JP2010210705A - 偏光素子および偏光素子の製造方法、投射型表示装置、液晶装置、電子機器 - Google Patents

偏光素子および偏光素子の製造方法、投射型表示装置、液晶装置、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】光学特性の低下を少なく抑えたワイヤーグリッド型の偏光素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
基板11と、基板11の一面側に平面視略ストライプ状に設けられた複数の凸条部13と、各々の凸条部13上に設けられるとともに凸条部13の延在方向に沿って延びる金属細線14とを備え、複数の金属細線14の各々が、凸条部13の短手方向の両側面のうち一方の側面13aに設けられた第1細線14aと、他方の側面13bに設けられた第2細線14bと、を含むと共に、第1細線14aと第2細線14bとは、凸条部13の上端部において重畳してなり、各々の凸条部13に設けられた第1細線14aの体積は、基板11の一端側から遠ざかる方向に連続的に減少し、各々の凸条部13に設けられた第2細線14bの体積は、基板11の一端側から遠ざかる方向に連続的に増加しており、金属細線14の体積は、ばらつきが所定範囲内である。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光素子および偏光素子の製造方法、投射型表示装置、液晶装置、電子機器に関するものである。
様々な電気光学装置の光変調装置として、液晶装置が用いられている。液晶装置の構造として、対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持されているものが広く知られ、所定の偏光された光を液晶層に入射するための偏光素子や、電圧無印加時に液晶分子の配列を制御する配向膜が備えられる構成が一般的である。
偏光素子としては、ヨウ素や二色性染料を含む樹脂フィルムを一方向に延伸することで、ヨウ素や二色性染料を延伸方向に配向させて製造するフィルム型の偏光素子や、透明な基板上にナノスケールの金属細線を敷き詰めて形成されるワイヤーグリッド型の偏光素子が知られている。
ワイヤーグリッド型偏光素子は、無機材料から構成するため、耐熱性に優れているという特長を有しており、特に耐熱性が要求される箇所に好適に使用される。例えば、液晶プロジェクタのライトバルブ用の偏光素子として好適に用いられる。このようなワイヤーグリッド型の偏光素子としては、例えば、特許文献1から3に挙げるような技術が開示されている。
特許文献1では、金属膜をエッチングしてパターニングし金属細線を形成する従来の方法に代え、基板上に形成した凹凸部に対して斜め方向から蒸着やスパッタ等の方法で金属材料を堆積させ、体積した金属微粒子層を金属細線とすることとしている。この方法によると、エッチング時の金属材料の腐食や、エッチングされた粒子の再付着による形状の乱れなどの不具合がなく、好適な金属細線を形成することができるとしている。
また、特許文献2、3では、基板凸部に対し2方向から金属等の導電性物質を蒸着して、体積した金属微粒子層を金属細線とすることとしている。
特開2007−148344号公報 特開昭60−230102号公報 特開2006−3447号公報
しかしながら、上記特許文献に記載された技術には次のような問題がある。
すなわち、特許文献1では、金属細線を形成する基板の斜め方向から、斜め蒸着法や望ましくはイオンビームスパッタ法を用いて金属材料を堆積させ、金属細線を形成することとしている。しかし、特許文献1に示された方法では、基板の表面において、金属材料の材料源からの距離が様々に異なるため、形成される各金属細線の大きさにムラが出来てしまう。金属材料の大きさにムラが生じると、隣り合う金属細線間の距離や、金属細線の幅・高さなど、偏光素子の光学物性に密接な関係のあるパラメータが変わってしまうため、偏光素子全体で均一な光学物性を発現することができない。
特許文献2,3においても同様に、成膜する金属細線の成膜量についての記載が無く、形成される各金属細線の大きさにムラが出来た場合の不具合について、全く予測されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、光学特性の低下を少なく抑え、金属細線が形成された面全体で均一な光学物性を有する良好なワイヤーグリッド型の偏光素子及びその製造方法を提供することを目的とする。また、このような偏光素子を備えることにより、表示品質が高く信頼性に優れた液晶装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の偏光素子は、基板と、前記基板の一面側に平面視略ストライプ状に設けられた複数の凸条部と、各々の前記凸条部において前記凸条部の延在方向に沿って設けられる金属細線とを備え、複数の前記金属細線の各々が、前記凸条部の短手方向の両側面のうち一方の側面に設けられた第1細線と、他方の側面に設けられた第2細線と、を含むと共に、前記第1細線と前記第2細線とは、前記凸条部の上端部において重畳してなり、各々の前記凸条部に設けられた前記第1細線の体積は、前記基板の一端側から遠ざかる方向に連続的に減少し、各々の前記凸条部に設けられた前記第2細線の体積は、前記基板の一端側から遠ざかる方向に連続的に増加しており、前記第1細線の体積と前記第2細線の体積との和である前記金属細線の体積は、ばらつきが所定範囲内であることを特徴とする。
この構成によれば、連続的に体積が変化して形成される第1細線および第2細線が、互いに有する分布を相殺し合うことで、形成ムラが小さい金属細線とすることができる。更に、複数の金属細線の各々において、形成される金属細線の体積を所定のばらつき幅内に管理することで、偏光素子全体で均一な光学物性を有する良好な偏光素子とすることができる。
ここで、本発明において「金属細線」とは、金属材料または半導体材料を形成材料として設けられるものを指す。
本発明においては、前記ばらつきが、前記金属細線の体積の平均値を基準として±4%の範囲内であることが望ましい。
この構成によれば、透過する光の輝度ムラを観察者が視認出来ない程度にまで低減させることができるため、良好な光学物性を有する偏光素子とすることができる。
本発明においては、前記第1細線の体積は、前記基板の一端側から遠ざかる方向に線形に減少し、前記第2細線の体積は、前記基板の一端側から遠ざかる方向に線形に増加することが望ましい。
この構成によれば、第1細線および第2細線が形成された面内において、互いに有する分布を良好に重ね合わせ相殺させることができるため、形成ムラが小さい金属細線とすることができ、良好な光学物性を有する偏光素子とすることができる。
本発明においては、前記凸条部と前記金属細線とを覆う保護膜を備え、隣り合う前記凸条部および前記金属細線の間の領域には、前記保護膜が充填されない空隙部が形成されていることが望ましい。
この構成によれば、隣り合う凸条部および金属細線の間の領域には空隙部が形成されているため、金属細線間が保護膜で埋没することなく、優れた光学特性を備えた偏光素子とすることができる。
本発明においては、隣り合う前記凸条部および前記金属細線を覆う前記保護膜は、前記空隙部の上部で接触し前記空隙部を覆っていることが望ましい。
この構成によれば、金属細線間には空気や成形加工時の雰囲気ガス(もしくは真空)を封入可能な空隙部が形成される。そのため、優れた光学特性を備えた偏光素子とすることができる。
本発明においては、前記保護膜は、透光性の絶縁性材料で形成されていることが望ましい。
この構成によれば、金属細線が周囲と絶縁されるので、例えば偏光素子を装置に組み込む場合に装置の配線と金属細線が意に反して通電することがなく、安定した動作が可能な電子デバイスを提供できる。
本発明においては、前記金属細線は、シリコン、ゲルマニウム、クロム、モリブデンの中から選ばれる金属材料を用いて形成されることが望ましい。
