JP2010209870A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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大史 大八木
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Abstract

【課題】シングルターボモードとツインターボモードとの切替時に発生する過給圧の落ち込みを抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】
上記の内燃機関の制御装置は、第1の過給機と、第2の過給機と、排気通路と、吸気通路と、排気切替弁と、吸気切替弁と、制御手段と、を備える。制御手段は、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時に、吸気切替弁の開弁を開始するタイミングを排気切替弁の開弁を開始するタイミングよりも遅らせ、排気切替弁の開度が所定開度まで増加したとき吸気切替弁の開弁を開始する。
【選択図】図3

Description

本発明は、過給機を備える内燃機関の制御装置に関する。
従来から、吸気系及び排気系に2つの過給機、即ち、プライマリターボ過給機とセカンダリターボ過給機を配置し、これらの過給機の作動個数を適宜切り替えるツインターボシステムが知られている。なお、以下では、プライマリターボ過給機のみを作動させるモードを「シングルターボモード」と呼び、プライマリターボ過給機とセカンダリターボ過給機との両方を作動させるモードを「ツインターボモード」と呼ぶ。
例えば、特許文献1には、ツインターボシステムにおいて、シングルターボモードからツインターボモードへの移行時に排気制御弁を開制御してセカンダリターボを予回転させておくことで、モード切替時のトルク変動を抑制する技術が開示されている。また、特許文献2には、パラレルツインターボシステムにおいて、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時に吸気切替弁が排気切替弁よりも遅れて開弁するように制御域を設定した制御方法が開示されている。
実開平5−78934号公報 特開平1−315615号公報
一般に、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時には、プライマリターボ過給機のみに流れていた排気ガスを、排気切替弁を開くことによりプライマリターボ過給機とセカンダリターボ過給機とに分配し、セカンダリターボ過給機の過給能力が高くなったところで吸気切替弁を開くことによりツインターボモードにする。逆に、ツインターボモードからシングルターボモードへの切替時には、プライマリターボ過給機とセカンダリターボ過給機とに分配されていた排気ガスをプライマリターボ過給機に集中させてシングルターボモードにする。このため、パラレルツインターボシステムでは、モード切替での排気切替弁と吸気切替弁の駆動時に過給の連続性が失われ、過給圧の落ち込みが発生する。その結果、エミッション悪化やトルク変動が発生する。
一方、特許文献2では、吸気切替弁を排気切替弁よりも遅れて開弁するように制御することで上述の影響を低減させている。しかし、この場合であっても、モード切替時での排気切替弁と吸気切替弁との相対開度によっては、過給圧が低い領域を通過する可能性がある。従って、この手法ではモード切替時の過給圧の落ち込みを最小限に抑制することができない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、シングルターボモードとツインターボモードとの切替時に発生する過給圧の落ち込みを抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、第1の過給機と第2の過給機とを具備する内燃機関の制御装置であって、前記第1の過給機のタービンと前記第2の過給機のタービンとに連通する排気通路と、前記第1の過給機のコンプレッサと前記第2の過給機のコンプレッサとに連通する吸気通路と、前記排気通路上に設けられ、前記第1の過給機のみに排気が流れる状態と、前記第1及び第2の過給機の両方に排気が流れる状態とを切り替える排気切替弁と、前記吸気通路上に設けられ、前記第1の過給機のみから吸気が供給される状態と、前記第1及び第2の過給機の両方から吸気が供給される状態とを切り替える吸気切替弁と、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時に、前記吸気切替弁の開弁を開始するタイミングを前記排気切替弁の開弁を開始するタイミングよりも遅らせ、前記排気切替弁の開度が所定開度まで増加したとき前記吸気切替弁の開弁を開始する制御手段と、を備える。
上記の内燃機関の制御装置は、例えばディーゼル車両などに搭載され、第1の過給機と、第2の過給機と、排気通路と、吸気通路と、排気切替弁と、吸気切替弁と、制御手段と、を備える。第1の過給機は、いわゆるプライマリターボ過給機である。第2の過給機は、いわゆるセカンダリターボ過給機である。制御手段は、例えばECU(Electronic Control Unit)であり、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時に、吸気切替弁の開弁を開始するタイミングを排気切替弁の開弁を開始するタイミングよりも遅らせ、排気切替弁の開度が所定開度まで増加したとき吸気切替弁の開弁を開始する。ここで、「所定開度」とは、例えば、排気切替弁の開度と吸気切替弁の開度とにより定まる過給圧分布に基づき、排気切替弁及び吸気切替弁の開弁制御時に過給圧が低い領域を通過しないように設定される。過給圧分布は、例えば実験等により適切に求められる。このようにすることで、内燃機関の制御装置は、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時に発生する過給圧の落ち込みを抑制し、エミッション悪化やトルク変動の発生を防ぐことができる。
