JP5796522B2 - 偏光素子、および偏光素子の製造方法 - Google Patents

偏光素子、および偏光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般的にワイヤーグリッド偏光素子と呼ばれる偏光分離素子に関する。
ワイヤーグリッド偏光素子は、透明な基板上に金属から成るグリッドが敷き詰められた構成となっている。ワイヤーグリッド偏光素子の一番の特徴は、グリッドのピッチが用いる波長よりも十分短いことである。
ワイヤーグリッド偏光素子は、無機物のみから構成できるため、有機物を用いた偏光素子に比べ、熱による劣化が少ないことを特徴としている。しかしながら、プロジェクターが年々高輝度化されるのに伴い、その光路に配置される無機偏光素子の温度の上昇に起因する高温信頼性が問題となってきている。
調査の結果、無機偏光素子が高温保持された場合に観測される光学特性劣化は、金属グリッド(一般的にはアルミニウムが用いられている)の表面に成長する熱酸化膜に起因するもので有ることが判ってきた。
金属グリッドを保護する技術として、特許文献1には、斜方成膜法によって金属グリッド上に保護層を設けることが記載されている。特許文献1によれば、互いに隣り合う2本の金属細線と基板と保護層とによって空洞部が形成されている。
特開2007−17762号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法で保護層を形成した場合、空洞部の端部は保護層に覆われていないため、空洞部の端部から空洞部の内部に酸素が供給される。そのため高温環境下において金属グリッドが酸化する虞がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る偏光素子は、基板の一面上に一の方向に延在する複数の金属細線と、該複数の金属細線の上に設けられた保護層と、該複数の金属細線のうち互いに隣り合う2本の金属細線と該基板と該保護層とによって囲まれる空洞部と、を備え、前記複数の金属細線各々の端部は、前記一の方向の断面において順テーパ形状を有し、前記保護層は、前記複数の金属細線各々の端部を介して、前記複数の金属細線の上から前記基板の一面まで延在していることを特徴とする。
本適用例によれば、複数の金属細線各々の端部は、その延在方向の断面において順テーパ形状を有し、保護層は、複数の金属細線各々の端部を介して、複数の金属細線の上から基板の一面まで延在している。そのため、複数の金属細線のうち互いに隣り合う2本の金属細線の間の空間は、互いに隣り合う2本の金属細線と基板と保護層とによって囲まれる空洞部となる。空洞部の外部から空洞部の内部へ酸素が供給されにくいため、金属細線は高温環境に晒された際、初期には酸化するものの、次第に酸素しにくくなる。したがって、高温環境に晒された際に金属細線の酸化が少なく、特性劣化の抑えられた高温信頼性の高い偏光素子の提供が可能となる。
[適用例2]上述の適用例において、前記空洞部の酸素濃度が空洞部外の酸素濃度より低いことを特徴とする。
本適用例によれば、空洞内の酸素量が少ないため、高温環境に晒された際の金属細線の初期酸化が少ない。そのため、特性劣化の抑えられた高温信頼性の高い偏光素子の提供が可能となる。
[適用例3]上述の適用例において、前記空洞部に不活性ガスが封入されていることを特徴とする。
本適用例によれば、空洞内の気圧を空洞外の気圧に比べて低い状態に保つこと無く、空洞内の酸素濃度を低く抑えることが出来る。その為、空洞内外の気圧差による保護層の破壊が抑えられ、これによって特性劣化の抑えられた高温信頼性の高い偏光素子の提供が可能となる。
[適用例4]上述の適用例において、前記複数の金属細線および複数の前記空洞部は、前記保護層と前記基板とによって密閉されていることを特徴とする。
本適用例によれば、複数の金属細線および複数の前記空洞部は、保護層と基板とによって密閉されているため、空洞部の外部から空洞部の内部へ酸素が供給されない。そのため、金属細線は高温環境に晒された際、初期のみ酸化するものの、酸素の枯渇と共に酸化も停止する。したがって、高温環境に晒された際に金属細線の酸化が少なく、特性劣化の抑えられた高温信頼性の高い偏光素子の提供が可能となる。
