JP2010210814A - 電子写真感光体、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 そこで本発明では架橋型樹脂表面層を有する高耐久性電子写真感光体のクリーニング性改良を課題とする。これにより電子写真感光体および画像形成装置の寿命の延命を獲得し、プリントコストの低減を獲得する。
【解決手段】 導電性支持体上に感光層と架橋型樹脂表面層をする電子写真感光体であって、該架橋型樹脂表面層の表面に該導電性支持体の円筒軸に沿った塗装によるヘリックス状の溝部を有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ブレードクリーニングをした時のクリーニングブレードのメクレ、ビビリ等が改善され、球形トナーを使用した時でもトナーすり抜けやフィルミングが発生しにくく、また、長期使用においても上記効果を持続できる、高耐久化と画質安定化の両立を実現した電子写真感光体に関する。
複写機やレーザープリンタなどに応用される電子写真感光体は、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機感光体が主流であった時代から、現在では、地球環境への負荷低減、低コスト化、および設計自由度の高さで無機感光体よりも有利な有機感光体(OPC)が主流になっている。現在、有機感光体は電子写真感光体総生産量の100%に肉薄する割合で利用されている。この有機感光体は、近年の地球環境保全の高まりを受けてサプライ製品(使い捨てされる製品)から機械部品への転換が求められている。
有機感光体の高耐久化は従来種々の試みがなされてきた。現在では架橋樹脂膜の感光体表面への成膜(特許文献1)とゾル−ゲル硬化膜の感光体表面への成膜(特許文献2)が特に有望視されている。前者は電荷輸送性成分を配合してもワレやクラックが生じにくく生産上歩留まりが低減できるメリットを有する。なかでもラジカル重合性アクリル樹脂は強靱で感度特性の良好な感光体が得られやすく有利である。これらの架橋構造をとる二種の方策は複数の化学結合によって塗膜が形成されるため、塗膜がストレスを受けて化学結合の一部が切断しても直ちに摩耗へ進展することがない。
一方、電子写真に用いられる現像用トナーは、製造面のエコロジー性や高画質化に有利であるため、重合トナー(球形トナー)を使用することが主流となりつつある。
この重合トナー(球形トナー)は角張ったところ無い球形状のトナーで、懸濁重合法、乳化凝集重合法、エステル伸長重合法、溶解懸濁法などの化学的製造法で製造される。
重合トナーは製造方法によって形状に違いが有り、画像形成装置に使用される重合トナーは真球より少し形状をいびつにしている。一般的な特性値は平均円形度が0.95〜0.99、形状係数SF−1、SF−2は110〜140である。尚、平均円形度が1.0、形状係数SF−1、SF−2が100の時、真球を表す。
重合トナーは形状が揃っているため、保持する電荷も比較的揃いやすい。また、ワックス(5〜10%)などを内添させやすい。したがって、静電潜像からのはみ出しが殆どないため現像性が良く、シャープ性、解像度、階調性が優れており、転写効率も良い。また、転写時のオイルが不要等多くの利点がある。
反面、この種のトナーはクリーニング性が困難であることや、オイルレス化に伴う外添剤を増量する必要の結果、感光体上にメダカ形状のフィルミングを起こしやすいなどの不都合を有する。
また、クリーニング工程においてクリーニングブレードのビビリやメクレといった問題が発生しやすくなるといった問題も生じる。これらの対策の一つに電子写真感光体の平滑な表面を適度に粗面化する方法があり、特許文献等に多数の提案を見ることができる。
特許文献3には、フィルム状研磨材を用いて表面層の表面を研磨することによって、電子写真感光体の周面を粗面化する技術が開示されている。しかし、上記の従来技術では、クリーニングブレードと感光体表面の接触面積を低減することで、クリーニングブレードのビビリやメクレを抑制する効果はあるものの、感光体の周面に形成される、すじ状の溝を打ち消すように2方向から研磨し微細な凹凸を形成するものであるため、トナー粒子がクリーニングブレード上に滞留し、フィルミングが発生してしまうという問題があった。
特許文献4には、円筒状導電性基体とその上に形成された感光層とからなる電子写真感光体において、感光層表面をクリーニングブレードのこする方向にマッチングするような加工すじをもつよう粗面化させる技術が開示されている。しかし、研磨砥粒を結合した研磨テープにより均一になるよう表面を加工しているため、加工すじの溝の幅が狭く、また該溝は周方向に対してほとんど角度を有していないため、クリーニングブレード上のトナー粒子を感光体端部に移動させることはできず、フィルミングが生じやすいものであり、また加工傷による画像欠陥が発生しやすく、さらに、感光体表面の耐摩耗性が乏しいため、形状の持続が難しいものであった。
また、特許文献5には、スパイラル状に塗布された感光層を有する電子写真感光体が提案されている。しかし、この感光体はモアレ防止のために塗布ピッチを狭くしているため、クリーニングブレードが感光層表面形状に追従できず、球形トナーを用いた場合には、トナーのすり抜けやフィルミングが生じることがあった。
このように、従来の技術では、クリーニングブレードのメクレやビビリの防止とトナーすり抜けやフィルミングの抑制を両立することは難しかった。
上述の通り、電子写真感光体の高耐久化は架橋型の樹脂膜を製膜することで飛躍的な向上が期待できる状況にある。近年、現像剤の主流と言える重合トナーのクリーニング性が重大な技術課題となり、この課題解決の方策として感光体表面の粗面化が有利である。ところが、従来の研磨による粗面化方法では、トナーすり抜け、フィルミング、クリーニングブレードのビビリやメクレ等の抑制を両立させることが難しかった。
そこで本発明では架橋型樹脂表面層を有する高耐久性電子写真感光体のクリーニング性改良を課題とする。これにより電子写真感光体および画像形成装置の寿命の延命を獲得し、プリントコストの低減を獲得する。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、導電性支持体上に感光層と架橋型樹脂表面層を有する電子写真用感光体において、該架橋型樹脂表面層の表面に該導電性支持体の円筒軸に沿った塗装によるヘリックス状の溝部が形成させることで前記課題を効果的に改善できることを発見して本発明を成すに至った。
本発明は、下記(1)〜(12)によって解決される。
(1) 導電性支持体上に感光層と架橋型樹脂表面層をする電子写真感光体であって、該架橋型樹脂表面層の表面に該導電性支持体の円筒軸に沿った塗装によるヘリックス状の溝部を有することを特徴とする電子写真感光体。
(2) 前記ヘリックス状の溝部は、電子写真感光体軸方向中央付近から、逆方向に回転する二つの独立するヘリックス状の溝部であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体。
(3) 前記架橋型樹脂表面層がフィラー微粒子を含有することを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の電子写真感光体。
(4) 前記架橋型樹脂表面層は、電荷輸送性化合物を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか1に記載の電子写真感光体。
(5) 前記電荷輸送性化合物は、少なくともトリアリールアミン構造を有する架橋体であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれか1に記載の電子写真感光体。
(6) 前記電荷輸送性化合物が下記一般式(1)で表わされることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれか1に記載の電子写真感光体。
Figure 2010210814

(式中、d、e、fはそれぞれ0または1の整数、R13は水素原子、メチル基を表し、R14、R15は水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数の場合は異なってもよい。g、hは0〜3の整数を表わす。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、