上記の内燃機関の制御装置の一態様では、前記制御手段は、前記排気切替弁の開弁を開始するタイミングから前記吸気切替弁の開弁を開始するタイミングの間では、前記排気切替弁の開弁速度を所定値以下にする。「所定値」は、例えば、排気切替弁の開度に対する過給機回転数の上昇の遅れが生じない範囲の開弁速度に設定される。一般に、排気切替弁の開弁速度が速い場合には、排気切替弁の開度に対する過給機回転数の上昇の遅れが生じてしまい、上述の過給圧分布の一部では低過給圧の領域が拡大する。従って、この態様では、内燃機関の制御装置は、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時に発生する過給圧の落ち込みをより確実に抑制することができる。
上記の内燃機関の制御装置の他の一態様では、前記制御手段は、前記排気切替弁を所定の初期開弁速度で開弁し、前記初期開弁速度に基づき定めた開度に前記排気切替弁の開度が達した場合、所定時間幅だけ前記排気切替弁の当該開度を保持した後、前記排気切替弁の開弁を再開始すると共に前記吸気切替弁の開弁を開始する。「初期開弁速度」は、例えば、通常使用される開弁速度より速い開弁速度に設定される。「所定時間幅」は、例えば、車両の加速度等に基づき排気切替弁の開度を保持可能な時間幅に設定される。排気切替弁の開弁速度が速い場合、過給圧分布の一部では低過給圧の領域が拡大する一方、排気切替弁のみを開弁させる領域では高過給圧の領域が拡大する。従って、内燃機関の制御装置は、所定開度までは排気切替弁を初期開弁速度で開弁させる。そして、内燃機関の制御装置は、所定時間幅だけ排気切替弁の当該開度を保持することで、過給圧分布を通常の開弁速度の場合と同様になるように戻す。このようにすることで、内燃機関の制御装置は、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時に発生する過給圧の落ち込みをさらに抑制することができる。
上記の内燃機関の制御装置の他の観点では、第1の過給機と第2の過給機とを具備する内燃機関の制御装置であって、前記第1の過給機のタービンと前記第2の過給機のタービンとに連通する排気通路と、前記第1の過給機のコンプレッサと前記第2の過給機のコンプレッサとに連通する吸気通路と、前記排気通路上に設けられ、前記第1の過給機のみに排気が流れる状態と、前記第1及び第2の過給機の両方に排気が流れる状態とを切り替える排気切替弁と、前記吸気通路上に設けられ、前記第1の過給機のみから吸気が供給される状態と、前記第1及び第2の過給機の両方から吸気が供給される状態とを切り替える吸気切替弁と、ツインターボモードからシングルターボモードへの切替時に、前記吸気切替弁の閉弁を開始するタイミングを前記排気切替弁の閉弁を開始するタイミングよりも遅らせ、前記排気切替弁の開度が所定開度まで減少したとき前記吸気切替弁の閉弁を開始する制御手段と、を備える。
上記の内燃機関の制御装置は、例えばディーゼル車両などに搭載され、第1の過給機と、第2の過給機と、排気通路と、吸気通路と、排気切替弁と、吸気切替弁と、制御手段と、を備える。第1の過給機は、いわゆるプライマリターボ過給機である。第2の過給機は、いわゆるセカンダリターボ過給機である。制御手段は、例えばECUであり、ツインターボモードからシングルターボモードへの切替時に、吸気切替弁の閉弁を開始するタイミングを排気切替弁の閉弁を開始するタイミングよりも遅らせ、排気切替弁の開度が所定開度まで減少したとき吸気切替弁の閉弁を開始する。ここで、「所定開度」とは、例えば、排気切替弁の開度と吸気切替弁の開度とにより定まる過給圧分布に基づき、排気切替弁及び吸気切替弁の閉弁制御時に過給圧が低い領域を通過しないように設定される。このようにすることで、内燃機関の制御装置は、ツインターボモードからシングルターボモードへの切替時に発生する過給圧の落ち込みを抑制し、エミッション悪化やトルク変動の発生を防ぐことができる。
上記の内燃機関の制御装置の一態様では、前記制御手段は、前記排気切替弁の閉弁を開始するタイミングから前記吸気切替弁の閉弁を開始するタイミングの間では、前記排気切替弁の閉弁速度を所定値以下にする。「所定値」は、例えば、上述の過給圧分布で低過給圧の領域が拡大しない範囲の閉弁速度に設定される。従って、この態様では、内燃機関の制御装置は、ツインターボモードからシングルターボモードへの切替時に発生する過給圧の落ち込みをより確実に抑制することができる。
本発明の各実施形態に係る内燃機関の制御装置の概略構成を示す図である。 シングルターボモードからツインターボモードへの切替時での排気切替弁開度と吸気切替弁開度とに対する過給圧分布を示す。 シングルターボモードからツインターボモードへの切替時での排気切替弁と吸気切替弁との開度の変化を示すグラフである。 ツインターボモードからシングルターボモードへの切替時での排気切替弁開度と吸気切替弁開度とに対する過給圧分布を示す。 ツインターボモードからシングルターボモードへの切替時での排気切替弁と吸気切替弁との開度の変化を示すグラフである。 排気切替弁開度と吸気切替弁開度とを固定した場合での排気切替弁開度と吸気切替弁開度とに対する過給圧分布を示す。 第1実施形態の処理手順を示すフローチャートの一例である。 排気切替弁の開弁速度が速い場合における排気切替弁開度と吸気切替弁開度とに対する過給圧分布を示す。 第2実施形態での排気切替弁開度と吸気切替弁開度との変化を表すグラフである。 開度K1bと初期開弁速度Vbとの関係を示すグラフである。 時間幅T1と車両の加速度との関係を示すグラフである。 第2実施形態の所定手順を示すフローチャートの一例である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[装置構成]