[適用例5]本適用例に係る偏光素子の製造方法は、基板の一面上に一の方向に延在する複数の金属細線と、該複数の金属細線の上に設けられた保護層と、該複数の金属細線のうち互いに隣り合う2本の金属細線と該基板と該保護層とによって囲まれる空洞部と、を備え、該複数の金属細線各々の端部は、該一の方向の断面において順テーパ形状を有する偏光素子の製造方法であって、金属膜を前記基板の一面上に形成する金属膜形成工程と、前記金属膜上に縞状のレジストパターンを形成するレジスト形成工程と、前記縞状のレジストパターンをマスクとして前記金属膜をエッチングして、前記複数の金属細線を形成するパターン形成工程と、前記複数の金属細線の上に前記保護層を形成する保護層形成工程と、を有し、前記金属膜形成工程において、前記金属膜の端部に順テーパ形状を持たせるように前記金属膜を形成し、前記保護層形成工程において、前記2本の金属細線と前記基板と前記保護層とによって囲まれた前記空洞部が形成されるように、前記保護層を形成することを特徴とする。
本適用例によれば、金属膜の製膜と金属膜の端部の順テーパ加工とが同時に行われる。また、複数の金属細線各々の端部が順テーパを有しているため、保護層は、順テーパ形状部分を介して、複数の金属細線の上および複数の空洞部の上から連続的に基板の一面上に導かれる。よって、複数の金属細線のうち互いに隣り合う2本の金属細線の間の空間を、互いに隣り合う2本の金属細線と基板と保護層とによって囲まれる空洞部とすることが容易である。したがって、高温環境に晒された際に金属細線の酸化が少なく、特性劣化の抑えられた高温信頼性の高い偏光素子を、煩雑な工程を経ることなく、容易に形成することできる。
[適用例6]上述の適用例において、保護層形成工程において、一の方向と交差し、かつ基板の一面の法線に対して斜めの方向から、保護層を斜方蒸着することを特徴とする。
本適用例によれば、複数の金属細線のうち互いに隣り合う2本の金属細線の間の空間を、互いに隣り合う2本の金属細線と基板と保護層とによって囲まれる空洞部とすることが容易である。
[適用例7]上述の適用例において、金属膜形成工程において、金属膜の端部に順テーパ形状を持たせるように、膜源と基板との間にマスクを設けて金属膜を基板の一面に蒸着することを特徴とする。
本適用例によれば、金属膜の端部に順テーパ形状を容易に持たせることができる。
[適用例8]本適用例に係るプロジェクターは、上記適用例のいずれか一例に記載の偏光素子を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、表示品位及び信頼性に優れた偏光光学系を備えたプロジェクターを実現することができる。
[適用例9]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の偏光素子を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、表示品位及び信頼性に優れた偏光光学系を備えた電子機器を実現することができる。
第1実施形態に係る偏光素子を示す図。 第1実施形態に係る偏光素子の製造工程を示すフローチャート。 第1実施形態に係る偏光素子の製造工程を示す図。 第1実施形態に係る偏光素子の製造工程を示す図。 保護層の結晶構造を示す図。 従来の偏光素子を示す図。 第2実施形態に係るプロジェクターを示す概略構成図。 第3実施形態に係る電子機器を示す概略構成図。
以下、本発明の実施形態に付き、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
まず、本実施形態における偏光素子100について、図1を参照しながら説明する。ここで、図1(a)は本実施形態の偏光素子100を示す 平面図であって、図1(b)は図1(a)におけるA−A’断面図および偏光素子の動作説明図であって、図1(c)は図1(a)におけるB−B’断面図であって、図1(d)は図1(a)におけるC−C’断面図である。
図1(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、偏光素子100は、光反射型の偏光素子であって、基板111Aと、この基板111Aの一面111Bを覆う下地層114上に形成されたワイヤーグリッド偏光層118と、基板111Aの一面111B上にワイヤーグリッド偏光層118を介して設けられる保護層113と、を有して構成されている。
基板111Aは、ガラスや石英、プラスチック等の透明基板からなり、偏光素子100が反射型である場合には、金属基板やセラミック基板等の不透明な基板を用いてもよい。