又は
Figure 2010210814
を表わす。)
(7) 前記ヘリックス状の溝部がスプレー塗工法によって形成されたことを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれか1に記載の電子写真感光体。
(8) 前記電子写真感光体は、支持体側から順に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、架橋型樹脂表面層の積層構成であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれか1に記載の電子写真感光体。
(9) 少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの工程が順次繰り返されることによって画像形成を行う画像形成装置であって、該画像形成装置が前記第(1)項乃至第(8)項のいずれか1に記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
(10) 前記現像工程に平均円形度0.94以上0.99以下の球形のトナーを用いることを特徴とする前記第(9)項に記載の画像形成装置。
(11) 少なくとも2色以上の現像ステーションを有し、且つ、タンデム方式であって更に重合トナーを用いて現像することを特徴とする前記第(9)項または第(10)項に記載の画像形成装置。
(12) 少なくとも電子写真感光体、現像手段、クリーニング手段を含む画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(8)項のいずれか1に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
導電性支持体上に感光層と架橋型樹脂表面層をする電子写真用感光体において、該架橋型樹脂表面層の表面に該導電性支持体の円筒軸に沿った、塗装による強靭なヘリックス状の溝部を形成させることで、長期間クリーニングブレードのメクレやビビリの防止とトナーすり抜けやフィルミングを抑制することができ、高耐久化と画質安定化の両立を実現した感光体が得られる。
したがって、この感光体を用いることにより良好な画像を長期にわたり提供できる高性能で且つ信頼性の高い画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが提供できる。
本発明に係る電子写真感光体の層構成を示す断面図。 本発明に係る電子写真感光体の別の層構成を示す断面図。 本発明に係る電子写真感光体表面に形成されるヘリックス状溝部を示す概略図。 本発明に係る電子写真感光体表面に形成される別のヘリックス状溝部を示す概略図。 本発明に係る画像形成装置の例を示す模式断面図。 本発明に係る画像形成装置の別の例を示す模式断面図。 本発明に係る画像形成装置の更には別の例を示す模式断面図。 本発明に係る画像形成装置の更には別の例を示す模式断面図。 本発明に係る画像形成装置の更には別の例を示す模式断面図。 本発明に係る画像形成装置の更には別の例を示す模式断面図。 感光体に固体潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)を供給する手段を示す模式断面図。 表面粗さ・輪郭形状測定システムの構成図。 すり抜け強度を測定する感光体周りのレイアウトを表す一例図。 研磨テープにより感光体表面を粗面化する方法を説明する図。 実施例1の断面のうねり曲線を示す図。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、導電性支持体上に感光層と架橋型樹脂表面層をする電子写真用感光体において、該架橋型樹脂表面層の表面に該導電性支持体の円筒軸に沿った塗装によるヘリックス状の溝部が形成された構成を有する。
〈電子写真感光体〉
以下、図面を参照しつつ本発明の電子写真感光体について詳細に説明する。
図1は本発明の電子写真感光体の層構成の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)上に電荷発生層(25)と電荷輸送層(26)と架橋型樹脂表面層(28)が設けられている。
図2は本発明の更には別の層構成を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)と電荷発生層(25)の間に下引き層(24)が設けられ、電荷発生層(25)の上に電荷輸送層(26)と架橋型樹脂表面層(28)が設けられている。
〈架橋型表面層〉
架橋型樹脂表面層は感光体表面に製膜される保護層を指す。この保護層は塗料がコーティングされた後、重縮合反応によって架橋構造の樹脂が製膜される。樹脂膜が架橋構造をもつため感光体各層の中で最も耐摩耗性が強靱である。また、架橋性の電荷輸送材料が配合されるため電荷輸送層と類似の電荷輸送性を示すものであり、導電性支持体の円筒軸に沿った塗装によるヘリックス状の溝部を有する。
〈ヘリックス状溝部〉
本発明におけるヘリックス状の溝部とは、図3に概略を示すような電子写真感光体表面に導電性支持体の円筒軸に沿って、塗装により形成された弦巻線状になっている凹凸筋(溝部)のことをいい、溝底部及び土手部が滑らかである点で、やすり、バイト等で削って形成した溝とは異なるものである。
通常、転写残トナーは次のプロセスに入り込まないようにクリーニングブレードによってせき止められている。せきとめられた転写残トナーはクリーニングブレードのエッジ部分で滞留するが、使用経時で滞留するトナーの量が多くなると、クリーニングブレードに異常な負荷が掛かり、クリーニングブレードエッジが異常摩耗を起こしたり、欠けてしまったりすることがある。これが原因でトナーすり抜けやフィルミングが発生し、出力画像に異常をきたす。
本発明の感光体表面に形成されたヘリックス状の溝部は、溝底部及び土手部が滑らかであるためクリーニングブレードが、該溝形状に追従することができ、エッジ部に溜まったトナーが前記溝部の凹部分に集まりやすくなる。また、溝部がヘリックス状になっているため、つまり方向性を持って感光体を回転しているため、任意の転写残トナーがクリーニングブレードエッジの同じ箇所に滞留し続けることなく、溝部を移動し、前述したようなトナークリーニングの際の不具合を回避することができる。
よって、モアレ防止のための粗面化とは溝形状が異なるため、モアレ防止のための機能は、下引き層等に分離することが好ましい。
また、最終的には、ヘリックス状の溝部の終点(感光体の端部)まで転写残トナーが移動するので、感光体上に残っている転写残トナーの絶対量が少なくなる。このことに鑑みれば、図4のように一例を示すが、電子写真感光体の中央付近からそれぞれ独立した互いに逆回転のヘリックス状の溝部を形成し、トナー粒子を中央付近から両端部に移動させることで、トナー粒子の移動距離が短くなり、より高い効果を期待できる。ただし、この場合は図4のように感光体の回転方向と逆方の方向性を持つようにヘリックス状の溝部を形成した方がより良い。
上記のような転写残トナーの移動効果は、画像形成装置のレイアウト的なメリットもある。従来はクリーニングブレードのエッジに溜まった転写残トナーは、ある一定量溜まったところで、重力によって自然とエッジ部分からこぼれおちるような構成を採用していることが多く、このため電子写真感光体周りの各部品などの位置決めはある程度の制約があった。しかし、本発明の電子写真感光体を用いれば、クリーニングブレードを感光体の上部に配置するような構成も可能となり、レイアウトの幅が広がる。
〈ヘリックス状溝部の形成方法〉
本発明のヘリックス状の溝部を形成する方法には、特に限定はない。ただ、製造設備や歩留まりなどの生産性の面から、スプレー途工法が簡便である。
スプレー途工法によるヘリックス状の溝部の形成は、主に塗工の際のドラム回転速度とスプレーガンの送り速度とコントロールして行う。ドラム回転速度に対して、塗布ムラがでないようにし、スプレーガンからの液の吐出形状を、ガンの送り方向に対し、長軸が垂直(もしくは斜め)になるような楕円形にし、塗工することで本発明の電子写真感光体が得られる。この時、塗布ムラが発生しない程度(ドラム長手方向の任意の12mm幅で膜厚の上下差が0.7μm以内)になるように、塗工条件を調節した。それにより、規則的なヘリックス状の溝部(凹凸)が感光体の表面にヘリックス状に連なって形成させることができる。
