JP2010209544A - 雨樋およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 任意に調整されたつや感により外観向上がなされた雨樋および該雨樋を、複数の組成物や表面加工の追加手段を必要とすること無く、低コストで効率的に製造する方法の提供。
【解決手段】 特定量の発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材が、塩化ビニル系樹脂からなる基材上に積層されてなることを特徴とするつや消し外観自在の雨樋および塩化ビニル系樹脂からなる基材と、表層用樹脂組成物からなる表層材とを、つや消し外観の程度に応じて発泡成形温度を調整しながら、共押出成形することを特徴とするつや消し外観自在の雨樋の製造方法による。
【選択図】 なし

Description

本発明は、雨樋およびその製造方法に関し、更に詳しくは、任意に調整されたつや感により外観向上がなされた雨樋および該雨樋を、複数の組成物や表面加工の追加手段を必要とすること無く、低コストで効率的に製造する方法に関する。
従来、家屋等に設けられる雨樋等の成形品では、デザイン性向上や汚れを目立ちにくくすること等を目的として、その表面につや消し加工が施され、そのため、次の3つの方法などが用いられている。
第1の方法は、金型吐出部分でのヘアライン加工である。これは、金型の吐出部分をバフ研磨等することにより髪の毛のように細かいキズを一定方向につけ、製品に転写する方法である。
第2の方法は、シートを貼り付ける方法である。これは、予め作製した成形品の表面につや消しの表面加工がなされたシートを貼り付けるものである。
第3の方法は、原料配合法である。これは、原料樹脂配合中に添加剤等を加え、外観につや消し加工を施す方法であり、例えば、本出願人は、先に、特許文献1において、耐衝撃性、機械的強度に優れ、成形体がつや消しとなる塩化ビニル系樹脂組成物からなる雨樋製品を提案している。
しかしながら、これら従来の方法には、次のような問題がある。まず、第1のヘアライン加工法では、金型に加工作業が必要となり、また、金型を加工してしまうため、成型品の外観を変更することができないといった問題がある。第2のシートを貼り付ける方法は、成形後に加工を行うため、製造工程が増加しコストの上昇を招く。さらに、シートを貼り付ける方法では、シートが剥離する恐れがある。
一方、第3の原料配合法は、成形時に表層を加工できるため、製造工程の増加といった問題は生じにくい。しかし、表層の加工度合いはそれぞれの原料の種類、添加量等によって決まり、加工度合いを変化させるためには何種類もの組成物を調整しておく必要があった。つまり、同一組成物で、つや消し、つやありを使い分けることができていないのが現状である。
特開2003−342439号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、任意に調整されたつや感により外観向上がなされた雨樋および該雨樋を、複数の組成物や表面加工の追加手段を必要とすること無く、低コストで効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定量の発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材が塩化ビニル系樹脂からなる基材上に積層されてなるつや消し外観自在の雨樋およびその製造方法が、任意に調整されたつや感により外観向上がなされた雨樋を、複数の組成物や表面加工の追加手段を必要とすること無く、低コストで効率的に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、2〜10重量%の発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材が、塩化ビニル系樹脂からなる基材上に積層されてなることを特徴とするつや消し外観自在の雨樋が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記基材が、ポリエチレンテレフタレートからなる芯材の周囲に形成されたものであることを特徴とするつや消し外観自在の雨樋が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または2の発明において、前記表層用樹脂組成物が、アクリロニトリル/エチレンプロピレンゴム/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエンゴム/スチレン共重合体、アクリロニトリル/アクリルゴム/スチレン共重合体及びポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするつや消し外観自在の雨樋が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記表層材が、0.1〜0.2mmの厚みで積層されてなることを特徴とするつや消し外観自在の雨樋が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、塩化ビニル系樹脂からなる基材と、2〜10重量%の発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材とを、つや消し外観の程度に応じて発泡成形温度を調整しながら、共押出成形することを特徴とする第1〜4のいずれかの発明のつや消し外観自在の雨樋の製造方法が提供される。
本発明の雨樋によれば、第1の発明においては、2〜10重量%の発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材が、塩化ビニル系樹脂からなる基材上に積層されてなるつや消し外観自在の雨樋であるので、任意に調整されたつや感により外観向上がなされた雨樋となるという効果がある。
また、第2の発明においては、前記基材が、ポリエチレンテレフタレートからなる芯材の周囲に形成されたものであると特定しているので、軽量で、耐衝撃性、耐久性等に優れる雨樋であるという効果がある。