これらの材料は、酸化し難いため、劣化しにくく信頼性の高い偏光素子とすることができる。特に、偏光素子が高温となる用途に用いる場合、高温環境下では酸化反応が促進されるが、これら材料を用いることで耐久性の高い偏光素子とすることが可能となる。
本発明の偏光素子の形成方法は、基板の一面側に平面視略ストライプ状に設けられた複数の凸条部に、前記一面に対して斜め方向から金属材料を堆積させ、前記凸条部の表面に堆積された細線状の金属膜によって複数の金属細線を形成する偏光素子の製造方法であって、前記凸条部の延在方向に交わる第1の方向から、前記凸条部の一方の側面に金属材料を堆積させ、複数の第1細線を形成する工程と、前記第1の方向とは前記基板表面に投影した方位が正反対である第2の方向から、前記凸条部の他方の側面に金属材料を堆積させて複数の第2細線を形成し、前記第1細線と前記第2細線とを有する前記金属細線を形成する工程と、を有することを特徴とする。
この方法では、第1細線および第2細線を反対方向から形成するために、形成される第1細線および第2細線が互いに有する分布を相殺し合う。したがって、形成される各々の金属細線の形成ムラを小さくすることができ、良好な光学物性を有する偏光素子とすることができる。
本発明においては、前記複数の金属細線の周囲を覆う保護膜を形成する工程を備え、前記保護膜を形成する工程ではCVD法を用い、隣り合う前記凸条部および前記金属細線の間の領域に、前記保護膜が充填されない空隙部を形成することが望ましい。
CVD法は形成する膜の成長速度(成膜速度)が大きいという特徴を有しているため、速い成膜速度で膜形成をすることが可能である。保護膜形成が進行すると、保護膜の厚みの分だけ隣接する金属細線の間が狭くなり、隣り合う金属細線や凸条部の間に原料気体が行き渡りにくくなる。すると、原料気体が行き渡りにくい凸条部および金属細線の間では反応が起こりにくくなり、原料気体に曝される金属細線の上端部で保護膜の形成反応が進行しやすくなる。したがって、金属細線の上端部で保護膜形成の反応が優先的に進行し、隣接する金属細線間の上部の隙間を狭めるように保護膜が成長する。
金属細線の上端部で優先的に保護膜が成長すると、更に凸条部および金属細線の間の領域には原料の気体が進入しにくくなるため、該領域での膜成長が停止し保護膜で埋没しないまま維持される。そのため、金属細線を効果的に保護膜で保護すると共に、保護膜の成長が遅い箇所では保護膜で埋没することなく空隙部が形成される。したがってこの方法によれば、保護膜に空隙部を備え優れた光学特性を発現する偏光素子を容易に製造することができる。
本発明の投射型表示装置は、光を射出する照明光学系と、前記光を変調する液晶ライトバルブと、前記液晶ライトバルブで変調された光が入射する上述の偏光素子と、前記偏光素子を透過した偏光光を被投射面に投射する投射光学系と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、耐熱性の高い偏光素子を備えるため、高出力の光源を用いても偏光素子の熱劣化および加熱により促進される酸化劣化が抑えられる。そのため、信頼性が高く優れた表示特性を有する投射型表示装置とすることができる。
本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶層を挟持してなり、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の前記液晶層側に上述の偏光素子が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、光学特性に優れ、また金属細線が保護されて信頼性にも優れた偏光素子を具備した液晶装置を提供できる。
本発明の電子機器は、上述の液晶装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、表示品質及び信頼性に優れる表示部ないし光変調手段を備えた電子機器を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る偏光素子の概略図である。 第1実施形態の偏光素子の製造工程を示す工程断面図である。 偏光素子の製造に用いる露光装置の一例を示す概略構成図である。 偏光素子の製造に用いる成膜装置の一例を示す説明図である。 蒸着材料からの距離と蒸着膜の体積との関係について説明する説明図である。 蒸着材料からの距離と蒸着膜の体積との関係について説明する説明図である。 蒸着材料からの距離と蒸着膜の体積との関係について説明する説明図である。 蒸着材料からの距離と蒸着膜の体積との関係について説明する説明図である。 蒸着材料からの距離と蒸着膜の体積との関係について説明する説明図である。 蒸着材料からの距離と蒸着膜の体積との関係について説明する説明図である。 蒸着材料からの距離と蒸着膜の体積との関係について説明する説明図である。 蒸着材料からの距離と蒸着膜の体積との関係について説明する説明図である。 第1実施形態の偏光素子に係る金属細線の量の測定結果を示す図である。 第1実施形態の変形例に係る偏光素子の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る偏光素子の概略図である。 第2実施形態の偏光素子の製造工程を示す工程断面図である。 第2実施形態の変形例に係る偏光素子の説明図である。 電子機器の一形態であるプロジェクタの概略図である。 本実施形態の偏光素子を備えた液晶装置の一例を示す概略構成図である。 電子機器の一形態である携帯電話の斜視図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。 本発明の実施例を示す説明図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る偏光素子及び偏光素子の製造方法について説明する。図1は本実施形態の偏光素子1Aの概略図であり、図1(a)は部分斜視図、図1(b)は偏光素子1AをYZ平面で切った部分断面図である。
なお、以下の説明においてはXYZ座標系を設定し、このXYZ座標系を参照しつつ各部材の位置関係を説明する。この際、水平面内における所定の方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向とY軸方向のそれぞれの直交する方向をZ軸方向とする。本実施形態の場合、金属細線の延在方向をX軸方向とし、金属細線の配列軸をY軸方向としている。また、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせている。
(偏光素子)
図1(a)に示すように、偏光素子1Aは、基板11と、基板11上に一方向に延在して形成された金属細線14と、を備えている。
基板11は、ガラスや石英、プラスチック等の透光性材料を形成材料としている。偏光素子1Aを適応する用途によっては、偏光素子1Aが蓄熱し高温になるため、基板11は、耐熱性の高いガラスや石英を形成材料とすることが好ましい。
基板11の表面には、X軸方向に延在する複数の溝部12が形成されており、隣り合う溝部12の間の部分は、X軸方向に延在する凸条部13となっている。溝部12は、可視光の波長よりも短い周期でY軸方向に均等な間隔で形成されており、凸条部13も同周期で配列している。
金属細線14は、凸条部13の両側面(傾斜面)にまたがって付設されており、凸条部13の延在方向と同じくX軸方向に延在して形成されている。金属細線14は、自身の延在方向と直交する方向(Y軸方向)に振動する直線偏光を透過させ、自身の延在方向(X軸方向)に振動する直線偏光を反射させる。金属細線14の形成材料としては、例えばアルミニウムのような金属材料が用いられる。