従来のスプレー塗工は、スプレーガンからの液の吐出形状を、長軸が支持体円筒軸に平行になるような楕円形にしたり、複数のスプレーガンから均一にスプレーしたりするため、ヘリックス状の溝部は形成されない。
また、本発明のヘリックス状の溝部は、研磨シートなどで粗面化した場合と比べて、較的溝部が裾の長いゆるやかな形状で溝部(凹凸)の周期が大きいため、クリーニングブレードが感光体表面に追従できるので、トナーがすり抜けてしまうような隙間はない。また、溝部による凹凸の周期が大きいことで、クリーニングブレードに局所的に力が掛かった場合でも、その力を分散し、クリーニングブレードのビビリやメクレを防止する効果もある。
さらには、詳しい理由はわかっていないが、感光体表面に潤滑剤を塗布する場合にも潤滑剤の塗布が向上するという効果もあるため、クリーニング性に関わるほとんどの不具合を防ぐことができるものである。
〈架橋表面層のバインダー材料構成〉
本発明においては、電荷輸送材料を表面層に含有させることができ、公知の電荷輸送性化合物を用いることができるが、電荷輸送層自体を架橋或いは硬化された樹脂で構成することができる。
得られる電子写真特性、汎用性や材料設計、製造安定性の点から正孔輸送性化合物と連鎖重合系材料の組み合わせが好ましく、さらには正孔輸送性基およびアクリロイルオキシ基の両者を分子内に有する化合物を架橋させる系が特に好ましく、架橋性樹脂は3次元に架橋されていることが好ましい。
重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーとしては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の化合物、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基を有する逐次重合系の化合物が挙げられ、電荷輸送構造を含み(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上有する化合物が利用できる。また、電荷輸送構造を含まない(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上有するモノマーやオリゴマーと併用した組成の構成にしても良い。少なくとも塗工液中にこのような化合物を含有させて表面層を形成し、熱、光、或いは電子線、γ線等の放射線によるエネルギーを与えて架橋し硬化させてできる。例えば、以下の一般式1にある電荷輸送性化合物が挙げられる。
Figure 2010210814
(式中、d、e、fはそれぞれ0または1の整数、R13は水素原子、メチル基を表し、R14、R15は水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数の場合は異なってもよい。g、hは0〜3の整数を表す。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、下記構造を表す。)
Figure 2010210814
Figure 2010210814
または、
Figure 2010210814
例示化合物を挙げる。
アクリル酸2−[4’−(ジ−p−トリル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−エチル
Figure 2010210814
アクリル酸2−[4’−(ジ−p−トリル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]
Figure 2010210814
Figure 2010210814
Figure 2010210814
Figure 2010210814
ラジカル重合性を有する電荷輸送性の化合物の中でも上記一般式(1)のようなトリフェニルアミン骨格を有する化合物は電子写真感光体の高感度化に有利である。また、多くの化合物の中でも一般式1の構造体は膜内部の硬化性に優れ、極めて有利である。
架橋樹脂層の膜厚は、電荷輸送層の場合は前述と同様5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには10μm以上35μm以下であることがより好ましい。第二の電荷輸送層あるいは保護層の場合は、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、さらには1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
〈表面層塗工液の作成方法〉
架橋型樹脂表面層塗料を調製する際に使用する分散溶媒はモノマーを十分に溶解するものが好ましく、上述のエーテル類、芳香族類、ハロゲン類、エステル類の他、エトキシエタノールのようなセロソルブ類、1−メトキシ−2−プロパノールのようなプロピレングリコール類を挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−プロパノールは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエン及びキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
架橋型樹脂表面層塗料のコーティングとして、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。多くの場合、塗料はポットライフが長くないため、少量の塗料で必要な分量のコーティングができる手段が環境への配慮とコスト面で有利となる。このうちスプレー塗工法とリングコート法が好適である。
〈架橋方法〉
架橋型樹脂表面層を製膜する際、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できる。また、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、50mW/cm未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cmより強いと反応の進行が不均一となり、架橋型電荷輸送層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生じたりする。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
必要により、架橋型樹脂表面層中に電荷発生層で記載した酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物及びレベリング剤、また電荷輸送層で記載した高分子化合物を添加することもできる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物及びレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して塗料総固形分中の0.1〜20wt%、好ましくは0.1〜10wt%、レベリング剤の使用量は0.1〜5wt%程度が適当である。
〈フィラー微粒子〉
本発明においては、硬化表面層に耐摩耗性の観点からフィラー微粒子を含有させてもよい。フィラー微粒子を含有することで、本発明のヘリックス状の溝部が長期使用後に渡って変化することをより抑えることができる。
このフィラー微粒子としては、有機性フィラー材料、カーボン微粒子、無機材料が使用できる。
特に、フィラー微粒子の硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利であり、特に金属酸化物が好ましく、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタンが有効に使用できる。また、コロイダルシリカやコロイダルアルミナなどの微粒子も有効に使用できる。
有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、カーボン微粒子などが挙げられる。
カーボン微粒子とは、炭素が主成分の構造を有する粒子のことで、非晶質、ダイヤモンド、グラファイト、無定型炭素、フラーレン、ツェッペリン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の構造を有する粒子である。