まず、本発明の各実施形態に係る内燃機関の制御装置の概略構成について説明する。
図1は、本発明の各実施形態に係る内燃機関の制御装置100の構成を示す概略図である。図1では、実線矢印がガスの流れを示し、破線矢印が信号の入出力を示している。
車両は、主に、エアクリーナ2と、吸気通路3と、ターボ過給機4、5と、吸気切替弁6と、吸気バイパス弁7と、内燃機関8と、排気通路10と、EGR通路11と、EGR弁14と、排気切替弁15と、ECU22と、吸気バイパス通路31と、を有する。
エアクリーナ2は、外部から取得された空気(吸気)を浄化して、吸気通路3に供給する。吸気通路3は途中で吸気通路3a、3bに分岐されており、吸気通路3aにはターボ過給機4のコンプレッサ4aが配設されており、吸気通路3bにはターボ過給機5のコンプレッサ5aが配設されている。即ち、吸気通路3は、コンプレッサ4a、5aと連通している。コンプレッサ4a、5aは、それぞれ、吸気通路3a、3bを通過する吸気を圧縮する。
また、吸気通路3b中には、吸気切替弁6が設けられている。吸気切替弁6は、例えば、VSVを使ったアクチュエータ制御、または、DCモータによる駆動制御が可能な弁である。吸気切替弁6は、ECU22から供給される制御信号S6によって開閉が制御され、吸気通路3bを通過する吸気の流量を調整可能に構成されている。例えば、ECU22は、吸気切替弁6を開閉させることにより、吸気通路3bにおける吸気の流通/遮断を切り替える。
吸気バイパス通路31は、一端がコンプレッサ5aと吸気切替弁6との間で吸気通路3bに接続されているとともに、他端がエアクリーナ2とコンプレッサ4aとの間で吸気通路3に接続されている。即ち、吸気バイパス通路31は、コンプレッサ5aの下流側とコンプレッサ4aの上流側とをバイパスする。
また、吸気バイパス通路31中には、吸気バイパス弁7が設けられている。吸気バイパス弁7は、ECU22から供給される制御信号S7によって開閉が制御され、開弁することで、コンプレッサ5aの下流を通過する吸気をコンプレッサ4aの上流へバイパスさせる。
内燃機関8は、吸気通路3より供給される吸気と燃料との混合気を燃焼することによって、動力を発生する装置である。内燃機関8は、例えば4気筒を有するガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどによって構成される。そして、内燃機関8内の燃焼により発生した排気ガスは、排気通路10に排出される。
排気通路10中には、EGR通路11が接続されている。EGR通路11は、一端が排気通路10に接続されており、他端が吸気通路3に接続されている。EGR通路11は、排気ガス(EGRガス)を吸気系に還流するための通路である。具体的には、EGR通路11には、EGRクーラ12と、EGR弁14と、バイパス通路11aと、バイパス弁13とが設けられている。EGRクーラ12はEGRガスを冷却する装置であり、EGR弁14はEGR通路11を通過するEGRガスの流量を調節する弁、言い換えると吸気系に還流させるEGRガスの量を調節する(即ちEGR率を調節する)弁である。この場合、EGR弁14は、ECU22から供給される制御信号によって開度が制御される。また、バイパス通路11aは、EGRクーラ12をバイパスする通路であり、通路上にはバイパス弁13が設けられている。このバイパス弁13によって、バイパス通路11aを通過するEGRガスの流量が調節される。なお、図1においては、EGR弁14が閉に設定されているため、EGRガスは還流されない。
排気通路10は途中で排気通路10a、10bに分岐されており、排気通路10aにはターボ過給機4のタービン4bが配設されており、排気通路10bにはターボ過給機5のタービン5bが配設されている。即ち、排気通路は、タービン4b、5bに連通している。タービン4b、5bは、それぞれ、排気通路10a、10bを通過する排気ガスによって回転される。このようなタービン4b、5bの回転トルクが、ターボ過給機4内のコンプレッサ4a及びターボ過給機5内のコンプレッサ5aに伝達されて回転することによって、吸気が圧縮される(即ち過給される)こととなる。なお、ターボ過給機4は、本発明の第1の過給機に相当し、低中速域で過給能力の大きい小容量の低速型の過給機(プライマリターボ過給機)として構成される。ターボ過給機5は、本発明の第2の過給機に相当し、中高速域で過給能力の大きい大容量の高速型の過給機(セカンダリターボ過給機)として構成されている。
また、ターボ過給機4、5は、それぞれ可変過給機構としての可変ノズル(VN:Variable Nozzle)4c、5cを備えている。可変ノズル4c、5cは、ECU22から供給される制御信号S4、S5により開度が調整される。可変ノズルを閉じることによりターボ過給機の過給圧(以後、「過給圧P」と呼ぶ。)は上昇し、可変ノズルを開くことにより過給圧Pは減少する。
更に、排気通路10bには、排気切替弁15が設けられている。排気切替弁15は、例えば、VRVを使ったアクチュエータ制御、または、DCモータによる駆動制御が可能な弁である。排気切替弁15は、ECU22から供給される制御信号S15によって開閉が制御され、排気通路10bを通過する排気ガスの流量を調整可能に構成されている。例えば、排気切替弁15を開閉させることにより、排気通路10bにおける排気ガスの流通/遮断を切り替えることができる。