図1(b)に示すように、凸条部13は三角形の断面形状を有しており、側面13a,13bは、底面12aから遠ざかる方向にテーパ状の傾斜を備えて形成されている。溝部12および凸条部13の寸法は、例えば、凸条部13の高さh:100nm、幅L:70nm、底面12aの幅S:70nm、周期(ピッチ)d:140nm、である。
金属細線14は、凸条部13の一方の側面(第1側面)13aに形成された第1細線14aと、他方の側面(第2側面)13bに形成された第2細線14bと、を含み、それぞれが互いに凸条部13の上端で重畳している。
本実施形態の金属細線14は、複数の金属細線14のうち任意の2つを選択し、各々の金属細線14を構成する第1細線14aを比較すると、それぞれ体積が異なっている。また、第1細線14aの短手方向の断面積を比較することで、体積の比較に代えることができる。このような関係は第2細線14bにおいても同じである。そして、このような第1細線14a、第2細線14bで構成される各々の金属細線14は、体積が略等しくなっている。図では、金属細線14A,14B,14Cの各々は、体積が略等しいが、それぞれが有する第1細線14a、第2細線14bの体積は互いに異なっている。図では体積の違いを断面積の違いで示している。
(偏光素子の製造方法)
図2は偏光素子1Aの製造方法の説明図である。図2は図1(b)の断面図に対応する図となっている。
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板等の基板材料11Aを用意し、基板材料11Aの一面側にレジスト材料をスピンコートにより塗布し、これをプリベークすることでレジスト層20aを形成する。レジスト材料としては、例えば、化学増幅型のポジ型フォトレジストTDUR−P338EM(東京応化工業(株)社製)を用いる。本実施形態では、レジスト層20aを200nmに形成する。
次いで、図2(b)に示すように、例えば波長が266nmのレーザ光を露光光として用いた二光束干渉露光法によりレジスト層20aを露光し、更にレジスト層20aをベーク(PEB)した後、レジスト層20aを現像する。これにより、縞状のパターンを有するレジスト20を形成する。本実施形態のレジスト20の高さは200nmである。
ここで、二光束干渉露光法を行う露光装置は、例えば図3に示すものを用いることができる。露光装置120は、露光光を照射するレーザ光源121と、回折型ビームスプリッタ122と、モニタ123と、ビームエキスパンダ124、125と、ミラー126、127と、基板11を載置するステージ128とを備えている。
レーザ光源121は、例えば第4高調波の波長が266nmであるNd:YVO4レーザ装置である。回折型ビームスプリッタ122は、レーザ光源121から出力された1本のレーザビームを分岐して2本のレーザビームを生成する分岐手段である。そして、回折型ビームスプリッタ122は、入射するレーザビームをTE偏光としたときに強度の等しい2本の回折ビーム(±1次)を発生させる構成となっている。モニタ123は、回折型ビームスプリッタ122から出射した光を受光して電気信号に変換する。露光装置120では、この変換された電気信号に基づいて2本のレーザビームの交差角度などを調整できるようになっている。
ビームエキスパンダ124は、レンズ124aと空間フィルタ124bとを備えており、回折型ビームスプリッタ122で分岐された2本のレーザビームのうちの一方のビーム径を例えば300mm程度に広げる構成となっている。同様に、ビームエキスパンダ125も、レンズ125aと空間フィルタ125bとを備えており、2本のレーザビームのうちの他方のビーム径を広げる構成となっている。
ミラー126、127は、ビームエキスパンダ124、125を透過したレーザビームをそれぞれステージ128に向けて反射させる構成となっている。ここで、ミラー126、127は、反射したレーザビームを交差させることで干渉光を発生させ、この干渉光を基板11上のレジスト層20aに照射する。
このような露光装置120を用いてレジスト層20aに干渉光を照射することで、レーザ光源121の波長よりも狭い形成ピッチでレジスト層20aを露光することができる。
次に、図2(c)に示すように、レジスト20を介してドライエッチング処理を行い、基板材料11Aを50〜300nm程度掘り下げることで基板材料11Aをパターニングして、溝部12、凸条部13を有する基板11を形成する。本実施形態では、溝部12が100nmの深さとなるまでエッチングを行う。本実施形態では、エッチングガスにC,CF,CHFの混合ガスを用い、反応条件として、ガス流量:C/CF/CHF=20/30/30sccm、放電出力:300W、圧力:5Pa、反応時間:30〜40secでエッチングを行う。
次に、金属細線14の形成を行うが、この金属細線14の形成方法については、まず図4を参照して詳しく説明する。凸条部13の側面に、従来知られた方法で金属細線14を形成しようとすると、面内にムラが生じるという問題があった。または、金属細線14をムラなく形成しようとすると特別な装置が必要であったり、生産性が低下したりする課題があった。これら課題に対し、本発明では次のような方法で金属細線14を形成し課題を解決している。図4には、実施形態の製造方法で用いる蒸着装置を示す。
図4(a)に示す様に、蒸着装置200は、チャンバ210と、チャンバ210内に配置されて被処理基板Xを載置する戴置台220と、戴置台220に対向して配置されたるつぼ230と、るつぼ230内に配置された蒸着材料240と、を備えている。蒸着装置200内では、被処理基板Xを戴置台220の表面法線方向に対して角度θ傾けた状態で戴置した状態で蒸着を行う。角度θは、0°より大きく30°以下とする。
このような蒸着装置200で蒸着を行うと、被処理基板Xの表面では、場所によって蒸着材料240からの距離が異なる(例えば符号L1と符号L2で表す距離)ため、被処理基板Xの表面に付着する蒸着粒子の量が異なり、面内でムラが生じる。具体的には、図4(a)のように戴置した被処理基板Xにおいては、蒸着材料240に近い被処理基板Xの一端側X1に近いほど蒸着量が多く、他端側X2に近いほど蒸着量が少なくなる。
そこで、本発明では図4(b)に示す様に成膜を行う。図では蒸着粒子の飛来方向を複数の黒矢印で示している。また、符号Xa,Xbは蒸着により形成される蒸着膜を模式的に示したものである。符号Xa,Xbの色の濃淡は、蒸着材料の蒸着量の大小を示しており、濃い色ほど蒸着量が多く薄い色ほど蒸着量が少ないことを示している。
すなわち、被処理基板Xに対して、面内で分布を有する蒸着膜Xaを形成(第1の方向からの形成)した後に、被処理基板Xの天地を逆にして二度目の蒸着を行う(第2の方向からの形成)ことで、蒸着膜Xaに蒸着膜Xbを重ねて互いの蒸着膜の面内分布を相殺する。このように、二度に分けて蒸着することで被処理基板Xの面内で金属材料の蒸着量のムラを無くし、結果として形成される各々の金属細線の体積を等しいものとしている。
ここで、形成される蒸着膜の体積は、蒸着材料240からの距離の関数で表すことができ、距離に比例する関係を有することとなる。したがって、上述のように二度の蒸着を行うことにより、蒸着膜Xaおよび蒸着膜Xbが有する面内分布が良好に相殺し、ムラのない金属細線を形成することができる。
金属細線14は、少なくとも基板11において偏光素子が形成される領域の全面に形成する。本実施形態では、チャンバ210内を6.7×10−3Paに減圧し、824nm/minの成膜速度でアルミニウムの蒸着を行った。金属細線14を形成する方法としては、基板11の表面に対して斜め方向から成膜可能であれば適用でき、他にもマグネトロンスパッタやイオンビームスパッタなどの斜方成膜方法を適用することができる。