これらの構造の中で水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する粒子は、機械的及び化学的耐久性が良好である。水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する粒子膜とは、SP3 軌道を有するダイヤモンド構造、SP2 軌道を有するグラファイト構造、非晶質カーボン構造などの類似構造が混在した粒子のことである。ダイヤモンド状カーボンもしくは非晶質カーボン微粒子は、炭素だけで構成されるのではなく、水素、酸素、窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素、沃素等の他の元素が含有されていてもかまわない。無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化珪素、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。
また、フィラー微粒子の平均一次粒径は、0.1〜1.0μmであることが表面層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。
表面層中のフィラー材料濃度は、高いほど耐摩耗性が高いので良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、表面層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じる場合がある。従って、概ね全固形分に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度である。
また更に、これらのフィラー微粒子は少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラー微粒子の分散性の面から好ましい。フィラー微粒子の分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、フィラー微粒子の絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al2O3 、TiO2 、ZrO2 、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラー微粒子の分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラー微粒子の平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラー微粒子の分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラ−微粒子材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。
本発明における感光層は、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型感光層が好適である。
〈電荷発生層〉
積層型感光体における各層のうち、電荷発生層(25)について説明する。電荷発生層は、積層型感光層の一部を指し、露光によって電荷を発生する機能をもつ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。電荷発生層は必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコンなどが挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子またはハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが好ましく用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができ、例えば、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ペリレン系顔料などが挙げられる。このうち、金属フタロシアニン、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料およびペリレン系顔料は電荷発生の量子効率が軒並み高く、本発明に用いる材料として好適である。これらの電荷発生物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。また、後述する高分子電荷輸送物質を用いることもできる。このうちポリビニルブチラールが使用されることが多く、有用である。これらのバインダー樹脂は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層を形成する方法としては、大きく分けて真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法がある。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などがあり、上述した無機系材料や有機系材料からなる層が良好に形成できる。
また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系または有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。このうちの溶媒として、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。塗布は浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより行うことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は通常、0.01〜5μm程度が適当である。
残留電位の低減や高感度化が必要となる場合、電荷発生層は厚膜化するとこれらの特性が改良されることが多い。反面、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成など帯電性の劣化を来すことも多い。これらのバランスから電荷発生層の膜厚は0.05〜2μmの範囲がより好ましい。
また、必要により、電荷発生層中に後述する酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または二種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物およびレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して、0.1〜20phr、好ましくは、0.1〜10phr、レベリング剤の使用量は、0.001〜0.1phr程度が適当である。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送層は電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を担う積層型感光層の一部を指す。電荷輸送層の主成分は電荷輸送成分とこれを結着するバインダー成分と言うことができる。
電荷輸送物質に用いることのできる材料としては、低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質が挙げられる。
電子輸送物質としては、例えば非対称ジフェノキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタルイミド誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送物質としては、電子供与性物質が好ましく用いられる。
その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
また、以下に表される高分子電荷輸送物質を用いることができる。例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾ−ル環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開2001−330973号公報の一般式(1)〜一般式(6)に例示される芳香族ポリカーボネートが挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質は、単独または二種以上の混合物として用いることができる。特に特開2001−330973号公報の例示化合物は静電特性面の性能が良好であり有用である。