また、第3の発明においては、前記表層用樹脂組成物が、アクリロニトリル/エチレンプロピレンゴム/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエンゴム/スチレン共重合体、アクリロニトリル/アクリルゴム/スチレン共重合体及びポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも1種を含有すると特定しているので、任意に調整されたつや感により外観向上すると共に、耐候性が向上するという効果がある。
また、第4の発明においては、前記表層材が、0.1〜0.2mmの厚みで積層されてなると特定しているので、つやのあるタイプと略同一の形状でつやを消したタイプを製造できるという効果がある。
また、第5の発明においては、塩化ビニル系樹脂からなる基材と、2〜10重量%の発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材とを、つや消し外観の程度に応じて発泡成形温度を調整しながら、共押出成形することを特徴とするつや消し外観自在の雨樋の製造方法であるので、複数の組成物や表面加工の追加手段を必要とすること無く、低コストで効率的につや感を調整した機能が付加された雨樋を製造できるという効果がある。
図1は、本発明の雨樋を製造するために用いる押出成型機を説明するための要部の概略図である。 図2は、本発明の雨樋の形状等を説明するための断面図である。
本発明の雨樋およびその製造方法を、以下に、具体的かつ詳細に説明する。
1.基材
(1)塩化ビニル系樹脂
本発明の雨樋は、塩化ビニル系樹脂からなる基材に、表層用樹脂および発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材が積層されてなることを特徴とする雨樋である。
基材となる塩化ビニル系樹脂としては特に限定されず、例えば、塩化ビニルモノマーとエラストマー成分であるアクリル系共重合体をグラフト共重合させたアクリルグラフト塩化ビニル樹脂が好適に使用される。
(2)添加剤
塩化ビニル系樹脂には、所望の物性を得るため、必要に応じて添加剤が添加されてもよい。上記添加剤としては特に限定されず、熱安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、充填剤等が挙げられる。配合の割合は、塩化ビニル系樹脂全体を基準として、5〜15重量%が好ましい。
上記熱安定剤としては、特に限定されず、例えば、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマーなどの有機錫安定剤;ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛などの鉛系安定剤;カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミウム系安定剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記安定化助剤としては、特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ豆油エポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタジエン、リン酸エステルなどが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記滑剤としては、特に限定されず、例えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアクリレート/アルキルメタクリレート共重合体であるアクリル系加工助剤が挙げられ、具体例としては、n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート共重合体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、フェノール系抗酸化剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光安定剤としては、特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤、あるいはヒンダードアミン系の光安定剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記顔料としては、特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系などの有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物系・セレン化合物、フェロシアン化物系などの無機顔料が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記充填剤としては、特に限定されず、例えば、炭酸カルシウムなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、プラスチック建材を得るために、成形時の加工性を高めるには、塩化ビニル系樹脂に可塑剤を添加してもよい。可塑剤としては、特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペートなどが挙げられる。1種の可塑剤が用いられてもよく、2種以上の可塑剤が併用されてもよい。
2.表層材
(1)表層用樹脂
本発明の雨樋は、特定量の発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材が、塩化ビニル系樹脂からなる基材上に積層されてなることを特徴とする。
表層用樹脂組成物に含有される表層用樹脂としては特に限定されず、アクリロニトリル/エチレンプロピレンゴム/スチレン共重合体、(AES樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル/アクリルゴム/スチレン共重合体(AAS樹脂又はASA樹脂)、ポリ塩化ビニル(PVC樹脂)等を用いることができる。なかでもAES樹脂が、耐衝撃性、耐候性、成型性の面から好ましい。