なお、前述した吸気切替弁6、排気切替弁15、及び吸気バイパス弁7が全て閉である場合には、ターボ過給機4にのみ吸気及び排気ガスが供給され、ターボ過給機5には吸気及び排気ガスが供給されない。そのため、この場合、ターボ過給機4のみが作動し、ターボ過給機5は作動しない。これを「シングルターボモード」と呼ぶ。一方、例えば吸気切替弁6及び吸気バイパス弁7のいずれかが開であり、排気切替弁15が開である場合には、ターボ過給機4、5の両方に吸気及び排気ガスが供給される。そのため、この場合、ターボ過給機4、5の両方が作動する。これを「ツインターボモード」と呼ぶ。以後の説明では、特に言及がない限り、吸気バイパス弁7は、全閉状態にあるものとする。
ECU22は、図示しないCPU、ROM、RAM、及びA/D変換器などを含んで構成される。ECU22は、車両内の各種センサから供給される出力等に基づいて、車両内の制御を行う。例えば、ECU22は、吸気切替弁6、排気切替弁15を制御することで、シングルターボモードとツインターボモードとを切り替える。このように、ECU22は、本発明における制御手段の一例である。
以下の第1実施形態及び第2実施形態では、ECU22が実行する制御について説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態においてECU22が実行する制御について説明する。ECU22は、シングルターボモードとツインターボモードとの切替(以後、単に「モード切替」と呼ぶ。)での排気切替弁15の開度の遷移と吸気切替弁6の開度の遷移とを後述する過給圧分布に基づき適切に調整する。このようにすることで、ECU22は、モード切替に起因した過給圧Pの落ち込みを最小限に抑制する。以下では、シングルターボモードからツインターボモードへのモード切替制御について説明した後、ツインターボモードからシングルターボモードへのモード切替制御について説明する。
(シングルターボモードからツインターボモードへのモード切替制御)
まず、シングルターボモードからツインターボモードへのモード切替制御について図2及び図3を用いて具体的に説明する。
図2は、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時での吸気切替弁6の開度及び排気切替弁15の開度に対応する過給圧Pのマップ(以後、単に「過給圧分布」と呼ぶ。)の一例である。図2では、領域「Tp1」乃至領域「Tp5」は、過給圧Pの高低に基づき分類された領域を示す。ここでは、領域Tp1から領域Tp5へ向かう順に、過給圧Pが大きい領域を示す。また、図2中の矢印71は、第1実施形態でECU22がシングルターボモードからツインターボモードへモード切替制御を実行する際の排気切替弁15の開度と吸気切替弁6の開度との推移(以後、単に「過給圧分布内の通過ルート」と呼ぶ。)を表す。
図2に示すように、シングルターボモードからツインターボモードへのモード切替制御では、ECU22は、吸気切替弁6の開度を0%(即ち全閉)に保ちつつ、排気切替弁15の開度を0%から所定の開弁速度で徐々に大きくする。これにより、ECU22は、過給圧Pを比較的高い状態に維持しつつ、排気切替弁15の開度を変更することができる。以後、上述の制御を、特に「初期段階の制御」と呼ぶ。
そして、ECU22は、排気切替弁15の開度が所定開度「K1」以上になるまで、初期段階の制御を継続する。開度K1は、例えば、後述する次の遷移状態を考慮しつつ、不要な過給圧Pの落ち込みが発生しない範囲に設定される。図2では、開度K1は、領域Tp4と領域Tp3との境界近傍に設定されている。このようにすることで、ECU22は、初期段階の制御で、過給圧分布内の通過ルートを過給圧Pの高い領域(ここでは、領域Tp4)へ可能な限り通過するように設定することができる。
そして、排気切替弁15が開度K1になった場合、ECU22は、排気切替弁15の開度を引き続き所定の速度で変更すると共に、吸気切替弁6の開度を0から所定の速度で徐々に大きくする。以後、この制御を、特に「遷移段階の制御」と呼ぶ。このとき、ECU22は、過給圧Pを比較的高い領域(領域Tp3)に維持すると共に、過給圧Pがより高くなる領域(領域Tp4、領域Tp5)に到達するように、吸気切替弁6及び排気切替弁15の開度を変更している。言い換えると、ECU22は、過給圧Pが相対的に低い領域(領域Tp2)を通過せず、かつ、過給圧Pが高い領域Tp4、5に早期に到達する過給圧分布内の通過ルートを設定している。これにより、ECU22は、過給圧Pの不要な落ち込みを防ぎつつ、吸気切替弁6及び排気切替弁15の開度を適切に変更することができる。
そして、ECU22は、排気切替弁15の開度が100%(即ち全開)になった場合には、吸気切替弁6の開度制御を引き続き継続し、吸気切替弁6の開度を100%にする。以後、この制御を、特に「終了段階の制御」と呼ぶ。
次に、図3を用いてシングルターボモードからツインターボモードへのモード切替での排気切替弁15及び吸気切替弁6の開弁制御についてさらに詳しく説明する。
図3は、図2の矢印71に従いECU22が排気切替弁15と吸気切替弁6を制御した場合の各弁の開度変化を示すグラフである。具体的には、図3(a)は、排気切替弁15の開度の変化を示し、図3(b)は、吸気切替弁6の開度の変化を示す。
図3(a)及び図3(b)に示すように、ECU22は、所定時刻「t1」以後、初期段階の制御を開始する。具体的には、図3(a)に示すように、ECU22は、時刻t1で排気切替弁15の開度を0%から所定の開弁速度により大きくする。このとき、図3(b)に示すように、ECU22は、排気切替弁15の開度を0%に維持する。
そして、ECU22は、所定時刻「t2」で初期段階の制御から遷移段階の制御へ切り替える。即ち、図3(b)に示すように、時刻t1から所定時間幅「Tw1」経過後の時刻t2では、ECU22は、吸気切替弁6の開弁制御を開始する。ここで、時間幅Tw1は、時刻t1後排気切替弁15が開度K1になる時間幅に設定される。