高分子電荷輸送物質は架橋型樹脂表面層を積層する際、低分子型の電荷輸送物質と比べて、架橋型樹脂表面層へ電荷輸送層を構成する成分の滲みだしが少なく、架橋型樹脂表面層の硬化不良を防止するのに適当な材料である。また、電荷輸送物質の高分子量化により耐熱性にも優れる性状から、架橋型樹脂表面層を成膜する際の硬化熱による劣化が少なく有利である。
電荷輸送層のバインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニル、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。このうち、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネートは電荷輸送成分のバインダー成分として用いる場合、電荷移動特性が良好な性能を示すものが多く、有用である。また、電荷輸送層はこの上層に架橋型樹脂表面層が積層されるため、電荷輸送層は従来型の電荷輸送層に対する機械強度の必要性が要求されない。このため、ポリスチレンなど、透明性が高いものの機械強度が多少低い材料で従来技術では適用が難しいとされた材料も、電荷輸送層のバインダー成分として有効に利用することができる。
これらの高分子化合物は単独または二種以上の混合物として、或いはそれらの原料モノマー二種以上からなる共重合体として、更には、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送層の改質に際して電気的に不活性な高分子化合物を用いる場合にはフルオレン等の嵩高い骨格をもつカルドポリマー型のポリエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、C型ポリカーボネートのようなビスフェノール型のポリカーボネートに対してフェノール成分の3,3’部位がアルキル置換されたポリカーボネート、ビスフェノールAのジェミナルメチル基が炭素数2以上の長鎖のアルキル基で置換されたポリカーボネート、ビフェニルまたはビフェニルエーテル骨格をもつポリカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンの様な長鎖アルキル骨格を有するポリカーボネート(例えば、特開平7−292095号公報に記載)やアクリル樹脂、ポリスチレン、水素化ブタジエンが有効である。
ここで電気的に不活性な高分子化合物とは、トリアリールアミン構造のような光導電性を示す化学構造を含まない高分子化合物を指す。
これらの樹脂を添加剤としてバインダー樹脂と併用する場合、光減衰感度の制約から、その添加量は、電荷輸送層の全固形分に対して50wt%以下とすることが好ましい。
低分子型の電荷輸送物質を用いる場合、その使用量は40〜200phr、好ましくは70〜100phr程度が適当である。また、高分子電荷輸送物質を用いる場合、電荷輸送成分100重量部に対して樹脂成分が0〜200重量部、好ましくは80〜150重量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
また電荷輸送層に二種以上の電荷輸送物質を含有させる場合、これらのイオン化ポテンシャル差は小さい方が好ましく、具体的にはイオン化ポテンシャル差を0.10eV以下とすることにより、一方の電荷輸送物質が他方の電荷輸送物質の電荷トラップとなることを防止することができる。
このイオン化ポテンシャルの関係は電荷輸送層に含有する電荷輸送物質と後述する硬化性電荷輸送物質との関係についても同様にこれらの差は0.10eVにするとよい。
尚、本発明における電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル値は理研計器社製大気雰囲気型紫外線光電子分析装置AC−1により一般的な方法で計測して得られた数値である。
高感度化を満足させるには電荷輸送成分の配合量を70phr以上とすることが好ましい。また、電荷輸送物質としてα−フェニルスチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物の単量体、二量体およびこれらの構造を主鎖または側鎖に有する高分子電荷輸送物質は電荷移動度の高い材料が多く有用である。
電荷輸送層塗料を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
電荷輸送層は電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
電荷輸送層の上層には、架橋型樹脂表面層が積層されているため、この構成における電荷輸送層の膜厚は、実使用上の膜削れを考慮した電荷輸送層の厚膜化の設計が不要である。
電荷輸送層の膜厚は、実用上、必要とされる感度と帯電能を確保する都合、10〜40μm程度が適当であり、より好ましくは15〜30μm程度が適当である。
また、必要により、電荷輸送層中に後述する酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または二種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物およびレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して、0.1〜20phr、好ましくは、0.1〜10phr、レベリング剤の使用量は、0.001〜0.1phr程度が適当である。
〈導電性支持体〉
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状または円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研磨などにより表面処理した管などを使用することができる。
〈下引き層〉
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体と感光層との間に下引き層(24)を設けることができる。下引き層は、接着性の向上、モワレの防止、上層の塗工性の改良、導電性支持体からの電荷注入の防止などの目的で設けられる。
下引き層は通常、樹脂を主成分とする。通常、下引き層の上に感光層を塗布するため、下引き層に用いる樹脂は有機溶剤に難溶である熱硬化性樹脂が相応しい。特に、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂は以上の目的を十分に満たすものが多く、特に好ましい材料である。樹脂はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いて適度に希釈したものを塗料とすることができる。
また、下引き層には、伝導度の調節やモアレを防止するために、金属、または金属酸化物などの微粒子を加えてもよい。特に酸化チタンが好ましく用いられる。
微粒子はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液と樹脂成分を混合した塗料とする。
下引き層は以上の塗料を浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などで支持体上に成膜する。必要な場合、加熱硬化することで形成される。
下引き層の膜厚は2〜5μm程度が適当になるケースが多い。感光体の残留電位の蓄積が大きくなる場合、3μm未満にするとよい。
〈画像形成装置の形態〉
以下、図面に沿って本発明で用いられる画像形成装置を説明する。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後述するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図5において、感光体(11)は、架橋型樹脂表面層を積層する電子写真感光体である。感光体(11)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電手段(12)は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電手段は、消費電力の低減の観点から、感光体に対し接触若しくは近接配置したものが良好に用いられる。中でも、帯電手段への汚染を防止するため、感光体と帯電手段表面の間に適度な空隙を有する感光体近傍に近接配置された帯電機構が望ましい。転写手段(16)には、一般に上記の帯電器を使用できるが、転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
