JP2010209270A - 液状硬化性フロロシリコーン組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)下記式
(CF3CH2CH2)aRbSiO(4-a-b)/2
(Rは一価炭化水素基で、0.001モル%以上はアルケニル基。a=0.1〜1.0、b=2.5〜1.0、a+b=1.8〜3.0。)
で示される25℃の粘度が100〜500,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)付加反応触媒、及び
(D)25℃の粘度が1〜10,000mPa・sで、トリフロロプロピル基を含有せず、ジメチルシロキサン単位を含有するジオルガノポリシロキサン
を含有する液状硬化性フロロシリコーン組成物。
【選択図】なし
Description
(A)下記平均組成式:
(CF3CH2CH2)aRbSiO(4-a-b)/2
(式中、Rは炭素数1〜8の一価炭化水素基であるが、少なくとも0.001モル%はアルケニル基である。また、a=0.1〜1.0、b=2.5〜1.0、a+b=1.8〜3.0である。)
で示される25℃における粘度が100〜500,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)付加反応触媒を含有してなる液状硬化性フロロシリコーン組成物に、(D)25℃における粘度が1〜10,000mPa・sで、トリフロロプロピル基を含有せず、ジメチルシロキサン単位を含有するジオルガノポリシロキサンを特定量添加・配合した液状硬化性フロロシリコーン組成物が、脱泡性に優れることを見出し、本発明をなすに至った。
〔請求項1〕
(A)下記平均組成式:
(CF3CH2CH2)aRbSiO(4-a-b)/2
(式中、Rは炭素数1〜8の一価炭化水素基であるが、少なくとも0.001モル%はアルケニル基である。また、a=0.1〜1.0、b=2.5〜1.0、a+b=1.8〜3.0である。)
で示される25℃における粘度が100〜500,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B)成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり0.5〜10個となる量、
(C)付加反応触媒:有効量、及び
(D)25℃における粘度が1〜10,000mPa・sで、トリフロロプロピル基を含有せず、ジメチルシロキサン単位を含有するジオルガノポリシロキサン:0.001〜5質量部
を含有することを特徴とする液状硬化性フロロシリコーン組成物。
〔請求項2〕
(D)成分が下記式より選ばれる化合物である請求項1記載の液状硬化性フロロシリコーン組成物。
〔請求項3〕
(A)下記平均組成式:
(CF3CH2CH2)aRbSiO(4-a-b)/2
(式中、Rは炭素数1〜8の一価炭化水素基であるが、少なくとも0.001モル%はアルケニル基である。また、a=0.1〜1.0、b=2.5〜1.0、a+b=1.8〜3.0である。)
で示される25℃における粘度が100〜500,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B)成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり0.5〜10個となる量、
(C)付加反応触媒:有効量
を含有する液状硬化性フロロシリコーン組成物を製造するに際し、これら(A)〜(C)成分と共に、(A)成分100質量部に対し、脱泡剤として(D)25℃における粘度が1〜10,000mPa・sで、トリフロロプロピル基を含有せず、ジメチルシロキサン単位を含有するジオルガノポリシロキサンを0.001〜5質量部混合し、脱泡機にて脱泡処理することを特徴とする液状硬化性フロロシリコーン組成物の製造方法。
(A)成分は、本発明の組成物の主剤であり、下記平均組成式で示されるものである。
(CF3CH2CH2)aRbSiO(4-a-b)/2
(式中、Rは炭素数1〜8の一価炭化水素基であるが、少なくとも0.001モル%はアルケニル基である。また、a=0.1〜1.0、b=2.5〜1.0、a+b=1.8〜3.0である。)
(A)成分の25℃における粘度は、硬化物の物理的特性が良好であり、また組成物の取扱い作業性が良好であることから、100〜500,000mPa・sの範囲内であり、300〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。25℃における粘度が100mPa・s未満であると硬化物の強度が不十分となり、500,000mPa・sを超えると取扱い性が低下する。なお、本発明において、粘度は回転粘度計等により測定することができる(以下、同じ)。
また、シリコーンゲル等低硬度のシリコーンゴムを与えるシリコーン組成物を得る場合には、トリフロロプロピル基を含有し、アルケニル基を有しないオルガノポリシロキサンを配合してもよい。具体的には上記式でビニル基をメチル基に変えたもの等が例示される。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分とヒドロシリル化付加反応し、架橋剤として作用する。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。(B)成分の分子構造に特に制限はなく、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状構造(樹脂状)等の、従来製造されている各種のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。
(C)成分の付加反応触媒は、(A)成分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子との付加反応を促進するものであればいかなる触媒であってもよい。その具体例としては、白金、パラジウム、ロジウム等や塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の、白金族金属又はそれらの化合物が挙げられるが、特に好ましくは白金系化合物である。
(C)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(D)成分は、25℃における粘度が1〜10,000mPa・sで、トリフロロプロピル基を含有せず、ジメチルシロキサン単位を含有するジオルガノポリシロキサンであり、泡抜けを容易にさせる成分である。(D)成分としては、主鎖がジメチルシロキサン単位を必須とし、任意にメチルビニルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位からなり、分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基等のトリオルガノシリル基、ジオルガノヒドロキシシリル基で封鎖されたものである。ここでメチル基以外の有機基としては、上述したRからメチル基を除いたものが挙げられる。具体的には、下記に示されるジオルガノポリシロキサン等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