また、下地層114は、必要に応じて基板111Aの一面111Bに形成されるものであり、例えばシリコン酸化物膜やアルミニウム酸化物膜により形成することができる。下地層114は、エッチングにより金属細線118Aをパターン形成する際の、エッチング等による基板111Aの損傷を防止する機能や、基板111Aに対する金属細線118Aの密着性を改善する機能を有する。また偏光素子100として反射型の偏光素子を形成する場合には、下地層114を光反射性の金属材料により形成してもよい。
ワイヤーグリッド偏光層118は、所定の間隔をもってストライプ状に配置された複数の金属細線118Aを有している。ワイヤーグリッド偏光層118は下地層114の上に設けられている。複数の金属細線118Aは、平面視で縞状パターンを形成しており、例えば、金属細線118Aの幅Lが約70nm、金属細線118Aの高さHが約150nm、互いに隣り合う2本の金属細線118A間のスペースSが約70nmとなっている。なお、高さHは150nm以下とする。
ここで、金属細線118Aの幅L、スペースSにより規定されるL/S比は、偏光素子100の光学特性を決める重要なパラメーターとなっている。図1(b)に示すように、可視光の波長よりも狭いピッチ(約140nm)で形成された複数の金属細線118Aを有していることで、偏光素子100に入射した光の偏光方向により偏光選択が行なわれる。具体的には、金属細線118Aの延在方向(図1(a)のX軸方向)と垂直な方向に偏光軸を有する直線偏光Etを透過する一方、金属細線118Aの延在方向と平行な方向に偏光軸を有する直線偏光Erを反射する。したがって、本実施形態の偏光素子100は、金属細線118Aの延在方向と平行な反射軸と、かかる反射軸と直交する方向(図1(a)のY軸方向)の透過軸とを有する。
図1(c)に示すように、X軸方向と平行な断面において、金属細線118Aの端部120は順テーパ形状を有している。本明細書では便宜上、金属細線118Aのうち端部120を除いた部分を金属細線118Aの平坦部119と呼ぶ。偏光素子100としての有効使用領域は、前記金属細線118Aに平坦部119が形成されている領域であり、前記金属細線118Aの端部120は、有効使用領域の外に形成されている。
複数の金属細線118Aの上方には保護層113が設けられている。保護層113は、SiO2やMgF2等の誘電体材料により形成された誘電体層である。保護層113は、後述するように、斜方成膜法を用いて成膜されており、斜め配向された針状の結晶構造を有する(図5参照)。
図1(a)〜(d)に示すように、保護層113は、複数の金属細線118A各々の端部を介して、複数の金属細線118Aの上、すなわち平坦部119の上面から基板111Aの一面111Bまで延在している。このように、保護層113は、端部120の上面と、下地層114の表面のうち端部120に続く領域とにも設けられている。さらに、図1(a)、(b)、(d)に示すように、空洞部118Bの上部にも保護層113が設けられている。そのため、複数の金属細線118Aのうち互いに隣り合う2本の金属細線118Aの間の空間は、互いに隣り合う2本の金属細線118Aと基板111A(下地層114)と保護層113とによって囲まれる空洞部118Bとなっている。
複数の金属細線118Aおよび複数の空洞部118Bは、保護層113と基板111A(下地層114)とによって密閉されていることが好ましい。これによれば、空洞部118Bの外部から空洞部118Bの内部へ酸素が供給されないため、金属細線118Aは高温環境に晒された際、初期のみ酸化するものの、酸素の枯渇と共に酸化も停止する。したがって、高温環境に晒された際に金属細線118Aの酸化が少なく、特性劣化の抑えられた高温信頼性の高い偏光素子の提供が可能となる。
なお、複数の金属細線118Aおよび複数の空洞部118Bは、必ずしも保護層113と基板111A(下地層114)とによって密閉されている必要はない。空洞部118Bへの酸素の供給を十分少なくすることができるように、空洞部118Bが互いに隣り合う2本の金属細線118Aと基板111A(下地層114)と保護層113とによって囲まれていれば、金属細線118Aの酸化の進行を遅くして、特性劣化を抑えるという効果が得られる。
空洞部118Bの酸素濃度は、保護層113と基板111A(下地層114)とによって形成される空間の外における酸素濃度よりも低く保つことが好ましい。そのためには、空洞部118Bにアルゴンや窒素などの不活性ガス等の気体を封入するとよい。封入される気体の量は特に限定されるものではなく、充分に真空に近い状態であってもよい。しかし、空洞部118Bに不活性ガス等の気体を封入しておけば、空洞部118Bの内部の気圧を空洞部118Bの外部の気圧に比べて低い状態に保つこと無く、空洞部118Bの酸素濃度を低く抑えることが出来る。その為、空洞部118Bの内外の気圧差による保護層113の破壊が抑えられ、これによって特性劣化の抑えられた高温信頼性の高い偏光素子の提供が可能となる。