次に、ECU22は、排気切替弁15の開度が100%になる時刻「t3」後から吸気切替弁6の開度が100%になる時刻「t4」までは、吸気切替弁6のみ開弁制御を実行する。即ち、ECU22は、時刻t2から時刻t3までの期間で終了段階の制御を実行する。
以上のように、ECU22は、吸気切替弁6の開弁を開始する排気切替弁15の開度K1またはこれに対応する時間幅Tw1を、図2に示すような実験等に基づき求められた過給圧分布に基づき適切に設定することで、過給圧Pの落ち込みに起因したエミッションの悪化やトルク変動によるショックの発生を抑制することができる。
(ツインターボモードからシングルターボモードへのモード切替制御)
次に、ツインターボモードからシングルターボモードへのモード切替制御について図4及び図5を用いて具体的に説明する。
図4は、ツインターボモードからシングルターボモードへのモード切替時での過給圧分布の一例である。図4中の矢印72は、ツインターボモードからシングルターボモードへのモード切替時での過給圧分布内の通過ルートを示す。
図4に示すように、ツインターボモードからシングルターボモードへのモード切替制御では、ECU22は、吸気切替弁6の開度を100%(即ち全開)に保ちつつ、排気切替弁15の開度を100%から所定の閉弁速度で徐々に小さくする。以後、上述の排気切替弁15のみに対する制御を、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時と同様に、初期段階の制御と呼ぶ。この初期段階の制御により、ECU22は、矢印72に示すように、以後の過給圧分布内の通過ルートを調整する。
そして、ECU22は、排気切替弁15の開度が所定開度「K2」以下になるまで、初期段階の制御を継続する。開度K2は、後述するように、モード切替の終了段階において過給圧Pが高い領域を通過するように、実験等に基づき適切に定められる。
そして、排気切替弁15が開度K2になった場合、ECU22は、排気切替弁15の開度を引き続き所定の閉弁速度で変更すると共に、吸気切替弁6の開度を100%から所定の閉弁速度で徐々に小さくする。以後、上述の排気切替弁15と吸気切替弁6との両方に対する制御を、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時と同様に、遷移段階の制御と呼ぶ。
次に、ECU22は、排気切替弁15が全閉状態となった場合には、吸気切替弁6の開度のみを制御する。このとき、矢印72は、前述したように排気切替弁15が開度K2になるまで吸気切替弁6の閉弁開始を遅らせたことに起因して、周辺の領域に比べ過給圧Pが比較的高い領域Tp4を通過している。このように、ECU22は、吸気切替弁6の閉弁開始のタイミングを調整することで、可能な限り過給圧Pが高い状態を保つことができる。以後、上述の吸気切替弁6のみに対する制御を、シングルターボモードからツインターボモードへの切替時と同様に、終了段階の制御と呼ぶ。
次に、図5を用いてツインターボモードからシングルターボモードへのモード切替での排気切替弁15及び吸気切替弁6の閉弁制御についてさらに詳しく説明する。
図5は、矢印72に従いECU22が排気切替弁15と吸気切替弁6を制御した場合の各弁の開度変化を示すグラフである。具体的には、図5(a)は、排気切替弁15の開度の変化を示し、図5(b)は、吸気切替弁6の開度の変化を示す。
図5(a)及び図5(b)に示すように、ECU22は、所定時刻「t1α」以後、初期段階の制御を開始する。即ち、図5(a)に示すように、ECU22は、時刻t1αで排気切替弁15の閉弁を開始する。即ち、ECU22は、排気切替弁15の開度を100%から所定の閉弁速度で小さくする。このとき、図5(b)に示すように、ECU22は、排気切替弁15の開度を100%、即ち全開状態に維持する。
そして、ECU22は、所定時刻「t2α」で初期段階の制御から遷移段階の制御へ切り替える。即ち、図5(b)に示すように、時刻t1αから所定時間幅「Tw2」経過後の時刻t2αでは、ECU22は、吸気切替弁6の閉弁を開始する。即ち、吸気切替弁6の開度を100%から所定の閉弁速度で小さくする。ここで、時間幅Tw2は、時刻t2α後排気切替弁15が開度K2になる時間幅に設定される。
次に、ECU22は、排気切替弁15の開度が0%になる時刻「t3α」後から吸気切替弁6の開度が0%になる時刻「t4α」までは、吸気切替弁6のみ閉弁制御を実行する。即ち、ECU22は、時刻t2から時刻t3までの期間で終了段階の制御を実行する。
以上のように、ECU22は、吸気切替弁6の閉弁を開始する排気切替弁15の開度K2またはこれに対応する時間幅Tw2を、図4に示すような実験等に基づき求められた過給圧分布に基づき適切に設定することで、過給圧Pの落ち込みに起因したエミッションの悪化やトルク変動によるショックの発生を抑制することができる。
(効果等)
次に、図6を参照しつつ、第1実施形態の制御及びその効果についてさらに補足説明する。
図6は、吸気切替弁6の開度及び排気切替弁15の開度を固定した場合における過給圧分布の一例である。矢印75は、ツインターボモードとシングルターボモードとのモード切替時でECU22が設定する過給圧分布内の通過ルートの一例である。
図6に示すように、遷移段階の制御では、ECU22は、破線枠C内に示す過給圧Pが比較的低い領域を通過せざるを得ず、この領域で過給圧Pの落ち込みが発生する。一方、吸気切替弁6及び排気切替弁15の開度が比較的大きい破線枠A内の領域、及び、吸気切替弁6が全閉かつ排気切替弁15の開度が所定値(図6では、約20%)以下の部分を含む破線枠B内の領域では、過給圧Pが比較的高い。従って、破線枠A内の領域及び破線枠B内の領域では、過給圧Pの落ち込みは発生しない。また、破線枠C内の領域であっても、過給圧Pが比較的低い領域Tp2や過給圧Pが比較的大きい領域Tp4などの領域が混在する。