ここで、本実施形態では金属細線14の形成材料としてアルミニウムを用いるが、アルミニウム以外にも、シリコン、ゲルマニウム、モリブデン、を好適に用いることができる。金属細線14の形成材料にアルミニウムを用いると、加工がしやすい反面、アルミニウムが酸化しやすい金属材料であるため劣化のおそれがある。そのため、上述した金属材料のうち酸化し難いシリコン、ゲルマニウム、モリブデンを用いると、劣化し難い金属細線14とすることができ好ましい。例えば、偏光素子が高温となる用途に用いる場合、高温環境下では酸化反応が促進されるが、上記材料を用いて金属細線14を形成すると、耐久性の高い偏光素子とすることが可能となる。また、必要に応じて、これらの材料を主として含む合金を形成材料として用いることとしても構わない。
上述の蒸着装置を用い、図2(d)に示すように、凸条部13の第1側面13aに第1細線14aを形成する。図では、蒸着粒子の飛来方向(第1の方向D1)を矢印で示している。図4(a)で示した様に、基板11の表面では蒸着材料240からの離間距離に差があるため、形成される第1細線14aの体積は均一とはならず、蒸着材料240に近いほど大きく、遠くなるに従い徐々に小さくなる。図では、符号Maで示す第1細線14aよりも、符号Mbで示す第1細線14aの方を大きく示している。
次に、図2(e)に示すように、第2側面13bに第2細線14bを形成する。ここでも図2(d)と同様に、蒸着粒子の飛来方向(第2の方向D2)を矢印で示している。第2細線14bも、第1細線14aと同様に均一の体積には形成されず、蒸着材料240に近いほど大きく、遠くなるに従い徐々に小さくなる。図では、符号Mcで示す第2細線14bよりも、符号Mdで示す第2細線14bの方を小さく示している。すると、各々の凸条部13においては、第1細線14aと第2細線14bとの成形ムラが互いに相殺し合うため、形成される複数の金属細線14を、略等しい体積とすることができる。以上のようにして、本実施形態の偏光素子1Aが完成する。
次に、形成される蒸着膜の体積が、蒸着材料240からの距離に比例する関係を有することについて、図5から図12を用いてより詳しく説明する。
まず、材料源Sが点である場合には、図5、6に示すように考えることができる。
図5に示すように、膜材料の材料源(蒸着材料240)をS、基板(基板X)の成膜面をP、材料源Sと成膜面Pとの距離をR、成膜面Pの法線方向に材料源Sを配置した場合の法線の原点をO、原点Oから距離xだけ離れた成膜面P上の点Qにおける微小面積要素をdσ、材料源Sから点Qまでの距離をRとする。
この場合、材料源Sより微小面積要素dσを望む立体角dωは、下記の式(1)によって表される。
また、材料源Sから蒸発した膜材料の全質量をmとしたとき、全重量mのうち立体角dωの範囲に含まれる質量をdmとすると、質量dmは下記の式(2)によって表される。
すなわち、質量dmは、図6に示すように、距離Rの二乗に反比例する。質量dmは成膜量(膜厚)又は成膜速度と言い換えることもでき、成膜面Pでの成膜速度が材料源Sからの距離Rの二乗に反比例すると言うこともできる。
また、材料源Sが微小平面である場合は、余弦定理に従う角度分布を考慮することで次の様に考えることができる。
図7において、微小平面dsを中心とする十分大きな半径の球面上の任意の点pを考える。点pを中心として微小平面dsを含む立体角をdωとすると、微小平面ds上の各点からの放射はランダムな角度分布を持つので、微小平面dsを出発して点pに向かう分子数は立体角dωに比例する。
この場合、微小平面dsの垂線と点p方向とのなす角をθとすると、立体角dωは下記の式(3)によって表される。
したがって、微小平面dsからの蒸発は、微小平面dsの法線と角度θをなす方向に対してcosθの角度分布を示す。材料源である微小平面dsと平行に配置された成膜面P上の膜厚分布は、図5において材料源Sの位置に垂線OSに垂直な微小平面dsがあるとすると、点源である材料源Sと同様に求められる。
すなわち、質量dmは下記の式(4)によって表される。実際には、蒸着における膜材料やスパッタにおけるターゲットは、共に微小平面dsとみなすことができる。
すなわち、材料源Sが微小平面である場合であっても、質量dmは距離Rの二乗に反比例する。
次に、図8に示すように、材料源Sを通る法線上の成膜面P1,P2における成膜量を比較する。上述したように、蒸着量は材料源からの距離の二乗に反比例するが、材料源Sと成膜面P1との距離R1に対し、成膜面P1と成膜面P2との距離が極めて小さい場合、蒸着後の成膜面P1と成膜面P2のとの間の膜厚分布は、図9に示すように一次関数に近似することができる。この場合、材料源Sに近い成膜面P2の成膜量が多く、材料源Sから遠い成膜面P1の成膜量は少ない。
例えば、直径12インチの円形シリコンウェハの一面を成膜面とし、膜材料としてSiOを蒸着させる場合には、材料源から成膜面までの距離200cmに対し、成膜面の一辺の長さ(一端から他端までの距離)は10cm以下である。したがって、材料源から成膜面までの距離に対して、成膜面の各点から材料源までの距離の差は極めて小さくなる。そのため、基板の成膜面内の膜厚分布においては、図9に示すような一次関数への近似が成立する。
ここで、図10に示すように、成膜面P1,P2間に長さdの基板を配置した場合、基板の成膜面内の膜厚のばらつきは、図9に示す膜厚分布と同等に考えることができる。
上記のように配置した基板の成膜面に一回目の蒸着を行った結果、成膜面P1,P2間に図9に示すような膜厚分布が生じているとする。この膜厚分布を均一化させるためには、一回目に蒸着を行った第1の方向と異なる第2の方向から二回目の蒸着を行う必要がある。より具体的には、第2の方向は、基板の成膜面から見て第1の方向と逆方向であることが望ましい。すなわち、第1の方向と第2の方向は基板の成膜面の法線に対して対象であることが好ましい。また、第1の方向と第2の方向は、それぞれ成膜面に対する角度が等しく、それぞれの方向を基板の成膜面に投影したときに正対する方向であることが好ましい。
このように、一回目に蒸着を行った第1の方向と異なる第2の方向、より好ましくは第1の方向と逆方向である第2の方向から二回目の蒸着を行うことで、図11に示すように、一回目の蒸着の膜厚分布(近似式:y=−mx+n)と、二回目の蒸着の膜厚分布(近似式:y=mx+p)とを逆の傾きにすることができる。そして、一回目の蒸着により形成された第1の膜と、二回目の蒸着により形成された第2の膜と、により形成された膜の膜厚分布は、図12に示すように、第1の膜と第2の膜の膜厚分布が足し合わされて均一化される。
図13は、図2に示した方法で形成した偏光素子1Aにおける、金属細線14の体積を測定した結果を示す説明図である。
図13(a)に示す様に、測定には30mm角の偏光素子1Aを用い、金属細線14の延在方向と直交する中心軸に沿った5箇所(符号D1〜D5)でSEM観察による断面積測定を行い、各測定箇所での金属細線の形成量を明らかにした。測定箇所D3は偏光素子1Aの中心点であり、測定箇所間は等間隔で5mmずつ離間している。
図13(b)は、測定した結果を示すグラフである。グラフは、横軸に測定箇所を示し、縦軸に、測定箇所D1における測定値に規格化した各測定箇所における測定値のばらつきを示す。
第1細線の測定結果を示すグラフでは、測定箇所D1における第1細線の測定値に規格化した結果を示しており、第2細線の測定結果を示すグラフでは、測定箇所D5における第2細線の測定値に規格化した結果を示しており、また、金属細線の測定結果を示すグラフでは、測定箇所D1における金属細線の測定値に規格化した結果を示している。測定の結果、各測定箇所において第1細線、第2細線が有していたばらつき(成形ムラ)が、両者を併せた金属細線では低減していることが確かめられた。第1細線、第2細線のばらつきは、平均値で23%程度であったが、両者を併せて金属細線とすることで、金属細線としてのばらつきは4%程度にまで低減した。
以上のような構成の偏光素子1Aによれば、形成される第1細線14aおよび第2細線14bが互いに有する分布を相殺し合うことで、形成ムラが小さい金属細線14とすることができ、更に、複数の金属細線の各々において、形成される金属細線の体積を所定のばらつき幅内に管理することで、全体で均一な光学物性を有する良好な偏光素子1Aとすることができる。