このように、本実施形態の偏光素子100では、空洞部118Bの外部から空洞部118Bの内部に酸素が供給されることを防止することができる。あるいは、空洞部118Bの外部から空洞部118Bの内部に酸素が供給されにくくすることにより、空洞部118Bの内部に供給される酸素の量を極めて少なくすることができる。従って、偏光素子100が高温環境に晒された際に金属細線118Aの酸化が起こりにくくすることができる。これによって、偏光素子100の高温信頼性を高めることができる。
(偏光素子の製造方法)
次に、上述した構成の偏光素子100の製造方法について、図2及び図3及び図4を参照しながら説明する。ここで、図2は偏光素子100の製造工程を示すフローチャートであり、図3(a)〜(e)は、偏光素子の製造工程を示す略図であり、図1(a)におけるA−A’断面に対応する。図4(a)〜(e)は、偏光素子100の製造工程を示す略図であり、図1(a)におけるB−B’断面図に対応する。
以下、図2のフローチャートに沿って製造方法を説明する。
まず、金属膜形成工程S1において、図3(a)に示すように、ガラスや石英、プラスチック等の透光性材料からなる基板111Aの一面111Bの上に、スパッタ法等の蒸着法により例えばシリコン酸化物膜を成膜して下地層114とする。その後、下地層114上に、スパッタ法等の蒸着法を用いてアルミニウム(Al)を成膜して金属膜112aを形成する。
この時、図4(a)に示すように、スパッタターゲット(膜源)と基板との間にマスク116を設けることで、金属膜112aを基板111Aの一面111Bに製膜すると同時に金属膜112aの端部に順テーパ形状を持たせることが可能である。
金属膜112aを構成する金属としては、アルミニウム以外にも、例えば金、銅、パラジウム、白金、ロジウム、シリコン、ニッケル、コバルト、マンガン、鉄、クロム、チタン、ルテニウム、ニオブ、ネオジウム、イッテルビウム、イットリウム、タリウム、モリブデン、インジウム、ビスマス、若しくはその合金のいずれかを用いることができる。
次に、レジスト形成工程S2において、金属膜112a上にレジストをスピンコートにより塗布し、これをベークして、レジスト膜を形成する。その後、露光、現像処理を施し、図3(b)、図4(b)に示すように、平面視で縞状のレジスト115aを形成する。具体的には、上記レジスト膜に対して、形成されるレジスト115aが縞状に配置されるよう選択的にレーザー照射を行う。形成されるレジスト115aのピッチは、本実施形態では140nmであるから、可視光の波長以下の微細な縞状パターンを形成可能な干渉露光法(本実施形態においては二光束干渉露光)を用いる。このような露光を行った後、ベーク(PEB: Post Exposure Bake)を行い、さらにエッチングによりレジスト膜の露光部分を取り除くことで、図3(b)、図4(b)に示したパターンを有するレジスト115aを形成することができる。
続いて、パターン形成工程S3において、図3(c)、図4(c)に示すように、形成したレジスト115aをマスクとして上記金属膜112aをエッチングする。
さらに、レジスト除去工程S4において、レジスト115aを除去することで、図3(d)、図4(d)に示すような金属細線118Aを複数形成し、ワイヤーグリッド偏光層118を形成する。
最後に、保護層形成工程S5について、図3(e)を用いて詳細に説明する。図3(e)の矢印で示すように、金属細線118Aの上面と空洞部118Bの上部を覆う様に、誘電体材料を斜方蒸着する。具体的には、金属細線118Aの延在方向と交差し、かつ基板111Aの一面111Bの法線に対して斜め方向から、誘電体材料を斜方蒸着する。本実施例においては、基板111Aを平面視したとき、Y軸方向から誘電体材料を斜方蒸着した。これにより、互いに隣り合う2本の金属細線118Aと下地層114と保護層113とによって空洞部118Bが囲まれるように、ワイヤーグリッド偏光層118の上に保護層113を容易に形成することができる。
ここで、従来技術による偏光素子200を図6に示す。偏光素子200は、金属細線218Aの延在方向(X軸方向)と平行な断面において、金属細線218Aの端部が垂直断面形状を有している。保護層213は、図6のY軸方向と平行な方向から斜方製膜される為に、金属細線218Aの平坦部219の上面は保護層213で覆われるが、金属細線218Aの端部は保護層213によって覆われない。よって、金属細線218Aの端部には空洞部218Bの開放部を有することとなり、空洞部218Bは外部に開放された空間として形成される。したがって、偏光素子100が高温環境に晒された際の金属細線218Aの酸化を抑えることが出来ない。