以上を考慮し、ECU22は、矢印75に示すように、破線枠A内及び破線枠B内の領域を可能な限り通過するように過給圧分布内の通過ルートを設定する。これに加え、ECU22は、破線枠C内の領域を通過する場合には過給圧Pの落ち込み量が大きくならないように過給圧分布内の通過ルートを設定する。このようにすることで、ECU22は、過給圧Pの落ち込みを最小限に抑制することができる。
(処理フロー)
次に、第1実施形態における処理の手順について説明する。図7は、本実施形態においてECU22が実行する処理の手順を表すフローチャートの一例である。ECU22は、図7に示すフローチャートの処理を、例えば所定の周期に従い繰り返し実行する。
まず、ECU22は、モード切替をすべきか否かについて判定する(ステップS101)。そして、モード切替をすべきと判断した場合(ステップS101;Yes)、ECU22はステップS102へ処理を進める。一方、モード切替をすべきでないと判断した場合(ステップS101;No)、ECU22は引き続きモード切替をすべきか否かについて判定する。
そして、ECU22は、現在シングルターボモードであるか否か判定する(ステップS102)。即ち、ECU22は、シングルターボモードからツインターボモードへのモード切替制御を実行すべきか、ツインターボモードからシングルターボモードへのモード切替制御を実行すべきか判断する。
そして、ECU22は、現在シングルターボモードであると判断した場合(ステップS102;Yes)、ツインターボモードへ切り替えるためにステップS103乃至ステップS105の処理を実行する。具体的には、ECU22は、排気切替弁15の開弁を開始する(ステップS103)。そして、ECU22は、排気切替弁15の開度が開度K1まで増加したか否か判定する(ステップS104)。そして、排気切替弁15の開度が開度K1まで増加した場合(ステップS104;Yes)、ECU22は、吸気切替弁6の開弁制御を開始する(ステップS105)。これにより、ECU22は、過給圧Pの落ち込みを発生させるのを抑制しつつ、シングルターボモードからツインターボモードへのモード切替を実行することができる。
一方、現在シングルターボモードではないと判断した場合(ステップS102;No)、ECU22は、ツインターボモードからシングルターボモードへ切り替えるためにステップS106乃至ステップS108の処理を実行する。具体的には、ECU22は、排気切替弁15の閉弁を開始する(ステップS106)。そして、ECU22は、排気切替弁15の開度が開度K2まで減少したか否か判定する(ステップS107)。そして、排気切替弁15の開度が開度K2まで減少した場合(ステップS107;Yes)、ECU22は、吸気切替弁6の閉弁制御を開始する(ステップS108)。これにより、ECU22は、過給圧Pの落ち込みを発生させるのを抑制しつつ、ツインターボモードからシングルターボモードへのモード切替を実行することができる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、ECU22は、過給圧分布に基づき吸気切替弁6の開弁または閉弁を排気切替弁15の開弁または閉弁よりも遅らせることで、モード切替制御に起因した過給圧Pの落ち込みを抑制した。一方、排気切替弁15の開弁速度に起因して図2、図4、図6に示す過給圧分布は変化する。以上を考慮し、第2実施形態では、ECU22は、シングルターボモードからツインターボモードへのモード切替時において、第1実施形態の制御に加え、より過給圧Pが高い領域を通過するように排気切替弁15の開弁速度及び開度を制御する。このようにすることで、ECU22は、さらに過給圧Pの落ち込みを抑制する。
以下、第2実施形態の制御について図8乃至図11を用いて具体的に説明する。まず、図8を用いて、排気切替弁15の開弁速度と過給圧分布との関係について説明した後、図9乃至図11を用いて第2実施形態でECU22が実行する制御について説明する。
図8は、排気切替弁15の開弁速度が通常より速い場合におけるシングルターボモードからツインターボモードへのモード切替時での過給圧分布の一例を示す。なお、図8の領域「Tp2a」と「Tp2b」とは、領域Tp2をさらに過給圧Pの高低に基づき分類された領域を指す。
図8に示すように、排気切替弁15の開弁速度が速い場合、図2に示す通常の開弁速度の場合と比較して、過給圧Pの低い領域Tp1等が拡大している。これは、排気切替弁15の開弁速度が速くなることに伴い、排気切替弁15の開度に対するターボ過給機5の回転数の上昇遅れが生じることに起因する。一方、初期段階の制御で通過する破線枠Ba内の領域では、過給圧Pの高い領域Tp5、Tp4等が図2と比較して拡大している。
以上を考慮し、ECU22は、シングルターボモードからツインターボモードへのモード切替制御では、より過給圧Pが高い領域を通過するように排気切替弁15の開弁速度及び開度を制御する。これについて、具体的に説明する。
図9は、排気切替弁15及び吸気切替弁6の時系列での制御を示す。具体的には、図9(a)は、排気切替弁15の開度の変化を示すグラフであり、図9(b)は、吸気切替弁6の開度の変化を示すグラフである。
まず、ECU22は、所定時刻「t11」から、初期段階の制御では、排気切替弁15の開弁速度を通常の開弁速度よりも大きい所定速度(以後、「初期開弁速度Vb」と呼ぶ。)に設定する。初期開弁速度Vbは、例えば、排気切替弁15の性能等を考慮し、実験等に基づき適切な値に設定される。このとき、ECU22は、吸気切替弁6の開度は0%に維持する。
次に、ECU22は、排気切替弁15の開度が所定開度(以後、「開度K1b」と呼ぶ。)となる所定時刻「t12」から、排気切替弁15の開度を開度K1bのまま維持する。開度K1bは、初期開弁速度Vbに基づき定められる。これについて、図10を用いて開度K1bの設定方法の一例について説明する。