(2)発泡剤
本発明に用いられる発泡剤としては、表層となる表層用樹脂組成物の成形温度領域で少なくとも一部が発泡するものであれば特に限定されるものではない。表層用樹脂組成物の押出成形温度領域は、表層用樹脂の種類、溶融粘度にもよるが、一般的には175〜220℃であるため、この温度領域で上記発泡剤を含有する表層用樹脂組成物の少なくとも一部が発泡するものであればよい。
本発明においては、発泡剤の種類、添加量の変更または押出成形時の成形温度の程度によって、自由に製造される押出成形品の表層のつや感を変更することが可能である。
発泡剤の種類としては、良好な外観を得られる等の理由のため、発泡時のガス量が15〜60ml/g程度の発泡剤が好ましい。また、成形温度の高い領域では無機系、低い領域では有機系の発泡剤が望ましい。また、表層用樹脂と混合するものであることから、発泡剤はマスターバッチとして、ペレット状またはシート状のものであることが好ましい。例えばペレット状マスターバッチ発泡剤を用いることにより、表層用樹脂と容易に混合でき、しかも混合時に発泡剤の飛散がなく、混合時間も短縮でき、分散性にもすぐれ、均一微細な発泡成形体を得ることができる。
発泡剤の添加量としては、表層用樹脂組成物全体を基準として、発泡剤を2〜10重量%添加することが好ましい。2重量%より少ないと、発泡によるつや消し効果が見られないため好ましくない。一方、10重量%より多いと、成形品の物性が劣るため好ましくない。
上記発泡剤の一例としては、無機系化学発泡剤としては炭酸水素ナトリウム、有機系化学発泡剤としてはアゾジカルボンアミドが挙げられ、市販されているものとしては、例えば、三協化成株式会社製、商品名「セルマイクMB9082」〔無機系発泡剤、発泡温度:200〜240℃、ガス量:15ml/g〕、「セルマイクMB9073」〔無機系発泡剤、発泡温度:170〜210℃、ガス量:30ml/g〕及び「セルマイクMB9043」〔有機系ADCA系発泡剤、発泡温度:160〜190℃、ガス量:55ml/g〕等が挙げられる。
また、発泡性マイクロカプセルも使用することができる。これは、低沸点のコアを熱可塑性のシェルで被覆した数10μm程度の微粒子であり、例えば、積水化学工業株式会社製の商品名「アドバンセル」〔発泡微粒子、発泡温度:115〜170℃、発泡倍率:30〜80倍〕が挙げられる。
(3)添加剤
表層用樹脂組成物には、所望の物性を得るため、必要に応じて添加剤が添加されてもよい。上記添加剤としては特に限定されず、前述した塩化ビニル系樹脂に添加されるものと同様の熱安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、充填剤、発泡助剤等が挙げられる。
上記化合物および/または添加剤の配合の割合は、表層用樹脂組成物全体を基準として、0.1〜3.0重量%が好ましい。
(4)調整方法
表層用樹脂組成物は、上記表層用樹脂および発泡剤に加え、必要に応じて各種添加剤を混合することによって調整する。混合方法については、特に限定されず、例えば、ホットブレンドによる方法やコールドブレンドによる方法などが挙げられる。
3.製造方法
本発明の雨樋の製造方法は、表面のつや感が制御された雨樋の製造方法であって、塩化ビニル系樹脂からなる基材と、2〜10重量%の発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材とを、成形温度を調整して共押出成形することを特徴とする。ただし、本発明の雨樋は、基材と表層材との2層構造に限定されるものではなく、芯材の周囲に基材を形成した構造、中間層または最外層を含んだ3層以上の多層構造であってもよい。芯材としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステルが挙げられ、軽量で、耐衝撃性、耐久性等に優れるとの理由から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、熱可塑性ポリエステルの積層体であってもよく、例えば熱可塑性ポリエステルと熱可塑性樹脂との積層体が挙げられる。
本発明の製造方法によれば、表層に表層用樹脂組成物の成形体が形成され、表層のつや感を自由に変更させた雨樋を、複数の組成物や表面加工の追加手段を必要とすること無く、成形手段のみで低コストで効率的に製造できる。また、発泡剤を入れていない成形体であればつや有り、発泡剤を入れた成形体であればつや無しというように、表層のつや感を変更させた雨樋を製造することもできる。
共押出成形時の成形温度は、表層用樹脂の種類、発泡剤の種類または添加量等によっても変わるが、一般的には、175〜220℃であれば、好ましい成形体を得ることができるため好ましい。上記範囲外だと、表層用樹脂の押出成形に問題が発生しやすくなるため好ましくない。
その際、つや感は、発泡剤の種類、添加量の変更または押出成形時の成形温度を選択することにより、自由に変更することでき、所望の程度のつや感をもつ成形体を得ることができる。一般的に、低温であれば発泡が少なくなるためつや消し感が弱くなり、高温であれば発泡が多くなるためつや消し感が強くなる。
共押出成形方法としては、従来公知の任意の方法を用いることができる。これらに用いられる押出成形機としては、単軸スクリュー押出機、二軸異方向押出機等を用いることができる。
共押出成形方法としては、例えば、図1に示す押出成型機を用いることができる。この成型機は、矢印方向に基材用塩化ビニル系樹脂及び表層用樹脂組成物を押出する。具体的には、内部にスクリューが搭載されたバレル2に基材用熱可塑性樹脂をホッパー1から投入し、同じく内部にスクリューが搭載されたバレル4に表層用樹脂組成物をホッパー3から投入し、それぞれ溶融する。溶融された樹脂は、金型5で合流され、雨樋が共押出される。押し出された雨樋は、フォーミング6でバキューム、冷却されることによって形状が形成され、引取機に送られる。
共押出成形条件は、特に限定されないが、金型先端での内層と表層の温度差を小さく設定することが好ましい。