一方、本実施形態によれば、保護層113は、順テーパ形状を有する端部120を介して、複数の金属細線(突起体)118Aの上および複数の空洞部118Bの上から連続的に基板111Aの一面111Bに導かれる。よって空洞部118Bは、互いに隣り合う2本の金属細線118Aと下地層114と保護層113とによって確実に密閉することが可能となる。
この際、例えば蒸着法を用いると、蒸着装置の成膜時の雰囲気ガスが、空洞部118Bに封入された状態で保護層113によって密封されることになる。したがって、雰囲気ガスがアルゴンであればアルゴンが封入され、また空気が封入されることもありうる。更に、蒸着装置内が減圧状態であるから、空洞部118B内も同様に減圧状態となる。このようにして、隣接する金属細線118A同士の間に、不活性ガス等の気体が封入された空洞部118Bが形成される。
以上の工程により、図1に示すように、保護層113と基板111A(下地層114)とによって形成される空間の中に複数の金属細線118Aおよび複数の空洞部118Bが、設けられた偏光素子100を製造することができる。
このような過程を経ることによって、互いに隣り合う2本の金属細線118Aと基板111Aと保護層113とによって囲まれた空洞部118Bを確実に形成することができる。これにより、消光比(偏光成分に対する透過率の比)が良好で、高温信頼性の高いワイヤーグリッド型の偏光素子100を容易に形成することができる。
(第2実施形態)
〔プロジェクター〕
図7は、第1実施形態に係る偏光素子を備えたプロジェクター800の要部を示す概略構成図である。本実施形態のプロジェクター800は、光変調装置として液晶光変調装置を用いた液晶プロジェクターである。
プロジェクター800は、は光源810、ダイクロイックミラー813、ダイクロイックミラー814、反射ミラー815、反射ミラー816、反射ミラー817、入射レンズ818、リレーレンズ819、出射レンズ820、赤色光用液晶光変調装置822、緑色光用液晶光変調装置823、青色光用液晶光変調装置824、クロスダイクロイックプリズム825、投射レンズ826、入射側偏光素子831、入射側偏光素子832、入射側偏光素子833、射出側偏光素子834、射出側偏光素子835、射出側偏光素子836を備える。
光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプ811の光を反射するリフレクタ812とからなる。なお、光源810としては、メタルハライド以外にも超高圧水銀ランプ、フラッシュ水銀ランプ、高圧水銀ランプ、Deep UVランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ等を用いることも可能である。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、入射側偏光素子831を介して赤色光用液晶光変調装置822に入射する。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、入射側偏光素子832を介して緑色光用液晶光変調装置823に入射する。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819および出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が入射側偏光素子833を介して青色光用液晶光変調装置824に入射する。
各光変調装置822〜824により変調された3つの色光は、各射出側偏光素子834〜836を介してクロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投写され、画像が拡大されて表示される。
ここで、本実施形態のプロジェクターにおいては、偏光素子831〜836として、図1に示した第1実施形態に係る偏光素子を採用している。ランプ811からなる光源810は高エネルギーの発光が行われるものであるため、有機材料では当該高エネルギーの光により分解ないし変形が生じるおそれがある。そこで、耐光性及び耐熱性の高い金属膜からなるワイヤーグリッド偏光層118を具備した偏光素子によって偏光素子831〜836を構成している。