図10は、初期開弁速度Vbと開度K1bとの関係を示すグラフ(マップ)の一例である。図10に示すマップは、例えば実験等に基づき適切に定められ、ECU22のメモリ等に保持される。ECU22は、図10のマップに基づき、初期開弁速度Vbから開度K1bを適切に設定する。
上述したように、初期開弁速度Vbが速いほど、図8の破線枠Ba内の過給圧Pが大きい領域が横軸方向に広がる。従って、ECU22は、図10に示すように、初期開弁速度Vbが大きいほど、開度K1bを大きく設定することで、モード切替制御の特に初期段階の制御における過給圧Pの落ち込みを抑制することができる。
そして、時刻t12から所定時刻「t13」までの所定時間幅(以後、「時間幅T1」と呼ぶ。)の間、ECU22は、排気切替弁15の開度を開度K1bに維持すると共に、吸気切替弁6の開弁制御をまだ実行しない。即ち、ECU22は、初期段階の制御終了後から遷移段階の制御を開始するまでの間に、各弁の開度を保持する時間幅T1を設ける。なお、時間幅T1の設定方法については後述する。
これにより、ECU22は、過給圧分布での過給圧Pが高い領域を拡大させることができる。即ち、ECU22は、過給圧分布を、図8に示す状態から図2に示す状態に変化させることができる。言い換えると、ECU22は、遷移段階の制御の後半及び終了段階の制御で通過する領域であって吸気切替弁6の開度及び排気切替弁15の開度が所定開度(例えば、40%〜70%)以上の領域が過給圧Pの低い領域で占められている状態から、当該領域が過給圧Pの高い領域で占められている状態に変化させることができる。
次に、時間幅T1の設定方法の一例について図11を用いて説明する。図11は、時間幅T1と内燃機関の制御装置100が搭載される車両の加速度(以後、単に「加速度」と呼ぶ。)との関係を示すマップの一例である。図11に示すマップは、例えば実験等により予め作成し、ECU22のメモリ等に保持される。
図11に示すように、ECU22は、各種センサから取得した加速度に基づき時間幅T1を設定する。即ち、エンジン回転数の上昇レートが大きい場合、ECU22は、排気切替弁15を途中の開度に維持する時間が取れない。従って、図11に示すように、時間幅T1は、加速度と負の相関を有するように設定される。
そして、時刻t13から、ECU22は、排気切替弁15の開弁を再開すると共に、吸気切替弁6の開弁を開始する。即ち、ECU22は、遷移段階の制御を開始する。このとき、ECU22は、排気切替弁15の開弁速度を初期開弁速度Vbより小さい通常の速度に設定する。
そして、排気切替弁15の開度が100%になる所定時刻「t14」から、ECU22は、吸気切替弁6の開弁制御のみを継続する。即ち、ECU22は、遷移段階の制御から終了段階の制御へと移行する。
そして、吸気切替弁6の開度が100%になる所定時刻「t15」において、ECU22は、モード切替制御を終了する。
以上のように、ECU22は、排気切替弁15の初期開弁速度Vbと、時間幅T1とを適切に設定することで、モード切替時での過給圧Pの落ち込みをさらに抑制し、トルク変動によるショックやエミッションの悪化を抑制することができる。
(処理フロー)
次に、第2実施形態における処理の手順について説明する。図12は、本実施形態においてECU22が実行する処理の手順を表すフローチャートの一例である。ECU22は、図12に示すフローチャートの処理を、例えば所定の周期に従い繰り返し実行する。
まず、ECU22は、車両の加速度を取得する(ステップS201)。ECU22は、例えば図示しない加速度センサから上述の加速度を取得する。そして、ECU22は、モード切替をすべきか否かについて判定する(ステップS202)。ECU22は、例えば、ステップS201により取得した加速度に基づき、これを判定する。
そして、モード切替をすべきと判断した場合(ステップS202;Yes)、ECU22は、ステップS203へ処理を進め、モード切替制御を実行する。一方、モード切替をすべきでないと判断した場合(ステップS202;No)、ECU22は、処理をステップS201へ戻す。
次に、ECU22は、初期開弁速度Vbにより排気切替弁15を開弁する(ステップS203)。このとき、過給圧分布は、例えば図8に示すように、初期段階の制御で使用する過給圧Pの高い領域が拡大している。従って、ECU22は、過給圧Pを低下させることなく排気切替弁15の開度を変更させることができる。
そして、ECU22は、排気切替弁15の開度が開度K1bに到達したか否かについて判定する(ステップS204)。なお、ECU22は、開度K1bを、例えば図10に示すマップを参照し、初期開弁速度Vbに基づき適切な値に設定する。そして、排気切替弁15の開度が開度K1bに到達した場合(ステップS204;Yes)、ECU22は、処理をステップS205へ進める。一方、排気切替弁15の開度が開度K1bに達していない場合(ステップS204;No)、ECU22は、引き続き、ステップS204で上述の判定を実行する。
次に、ECU22は、排気切替弁15の開度を開度K1bに保持する(ステップS205)。即ち、ECU22は、遷移段階の制御以後で通過する領域が過給圧Pが高い領域に拡大するまで待機する。
そして、ECU22は、時間幅T1が経過したか否か判定する(ステップS206)。即ち、ECU22は、排気切替弁15の開度を開度K1bに保持後、時間幅T1が経過したか否か判定する。これにより、ECU22は、過給圧分布が図8に示す状態から図2に示す状態に変化したか否か判定する。
そして、ECU22は、時間幅T1が経過したと判断した場合(ステップS206;Yes)、ステップS207へ処理を進める。一方、時間幅T1が経過していないと判断した場合(ステップS206;No)、ECU22は、時間幅T1が経過するか否か引き続き監視する。
