誘導部材22を、液体燃料F(100%濃度のメタノール)を収容した燃料タンク21(容量12cc)内に設置し、燃料収容部4を形成した。このような燃料収容部4を、図5A〜図5Cに示す各姿勢にそれぞれ保持し、液体燃料流出口23を配管(流路)を介してポンプに接続した。そして、ポンプ出口を流量計に接続し、常温常湿下で流量の経時変化を測定した。また、比較のために、燃料タンク21内に吸液誘導部材22を設置していない燃料収容部4について、最も燃料を供給しやすい姿勢A(液体燃料流出口23が下方に位置する姿勢)で流量を測定した。これらの測定結果を図6に示す。
図6から明らかなように、燃料タンク21内に吸液誘導部材22を設置した実施例では、液体燃料流出口23が下方に位置する姿勢A、および液体燃料流出口23が上方に位置しかつ吸液誘導部材23のL字の横棒に当たる吸液浸透部23aが液体燃料Fに浸漬された姿勢Bにおいて、吸液誘導部材22を設置していない比較例と同等の安定した十分な流量が得られている。
また、実施例で最も燃料を供給しにくい姿勢である、液体燃料流出口23が側上方に位置する姿勢Cについては、最も燃料を供給しやすい姿勢Aに比べて30%程度の流量の低下が見られるが、経時的に安定しかつ十分な流量が得られることがわかる。
なお、吸液誘導部材22を設置していない比較例では、液体燃料流出口23が下方に位置する姿勢Aでは流量が多くなるが、液体燃料流出口23が上方および側上方に位置する姿勢Bおよび姿勢Cでは流量は得られず、燃料収容部4の姿勢により燃料を供給できないことが確認された。
本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではなく、MEAに供給される燃料の全てが液体燃料の蒸気、全てが液体燃料、または一部が液体状態で供給される液体燃料の蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組合せたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除する等、種々の変形が可能である。本発明の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の実施形態による燃料電池の構成を示す断面図である。 図1に示す燃料電池における燃料収容部の構成を拡大して示す断面図である。 図1に示す燃料電池における燃料収容部の別の構成を示す断面図である。 図1に示す燃料電池における燃料収容部のさらに別の構成を示す正面側断面図である。 図1に示す燃料電池における燃料収容部のさらに別の構成を示す側面側断面図である。 本発明の実施例において、流量を測定する燃料収容部の液体燃料流出口が下方に位置する姿勢Aを示す図である。 本発明の実施例において、流量を測定する燃料収容部の液体燃料流出口が上方に位置する姿勢Bを示す図である。 本発明の実施例において、流量を測定する燃料収容部の液体燃料流出口が側上方に位置する姿勢Cを示す図である。 本発明の実施例において、燃料収容部の姿勢による液体燃料Fの流量の経時変化を測定したグラフである。
符号の説明
1…燃料電池、2…燃料電池セル(MEA)、3…燃料拡散供給部、4…燃料収容部、5…流路、6…ポンプ、11…アノード触媒層、12…アノードガス拡散層、13…アノード(燃料極)、14…カソード触媒層、15…カソードガス拡散層、16…カソード(空気極)、17…電解質膜、21…燃料タンク、22…吸液誘導部材、23…液体燃料流出口、25…バランスバルブ、26…補強用リブ、31…燃料注入口、32…燃料排出口、33…燃料分配板、34…空隙部。

Claims (7)

  1. 燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極とに挟持された電解質膜とを有する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体の前記燃料極側に配置され、前記燃料極に対して燃料を供給する燃料拡散供給部と、
    液体燃料を収容するとともに、前記燃料拡散供給部と流路を介して接続された燃料収容部とを備え、
    前記燃料収容部は、前記流路への前記液体燃料の流出口を有する収容部本体と、該収容部本体内に配置され、前記液体燃料の流出口に一端が接続された吸液誘導部材を具備することを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、
    さらに、前記流路に設けられた燃料供給ポンプを具備することを特徴とする燃料電池。
  3. 前記吸液誘導部材は、他端部が、前記収容部本体の前記液体燃料流出口が開口された面と対向する面に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池。
  4. 前記吸液誘導部材は、前記液体燃料を毛管力で吸上げる樹脂製多孔体から成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の燃料電池。
  5. 前記収容部本体は、耐薬品性の透明樹脂から成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の燃料電池。
  6. 前記燃料収容部は、前記収容部本体内に外気を導入しあるいは該収容部本体内の液体燃料気化成分を放出して、内部の圧力を調整するバランスバルブを具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の燃料電池。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の燃料電池において、
    前記液体燃料はメタノール燃料であることを特徴とする燃料電池。
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