上記実施形態では、3板式のプロジェクターを例にして説明したが、単板式の投射型表示装置や直視型表示装置に第1実施形態に係る偏光素子を適用することも可能である。
(第3実施形態)
〔電子機器〕
図8は、第1実施形態に係る偏光素子を備えた液晶装置を、表示部に有する電子機器の一例である携帯電話の斜視構成図であり、この携帯電話1300は、液晶装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
上記液晶装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピューター、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、高輝度、高コントラスト、広視野角の透過表示及び反射表示を得ることができる。
100…偏光素子、111A…基板、111B…基板の一面、112a…金属膜、113…保護層、114…下地層、115a…レジスト、118…ワイヤーグリッド偏光層、118A…金属細線、118B…空洞部、119…平坦部、120…端部。

Claims (9)

  1. 基板の一面上に一の方向に延在する複数の金属細線と、該複数の金属細線の上に設けられた保護層と、該複数の金属細線のうち互いに隣り合う2本の金属細線と該基板と該保護層とによって囲まれる空洞部と、を備え、
    前記複数の金属細線各々の端部は、前記一の方向の断面において順テーパ形状を有し、
    前記保護層は、前記複数の金属細線各々の端部を介して、前記複数の金属細線の上から前記基板の一面まで延在している、
    ことを特徴とする偏光素子。
  2. 前記空洞部の酸素濃度が前記保護層外の酸素濃度より低い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の偏光素子。
  3. 前記空洞部に不活性ガスが封入されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の偏光素子。
  4. 前記複数の金属細線および複数の前記空洞部は、前記保護層と前記基板とによって密閉されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の偏光素子。
  5. 基板の一面上に一の方向に延在する複数の金属細線と、該複数の金属細線の上に設けられた保護層と、該複数の金属細線のうち互いに隣り合う2本の金属細線と該基板と該保護層とによって囲まれる空洞部と、を備え、該複数の金属細線各々の端部は、該一の方向の断面において順テーパ形状を有する偏光素子の製造方法であって、
    金属膜を前記基板の一面上に形成する金属膜形成工程と、
    前記金属膜上に縞状のレジストパターンを形成するレジスト形成工程と、
    前記縞状のレジストパターンをマスクとして前記金属膜をエッチングして、前記複数の金属細線を形成するパターン形成工程と、
    前記複数の金属細線の上に前記保護層を形成する保護層形成工程と、を有し、
    前記金属膜形成工程において、前記金属膜の端部に順テーパ形状を持たせるように前記金属膜を形成し、
    前記保護層形成工程において、前記2本の金属細線と前記基板と前記保護層とによって囲まれた前記空洞部が形成されるように、前記保護層を形成する、
    ことを特徴とする偏光素子の製造方法。
  6. 前記保護層形成工程において、前記一の方向と交差し、かつ前記基板の一面の法線に対して斜めの方向から、前記保護層を斜方蒸着する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の偏光素子の製造方法。
  7. 前記金属膜形成工程において、前記金属膜の端部に順テーパ形状を持たせるように、膜源と前記基板との間にマスクを設けて前記金属膜を前記基板の一面に蒸着する、
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の偏光素子の製造方法。
  8. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の偏光素子を備えたことを特徴とするプロジェクター。
  9. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の偏光素子を備えたことを特徴とする電子機器。
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