この微粉末シリカは、比表面積(BET法)が50m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは50〜400m2/g、特に好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満の場合には、硬化物に十分な引裂き強度を付与することができないことがある。
(E)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、上記成分の他に付加反応硬化型シリコーン組成物用としての公知の成分を添加してもよい。例えば、(C)成分の付加反応触媒に対して硬化抑制効果を持つ化合物とされている従来公知の反応抑制剤をすべて使用することができる。この反応抑制剤としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミンやテトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレン系化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体等が例示される。
反応抑制剤による硬化抑制効果の度合いは、反応抑制剤の化学構造によって大きく異なるため、反応抑制剤の配合量は、使用する反応抑制剤ごとに最適な量に調整することが好ましい。配合量が少なすぎると室温での組成物の長期貯蔵安定性が得られないことがあり、逆に多すぎると組成物の硬化がかえって阻害されるおそれがあるが、通常は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.001〜5質量部である。
下記平均組成式(1)で示される平均で末端の80モル%がビニルジメチルシリル基及び20モル%がトリメチルシリル基により封鎖された、粘度が700mPa・sのフロロシリコーン100部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するトルエン溶液0.05部、エチニルシクロヘキサノール0.1部、下記式(2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン17部、下記式(3)で示されるジメチルオルガノポリシロキサン0.01部を混合した後、混合中に巻き込んだ気泡を真空脱泡機にて脱気した。完全に脱気するのに10秒を要した。脱気された組成物を150℃,30時間硬化させたところ、針入度(ASTM、1/4スケール)65の硬化物を得た。
下記平均組成式(4)で示される平均で末端の55モル%がビニルジメチルシリル基及び45モル%がトリメチルシリル基により封鎖された、粘度が2,500mPa・sのフロロシリコーン100部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するトルエン溶液0.05部、エチニルシクロヘキサノール0.06部、下記式(5)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン6部、下記式(6)で示されるジメチルオルガノポリシロキサン0.01部を混合した後、混合中に巻き込んだ気泡を真空脱泡機にて脱気した。完全に脱気するのに10秒を要した。脱気された組成物を125℃,30時間硬化させたところ、針入度(ASTM、1/4スケール)65の硬化物を得た。
下記式(7)で示される分子末端がビニルジメチルシリル基で封鎖された、粘度が5,000mPa・sのフロロシリコーン100部に、トリメチルシリル基で表面処理された比表面積が180m2/gの乾式微粉シリカ30部を加え、ニーダー混練機で混練して均一化し、混合物(A)を得た。この混合物にテトラメチルテトラビニルシクロシロキサン0.5部、酸化鉄0.5部、酸化セリウム0.3部を添加混合した後、3本ロールで均一化した。その後、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するトルエン溶液0.2部、実施例1で使用した式(2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサン3部、実施例2で使用した式(6)のジメチルオルガノポリシロキサン2部を混合した後、混合中に巻き込んだ気泡を真空脱泡機にて脱気した。完全に脱気するのに60秒を要した。脱気された組成物を150℃,1時間硬化させたところ、硬度(デュロメータ A)40の硬化物を得た。
ジメチルオルガノポリシロキサン0.01部を使用しなかった以外は実施例1に従って混合物を調製し、混合中に巻き込んだ気泡を真空脱泡機にて脱気した。完全に脱気するのに60秒を要した。脱気された組成物を150℃,30時間硬化させたところ、針入度(ASTM、1/4スケール)65の硬化物を得た。
ジメチルオルガノポリシロキサン0.01部を使用しなかった以外は実施例2に従って混合物を調製し、混合中に巻き込んだ気泡を真空脱泡機にて脱気した。完全に脱気するのに60秒を要した。脱気された組成物を125℃,30時間硬化させたところ、針入度(ASTM、1/4スケール)65の硬化物を得た。
ジメチルオルガノポリシロキサン2部を使用しなかった以外は実施例3に従って混合物を調製し、混合中に巻き込んだ気泡を真空脱泡機にて脱気した。完全に脱気するのに240秒を要した。脱気された組成物を150℃,1時間硬化させたところ、硬度(デュロメータ A)40の硬化物を得た。
Claims (3)
- (A)下記平均組成式:
(CF3CH2CH2)aRbSiO(4-a-b)/2
(式中、Rは炭素数1〜8の一価炭化水素基であるが、少なくとも0.001モル%はアルケニル基である。また、a=0.1〜1.0、b=2.5〜1.0、a+b=1.8〜3.0である。)
で示される25℃における粘度が100〜500,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B)成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり0.5〜10個となる量、
(C)付加反応触媒:有効量、及び
(D)25℃における粘度が1〜10,000mPa・sで、トリフロロプロピル基を含有せず、ジメチルシロキサン単位を含有するジオルガノポリシロキサン:0.001〜5質量部
を含有することを特徴とする液状硬化性フロロシリコーン組成物。 - (A)下記平均組成式:
(CF3CH2CH2)aRbSiO(4-a-b)/2
(式中、Rは炭素数1〜8の一価炭化水素基であるが、少なくとも0.001モル%はアルケニル基である。また、a=0.1〜1.0、b=2.5〜1.0、a+b=1.8〜3.0である。)
で示される25℃における粘度が100〜500,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B)成分中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個当たり0.5〜10個となる量、
(C)付加反応触媒:有効量
を含有する液状硬化性フロロシリコーン組成物を製造するに際し、これら(A)〜(C)成分と共に、(A)成分100質量部に対し、脱泡剤として(D)25℃における粘度が1〜10,000mPa・sで、トリフロロプロピル基を含有せず、ジメチルシロキサン単位を含有するジオルガノポリシロキサンを0.001〜5質量部混合し、脱泡機にて脱泡処理することを特徴とする液状硬化性フロロシリコーン組成物の製造方法。
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