また、以上のような構成の偏光素子1Aの製造方法によれば、第1細線14aおよび第2細線14bを反対方向から形成するために、形成される第1細線14aおよび第2細線14bが互いに有する分布を相殺し合う。したがって、形成される各々の金属細線14の形成ムラを小さくすることができ、良好な光学物性を有する偏光素子1Aを容易に製造することができる。
なお、本実施形態においては、第1細線と第2細線とを同じ金属材料であるアルミニウムで形成するとしたが、それぞれを異なる金属材料とすることもできる。
また、本実施形態においては、凸条部13は断面形状が三角形であることとしたが、これに限らない。図で示した形状の他に、例えば、矩形、台形などの断面形状を採用することができる。
図14は、本発明の変形例に係る偏光素子2Aの説明図であり、図2に一部対応する図である。ここでは、凸条部13の断面形状が略矩形である例を示している。
まず、図14(a)に示すように、第1実施形態と同様に、ガラス基板等の基板材料11Aを用意し、基板材料11Aの一面側にレジスト材料をスピンコートにより塗布し、膜厚200nmのレジスト層20aを形成する。
次いで、図14(b)に示すように、前述の二光束干渉露光法によりレジスト層20aを露光した後に現像し、縞状のパターンを有するレジスト20を形成する。本実施形態のレジスト20の高さは200nmである。
次に、図14(c)に示すように、レジスト20を介してドライエッチング処理を行い、基板材料11Aを100〜300nm程度掘り下げることで基板材料11Aをパターニングして、溝部22、凸条部23を有する基板21を形成する。本実施形態では、エッチングガスにC,CF,CHFの混合ガスを用い、反応条件として、ガス流量:C/CF/CHF=20/30/30sccm、放電出力:300W、圧力:5.0Pa、反応時間:30〜40secでエッチングを行う。
次に、図14(d)(e)に示すように、第1実施形態と同様の方法にて、凸条部23の第1側面23aに第1細線24aを形成し、次いで、第2側面23bに第2細線24bを形成する。すると、各々の凸条部23においては、第1細線24aと第2細線24bとの成形ムラが互いに相殺した複数の金属細線24が形成される。
以上のようにして、変形例の偏光素子2Aが完成する。凸条部の断面形状が他の形状であるとしても、同様にして偏光素子を形成することが可能である。
[第2実施形態]
図15は、本発明の第2実施形態に係る偏光素子1Bの説明図である。本実施形態の偏光素子2Aは、第1実施形態の偏光素子1Aと一部共通している。異なるのは、金属細線14の表面を覆う保護膜を有することである。したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図15(a)に示す様に、偏光素子1Bは、基板11および金属細線14の表面を覆う保護膜16を備えている。保護膜16は、シリコン酸化膜等の透光性絶縁膜によって形成されている。保護膜16は、凸条部13の両側面および金属細線14を覆ってX軸方向に延在する第1保護膜16aと、金属細線14の上部を覆ってX軸方向に延在する第2保護膜16bと、溝部12の底面12aを覆ってX軸方向に延在する第3保護膜16cと、を備えている。
第2保護膜16b同士は、Y軸方向において互いに接続されており、複数の第2保護膜16bが一体となって金属細線14の上面全体を覆っている。第1保護膜16a、第2保護膜16b及び第3保護膜16cに囲まれた領域は空隙部15になっており、空隙部15の内部は真空又は空気、あるいは保護膜16成型時の原料ガスによって満たされている。第2保護膜16bの基板11とは反対側の面は、金属細線14のパターンを反映し、金属細線14と平面的に重なる箇所は盛り上がり、空隙部15と平面的に重なる箇所は凹んでおり、わずかに波打っている。
また、図15(b)に示す様に、底面12aから第2保護膜16bの上面(保護膜16の上面)までの高さHは、例えば200nmである。本実施形態の場合、隣接する第2保護膜16b同士は互いに接続されている構成としているが、第2保護膜16b同士は必ずしも接続される必要はない。例えば第2保護膜16b同士の間に僅かに隙間が形成されている構成も可能である。この場合、金属細線14毎に保護膜16が形成され、X軸方向に延在する複数の保護膜16がY軸方向に均等な間隔で多数配列されることになる。
第1保護膜16aの厚み(Y軸方向の厚み)は、Y軸方向において隣接する第1保護膜16a同士が互いに接触しない(すなわち第1保護膜16a間に空隙部15が形成される)厚みとされる。また、第2保護膜16bのY軸方向の幅は、第1保護膜16aを含む凸条部13および金属細線14のY軸方向の幅よりも大きく形成されている。更に、第3保護膜16cは第1保護膜16a及び第2保護膜16bと一体に形成されている。これら、第1保護膜16a、第2保護膜16b及び第3保護膜16cによって囲まれた空間は空隙部15となっている。
図16は偏光素子1Bの製造方法の説明図である。本実施形態の偏光素子1Bの製造工程は、金属細線14を形成する工程までは第1実施形態の製造方法と共通させることができるため、ここでは、保護膜16の形成工程について説明する。図は、図2に対応する図となっている。
次に、図16に示すように、金属細線14上にCVD法を用いて保護膜を成膜する。ここで、保護膜16の形成方法にはCVD法の外にも、一般に用いられる方法として蒸着法やスパッタ法が考えられる。しかし、蒸着法を用いた場合には、蒸着に用いられる装置内の膜原料が配置される位置から保護膜の形成面への射出角が、形成面上の位置により異なり、膜原料と形成面との距離が厳密には一定ではない。そのため、製造される保護膜の厚みに差が生じ、偏光素子の品質が一定しない。また、スパッタ法は、成膜速度が非常に遅いため、本発明が想定する成膜速度を実現できない。そのため、CVD法を用いた成膜を行った場合に、本発明が実施可能である。
まず、図16(a)に示すように、金属細線14を備えた基板11をCVD法の作業環境下に配置し、保護膜16の原料気体16gを供給する。原料気体16gは、底面12aにまで行き渡り、保護膜16が形成される。本実施形態では保護膜16としてシリコン酸化物を形成することとし、原料気体16gとしてTEOSと酸素(O)の混合気体を用いることとする。図面ではTEOSとOは区別して表記しておらず、いずれも原料気体16gとして図示している。
保護膜16はシリコン酸化物以外にもシリコン窒化物(SiN)、シリコン窒素酸化物(SiON)、アルミナ(Al)などの絶縁性の材料を使用することができ、選択する保護膜16にあわせて原料気体16gを適切なものを選ぶことができる。また、CVD法は、熱CVD法およびプラズマCVD法のいずれも使用することができる。本実施形態ではプラズマCVD法を用いることとしている。本実施形態の反応条件は、例えば、ガス流量:TEOS/O=12/388sccm、出力:400W、圧力:40Pa、反応温度:110℃、反応時間:2minである。
図に示すように、原料気体16gを反応させると、化学反応により生成する保護膜16が近接した金属細線14と基板11の表面に堆積する。保護膜の成膜速度は例えば100nm/minである。成膜初期の段階では、保護膜16は、底面12a、凸条部13の表面、金属細線14の外周に堆積する。反応が進行すると、金属細線14を包み込むように保護膜16が成長する。また、隣り合う金属細線14の周囲に形成された保護膜16同士の間隔は、成長した保護膜16の厚みの分だけ徐々に狭くなる。
次に、図16(b)に示すように、更に反応が進行すると、保護膜16の厚みの分だけ隣接する金属細線14の間隔は狭くなるため、溝部12に原料気体16gが進入しにくくなる。そのため原料気体16gは、溝部12に侵入する前に金属細線14に形成された保護膜16で次々と反応が進行し、金属細線14で優先的に保護膜16の形成が進行する。