露光手段(13)、除電手段(1A)等に用いられる光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を挙げることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
現像手段(14)により感光体上に現像されたトナー(15)は、印刷用紙やOHP用スライドなどの印刷メディア(18)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段(17)により、感光体より除去される。クリーニング手段は、ゴム製のクリーニングブレードやファーブラシ、マグファーブラシ等のブラシ等を用いることができる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。係る現像手段には、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
図6には、本発明による電子写真プロセスの別の例を示す。 図6において、感光体(11)は、架橋型樹脂表面層を積層する電子写真感光体である。感光体(11)はベルト状の形状を示しているが、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。感光体(11)は駆動手段(1C)により駆動され、帯電手段(12)による帯電、露光手段(13)による像露光、現像(図示せず)、転写手段(16)による転写、クリーニング前露光手段によるクリーニング前露光、クリーニング手段(17)によるクリーニング、除電手段(1A)による除電が繰返し行なわれる。図6においては、感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行われる。
以上の電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行うこともできる。
また、以上に示すような画像形成手段は、複写機、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジの形状は多く挙げられるが、一般的な例として、図7に示すものが挙げられる。感光体(11)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
図8には本発明による画像形成装置の別の例を示す。この画像形成装置では、感光体(11)の周囲に帯電手段(12)、露光手段(13)、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の色毎の現像手段(14Bk,14C,14M,14Y)、中間転写体である中間転写ベルト(1F)、クリーニング手段(17)が順に配置されている。ここで、図中に示すBk、C、M、Yの添字は上記のトナーの色に対応し、必要に応じて添字を付けたり適宜省略する。感光体(11)は、架橋型樹脂表面層を積層する電子写真感光体である。各色の現像手段(14Bk,14C,14M,14Y)は各々独立に制御可能となっており、画像形成を行う色の現像手段のみが駆動される。感光体(11)上に形成されたトナー像は中間転写ベルト(1F)の内側に配置された第1の転写手段(1D)により、中間転写ベルト(1F)上に転写される。第1の転写手段(1D)は感光体(11)に対して接離可能に配置されており、転写動作時のみ中間転写ベルト(1F)を感光体(11)に当接させる。各色の画像形成を順次行い、中間転写ベルト(1F)上で重ね合わされたトナー像は第2の転写手段(1E)により、印刷メディア(18)に一括転写された後、定着手段(19)により定着されて画像が形成される。 第2の転写手段(1E)も中間転写ベルト(1F)に対して接離可能に配置され、転写動作時のみ中間転写ベルト(1F)に当接する。
転写ドラム方式の画像形成装置では、転写ドラムに静電吸着させた転写材に各色のトナー像を順次転写するため、厚紙にはプリントできないという転写材の制限があるのに対し、図8に示すような中間転写方式の画像形成装置では中間転写体(1F)上で各色のトナー像を重ね合わせるため、転写材の制限を受けないという特長がある。このような中間転写方式は図8に示す装置に限らず前述の図5、図6、図7および後述する図9(具体例を図10に記す。)に記す画像形成装置に適用することができる。
図9には本発明による画像形成装置の別の例を示す。この画像形成装置は、トナーとしてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色を用いるタイプとされ、色毎に画像形成部が配設されている。また、各色の感光体(11Y,11M,11C,11Bk)が設けられている。この画像形成装置に用いられる感光体(11)は、架橋型樹脂表面層を積層する電子写真感光体である。各感光体(11Y,11M,11C,11Bk)の周りには、帯電手段(12)、露光手段(13)、現像手段(14)、クリーニング手段(17)等が配設されている。また、直線上に配設された各感光体(11Y,11M,11C,11Bk)の各転写位置に接離する転写材担持体としての搬送転写ベルト(1F)が駆動手段(1C)にて掛け渡されている。この搬送転写ベルト(1F)を挟んで各感光体(1Y,1M,1C,1Bk)に対向する転写位置には転写手段(16)が配設されている。
図9の形態のようなタンデム方式の画像形成装置は、色毎に感光体(1Y,1M,1C,1Bk)を持ち、各色のトナー像を搬送転写ベルト(1G)に保持された印刷メディア(18)に順次転写するため、感光体を一つしか持たないフルカラー画像形成装置に比べ、はるかに高速のフルカラー画像の出力が可能となる。
〈固体潤滑剤供給〉
本発明では、図11に示すように潤滑剤(3A)を感光体表面に供給するためのステアリン酸亜鉛供給手段として、潤滑剤塗布装置(3C)を上記の画像形成装置について設けてもよい。
この潤滑剤塗布装置は、塗布部材としてのファーブラシ(3B)、固体潤滑剤(3A)、潤滑剤をファーブラシ方向に押圧するための加圧バネ(3D)を有している。このときの固体潤滑剤(3A)はバー状に成型されたステアリン酸亜鉛である。ファーブラシ(3B)は感光体表面にブラシ先端が当接しており、軸を中心に回転することによって固体潤滑剤(3A)を一端ブラシに汲み上げ、感光体表面との当接位置までブラシ上に担持搬送して感光体表面に入力する。
また、経時で固体潤滑剤(3A)がファーブラシ(3B)に掻き削られて減少してもファーブラシ(3B)に接触しなくならないように、加圧バネによって所定の圧力で固体潤滑剤(3A)がファーブラシ(3B)側に押圧されている。これによって、微量の固体潤滑剤(3A)でも常に均一にファーブラシ(3B)に汲み上げられる。
また、感光体表面に付着した固体潤滑剤の定着性を高めるための固体潤滑剤定着手段を設けてもよい。この手段はクリーニングブレードのような板をトレーリング方式で設ける手段や、ゴムロールを感光体に押し合てる手段がある。
固体潤滑剤(3A)としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−オキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系樹脂が挙げられるが、特に感光体1の摩擦係数を低減する効果の大きいステアリン酸金属塩、更にはステアリン酸亜鉛が一層好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、すべて重量部を表わす。
始めに、本発明に関わる試験と測定方法について述べる。
(1) 感光体表面形状の測定
表面粗さ・輪郭形状測定機(東京精密社、Surfcom 1400D、図12)にて、電子写真感光体表面をピックアップ:E−DT−S02Aを取り付けて、測定長さ12mm、測定速度;0.06mm/sの条件で測定した。