次に、時間幅T1経過後、ECU22は、排気切替弁15の開弁制御を再開すると共に、吸気切替弁の開弁制御を開始する(ステップS207)。このとき、過給圧分布は、図2に示すように、遷移段階の制御及び終了段階の制御で使用される部分での過給圧Pが大きくなる。従って、ECU22は、過給圧Pの落ち込みを発生させることなく、モード切替制御を実行することができる。
(変形例)
上述の説明では、ECU22は、初期開弁速度Vbを通常よりも高速度に設定することで、初期段階の制御で使用される部分の過給圧Pが高い領域を拡大させ、その後、排気切替弁15の開度をK1bに保持することで過給圧分布を変更させた。一方、これに代えて、ECU22は、吸気切替弁6の全閉時での排気切替弁15の開弁速度を所定速度以下に制限してもよい。
具体的には、ECU22は、第1実施形態と同様に、排気切替弁15を開弁し、排気切替弁15の開度が開度K1に達した場合には、吸気切替弁6の開弁を開始する。このとき、ECU22は、排気切替弁15の開弁開始のタイミングから吸気切替弁6の開弁開始のタイミングの間では、排気切替弁15の開弁速度を所定速度以下に制限する。このとき、所定速度は、例えば過給圧分布での過給圧Pが小さい領域が拡大しない開弁速度の範囲に実験等に基づき設定される。
これにより、ECU22は、第2実施形態と比較してモード切替制御を簡便化することができると共に、開弁速度が高速であることに起因した過給圧分布での過給圧Pの小さい領域の拡大を防ぐことができる。また、例えば、ECU22は、加速度との関係により時間幅T1が確保できない場合にもこの変形例を適用することができる。
なお、この変形例は、ツインターボモードからシングルターボモードへのモード切替制御にも適用することができる。即ち、この場合であっても、ECU22は、排気切替弁15の閉弁開始のタイミングから吸気切替弁6の閉弁開始のタイミングの間では、排気切替弁15の閉弁速度を所定値以下に設定する。このようにすることで、ECU22は、過給圧分布での過給圧Pが小さい領域の拡大を防ぐことができ、モード切替時での過給圧Pの落ち込みを抑制することができる。
2 エアクリーナ
3 吸気通路
4、5 ターボ過給機
4a、5a コンプレッサ
4b、5b タービン
4c、5c 可変ノズル
6 吸気切替弁
7 吸気バイパス弁
8 内燃機関
10 排気通路
11 EGR通路
14 EGR弁
15 排気切替弁
22 ECU
31 吸気バイパス通路
100 内燃機関の制御装置

Claims (5)

  1. 第1の過給機と第2の過給機とを具備する内燃機関の制御装置であって、
    前記第1の過給機のタービンと前記第2の過給機のタービンとに連通する排気通路と、
    前記第1の過給機のコンプレッサと前記第2の過給機のコンプレッサとに連通する吸気通路と、
    前記排気通路上に設けられ、前記第1の過給機のみに排気が流れる状態と、前記第1及び第2の過給機の両方に排気が流れる状態とを切り替える排気切替弁と、
    前記吸気通路上に設けられ、前記第1の過給機のみから吸気が供給される状態と、前記第1及び第2の過給機の両方から吸気が供給される状態とを切り替える吸気切替弁と、
    シングルターボモードからツインターボモードへの切替時に、前記吸気切替弁の開弁を開始するタイミングを前記排気切替弁の開弁を開始するタイミングよりも遅らせ、前記排気切替弁の開度が所定開度まで増加したとき前記吸気切替弁の開弁を開始する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記排気切替弁の開弁を開始するタイミングから前記吸気切替弁の開弁を開始するタイミングの間では、前記排気切替弁の開弁速度を所定値以下にする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記排気切替弁を所定の初期開弁速度で開弁し、前記初期開弁速度に基づき定めた開度に前記排気切替弁の開度が達した場合、所定時間幅だけ前記排気切替弁の当該開度を保持した後、前記排気切替弁の開弁を再開始すると共に前記吸気切替弁の開弁を開始する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 第1の過給機と第2の過給機とを具備する内燃機関の制御装置であって、
    前記第1の過給機のタービンと前記第2の過給機のタービンとに連通する排気通路と、
    前記第1の過給機のコンプレッサと前記第2の過給機のコンプレッサとに連通する吸気通路と、
    前記排気通路上に設けられ、前記第1の過給機のみに排気が流れる状態と、前記第1及び第2の過給機の両方に排気が流れる状態とを切り替える排気切替弁と、
    前記吸気通路上に設けられ、前記第1の過給機のみから吸気が供給される状態と、前記第1及び第2の過給機の両方から吸気が供給される状態とを切り替える吸気切替弁と、
    ツインターボモードからシングルターボモードへの切替時に、前記吸気切替弁の閉弁を開始するタイミングを前記排気切替弁の閉弁を開始するタイミングよりも遅らせ、前記排気切替弁の開度が所定開度まで減少したとき前記吸気切替弁の閉弁を開始する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記排気切替弁の閉弁を開始するタイミングから前記吸気切替弁の閉弁を開始するタイミングの間では、前記排気切替弁の閉弁速度を所定値以下にする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
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