ここで、反応速度が遅い場合には、保護膜16の厚みによって金属細線14の間隔が狭くなっても溝部12に原料気体16gが行き渡る十分な時間があるため、優先的に金属細線14に保護膜16が形成することはなく、表面全体で反応が進行する。そのため、形成される保護膜16により、溝部12は徐々に埋没していく。このように溝部12が埋没した構造は光学特性上望ましくないため、本実施形態では反応速度を速め、溝部12を形成することとしている。
また、本発明の金属細線14は、凸条部13の両側面からY軸方向に向かって、ひさしの様に張り出して形成されている。このような形状の金属細線14の表面において、符号14cで示す金属細線14の下端部付近に保護膜16が堆積するためには、原料気体16gが溝部12の内部に侵入し、金属細線14を回り込んで下端部14cに達する必要がある。従って、金属細線14は、下端部14cにおいて保護膜16の堆積が行われにくい構造となっている。反応条件によっては、下端部14cにおいて金属細線14を空隙部15に露出させることもできる。
次に、図16(c)に示すように、更に反応が進行すると、隣接する金属細線14で成長を続ける保護膜16が、隣同士で互いに当接するに至る。これにより、隣接する金属細線14の間には、保護膜16で囲まれた空隙部15が形成される。
次に、図16(d)に示すように、更に反応が進行すると、保護膜16のおもて面は徐々に平坦に近づき、厚い保護膜16が形成される。以上のようにして、本実施形態の偏光素子1Bが完成する。
以上のような構成の偏光素子1Bによれば、保護膜16によって金属細線14が保護されるため、金属細線14の酸化を防ぐことができるとともに、凸条部13および金属細線14の間の領域には空隙部15が形成されているため、信頼性が高く優れた光学特性を備えた偏光素子1Bとすることができる。
また、本実施形態では、隣接する金属細線14の上部に設けられた第2保護膜16bは、配列軸方向に平行な方向において互いに接触していることとしている。そのため、金属細線間には空気や成形加工時の雰囲気ガス(もしくは真空)を封入可能な空隙部15が形成され、優れた光学特性を備えた偏光素子1Bとすることができる。
また、本実施形態では、保護膜16は透光性の絶縁性材料で形成されていることとしている。金属細線14が絶縁性材料に覆われて周囲と絶縁するので、例えば偏光素子1Bを装置に組み込む場合に金属細線14が装置の配線と通電することがない。
また、以上のような構成の偏光素子1Bの製造方法によれば、金属細線14の酸化劣化や破損を防ぐための保護膜16の形成に、CVD法を用いることとしている。成膜速度が早いというCVD法の特徴により、成膜が進行すると空隙部15に原料気体16gが行き渡るよりも先に成膜反応が起こる様になり、金属細線14の上端部で優先して保護膜が成長する。すると、金属細線14の間の膜成長が停止し、金属細線14間が保護膜16で埋没することなく優れた光学特性を備えた偏光素子1Bを容易に製造することができる。
なお、本実施形態においては、保護膜16のみで金属細線14を保護することとしたが、保護膜16の上に更に複数の堆積膜を積層させることとしても良い。
また、本実施形態においても第1実施形態と同様に、凸条部13は断面形状が三角形であることに限らず、例えば、矩形、台形などの断面形状を採用することができる。
図17は、本実施形態の変形例に係る偏光素子2Bの説明図であり、図15(b)に対応する図である。
図に示すように、偏光素子2Bは、基板21および金属細線24の表面を覆う透光性絶縁膜を形成材料とする保護膜26を備えている。保護膜26は、凸条部23の両側面および金属細線24を覆う第1保護膜26aと、金属細線24の上部を覆う第2保護膜26bと、溝部22の底面22aを覆う第3保護膜26cと、を備えている。第1保護膜26a、第2保護膜26b及び第3保護膜26cに囲まれた領域は空隙部25になっており、空隙部25の内部は真空又は空気、あるいは保護膜26成型時の原料ガスによって満たされている。
偏光素子2Bは、図16に示す方法と同様の方法を用い、図14に示す第1実施形態の変形例である偏光素子2Aの表面に保護膜26を形成することで得られる。
以上のような構成の偏光素子2Bであっても、信頼性が高く優れた光学特性を備えた偏光素子2Bとすることができる。
[投射型表示装置]
次に、本発明の電子機器の実施形態について説明する。図18に示すプロジェクタ800は、光源810、ダイクロイックミラー813、814、反射ミラー815、816、817、入射レンズ818、リレーレンズ819、射出レンズ820、光変調部822、823、824、クロスダイクロイックプリズム825、投射レンズ826、を有している。
光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。なお、光源810としては、メタルハライド以外にも超高圧水銀ランプ、フラッシュ水銀ランプ、高圧水銀ランプ、Deep UVランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ等を用いることも可能である。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用の光変調部822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された青色光と緑色光のうち、緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調部823に入射される。青色光は、ダイクロイックミラー814を透過し、長い光路による光損失を防ぐために設けられた入射レンズ818、リレーレンズ819及び出射レンズ820を含むリレー光学系821を介して、青色光が光変調部824に入射される。
光変調部822〜824は、液晶ライトバルブ830を挟んで両側に、入射側偏光素子840と射出側偏光素子部850と、が配置されている。入射側偏光素子840と射出側偏光素子部850とは、互いの透過軸が直交して(クロスニコル配置)配置されている。
入射側偏光素子840は反射型の偏光素子であり、透過軸と直交する振動方向の光を反射させる。
一方、射出側偏光素子部850は、第1偏光素子(プリ偏光板、プリポラライザ)852と、第2偏光素子854と、を有している。第1偏光素子852には、保護膜を備え耐熱性が高い、上述した第2実施形態の本発明の偏光素子を用いる。また、第2偏光素子854は、有機材料を形成材料とする偏光素子である。射出側偏光素子部850は、いずれも吸収型の偏光素子であり、偏光素子852,854が協働して光を吸収している。なお、第1偏光素子852には、第1実施形態の本発明の偏光素子を用いることとしても良い。
一般に、有機材料で形成される吸収型の偏光素子は、熱により劣化しやすいことから、高い輝度が必要な大出力のプロジェクタの偏光手段として用いる事が困難である。しかし、本発明のプロジェクタ800では、第2偏光素子854と液晶ライトバルブ830との間に、耐熱性の高い無機材料で形成された第1偏光素子852を配置しており、偏光素子852,854が協働して光を吸収している。そのため、有機材料で形成される第2偏光素子854の劣化が抑えられる。
各光変調部822〜824により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投写され、画像が拡大されて表示される。
以上のような構成のプロジェクタ800は、射出側偏光素子部850に、上述した本発明の偏光素子を用いることとしているため、高出力の光源を用いても偏光素子の劣化が抑えられる。そのため、信頼性が高く優れた表示特性を有するプロジェクタ800とすることができる。
[液晶装置]