5万枚通紙後の電子写真感光体表面の様相変化については以下の基準で評価した。
(表面形状)
○:初期と比べてほとんど変化なし
△:初期と比べてわずかな変化認められるが、問題ない程度
×:初期の形状がほとんど残っていない
(フィルミング)
○:フィルミングなし
△:わずかにフィルミングが認められる
×:大きなフィルミングが発生している
(2) トナーすり抜け測定・評価方法
(測定方法)
本発明におけるトナーすり抜け測定は、感光体に付着するトナーをクリーニングブレードで捕集するプロセスにて行った。すり抜けたトナーは厚さ1mmで8mm×310mmの白地のフエルト(槌屋社製、以下、すり抜けトナーキャッチャーと称する)をクリーニングブレード下流、現像器開口部上流に据え付け、感光体に接触させることで捕集した。
実際の測定は以下の手順で行った。すなわち、リコー社製 imagio Neo C455の感光体セットのうち、クリーニングブラシと帯電ローラークリーナー、および棒状のステアリン酸亜鉛を取り除いたものをすり抜け強度測定用の感光体セットとした。取り付け位置はブラック現像ステーションにした(図13)。Imagio Neo C455の帯電ローラ印加バイアスのうち、DCバイアスを調整し、感光体の帯電電位を−700Vになるようにした。次いで、露光部電位が−250Vになるよう書き込み光量を調整した。この状態で種々、現像バイアスを変えてベタパターンを書き込ませた。転写前の感光体に入力されたトナーを透明粘着テープ(日東電工社、プリンタックC)で捕集し、捕集したテープの画像濃度を反射分光濃度計(キヤノンアイテック社、X−RITE939)で測定し、この濃度が1.0となる現像バイアスに変更した。
次に現像手段の開口部上端に2mm厚の線状のスポンジテープ(住友3M社、スコッチテープ4016)を介して、すり抜けトナーキャッチャー(厚さ1mmで8mm×310mmのフエルト(槌屋社製))を貼り合わせた。これを本体に装着した。
クリーニングブレードはImagio Neo C455純正品の新品を取り付け、清掃した感光体ドラムを取り付けて、23℃55%RH環境で画像濃度5%のA4サイズのテストパターン画像を連続50枚、コピー用紙(My Paper A4、NBSリコー社品)にプリントした。トナーは純正品の重合トナー(IPSIOトナー タイプ 9800)を使用した。
(評価方法)
プリント後、すり抜けトナーキャッチャーを回収し、フエルトの汚染具合を目視で観察した。
○: ほとんど汚れていない
△: わずかに汚れが認められる
×: 見た目で明らかに汚染がひどい。
(3) 画像評価
画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンと白紙パターンを交互に連続5枚ずつ印刷し、白紙パターンの地肌汚れを目視により、以下の基準で評価した。
○: 極めて優れている
△: 問題なし
×: くすんだ感触を受ける。
また、耐久試験におけるクリーニングブレードの状態を観察し、メクレやビビリの発生についても観察した。
Al製支持体(外径30mmφ)に、下記下引き層用塗工液を乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
・下引き層用塗工液
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
(CR−EL:石原産業)
メチルエチルケトン 50部
この下引き層上に下記構造のビスアゾ顔料を含む下記電荷発生層塗工液を浸漬塗工し、加熱乾燥させ、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
・電荷発生層用塗工液
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部
Figure 2010210814
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
この電荷発生層上に下記構造の電荷輸送層用塗工液を用いて、浸積塗工し、加熱乾燥させ、膜厚22μmの電荷輸送層とした。
・電荷輸送層用塗工液
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
Figure 2010210814
テトラヒドロフラン 80部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
電荷輸送層上に下記構成の架橋表面層塗工液を用いて、ドラム回転速度;80rpm、スプレーガン送り速度;5.4mm/s、吹きつけ圧力;2.5kgf/cm、吹き付けを行う際の突出形状:導電性支持体の円筒軸に垂直な方向が長軸となるような楕円、吹きつけ回数;1回の条件でスプレー塗工を行い、10分間の指触乾燥を行った。続いて、このドラムとUV硬化ランプから120mm距離を置いて、ドラムを回転させながらUV硬化を施した。この位置でのUV硬化ランプ照度は550mW/cm(紫外線積算光量計UIT−150、ウシオ社製による測定値)であった。また、ドラムの回転速度は25rpmとした。UV硬化を行う際、アルミニウムドラム内に30℃の水を循環させて連続3分間、UV硬化した。その後、130℃にて30分間加熱乾燥した。結果、6μmの架橋型樹脂表面層を設け本発明の電子写真感光体を得た。
・架橋表面層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 9部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 9部
(アクリル酸2−[4’−(ジ−p−トリル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−エチル)
Figure 2010210814
光重合開始剤 2部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
得られた電子写真感光体表面には、うねり曲線から得られる凹凸の周期が4.97mm程度である溝部がヘリックス状に形成されていた。図15に示す。
実施例1において、架橋型樹脂表面層の塗工条件を、スプレーガン送り速度;10.6mm/sに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
実施例1において、架橋型樹脂表面層の塗工条件を、スプレーガン送り;15.9mm/sに変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
実施例1において、架橋型樹脂表面層の塗工条件を、ドラム中央部にてドラムの回転方向を逆転させた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
実施例2において、架橋型樹脂表面層の塗工条件を、ドラム中央部にてドラムの回転方向を逆転させた以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を得た。
実施例3において、架橋型樹脂表面層の塗工条件を、ドラム中央部にてドラムの回転方向を逆転させた以外は実施例3と同様にして電子写真感光体を得た。
実施例1において、架橋型樹脂表面層塗料にアルミナ微粒子(AA03:住友化学製 平均一次粒径0.37μm)を1部を加えたこと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。
実施例2において、架橋型樹脂表面層塗料を実施例7と同様にして作成した以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を得た。
実施例3において、架橋型樹脂表面層塗料を実施例7と同様にして作成した以外は実施例3と同様にして電子写真感光体を得た。
実施例4において、架橋型樹脂表面層塗料を実施例7と同様にして作成した以外は実施例4と同様にして電子写真感光体を得た。
実施例5において、架橋型樹脂表面層塗料を実施例7と同様にして作成した以外は実施例5と同様にして電子写真感光体を得た。
実施例6において、架橋型樹脂表面層塗料を実施例7と同様にして作成した以外は実施例6と同様にして電子写真感光体を得た。
(比較例1)