本発明の雨樋は、特に限定されることなく、どのような形状にも作製することができる。例えば、雨樋の形状として、円筒状、四角形状、半丸状、角たて形状、全周被覆の角たて形状等、種々の形状が挙げられる。
具体的には、図2(a)〜(f)に示したように、表層用樹脂組成物8と基材用塩化ビニル系樹脂9とから構成されるものが例示される。なお、これら雨樋の具体的な寸法は特に限定されず、その適用場所、部位、態様等に応じて適宜調整することができる。
また、本発明の雨樋は、基材と表層材との2層構造に限定されるものではなく、所望に応じて、芯材の周囲に基材を形成した構造、中間層または最外層を含んだ3層以上の多層構造であってもよい。
表層材の外側に最外層を設ける場合、最外層として用いられる合成樹脂は、特に限定されない。これにより、耐候性が付与され、高性能化が実現できる。上記最外層は、用いる樹脂にもよるが、塗布法等によって形成することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明における各物性値の測定方法を以下に示す。
1.測定法
(1)光沢度(単位:%):光沢度計(MINOLTA社製、商品名:Uni−Gloss60)により測定した。測定した値が30%以下であれば十分なつや消し性を認めることができる。
2.実施例および比較例
(実施例1)
(1)原料の調整
基材用塩化ビニル系樹脂として塩化ビニル樹脂を用いた。表層用樹脂組成物として、AES樹脂と、発泡剤としてセルマイクMB9082(三協化成株式会社製)を表層用樹脂組成物全体を基準として10重量%とを混合したものを用いた。
(2)成形方法
基材用塩化ビニル樹脂を押出機(プラスチック工学研究所製、商品名「BT−50」)に供給し、表層用樹脂組成物ペレットを押出機(プラスチック工学研究所製、商品名「GT−32」)に供給して内径60mm、厚さ1.2mmの円筒状の二層雨樋を得た。基材用塩化ビニル樹脂及びペレットの押出温度は185℃であった。表層の厚みは0.12mmであった。
(3)測定
上記手順で得た雨樋の光沢度を光沢度計により測定した。光沢度が30%以下であればつや消し性が優れている。
原料、測定結果等を表1に示す。
(実施例2)
発泡剤をセルマイクMB9073(三協化成株式会社製)とした以外は、実施例1と同様にして雨樋を作製し、各種測定を行った。原料、測定結果等を表1に示す。
(実施例3)
発泡剤をセルマイクMB9043(三協化成株式会社製)とし、表層用樹脂組成物全体を基準として2重量%混合した以外は、実施例1と同様にして雨樋を作製し、各種測定を行った。原料、測定結果等を表1に示す。
(実施例4)
発泡剤を、表層用樹脂組成物全体を基準として5重量%混合した以外は、実施例3と同様にして雨樋を作製し、各種測定を行った。原料、測定結果等を表1に示す。
(比較例1)
発泡剤を添加しない以外は、実施例1と同様にして雨樋を作製し、各種測定を行った。測定結果を表1に示す。
Figure 2010209544
3.評価
表1から明らかなように、実施例1〜4と比較例1とを対比すると、本発明の製造方法の特定事項である「表層材が2〜10重量%の発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる」との要件を満たさない方法による比較例で得られたものは、単一のつや感をもつ雨樋であるのに比べて、本発明による雨樋は、成形時の加熱により発泡剤の発泡が制御され、さまざまな光沢度で、表面のつや感を制御できることが明らかになった。
以上から、本発明の雨樋およびその製造方法において、その特徴点である、塩化ビニル系樹脂からなる基材に、発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材が積層されてなることは、つや感の制御という点で、大きな技術的意義を持つことが明らかである。
本発明の製造方法によれば、任意に調整されたつや感により外観向上がなされた雨樋および該雨樋を、複数の組成物や表面加工の追加手段を必要とすること無く、低コストで効率的に製造することができる。そのため、本発明の産業上の利用可能性は極めて大きい。
1 基材用塩化ビニル樹脂のホッパー
2 基材用塩化ビニル樹脂のバレル、スクリュー
3 表層用樹脂組成物のホッパー
4 表層用樹脂組成物のバレル、ホッパー
5 基材に表層用樹脂組成物が合流、被覆する金型
6 フォーミング
7 引取機
8 表層用樹脂組成物(被覆部分)
9 基材用塩化ビニル樹脂(内層部分)

Claims (5)

  1. 2〜10重量%の発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材が、塩化ビニル系樹脂からなる基材上に積層されてなることを特徴とするつや消し外観自在の雨樋。
  2. 前記基材が、ポリエチレンテレフタレートからなる芯材の周囲に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のつや消し外観自在の雨樋。
  3. 前記表層用樹脂組成物が、アクリロニトリル/エチレンプロピレンゴム/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエンゴム/スチレン共重合体、アクリロニトリル/アクリルゴム/スチレン共重合体及びポリ塩化ビニルから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のつや消し外観自在の雨樋。
  4. 前記表層材が、0.1〜0.2mmの厚みで積層されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のつや消し外観自在の雨樋。
  5. 塩化ビニル系樹脂からなる基材と、2〜10重量%の発泡剤を含有する表層用樹脂組成物からなる表層材とを、つや消し外観の程度に応じて発泡成形温度を調整しながら、共押出成形することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のつや消し外観自在の雨樋の製造方法。

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