図19は、本発明にかかる偏光素子を備えた液晶装置300の一例を示した断面模式図である。本実施形態の液晶装置300は、素子基板210,対向基板320の間に液晶層350が挟持され構成されている。
素子基板210及び対向基板320は、偏光素子330、340を備えている。偏光素子330、340は、前述した第2実施形態の偏光素子であり、それぞれガラスや石英、プラスチック等の透光性の基板上に、保護膜を備えた金属細線が形成された構造を備えている。
偏光素子330は基板本体331と金属細線332及び保護膜333を、偏光素子340は基板本体341と金属細線242及び保護膜343をそれぞれに備えている。本実施形態では、基板本体331、341は偏光素子の基板であると同時に液晶装置用の基板も兼ねている。また、金属細線332と金属細線242は、互いに交差するように配置されている。いずれの偏光素子も、金属細線が内面側(液晶層350側)に配置されている。
偏光素子330の内面側には、画素電極314や不図示の配線やTFT素子を備え、配向膜316が設けられている。同様に、偏光素子340の内面側には、共通電極324や配向膜326が設けられている。
このような構成の液晶装置においては、基板本体331,341が、液晶装置用の基板と、偏光素子用の基板との機能をかねることから、部品点数を削減することができる。そのため、装置全体が薄型化でき、液晶装置300の機能を向上させることができる。更に、装置構造が簡略化されるので、製造が容易であるとともにコスト削減を図ることができる。
なお、本実施形態の液晶装置においては、第2実施形態の偏光素子を用いることとしたが、保護膜を備えない第1実施形態の偏光素子を用いることもできる。その場合には、保護膜333,343の位置に、別途各偏光素子を保護するための保護層を設けることとすると良い。
[電子機器]
次に、本発明の電子機器に係る他の実施形態について説明する。図20は、図19に示した液晶装置を用いた電子機器の一例を示す斜視図である。図20に示す携帯電話(電子機器)1300は、本発明の液晶装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。これにより、信頼性に優れ、高品質な表示が可能な表示部を具備した携帯電話1300を提供することができる。
また、本発明の液晶装置は、上記携帯電話の他にも、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、プロジェクタ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
[実施例]
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、発明の効果を確認するため、シミュレーション解析により評価を行った。
実施例においては、本発明の偏光素子を液晶プロジェクタのライトバルブ用の偏光素子として適用することを想定して評価を行った。本発明の偏光素子は、無機材料で形成されており耐熱性が高いことから、前述した高出力の光源を有する液晶プロジェクタのプリ偏光板として好適に適用できる。
このようなプリ偏光板には、TM光に対する高い光透過率を有し、TM光を良好に透過させる必要がある。一方で、上述のように2枚の偏光素子が協働してTE光を吸収するため、TE光の吸収率については、それほど高い必要がない。具体的には、TM光の透過率が90%より大きく、TE光の吸収率が40%より大きいと使用上問題ない。TE光の吸収率については、2枚目の偏光素子への負担を低減するために、50%より大きいとなお良い。更には、TE光がプリ偏光板で反射しライトバルブへ戻ることを防ぐために、TE光の反射率は低い方が良く、20%以下であることが望まれる。
そこで、以下の実施例においては、TM光透過率が90%より大、TE光反射率が20%以下、TE光吸収率が40%より大、であることを基準として評価を行った。
本実施例では、モデル化した偏光素子についてのシミュレーション解析、および実際に作成した試験体の実測により評価をおこなった。
シミュレーション解析は、モデル化した偏光素子についての形状、屈折率等の各パラメータを用いて、Grating Solver Development社製の解析ソフトであるGSolverを用いて行った。
また、作成した試験体については、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製の分光光度計U−4100を用いて、各光学特性を測定した。
[予備評価]
まず、凸条部の両側面に金属細線が設けられた両側タイプのモデルと、凸条部の一方の側面にのみ金属細線が設けられた片側タイプのモデルとについて比較を行った。これは、凸条部の両側面に金属細線を設けたモデルの解析に長時間を要するため、解析の効率化を目的としたものである。
解析では、凸条部の高さ:110nm、幅:70nm、金属細線の形成材料をモリブデンとしてモリブデンの屈折率および消衰係数の各パラメータを用いた。凸条部の両側面に金属細線を設けた両側タイプのモデルについては金属細線の高さ:28.8nm、幅:18.3nmとし、凸条部の一方の側面に金属細線を設けた片側タイプのモデルについては金属細線の高さ:40.6nm、幅:25.8nmとして、両モデルの金属細線の断面積を略等しく、すなわち略同体積の金属細線として評価をおこなった。
図21、22は、TM光およびTE光に対する透過、反射、吸収の各特性のシミュレーション結果を示すグラフであり、図21は両側タイプのモデルについて、図22は、片側タイプのモデルについての結果を示している。各々(a)は透過特性、(b)は反射特性、(c)は吸収特性を示すものであり、横軸は偏光素子を透過する光の波長、縦軸には各光学特性の値を示す。
TM光、TE光に対する両タイプの光学特性を比較すると、いずれも同様の挙動を示すため、片側タイプのモデルについての解析を行うことで、両側タイプのモデルについての光学特性を予測可能であることが分かった。
そのため、以下のシミュレーションにおいては、片側タイプのモデルの構成についてシミュレーション解析を行った。
[金属細線の形成材料についての検証]
次に、上記片側タイプのモデルの構造にて金属材料の屈折率および消衰係数を変化させたときにおける、偏光素子の光学特性への影響を検証した。図23は、横軸を消衰係数、縦軸を屈折率とした各光学特性の等値線を示す。各々(a)はTM光の透過特性、(b)はTE光の反射特性、(c)はTE光の吸収特性を示すものである。ここでは、屈折率を0.5から5まで、消衰係数を0から5まで変化させた時の結果を示す。凸条部の高さ、幅、および金属細線の高さ、幅については、図22に示したシミュレーション解析で用いた値を用い、532nmの波長の光に対する影響を調べた。
評価の結果、TM光の透過特性、TE光の反射特性、TE光の吸収特性について光学特性をみると、屈折率nが3以上5以下であり、消衰係数が2以上5以下であるときに、おおむね上述の求める光学特性を示すことが分かった。本評価結果は、金属細線の形成材料の物性値に起因するものであるため、本発明の偏光素子の形状(上記両側タイプのモデル)であっても同様の傾向を示すと類推できる。
このような範囲の屈折率、消衰係数を有する材料としては、ゲルマニウム、クロム、モリブデンを上げることができる。図には、これら金属材料について示している。
[凸条部の高さについての検証]
次に、上記片側タイプのモデルの構造にて、凸条部の高さを変更した場合の各光学特性への影響を検証した。ここでは、凸条部の幅を70nm、金属細線の幅を19.25nm、金属材料としてゲルマニウムを選択した場合の、532nmの波長の光に対するシミュレーション結果を示す。
図24には、TM光およびTE光に対する透過、反射、吸収の各特性のシミュレーション結果を示すグラフである。各々(a)は透過特性、(b)は反射特性、(c)は吸収特性を示すものであり、横軸は偏光素子の凸条部の高さ(グリッド高さ)、縦軸には各光学特性の値を示している。ここでは、グリッド高さを50nmから150nmまで変化させた時の結果を示す。