実施例3において、架橋型樹脂表面層の塗工条件を、スプレーガンのノズルを90度回転させ、塗工液の突出具合が導電性支持体の円筒軸に水平な方向が長軸になるような楕円形状にした以外は実施例3と同様にして電子写真感光体を得た。
(比較例2)
比較例1において、下記の要領で感光体表面に周方向の溝部を形成させた以外は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
アルミナを砥粒として表面に保持したラッピングフィルム(住友3M社製)を用意した。自作の感光体磨耗試験機にセットし、ラッピングフィルムを自動的に送り込むことで、感光体の周面に粗さを与えることができる。その概要を図14に示す。粗さの程度はラッピングフィルムの表面粗さ(Ra)、加圧ローラーゴム硬度、ラッピングフィルム送り速度(m/h)、ドラム回転速度(rpm)にて調整できる。
上記方法にて、下記の条件で感光体の軸方向340mm幅の架橋表面層を10分間摩耗させた。
Figure 2010210814
(比較例3)
比較例2における周方向の溝部形成工程において、Raが1μmのラッピングフィルムに変えた以外は比較例2と同様にして電子写真感光体を作成した。
(比較例4)
実施例1の架橋表面層塗工液を下記構成表面層塗工液に代える以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。
電荷輸送層塗工液に用いた低分子電荷輸送物質 2部
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 2部
テトラヒドロフラン 70部
シクロヘキサノン 25部
Figure 2010210814
以上の評価結果から、架橋型樹脂表面層の表面に該導電性支持体の円筒軸に沿ったヘリックス状の溝部が形成させることで、初期から経時にわたり、クリーニングブレードのメクレやビビリを防止し、さたにフィルミングやトナーすり抜けを抑制することが可能となった。
比較例1は、架橋型樹脂表面層の塗工の際に、突出の形状が導電性支持体の円筒軸に平行となる方向に長軸を持った楕円型であるため、本発明のヘリックス状の溝部が形成されていなかった。このため、平滑な表面になっており、本発明の効果が得られず、ブレードとの摩擦力が大きすぎるために、クリーニングブレードがめくれた。
比較例2、3は、感光体表面に周方向の溝部が形成させているものの、その溝の幅が狭く、クリーニングブレードの感光体表面への追従が十分でなくなり、トナーすり抜けが発生してしまった。また、溝部がヘリックス状になっていないため、クリーニングブレードエッジに溜まったトナーが移動せず、フィルミングが発生してしまった。さらには、加工傷による画像欠陥もいくつか発見できた。
比較例4は、電子写真感光体の表面にヘリックス状の溝部が形成されているものの、表面層が架橋型樹脂表面層でないため、使用経時において感光体が激しく摩耗し、形状が失われてしまった。
したがって、本発明の導電性支持体上に感光層と架橋型樹脂表面層をする電子写真用感光体において、該架橋型樹脂表面層の表面に該導電性支持体の円筒軸に沿ったヘリックス状の溝部が形成させることで、高耐久化と画質安定化の両立を実現した感光体を提供できることが判明した。したがって、この感光体を用いることにより良好な画像を長期にわたり提供できる高性能で且つ信頼性の高い画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが提供できる。
(図1、図2について)
21・・・導電性支持体
24・・・下引き層
25・・・電荷発生層
26・・・電荷輸送層
28・・・架橋型樹脂表面層
(図5〜10について)
11・・・電子写真感光体
12・・・帯電手段
13・・・露光手段
14・・・現像手段
15・・・トナー
16・・・転写手段
17・・・クリーニング手段
18・・・印刷メディア(印刷用紙、OHP用スライド)
19・・・定着手段
1A・・・除電手段
1B・・・クリーニング前露光手段
1C・・・駆動手段
1D・・・第1の転写手段
1E・・・第2の転写手段
1F・・・中間転写体
(図11について)
3C・・・潤滑剤供給手段
(図12について)
41・・・測定対象である電子写真感光体
42・・・表面粗さを測定するプローブを取り付けた治具
43・・・上記治具を測定対象に沿って移動させる機構
44・・・表面粗さ計
45・・・信号解析を行うパーソナルコンピューター
特開2000−66424号公報 特開2000−171990号 特開平02−139566号公報 特開昭61−219960号公報 特開平4−122945号公報

Claims (12)

  1. 導電性支持体上に感光層と架橋型樹脂表面層をする電子写真感光体であって、該架橋型樹脂表面層の表面に該導電性支持体の円筒軸に沿った塗装によるヘリックス状の溝部を有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記ヘリックス状の溝部は、電子写真感光体軸方向中央付近から、逆方向に回転する二つの独立するヘリックス状の溝部であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記架橋型樹脂表面層がフィラー微粒子を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記架橋型樹脂表面層は、電荷輸送性化合物を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1に記載の電子写真感光体。
  5. 前記電荷輸送性化合物は、少なくともトリアリールアミン構造を有する架橋体であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1に記載の電子写真感光体。
  6. 前記電荷輸送性化合物が下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2010210814
    (式中、d、e、fはそれぞれ0または1の整数、R13は水素原子、メチル基を表し、R14、R15は水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数の場合は異なってもよい。g、hは0〜3の整数を表す。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、
    又は
    Figure 2010210814
    を表わす。)
  7. 前記ヘリックス状の溝部がスプレー塗工法によって形成されたことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1に記載の電子写真感光体。
  8. 前記電子写真感光体は、支持体側から順に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、架橋型樹脂表面層の積層構成であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1に記載の電子写真感光体。
  9. 少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの工程が順次繰り返されることによって画像形成を行う画像形成装置であって、該画像形成装置が請求項1乃至8いずれか1に記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記現像工程に平均円形度0.95以上0.99以下の球形のトナーを用いることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 少なくとも2色以上の現像ステーションを有し、且つ、タンデム方式であって更に重合トナーを用いて現像することを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
  12. 少なくとも電子写真感光体、現像手段、クリーニング手段を含む画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記電子写真感光体が1乃至8何れか1に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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