ここで、実際に凸条部を形成する場合には、上述したように、基板上にレジストパターンを形成した後にエッチングを行う。そのため、実際には凸条部のグリッド高さの最大値は、レジストパターンの厚さと、エッチング時の選択比によって決まる。本実施例では、200nmの厚さのレジストを用い上述のエッチング条件にてドライエッチングを行った場合に、経験的に得ているグリッド高さの最大値である150nmを上限としてシミュレーションを行った。
評価の結果、グリッド高さが高くなるに従ってTE光の反射率および吸収率が高くなることが分かり、TE光の光学特性がグリッド高さの影響を強く受けることが明らかとなった。上述の吸収型偏光素子として用いる場合、TE光の吸収率が40%以上となるには、グリッド高さが90nm以上となると良い。また、130nm以上となるとTE光の吸収率が50%程度で頭打ちとなるため、グリッド高さは130nm以上とすることがより好ましいことが分かった。
本評価結果は、上述の片側タイプのモデルについてのシミュレーション結果であるが、上述のように両側タイプのモデルであっても同様の傾向を示すため、本発明の偏光素子の形状(両側タイプのモデル)であっても同様の傾向を示すと類推できる。
[金属細線の成膜量についての検証]
次に、本発明の偏光素子について、凸条部の高さを一定とした場合に金属細線の厚さ(成膜量)を変化させた場合の各光学特性への影響を検証した。本実施例では、SiO基板上に幅70nm、高さ115nm、ピッチ70nmの凸条部を設け、金属材料としてモリブデンを選択して試験体を作成し、光学特性を実測した。また、凸条部および金属細線の断面のSEM写真から凸条部下端から金属細線上端までの総高さを求め、得られる総高さから、凸条部の高さである115nmを引いた値を、金属細線の厚さとした。
図25から図32は、一定高さの凸条部上に成膜量を変化させて金属細線を形成した場合の各光学特性を示す図である。図25,26は成膜量24nm、図27,28は成膜量20nm、図29,30は成膜量8nm、図31,32は成膜量4nmの結果を示す。図25,27,29,31は各々、断面SEM写真を示し、図26,28,30,32は、図21、22と同様の縦軸、横軸を用いて、(a)に光の透過特性、(b)に光の反射特性、(c)に光の吸収特性を示す。
評価の結果、成膜量が少なくなるに従い、TM光の透過率は増加、TE光の反射率は減少、TE光の吸収率は減少の傾向が見られた。530nmの波長における各光学特性を比較すると、次の表1のようになった。
この結果から、本実施例の偏光素子の場合には、成膜量を8nmとするとTM光の透過率、TE光の反射率、吸収率が良好な偏光素子とすることが分かった。
これらの結果より、本発明の構成を備える偏光素子が良好な光学特性を有することが確認でき、本発明の構成が課題解決に有効であることが確かめられた。
1A,1B,2A,2B,330,340…偏光素子,11,21…基板、11A…基板材料、13,23…凸条部、13a,23a…第1側面(一方の側面)、13b,23b…第2側面(他方の側面)、14,24…金属細線、14a,24a…第1細線、14b,24b…第2細線、15,25…空隙部、16,26…保護膜、20…レジスト、300…液晶装置、310…素子基板(一対の基板)、320…対向基板(一対の基板)、350…液晶層、800…プロジェクタ(投射型表示装置)、810…光源(照明光学系)、826…投射レンズ(投射光学系)、852…第1偏光素子(偏光素子)、1300…携帯電話(電子機器)、

Claims (12)

  1. 基板と、
    前記基板の一面側に平面視略ストライプ状に設けられた複数の凸条部と、
    各々の前記凸条部において前記凸条部の延在方向に沿って設けられる金属細線とを備え、
    複数の前記金属細線の各々が、前記凸条部の短手方向の両側面のうち一方の側面に設けられた第1細線と、他方の側面に設けられた第2細線と、を含むと共に、前記第1細線と前記第2細線とは、前記凸条部の上端部において重畳してなり、
    各々の前記凸条部に設けられた前記第1細線の体積は、前記基板の一端側から遠ざかる方向に連続的に減少し、各々の前記凸条部に設けられた前記第2細線の体積は、前記基板の一端側から遠ざかる方向に連続的に増加しており、
    前記第1細線の体積と前記第2細線の体積との和である前記金属細線の体積は、ばらつきが所定範囲内であることを特徴とする偏光素子。
  2. 前記ばらつきが、前記金属細線の体積の平均値を基準として±4%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の偏光素子。
  3. 前記第1細線の体積は、前記基板の一端側から遠ざかる方向に線形に減少し、
    前記第2細線の体積は、前記基板の一端側から遠ざかる方向に線形に増加することを特徴とする請求項1または2に記載の偏光素子。
  4. 前記凸条部と前記金属細線とを覆う保護膜を備え、
    隣り合う前記凸条部および前記金属細線の間の領域には、前記保護膜が充填されない空隙部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の偏光素子。
  5. 隣り合う前記凸条部および前記金属細線を覆う前記保護膜は、前記空隙部の上部で接触し前記空隙部を覆っていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の偏光素子。
  6. 前記保護膜は、透光性の絶縁性材料で形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の偏光素子。
  7. 前記金属細線は、シリコン、ゲルマニウム、クロム、モリブデンの中から選ばれる形成材料を用いて形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の偏光素子。
  8. 基板の一面側に平面視略ストライプ状に設けられた複数の凸条部に、前記一面に対して斜め方向から金属材料を堆積させ、前記凸条部の表面に堆積された細線状の金属膜によって複数の金属細線を形成する偏光素子の製造方法であって、
    前記凸条部の延在方向に交わる第1の方向から、前記凸条部の一方の側面に金属材料を堆積させ、複数の第1細線を形成する工程と、
    前記第1の方向とは前記基板表面に投影した方位が正反対である第2の方向から、前記凸条部の他方の側面に金属材料を堆積させて複数の第2細線を形成し、前記第1細線と前記第2細線とを有する前記金属細線を形成する工程と、を有することを特徴とする偏光素子の製造方法。
  9. 前記複数の金属細線の周囲を覆う保護膜を形成する工程を備え、
    前記保護膜を形成する工程ではCVD法を用い、隣り合う前記凸条部および前記金属細線の間の領域に、前記保護膜が充填されない空隙部を形成することを特徴とする請求項8に記載の偏光素子の製造方法。
  10. 光を射出する照明光学系と、
    前記光を変調する液晶ライトバルブと、
    前記液晶ライトバルブで変調された光が入射する請求項1から7のいずれか1項に記載の偏光素子と、
    前記偏光素子を透過した偏光光を被投射面に投射する投射光学系と、を備えることを特徴とする投射型表示装置。
  11. 一対の基板間に液晶層を挟持してなり、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の前記液晶層側に請求項1から7のいずれか1項に記載の偏光素子が形成されていることを特徴とする液晶装置。
  12. 請求項11に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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